JP2006021580A - 制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキ液圧を減圧する減圧手段が故障等によって適正に作動しなくなった場合であっても、ブレーキ液圧をコントロールすることができる技術を提案することを目的とする。
【解決手段】 車両に搭載される油圧システム100は、操作部110、アクチュエータ120およびブレーキ装置130を備える。アクチュエータ120は、ブレーキ装置130に接続される第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧量を調整する電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLと、減圧量を調整する電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLとを有する。電磁減圧弁66RR、66RLをバイパスするようにして設けられた第3ブレーキ導管54には、メカリリーフ弁68RR、68RLが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の減速時あるいは停止時に制動力を発生させる制動装置に関する。
所望の車両制動力を得るために様々なタイプの制動装置が従来から提案されている。例えば、ドライバーのブレーキ操作に応じてブレーキ液圧が発生されるマスタシリンダ等の第1の液圧発生源の他に、ドライバーのブレーキ操作とは無関係に高圧のブレーキ液圧を発生させる第2の液圧発生源が設けられた車両の制動装置が知られている。そのような液圧を利用した制動装置では、所望の制動力を適切に発生させるために様々な工夫がなされている。例えば、ブレーキ液圧に応じて容積変化するストロークシュミレータが設けられてブレーキ操作フィーリングをドライバーに適宜与えたり、ブレーキ系統の故障時にストロークシュミレータの容積変化を抑制する抑制手段を設けたり、等の工夫がなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−322539号公報
ブレーキ液圧を利用して制動力を発生させる制動装置の中には、電磁弁などの減圧手段によってブレーキ液圧を減圧するものが存在する。そのような制動装置では、通常時には電圧弁などの減圧手段が適切に働いて液圧が調節され、ブレーキ装置で発生させる制動力の大きさが適宜調整される。このタイプの制動装置をより安定した状態で作動させるために、電磁弁などの減圧手段が故障等によって適正に作動しなくなった場合であっても、ブレーキ液圧の大きさが過大になってしまうことを防ぐことができる新たな制動装置の開発が望まれている。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキ液圧を減圧する減圧手段が故障等によって適正に作動しなくなった場合であっても、ブレーキ液圧をコントロールすることができる技術を提案することにある。
本発明は制動装置に関する。当該制動装置は、制動手段を駆動する制動流体配管内の作動流体を加圧する加圧手段と、前記制動流体配管内の作動流体を減圧する減圧手段と、前記制動流体配管のうち前記減圧手段を迂回するバイパス部に設けられ、前記制動流体配管内の作動流体の増圧を抑制する増圧抑制手段と、を備える。
当該制動装置によれば、減圧手段が正常に機能しない場合であっても、制動流体配管内の作動流体の増圧がバイパス部に設けられた増圧抑制手段によって抑制される。なお、ここでいう作動流体とは、制動手段を駆動するものであればその形態は特に限定されず、液体、気体のいずれであってもよい。また、加圧手段、減圧手段および増圧抑制手段の各々は、その目的を達成することが可能ないずれの装置類も含まれうるものであり、電気的に作動するものであっても機械的に作動するものであってもよい。また、増圧抑制手段は、積極的に作動流体の圧力を減圧するものの他に、所定圧力を超えた作動流体の圧力を所定圧力に調整するものも含みうる。ここでいう制動流体配管は、制動手段の駆動源となる作動流体を搬送するもの全般を含みうるものである。
前記増圧抑制手段は、弾性体と、前記弾性体の弾性力よって前記バイパス部における作動流体の流量を調整する流量調整部と、を有するものであってもよい。この場合には、弾性体の弾性力を利用してバイパス部における作動流体の流量が調整され、作動流体の増圧が抑制される。
前記弾性体の温度を調整する温度調整手段を更に備え、前記弾性体は、温度に応じて弾性力が変化するものであってもよい。この場合には、弾性体の温度が調整されて弾性力がコントロールされるので、それに応じて作動流体の増圧の抑制の程度も調整することが可能である。
前記増圧抑制手段は、当該増圧抑制手段を介して連結される制動流体配管同士を連通する連通部を有するものであってもよい。この場合には、連通部を通じて制動流体配管同士が連通されるので、連通された制動流体配管内の作動流体は、制動流体配管内を自由に流通して圧力が調整されうる。
前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記減圧手段の異常の有無を推定する異常推定手段と、を更に備えてもよい。この場合には、減圧手段の異常の有無を推定して把握することができる。ここでいう「接続部の近傍」とは、接続部自体の位置だけでなく接続部に比較的近い位置も含みうる。
前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記増圧抑制手段を制御し、前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力状態を調整する制御手段と、を更に備えてもよい。この場合には、圧力検出手段によって検出された圧力の大きさに応じて増圧抑制手段が制御され、作動流体の圧力状態が調整される。
また制動装置は、内部に作動流体を有する制動流体配管と、前記制動流体配管内の作動流体圧を加圧する加圧手段と、前記制動流体配管に接続された制動手段であって、前記制動流体配管との接続部の近傍の前記作動流体の圧力に応じた制動力を車輪にもたらす制動手段と、前記制動流体配管のうち前記加圧手段と前記制動手段との間に設けられ、前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の増圧量を調整する増圧調整手段と、前記制動流体配管のうち前記制動手段と前記増圧調整手段とを連結する第1制動流体配管部と、内部の作動流体圧が第1制動流体配管部の内部の作動流体圧以下である第2制動流体配管部と、を連結する第3制動流体配管部に設けられた減圧手段であって、前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の減圧量を調整する減圧手段と、前記制動流体配管のうち前記第1制動流体配管部と前記第2制動流体配管部とを連結して前記第3制動流体配管部と並列に配置される第4制動流体配管部に設けられ、前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の増圧を抑制する増圧抑制手段と、を備えるものであってもよい。
本発明によれば、ブレーキ液圧を減圧する減圧手段が故障等によって適正に作動しなくなった場合であっても、増圧抑制手段によってブレーキ液圧をコントロールすることができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、車両に搭載される油圧システム100および電子制御ユニット200の全体構成を示す図である。なお以下の説明において、車体の前後左右に設けられた車輪に対応する各種装置類の符号に関し、右前輪に対応する装置類には「FR」が付され、左前輪に対応する装置類には「FL」が付され、右後輪に対応する装置類には「RR」が付され、左後輪に対応する装置類には「RL」が付されている。また、右前輪および左前輪を総称して「前輪」と呼び、右後輪および左後輪を総称して「後輪」と呼ぶ。
まず、油圧システム100を構成する各種機器類の構成関係について説明する。
油圧システム100は、操作部110と、アクチュエータ120と、各車輪に対応するようにして設けられた四つのブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLと、を有する。
操作部110は、リザーバタンク18と、リザーバタンク18に取り付けられたマスタシリンダ14と、マスタシリンダ14に踏み込み油圧導管56を介して連結されたブレーキペダル12と、マスタシリンダ14から延びる右ブレーキ油圧制御導管40に接続されたストロークシミュレータ80と、ブレーキペダル12に取り付けられたストロークセンサ32と、を有する。ストロークシミュレータ80は、電磁ストローク弁62およびウェットストロークシミュレータ16を含んで構成されており、電磁ストローク弁62およびウェットストロークシミュレータ16は、右ブレーキ油圧制御導管40に接続するストローク油圧制御導管44において順次設けられている。
アクチュエータ120は、二つのマスタ圧力センサ34FR、34FLと、二つの電磁開閉弁60FR、60FLと、四つの電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLと、四つの電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLと、二つのメカリリーフ弁68RR、68RLと、四つのブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLと、アキュムレータ圧センサ36と、モータ20と、モータ20に接続されたオイルポンプ22と、アキュムレータ24と、電磁リリーフ弁70と、を含んで構成されている。
オイルポンプ22と各電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLとは、途中で各電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLに向かって分岐する高圧導管48によって連結されており、アキュムレータ圧センサ36は高圧導管48に取り付けられている。「オイルポンプ22とアキュムレータ24」および「オイルポンプ22と電磁リリーフ弁70」の各々は、途中でアキュムレータ24および電磁リリーフ弁70に向かって分岐する高圧導管48によって連結されている。
相互に対応する電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLと電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLとは第1ブレーキ導管50によって連結されており、各電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLとリザーバタンク18とは油圧給排導管46によって連結されている。第1ブレーキ導管50には、対応するブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLから延びる第2ブレーキ導管52が接続されている。そのため、「相互に対応する電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLとブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RL」および「相互に対応する電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLとブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RL」の各々は、第1ブレーキ導管50および第2ブレーキ導管52によって連結される。メカリリーフ弁68RR、68RLは、後輪のブレーキ装置130RR、130RLに接続された各第2ブレーキ導管52と油圧給排導管46とを連結する第3ブレーキ導管54に設けられており、第3ブレーキ導管54は、後輪の電磁減圧弁66RR、66RLを迂回するバイパス路としての役割を果たす。ブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLは、各第2ブレーキ導管52のうちブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLの近傍に取り付けられている。
右前輪のブレーキ装置130FRに接続された第2ブレーキ導管52の中間部には、マスタシリンダ14から延びる右ブレーキ油圧制御導管40が接続されており、左前輪のブレーキ装置130FLに接続された第2ブレーキ導管52の中間部には、マスタシリンダ14から延びる左ブレーキ油圧制御導管42が接続されている。電磁開閉弁60FR、60FLは、右ブレーキ油圧制御導管40および左ブレーキ油圧制御導管42の各々に設けられており、マスタ圧力センサ34FR、34FLは、右ブレーキ油圧制御導管40および左ブレーキ油圧制御導管42のうちマスタシリンダ14と電磁開閉弁60FR、60FLの間に取り付けられている。
ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLは、第2ブレーキ導管52が接続されたホイールシリンダ132FR、132FL、132RR、132RLと、ドラムブレーキ134FR、134FL、134RR、134RLとを含んで構成されており、ドラム型ブレーキ機構を有する。ホイールシリンダ132FR、132FL、132RR、132RLは、接続された第2ブレーキ導管52から送られてくるブレーキオイルの液圧に応じてピストンを突出させ、その突出させたピストンによりドラムブレーキ134FR、134FL、134RR、134RLのブレーキシューをドラムの内周面に押し付ける。その時にドラムとブレーキシューの間で生じる摩擦力を利用することによって車両に対し制動力が働く。
次に、油圧システム100を構成する各種機器類の作用などについて説明する。
マスタシリンダ14は、ブレーキペダル12の踏み込み操作に応じて、作動流体であるブレーキオイルを右ブレーキ油圧制御導管40や左ブレーキ油圧制御導管42に圧送する。リザーバタンク18は、大気圧に保たれたブレーキオイルを貯留し、例えばマスタシリンダ14を介して右ブレーキ油圧制御導管40、左ブレーキ油圧制御導管42に対しブレーキオイルを供給、回収したり、油圧給排導管46を介してブレーキオイルを回収、供給したりする。
ストロークセンサ32は、ブレーキペダル12の踏み込み関連量を検出するセンサであり、例えばブレーキペダル12の踏み込み量や踏み込み圧を検出し、検出結果を電子制御ユニット200に送る。ストロークシミュレータ80では、ウェットストロークシミュレータ16の容積変化量が、電磁ストローク弁62の開閉やマスタシリンダ14で発生されるブレーキオイルの液圧(以下、「油圧」とも表記する)に応じて調整され、ブレーキペダル12の踏み込みストローク量がコントロールされる。これにより、ドライバーは適度のブレーキ操作フィーリングを得ることができる。
モータ20は、電子制御ユニット200により制御され、オイルポンプ22を駆動する。オイルポンプ22は、モータ20により駆動され、吐出側に接続された高圧導管48内のブレーキオイルの液圧を増圧する。アキュムレータ24は、オイルポンプ22によって例えば16〜21.5MPaという範囲の高圧に調整されたブレーキオイルを蓄圧する。アキュムレータ圧センサ36は、アキュムレータ24に蓄圧されている高圧導管48内のブレーキオイルの液圧であるアキュムレータ圧を検出し、検出結果を電子制御ユニット200に送る。
電磁リリーフ弁70は、アキュムレータ圧が異常に高くなったときに開き、例えば高圧導管48内のブレーキオイルの液圧が30MPa以上になったときに開く。電磁リリーフ弁70が開かれると、比較的高圧の高圧導管48内から大気圧に保たれている油圧給排導管46内にブレーキオイルが逃がされるので、高圧導管48内のブレーキオイルの液圧が異常高圧になることを防ぐことができる。
マスタ圧力センサ34FR、34FLは、取り付けられている右ブレーキ油圧制御導管40内や左ブレーキ油圧制御導管42内のブレーキオイルの圧力を検出し、検出結果を電子制御ユニット200に送る。通常はブレーキペダル12の踏み込み関連量がストロークセンサ32によって検出されるが、ストロークセンサ32に故障等の異常が発生してしまう場合もあるので、マスタ圧力センサ34FR、34FLによってもブレーキペダル12の踏み込み関連量を検出することにより、安全性の向上が図られている。
電磁開閉弁60FR、60FLは、電子制御ユニット200に制御され、通常時には開状態を保ち、取り付けられている右ブレーキ油圧制御導管40や左ブレーキ油圧制御導管42内におけるブレーキオイルのスムーズな流れを確保する。一方、ブレーキペダル12が踏み込まれた時には電磁開閉弁60FR、60FLは閉状態となってブレーキオイルの流れを阻害する。これにより例えば、前輪のブレーキ装置130FR、130FLにおいて制動力を発生させるために第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを高圧状態に保つ必要がある場合に電磁開閉弁60FR、60FLが閉じられ、右ブレーキ油圧制御導管40や左ブレーキ油圧制御導管42を介しマスタシリンダ14に向かってブレーキオイルが流出してしまうことを防ぐ。
電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLおよび電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLは、電子制御ユニット200により制御されて開閉する。電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLの開閉により、高圧導管48から第1ブレーキ導管50および第2ブレーキ導管52へのブレーキオイルの流量がコントロールされ、ホイールシリンダ132に接続された第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧量が調整される。また電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLの開閉により、第2ブレーキ導管52および第1ブレーキ導管50から油圧給排導管46へのブレーキオイルの流量がコントロールされ、ホイールシリンダ132に接続された第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの減圧量が調整される。このように、電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLはホイールシリンダ132にもたらされるブレーキオイルの増圧手段として機能し、電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLはホイールシリンダ132にもたらされるブレーキオイルの減圧手段として機能する。そして、相互に対応する電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLおよび電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLの協働によってホイールシリンダ132にもたらされるブレーキオイルの液圧の微調整が行われる。なお、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧、特に第2ブレーキ導管52およびブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLの接続部近傍のブレーキオイルの液圧は、ブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLにより検出され、電子制御ユニット200に送られる。
図2は、メカリリーフ弁68RR、68RLの断面構成を示す図である。メカリリーフ弁68RR、68RLは、弾性体であるバネの弾性力を利用した機械的なリリーフ弁であり、対応する第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧を防ぐ逆止弁としての機能をもつ。図2に示すメカリリーフ弁68RR、68RLは、密接に結合した第1支持体71および第2支持体72と、第1支持体71および第2支持体72に設けられたオリフィス孔73と、第2支持体72の端面のうち第1支持体71と結合する側の端面にテーパー状に設けられたテーパー部74と、テーパー部74に嵌め込まれた流量調整ボール75と、第1支持体71の内部に設けられ流量調整ボール75をテーパー部74に押し当てるような弾性力をもつバネ76と、を有する。第2支持体72のオリフィス孔73はテーパー部74の中心部に通じており、第1支持体71および第2支持体72のオリフィス孔73と第1支持体71の内部とによってブレーキオイルの流路が形成されている。本実施の形態では、第1支持体71が第2ブレーキ導管52側に配置され、第2支持体72が油圧給排導管46側に配置される。第2ブレーキ導管52、第3ブレーキ導管54、および油圧給排導管46の内部のブレーキオイルの液圧と、バネ76の弾性力との関係に応じて流量調整ボール75は移動する。流量調整ボール75がテーパー部74に押し当てられた状態の場合には、メカリリーフ弁68RR、68RL内のブレーキオイルの流路は流量調整ボール75によって遮断される。一方、流量調整ボール75がテーパー部74から離れた状態の場合には、第2ブレーキ導管52と油圧給排導管46とはメカリリーフ弁68RR、68RLおよび第3ブレーキ導管54によって連通される。このように、第2ブレーキ導管52から第3ブレーキ導管54を介して油圧給排導管46に流入するブレーキオイルの流量は、流量調整ボール75の移動に応じて調整される。
バネ76のバネ定数などの特性は、使用される環境や他の機器類との組み合わせに応じて適宜決定することができる。例えば、後輪のブレーキ装置130RR、130RLにおいて適切な制動力を発生させるために必要な第2ブレーキ導管52内の液圧ではメカリリーフ弁68RR、68RLが開弁しないが、その液圧よりも更に大きな所定液圧に第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルが到達した場合にはメカリリーフ弁68RR、68RLが開弁するように、バネ76のバネ定数を決定することも可能である。なお、図2に示すメカリリーフ弁68RR、68RLは例示であり、既知のリリーフ弁によってメカリリーフ弁68RR、68RLを構成することも可能である。
なお、電磁開閉弁60FR、60FL、電磁ストローク弁62、電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RL、電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RL、電磁リリーフ弁70は電気によって作動する電磁弁であり、例えば電磁コイル部と機械的切替弁部とを含んで構成することができ、電磁コイル部の通電状態を調整することによって弁としての開閉度を調節することが可能である。
本実施の形態では、ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLにブレーキオイルを搬送するための制動流体配管が、右ブレーキ油圧制御導管40、左ブレーキ油圧制御導管42、ストローク油圧制御導管44、油圧給排導管46、高圧導管48、第1ブレーキ導管50、第2ブレーキ導管52、第3ブレーキ導管54、踏み込み油圧導管56などを含んで構成されている。
次に、電子制御ユニット200の構成について説明する。
図1に示す電子制御ユニット200(以下、「ECU200」とも表記する)は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、マイクロコンピュータによる演算を行う演算ユニット202と、各種の処理プログラムを記憶するROM204と、一時的にデータやプログラムを記憶してデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM206と、各種信号の送受信を行うための入出力ポート208とを有する。このECU200は、ストロークセンサ32、マスタ圧力センサ34FR、34FL、アキュムレータ圧センサ36、ブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLあるいは他の電子機器類などから送られてくる情報に基づいて、電磁開閉弁60FR、60FL、電磁ストローク弁62、モータ20、電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RL、電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLあるいは他の車両機器類を制御する。
例えばECU200は、高圧導管48内のブレーキオイルの液圧が所定の範囲に収まるようにアキュムレータ圧センサ36の検出結果に基づいてモータ20を制御したり、ストロークセンサ32の検出結果に基づいて電磁開閉弁60FR、60FLを制御したり、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧が所定の範囲に収まるようにブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLの検出結果に基づいて電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLや電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLを制御したりする。特に本実施の形態のECU200は、ブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLの検出結果に基づいて電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLの異常の有無を推定する。例えば、ECU200から電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLに対し「電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLを開いて第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧を下げる指令」が発せられているにもかかわらず、第2ブレーキ導管52内の液圧が下がっていないことをブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLの検出結果からECU200が検知した場合には、電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLに何らかの異常が発生しているものと推定することができる。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
図1に示す油圧システム100は、ドライバーによるブレーキペダル12の操作に応じてブレーキオイルを加圧するマスタシリンダ14の他に、ドライバーによるブレーキペダル12の操作とは無関係にブレーキオイルを加圧するモータ20およびオイルポンプ22を備えている。例えば車両の各種状態量を検出する各センサ類の検出結果から自動的にブレーキをかける場合や緊急時の制動を行う際には、モータ20およびオイルポンプ22によって加圧されたブレーキオイルを利用し、電磁増圧弁64FR、64FL、64RR、64RLにより第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧量が調整され、各ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLにおいて制動力を発生させることが可能である。一方、その他の場合であってもドライバーが制動力を発生させることを意図した場合には、ドライバーがブレーキペダル12を踏み込むことにより、右ブレーキ油圧制御導管40、左ブレーキ油圧制御導管42、第2ブレーキ導管52の内部のブレーキオイルの液圧がマスタシリンダ14を介して直接的に調整され、前輪のブレーキ装置130FR、130FLにおいて制動力を発生させることが可能である。
このようにして発生された制動力を解除する際には、通常は、ECU200からの指令により電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLを開いて、比較的高圧の第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを大気圧に保たれている油圧給排導管46内に流入させる。これにより第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧は下がり、ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLにおいて発生されていた制動力は解除されることとなる。
このような本実施の形態の油圧システム100は、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイル圧を減圧する機構が2系統あり、例えば電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLが故障等により正常に作動しなくなった場合であっても、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧を効果的に抑制することができる。例えば前輪のブレーキ装置130FR、130FLの電磁減圧弁66FR、66FLが故障等した場合には、電磁開閉弁60FR、60FLが開かれ、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは右ブレーキ油圧制御導管40や左ブレーキ油圧制御導管42に流入してマスタシリンダ14を介してリザーバタンク18に返流し、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧される。
一方、後輪のブレーキ装置130RR、130RLの電磁減圧弁66RR、66RLが故障等した場合には、メカリリーフ弁68RR、68RLによって第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧され、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの増圧が抑制される。第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルが増圧して所定の液圧に到達すると、メカリリーフ弁68RR、68RLは開弁される。そして、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは、メカリリーフ弁68RR、68RLおよび第3ブレーキ導管54を介して油圧給排導管46に流入し、減圧される。このように、メカリリーフ弁68RR、68RLの機械的な開閉により、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧が必要以上に過大になってしまうことを効果的に防ぐことができる。
以上説明したように本実施の形態によれば、ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLの作動をコントロールするブレーキオイルの減圧手段が、いずれのブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLについても複数系統存在する。従って、一つの減圧手段が故障等によって適正に作動しなくなった場合であっても、ブレーキオイルを減圧してブレーキ液圧をコントロールすることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3は、第2の実施の形態のメカリリーフ弁68RR、68RLのうち第2支持体72の外観構成を示す図である。本実施の形態のメカリリーフ弁68RR、68RLには、微細な溝形状を有する連通溝77がテーパー部74に形成されている。連通溝77は、テーパー部74の最外部とオリフィス孔73とを連通しており、連通溝77を通ってテーパー部74の最外部に到達したブレーキオイルは第1支持体71内部の流路内に流れ込むような構成を有する。従って、メカリリーフ弁68RR、68RLを介して連結される第2ブレーキ導管52、第3ブレーキ導管54、および油圧給排導管46は、オリフィス孔73および連通溝77によって連通される。なお図3では第2支持体72の構成の理解を容易にするための概略が描かれているが、実際には、オリフィス孔73の径の10分の1程度の大きさの溝幅に連通溝77を形成することも可能である。
他の構成は上述の第1の実施の形態と略同一とすることができる。
本実施の形態では、バネ76によって流量調整ボール75がテーパー部74に押し当てられた状態にある場合であっても、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは、オリフィス孔73および連通溝77と第3ブレーキ導管54とを通じて油圧給排導管46に少しずつ流出し、徐々に減圧される。そのため短期的には、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧をメカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧以下に効果的に減圧することができ、ブレーキオイルの液圧の過大化を防ぐことができる。また長期的には、ある時間が経過すると第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧は油圧給排導管46内のブレーキオイルの液圧と略同じ大気圧にまで自動的に減圧し、ブレーキ装置130で発生させた制動力を解除することができる。
以上説明したように本実施の形態によれば、後輪のブレーキ装置130RR、130RLに対応する電磁減圧弁66RR、66RLが故障等によって作動しなくなった場合であっても、メカリリーフ弁68RR、68RLのオリフィス孔73および連通溝77により、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを効果的に減圧してブレーキ液圧をコントロールすることができる。
特に、電磁減圧弁66RR、66RLが故障等により作動しない状態であってもブレーキ装置130RR、130RLを作動させてからある時間が経過した後には、オリフィス孔73および連通溝77により第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧され、ブレーキ装置130RR、130RLにおける制動力は解除される。これにより、ブレーキ装置130RR、130RLで制動力を発生させた状態のまま車両を走行させてしまうということを効果的に防ぎ、ブレーキ装置130RR、130RLにおいて必要以上の高熱が発生してしまうことを防止することができる。従って、そのような高熱のためにブレーキ装置130RR、130RLにおいて適切な制動力が発生させることができなくなったり、ブレーキ装置130RR、130RLの各種機器類が焼き付いてしまったりということを未然に防ぐことができる。
なお、連通溝77の形状や大きさは、必要に応じて適宜調整することが可能であり、例えば減圧速度や使用するブレーキオイルの種類などを考慮して決定することができる。
また、本実施の形態の油圧システム100を駐車ブレーキとして機能させる車両では、ケーブルの牽引力を利用してブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLを作動させるケーブルタイプの駐車ブレーキシステムを併用することも可能である。例えば、ブレーキレバー等を介してドライバー等から駐車ブレーキを作動させる旨の指示が入力された場合、入力時から所定の時間は油圧システム100によって制動力を発生させ、所定の時間を経過した後には油圧システム100からケーブルタイプの駐車ブレーキシステムに自動的に切り替えることにより、所望の制動力を発生させることも可能である。そのようなシステムによれば、ドライバー等からの駐車ブレーキの指示が突然なされた場合であっても油圧システム100においてスムーズに制動力を発生させることができ、また駐車ブレーキが長期に及ぶような場合にはケーブルタイプの駐車ブレーキシステムによって無理なく確実に制動力を発生させることができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態のメカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76は、温度に応じて弾性力が変化する温度補償機能をもつ構造を有しており、例えばバイメタルや形状記憶合金などによって構成されうる。
メカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76の温度は、対応する電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLの電磁コイルの発熱によって調整される。この電磁コイルの発熱量は、電磁コイルに対する通電状態によってコントロールされ、電磁コイルに対する通電状態はECU200によって制御される。
ECU200は、後輪のブレーキ液圧センサ30RR、30RLの検出結果に基づいて後輪の電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルの通電量を制御する。これによりECU200は、後輪の第2ブレーキ導管52と後輪のブレーキ装置130RR、130RLとの接続部近傍のブレーキオイルの液圧状態を適宜調整することができる。ECU200は、ブレーキ液圧センサ30RR、30RLの検出結果から後輪のブレーキ装置130RR、130RLに対応する電磁減圧弁66RR、66RLに異常が発生していると判断したときには、異常が発生している電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルに電流を流すように各種装置を制御する。この時、電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルに流される電流量は、ECU200によって調整される。これにより、メカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76の温度および弾性力が適宜コントロールされ、メカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧が調整される。
他の構成は上述の第1の実施の形態と略同一とすることができる。
図4は、本実施の形態における第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルの液圧調整に関するフローチャートである。
まず、電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLに故障等の異常が生じているか否かがブレーキ液圧センサ30FR、30FL、30RR、30RLの検出結果からECU200において判断される(図4のS1)。電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLに異常が生じていないと判断される場合(S1のNO)、ECU200の制御の下で電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLが適宜開弁され(S2)、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧される。電磁減圧弁66FR、66FL、66RR、66RLに異常が生じていると判断される場合(S1のYES)、異常が生じている電磁減圧弁が前輪に関するものか後輪に関するものかがECU200において判断される(S3)。前輪に関する電磁減圧弁66FR、66FLに異常が生じていると判断される場合(S3のNO)、対応する電磁開閉弁60FR、60FLが適宜開弁されて第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧される(S4)。後輪に関する電磁減圧弁66RR、66RLに異常が生じていると判断される場合(S3のYES)、その電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルに対する通電量などが決定される(S5)。この時、所定値を通電量などとして決定することもでき、また、ブレーキ液圧センサ30RR、30RLの検出値などに応じて通電量などを決定することもできる。そして、決定された通電量がその電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルに流され、対応するメカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76の温度が調整される(S6)。これにより、メカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧が適宜変更、調整される。
例えば電磁減圧弁66RR、66RLが正常な場合には後輪のブレーキ装置130RR、130RLにおいて適正な制動力を確実に発生させるためにメカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧が比較的高めとなるように、メカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76のバネ定数などを予め設定しておくことができる。その一方で、電磁減圧弁66RR、66RLに異常が生じている場合には、その電磁減圧弁66RR、66RLの電磁コイルに通電することでバネ76の温度を調整して弾性力を小さくすることができる。それにより、メカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧が比較的小さな圧力に調整され、あるいはメカリリーフ弁68RR、68RLが開弁され、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルが第3ブレーキ導管54およびメカリリーフ弁68RR、68RLを介して油圧給排導管46にスムーズに逃がされ、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルは減圧される。
なお、ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLにおける制動力の発生を解除するために第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを減圧する際には、油圧給排導管46内のブレーキオイルの液圧、すなわち大気圧程度にまで、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを減圧することが好ましい。そのため、バネ76の温度を調整する電磁コイルの通電量やバネ76の構成を適宜調整、選択することにより、後輪の電磁減圧弁66RR、66RLの故障時におけるメカリリーフ弁68RR、68RLの開弁圧を大気圧に近接させることが好ましい。
以上説明したように本実施の形態によれば、後輪のブレーキ装置130RR、130RLに対応する電磁減圧弁66RR、66RLが故障等によって作動しなくなった場合であっても、メカリリーフ弁68RR、68RLのバネ76の弾性力がコントロールされ、第2ブレーキ導管52内のブレーキオイルを効果的に減圧してブレーキ液圧をコントロールすることができる。これにより、ブレーキ装置130FR、130FL、130RR、130RLで制動力を発生させた状態のまま車両を走行させてしまうことを効果的に防ぐことができる。
本発明は、上述の各実施の形態や変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、上述の各実施の形態では機械的な機構を有するメカリリーフ弁68RR、68RLを用いた例について説明したが、電気的な機構を有するリリーフ弁を用いることも可能である。リリーフ弁を機械的に構成することにより簡素な構造でブレーキオイルを減圧させることが可能であり、また電気的に構成することにより精度良くブレーキオイルを減圧させることが可能である。
また、車両を制御する他のシステムと組み合わせて本発明の制動装置を用いることも可能である。例えば、急ブレーキ時の車輪のロックを防止するABSシステム、路面に対するタイヤの摩擦力が車両旋回時に限界を超えにくくする車両安定性制御システム(VSC)、加速時に駆動輪の空転を防止するアクティブセーフティシステム(TRC)、等と共に本発明の制動装置を用いることも可能である。
また、上述した油圧システム100を利用した制動装置は、制動力を発生させることができるブレーキ装置全般に応用可能であり、駐車時に使用する所謂パーキングブレーキだけではなく、通常走行時に車両を減速させるために使用する所謂フットブレーキに対しても本発明を適用することが可能である。また、上述の各実施の形態では、ブレーキ装置130としてドラム型ブレーキ機構をもつものを例に挙げて説明したが、ディスク型ブレーキ機構のように他のブレーキ機構を利用したブレーキ装置に対しても本発明を好適に適用することが可能である。
車両に搭載される油圧システムおよび電子制御ユニットの全体構成を示す図である。 メカリリーフ弁の断面構成を示す図である。 第2の実施の形態のメカリリーフ弁のうち第2支持体の外観構成を示す図である。 第3の実施の形態における第2ブレーキ導管内のブレーキオイルの液圧調整に関するフローチャートである。
符号の説明
12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 18 リザーバタンク、 20 モータ、 22 オイルポンプ、 24 アキュムレータ、 30 ブレーキ液圧センサ、 32 ストロークセンサ、 34 マスタ圧力センサ、 36 アキュムレータ圧センサ、 40 右ブレーキ油圧制御導管、 42 左ブレーキ油圧制御導管、 44 ストローク油圧制御導管、 46 油圧給排導管、 48 高圧導管、 50 第1ブレーキ導管、 52 第2ブレーキ導管、 54 第3ブレーキ導管、 56 踏み込み油圧導管、 60 電磁開閉弁、 62 電磁ストローク弁、 64 電磁増圧弁、 66 電磁減圧弁、 68 メカリリーフ弁、 70 電磁リリーフ弁、 72 バネ、 80 ストロークシミュレータ、 100 油圧システム、 110 操作部、 120 アクチュエータ、 130 ブレーキ装置、 132 ホイールシリンダ、 134 ドラムブレーキ、 200 ECU。

Claims (6)

  1. 制動手段を駆動する制動流体配管内の作動流体を加圧する加圧手段と、
    前記制動流体配管内の作動流体を減圧する減圧手段と、
    前記制動流体配管のうち前記減圧手段を迂回するバイパス部に設けられ、前記制動流体配管内の作動流体の増圧を抑制する増圧抑制手段と、
    を備える制動装置。
  2. 前記増圧抑制手段は、
    弾性体と、
    前記弾性体の弾性力よって前記バイパス部における作動流体の流量を調整する流量調整部と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記弾性体の温度を調整する温度調整手段を更に備え、
    前記弾性体は、温度に応じて弾性力が変化することを特徴とする請求項2に記載の制動装置。
  4. 前記増圧抑制手段は、当該増圧抑制手段を介して連結される制動流体配管同士を連通する連通部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制動装置。
  5. 前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記減圧手段の異常の有無を推定する異常推定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制動装置。
  6. 前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記増圧抑制手段を制御し、前記制動流体配管と前記制動手段との接続部の近傍の前記作動流体の圧力状態を調整する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の制動装置。
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