JP2007203733A - 圧電方式のインクジェットプリントヘッド - Google Patents

Abstract

【課題】圧電方式のインクジェットプリントヘッドを提供する。
【解決手段】マニホルドと、マニホルドの少なくとも一側にマニホルドと連結されるように配列された複数のチャンバを有するチャンバアレイと、複数のチャンバを覆う振動板３２０と、振動板上に形成されて振動板を振動させることにより複数のチャンバのそれぞれの圧力を変化させる複数の圧電アクチュエータ３８０と、を備え、複数のチャンバは、チャンバアレイの中間部位に配置されインクを吐出させるインク吐出ノズル３７１を有する複数の圧力チャンバ３６１と、チャンバアレイの両側のエッジ部に少なくとも一つずつ設けられインクを吐出させないダミーノズル３７２を有するダミーチャンバ３６２と、を備える圧電方式のインクジェットプリントヘッド３００である。そして、振動板には、複数の圧電アクチュエータのそれぞれの間に位置するように複数のトレンチ３９０が形成される。
【選択図】図８

Description

本発明は、圧電方式のインクジェットプリントヘッドに係り、さらに詳細には、クロストークによるインクの吐出性能の偏差を最小化しうる構造を有する圧電方式のインクジェットプリントヘッドに関する。

一般的に、インクジェットプリントヘッドは、印刷用インクの微小な液滴を記録用紙上の所望の位置に吐出させて所定色の画像に印刷する装置である。このようなインクジェットプリントヘッドは、インク吐出方式によって２つに大分される。その一つは、熱源を利用してインクにバブルを発生させて、そのバブルの膨張力によってインクを吐出させる熱駆動方式のインクジェットプリントヘッドであり、他の一つは、圧電体を使用して、その圧電体の変形によりインクに加えられる圧力によりインクを吐出させる圧電方式のインクジェットプリントヘッドである。 前記圧電方式のインクジェットプリントヘッドの一般的な構成は、図１に図示されている。図１に示すように、流路形成板１の内部には、インクの流路をなすマニホルド２、複数のリストリクタ３、複数の圧力チャンバ４及び複数のノズル５が形成されており、流路形成板１の上部には、圧電アクチュエータ６が設けられている。前記マニホルド２は、図示されていないインク貯蔵庫からインクが流入される通路であり、前記複数の圧力チャンバ４は、吐出されるインクが充填されるものであって、前記マニホルド２の一側または両側に配列される。前記複数の圧力チャンバ４のそれぞれは、圧電アクチュエータ６の駆動によりその体積が変化することによって、インクの吐出または流入ための圧力変化を生成する。前記複数のリストリクタ３は、前記マニホルド２及び複数の圧力チャンバ４のそれぞれを連結する通路である。

前記流路形成板１は、主にシリコン基板、金属材料または合成樹脂材料の複数の薄板をそれぞれ加工して前記のインク流路の部分を形成した後、それらの複数の薄板を積層することによって形成される。そして、圧電アクチュエータ６は、圧力チャンバ４の上側に設けられ、圧電膜と、この圧電膜に電圧を印加するための電極とが積層された形態である。これにより、流路形成板１の圧力チャンバ４の上部壁をなす部位は、圧電アクチュエータ６により変形される振動板１ａの役割を果たす。

前記の構成を有する従来の圧電方式のインクジェットプリントヘッドの作動を説明すれば、圧電アクチュエータ６の駆動により振動板１ａが変形されると、圧力チャンバ４の体積が減少し、これによる圧力チャンバ４内の圧力変化により、圧力チャンバ４内のインクはノズル５を通じて外部に吐出される。次いで、圧電アクチュエータ６の駆動により、振動板１ａが元の形に復元されると、圧力チャンバ４の体積が増加し、これによる圧力変化によりインクがマニホルド２からリストリクタ３を通じて圧力チャンバ４内へ流入する。

ところが、前記のような構成を有する圧電方式のインクジェットプリントヘッドにおいて、圧電アクチュエータの駆動による圧力チャンバ内の圧力の上昇は、隣接した他の圧力チャンバにも影響を及ぼす現象が起こる。このような現象をクロストークと言う。このようなクロストークは、複数のノズルのそれぞれを通じて吐出されるインク液滴の速度及び体積に偏差を発生させる。

図２Ａは、従来の圧電方式のインクジェットプリントヘッドにおいて、全てのノズルを同時駆動したときのノズルの位置によるインク液滴の吐出速度の偏差を示すグラフであり、図２Ｂは、図２Ａに示すＡ領域のノズルのみを同時駆動したときのノズルの位置によるインク液滴の吐出速度の偏差を示すグラフである。

例えば、カラーフィルタ製造用のインクジェットプリントヘッドの場合には、複数のノズルを同時に駆動する。この場合、図２Ａに示すように、プリントヘッドのエッジ部に配置されたノズルを通じて吐出されるインク液滴の速度が、中間部位に配置されたノズルを通じて吐出されるインク液滴の速度より遅い現象が発生する。

図２Ａのグラフにおいて、インク液滴の吐出速度の遅いエッジ部のノズルは除いて、中間部位に配置されたノズル、すなわち、図２Ａに示すＡ領域のノズルのみを同時駆動したときにも、図２Ｂに示すように、このノズルのうちエッジ部に配置されたノズルを通じて吐出されるインク液滴の速度が遅い現象が発生する。

図２Ａ及び図２Ｂのグラフを通じて、インク液滴の吐出速度に偏差が発生する原因は、エッジ部のノズルと中間部位のノズルとの間の不均一な加工によるのではないということが分かる。

前記のように、ノズルの位置によってインク液滴の吐出速度に偏差が発生する原因は種々ありうるが、下記の２つが主な原因となる。

第一に、圧電アクチュエータの駆動により各圧力チャンバの圧力が上昇すれば、その圧力チャンバ内のインクは、ノズルを通じて吐出されると同時に、一部のインクはリストリクタを通じてマニホルド側に逆流する。逆流されるインクは、マニホルドを通じて隣接した圧力チャンバにも影響を及ぼし、これにより、隣接した圧力チャンバ内の圧力も上昇する。このとき、中間部位に配置された圧力チャンバのそれぞれは、両側に位置した圧力チャンバからのインク逆流の影響を受ける。一方、エッジ部に配置された圧力チャンバのそれぞれは、何れか一側部に位置した圧力チャンバからのインク逆流の影響を受ける。したがって、エッジ部に配置されたノズルのそれぞれでのインク吐出圧力は、中間部位に配置されたノズルのそれぞれでのインク吐出圧力より低くなる。

第二に、従来のインクジェットプリントヘッドにおいては、複数の圧力チャンバのための振動板が、一つの板から構成されている。したがって、何れか一つの圧電アクチュエータが振動すれば、この振動は、振動板を通じて両側に伝達されて、隣接した圧力チャンバにも影響を及ぼす。このとき、中間部位に配置された圧力チャンバのそれぞれは、両側に位置した圧電アクチュエータからの振動の影響を受ける。一方、エッジ部に配置された圧力チャンバのそれぞれは、何れか一側部に位置した圧電アクチュエータからの振動の影響を受ける。したがって、エッジ部に配置されたノズルのそれぞれでのインク吐出圧力が、中間部位に配置されたノズルのそれぞれでのインク吐出圧力より低くなる。

上述のように、従来の圧電方式のインクジェットプリントヘッドにおいては、クロストークによって、複数のノズルを通じたインクの吐出性能、すなわち、インク液滴の速度及び体積に偏差が発生する。

本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、特に、クロストークによるインクの吐出性能の偏差を最小化しうる構造を有する圧電方式のインクジェットプリントヘッドを提供することを目的とする。

前記課題を解決するために、本発明は、マニホルドと、前記マニホルドの少なくとも一側に前記マニホルドと連結されるように配列された複数のチャンバを有するチャンバアレイと、前記複数のチャンバを覆う振動板と、前記振動板上に形成されて、前記振動板を振動させることによって前記複数のチャンバのそれぞれの圧力を変化させる複数の圧電アクチュエータと、を備え、前記複数のチャンバは、前記チャンバアレイの中間部位に配置され、それぞれインクを吐出させるインク吐出ノズルを有する複数の圧力チャンバと、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ少なくとも一つずつ設けられ、それぞれインクを吐出させないダミーノズルを有するダミーチャンバと、を備える圧電方式のインクジェットプリントヘッドを提供する。

本発明において、前記圧電アクチュエータの駆動により、前記複数の圧力チャンバは、それぞれ前記インク吐出ノズルを通じてインクを吐出させると同時に、前記マニホルド側へのインクの逆流を発生させ、前記ダミーチャンバは、前記マニホルド側へのインクの逆流を発生させるが、前記ダミーノズルを通じたインクの吐出は発生させない。

本発明において、前記ダミーノズルの直径は、前記インク吐出ノズルの直径より小さいことが望ましい。

本発明において、前記マニホルド及び複数のチャンバは、流路形成板に形成され、前記振動板は、前記流路形成板上に形成され、前記マニホルドと前記複数のチャンバとの間には、複数のリストリクタが形成される。

本発明に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドは、前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの間に位置するように、前記振動板に形成された複数のトレンチをさらに備える。この場合、前記トレンチは、約５μｍ〜１０μｍの幅を有することが望ましい。

そして、前記課題を解決するために、本発明は、マニホルドと、前記マニホルドの少なくとも一側に前記マニホルドと連結されるように配列された複数の圧力チャンバと、前記複数の圧力チャンバのそれぞれに連結された複数のインク吐出ノズルと、前記複数の圧力チャンバを覆う振動板と、前記振動板上に形成されて前記振動板を振動させることによって、前記複数の圧力チャンバのそれぞれの圧力を変化させる複数の圧電アクチュエータと、前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの間に位置するように前記振動板に形成された複数のトレンチと、を備える圧電方式のインクジェットプリントヘッドを提供する。

本発明において、前記複数のトレンチは、前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの振動が前記振動板を通じて隣接した圧力チャンバへ伝達されることを遮断する。

本発明によれば、チャンバアレイの中間部位には、複数の圧力チャンバが配置され、チャンバアレイの両側のエッジ部には、ダミーチャンバが配置されることによって、実際にインクを吐出させるノズルを有する圧力チャンバのそれぞれに及ぼされるクロストークの影響が均一になる。そして、振動板に形成されたトレンチにより、複数の圧電アクチュエータのそれぞれの振動が振動板を通じて隣接した圧力チャンバへ伝達されることが遮断される。したがって、複数のインク吐出ノズルを通じたインクの吐出性能が均一になる。

以下、添付された図面を参照しつつ本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を示し、図面上で各構成要素のサイズは、説明の明確性及び便宜のために誇張されている。

図３は、本発明の望ましい第１実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを、振動板１２０を外して示す平面図であり、図４Ａは、図３に示すＢ−Ｂ’線によるインクジェットプリントヘッドの垂直断面図であり、図４Ｂは、図３に示すＣ−Ｃ’線によるインクジェットプリントヘッドの垂直断面図である。

図３、図４Ａ及び図４Ｂを共に参照すれば、本発明の第１実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッド１００は、流路形成板１１０に形成されたインク流路と、流路形成板１１０上に形成された振動板１２０と、前記振動板１２０上に形成された複数の圧電アクチュエータ１８０とを備える。

前記インク流路は、図示されていないインクタンクからインクが流入されるマニホルド１４０と、前記マニホルド１４０から供給されるインクが充填される複数のチャンバ１６１、１６２からなるチャンバアレイと、前記複数のチャンバ１６１、１６２のそれぞれに連結された複数のノズル１７１、１７２とを備える。前記マニホルド１４０は、前記流路形成板１１０の上面に所定深さに形成され、一方向に長く延びた形状を有する。前記マニホルド１４０の一端部または両端部には、インクインレット１３０が連結される。前記チャンバアレイは、前記マニホルド１４０の少なくとも一側に前記マニホルド１４０と連結されるように配列された複数のチャンバ１６１、１６２からなる。前記複数のチャンバ１６１、１６２のそれぞれは、前記流路形成板１１０の上面に所定深さに形成され、インクの流れ方向にさらに長い直方体の形状を有する。一方、前記チャンバアレイは、前記マニホルド１４０の両側に形成されてもよい。そして、前記マニホルド１４０と複数のチャンバ１６１、１６２との間には、複数のリストリクタ１５０が形成される。前記複数のノズル１７１、１７２は、前記流路形成板１１０を貫通するように形成され、前記複数のチャンバ１６１、１６２のそれぞれに一つずつ連結される。前記マニホルド１４０、複数のチャンバ１６１、１６２及び複数のリストリクタ１５０のそれぞれのサイズは、吐出されるインク液滴の体積及び速度などのインクの吐出性能によって適正に決められる。

前記振動板１２０は、前記複数のチャンバ１６１、１６２を覆うように前記流路形成板１１０上に形成される。前記振動板１２０は、約５μｍ〜１３μｍの厚さを有し、この厚さは、インク吐出に必要な駆動力のサイズによって変わる。

前記複数の圧電アクチュエータ１８０は、前記振動板１２０上に形成され、前記振動板１２０を振動させることによって前記複数のチャンバ１６１、１６２のそれぞれの圧力を変化させる役割を果たす。

前記複数の圧電アクチュエータ１８０のそれぞれは、共通電極の役割を果たす下部電極１８１と、電圧の印加によって変形される圧電膜１８２と、駆動電極の役割を果たす上部電極１８３とを備える。前記下部電極１８１は、前記振動板１２０の上面に形成され、前記圧電膜１８２は、下部電極１８１上に形成され、前記複数のチャンバ１６１、１６２のそれぞれの上部に位置するように配置される。このような圧電膜１８２は、圧電物質、望ましくは、ＰＺＴ（Ｌｅａｄ Ｚｉｒｃｏｎａｔｅ Ｔｉｔａｎａｔｅ）セラミック材料からなる。前記圧電膜１８２は、電圧の印加により変形され、その変形により前記振動板１２０を曲げ変形させる役割を果たす。前記上部電極１８３は、圧電膜１８２上に形成され、圧電膜１８２に電圧を印加する駆動電極の役割を果たす。

前記本発明に係るインクジェットプリントヘッド１００は、二つの板、すなわち、流路形成板１１０及び振動板１２０を有することが図示されかつ説明された。しかし、このような構造は、単に例示に過ぎず、本発明がこのような構造に限定されるものではない。例えば、前記振動板１２０及び流路形成板１１０は一体に形成されてもよい。また、前記流路形成板１１０は、一つの板ではなく、複数の薄板が積層されて接合された構造を有してもよい。さらに、前記インク流路の配置構造も図示されたものと異なったものでもよい。

本実施形態において、前記チャンバアレイを構成する複数のチャンバ１６１、１６２は、実際にインクを吐出するための複数の圧力チャンバ１６１と、単にインクの逆流のみを発生させるダミーチャンバ１６２とを備える。前記複数の圧力チャンバ１６１は、前記チャンバアレイの中間部位に配置され、インクを吐出させるインク吐出ノズル１７１を有する。前記ダミーチャンバ１６２は、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ少なくとも一つずつ設けられ、インクを吐出させないダミーノズル１７２を有する。本実施形態では、前記ダミーチャンバ１６２は、図３に示すように、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ２個ずつ配置される。一方、前記ダミーチャンバ１６２は、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ一つずつまたは三個以上ずつ配置されてもよい。

前記ダミーチャンバ１６２のサイズは、前記圧力チャンバ１６１のサイズと同じである。しかし、前記インク吐出ノズル１７１は、所望の体積のインク液滴を吐出しうる適正なサイズの直径を有し、一方、前記ダミーノズル１７２は、圧電アクチュエータ１８０の駆動によってもインクを吐出させないほどに十分に小さい直径を有する。

前記圧電アクチュエータ１８０が駆動されれば、前記複数の圧力チャンバ１６１は、それぞれ前記インク吐出ノズル１７１を通じてインクを吐出させると同時に、前記マニホルド１４０側へのインクの逆流を発生させる。このように、圧力チャンバ１６１から逆流されるインクは、隣接した圧力チャンバ１６１に影響を及ぼし、隣接した圧力チャンバ１６１の圧力を上昇させる。しかし、前記圧電アクチュエータ１８０が駆動されても、前記ダミーチャンバ１６２は、前記マニホルド１４０側へのインクの逆流を発生させるが、前記ダミーノズル１７２を通じたインクの吐出は発生させない。このように、ダミーチャンバ１６２から逆流されるインクも、隣接した圧力チャンバ１６１に影響を及ぼし、これにより、隣接した圧力チャンバ１６１の圧力が上昇する。

このように、全ての圧力チャンバ１６１は、そのそれぞれの両側に位置した圧力チャンバ１６１及び／またはダミーチャンバ１６２からインク逆流の影響を受ける。すなわち、実際にインクを吐出させるインク吐出ノズル１７１を有する圧力チャンバ１６１のそれぞれに及ぼすクロストークの影響が均一になる。したがって、複数のインク吐出ノズル１７１を通じたインクの吐出性能が均一になる。

図５は、本発明の望ましい第２実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを示す分解斜視図であり、図６は、図５に示すＤ−Ｄ’線による垂直断面図である。

図５及び図６を共に参照すれば、本発明の第２実施形態に係るインクジェットプリントヘッド２００は、マニホルド２４０、複数のリストリクタ２５０、複数の圧力チャンバ２６１及び複数のノズル２７１を備えるインク流路が形成された流路形成板２１０と、前記流路形成板２１０上に前記複数の圧力チャンバ２６１を覆うように形成された振動板２２０と、前記振動板２２０上に形成された複数の圧電アクチュエータ２８０とを備える。そして、前記振動板２２０には、前記マニホルド２４０に連結されるインクインレット２３０が形成される。前記複数の圧電アクチュエータ２８０のそれぞれは、前記振動板２２０の上面に形成されて、共通電極の役割を果たす下部電極２８１と、前記下部電極２８１上に前記複数の圧力チャンバ２６１のそれぞれに対応するように形成されて、電圧の印加によって変形される圧電膜２８２と、前記圧電膜２８２上に形成されて駆動電極の役割を果たす上部電極２８３とを備える。

前記のような第２実施形態の構成要素は、図３に示す第１実施形態と同じであるので、これについての詳細な説明は省略する。ただし、第２実施形態は、第１実施形態のダミーチャンバ１６２及びダミーノズル１７２を有さない。すなわち、第２実施形態では、全てのチャンバが実際にインクを吐出するための圧力チャンバ２６１である。

本実施形態において、前記振動板２２０には、前記複数の圧電アクチュエータ２８０のそれぞれの間に位置するように複数のトレンチ２９０が形成される。前記複数のトレンチ２９０のそれぞれは、約５μｍ〜１０μｍの幅を有し、前記圧電アクチュエータ２８０の長手方向に延びた形状を有し、そのそれぞれの長さは、前記圧電アクチュエータ２８０の圧電膜２８２の長さと同じであるか、またはさらに長いことが望ましい。

前記のように形成された複数のトレンチ２９０は、複数の圧電アクチュエータ２８０のそれぞれの振動が、前記振動板２２０を通じて隣接した圧力チャンバ２６１に伝達されることを効果的に遮断する。したがって、複数の圧力チャンバ２６１のそれぞれに伝達される圧電アクチュエータ２８０の駆動力が均一になるので、各圧力チャンバ２６１のノズル２７１を通じたインクの吐出性能も均一になる。

図７は、本発明の望ましい第３実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを示す分解斜視図であり、図８は、図７に示すＥ−Ｅ’線による垂直断面図である。

図７及び図８を共に参照すれば、本発明の第３実施形態に係るインクジェットプリントヘッド３００は、図３に示す第１実施形態の特徴及び図５に示す第２実施形態の特徴を共に有する構造を有する。

具体的に、本発明の第３実施形態に係るインクジェットプリントヘッド３００は、マニホルド３４０、複数のリストリクタ３５０、前記マニホルド３４０から供給されるインクが充填される複数のチャンバ３６１、３６２からなるチャンバアレイと、前記複数のチャンバ３６１、３６２のそれぞれに連結された複数のノズル３７１、３７２を備えるインク流路が形成された流路形成板３１０と、前記流路形成板３１０上に前記複数のチャンバ３６１を覆うように形成された振動板３２０と、前記振動板３２０上に形成された複数の圧電アクチュエータ３８０と、前記複数の圧電アクチュエータ３８０のそれぞれの間に位置するように前記振動板３２０に形成された複数のトレンチ３９０と、を備える。そして、前記振動板３２０には、前記マニホルド３４０に連結されるインクインレット３３０が形成される。前記複数の圧電アクチュエータ３８０のそれぞれは、前記振動板３２０の上面に形成されて共通電極の役割を果たす下部電極３８１と、前記下部電極３８１上に前記複数のチャンバ３６１のそれぞれに対応するように形成されて、電圧の印加によって変形される圧電膜３８２と、前記圧電膜３８２上に形成されて駆動電極の役割を果たす上部電極３８３とを備える。

このような第３実施形態の構成要素は、前述した第１実施形態及び第２実施形態と同じであるので、これについての詳細な説明は省略する。

上記のような本発明の第３実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッド３００において、前記チャンバアレイを構成する複数のチャンバ３６１、３６２は、実際にインクを吐出するための複数の圧力チャンバ３６１と、単にインクの逆流のみを発生させるダミーチャンバ３６２とを備える。前記複数の圧力チャンバ３６１は、前記チャンバアレイの中間部位に配置され、インクを吐出させるインク吐出ノズル３７１を有する。前記ダミーチャンバ３６２は、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ少なくとも一つずつ設けられ、インクを吐出させないダミーノズル３７２を有する。そして、前記振動板３２０には、前記複数の圧電アクチュエータ３８０のそれぞれの間に位置するように複数のトレンチ３９０が形成される。

前記ダミーチャンバ３６２、ダミーノズル３７２及びトレンチ３９０のそれぞれの役割及びこれらによる効果は、前述した通りである。ただし、第３実施形態は、第１実施形態及び第２実施形態の２つの特徴を共に有するので、複数のインク吐出ノズル３７１からさらに均一なインクの吐出性能が得られる。

以上、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。

本発明は、インクジェットプリントヘッド関連の技術分野に好適に適用されうる。

従来の圧電方式のインクジェットプリントヘッドの一般的な構成を説明するための断面図である。 従来の圧電方式のインクジェットプリントヘッドで、全てのノズルを同時駆動したときのノズルの位置によるインク液滴の吐出速度の偏差を示すグラフである。 図２Ａに示すＡ領域のノズルのみを同時駆動したときのノズルの位置によるインク液滴の吐出速度の偏差を示すグラフである。 本発明の望ましい第１実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを、振動板を外して示す平面図である。 図３に示すＢ−Ｂ’線によるインクジェットプリントヘッドの垂直断面図である。 図３に示すＣ−Ｃ’線によるインクジェットプリントヘッドの垂直断面図である。 本発明の望ましい第２実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを示す分解斜視図である。 図５に示すＤ−Ｄ’線による垂直断面図である。 本発明の望ましい第３実施形態に係る圧電方式のインクジェットプリントヘッドを示す分解斜視図である。 図７に示すＥ−Ｅ’線による垂直断面図である。

符号の説明

３００ インクジェットプリントヘッド、
３１０ 流路形成板、
３２０ 振動板、
３３０ インクインレット、
３４０ マニホルド、
３５０ リストリクタ、
３６１、３６２ チャンバ、
３７１、３７２ ノズル、
３８０ 圧電アクチュエータ、
３８１ 下部電極、
３８２ 圧電膜、
３８３ 上部電極、
３９０ トレンチ。

Claims (12)

1. マニホルドと、
   前記マニホルドの少なくとも一側に前記マニホルドと連結されるように配列された複数のチャンバを有するチャンバアレイと、
   前記複数のチャンバを覆う振動板と、
   前記振動板上に形成されて、前記振動板を振動させることによって前記複数のチャンバのそれぞれの圧力を変化させる複数の圧電アクチュエータと、を備え、
   前記複数のチャンバは、前記チャンバアレイの中間部位に配置され、それぞれインクを吐出させるインク吐出ノズルを有する複数の圧力チャンバと、前記チャンバアレイの両側のエッジ部にそれぞれ少なくとも一つずつ設けられ、それぞれインクを吐出させないダミーノズルを有するダミーチャンバと、を備えることを特徴とする圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
2. 前記圧電アクチュエータの駆動により、前記複数の圧力チャンバは、それぞれ前記インク吐出ノズルを通じてインクを吐出させると同時に、前記マニホルド側へのインクの逆流を発生させ、前記ダミーチャンバは、前記マニホルド側へのインクの逆流を発生させるが、前記ダミーノズルを通じたインクの吐出は発生させないことを特徴とする請求項１に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
3. 前記ダミーノズルの直径は、前記インク吐出ノズルの直径より小さいことを特徴とする請求項１又は２に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
4. 前記マニホルド及び複数のチャンバは、流路形成板に形成され、前記振動板は、前記流路形成板上に形成されたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
5. 前記マニホルドと前記複数のチャンバとの間には、複数のリストリクタが形成されたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
6. 前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの間に位置するように、前記振動板に形成された複数のトレンチをさらに備えることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
7. 前記トレンチは、約５μｍ〜１０μｍの幅を有することを特徴とする請求項６に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
8. マニホルドと、
   前記マニホルドの少なくとも一側に前記マニホルドと連結されるように配列された複数の圧力チャンバと、
   前記複数の圧力チャンバのそれぞれに連結された複数のインク吐出ノズルと、
   前記複数の圧力チャンバを覆う振動板と、
   前記振動板上に形成されて前記振動板を振動させることによって、前記複数の圧力チャンバのそれぞれの圧力を変化させる複数の圧電アクチュエータと、
   前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの間に位置するように前記振動板に形成された複数のトレンチと、を備えることを特徴とする圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
9. 前記複数のトレンチは、前記複数の圧電アクチュエータのそれぞれの振動が前記振動板を通じて隣接した圧力チャンバへ伝達されることを遮断することを特徴とする請求項８に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
10. 前記トレンチは、約５μｍ〜１０μｍの幅を有することを特徴とする請求項８又は９に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
11. 前記マニホルド、複数の圧力チャンバ及び複数のインク吐出ノズルは、流路形成板に形成され、前記振動板は、前記流路形成板上に形成されたことを特徴とする請求項８〜１０のいずれか１項に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。
12. 前記マニホルドと前記複数の圧力チャンバとの間には、複数のリストリクタが形成されたことを特徴とする請求項８〜１１のいずれか１項に記載の圧電方式のインクジェットプリントヘッド。

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