JP2007214189A - レーザチャンバのウィンドウ劣化判定装置および方法 - Google Patents
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Abstract
レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態の変化をモニタし、レーザチャンバに取り付けられたウィンドウの劣化を早期に把握できる装置および方法を提供する。
【解決手段】
レーザ発振器から出力されたレーザ光は偏光モニタに入射する。偏光モニタではレーザ光の偏光状態がモニタされる。偏光モニタの検出結果は比較演算部に出力される。比較演算部では偏光モニタで検出された偏光状態を示す値、例えば偏光純度や偏光方位角、が算出され、この算出値と許容範囲設定部に予め設定された許容範囲の閾値とが比較される。算出値が許容範囲の閾値を超えた場合に、信号出力部からウィンドウ劣化信号が出力される。このウィンドウ劣化信号の発生をもってウィンドウが劣化したものと判定することができる。
【選択図】 図4
Description
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、半導体露光装置(以下、「露光装置」という)においては解像力の向上が要請されている。このため露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられている。現在、露光用のガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線を放出するKrFエキシマレーザならびに、波長193nmの紫外線を放出するArFエキシマレーザが用いられている。
多くの露光装置の光学系には、投影光学系が採用されている。投影光学系では異なる屈折率を有するレンズ等の光学素子が組み合わされて色収差補正が行なわれる。現在、前述した露光用光源によって得られる波長帯域248nm〜115nmの紫外光に対して、投影光学系のレンズ材料として使用に適する光学材料は合成石英とCaF2以外にない。このため露光用光源としてKrFエキシマレーザを使用する露光装置の投影レンズとしては、合成石英のみで構成された全屈折タイプの単色レンズが採用されている。また露光用光源にArFエキシマレーザを使用する露光装置の投影レンズとしては、合成石英とCaF2で構成された全屈折タイプの部分色消しレンズが採用されている。
電場のみに着目して考えると、光は互いに直交する二つの直線偏波状態の波の線形結合として表される。通常、この二つの波はP偏光成分とS偏光成分という二つの成分として考えられる。P偏光成分及びS偏光成分の方位は絶対的なものではなく、光を出射する光学素子の設置角度に応じて定められる相対的なものである。光学素子へ入射する光の電場ベクトル方向と光学素子の設置角度によって光学素子表面におけるP偏光成分の方位とS偏光成分の方位が決まる。また二つの波の位相速度と振幅の大きさで、偏光状態(直線偏光、楕円偏光、円偏光)や偏光方位が決まる。二つの波の位相が同じであると直線偏光であり、二つの波の位相が異なると楕円偏光、円偏光となる。
P={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100 (%) … (1)
偏光純度Pが100%に近づくほど偏光状態が直線偏光に近いといえる。
液浸露光においては、高NA化によってレンズの透過率が低下する。よって一定露光量を得るためには、露光用光源であるガスレーザ装置の高出力化が必要である。また露光装置の高スループット化のためにも、ガスレーザ装置の高出力化が必要である。スペクトル線幅を狭帯域化した上で高出力を得るための装置として、2ステージレーザシステムがある。2ステージレーザシステム(以下、2ステージレーザという)は、シード光を生成する発振段(Oscillator:略してOSC)とシード光を増幅する増幅段(Amplifier:略してAMP)とからなる。
チャンバを有するレーザ装置においては、P偏光とS偏光の方向はウィンドウの姿勢によって定義される。
Feasibility of immersion lithography, S.Owa, et al. ,Procceding of SPIE Vol. 5377
2ステージレーザにおいて、OSCから出射されるレーザ光のエネルギー密度は数mJ/cm2であるが、AMPから出射されるレーザ光のエネルギー密度は数十mJ/cm2である。AMPチャンバのウィンドウには高エネルギー密度のビームが透過するため、ウィンドウは表面及び内部で多くの光を吸収し発熱する。するとウィンドウに熱応力が発生し、光吸収率が増加してウィンドウの複屈折が多くなる。本明細書では、このような現象をウィンドウの劣化と考える。一般に、偏光した光が複屈折物質内を透過すると、位相が変化する。例えば直線偏光の光が複屈折物質内を通過すると、位相がずれる。結果として、直線偏光は楕円偏光になる場合が多い。
前述した複屈折の影響について、図2を用いて更に説明する。
図2(a)、(b)は複屈折物質を境にした偏光状態を示す図である。
結晶1は複屈折物質であると想定する。結晶1内に複屈折が発生すると、結晶1内を伝播する光の位相速度が自身の偏波方向に依存して変化する。直線偏光である光が複屈折物質を通過すると、互いに直交する二つの波すなわちP偏光成分、S偏光成分の位相がずれる。よって複屈折物質を通過した光は直線偏光でなく、概ね楕円偏光になる。このため結晶1内に複屈折が発生すると偏光純度Pが低下する。また入射する直線偏光がP偏光であった場合は、P偏光成分の光強度が減少し、S偏光成分の光強度が増加して、偏光方位が変化する。
図3は偏光の増幅過程を説明するための図である。図3は、AMP内を往復するシード光を一方向(図面右方向)に伝搬する光と仮定し、光の伝搬位置と(図面下段)P偏光及びS偏光の強度(図面上段)とを対応させて偏光の増幅過程の概念を示すものである。
2ステージレーザのAMP内に、OSCからの直線偏光(AMPチャンバのブリュースターウィンドウに対してP偏光方向)のシード光が注入されたとする。シード光は、AMPチャンバ21のリア側のウィンドウ21bを透過する際に、ウィンドウ21bの複屈折の影響を受け、入射したP偏光の一部がS偏光に変わる(期間t1)。光がAMPチャンバ内の放電領域を通過すると、光の強度が増幅される。このときP偏光成分のみならず、S偏光成分も増幅される(期間t2)。光がAMPチャンバ21のフロント側のウィンドウ21aを通過すると、ブリュースター角でのフレネル反射でS偏光の14.86%は反射損失を受け減少する。しかしウィンドウ21a、21bの複屈折によって、P偏光成分の一部がS偏光成分に変化する。このためP偏光は減少し、S偏光は増加するため、S偏光のこうした増減の差分だけS偏光の量が変化する(期間t3)。
レーザチャンバに設けられたウィンドウからレーザ光を出力するレーザ発振器と、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態を検出する偏光モニタと、
レーザ光の偏光状態を示す値のうち許容できる範囲を設定する許容範囲設定部と、
前記偏光モニタで検出された偏光状態に基づいて偏光状態を示す値を算出し、その算出値と前記許容範囲設定部で設定された範囲の閾値とを比較する比較演算部と、
前記比較演算部で算出された偏光状態を示す値が前記許容範囲設定部で設定された範囲外である場合に、前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態が許容範囲外になったことを示す信号を出力する信号出力部と、
を有する。
前記偏光状態を示す値は、偏光純度または偏光方位角の少なくとも一方であり、前記閾値は、偏光純度の下限値または偏光方位角の範囲の境界値の少なくとも一方である。
レーザ発振器には1以上のレーザチャンバが直列に設けられており、最前段のレーザチャンバでレーザ光が生成され、後段のレーザチャンバに進むにつれてレーザ光が増幅されていく。レーザ発振器から出力されたレーザ光は偏光モニタに入射する。偏光モニタではレーザ光の偏光状態がモニタされる。偏光モニタの検出結果は比較演算部に出力される。比較演算部では偏光モニタで検出された偏光状態を示す値、例えば偏光純度や偏光方位角、が算出され、この算出値と許容範囲設定部に予め設定された許容範囲の閾値とが比較される。算出値が許容範囲の閾値を超えた場合に、信号出力部からウィンドウ劣化信号が出力される。このウィンドウ劣化信号の発生をもってウィンドウが劣化したものと判定することができる。
レーザ光の偏光状態を示す値のうち許容できる範囲を設定する許容範囲設定工程と、
レーザチャンバに設けられたウィンドウからレーザ光を出力するレーザ出力工程と、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態を検出する偏光モニタ工程と、
前記偏光モニタ工程で検出された偏光状態に基づいて偏光状態を示す値を算出し、その算出値と前記許容範囲設定工程で設定された範囲の閾値とを比較する比較演算工程と、
前記比較演算工程で算出された偏光状態を示す値が前記許容範囲設定工程で設定された範囲外である場合に、前記レーザチャンバのウィンドウが劣化したものと判定するウィンドウ劣化判定工程と、
を有する。
先ず、偏光状態の許容範囲を設定する。次に、レーザ発振器からレーザ光を出力し、出力されたレーザ光の偏光状態を検出する。この検出結果に基づいてレーザ光の偏光状態を示す値、例えば偏光純度や偏光方位角、を算出し、この算出値と予め設定した許容範囲の閾値とを比較する。算出値が許容範囲の閾値を超えた場合に、ウィンドウが劣化したものと判定する。
なお、以下の説明では、2チャンバのレーザをレーザ発振器としているが、通常の1チャンバのレーザをレーザ発振器とすることも可能であるし、3チャンバ以上のレーザをレーザ発振器とすることも可能である。
図5はビームサンプリングの一形態を示す図である。
図4で示されるビームサンプリング素子43としては、CaF2を材料とするウエッジ基板43−1が使用される。ウエッジ基板43−1は、入射面のSa面とSa面に対して任意角だけ傾いて対向するSb面を有し、Sa面に対してメインビーム46がほぼ垂直(≠垂直)に入射するようにして設けられる。メインビーム46の入射角度がある程度大きくなると、Sa面での反射光47のP偏光とS偏光の強度比が変化するため、好ましくない。Sa面がメインビーム46の光軸とほぼ直交するならば、メインビーム46の入射角度がそれほど大きくならないため、反射光47のP偏光とS偏光の強度比は、メインビーム46のP偏光とS偏光の強度比と比較してほぼ等しくなる。
図4で示されるビームサンプリング素子43としては、CaF2を材料とする二つのウエッジ基板43−2、43−3が使用される。ウエッジ基板43−2は、入射面のSa2面とこのSa2面に対して任意角だけ傾いて対向するSb2面を有し、メインビーム46が約45度の入射角でSa2面に入射するように設けられる。ウエッジ基板43−3は、入射面のSa3面とこのSa3面に対して任意角だけ傾いて対向するSb3面を有し、Sa2面での反射光47が約45度の入射角でSa3面に入射するように設けられる。メインビーム46は、Sa2面で反射して反射光47となり、Sa3面で反射して反射光50となる。メインビーム46の偏光成分のうち、Sa2面でP偏光として反射する成分はSa3面でS偏光として反射する。同様に、メインビーム46の偏光成分のうち、Sa2面でS偏光として反射する成分はSa3面でP偏光として反射する。つまりSa2面及びSa3面での反射の結果、P偏光とS偏光の強度比の変化は相殺される。よってメインビーム46と反射光50のP偏光とS偏光の強度比はほぼ等しくなる。例えば入射角度45度の場合に、P偏光成分の反射率は0.0086であるのに対し、S偏光成分の反射率は0.093である。図6で示されるような配置であれば、メインビーム46の偏光成分のうちの一方は、Sa2面でP偏光として反射し、Sa3面でS偏光として反射するので、トータルの反射率は0.0086×0.093=0.0008となる。またメインビーム46の偏光成分のうちの他方は、Sa2面でS偏光として反射、Sa3面でP偏光として反射するので、トータルの反射率は0.093×0.0086=0.0008となる。このように二つのウエッジ基板43−2、43−3によってP偏光とS偏光の最終的な反射率がほぼ等しくなる。
偏光モニタ44はレーザ光の偏光の純度及び方位を測定するモジュールであり、所謂一般的なポラリメータと同等の機能を有する。ここで説明する三形態の偏光モニタ44にはそれぞれ偏光子が含まれる。そこで、偏光モニタ44の説明に入る前に、図7〜図11を用いて具体的な五種類の偏光子を説明する。
第一の形態の偏光子は偏光ビームスプリッタである。偏光子51は、CaF2の平行平面基板52と、平行平面基板52の表面Sa面にコーティングされた偏光分離膜53と、から構成される。偏光分離膜53はP偏光を透過しS偏光を反射する。図7で示されるように、偏光分離膜53に対するレーザ光の入射角度がブリュースター角に近いほど、平行平面基板52の裏面Sb面でのP偏光透過率が更に向上し、効率が良くなる。またSb面にP偏光に対する減反射膜をコーティングしても、同様に効率が良くなる。またSb面にSa面と同じ偏光分離膜をコーティングして、偏光子としての消光比を改善してもよい。
第二の形態の偏光子はRochonプリズムである。偏光子55は、複屈折性の結晶からなる第一のプリズム56及び第二のプリズム57で構成される。第一のプリズム56及び第二のプリズム57は斜面同士が接触している。第一のプリズム56の光学主軸の方位は、入射光と垂直であり且つ自身の斜面と平行である。第二のプリズム57の光学主軸の方位は、入射光と平行である。偏光子55は入射したレーザ光のP偏光、S偏光を分離する。レーザ光は、第一のプリズム56の入射面Sa面に入射し、第一のプリズム56を直進し、第二のプリズム57の斜面でP偏光とS偏光に分離される。P偏光はそのまま第二のプリズム57を直進し、第二のプリズム57の出射面Sb面から出射される。S偏光は、第二のプリズム57の斜面で進行方向を若干変えられ、第二のプリズム57を直進し、第二のプリズム57の出射面Sb面から出射される。第二のプリズム57の出射側にS偏光を遮光するアパーチャ58を設けると、純度の高い直線偏光が得られる。第一、第二のプリズム56、57の材料としては、フッ化マグネシウム結晶などが適している。またSa面、Sb面のように垂直に光が入射する面に減反射膜をコーティングすることによって、より少ない損失で偏光を分離できる。図示はしないが、第一のプリズム56と第二のプリズム57の間に空隙が設けられたRochonプリズムも同様の機能を有し、これを用いることも可能である。
第三の形態の偏光子は第一の偏光子を二つ組み合わせたタイプである。偏光子61は、CaF2の基板62と、基板62の表面Sa面にコーティングされた偏光分離膜63と、基板62の表面Sb面にコーティングされた偏光分離膜64と、から構成される。偏光子61では、偏光分離膜63、64が共通の基板61にコーティングされているが、別々の基板にコーティングされてもよい。偏光子61のような構成によって、光軸がずれることなくP偏光のみを通過させることができる。
第四の形態の偏光子は偏光ビームスプリッタの一例である。偏光子66は、等方性の第一のプリズム67及び第二のプリズム68と偏光分離膜69で構成される。偏光分離膜69を介して第一のプリズム67及び第二のプリズム68の斜面同士が対向する。Sa面、Sb面のように垂直に光が入射する面に減反射膜をコーティングすることによって、より少ない損失で偏光を分離できる。
第五の形態の偏光子はGlan Laserプリズムである。偏光子71は、複屈折性の結晶からなる第一のプリズム72及び第二のプリズム73で構成される。第一のプリズム72及び第二のプリズム73は斜面同士が所定間隔だけ離間して対向している。第一のプリズム72及び第二のプリズム73の光学主軸の方位は、入射光と垂直であり、且つ入射面Sa面に垂直入射する光軸と第一及び第二のプリズムの斜面の法線とを含む平面と平行である。レーザ光は、第一のプリズム72の入射面Saに入射し、第一のプリズム72を直進し、第二のプリズム73の斜面でP偏光とS偏光に分離される。P偏光はそのまま第二のプリズム73を直進し、第二のプリズム73の出射面Sb面から出射される。S偏光は、第二のプリズム73の斜面で反射され、第一のプリズム72を直進し、第一のプリズム72の出射面Sc面から出射される。第一、第二のプリズム72、73の材料としては、α−BBO結晶などが適している。またSa面、Sb面のように垂直に光が入射する面に減反射膜をコーティングすることによって、より少ない損失で偏光を分離できる。
図12は第一の形態の偏光モニタの構成を示す図である。
本形態はストークスのパラメータS0、S1、S2を測定することによって、偏光方位角Φと直線偏光純度Pを求める偏光モニタ44−1である。偏光モニタ44−1は、図8で示される偏光子55と、第一、第二の光センサ75、76とで構成される。偏光子55は、図示しない回転ステージに取り付けられており、入射光軸を中心にして回転自在である。第一の光センサ75は偏光子55から出射されるS偏光の光軸上に設けられ、第二の光センサ76は偏光子55から出射されるP偏光の光軸上に設けられる。本形態では偏光子55の回転と共にS偏光の光軸も移動するため、偏光子55の移動に追従して第一の光センサ75の位置を変化させる駆動機構が設けられる。光センサ75、76は、単一の受光素子でもよいし、1次元あるいは2次元に受光素子が並ぶものでもよい。例えば、CCDラインセンサやMOSエリアセンサなどを使用することができる。この場合は、レーザビームの場所毎、つまりレーザビームの光軸に直交する断面内での偏光の分布の状態が測定できる。
S1:x成分とy成分の強度差(偏光子55の回転角度が0度である場合のP偏光、S偏光の強度の差)
S2:+45度成分と−45度成分の強度差(偏光子55の回転角度が+45度である場合のP偏光、S偏光の強度の差)
偏光方位角Φと直線偏光純度Pは、パラメータS0、S1、S2を用いた下記(2)、(3)式で演算される。
Φ=1/2・tan-1(S2/S1) … (2)
P=〔√{(S1-2+S2-2)/S0-2}〕×100 … (3)
ここで方位角Φと直線偏光純度Pを求める工程を図13を用いて説明する。
同図13に示す一連の処理は任意のタイミングで行うことが可能である。
S0=Sout1+Sout2 … (4)
S1=Sout1−Sout2 … (5)
という演算によってS0、S1が求められる(ステップS11)。
S2=Sout1−Sout2 … (6)
という演算によってS2が求められる(ステップS12)。
図14は第二の形態の偏光モニタの構成を示す図である。
偏光モニタ44−1と同様に、本形態もストークスのパラメータS0、S1、S2を測定することによって、偏光方位角Φと直線偏光純度Pを求める偏光モニタ44−2である。偏光モニタ44−2の構造、原理は、文献K.Kawano and A.Nagashima,Rev.Sci. Instrum.68,4035(1997)に詳しく記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
図15は第三の形態の偏光モニタの構成を示す図である。
本形態は、偏光子を回転させて消光比が最大となる方位(偏光方位角Φ)を探し、さらに直線偏光純度Pを求める偏光モニタ44−3である。偏光モニタ44−3は、図7で示される偏光子51と、光センサ84とで構成される。偏光子51は、図示しない回転ステージに取り付けられており、入射光軸を中心にして回転自在である。光センサ84は偏光子51から出射されるP偏光の光軸上に設けられる。光センサ84の代わりに、光センサ85が設けられていてもよい。光センサ85は偏光子51から出射されるS偏光の光軸上に設けられる。本形態では偏光子51の回転と共にS偏光の光軸も移動するため、偏光子51の回転に追従して光センサ85の位置を変化させる駆動機構が設けられる。光センサ84、85は、単一の受光素子でもよいし、1次元あるいは2次元に受光素子が並ぶものでもよい。例えば、CCDラインセンサやMOSエリアセンサなどを使用することができる。
同図16に示す一連の処理は任意のタイミングで行うことが可能である。
横軸に偏光子51の回転角度をとり縦軸に光強度Soutをとると、ステップS21によって図17で示されるような曲線cが得られる。この曲線cは余弦関数Acos2(θ+Φ)+Bで表される(ステップS22)。Aは曲線cの振幅であり、Bは曲線cの最小光強度である。方位角Φは、曲線cの最大光強度が得られたときの回転角度であり、余弦関数の位相から求められる。直線偏光純度Pは、
P={A/(A+2B)}×100 … (7)
によって求められる(ステップS23)。
91…演算部 92…信号出力部 93…許容範囲設定部 94…報知部
Claims (3)
- レーザチャンバに設けられたウィンドウからレーザ光を出力するレーザ発振器と、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態を検出する偏光モニタと、
レーザ光の偏光状態を示す値のうち許容できる範囲を設定する許容範囲設定部と、
前記偏光モニタで検出された偏光状態に基づいて偏光状態を示す値を算出し、その算出値と前記許容範囲設定部で設定された範囲の閾値とを比較する比較演算部と、
前記比較演算部で算出された偏光状態を示す値が前記許容範囲設定部で設定された範囲外である場合に、前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態が許容範囲外になったことを示す信号を出力する信号出力部と、
を有するレーザチャンバのウィンドウ劣化判定装置。 - 前記偏光状態を示す値は、偏光純度または偏光方位角の少なくとも一方であり、前記閾値は、偏光純度の下限値または偏光方位角の範囲の境界値の少なくとも一方である請求項1記載のレーザシステムの劣化判定装置。
- レーザ光の偏光状態を示す値のうち許容できる範囲を設定する許容範囲設定工程と、
レーザチャンバに設けられたウィンドウからレーザ光を出力するレーザ出力工程と、
前記レーザチャンバから出力されるレーザ光の偏光状態を検出する偏光モニタ工程と、
前記偏光モニタ工程で検出された偏光状態に基づいて偏光状態を示す値を算出し、その算出値と前記許容範囲設定工程で設定された範囲の閾値とを比較する比較演算工程と、
前記比較演算工程で算出された偏光状態を示す値が前記許容範囲設定工程で設定された範囲外である場合に、前記レーザチャンバのウィンドウが劣化したものと判定するウィンドウ劣化判定工程と、
を有するレーザチャンバのウィンドウ劣化判定方法。
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