JP2007210573A - 車体の後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、車両後部の外観を向上させ、飛散雨水ガードシール部材のリヤバンパ内への入り込みを防ぎ、リヤバンパの組付けが容易で、車幅方向の飛散雨水ガードシール部材の長さを短縮した車体の後部構造を提供する。
【解決手段】車体の後部構造97は、リヤバンパ24と車体のリヤエンドパネル41との間に飛散した雨水133や泥の浸入を防ぐ飛散雨水ガードシール部材101がリヤバンパから離して配置される。飛散雨水ガードシール部材は、リヤバンパの上部下面113に倣って密着する長尺なシール本体部116と、シール本体部に直交し且つ、シール本体部が上部下面を押圧するときにリヤエンドパネルに当接するストッパリブ122と、を備えた。飛散雨水ガードシール部材の両端に達した雨水を下方に導く終端壁部を備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、飛散した雨水の浸入を防ぐ車体の後部構造に関するものである。
自動車は、走行中に後方へ、雨水や泥を飛散せることがあるので、飛散物の浸入を阻止する機構を講じたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特公平1−15410号公報(第3頁、第2図)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来のエンジン吸入空気取入構造は、車体201の後端部202から柔軟性を有する遮板203を垂れ下げることで、後端部202とバンパ204の下部との間を塞ぎ、泥や水の浸入を防ぐことができるというものである。
しかし、特許文献1のエンジン吸入空気取入構造では、後端部202から遮板203を垂れ下げて、バンパ204の下部に当接させると、遮板203がバンパ204の下から出て、見えるので、車両後部の外観は悪くなる。
また、泥や水が勢いよく遮板203を押した場合、特に、深い水溜まりを通過する際には、前輪によって車両の底に沿って後方に飛ばされる水量は多く且つ、圧力は高くなるのど、柔軟性を有する遮板203は曲がり過ぎて、バンパ204内に入り込むおそれがある。
本発明は、車両後部の外観を向上させ、飛散雨水ガードシール部材のリヤバンパ内への入り込みを防ぎ、リヤバンパの組付けが容易で、車幅方向の飛散雨水ガードシール部材の長さを短縮した車体の後部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、リヤバンパと車体のリヤエンドパネルとの間に飛散した水や泥の浸入を防ぐ飛散雨水ガードシール部材がリヤバンパから離して配置され、飛散雨水の押圧でリヤバンパに密着して浸入を防ぐ車体の後部構造において、飛散雨水ガードシール部材は、リヤバンパの上部下面に倣って密着する長尺なシール本体部と、シール本体部に直交し且つ、シール本体部が上部下面を押圧するときにリヤエンドパネルに当接するストッパリブと、を備えたことを特徴とする。
車体の後部構造では、飛散雨水ガードシール部材は、リヤバンパの上部下面に倣って密着する長尺なシール本体部を備えたので、車両が雨の中を走行した場合、前輪で飛散された雨水が飛散雨水ガードシール部材に達すると、飛散雨水ガードシール部材は、弾性変形し、シール本体部はリヤバンパの上部下面に押し付けられ、密着する。その結果、飛散雨水ガードシール部材によって、リヤバンパの上部とリヤエンドパネルとの間に雨水が浸入するのを防ぐことができる。
請求項2に係る発明は、飛散雨水ガードシール部材の両端に形成されて、両端に達した飛散物を下方に導く終端壁部を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、飛散雨水ガードシール部材は、リヤバンパから離して配置され、リヤバンパの上部下面に倣って密着する長尺なシール本体部を備えたので、飛散雨水ガードシール部材はリヤバンパの下部から出ず、雨水の浸入防止を損なうことなく、車両後部の外観を向上させることができる。
また、飛散雨水ガードシール部材は、シール本体部に直交し且つ、シール本体部が上部下面を押圧するときにリヤエンドパネルに当接するストッパリブを備えたので、ストッパリブによって、シール本体部の弾性変形量は定まる。従って、飛散雨水ガードシール部材のリヤバンパ内への入り込みを防ぐことができる。
さらに、飛散雨水ガードシール部材は、リヤバンパの上部下面に倣って密着する長尺なシール本体部を、リヤバンパから離れる位置に配置しているので、リヤバンパを組付ける際に干渉せず、リヤバンパの組付けは容易になる。
請求項2に係る発明では、飛散雨水ガードシール部材の両端に形成されて、両端に達した飛散物を下方に導く終端壁部を備えたので、飛散雨水ガードシール部材に達した雨水の一部が両端に流れると、終端壁部によって下に導かれて落ちる。従って、車幅方向の飛散雨水ガードシール部材の長さを短縮することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の後部構造を採用した車両後部の斜視図である。
車両11は、4ドアで、車体12を有し、車体12は、床部をなすアンダボデー13と、アンダボデー13の左右に接続した左・右サイドボデー14,15と、後に接続したリヤボデー16と、左・右サイドボデー14,15の上部に接続したルーフ17と、を備える。21は乗員室、22は荷物室、23は後輪、24はリヤバンパである。
図下の軸は、方向を示し、Xは水平な方向及び前後方向を示す軸、YはXに直交する軸、ZはX,Yに直交する鉛直軸、AはX軸の周りの旋回運動を示す軸である。
左サイドボデー14は、ルーフサイドレール29と、ルーフサイドレール29の後部側に連なるクオーターピラー31と、ルーフサイドレール29とクオーターピラー31とが交差する交差部32と、を備える。また、乗員室21の外板をなすアウトサイドパネル33と、アウトサイドパネル33の内側に取り付けたリヤインサイドパネル34(右サイドボデー15参照)と、からなる。ルーフサイドレール29にルーフ17を取り付けた。
アウトサイドパネル33は、ルーフレールアウタ部35Bと、ルーフレールアウタ部35Bに一体に成形したクオーターピラーアウタ部36と、有する。
右サイドボデー15は、対称軸線(中心)Cを基準に左サイドボデー14とほぼ対称である。
図2は、本発明の後部構造に含まれるリヤバンパを取外した状態の斜視図である。
リヤボデー16は、アンダボデー13並びに左・右サイドボデー14,15に連なるリヤエンドパネル41と、開口部42と、を有し、左・右サイドボデー14,15並びにリヤエンドパネル41にリヤバンパ24を取り付け、開口部42に開閉自在にバックドア44(図3参照)を取り付ける部位である。
リヤバンパ24は、リヤエンドパネル41に沿う本体部91、左・右コーナ部92,93を一体に例えば、射出成形機で成形したものである。本体部91は上部94と、中央部95と、下部96(図3参照)を一体に成形した。
次に、車体の後部構造97を主体に説明する。
後部構造97は、リヤエンドパネル41と、リヤエンドパネル41に取り付けた飛散雨水ガードシール部材101と、リヤバンパ24の本体部91の上部94と、からなる。
図3は、図1の3−3線断面図であり、車体の後部構造97に含まれるリヤエンドパネル41、飛散雨水ガードシール部材101、リヤバンパ24の断面を示している。
リヤエンドパネル41は、インナパネル102をU字形に成形し、インナパネル102の両縁にアウタパネル103を取り付け、開口部42に縁シール104を嵌め、下部をアンダボデー13の後端に接合し、荷物室22を形成する。
アウタパネル103は、飛散雨水ガードシール部材101を取り付けるシール取り付け部105をほぼ垂直に成形し、シール取り付け部105に連ねて段部106を成形し、シール取り付け部105に取り付け用の孔107,107をピッチP(図6参照)で開けた。
リヤバンパ24は、前述の上部94を有し、上部94は、バックドア44とリヤエンドパネル41の間に配置するほぼ水平なバンパシール部108を成形し、バンパシール部108に連ねて縦部111をリヤエンドパネル41に沿って立設し、縦部111に連ねて縁112を縁シール104に接触するように成形した部位である。
バンパシール部108は、上部下面113にバンパ上部シート面114を飛散雨水ガードシール部材101に密着する形状に成形した。
飛散雨水ガードシール部材101は、リヤエンドパネル41に取り付けられる長尺な固定部115と、固定部115に連ねるとともにリヤエンドパネル41の段部106に沿って成形されたシール本体部116と、シール本体部116の縁に成形されてリヤバンパ24のバンパ上部シート面114に密着する形状に成形したシート面117と、を備え、例えば、射出成形機で成形される。固定部115をリヤエンドパネル41に固定することで、シート面117とバンパ上部シート面114との間に隙間Sが形成される。
固定部115は、リヤエンドパネル41のアウタパネル103に成形したシール取り付け部105に、孔107,107に通した掛止ボルト118,118と掛止ボルト118,118にそれぞれ嵌めることで掛止するクリップ121,121とで固定される。
図4は、図2の4部詳細図である。図3を併用して説明する。
飛散雨水ガードシール部材101は、具体的には、シール本体部116を車幅方向(Y軸方向)に長さLで成形し、さらに、リヤエンドパネル41に向くシール本体部116の上面にストッパリブ122・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)を所望のピッチで且つ、シール本体部116に直交(前後方向(X軸方向))するように一体で成形し、両端123,124に終端壁部125,126を一体に成形した。車体の幅方向の中心Cに飛散雨水ガードシール部材101の中心Csを一致させた。
ストッパリブ122の数は、6個としたが、長さLなどの条件によっては、6個以上若しくは6個未満でもよい。
図5は、本発明の後部構造が備える飛散雨水ガードシール部材の端の斜視図である。
終端壁部125は、飛散雨水ガードシール部材101の端123に、シール本体部116から平均高さHに成形した部位である。
シール本体部116には、クリップ121の回転(A軸方向)を防ぐ、回り止め部127,127を成形した。
図6は、本発明の後部構造が備える飛散雨水ガードシール部材の背面図である。
図7は、図6の7矢視図である。
飛散雨水ガードシール部材101はまた、対称軸線(中心)Csを基準に対称であり、終端壁部126は、対称軸線Csを基準に終端壁部125と対称である。
リヤエンドパネル41は、具体的には、中央に前方へ突出するようにクロスリブ部128を成形した。
固定部115には、リヤエンドパネル41のクロスリブ部128に倣ってクロスリブ部128との隙間を封じる封じ部131を成形した。
次に、本発明の車体の後部構造の作用を説明する。
図8は、本発明の後部構造の雨水に対するシール作用を説明する第1図である。図1、図3を併用して説明する。
車両11が雨の中を走行した場合、前輪(後輪23と同じ形状)が飛散させた雨水133はリヤバンパ24に矢印a1のように達するとともに、さらに、リヤバンパ24の上部94に矢印a2のように達する。上部94に飛散する雨水133は同時に飛散雨水ガードシール部材101に飛散するので、飛散雨水ガードシール部材101は雨水133によって矢印a3のように押されて、弾性変形し、飛散雨水ガードシール部材101のシート面117はリヤバンパ24のバンパ上部シート面114に押し付けられ、密着する。その結果、飛散雨水ガードシール部材101によって、リヤバンパ24の上部94とリヤエンドパネル41との間に雨水133が浸入するのを防ぐことができる。
また、飛散雨水ガードシール部材101は、リヤバンパ24の上部94、詳しくは、バンパ上部シート面114を矢印a4のように押圧するので、リヤバンパ24の下部96から飛び出さず、雨水の浸入防止を損なうことなく、車両後部の外観を向上させることができる。
さらに、飛散する雨水133で飛散雨水ガードシール部材101が矢印a3のように押されて弾性変形すると、飛散雨水ガードシール部材101のストッパリブ122・・・がリヤエンドパネル41に矢印a5のように当接するので、飛散雨水ガードシール部材101の弾性変形量を規制することができる。同時に、ストッパリブ122・・・によって、飛散雨水ガードシール部材101のシール本体部116の弾性変形を抑制することができる。従って、飛散雨水ガードシール部材101のリヤバンパ24内への入り込みを防ぐことができる。
図3に示すように、リヤエンドパネル41のシール取り付け部105に飛散雨水ガードシール部材101を取り付けると、リヤバンパ24の上部94が有するバンパ上部シート面114との間に隙間Sを形成するので、リヤバンパ24を取り付ける際に、リヤバンパ24と干渉するものが無く、リヤバンパ24の組付けは容易である。
図9は、本発明の後部構造の雨水に対するシール作用を説明する第2図である。
飛散雨水ガードシール部材101に達した雨水133の一部が横(Y軸方向)に流れると、終端壁部125,126によって下に矢印a6のように導かれて落ちる。従って、車幅方向(Y軸方向)の飛散雨水ガードシール部材101の長さLを短縮することができる。
尚、本発明の車体の後部構造は、実施の形態では車体のリヤエンドパネルとリヤバンパの間に採用したが、リヤエンドパネルとリヤバンパの間以外の雨水の飛散するところに採用することは差し支えない。
本発明の車体の後部構造は、四輪車の後部に好適である。
本発明の後部構造を採用した車両後部の斜視図 本発明の後部構造に含まれるリヤバンパを取外した状態の斜視図 図1の3−3線断面図 図2の4部詳細図 本発明の後部構造が備える飛散雨水ガードシール部材の端の斜視図 本発明の後部構造が備える飛散雨水ガードシール部材の背面図 図6の7矢視図 本発明の後部構造の雨水に対するシール作用を説明する第1図 本発明の後部構造の雨水に対するシール作用を説明する第2図 従来の技術の基本構成を説明する図
符号の説明
12…車体、24…リヤバンパ、41…リヤエンドパネル、97…車体の後部構造、101…飛散雨水ガードシール部材、113…上部下面、116…シール本体部、122…ストッパリブ、123,124…飛散雨水ガードシール部材の両端、125,126…終端壁部、133…飛散雨水(飛散した雨水)、S…離した距離。

Claims (2)

  1. リヤバンパと車体のリヤエンドパネルとの間に飛散した水や泥の浸入を防ぐ飛散雨水ガードシール部材がリヤバンパから離して配置され、飛散雨水の押圧でリヤバンパに密着して浸入を防ぐ車体の後部構造において、
    前記飛散雨水ガードシール部材は、前記リヤバンパの上部下面に倣って密着する長尺なシール本体部と、シール本体部に直交し且つ、シール本体部が前記上部下面を押圧するときにリヤエンドパネルに当接するストッパリブと、を備えたことを特徴とする車体の後部構造。
  2. 前記飛散雨水ガードシール部材の両端に形成されて、両端に達した飛散物を下方に導く終端壁部を備えたことを特徴とする請求項1記載の車体の後部構造。

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