JP2007203899A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 制御に与える製造ばらつきの影響を抑制し、制動時における車両挙動を安定させたブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】 車輪の制動力を検出する制動力検出手段と、前記車輪に制動力を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御することにより、前記車輪の制動力を制御する制御手段とを備えたブレーキ制御装置において、前記制御手段は、前記車輪の目標制動力を演算し、前記車輪のうち左右輪の目標制動力が同一のとき、前記左右輪のうち一方の車輪の制動力を他方の車輪の制動力に近づける制動力補正制御を行うこととした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輪に制動力をもたらすブレーキ制御装置に関する。
従来、ブレーキ制御装置として、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報に記載されているブレーキ制御装置は、各輪ごとに液圧制動力制御手段と液圧センサを備え、各輪ごとに独立してホイルシリンダ圧を制御することにより、車両の精密な制御を行っている。
特開2002−211374号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、電磁弁等の製造ばらつきにより各輪の流量特性が異なるため、左右輪の目標制動力が同一であっても実際に発生する制動力は各輪ごとに異なる場合がある。したがって制動時に車両挙動が安定しない、という問題があった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、製造ばらつきの影響を抑制し、制動時の車両挙動を安定させたブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、車輪の制動力を検出する制動力検出手段と、前記各車輪に制動力を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御することにより、前記各車輪の制動力を制御する制御手段とを備えたブレーキ制御装置において、前記制御手段は、前記各車輪の目標制動力を演算し、演算された左右輪の目標制動力が同一のとき、一方の車輪の制動力を他方の車輪の制動力に近づける制動力補正制御を行うこととした。
よって、制御に与える製造ばらつきの影響を抑制し、制動時の車両挙動を安定させたブレーキ制御装置を提供できる。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[システム構成]
実施例1につき図1ないし図13に基づき説明する。図1は実施例1におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。実施例1におけるブレーキ制御装置は油圧による4輪ブレーキバイワイヤシステムであり、運転者によるブレーキペダルBPの操作とは独立して液圧を制御する2つの第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を備えている。
また、コントロールユニット1(制御手段)には、各車輪FL〜RR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算するメインECU300(メインユニット)と、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を駆動するサブECU100,200(第1、第2サブユニット)が設けられている。
この第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は、メインECU300からの指令に基づき、第1、第2サブECU100,200により駆動される。ブレーキペダルBPはマスタシリンダM/Cと接続するストロークシミュレータS/Simにより反力を付与される。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ油路A1,A2によりマスタシリンダM/Cと接続し、油路B1,B2によりリザーバRSVと接続する。油路A1,A2には第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2が設けられている。
また、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は、それぞれポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を備え(図2参照)、それぞれ独立して液圧を発生させる油圧アクチュエータである。第1液圧ユニットHU1はFL,RR輪の液圧制御を行い、第2液圧ユニットHU2はFR,RL輪の液圧制御を行う。
すなわち、2つの液圧源であるポンプP1,P2によって、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)を直接増圧する。アキュムレータを用いずに直接ポンプP1,P2によってホイルシリンダW/Cを増圧するため、故障時にアキュムレータ内のガスが油路内にリークすることがない。また、ポンプP1はFL,RR輪、ポンプP2はFR,RL輪を増圧することにより、いわゆるX配管を構成する。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ別体に設けられている。別体とすることで、一方の液圧ユニットにリークが発生した場合であっても、他方のユニットにより制動力を確保するものである。なお、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を一体に設け、電気回路構成を1箇所に集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することとしてもよく、特に限定しない。
ここで、装置のコンパクト性を追求するためには液圧源の数は少ないほうが望ましいが、従来例のように液圧源が1つの場合、液圧源フェールの際にバックアップが存在しないこととなる。一方、液圧源を各輪に設けて4つとした場合、フェールに対しては有利であるが、装置が大型化して制御も困難となってしまう。とりわけ、ブレーキバイワイヤ制御には冗長系を組むことが必須であるが、液圧源の増大に伴ってシステムが発散するおそれがある。
また、現在では車両のブレーキ油路はX配管が一般的であるが、X配管は対角輪(FL−RRまたはFR−RL)同士を油路によって接続し、それぞれの系を独立の液圧源(タンデム型マスタシリンダ等)によって増圧する。これにより、一方の対角輪側が失陥した場合であっても他方の対角輪が制動力を発生させることで、失陥時における制動力が左右いずれかに偏ることを回避するものであり、液圧源の数は2つであることが前提となっている。
このため、従来例のように液圧源の数が1つの場合、そもそもX配管の構成をとることはできない。液圧源が3つまたは4つの場合であっても、同一液圧源により対角輪同士を接続することはできないため、X配管を観念する余地はない。
したがって本願実施例では、現在普及しているX配管構造を変更することなく耐フェール性を向上させるため、それぞれ液圧源としてポンプP1,P2を有する液圧ユニットHU1,HU2を設けて液圧源2重系をとることとする。
また、車両制動時には前輪荷重が大きいため後輪制動力はさほど期待できず、加えて後輪制動力が大きいとスピンするおそれがある。そのため、前後輪の制動力配分は一般的に前輪のほうが大きく、例えば前輪2に対し後輪1である。
[メインECU]
メインECU300は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2が発生する目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算する上位CPUである。このメインECU300は第1、第2電源BATT1,BATT2に接続してBATT1,BATT2のいずれかが正常であれば作動するよう設けられ、イグニッション信号IGNにより、またはCAN3により接続する他のCU1〜CU6からの起動要求により起動する。
メインECU300には第1、第2ストロークセンサS/Sen1、S/Sen2からストローク信号S1,S2、第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2からM/C圧Pm1、Pm2が入力される。
また、メインECU300には車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも入力される。さらに、リザーバRSVに設けられた液量センサL/Senの検出値が入力され、ポンプ駆動によるブレーキバイワイヤ制御を実行可能であるかが判断される。また、ストップランプスイッチSTP.SWからの信号により、ストローク信号S1,S2、およびM/C圧Pm1、Pm2によらずブレーキペダルBPの操作を検出する。
このメインECU300内には演算を行う2つの第1、第2CPU310,320が設けられている。第1、第2CPU310,320は、それぞれ第1、第2サブECU100,200とCAN通信線CAN1,CAN2によって接続され、第1、第2サブECU100,200を介して第1、第2CPU310,320にポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrが入力される。
このCAN通信線CAN1,CAN2は相互通信可能に接続されるとともに、バックアップ用に2重系が組まれている。CAN通信線CAN1,CAN2が相互接続されていることにより、第1、第2サブECU100,200には各輪FL〜RRの目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが全て入力される。
入力されたストローク信号S1,S2、M/C圧Pm1、Pm2、実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrに基づき、第1、第2CPU310,320は目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算し、CAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200へ出力する。
なお、第1CPU310において第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrをまとめて演算し、第2CPU320は第1CPU310のバックアップ用としてもよく特に限定しない。
また、メインECU300はこのCAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200の起動を行う。第1、第2サブECU100,200をそれぞれ独立して起動する信号を発するが、1つの信号で各サブECU100,200を同時に起動することとしてもよく特に限定しない。またイグニッションスイッチIGNにより起動することとしてもよい。
ABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には、車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも合わせて取り込んで目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの制御を行う。VDC制御中にはブザーBUZZにより運転者に警告を発する。また、VDCスイッチVDC.SWにより制御のON/OFFを運転者の意思により切替可能となっている。
また、メインECU300はCAN通信線CAN3により他のコントロールユニットCU1〜CU6と接続し、協調制御を行う。回生ブレーキコントロールユニットCU1は制動力を回生して電力に変換し、レーダーコントロールユニットCU2は車間距離制御を行う。また、EPSコントロールユニットCU3は電動パワーステアリング装置のコントロールユニットである。
ECMコントロールユニットCU4はエンジンのコントロールユニット、ATコントロールユニットCU5は自動変速機のコントロールユニットである。さらに、メータコントロールユニットCU6は各メータを制御する。メインECU300に入力された車輪速VSPは、CAN通信線CAN3を介してECMコントロールユニットCU4、ATコントロールユニットCU5、メータコントロールユニットCU6へ出力される。
各ECU100,200,300の電源は第1、第2電源BATT1,BATT2である。第1電源BATT1はメインECU300および第1サブECU100に接続し、第2電源BATT2はメインECU300および第2サブECU200に接続する。
[サブECU]
第1、第2サブECU100,200はそれぞれ第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と一体に設けられる。なお、車両レイアウトに合わせ別体としてもよい。
この第1、第2サブECU100,200には、メインECU300から出力された目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rr、および第1、第2液圧ユニットHU1,HU2からそれぞれ第1、第2ポンプP1,P2の吐出圧Pp1,Pp2、各実ホイルシリンダ圧Pfl,PrrおよびPfr,Prlが入力される。
上述のように第1、第2ECU100,200およびメインECU300はCAN通信線CAN1,CAN2によって相互通信可能に接続されているため、第1、第2サブユニット100,200は第1、第2ポンプ吐出圧Pp1,Pp2、各実ホイルシリンダ圧P(fl〜rr)を相互に授受する。
したがって、各ECU100,200,300は、それぞれ各ホイルシリンダ圧目標値P*(fl〜rr)、各実ホイルシリンダ圧P(fl〜rr)、および第1、第2ポンプ吐出圧Pp1,Pp2をそれぞれ共有することとなる。
これにより、第1、第2サブユニット100,200は、入力されたポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Ffl〜Prrに基づき、目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを実現するよう各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2内のポンプP1,P2、モータM1,M2、および各電磁弁を駆動して液圧制御を行う。なお、第1、第2サブECU100,200は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と別体であってもよい。
この第1、第2サブECU100,200は、一旦目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが入力されると、新たな目標値が入力されるまでは前回入力値に収束するよう制御するサーボ制御系を構成している。
また、第1、第2サブECU100,200により電源BATT1,BATT2からの電力が第1、第2液圧ユニットHU1,HU2のバルブ駆動電流I1,I2およびモータ駆動電流Im1,Im2に変換され、リレーRY11,12およびRY21,22を介して第1、第2液圧ユニットHU1,HU2へ出力される。
[液圧ユニットの目標値演算と駆動制御の分離]
本願のメインECU300は液圧ユニットHU1,HU2の目標値演算のみであり駆動制御は行わないが、仮にメインECU300が目標値演算と駆動制御の両方を行うものとした場合、CAN通信等により他のコントロールユニットとの協調制御に基づき液圧ユニットHU1,HU2に駆動指令を出力することとなる。
また、車内の他の制御コントローラとの接続を行う通信線の速度を上げると高コストとなり、またノイズによる耐フェール性の低下を招くおそれがある。
そのため本願実施例では、ブレーキ制御におけるメインECU300の役割は液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの演算に留め、油圧アクチュエータである液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御はサーボ制御系を有する第1、第2サブECU100,200により行うこととする。
これにより、いずれかのサブECU100,200が故障した際にも、少なくとも他方のサブECUによってブレーキ制御が継続可能である。
したがって、ブレーキ制御系を他の制御系に対し独立させて制御することで、ハイブリッド車や燃料電池車で必須となっている回生協調ブレーキシステム、車両統合制御やITS等様々なユニットを付加した場合であっても、これらのユニットとの融合を円滑に行いつつ、ブレーキ制御の応答性を確保するものである。
とりわけ、本願のようなブレーキバイワイヤシステムにあっては、使用頻度の高い通常ブレーキ時においてブレーキペダル操作量に合わせた緻密な制御が要求される。そのため、本願のように液圧ユニットの目標値演算制御と駆動制御との分離はより有効となる。
[マスタシリンダおよびストロークシミュレータ]
ストロークシミュレータS/SimはマスタシリンダM/Cに内蔵され、ブレーキペダルBPの反力を発生させる。また、マスタシリンダM/CにはマスタシリンダM/CとストロークシミュレータS/Simとの連通/遮断を切り替える切替弁Can/Vが設けられている。
この切替弁Can/Vは非通電時に閉弁されるタイプであって、メインECU300により開弁/閉弁され、制御時やサブECU100,200の失陥時に速やかにマニュアルブレーキに移行可能となっている。また、マスタシリンダM/Cには第1、第2ストロークセンサS/Sen1,S/Sen2が設けられている。ブレーキペダルBPのストローク信号S1,S2がメインECU300に出力される。
[液圧ユニット]
図2、図3は第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。第1液圧ユニットHU1にはシャットオフバルブS.OFF/V、FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)の各電磁弁、およびポンプP1、モータM1が設けられている。
ポンプP1の吐出側は油路C1(FL,RR)を介してそれぞれFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)と接続し、吸入側は油路B1を介してリザーバRSVと接続する。油路C1(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,RR)を介して油路B1と接続する。
また、油路C1(FL)と油路E1(FL)の接続点I1は油路A1を介してマスタシリンダM/Cと接続する。さらに、油路C1(FL,RR)の接続点J1は油路G1を介して油路B1と接続する。
シャットオフバルブS.OFF/Vは常開電磁弁であり、油路A1上に設けられてマスタシリンダM/Cと接続点I1との連通/遮断を行う。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)はそれぞれ油路C1(FL,RR)上に設けられた常閉比例弁であり、ポンプP1の吐出圧を比例制御してFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に供給する。常閉とすることで、失陥時にマスタシリンダM/C圧PmがポンプP1側へ逆流することを防止する。
なお、インバルブIN/V(FL,RR)を常開とし、油路C1(FL,RR)上にポンプP1側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,RR)を設けて逆流を防止してもよい(図32参照)。常開とすることで、消費電力を低減するものである。
FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,RR)上に設けられている。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉比例弁であるが、RR輪アウトバルブOUT/V(RR)は常開比例弁となっている。また、油路G1上にはリリーフバルブRef/Vが設けられている。
第1液圧ユニットHU1とマスタシリンダM/Cとの間の油路A1には第1マスタシリンダ圧センサMC/Sen1が設けられ、第1マスタシリンダ圧Pm1をメインECU300へ出力する。また第1液圧ユニットHU1内であって油路C1(FL,RR)上にはFL,RR輪ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,RR)が設けられ、第1ポンプP1の吐出側には第1ポンプ吐出圧センサP1/Senが設けられてそれぞれの検出値Pfl,PrrおよびPp1を第1サブECU100へ出力する。
[ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ]
(増圧時)
ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ増圧時にはシャットオフバルブS.OFF/Vを閉弁、インバルブIN/V(FL,RR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を閉弁し、第1モータM1を駆動する。第1モータM1により第1ポンプP1が駆動されて吐出圧が油路C1(FL,FR)に供給され、インバルブIN/V(FL,RR)により液圧制御を行ってFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に導入し、増圧を行う。
(減圧時)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を開弁してFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)内の作動油をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持時)
通常ブレーキ保持時にはインバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)を全て閉弁し、ホイルシリンダ圧を保持する。
[マニュアルブレーキ]
システム失陥時等、マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,RR)が閉弁される。したがってマスタシリンダ圧PmはRR輪ホイルシリンダW/C(RR)には供給されない。
一方、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉であるため、マニュアル時には閉弁されてFL輪ホイルシリンダW/C(FL)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。よって、運転者のペダル踏力によって増圧したマスタシリンダ圧PmをFL輪ホイルシリンダW/C(FL)に作用させ、マニュアルブレーキを確保する。
なお、マニュアルブレーキをRR輪にも作用させてもよいが、FL輪に加えRR輪のホイルシリンダ圧をペダル踏力により増圧する場合、運転者に与える踏力負荷が大きくなりすぎて現実的でない。したがって本願実施例では、第1液圧ユニットHU1においては制動力の大きいFL輪にのみマニュアルブレーキを作用させることとする。
このためRR輪アウトバルブは常開とされ、システム失陥時に速やかにRR輪ホイルシリンダW/C(RR)の残圧を排出させてRR輪のロックを回避することとする。
第2液圧ユニットHU2についても、回路構成および制御は同一である。第1液圧ユニットHU1と同様、FR輪アウトバルブOUT/V(FR)は常閉、RL輪アウトバルブOUT/V(RL)は常開とされてマニュアルブレーキはFR輪にのみ作用する。
[サブECU制御ブロック図]
図4は、第1、第2サブECU100,200の制御ブロック図である。第1、第2サブECU100,200は同一構成であるため第1サブECU100についてのみ説明する。
第1サブECU100はモード切替部110、フィードフォワード(FF)制御部120、フィードバック(FB)制御部130、モータ電流決定部140、電磁弁電流決定部150を備える。
(モード切替部)
モード切替部110は、FL,RR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*rrに基づき減圧、増圧、もしくは保持のいずれの制御を行うかを判断し、判断結果をFF制御部120及びFB制御部130へ出力する。また、第1モータM1、インバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)に対する駆動信号も出力する。
(フィードフォワード制御部)
FF制御部120は、FL,RR輪目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*rrに基づき、第1モータ目標電流Im1*のフィードフォワード成分Im1*(FF)の信号SIm1*(FF)を出力する。
また、FF制御部120は、目標値P*fl,P*rrに基づき、FL,RRインバルブ目標電流IINfl*,IINrr*のフィードフォワード成分信号SIINfl*(FF),SIINrr*(FF)を出力する。同様に、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)についても、目標電流フィードフォワード成分信号SIOUTfl(FF),SIOUTrr(FF)を出力する。
(フィードバック制御部)
FB制御部130は、FL,RR輪ホイルシリンダ圧の目標値P*fl,P*rrおよび実際値Pfl,Prrに基づき、第1モータ目標電流Im1*のフィードバック成分信号SIm1*(FB)を出力する。
また、FB制御部130は、FL,RR輪ホイルシリンダ圧の目標値P*fl,P*rrおよび実際値Pfl,Prrに基づき、FL,RRインバルブ目標電流IINfl*,IINrr*のフィードバック成分信号SIINfl*(FB),SIINrr*(FB)を出力する。同様に、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)についても、目標電流フィードバック成分信号SIOUTfl(FB),SIOUTrr(FB)を出力する。
(モータ電流決定部)
モータ電流決定部140は、第1モータ目標電流FF成分信号およびFB成分信号SIm1*(FF),SIm1*(FB)の和を第1電源電流I1に乗じ、第1モータ目標電流Im1*としてモータM1へ出力する。
(電磁弁電流決定部)
電磁弁電流決定部150は、FL輪のインバルブIN/V(FL)の目標電流FF成分信号およびFB成分信号SIINfl*(FF),SIINfl*(FB)の和を第1電源電流I1に乗じ、FL輪インバルブ目標電流IINfl*を出力する。RR輪についても同様に、RR輪インバルブ目標電流IINrr*を出力する。
アウトバルブOUT/V(FL,RR)についても、それぞれの目標電流FF,FB成分信号SIOUTfl*(FL,RR),SIOUTrr*(FL,RR)の和を第1電源電流I1に乗じ、FL,RRアウトバルブ目標電流IOUTfl*,IOUTrr*を出力する。
第2サブユニット200も、FR,RL輪ホイルシリンダ圧の目標値P*fr,P*rlおよび実液圧Pfr,Prlに基づき同様の制御を行い、第2モータ目標電流Im2*、FR,RL輪のインバルブIN/V(FR,RL)、アウトバルブOUT/V(FR,RL)の目標電流IINfr*,IINrl*およびIOUTfr*,IOUTrl*を出力する。
[左右輪制動力差補正制御]
4輪独立ブレーキ制御を行う車両にあっては、各輪ごとに液圧制動力制御手段と液圧センサを備え、独立してホイルシリンダ圧を制御することにより、車両の精密な制御を行っている。しかしこの制御にあっては、各輪の液圧制御を行う電磁弁の製造ばらつきは考慮されていないため、左右輪に対し同一指令値を出力した場合、各電磁弁流量特性の差異によって左右輪の実ホイルシリンダ圧が異なるおそれがある。
とりわけ、全開状態のバルブはそれ以上ストロークしないため、出荷時における補正のみではバルブ全開状態における流量の差異をなくすことは不可能である。低温時など作動油の粘性抵抗が大きい場合は、流量特性の差異による前輪液圧差が顕著となる。
したがって実施例1では、増圧時に左右前輪FL,FRにおける目標ホイルシリンダ圧P*fl、P*frが同一の値P*αであるにもかかわらず実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrに液圧差が生じた場合、高圧側のホイルシリンダに供給される作動油を減少させ、高圧側実ホイルシリンダ圧を減少させることで制動力補正制御を行う。少なくともインバルブIN/V(FL〜RR)、またはアウトバルブOUT/V(FL〜RR)が全開の場合には、必ず制動力補正制御を実行する。
例えば、同一目標ホイルシリンダ圧P*αに対してFL輪実ホイルシリンダ圧圧PflがFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrよりも高い場合、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flをFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frよりも減少させ、高圧側のホイルシリンダに供給される作動油を減少させる。これにより、FL輪実ホイルシリンダ圧Pflを減少させ、左右前輪の制動力差を補正する。
減圧時においては、同一目標ホイルシリンダ圧に対して実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrに液圧差が生じた場合、低圧側目標ホイルシリンダ圧を増加させて低圧側のホイルシリンダから排出される作動油を減少させ、低圧側実ホイルシリンダ圧の減少を抑制することで制動力補正制御を行う。
例えば、同一目標ホイルシリンダ圧に対してFL輪実ホイルシリンダ圧PflがFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrよりも低い場合、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flをFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frよりも増加させ、低圧側のホイルシリンダから排出される作動油を減少させる。これにより、増圧時とは逆に、低圧側のホイルシリンダから作動油を抜けにくくすることで、FL輪実ホイルシリンダ圧Pflの減少を抑制し、左右前輪の制動力差を補正する。
なお、増圧時、減圧時いずれの場合も、実液圧差の絶対値|ΔPf|=|Pfl−Pfr|が所定の閾値Pth(>0)以内となれば、制動力補正制御を中止する。また、左右後輪RL,RRの実ホイルシリンダ圧Prl,Prrに実液圧差が生じた場合も、前輪と同様に制動力補正制御を行う。
(増圧時制動力補正)
本願実施例1では、第1、第2ユニットHU1,HU2はそれぞれ液圧源、動力源としてポンプP1,P2およびモータM1,M2をそれぞれ備え、また第1液圧ユニットHU1はFL,RR輪に接続し、第2液圧ユニットHU2はFR,RL輪に接続するX配管構造をとっている。
したがって、例えば増圧時の実液圧がPfl>Pfrである場合、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを減少させるためにはFL輪に接続する第1モータM1の出力を下げる方法(高圧側モータ出力を下げる方法)がある。実施例1では、増圧時には高圧側モータ出力を下げる方法によって左右輪の制動力補正を行うものとする。
また、FR輪に接続する第2モータM2の出力を上げる方法(低圧側モータ出力を上げる方法:実施例2)、さらにFL輪に接続するインバルブIN/V(FL)の開度を絞る方法(高圧側インバルブ開度を減少させる方法:実施例3)等がある。それぞれ各実施例で説明する。
(減圧時制動力補正)
減圧時において低圧側実ホイルシリンダ圧の減少を抑制するためには、低圧側目標ホイルシリンダ圧を増加させることによって低圧側アウトバルブOUT/Vの流量を絞り、低圧側のホイルシリンダから排出される作動油を減少させて低圧側のホイルシリンダから作動油を抜けにくくすることで、制動力補正を行う。
実施例1ではアウトバルブOUT/Vを比例弁としており、開度を減少させることにより流量を絞ることとする。ON/OFF弁として一時的に閉弁することとしてもよい(図20参照)。なお、減圧時の制動力補正はアウトバルブOUT/Vの流量減少によってのみ達成されるため、アウトバルブOUT/Vによる減圧時制動力補正は液圧ユニットの個数および配管構造によらず全実施例で実行される。
[ECU間の指令関係]
(増圧時高圧側ユニットのモータ出力減少制御)
図5は、制動力補正制御(高圧側ユニットのモータ出力減少制御)におけるメインECU300と第1、第2サブECU100,200の指令関係を示すブロック図である。
増圧時、FL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同一であって、前輪左右輪FL,FRの実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrに液圧差がある場合、メインECU300は高液圧を発生している側の液圧ユニットのモータに対し、出力低下指令を出力する。これにより、低圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Loは維持したまま、高圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Hiを減少させる。
したがって、FL,FR輪のうち高圧側ホイルシリンダ圧は減少し、低圧側ホイルシリンダ圧は維持され、FL,FR輪実ホイルシリンダPfl,Pfrの液圧差は減少する。RL,RR輪についても同様に液圧差を減少させる。
(減圧時低圧側アウトバルブ流量減少制御)
図6は、制動力補正制御(減圧時)におけるメインECU300と第1、第2サブECU100,200の指令関係を示すブロック図である。
減圧時、FL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同一であって、前輪左右輪FL,FRの実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrに液圧差がある場合、メインECU300は低液圧側ホイルシリンダに接続するアウトバルブOUT/Vの開度減少指令を出力し、流量を減少させる。これにより、高圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Hiを維持したまま、低圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Loを増加させる。
したがって、FL,FR輪のうち低圧側ホイルシリンダから作動油が抜けにくくなり、高圧側ホイルシリンダ圧は維持されるため、FL,FR輪の実液圧差は減少する。RL,RR輪についても同様である。
[ブレーキバイワイヤ制御実施判定処理]
図7は、ブレーキバイワイヤ制御実施判定処理の流れを示すフローチャートである。ストロークシミュレータS/Simの切替弁Can/Vを閉じて各ホイルシリンダW/CをポンプP1,P2によって増圧するブレーキバイワイヤ制御を実行するか、切替弁Can/Vを開いてマスタシリンダ圧によって制動力を得るマニュアルブレーキを実行するかの切替えを行う。以下、各ステップにつき説明する。
ステップS1では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS12へ移行する。
ステップS2では第1、第2マスタシリンダ圧センサ値Pm1,Pm2を読み込み、ステップS3へ移行する。
ステップS3では読み込んだストローク信号S1,S2およびPm1,Pm2に基づき運転者によるブレーキ要求があるかどうかを判断し、YESであればステップS4へ移行し、NOであればステップS8へ移行する。
ステップS4では切替弁Can/Vを開弁し、ステップS10へ移行する。
ステップS10ではブレーキバイワイヤ制御を実行し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS6へ移行する。
ステップS6では第1、第2マスタシリンダ圧センサ値Pm1,Pm2を読み込み、ステップS7へ移行する。
ステップS7では読み込んだストローク信号S1,S2およびPm1,Pm2に基づき運転者によるブレーキ要求があるかどうかを判断し、YESであればステップS1へ移行し、NOであればステップS8へ移行する。
ステップS8では切替弁Can/Vを閉弁し、ステップS9へ移行する。
[ブレーキバイワイヤ制御処理]
図8は、メインECU300および第1、第2サブECU100,200において実行されるブレーキバイワイヤ制御処理(図7:ステップS10)の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
ステップS11では第1、第2ストローク信号S1,S2を読み込み、ステップS12へ移行する。
ステップS12では第1、第2マスタシリンダ圧Pm1,Pm2を読み込み、ステップS13へ移行する。
ステップS13ではメインECU300の第1、第2CPU310,320において第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算し、ステップS14へ移行する。
ステップS14ではメインECU300から第1、第2サブECU100,200へ目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを送信し、ステップS15へ移行する。
ステップS15では第1、第2サブECU100,200が目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを受信し、ステップS16へ移行する。
ステップS16では第1、第2サブECU100,200が第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を駆動して実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrを制御し、ステップS17へ移行する。
ステップS17では第1、第2サブECU100,200が実ホイルシリンダ圧Pfl〜PrrをメインECU300へ送信し、ステップS18へ移行する。
ステップS18ではメインECU300が各実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrを受信し、ステップS20へ移行する。
ステップS20では制動力補正制御実施判定を行い、制御を終了する。
[制動力補正実施判定]
図9は、制動力補正制御の実施判定フロー(図8:ステップS20)である。
ステップS21ではFL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同じ値であるかどうかが判断され、YESであればステップS22へ移行し、NOであればステップS24へ移行する。
ステップS22では左右輪の実ホイルシリンダ圧の液圧差絶対値|Pfl−Pfr|>閾値Pthであるかどうかが判断され、YESであればステップS30へ移行し、NOであればステップS24へ移行する。
ステップS30では、制動力補正制御により目標ホイルシリンダ圧を補正してステップS23へ移行する。
ステップS23では、目標ホイルシリンダ圧が急激に変化しないよう、補正後の目標ホイルシリンダ圧の単位時間あたり変化量を一定値ΔPa以下に制限し、ステップS24へ移行する。
ステップS24では、ポンプP1,P2によって各ホイルシリンダW/Cを増圧する通常ブレーキバイワイヤ制御を実行し、制御を終了する。
[制動力補正制御]
図10は、制動力補正制御処理(図9:ステップS30)の流れを示すフローチャートである。
ステップS31では増圧モードであるかどうかが判断され、YESであればステップS100へ移行し、NOであればステップS32へ移行する。
ステップS100では増圧時における制動力補正制御を実行し、図9のステップS22へ移行する。
ステップS32では目標ホイルシリンダ圧P*から減圧モードであるかどうかが判断され、YESであればステップS200へ移行し、NOであれば図9のステップS22へ移行する。
ステップS200では減圧時における制動力補正制御を実行し、図9のステップS22へ移行する。
[増圧時制動力補正制御処理(高圧側モータ出力低下)]
図11は、高圧側モータ出力低下による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。
ステップS101ではFL輪実ホイルシリンダ圧Pfl>FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrであるかどうかが判断され、YESであればステップS102へ移行し、NOであればステップS103へ移行する。
ステップS102ではFL輪の制動力が大きいとされ、メインECU300はFL輪に接続する第1モータM1の出力低下指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
ステップS103ではFR輪の制動力が大きいとされ、メインECU300はFR輪に接続する第2モータM2の出力低下指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
[減圧時制動力補正制御(低圧側アウトバルブ流量減少)]
図12は、低圧側アウトバルブ流量減少による減圧時制動力補正制御(図10:ステップS200)の流れを示すフローチャートである。
ステップS201ではFL輪実ホイルシリンダ圧Pfl>FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrであるかどうかが判断され、YESであればステップS202へ移行し、NOであればステップS203へ移行する。
ステップS202ではFR輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はFR輪アウトバルブOUT/V(FR)の開度減少指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
ステップS203ではFL輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はFL輪アウトバルブOUT/V(FL)の開度減少指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
[制動力補正制御の経時変化]
(増圧時高圧側モータ出力低下 減圧時低圧側アウトバルブ流量減少)
図13は、制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。FL輪実ホイルシリンダ圧Pflを細実線、FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrを細一点鎖線、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを太実線、FR輪目標ホイルシリンダ圧P*frを太一点鎖線で示す。
なお、図13ではFL輪の制動力補正を行った場合のタイムチャートを示すが、FR輪の補正を行う場合であってもFLとFRが反転するのみで経時変化は同一である。また、RL,RR輪の補正を行う場合も同様である。
(時刻t101)
時刻t101において増圧指令が出力され、第1、第2モータM1,M2がデューティ100%で駆動を開始し、FL,FR輪が増圧を開始する。目標ホイルシリンダ圧はP*αであり、P*α=P*fl=P*frである。製造ばらつきにより同一目標ホイルシリンダ圧はP*αに対するFL側とFR側のインバルブIN/V(FL,FR)の流量が異なるため、FR側実ホイルシリンダ圧PfrよりもFL側実ホイルシリンダ圧Pflのほうが高くなる。
(時刻t102)
時刻t102においてFL側とFR側の実ホイルシリンダ圧の差Pfl−Pfrが所定の閾値Pthに達する。これにより増圧時制動力補正が開始され、高圧側のFL輪ホイルシリンダW/C(FL)に接続する第1モータM1の出力を低下(例えばデューティ0%)させることでFL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを減少させる。次回制御周期(時刻t103)まで第1モータM1のデューティを0%とする。なお、第1モータM1のデューティは第2モータM2よりも低ければよく、0%でなくともよい。
(時刻t103)
時刻t103において第1モータM1のデューティを50%とする。第2モータM2のデューティは100%を維持する。
(時刻t104)
時刻t104においてFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frが目標値P*αに到達する。第1モータM1の出力を低下させたため、FL輪実ホイルシリンダ圧PflはまだP*αに到達しない。
(時刻t105)
第1モータM1のデューティを下げない場合、時刻t105においてFL輪実ホイルシリンダ圧Pflが目標値P*αに到達する(破線参照)。この場合、左右輪制動力差が大きく車両挙動は安定しない。
(時刻t106)
時刻t106において、FL輪実ホイルシリンダ圧Pflはデューティを低下させない場合よりも遅れて目標値P*αに到達する。第1モータM1のデューティを低下させたことにより、FL,FR実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの乖離は所定値Pth以内に抑制され、左右輪制動力差はデューティを低下させない場合よりも小さくなり、車両挙動が安定する。
(時刻t107)
時刻t107においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達し、FL,FR輪が同一制動力を発揮する。
(時刻t108)
時刻t108において減圧指令が出力され、FL,FR輪アウトバルブOUT/V(FL,FR)がデューティ100%で全開とされてFL,FR輪実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrが減少を開始する。製造ばらつきにより、同一制御量に対するFL、FRアウトバルブOUT/V(FL,FR)の流量が異なるため、減圧時においてはFR側実ホイルシリンダ圧PfrよりもFL側実ホイルシリンダ圧Pflのほうが低くなる。
(時刻t109)
時刻t109においてFL,FR実ホイルシリンダ液圧差ΔP=|Pfl−Pfr|が所定の閾値Pthに達する。これにより減圧時制動力補正が開始され、常閉のFL輪アウトバルブOUT/V(FL)の開度を低下(例えばデューティ0%)させることで流量を減少させ、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flの減少を抑制する。
次回制御周期(時刻t110)までFL輪アウトバルブOUT/V(FL)のデューティを0%とし、全閉とする。なお、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)のデューティはFR輪アウトバルブOUT/V(FR)よりも低ければよく、0%でなくともよい。
(時刻t110)
時刻t110においてFL輪アウトバルブOUT/V(FL)のデューティを50%とする。FR輪アウトバルブOUT/V(FR)のデューティは100%(全開)を維持し、P*fr=0のままである。
(時刻t111)
時刻t111においてFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frが0となる。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)の開度を減少させたため、FL輪実ホイルシリンダ圧Pflはまだ0に到達しない。
(時刻t112)
時刻t112においてFL輪実ホイルシリンダ圧Pflが0に到達する。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)の開度を減少させたことにより、FL,FR実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの乖離は所定値Pth以内に抑制される。
(時刻t113)
時刻t113においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが0に到達し、FL,FR輪の制動力がともに0となる。
[実施例1の効果]
(1)実施例1では、車輪FL〜RRの制動力を検出する制動力検出手段(各ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL〜RR))と、各車輪FL〜RRに制動力を付与するアクチュエータ(液圧ユニットHU1,2)と、アクチュエータを制御することにより、各車輪FL〜RRの制動力を制御する制御手段(コントロールユニット1)とを備えたブレーキ制御装置において、制御手段は、前記各車輪の目標制動力P*fl〜P*rrを演算し、演算された左右輪FL,FRまたはRR,RLの目標制動力が同一のとき、一方の車輪の制動力を他方の車輪の制動力に近づける制動力補正制御を行うこととした。
これにより、固体誤差による左右輪の制動力ばらつきを補正して、車両挙動を安定させることができる。
(2)マスタシリンダM/Cと、各車輪FL〜RRに設けられ、制動力を発生させるホイルシリンダW/C(FL〜RR)とを備え、ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL〜RR)はホイルシリンダ実液圧Pfl〜Prrを検出し、アクチュエータは、ホイルシリンダW/Cの液圧を制御する液圧ユニットHU1、HU2であって、この液圧ユニットHU1、HU2は、マスタシリンダM/Cとは別途設けられ、ホイルシリンダW/Cの液圧を増圧する液圧源P1,P2を有することとした。
これにより、油圧によるブレーキバイワイヤ装置にあっても、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
(3)コントロールユニット1は、目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算するメインECU300と、演算された目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrに基づき、液圧ユニットHU1,HU2を駆動するサブECU100,200とを備え、液圧ユニットHU1,HU2とサブECU100,200は、一体のユニットであることとした。
これにより、電気回路構成を1箇所に集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することができる。
(4)コントロールユニット1は、FL,FR輪のうち、増圧時に制動力が大きい側のホイルシリンダへ供給される作動油の量を減少させることにより、制動力補正制御を行うこととした。また、後輪RL,RRについても同様の制御を行うこととした。最大増圧時は制動力をこれ以上増加させることができないため、制動力の高い側のホイルシリンダ圧を減少させることで、確実に制動力差を小さくすることができる。
(17)コントロールユニット1(制御手段)は、前輪目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが増圧指令の場合、左右前輪FL,FRのホイルシリンダW/C(FL,FR)のうち、実液圧が低い側のホイルシリンダに接続する液圧源P1,P2を駆動し、低い側のホイルシリンダへ供給される作動油の量を増加させることにより、制動力補正制御を行うこととした。後輪RL,RRについても同様の制御を行うこととした。
これにより、インバルブIN/Vが全開の場合等、バルブによる液圧制御が行えない状態であっても、バルブ開度によらず制動力補正制御を行うことができる。
(9)液圧ユニットHU1,HU2(油圧アクチュエータ)は、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)とマスタシリンダM/Cとの間に設けられたアウトバルブOUT/V(FL〜RR)(減圧電磁弁)を備え、コントロールユニット1(制御手段)は、前輪目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが減圧指令の場合、前輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)のうち実液圧が低い側のホイルシリンダに接続するアウトバルブOUT/Vを駆動し、低い側のホイルシリンダから排出される作動油の量を増加させることにより、制動力補正制御を行うこととした。後輪RL,RRについても同様の制御を行うこととした。
これにより、減圧時においても、確実に左右輪の制動力差を小さくすることができる。
(13)液圧ユニットHU1,HU2(油圧アクチュエータ)は第1、第2液圧ユニットHU1,HU2から構成されることとした。これにより、液圧ユニットを2重系とし、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の一方がフェールした場合であっても他方の液圧ユニットによりブレーキバイワイヤ制御を継続し、安定的な制動力を得ることができる。
(14)サブECU100,200(サブユニット)は、第1、第2サブECU100,200から構成され、第1サブECU100は第1液圧ユニットHU1を制御し、第2サブECU200は第2液圧ユニットHU2を制御することとした。これにより、液圧ユニットHU1,HU2の駆動回路を2重系とし、第1、第2サブECU100,200の一方がフェールした場合であっても他方のサブECUによりブレーキバイワイヤ制御を継続することができる。
(15)第1サブECU100は第1液圧ユニットHU1と一体に設けられ、第2サブECU200は第2液圧ユニットHU2と一体に設けられることとした。これにより、各サブECU100,200と各液圧ユニットHU1,HU2をそれぞれ機電一体とし、電気回路構成を集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することができる。
(16)第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は、それぞれ第1、第2ポンプP1,P2を備え、第1ポンプP1は左前輪ホイルシリンダW/C(FL)を増圧し、第2ポンプP2は右前輪ホイルシリンダW/C(FR)を増圧することとした。
これにより、後輪RL,RRよりも制動力の必要な前輪FL,FRをそれぞれ第1、第2ポンプP1,P2によって増圧することで、FL,FR輪の制動力を確保するとともに、第1、第2ポンプP1,P2の出力を変化させることにより、FL,FR輪の実液圧差を補正することができる。
(19)第1液圧ユニットHU1は、左前輪FLおよび右後輪RRのホイルシリンダ圧Pfl,Prrを制御し、第2液圧ユニットHU2は、右前輪FRおよび左後輪RLのホイルシリンダ圧Pfr,Prlを制御することとした。
これにより、液圧ユニットを2重系とし、さらにX配管としたことで、液圧ユニットHU1,HU2の一方がフェールした場合であっても他方の液圧ユニットによりブレーキバイワイヤ制御を継続し、安定的な制動力を得ることができる。
(21)液圧源P1,P2をギヤポンプとしたことで、アキュムレータを用いることなく急増圧を行うことができる。また、ギヤポンプは小型であるため、装置の小型化を図ることができる。
さらに、低温時など作動油の粘性抵抗が大きく、電磁弁の流量ばらつきの影響が顕著に現れる状況においては、本願ブレーキ制御装置による車両挙動安定化作用が有効である。
実施例2につき図14ないし図16に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1では、増圧時において左右輪のうち高液圧側ホイルシリンダに接続するモータの出力を低下させることで左右輪の液圧差を補正したが、実施例2では低液圧側ホイルシリンダに接続するモータの出力を増加させることで液圧差の補正を行う。
[ECU間の指令関係]
(増圧時低圧側ユニットのモータ出力増加制御)
図14は、制動力補正制御(低圧側ユニットのモータ出力増加制御)におけるメインECU300と第1、第2サブECU100,200の指令関係を示すブロック図である。
増圧時、FL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同一であって、前輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に実液圧差がある場合、メインECU300は低液圧側の液圧ユニットにおけるモータ出力増加指令を出力する。これにより、高圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Hiは維持したまま、低圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Loを増加させる。
したがって、FL,FR輪のうち低圧側ホイルシリンダ圧は増加し、高圧側ホイルシリンダ圧は維持され、FL,FR輪の実液圧差は減少する。RL,RR輪についても同様である。
[増圧時制動力補正制御処理(低圧側モータ出力増加)]
図15は、図10のステップS100における増圧時制動力補正制御を、低圧側モータの出力増加によって実現する制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS121ではFL輪実ホイルシリンダ圧Pfl>FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrであるかどうかが判断され、YESであればステップS122へ移行し、NOであればステップS123へ移行する。
ステップS122ではFR輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はFR輪に接続する第2モータM2の出力増加指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
ステップS123ではFL輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はFL輪に接続する第1モータM1の出力増加指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
[実施例2における制動力補正制御の経時変化]
(増圧時低圧側モータ出力増加 減圧時低圧側アウトバルブ流量減少)
図16は、制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。FL輪実ホイルシリンダ圧Pflを細実線、FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrを細一点鎖線、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを太実線、FR輪目標ホイルシリンダ圧P*frを太一点鎖線で示す。
なお、図16では増圧時FR輪の制動力補正を行った場合のタイムチャートを示すが、FR輪の補正を行う場合であってもFLとFRが反転するのみで経時変化は同一である。また、RL,RR輪の補正を行う場合も同様である。減圧時(時刻t28以降)は実施例1(図13)と同様である。
(時刻t201)
時刻t201において増圧指令が出力され、第1、第2モータM1,M2が定格最大出力で駆動を開始し、FL,FR輪が増圧を開始する。目標ホイルシリンダ圧はP*αであり、P*α=P*fl=P*frである。製造ばらつきにより同一目標ホイルシリンダ圧はP*αに対するFL側とFR側のインバルブIN/V(FL,FR)の流量が異なるため、FR側実ホイルシリンダ圧PfrよりもFL側実ホイルシリンダ圧Pflのほうが高くなる。
(時刻t202)
時刻t202においてFL側とFR側の実ホイルシリンダ圧の差Pfl−Pfrが所定の閾値Pthに達する。これにより増圧時制動力補正が開始され、低圧側のFR輪ホイルシリンダW/C(FR)に接続する第2モータM2の出力を増加させることで、FR輪目標ホイルシリンダ圧P*frを増加させる。このためFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrの勾配は増加する。
時刻t201において第2モータM2は定格最大出力となっているため、時刻t202では定格最大出力以上の出力とする。定格最大出力以上であっても、わずかな時間であればモータに異常をきたすことはないため、時刻t22から次回制御周期(時刻t203)までの間は定格最大出力以上の出力を継続する。なお、第2モータM2の出力は第1モータM1よりも高ければよく、定格最大出力以上でなくともよい。
(時刻t203)
時刻t203において第2モータM2の出力を定格最大出力に戻す。したがってFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrの勾配も時刻t22以前と同じ勾配となり、目標値P*αを超過したFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frも目標値P*αに戻る。一方、第1モータM1の出力は定格最大出力に維持されたままである。
(時刻t204)
時刻t204においてFL輪目標ホイルシリンダ圧P*flが目標値P*αに到達する。
(時刻t205)
時刻t205においてFL輪実ホイルシリンダ圧Pflが目標値P*αに到達する。
(時刻t206)
時刻t206においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達し、FL,FR輪が同一制動力を発揮する。第2モータM2の出力を増加させたことにより、FL,FR実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの乖離は所定値Pth以内に抑制され、左右輪制動力差は出力を増加させない場合よりも小さくなり、車両挙動が安定する。
(時刻t207)
第2モータM2の出力を増加させない場合、時刻t207においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達する(破線参照)。この場合、左右輪制動力差が大きく車両挙動は安定しない。
(時刻t208〜時刻t213)
アウトバルブOUT/Vによる減圧時制動力補正制御が実行されるため、図13の時刻t108〜t113と同様である。
[実施例2の効果]
(17)実施例2では、増圧指令の場合、FL,FR輪のうち、実液圧が低い側のホイルシリンダに接続する液圧源P1,P2いずれかの出力を増加させることにより、制動力補正制御を行うこととした。RL,RR輪についても同様の制御を行うこととした。
これにより、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。とりわけ、バルブ全開時に制動力を下げたくない場合、バルブ駆動によらず、かつ制動力を低下させることなく左右輪の制動力バランスをとることができる。
なお、実施例2ではモータを定格最大出力以上で駆動する場合、1制御周期に区切ることとしたが(t202〜t203)、モータに異常をきたさない程度の時間であれば、定格出力以上の出力をある程度継続して出力してもよい。例えば、モータの出力を定格最大出力とする時間を予め設定しておき、その時間だけ定格以上の出力を継続することとしてもよい。
[増圧時高圧側インバルブ流量減少制御]
実施例3につき図17ないし図19に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例1では左右輪のうち高圧側ホイルシリンダに接続するモータの出力を減少させて制動力補正を行ったが、実施例3では高圧側ホイルシリンダに接続するインバルブIN/Vの開度を減少させ、インバルブIN/V(FL)の流量を減少させて制動力補正制御を行う。
例えば、同一目標ホイルシリンダ圧P*αに対してFL輪実液圧PflがFR輪実液圧Pfrよりも高い場合、常開電磁弁であるFL輪インバルブIN/V(FL)の開度をFR輪インバルブIN/V(FR)よりも低くし、FL輪ホイルシリンダW/C(FL)に供給される作動油の量を減少させる。
これにより、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flをFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frよりも減少させ、FL,FR輪の制動力差を補正する。FR輪の実ホイルシリンダ圧Pfrのほうが高い場合、また後輪RL,RRについても同様に制動力補正を行う。
なお、実施例3ではインバルブIN/Vを比例弁としており、開度を減少させることにより流量を減少させることとする。ON/OFF弁として開閉を繰り返すこととしてもよい(図20参照)。
[ECU間の指令関係]
(増圧時高圧側インバルブ流量減少制御)
図17は、制動力補正制御(高圧輪インバルブ流量減少制御)におけるメインECU300と第1、第2サブECU100,200の指令関係を示すブロック図である。
増圧時、FL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同一であって、前輪左右輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に実液圧差がある場合、メインECU300は高液圧側輪のインバルブ開度減少指令を出力する。これにより、低圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Loは維持したまま、高圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Hiを減少させる。
したがって、FL,FR輪のうち高圧側の実ホイルシリンダ圧は減少し、低圧側実ホイルシリンダ圧は維持され、FL,FR輪の実液圧差は減少する。RL,RR輪についても同様である。
[増圧時制動力補正制御処理(高圧側インバルブ流量減少)]
図18は、高圧側インバルブ流量減少による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。
ステップS131ではFL輪実ホイルシリンダ圧Pfl>FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrであるかどうかが判断され、YESであればステップS132へ移行し、NOであればステップS133へ移行する。
ステップS132ではFL輪の制動力が大きいとされ、メインECU300はFL輪インバルブIN/V(FL)の開度減少指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
ステップS133ではFR輪の制動力が大きいとされ、メインECU300はFR輪インバルブIN/V(FR)の開度減少指令を出力して図10のステップS22へ移行する。
[制動力補正制御の経時変化]
(増圧時高圧側インバルブ流量減少 減圧時低圧側アウトバルブ流量減少)
図19は、制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。FL輪実ホイルシリンダ圧Pflを細実線、FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrを細一点鎖線、FL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを太実線、FR輪目標ホイルシリンダ圧P*frを太一点鎖線で示す。
なお、図19ではFL輪の制動力補正を行った場合のタイムチャートを示すが、FR輪の補正を行う場合であってもFLとFRが反転するのみで経時変化は同一である。また、RL,RR輪の補正を行う場合も同様である。
(時刻t301)
時刻t301において増圧指令が出力され、第1、第2モータM1,M2がデューティ100%で駆動を開始し、FL,FR輪実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrが増圧を開始する。目標ホイルシリンダ圧はP*αであり、P*α=P*fl=P*frである。製造ばらつきにより同一目標ホイルシリンダ圧はP*αに対するFL側とFR側のインバルブIN/V(FL,FR)の流量が異なるため、FR側実ホイルシリンダ圧PfrよりもFL側実ホイルシリンダ圧Pflのほうが高くなる。
(時刻t302)
時刻t302においてFL側とFR側の実ホイルシリンダ圧の差Pfl−Pfrが所定の閾値Pthに達する。これにより増圧時制動力補正が開始され、高圧側のFL輪インバルブIN/V(FL)の開度を減少(例えばデューティ0%)させることでFL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを減少させる。次回制御周期(時刻t303)までFL輪インバルブIN/V(FL)のデューティを0%とする。なお、FL輪インバルブIN/V(FL)の開度はFR輪インバルブIN/V(FR)の開度よりも低ければよく、デューティは0%でなくともよい。
(時刻t303)
時刻t303においてFL輪インバルブIN/V(FL)のデューティを50%とする。FR輪インバルブIN/V(FR)のデューティは100%を維持する。
(時刻t304)
時刻t304においてFR輪目標ホイルシリンダ圧P*frが目標値P*αに到達する。FL輪インバルブIN/V(FL)のデューティを低下させたため、FL輪実ホイルシリンダ圧PflはまだP*αに到達しない。
(時刻t305)
FL輪インバルブIN/V(FL)のデューティを下げない場合、時刻t305においてFL輪実ホイルシリンダ圧Pflが目標値P*αに到達する(破線参照)。この場合、左右輪制動力差が大きく車両挙動は安定しない。
(時刻t306)
時刻t306において、FL輪実ホイルシリンダ圧Pflはデューティを低下させない場合よりも遅れて目標値P*αに到達する。FL輪インバルブIN/V(FL)のデューティを低下させたことにより、FL,FR実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの乖離は所定値Pth以内に抑制され、左右輪制動力差はデューティを低下させない場合よりも小さくなり、車両挙動が安定する。
(時刻t307)
時刻t307においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達し、FL,FR輪が同一制動力を発揮する。
(時刻t308〜t313)
時刻t308〜t313はアウトバルブOUT/Vによる減圧時制動力補正制御が実行されるため、図13の時刻t108〜t113と同様となる。
[実施例3の効果]
(5)実施例3では、液圧ユニットHU1,HU2は、液圧源P1,P2とホイルシリンダW/C(FL〜RR)との間に設けられたインバルブIN/V(FL〜RR)(増圧電磁弁)を備え、コントロールユニット1は、増圧時に左右輪のうち実液圧が高い側のホイルシリンダに接続するインバルブIN/Vを駆動し、実液圧が高い側のホイルシリンダに供給される作動油の量を減少させることにより、制動力補正制御を行うこととした。
これにより、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。とりわけ、フル増圧時などモータ出力によって制動力補正を行うことができない場合であっても、モータ出力を変更することなく制動力補正を行うことができる。
(7)インバルブIN/Vは比例弁であって、コントロールユニット1は、インバルブIN/Vの開度を減少させることにより制動力補正制御を行うこととした。比例弁とすることで、インバルブIN/Vにおける流量の制御をきめ細かく制御することができる。
(10)アウトバルブOUT/Vは比例弁であって、コントロールユニット1は、アウトバルブOUT/Vの開度を減少させることにより制動力補正制御を行うこととした。比例弁とすることで、アウトバルブOUT/Vにおける流量の制御をきめ細かく制御することができる。
以下、実施例3の変形例を示す。
[実施例3−1]
図20は実施例3−1における第1液圧ユニットHU1の油圧回路図である。第2液圧ユニットHU2も同様であるため省略する。実施例3ではインバルブIN/V(FL〜RR)およびアウトバルブOUT/V(FL〜RR)は比例弁であったが、実施例3−1ではともにON/OFF弁とする。
図21は実施例3−1における制動力補正制御の経時変化である。インバルブIN/V(FL〜RR)としてON/OFF弁を用いているため、インバルブIN/Vの開閉を繰り返すことによりバルブ流量を減少させ、増圧時制動力補正制御を行う。減圧時制動力補正においても、同様にアウトバルブOUT/Vの開閉を繰り返す。
(時刻t301'〜t302')
図19のt301〜t302と同様である。
(時刻t303')
時刻t303'において増圧時制動力補正制御が開始され、FL輪インバルブIN/V(FL)の開閉を繰り返すことにより、作動油の供給量を減少させてFL輪目標ホイルシリンダ圧P*flを減少させる。t303'〜t306'まで開閉を繰り返す。
(時刻t304'〜t308')
図19のt304〜t308と同様である。
(時刻t309')
時刻t309'において減圧時制動力補正制御が開始され、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)の開閉を繰り返すことにより、ホイルシリンダからの作動油の流出量を減少させてFL輪目標ホイルシリンダ圧P*flの減少を抑制する。t309'〜t312'まで開閉を繰り返す。
(時刻t310'〜t313')
図19のt310〜t313と同様である。
[実施例3−1の効果]
(7)(11)実施例3−1にあっては、インバルブIN/V(FL〜RR)およびアウトバルブOUT/V(FL〜RR)として安価なON/OFF弁を用いつつ、実施例3と同様の効果を得ることができる。なお、実施例1および2についても、インバルブIN/V(FL〜RR)、アウトバルブOUT/V(FL〜RR)をON/OFF弁としても同様の作用効果が得られる。
[増圧時低圧側系統後輪のインバルブ開度減少]
実施例4につき図22ないし図26に基づき説明する。基本構成は実施例3と同様である。実施例3では高圧側ホイルシリンダに接続するインバルブの流量を減少させることにより左右輪の液圧差を補正していた。
一方、実施例4では前輪制動力の確保に着目し、例えばFL輪の制動力がFR輪に比べ低い場合、RR輪インバルブIN/V(RR)の開度を減少させる。これにより、RR輪ホイルシリンダW/C(RR)へ供給される作動油を減少させ、減少分をFL輪に供給することで、FL輪ホイルシリンダ圧Pflを増加させる点で実施例3と異なる。
[概念図]
図22、図23は実施例4の制動力補正制御の概念図である。図22は実施例4の低圧側系統後輪への液圧供給遮断制御を行う前、図23は行った後を示す。
なお、FL−RR系統のポンプP1、FR−RL系統のポンプP2の吐出圧Pp1,Pp2はともに同一値であり、説明のためPp1=Pp2=1.5とする。吐出圧の前後輪配分は、大まかに前輪:後輪=2:1であるため、FL−RR系統、FR−RL系統ともに前輪に1、後輪に0,5の吐出圧が作用するものとする。
ここで、FL,FR輪インバルブIN/V(FL,FR)の固体誤差によって、FL,FR輪実液圧Pfl,Pfrの関係がPfl>Pfrである場合を想定する。
FL輪インバルブIN/V(FL)の流動抵抗は規定値通りであり、FL輪実液圧Pfl=1であるが、FR輪インバルブIN/V(FR)の流動抵抗が規定値よりも大きく、FL輪実液圧は例えばPfr=0.6しか発生せず、FL,FR輪に実液圧差が発生する。このためFL,FR輪に制動力差が発生し、車両挙動が不安定となる。
ここで、X配管の特性上、FR輪とRL輪はポンプP2を介して配管で接続されている。したがって、例えばポンプP2の吐出圧Pp2を一定としたままRL輪インバルブIN/V(RL)の開度を減少させた場合、RL輪ホイルシリンダW/C(RL)に供給される作動油が減少する。
この減少分はFR輪ホイルシリンダW/C(FR)に作用し、FR輪実液圧Pfrを増加させる。RL輪インバルブIN/V(RL)を全閉とした場合、ポンプP2の吐出圧Pp2は全てFR輪ホイルシリンダW/C(FR)に作用することとなり、FR輪実液圧Pfrはさらに増加する。
したがって実施例4では、図23に示すように同一目標制動力P*αに対しFR輪実液圧PfrがFL輪実液圧Pflに比べ低い場合、FR輪と接続するRL輪のインバルブIN/V(RL)の開度を絞ってRL輪ホイルシリンダW/C(RL)に供給される作動油を減少させ、RL輪実ホイルシリンダ圧Prlの減少分をFR輪ホイルシリンダW/C(FR)に供給して増圧し、制動力補正制御を行う。
この場合、RL輪実液圧Prlが低下するためRL輪の制動力は減少するが、前輪に比べ後輪制動力はさほど必要ないため、RL輪制動力を犠牲にしてFR輪の制動力を確保するものである。FL輪実液圧Pflが低い場合も、同様にRR輪インバルブIN/V(RR)の開度減少によってFL輪制動力を確保する。
図23では、RL輪インバルブIN/V(RL)の開度を減少させ、RL輪実液圧を例えばPrl=0.1とする。これにより、RL輪ホイルシリンダW/C(RL)に供給される作動油は0.4減少し、この減少分0.4をFR輪ホイルシリンダW/C(FR)に作用させる。したがって図23ではRL輪実液圧Prl=0.1、FR輪実液圧Pfr=1となる。
ここで、RL輪インバルブIN/V(RL)の開度減少指令は、メインECU300からの指令によって行う。すなわち、RL輪インバルブIN/V(RL)の開度を減少させることによりRL輪目標ホイルシリンダ圧P*rlの増加を抑制し、反射的にFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrを増圧するものである。
実施例1ではモータ出力減少により、実施例3では高圧側輪のインバルブIN/V開度の減少により制動力補正制御を行っていた。そのため前輪の制動力補正を行うと、必然的に前輪制動力が低下してしまうが、実施例4では制動力を低下させることなく前輪制動力補正を行うことが可能となる。
また、実施例2では低圧側ホイルシリンダに接続するモータ出力を増加させることで制動力補正を行うため、制動力補正時に前輪の制動力が低下することはない。しかし、モータが定格最大出力で駆動されている場合には定格最大出力以上の出力を出す必要があるが、定格以上の出力を長時間出すことは現実的でない。
そのため、フル増圧時など低圧側ホイルシリンダに接続するモータが定格最大出力時にある場合、実施例2のように低圧側モータ出力を増加させて制動力補正を行うためには、モータ出力を増加させる時間を一定の短い時間に区切って行わなければならず、制動力補正に制約が生じる。
実施例4のように後輪ホイルシリンダへ導入される作動油量を減少させ、減少分を前輪に供給して前輪の制動力補正を行えば、実施例2のように制約を設けることなく前輪制動力補正を行うことが可能となる。
なお、実施例4の制動力補正は、後輪ホイルシリンダへの作動油供給量の減少分が前輪ホイルシリンダへ供給される、という配管構成上の特徴を用いているため、X配管構造のように、前輪の1輪と後輪の1輪が液圧源(ポンプ)を介して同一配管で接続された油圧回路を有することが前提となる。また、後輪制動力を犠牲にして前輪制動力を確保するという思想に基づくため、前輪のみに適用され、後輪の制動力補正には適用されない。
[ECU間の指令関係]
(増圧時低圧側系統後輪のインバルブ開度減少制御)
図24は、制動力補正制御(低圧側系統後輪のインバルブ開度減少制御)におけるメインECU300と第1、第2サブECU100,200の指令関係を示すブロック図である。
増圧時、FL,FR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが同一であって、前輪左右輪FL,FRに実液圧差がある場合、メインECU300は低圧側系統後輪のインバルブ開度減少指令を出力する。これにより、高圧側ホイルシリンダの目標液圧P*Hiを維持したまま、低圧側後輪ホイルシリンダの目標液圧P*Lo(R)の増加を抑制し、反射的に低圧側前輪の実液圧PLo(F)を増加させる。
したがって、FL,FR輪のうち高圧側の前輪実ホイルシリンダ圧は維持され、低圧側の前輪実ホイルシリンダ圧は増圧されてFL,FR輪の実液圧差は減少する。
[増圧時制動力補正制御処理(低圧側系統後輪のインバルブ開度減少)]
図25は、低圧側系統後輪のインバルブ開度減少による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。
ステップS141ではFL輪実ホイルシリンダ圧Pfl>FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrであるかどうかが判断され、YESであればステップS142へ移行し、NOであればステップS144へ移行する。
ステップS142ではFR輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はRL輪インバルブIN/V(RL)の開度減少指令を出力してステップS143へ移行する。
ステップS143ではRL輪目標ホイルシリンダ圧P*rlの増加が抑制され、反射的にFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが増加して図10のステップS22へ移行する。
ステップS144ではFL輪の制動力が小さいとされ、メインECU300はRR輪インバルブIN/V(RR)の開度減少指令を出力してステップS145へ移行する。
ステップS145ではRR輪目標ホイルシリンダ圧P*rrの増加が抑制され、反射的にFL輪実ホイルシリンダ圧Pflが増加して図10のステップS22へ移行する。
[制動力補正制御の経時変化]
(増圧時低圧側系統後輪のインバルブ開度減少)
図26は、実施例4における制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。FL輪実ホイルシリンダ圧Pflを細実線、FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrを細一点鎖線、FL、FR輪目標ホイルシリンダ圧P*frl,P*frを太実線で示す。
また、RL輪目標ホイルシリンダ圧P*rlを太破線、RR輪目標ホイルシリンダ圧P*rrを太一点鎖線、RL輪実ホイルシリンダ圧Prlを細破線、RR輪実ホイルシリンダ圧Prrを細二点鎖線で示す。RL,RR輪については、インバルブIN/V(RL,RR)の固体誤差はないものとする。
なお、実施例4ではアウトバルブOUT/V(FL〜RR)は全て固体誤差がなく、減圧時においては制動力補正を行わないものとする。さらに、図26においてもFR輪の制動力補正を行った場合のタイムチャートのみを示すが、FL輪の補正を行う場合であってもFLとFRが反転するのみで経時変化は同一である。
(時刻t401)
時刻t401において増圧指令が出力され、第1、第2モータM1,M2がともに同一デューティで駆動を開始し、各輪実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrが増圧を開始する。前輪目標ホイルシリンダ圧はP*αであり、後輪目標ホイルシリンダ圧はP*βである。
各輪インバルブIN/V(FL〜RR)は全て全開(デューティ100%)であるが、固体誤差により同一目標ホイルシリンダ圧P*αに対するFL側とFR側のインバルブIN/V(FL,FR)の流量が異なるため、実ホイルシリンダ圧はFR輪のPfrよりもFL輪のPflのほうが高くなる。
(時刻t402)
時刻t402においてFL側とFR側の実ホイルシリンダ圧の差Pfl−Pfrが所定の閾値Pthに達する。これにより増圧時制動力補正が開始され、低圧側のFR輪と配管によって接続されたRL輪インバルブIN/V(RL)の開度を減少(例えばデューティ30%)させる。
これによりRL輪に供給される作動油量が減少し、RL輪目標ホイルシリンダ圧P*rlの増加が抑制される。RLホイルシリンダW/C(RL)への作動油供給量の減少分はFR輪に供給され、FR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが上昇する。
FL,RR輪実液圧Pfl,Prrはそのままの勾配で増加を継続する。なお、RL輪インバルブIN/V(RL)の開度はRR輪インバルブIN/V(RR)の開度よりも低ければよく、デューティは30%でなくともよい。
(時刻t403)
時刻t403においてFL,FR輪目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frが目標値P*αに到達する。RR輪目標ホイルシリンダ圧P*rrも目標値に到達する。目標値の増加を抑制したRL輪ホイルシリンダ圧P*rlについては、まだ目標値P*βに到達しない。
(時刻t404)
時刻t404においてFL,RR輪実ホイルシリンダ圧Pfl,Prrがそれぞれ目標値P*α、P*βに到達する。これによりFL,RR輪の増圧は終了し、それぞれのインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁する。
(時刻t405)
時刻t405においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達し、FL,FR輪が同一制動力を発揮する。これによりFR輪の増圧は終了し、FR輪インバルブIN/V(FR)を閉弁する。
これに伴い、RL輪ホイルシリンダW/C(RL)への作動油の供給抑制の必要がなくなるため、RL輪インバルブIN/V(RL)を全開とする。したがってRL輪ホイルシリンダ圧は、目標液圧P*rl、実液圧Prlともに勾配が大きくなる。
RL輪インバルブIN/V(RL)の開弁度を下げたことにより、FL,FR実ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの乖離は所定値Pth以内に抑制され、前輪制動力差が小さくなって車両挙動が安定する。
(時刻t406)
時刻t406においてRL輪目標ホイルシリンダ圧P*rlが目標値P*βに到達する。
(時刻t407)
時刻t407においてRL輪実ホイルシリンダ圧Prlが目標値P*βに到達し、RL輪の増圧が終了してRL輪インバルブIN/V(RL)を閉弁する。
(時刻t408)
RL輪インバルブIN/V(RL)の開度を減少させない場合、時刻t408においてFR輪実ホイルシリンダ圧Pfrが目標値P*αに到達する(細三点鎖線参照)。この場合、左右輪制動力差が大きく車両挙動は安定しない。
(時刻t409〜t410)
時刻t409〜t410は減圧制御が実行される。実施例4ではアウトバルブOUT/V(FL〜RR)は全て固体誤差がなく、減圧時においては制動力補正は行われない。
[実施例4の効果]
(20)実施例4では、増圧時にFR輪よりもFL輪の実ホイルシリンダ圧が低いとき、RR輪インバルブIN/V(RR)を駆動し、RR輪ホイルシリンダW/C(RR)に供給される作動油の量を減少させることにより、制動力補正制御を行い、増圧時にFL輪よりもFR輪の実ホイルシリンダ圧が低いとき、RL輪インバルブIN/V(RL)を駆動し、RL輪ホイルシリンダW/C(RL)に供給される作動油の量を減少させることにより、制動力補正制御を行うこととした。
これにより、後輪ホイルシリンダに供給される作動油の減少分を前輪ホイルシリンダに供給して増圧することで、前輪の制動力を低下させることなく前輪制動力補正を行うことができる。
また、フル増圧時など、これ以上モータ出力を増加させることが難しい場合であっても、モータ出力を増加させることなく、かつ制動力を低下させることなく制動力補正を行うことが可能である。よって、制約を受けることなく前輪制動力補正を行うことができる。
実施例5につき図27、図28に基づき説明する。実施例1〜4では2つの液圧ユニットHU1,HU2を用いた4輪全輪ブレーキバイワイヤシステムを採用したが、実施例5では2つの液圧ユニットによりFL,FR輪のみブレーキバイワイヤシステムとする点で異なる。
[システム構成]
図27は実施例5におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれFL,FR輪の増減圧のみを行う点で実施例1(図1)と異なり、他の点は同一である。後輪制動力は電動モータの駆動力によって直接後輪の回転を止めるタイプであってもよいし、常時マスタシリンダ圧Pmを直接後輪ホイルシリンダW/C(RL,RR)に導入して制動力を得るものであってもよい。
[油圧回路]
図28は実施例5における第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。第1液圧ユニットHU1はFL輪ホイルシリンダW/C(FL)の増減圧を行い、第2液圧ユニットHU2はFR輪ホイルシリンダW/C(FR)の増減圧を行う。
マスタシリンダM/Cと接続する油路A1,A2には常開のシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)が設けられ、接続点I1,I2において油路C1(FL),C2(FR)と接続する。接続点I1,I2は油路D1(FL),D2(FR)を介してFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)と接続する。
油路C1(FL),C2(FR)はポンプP1,P2の吐出側と接続し、ポンプ吐出側から順にチェック弁C/V(FL,FR)および常開のFL,FRインバルブIN/V(FL,FR)が設けられている。チェック弁C/V(FL,FR)はポンプP1,P2の吐出側からインバルブIN/V(FL,FR)への流れのみを許容する。
ポンプP1,P2の吸入側は油路B1,B2を介してリザーバRSVと接続する。また、油路B1,B2は油路E1,E2および接続点J1,J2を介して油路C1(FL),C2(FR)と接続する。油路E1,E2には常閉のFL,FR輪アウトバルブOUT/V(FL,FR)が設けられている。
実施例5ではインバルブIN/V、アウトバルブOUT/Vを全てON/OFF弁とし、開弁/閉弁を繰り返すことで液圧制御を行う(図21と同様)。安価なON/OFF弁とすることでコスト低減を図っている。なお、比例弁としてもよく特に限定しない。
[ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ]
(増圧時)
ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ増圧時にはシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁、インバルブIN/V(FL,RR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を閉弁し、第1、第2モータM1,M2を駆動する。第1、第2モータM1,M2によりポンプP1,P2が駆動されて吐出圧が油路C1(FL),C2(FR)に供給され、インバルブIN/V(FL,RR)により液圧制御を行ってFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に導入し、増圧を行う。
(減圧時)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を開弁してホイルシリンダ圧をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持時)
通常ブレーキ保持時にはインバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)を全て閉弁し、ホイルシリンダ圧を保持する。
[マニュアルブレーキ]
マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,FR)が閉弁される。したがってFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。よって、マスタシリンダ圧PmをFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に作用させ、マニュアルブレーキを確保する。
[実施例5における制動力補正制御]
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ1輪のみに接続するため、FL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)は互いに接続されない。したがって、FL,FR輪ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrは互いに独立して制御され、制動力差がある場合にはPfl,Pfrのうち一方を増加または減少させることで補正を行う。
すなわち、増圧時にFL,FR輪に制動力差が発生した場合、実施例1または実施例2のように第1、第2モータM1,M2の出力を変更してもよいし、実施例3のようにFL,FRインバルブIN/V(FL,FR)の開度を減少させることで制動力補正制御を行ってもよい。また、減圧時の制動力補正も実施例1と同様である。
なお、FL,FR輪ホイルシリンダ圧W/C(FL,FR)のうち高圧側モータの出力を減少させる場合(実施例1と同様)には、ECU間の指令関係、フローチャートおよびタイムチャートは実施例1の図5、図7〜図13と同様である。同様に、低圧側モータ出力を減少させる場合は実施例2の図14〜図16、高圧側インバルブ開度を減少させる場合は実施例3の図17〜図19、減圧時制動力補正では実施例1の図12、図13と同様であるため、各場合についての説明は省略する。
[実施例5の効果]
(18)実施例5では、第1液圧ユニットHU1はFL輪ホイルシリンダW/C(FL)の液圧のみを制御し、第2液圧ユニットHU2はFR輪ホイルシリンダW/C(FR)の液圧のみを制御することとした。これにより、2つの液圧ユニットによりFL,FR輪のみポンプ増圧によって制動力を発生させるフロントブレーキバイワイヤ車両にあっても、左右輪制動力差を補正することができる。
なお、フロントのみブレーキバイワイヤ制御とした場合、4輪全輪のホイルシリンダをポンプ圧によって増圧する場合と比べ、構成が簡略化できる。また、後輪は前輪ほど制動力を必要としないため、後輪制動力を電気式のブレーキキャリパやマスタシリンダ圧によって得る構成を適宜選択することにより、車両に合わせた適切なブレーキ装置を達成できる。
以下、実施例5の変形例を示す。
[実施例5−1]
図29は、実施例5の油圧回路においてインバルブIN/VおよびアウトバルブOUT/Vを比例弁とした例である。比例弁とすることで、前輪ブレーキバイワイヤシステムに置いて緻密な制御を実現することができる。
実施例6につき図30、図31に基づき説明する。実施例6では前輪のみポンプ吐出圧によって制動力を得るものとし、1つの液圧ユニットHUによってFL,FR輪ホイルシリンダ圧Pfl,Pfrの増減圧を行うこととする。また、液圧ユニットHUは1つのサブECU100により駆動され、前輪の液圧系および電気系はともに1重系であるものとする。一方、リヤ側は油圧を用いず電気的にブレーキ制御を行う方式を採用する。
図30は実施例6のシステム構成図である。マスタシリンダM/CにはストロークセンサS/Sen及びストロークシミュレータS/Simが設けられている。ブレーキペダルBPの踏み込みに伴ってマスタシリンダM/C内に液圧が発生するとともに、ブレーキペダルBPのストローク信号Sがコントロールユニット1内のメインECU300へ出力される。
マスタシリンダ圧Pmは油路A(FL,FR)を介して液圧ユニットHUに供給され、サブユニット100により液圧ユニットHUを駆動して液圧制御が施された後、油路D(FL,FR)を介して前輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に供給される。
メインECU300はFL,FR輪目標ホイルシリンダ圧P*fl,P*frを演算し、サブECU100を介して液圧ユニットHUを駆動し、ホイルシリンダW/C(FL,FR)の液圧を制御する。制動時には回生ブレーキ装置9によりFL,FR輪を制動する。また、後輪ブレーキアクチュエータ6はメインECU300からの指令信号に基づいて電動キャリパ7の制動力を制御する。
液圧ユニットHUは、ブレーキバイワイヤシステムにおける通常制動時はマスタシリンダ圧とホイルシリンダW/C(FL,FR)との連通を遮断する。一方、ポンプPによりホイルシリンダW/C(FL,FR)に液圧を供給し、制動力を発生させる。また、運転者の急制動操作により車輪がロック傾向になると、ロックを解除するために、増圧バルブを駆動し、マスタシリンダM/C側からFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)への液圧の供給を遮断する。
そして、減圧バルブを適宜駆動することで、前輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)内の液圧を減圧し、車輪のロックを回避しつつ制動力を得る。また、ブレーキバイワイヤ機能故障時には、マスタシリンダ圧をFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)に液圧を供給し、制動力を得る。
[油圧回路]
図31は実施例6の油圧回路図である。ポンプPの吐出側は油路C1(FL,FR)を介してそれぞれFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)と接続し、吸入側は油路Bを介してリザーバRSVと接続する。油路C1(FL,FR)はそれぞれ油路E1(FL,FR)を介して油路Bと接続する。
また、油路C(FL)と油路E(FL)の接続点I(FL)は油路A(FL)を介してマスタシリンダM/Cと接続し、油路C(FR)と油路E(FR)の接続点I(FR)は油路A(FR)を介してマスタシリンダM/Cと接続する。さらに、油路C1(FL,FR)の接続点Jは油路Gを介して油路Bと接続する。
シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)は常開電磁弁であり、油路A(FL,FR)上に設けられてマスタシリンダM/Cと接続点I(FL,FR)との連通/遮断を行う。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,FR)はそれぞれ油路C(FL,FR)上に設けられた常開比例弁であり、ポンプPの吐出圧を比例制御してFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に供給する。また、油路C(FL,FR)上であってFL,RR輪インバルブIN/V(FL,FR)の間にはポンプP側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,FR)が設けられている。
FL,FR輪アウトバルブOUT/V(FL,FR)は常閉比例弁であり、それぞれ油路E(FL,FR)上に設けられている。また、接続点Jと油路Bを接続する油路G上にはリリーフバルブRef/Vが設けられている。
シャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)とマスタシリンダM/Cとの間の油路A(FL,FR)には第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2が設けられ、M/C圧Pm1,Pm2をメインECU300へ出力する。
また液圧ユニットHU内であって油路C1(FL,FR)上にはFL,RR輪ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,FR)が設けられ、ポンプPの吐出側にはポンプ吐出圧センサP/Senが設けられてそれぞれの検出値Pfl,PfrおよびPpをサブECU100へ出力する。
[ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ]
(増圧時)
ブレーキバイワイヤ制御における通常ブレーキ増圧時にはシャットオフバルブS.OFF/V(FL,FR)を閉弁、インバルブIN/V(FL,FR)を開弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を閉弁し、モータMを駆動し、インバルブIN/V(FL,FR)により液圧制御を行って増圧を行う。
(減圧時)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,FR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,FR)を開弁してホイルシリンダ圧をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持時)
通常ブレーキ保持時にはインバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,FR)を全て閉弁し、ホイルシリンダ圧を保持する。
[マニュアルブレーキ]
マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,FR)が閉弁される。したがってFL,FR輪ホイルシリンダW/C(FL,FR)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。これによりマニュアルブレーキを確保する。
[実施例6における制動力補正制御]
実施例6においては1つのポンプPでFL,FR輪を増圧するため、ポンプによる制動力差の補正はできない。したがって増圧時にFL,FR輪に制動力差がある場合には、実施例3と同様にインバルブIN/V(FL,FR)の開度を変更することで制動力の補正を行う。減圧時の制動力補正は実施例1〜5と同様、アウトバルブOUT/Vの開度変更によって行う。フローおよびタイムチャートも同様である。
[実施例6の効果]
(12)実施例6にあっても、増圧時は実施例3と同様にインバルブIN/V(FL,FR)の開度を変更し、減圧時はアウトバルブOUT/V(FL,FR)の開度を変更することにより、実施例3と同様の効果を得ることができる。実施例6においても、インバルブIN/V(FL,FR)およびアウトバルブOUT/V(FL,FR)はON/OFF弁としてもよい。また、インバルブIN/V(FL,FR)によらずチェック弁C/V(FL,FR)により逆流を防止することで、消費電力を低減できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
(8)実施例1〜実施例4ではインバルブIN/V(FL,RR)を常閉としたが、図32に示すようにインバルブIN/V(FL,RR)を常開とし、油路C1(FL,RR)上にポンプP1側への逆流防止用のチェック弁C/V(FL,RR)を設けて逆流を防止してもよい。常閉とすることで、消費電力を低減することができる。
また、図33に示すように、回生協調ブレーキシステム、ITS等様々な制御を行う統合コントローラ600を設けた場合であっても、ブレーキ制御系を他の制御系に対し独立させて制御を行っているため、ブレーキ制御系に特別の処置を施すことなく統合コントローラ600を容易に融合させることができる。
更に、上記各実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ) 請求項6記載のブレーキ制御装置において、
前記制御手段は、増圧時において少なくとも前記増圧電磁弁が全開のときに前記制動力補正制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
流路面積最大時すなわち全開時には電磁弁の製造ばらつきの影響が顕著に出るため、増圧かつ上流側電磁弁全開時に左右輪の制動力を精度よく均等化させることにより、車両挙動を安定なものとできる。
(ロ) 請求項9記載のブレーキ制御装置において、
前記制御手段は、減圧時において少なくとも前記減圧電磁弁が全開のときに前記制動力補正制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
上記(イ)と同様、バルブ全開時には電磁弁の製造ばらつきの影響が顕著に出るため、減圧電磁弁全開時に左右輪の制動力を精度よく均等化させることにより、車両挙動を安定なものとできる。
本願ブレーキ制御装置のシステム構成図である。 第1液圧ユニットの油圧回路図である。 第2液圧ユニットの油圧回路図である。 第1、第2サブECUの制御ブロック図である。制動力補正の実施判定を行う制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の制動力補正制御(高圧側ユニットのモータ出力減少制御)におけるメインECUと第1、第2サブECUの指令関係を示すブロック図である。 制動力補正制御(減圧時)におけるメインECUと第1、第2サブECUの指令関係を示すブロック図である。 ブレーキバイワイヤ制御実施判定制御の流れを示すフローチャートである。 ブレーキバイワイヤ制御処理(図7:ステップS10)の流れを示すフローチャートである。 制動力補正制御の実施判定フロー(図8:ステップS20)である。 制動力補正制御処理(図9:ステップS30)の流れを示すフローチャートである。 高圧側モータ出力低下による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。 低圧側アウトバルブ流量減少による減圧時制動力補正制御(図10:ステップS200)の流れを示すフローチャートである。 実施例1における制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。 実施例2における制動力補正制御(低圧側ユニットのモータ出力増加制御)におけるメインECUと第1、第2サブECUの指令関係を示すブロック図である。 図10のステップS100における増圧時制動力補正制御を、低圧側モータの出力増加によって実現するフローチャートである。 実施例2における制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。 実施例3における制動力補正制御(高圧輪インバルブ流量減少制御)におけるメインECUと第1、第2サブECUの指令関係を示すブロック図である。 高圧側インバルブ流量減少による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。 実施例3における制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。 実施例3−1における第1液圧ユニットの油圧回路図である。 実施例3−1における制動力補正制御の経時変化である。 実施例4の制動力補正制御(低圧側系統後輪への液圧供給遮断制御実行前)の概念図である。 実施例4の制動力補正制御(低圧側系統後輪への液圧供給遮断制御実行後)の概念図である。 制動力補正制御(低圧側系統後輪のインバルブ開度減少制御)におけるメインECUと第1、第2サブECUの指令関係を示すブロック図である。 低圧側系統後輪のインバルブ開度減少による増圧時制動力補正制御(図10:ステップS100)の流れを示すフローチャートである。 実施例4における制動力補正制御の経時変化を示すタイムチャートである。 実施例5におけるブレーキ制御装置のシステム構成図である。 実施例5における第1、第2液圧ユニットの油圧回路図である。 実施例5の油圧回路においてインバルブおよびアウトバルブを比例弁とした例である。 実施例6のシステム構成図である。 実施例6の油圧回路図である。 本願実施例の他の実施例(実施例1〜実施例4においてインバルブを常開をし、逆流防止用のチェック弁を設ける)を示す図である。 本願実施例の他の実施例(メインECUを車両の統合コントローラと接続させる)を示す図である。
符号の説明
1 コントロールユニット
6 後輪ブレーキアクチュエータ
7 電動キャリパ
9 回生ブレーキ装置
100,200 サブECU
110 モード切替部
120 FF制御部
130 FB制御部
140 制動力補正部
141 モータ電流補正部
142 電磁弁電流補正部
300 メインECU
310,320 第1、第2CPU
S/Sen1,S/Sen2 ストロークセンサ
L/Sen 液量センサ
MC/Sen1,MC/Sen2 マスタシリンダ圧センサ
WC/Sen(FL〜RR) FL〜RR輪ホイルシリンダ圧センサ
P/Sen1,2 第1、第2ポンプ圧センサ
A〜G 油路
BP ブレーキペダル
BATT1,BATT2 第1、第2電源
BUZZ ブザー
C/V チェック弁
Can/V 切替弁
CAN1〜CAN3 CAN通信線
CU1 回生ブレーキコントロールユニット
CU2 レーダーコントロールユニット
CU3 EPSコントロールユニット
CU4 EMSコントロールユニット
CU5 ATコントロールユニット
CU6 メータコントロールユニット
HU1,HU2 第1、第2液圧ユニット
IGN イグニッションスイッチ
IN/V インバルブ
I,J 接続点
M/C マスタシリンダ
M1,M2 第1、第2モータ
OUT/V アウトバルブ
P1,P2 ポンプ
Ref/V リリーフバルブ
RSV リザーバ
RY11〜22 リレー
S.OFF/V シャットオフバルブ
S/Sim ストロークシミュレータ
STP.SW ストップランプスイッチ
VDC.SW VDCスイッチ

Claims (21)

  1. 車輪の制動力を検出する制動力検出手段と、
    前記車輪に制動力を付与するアクチュエータと、
    前記アクチュエータを制御することにより、前記車輪の制動力を制御する制御手段と
    を備えたブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、前記車輪の目標制動力を演算し、前記車輪のうち左右輪の目標制動力が同一のとき、前記左右輪のうち一方の車輪の制動力を他方の車輪の制動力に近づける制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    マスタシリンダと、
    前記車輪に設けられ、制動力を発生させるホイルシリンダと
    を備え、
    前記制動力検出手段は、前記ホイルシリンダの実液圧を検出し、
    前記アクチュエータは、前記ホイルシリンダの液圧を制御する油圧アクチュエータであって、
    前記油圧アクチュエータは、前記マスタシリンダとは別途設けられ、前記ホイルシリンダの液圧を増圧する液圧源を有すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、目標ホイルシリンダ圧を演算するメインユニットと、演算された前記目標ホイルシリンダ圧に基づき、前記油圧アクチュエータを駆動するサブユニットとを備え、
    前記油圧アクチュエータと前記サブユニットは、一体のユニットであること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、前記左右輪のうち増圧時に制動力が大きい側のホイルシリンダへ供給される作動油の量を減少させることにより、前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  5. 請求項4に記載のブレーキ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータは、前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間に設けられた増圧電磁弁を備え、
    前記制御手段は、
    増圧時に前記左右輪のうち実液圧が高い側のホイルシリンダに接続する増圧電磁弁を駆動し、前記高い側のホイルシリンダに供給される作動油の量を減少させることにより、前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 請求項5に記載のブレーキ制御装置において、
    前記増圧電磁弁は比例弁であって、
    前記制御手段は、前記増圧電磁弁の開度を減少させることにより前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 請求項5に記載のブレーキ制御装置において、
    前記増圧電磁弁はON/OFF弁であって、
    前記制御手段は、前記増圧電磁弁を閉弁することにより前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記増圧電磁弁は常開弁であって、
    前記増圧電磁弁と前記液圧源との間に、前記増圧電磁弁側への流れのみを許容する一方向弁を設けたこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  9. 請求項2または請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータは、前記ホイルシリンダと前記マスタシリンダとの間に設けられた減圧電磁弁を備え、
    前記制御手段は、
    減圧時に前記左右輪のうち実液圧が低い側のホイルシリンダに接続する減圧電磁弁を駆動し、前記低い側のホイルシリンダから排出される作動油の量を減少させることにより、前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  10. 請求項9に記載のブレーキ制御装置において、
    前記減圧電磁弁は比例弁であって、
    前記制御手段は、前記減圧電磁弁の開度を減少させることにより前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  11. 請求項9に記載のブレーキ制御装置において、
    前記減圧電磁弁はON/OFF弁であって、
    前記制御手段は、前記減圧電磁弁を閉弁することにより前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  12. 請求項2ないし請求項11のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータは1つの液圧源を備え、この液圧源は右前輪および左前輪のホイルシリンダを増圧すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  13. 請求項2ないし請求項11のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータは第1、第2の油圧アクチュエータから構成されること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  14. 請求項3および請求項13に記載のブレーキ制御装置において、
    前記サブユニットは、第1、第2のサブユニットから構成され、
    前記第1、第2のサブユニットは、前記第1、第2の油圧アクチュエータを制御すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  15. 請求項14に記載のブレーキ制御装置において、
    前記第1のサブユニットは前記第1の油圧アクチュエータと一体に設けられ、
    前記第2のサブユニットは前記第2の油圧アクチュエータと一体に設けられること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  16. 請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記第1、第2の油圧アクチュエータは、それぞれ第1、第2の液圧源を備え、
    前記第1の液圧源は前記左前輪ホイルシリンダを増圧し、前記第2の液圧源は前記右前輪ホイルシリンダを増圧すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  17. 請求項16に記載のブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記目標ホイルシリンダ圧が増圧指令の場合、前記左右前輪のうち、実液圧が高い側のホイルシリンダに接続する液圧源の出力を減少させることにより、前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  18. 請求項13ないし請求項17のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記第1の油圧アクチュエータは、前記左前輪ホイルシリンダの液圧のみを制御し、
    前記第2の油圧アクチュエータは、前記右前輪ホイルシリンダの液圧のみを制御すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  19. 請求項13ないし請求項17のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記第1の油圧アクチュエータは、左前輪および右後輪ホイルシリンダの液圧を制御し、
    前記第2の油圧アクチュエータは、右前輪および左後輪ホイルシリンダの液圧を制御すること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  20. 請求項19に記載のブレーキ制御装置において、
    前記制御手段は、
    増圧時に前記右前輪よりも前記左前輪の実ホイルシリンダ圧が低いとき、前記右後輪に接続する増圧電磁弁を駆動し、前記右後輪ホイルシリンダに供給される作動油の量を減少させることにより、前記制動力補正制御を行い、
    増圧時に前記左前輪よりも前記右前輪の実ホイルシリンダ圧が低いとき、前記左後輪に接続する増圧電磁弁を駆動し、前記左後輪ホイルシリンダに供給される作動油の量を減少させることにより、前記制動力補正制御を行うこと
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  21. 請求項2ないし請求項20のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記液圧源はギヤポンプであること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
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