JP2007204675A - ブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ブロー成形性、ドローダウン性が改良され中空成形品の肉厚ムラが少なく、低温靱性とガスバリア性に優れたブロー中空成形に好適なポリアミド樹脂組成物を得る。
【解決手段】(a)ポリアミド樹脂70〜97重量部、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂を0.1〜20重量部、(c)エチレン系アイオノマー樹脂3〜30重量部、(d)オレフィン系エラストマー樹脂3〜30重量部(ただし、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部とする)からなり、融点+15℃で測定した溶融粘度が2000〜20000Pa・sであるブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂からなるブロー成形性と低温靱性に優れたブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は、機械的特性、靭性、熱的性質に優れるなど、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に広く使用されている。しかし、一般的にポリアミド樹脂は、溶融粘度が低くまたせん断速度に対する溶融粘度変化も小さいのでブロー成形性は良いとは言えず、特に大型の中空成形品を得ることは困難であった。
このようなポリアミド樹脂の溶融粘度特性を改善するために、ポリアミド樹脂にエチレン系アイオノマー樹脂を配合し、溶融粘度特性を改善する方法が特許文献1に提案されている。しかしながらエチレン系アイオノマー樹脂を配合する方法では、室温付近では良好な耐衝撃性を示すが、例えば−30℃程度の低温雰囲気下では、大幅に耐衝撃性が低下するという問題がある。
一方、低温での耐衝撃性を改良するために、ポリアミド樹脂にα、β−不飽和カルボン酸をグラフトしたエチレン・α−オレフィン系共重合体を配合する方法が特許文献2、3に提案されている。しかしながら、上記組成物では低温靱性は改良されるがブロー成形に必要な溶融粘度特性であるドローダウン性が改善されず大型の中空成形品を得ることが困難になるという問題点がある。
一方世界的な環境規制の高まりにより、各種チューブ、ホース、タンク類には高いバリア性が要求されており、押出成形用樹脂組成物の改良が望まれていた。
特開昭53−101048号公報(特許請求の範囲) 特開昭55−9661号公報(特許請求の範囲) 特開昭55−9662号公報(特許請求の範囲)
本発明はブロー成形性と低温靱性およびバリア性に優れたブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、
(1)(a)ポリアミド樹脂70〜97重量部、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂を0.1〜20重量部、(c)エチレン系アイオノマー樹脂3〜30重量部、(d)オレフィン系エラストマー樹脂3〜30重量部(ただし、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部とする)からなり、融点+15℃で測定した溶融粘度が2000〜20000Pa・sであるブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、
(2)前記(a)ポリアミド樹脂が相対粘度3〜5のナイロン6であることを特徴とする(1)記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、
(3)電子顕微鏡で観察されるモルホロジーが前記(a)ポリアミド樹脂が連続相を形成し、(d)ポリフェニレンスルフィド樹脂が1〜300nmの分散粒径で分散していることを特徴とする(1)または(2)に記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、
(4)前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対して、(e)相溶化剤を0.01〜10重量部含有することを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、
(5)(e)相溶化剤がビスフェノール−グリシジルエーテル系エポキシ化合物、エポキシ基またはイソシアネート基を有する有機シラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、
(6)(c)エチレン系アイオノマー樹脂がエチレン単位、不飽和カルボン酸エステル単位、不飽和カルボン酸単位および不飽和カルボン酸金属塩単位からなる共重合体であって、不飽和カルボン酸金属塩を構成する金属がNa、K、Cu、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Al、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種からなる金属である(1)〜(5)のいずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、および
(7)(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン系共重合体であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物、を提供するものである。
本発明によれば、ブロー成形性、特にドローダウン性が改良され中空成形品の肉厚ムラが少なく、低温靱性に優れ且つガスバリア性に優れたブロー中空成形に好適なポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ポリアミド樹脂と特定のポリオレフィン樹脂、さらにはポリフェニレンスルフィド樹脂(以下PPS樹脂)からなる樹脂組成物において、特定の溶融粘度特性や特定のモルホロジーを形成させることで、ブロー中空成型用に適するポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
本発明で用いられる(a)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの混合物などが挙げられる。
とりわけ好ましいポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマーなどを挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を耐衝撃性、成形加工性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
これらポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、サンプル濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度として、1.5〜7の範囲のものが好ましく、特に3〜5の範囲のポリアミド樹脂が衝撃強度と溶融粘度のバランスの面から好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂には、長期耐熱性を向上させるために銅化合物が好ましく用いられる。銅化合物の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2ーメルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールなどの錯化合物などが挙げられる。なかでも1価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅化合物として例示できる。銅化合物の添加量は、通常ポリアミド樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、さらに0.015〜1重量部の範囲であることが好ましい。添加量が多すぎると溶融成形時に金属銅の遊離が起こり、着色により製品の価値を減ずることになる。
本発明では銅化合物と併用する形でハロゲン化アルカリを添加することも可能である。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムを挙げることができ、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましい。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物には、ブロー成形時のガスバリア性を向上させる目的で(b)PPS樹脂を添加する必要がある。(b)PPS樹脂の添加により本発明の課題であるガスバリア性を改良することができる。
本発明の(b)PPS樹脂としては、下記構造式で示される繰り返し単位を有する重合体を用いることができる。
Figure 2007204675
耐熱性の観点からは前記構造式で示される繰り返し単位を70モル%以上、さらには90モル%以上含む重合体が好ましい。またPPS樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満程度が、下記のいずれかの構造を有する繰り返し単位等で構成されていてもよい。なかでもp−フェニレンスルフィド/m−フェニレンスルフィド共重合体(m−フェニレンスルフィド単位20%以下)などは、成形加工性とバリア性を兼備する点で好ましく用いられる。
Figure 2007204675
かかるPPS樹脂は、ポリハロゲン芳香族化合物とスルフィド化剤とを極性有機溶媒中で反応させて得られるPPS樹脂を回収および後処理することで、高収率で製造することができる。具体的には特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法、あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによっても製造できる。前記のように得られたPPS樹脂を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で使用することもできる。
PPS樹脂を加熱により架橋/高分子量化する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において、希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、170〜280℃が選択され、好ましくは200〜270℃である。また、加熱処理時間は通常0.5〜100時間が選択され、好ましくは2〜50時間である。この両者をコントロールすることにより目標とする粘度レベルを得ることができる。加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でも、また回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理するためには、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いることが好ましい。
PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜270℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でも、また回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理するためには、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
本発明で用いられる(b)PPS樹脂は、洗浄処理を施されたPPS樹脂であることが好ましい。かかる洗浄処理の具体的方法としては、酸水溶液洗浄処理、熱水洗浄処理および有機溶媒洗浄処理などが例示できる。これらの処理は2種以上の方法を組み合わせて用いても良い。
PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド、スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール、フェノール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどの使用が好ましい。これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上を混合して使用される。有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得られる。また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は、残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。
PPS樹脂を熱水で洗浄処理する場合の具体的方法としては、以下の方法が例示できる。すなわち、熱水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
また、熱水で洗浄処理する場合、周期表の第II族の金属元素を含有する水溶液で処理することが好ましく用いられる。周期表の第II族の金属元素を含む水溶液とは、上記水に、周期表の第II族の金属元素を有する水溶性塩を添加したものである。水に対する周期表の第II族の金属元素を有する水溶性塩の濃度は、0.001〜5重量%程度の範囲が好ましい。
ここで使用する周期表の第II族の金属元素の中でも好ましい金属元素としては、Ca、Mg、BaおよびZnなどが例示でき、その対アニオンとしては、酢酸イオン、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオンおよび炭酸イオンなどが挙げられる。より具体的で好適な化合物としては、酢酸Ca、酢酸Mg、酢酸Zn、CaCl、CaBr、ZnCl、CaCO、Ca(OH)およびCaOなどが例示でき、特に好ましくは、酢酸Caである。
周期表の第II族の金属元素を含有する水溶液の温度は130℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。洗浄温度の上限については特に制限はないが、通常のオートクレーブを用いる場合には250℃程度が限界である。
かかる周期表の第II族の金属元素を含む水溶液の浴比は、重量比で乾燥ポリマー1に対し、2〜100の範囲が好ましく選択され、4〜50の範囲がより好ましく、5〜15の範囲であることがさらに好ましい。
PPS樹脂を酸水溶液で洗浄処理する場合の具体的方法としては、以下の方法が例示できる。すなわち、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。用いられる酸はPPS樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施されたPPS樹脂は、残留している酸や塩などを除去するために、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。
(b)PPS樹脂の配合割合は、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、更に好ましくは1〜10重量部である。0.1重量部以下の添加量においては十分なガスバリア性向上効果が得られず、20重量部を超える場合は低温靱性が著しく低下する場合がある。
また、本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物は、(a)ポリアミド樹脂が連続相、(b)PPS樹脂が分散相を形成し、(b)PPS樹脂が1〜300nmの範囲の分散粒径で分散していることが好ましく、更に好ましい分散粒径の範囲は10〜200nmである。(b)PPS樹脂の分散粒径が1〜300nmの範囲以外の場合には、本発明の課題であるブロー成形性と低温靱性のバランスが低下する場合がある。ここで言う(b)PPS樹脂の分散粒径とは、ブロー成形にて作成した中空成形品片の中心部から厚み80nmの薄片をダンベル片の断面積方向に切削し、透過型電子顕微鏡(倍率:1万倍)で観察した際の任意の100ヶの分散粒子について、まずそれぞれの最大径と最小径を測定して平均値を求め、その後それら100ヶの平均値の平均値を求めた数平均粒子径として測定される。
本発明の本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物には(a)ポリアミド樹脂と(b)PPS樹脂の相溶性を向上させる目的で(e)相溶化剤を添加することが好ましい。(b)PPS樹脂の相溶性を向上させることで、PPS樹脂の分散粒径を細かくでき、本発明の課題である低温靱性とガスバリア性が改良されるため好ましい。(e)相溶化剤の具体的な例としては、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランなどの有機シラン化合物および多官能エポキシ化合物などが挙げられ、これらは2種以上同時に使用することもできる。ここで多官能エポキシ化合物は、エポキシ基を分子中に2個以上含むものであり、液体または固体状のものを使用することができる。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα−オレフィンとアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸グリシジルエステルとの共重合体、ビスフェノールA、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、ビスフェノールF、サリゲニン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールS、トリヒドロキシ−ジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、カシューフェノール、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール−グリシジルエーテル系エポキシ化合物、フタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ化合物、N−グリシジルアニリン等のグリシジルアミン系エポキシ化合物、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させたノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。好ましくはポリアミド樹脂、PPS樹脂の両方と反応性の高いビスフェノール−グリシジルエーテル系エポキシ化合物、エポキシ基またはイソシアネート基を有する有機シラン化合物が用いられる。
(e)相溶化剤の配合割合は、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部以下の添加量においては十分な相溶性向上効果が得られず、10重量部を超える場合はブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が著しく増加するため好ましくない。
更に本発明においては、高い耐熱性及び熱安定性を保持するために、フェノール系、リン系化合物の中から選ばれた1種以上の(f)酸化防止剤を含有せしめることが好ましい。かかる酸化防止剤の配合量は、耐熱改良効果の点から、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部に対して、0.01重量部以上、特に0.02重量部以上であることが好ましく、成形時に発生するガス成分の観点からは、5重量部以下、特に1重量部以下であることが好ましい。また、フェノール系、リン系及びチオエーテル系酸化防止剤を使用することは、特に耐熱性、熱安定性、低温靱性保持効果が大きく好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましく用いられ、具体例としては、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド等をあげることができる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドである。ヒンダードフェノール系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”AO−20,AO−30,AO−40,AO−50,AO−60,AO−70,AO−80,AO−330、チバスペシャリティケミカル社製“イルガノックス”245,259,565,1010,1035,1076,1098,1222,1330,1425,1520,3114,5057、住友化学社の“スミライザー”BHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社の“サイアノックス”CY−1790などが挙げられる。
次にリン系酸化防止剤としては、例えば、ホスファイト系化合物、ホスフェート系化合物が挙げられる。かかるホスファイト系化合物の具体例としては、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,6−ヘキサメチレン−ビス(N−ヒドロキシエチル−N−メチルセミカルバジド)−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−ヒドロキシエチルカルボニルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−サリシロイルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−ジ(ヒドロキシエチルカルボニル)ヒドラジド−ジホスァイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド−ジホスファイトなどが挙げられるが、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものがより好ましく、具体例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられ、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスホナイトなどが好ましく使用できる。ホスファイト系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”PEP−4C,PEP−8,PEP−11C,PEP−24G,PEP−36、HP−10、2112、260、522A、329A、1178、1500、C、135A、3010、TPP、チバスペシャリティケミカル社の“イルガフォス”168、住友化学社の“スミライザー”P−16、クラリアント社の“サンドスタブ” P−EPQ、GE社の“ウエストン”618、619G、624などが挙げられる。
ホスフェート系化合物の具体例としては、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェートなどが挙げられ、中でも、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェートが好ましい。ホスフェート系化合物の具体的な商品名としては、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス”MD1024、イーストマン・コダック社の“インヒビター”OABH、旭電化工業社の“アデカスタブ”CDA−1、CDA−6、AX−71、三井東圧ファイン社の“Qunox”、ユニロイアル社の“ナウガード”XL−1などを挙げることができる。
次にチオエーテル系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)などが挙げられる。チオエーテル系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”A0−23、AO−412S、AO−503A、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス”PS802、住友化学社の“スミライザー”TPL−R、TPM、TPS、TP−D、吉富社のDSTP、DLTP、DLTOIB、DMTP、シプロ化成社の“シーノックス”412S、サイアミド社の“サイアノックス”1212などが挙げられる。
本発明で用いる(c)エチレン系アイオノマー樹脂はエチレンとα、β−不飽和カルボン酸誘導体との共重合体に原子価が1〜3の金属イオンを付加せしめたイオン性重合体である。ここでα、β−不飽和カルボン酸誘導体としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。また原子価が1〜3の金属イオンとしてはNa、K、Cu、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Al、Fe、Co、Niなどが挙げられる。これらエチレン系アイオノマー樹脂は一般に“サーリン”、“ハイミラン”、“コーボレン”なる商品名で市販されている各種グレードをもちいる事ができる。
本発明で用いる(d)オレフィン系共重合エラストマー樹脂は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン系共重合体およびエチレンとα、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルを共重合して得られるエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
本発明で特に有用なエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20を有する少なくとも1種以上のα−オレフィンを構成成分とする共重合体である。上記の炭素数3〜20のα−オレフィンとして、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。これらα−オレフィンの中でも炭素数6から12であるα−オレフィンを用いた共重合体が機械強度の向上、改質効果の一層の向上が見られるためより好ましい。
また、本発明で特に有用なエチレンとα、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルを共重合して得られるエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体は、エチレンおよびα、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルを構成成分とする共重合体である。上記のα、β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルとしては、不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸のいずれかあるいはその混合物であり、不飽和カルボン酸エステルとしてはこれら不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル等、あるいはこれらの混合物が挙げられるが、特にエチレンとメタクリル酸との共重合体、エチレン、メタクリル酸及びアクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。
本発明の(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂のメルトフローレート(以下MFRと略す。:ASTM D 1238、190℃、2160g荷重)は0.01〜50g/10分であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜30g/10分である。MFRが0.01g/10分以上のエチレン系共重合エラストマー樹脂を使用することで、流動性が改善される効果があり、50g/10分以下のものを使用することで衝撃強度が向上する効果があるので好ましい。
本発明の樹脂組成物における(c)エチレン系アイオノマー樹脂と(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂の配合割合は、前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対し、(c)エチレン系アイオノマー樹脂3〜30重量部、(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂3〜30重量部であり、好ましくは、エチレン系アイオノマー樹脂5〜20重量部、エチレン系共重合エラストマー樹脂5〜20重量部である。(c)エチレン系アイオノマー樹脂が3重量部より小さすぎると耐衝撃性やブロー成形時のドローダウン性の改良効果が得にくく、ブロー中空成形品に肉厚のムラを生じやすくなる。逆に、30重量部より多すぎると溶融粘度が高くなりすぎブロー成形が損なわれる傾向が生じるため好ましくない。また、(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂が3重量部以下の添加量においては十分な低温衝撃性向上効果が得られず、30重量部を超える場合はポリアミド樹脂本来の熱安定性、バリア性が損なわれる傾向が生じるため、好ましくない。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物は、低温での柔軟性および耐衝撃性の高度バランスを得るために、(a)ポリアミド樹脂が連続相、(c)エチレン系アイオノマー樹脂と(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂が分散相を形成し、(c)エチレン系アイオノマー樹脂と(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂が10〜2000nmの範囲の分散粒径で分散していることが好ましく、より好ましくは30〜1000nmである。((c)エチレン系アイオノマー樹脂と(d)エチレン系共重合エラストマー樹脂の分散粒径が10〜2000nmの範囲以外の場合には、低温靱性とブロー成形性のバランスが低下する場合がある。ここで言う分散粒径とは、ブロー成形にて作成した中空成形品片中心部から厚み80nmの薄片をダンベル片の断面積方向に切削し、透過型電子顕微鏡(倍率:1万倍)で観察した際の任意の100ヶの分散粒子について、まずそれぞれの最大径と最小径を測定して平均値を求め、その後それら100ヶの平均値の平均値を求めた数平均粒子径として測定される。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物は(a)ポリアミド樹脂の融点+15℃で測定した溶融粘度が2000〜20000Pa・sであるすることが必要である。ここで言う溶融粘度とは、東洋精機製キャピログラフ1C型を用いて、ポリアミド樹脂の融点+15℃でせん断速度10秒―1の条件で測定される。なお、ポリアミド樹脂の融点は、溶融した後に急冷して調製したサンプルを用いて示差走査型熱量計(DSC)で20℃/分で昇温した際に観察される結晶融解に基づく吸熱ピークのピークトップ温度である。また、2種以上のポリアミド樹脂を混合して用いる場合の融点は、該ポリアミド樹脂の混合物をDSCで測定して観察される吸熱ピークのうち最も高温側に現れるピークのピークトップ温度とする。特に好ましい溶融粘度の範囲は3000〜15000Pa・sである(a)ポリアミド樹脂の融点+15℃で測定した溶融粘度が2000〜20000Pa・sの範囲以外の場合には、本発明の課題であるブロー成形性と低温靱性に優れたブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物を得ることができない。
さらに、本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、PPS樹脂以外の樹脂を添加することが可能である。但し、前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対して30重量部を超えるとポリアミド樹脂本来の特徴が損なわれるため好ましくなく、特に20重量部以下の添加が好ましく使用される。
樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。また、改質を目的として、以下のような化合物の添加が可能である。イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重宿合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、その他、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添加剤を配合することができる。上記化合物は何れも、前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対して20重量部を越えるとポリアミド樹脂本来の特性が損なわれるため好ましくなく、10重量部以下、更に好ましくは1重量部以下の添加が良い。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で充填材を配合して使用することも可能である。かかる充填材の具体例としてはガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、あるいはタルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材が用いられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これらの充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。上記化合物は何れも前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対して0~40重量部が好ましい。この範囲で充填材を添加することで、パリソンが硬くなることがなく、また賦形性が損なわれることもないため好ましい。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物の製造に用いる混練機は、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に供給してポリアミド樹脂の融点以上の加工温度で混練する方法などを代表例として挙げることができるが、本発明のモルホロジーおよび分散粒径を上述の如くコントロールするためには、押出時の混練エネルギー(吐出量あたりの押出機仕事量(kW/(kg/h)))を大きくすることが必要である。これによってエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂、エポキシ基を含有しないポリオレフィン樹脂、PPS樹脂をポリアミド樹脂中に微分散化できる。好ましい混練エネルギーは、0.25以上であり、特に好ましくは0.30以上である。しかしながら、通常混練エネルギーを大きくするとせん断による発熱で樹脂温度が上昇し、ポリアミド樹脂の熱分解を引き起こし、目的の相分離構造を形成することが困難となる。そのため押出時の樹脂温度は270℃〜340℃にすることが好ましい。このように混練エネルギーと樹脂温度を制御することにより、目的の樹脂相分離構造を形成することが可能となる。具体的には、通常2軸押出機のシリンダー構成は、投入された樹脂を可塑化する可塑化部と可塑化された溶融樹脂を溶融混練する混練部に分けることができるが、2軸押出機を使用して溶融混練する際のシリンダー温度について、可塑化部をポリアミド樹脂の融点〜融点+40℃の温度とし、混練部のシリンダー温度の発熱を抑えるために100〜250℃の範囲とすることで上記条件が達成できる。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも勿論可能である。
ブロー成形法に関しても制限は無く従来公知の方法を使用することができる。代表例としては、ダイレクトブロー法、アキュームレーターブロー法および多次元ブロー法などを挙げることができ、また他の材料との組合せにおいて用いられる多層ブロー成形法やエクスチェンジブロー成形法などを適用することも可能である。また、ポリエチレンなどのポリオレフィンや他の熱可塑性樹脂と共押出した後、ブロー成形を行い多層構造体を得ることも可能である。その場合ポリアミド樹脂組成物層とポリオレフィンなどの他の熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けることも可能である。多層構造体の場合、本発明のポリアミド樹脂組成物は外層、内層のいずれにも使用し得る。
本発明のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物は溶融粘度特性に優れているため、長いパリソン長を必要とする三次元ブロー成形に適している。また、得られたブロー成形品は低比重で良外観でありながら高い低温靱性を保持しているので、スポイラー、エアインテークダクト、インテークマニホールド、レゾネーター、燃料タンク、燃料フィラーチューブ、燃料デリバリーパイプ、その他各種ホース・チューブ・タンク類などの自動車部品、電動工具ハウジング、パイプ類などの機械部品を始め、電気・電子部品、家庭・事務用品、建材関係部品、家具用部品など各種用途に有効である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性評価については下記の方法に従って行った。
[溶融粘度]東洋精機製キャピログラフ1C型を用いて、ポリアミド樹脂の融点+15℃、せん断速度10秒―1の条件で溶融粘度を測定した。
[ガスバリア性]樹脂組成物ペレットを50mm押出機を具備するブロー成形機に供給してシリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+15℃、吐出量40kg/hrで押出を行い、外径120mm、肉厚5mmのパリソンを成形した後、金型内で空気を吹き込み、直径100mm、高さ250mmの円柱型容器を成形した。この成形品胴部から幅15mm長さ60mmの短冊状の試験片を切り出し、60℃のトルエン45vol%、イソオクタン45vol%、エタノール10vol%溶液に浸漬させ24hr後の吸液率をガスバリア性とした。
[ブロー成形性]樹脂組成物ペレットを50mm押出機を具備するブロー成形機に供給してシリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+15℃、吐出量40kg/hrで押出を行い、外径120mm、肉厚5mmのパリソンを成形した後、金型内で空気を吹き込み、直径100mm、高さ250mmの円柱型容器を成形した。この成形品胴部の上部(上から約50mm)および下部(上から約25mm)の各5カ所の厚みを測定し、上部平均厚みと下部平均厚みの差が1mm以内ものを成形性良好、上記厚み差が1mmを越えるものを成形性不良と判定した。
[ドローダウン性]樹脂組成物ペレットを50mm押出機を具備するブロー成形機に供給してシリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+15℃、吐出量40kg/hrで押出を行い、外径120mm、肉厚5mmのパリソンが押出機口金から500mm地点に到達する時間を測定した。早い時間で到達する材料はドローダウン性が悪く、ブロー成形に適さない。
[分散粒径]前記方法にて作成した中空成形品片の中心部から厚み80nmの薄片を切削し、透過型電子顕微鏡で倍率1万倍にて観察して得られた写真から、任意のPPS樹脂、ポリオレフィン樹脂分散粒子100ヶの分散部分について画像処理ソフト「Scion Image」(Scion Corporation 社製)を用いて、各々の粒子の最大径と最小径を測定して平均値を求め、その後それら100ヶの平均値の数平均値を求めた。
[低温靱性]上記容器にロングライフクーラント(LLC)50%水溶液を容器内容積の80%まで注入し、密封した。この後、−30℃の恒温槽に12h放置した後取り出し、直ちに高さ1mから自由落下させて破壊状態を観察し、下記の判定を行った。
○:割れや変形は認められない
△:変形やひび割れが生じ、内容物の漏洩が認められる
×:脆性的に破壊が発生し、内容物の漏洩が認められる。
[実施例1〜8]、[比較例1〜5]
下に示す各成分を表1に記載の各割合でドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30α型2軸押出機で、シリンダー温度、スクリュー回転数を表1に示した条件に設定して溶融混練し、ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。その後80℃で一晩真空乾燥したペレットを用い、上記ブロー成形により円柱成形品を調製した。各サンプルの特性を評価した結果は表1に示すとおりである。本実施例では比較例1〜6と比較して、ブロー成形時のドローダウン性に優れ肉厚ムラの少ないブロー中空成形品であり、且つ、低温靱性とガスバリア性にも優れるものであった。
本実施例および比較例に用いた(a)ポリアミド樹脂は以下の通りである。
(a−1):融点225℃、相対粘度4.2(サンプル濃度0.01g/ml、98%濃硫酸溶液中、25℃測定)の耐熱剤入りナイロン6樹脂(東レ製“アミラン”CM1046)。
(a−2):融点225℃、相対粘度3.4(サンプル濃度0.01g/ml、98%濃硫酸溶液中、25℃測定)の耐熱剤入りナイロン66樹脂(東レ製“アミラン”CM1206)。
(a−3):融点225℃、相対粘度2.7(サンプル濃度0.01g/ml、98%濃硫酸溶液中、25℃測定)のナイロン6樹脂(東レ製“アミラン”CM1016)。
同様に、(b)PPS樹脂は以下の通りである。
(b−1):融点280℃、MFR=200g/10分(315.5℃、5kg荷重)のPPS樹脂(東レ製GR01)。
同様に、(c)エチレン系アイオノマー樹脂は以下の通りである。
(c−1):エチレン・メタクリル酸共重合体のカルボン酸部分を金属イオンにより部分的に中和した樹脂(三井・デュポンポリケミカル製“ハイミラン”1706)。
同様に、(d)エチレン系エラストマー樹脂は以下の通りである。
(c−1):酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学製“タフマー”MH7020)。
(c−2):エチレン・1−ブテン共重合体(三井化学製“タフマー”TX610)。
同様に、(e)相溶化剤は以下の通りである。
(e−1):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH6040)。
同様に、(f)酸化防止剤は以下の化合物を用いた。
(f−1):ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(旭電化製アデカスタブAO−412S)。
(f−2):N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(東レ・ファインケミカル製TTAD)。
Figure 2007204675

Claims (7)

  1. (a)ポリアミド樹脂70〜97重量部、(b)ポリフェニレンスルフィド樹脂を0.1〜20重量部、(c)エチレン系アイオノマー樹脂3〜30重量部、(d)オレフィン系エラストマー樹脂3〜30重量部(ただし、(a)、(b)、(c)、(d)の合計を100重量部とする)からなり、融点+15℃で測定した溶融粘度が2000〜20000Pa・sであるブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(a)ポリアミド樹脂が相対粘度3〜5のナイロン6であることを特徴とする請求項1記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 電子顕微鏡で観察されるモルホロジーが前記(a)ポリアミド樹脂が連続相を形成し、(d)ポリフェニレンスルフィド樹脂が1〜300nmの分散粒径で分散していることを特徴とする請求項1または2に記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(a)、(b)、(c)、(d)の合計100重量部に対して、(e)相溶化剤を0.01〜10重量部含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  5. (e)相溶化剤がビスフェノール−グリシジルエーテル系エポキシ化合物、エポキシ基またはイソシアネート基を有する有機シラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  6. (c)エチレン系アイオノマー樹脂がエチレン単位、不飽和カルボン酸エステル単位、不飽和カルボン酸単位および不飽和カルボン酸金属塩単位からなる共重合体であって、不飽和カルボン酸金属塩を構成する金属がNa、K、Cu、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Al、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種からなる金属である請求項1〜5のいずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
  7. (d)エチレン系共重合エラストマー樹脂がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のブロー中空成形用ポリアミド樹脂組成物。
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