JP2007200886A - プラズマディスプレイパネル、その保護膜材料、及びこれらの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル、その保護膜材料、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不純物及び水分の含有量が著しく少ないプラズマディスプレイパネルの保護膜材料及びその製造方法を提供する。
また、短時間に均一な品質を有するプラズマディスプレイパネルの保護膜を形成する。
【解決手段】単結晶の酸化マグネシウム210を含むナノ粒子200を含むプラズマディスプレイパネルの保護膜材料を構成する。単結晶の酸化マグネシウム210は、結晶全体が一定の結晶軸に沿って規則的に形成されている。また、ナノ粒子200は多孔性ペレット形態である。すなわち、各酸化マグネシウム210がペレット形態をなしており、各ペレットの間に空間が形成されている。また、各酸化マグネシウムは、大きさが10〜100ナノメートルである。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法に関し、特に、プラズマディスプレイパネルの保護膜材料及びその製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネルにおいては、上部パネルと下部パネルとの間に形成された隔壁によって各放電セルが区分される。各放電セル内には、ネオン、ヘリウム、または、ネオンとヘリウムとの混合気体などの主放電気体、及び少量のキセノンを含む不活性ガスが充填されている。そして、高周波電圧によって放電が起こると、不活性ガスから真空紫外線が発生して各隔壁間の蛍光体を発光させることで、画像が具現される。上述した構造のプラズマディスプレイパネルは、薄くて軽い構成が可能であるので、次世代の表示装置として脚光を浴びている。
図1は、プラズマディスプレイパネルの構造を概略的に示した斜視図である。図1に示すように、プラズマディスプレイパネルの上部パネル100において、画像がディスプレイされる表示面である上板ガラス101上には、スキャン電極102とサステイン電極103が対をなして形成された複数の維持電極対が配列される。そして、下部パネル110において、下板ガラス111上には、上述した複数の維持電極対と交差する複数のアドレス電極113が配列される。上述した下部パネル110と上部パネル100は、所定距離をおいて平行に結合される。
下部パネル110には、複数個の放電空間、すなわち、放電セルを形成するためのストライプタイプ(またはウェルタイプ)の隔壁112が平行に配列される。そして、アドレス放電を行って真空紫外線を発生させる多数のアドレス電極113は、隔壁に対して平行に配置される。下部パネル110の上側面には、アドレス放電時、画像表示のための可視光線を放出する赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の蛍光体114が塗布される。そして、アドレス電極113と蛍光体114との間には、アドレス電極113を保護するための下板誘電体層115が形成される。
そして、維持電極対102,103上に形成された上板誘電体104上には、保護膜105が形成される。プラズマディスプレイパネルの放電時、(+)イオンの衝撃のために上部パネル100に備わった上板誘電体104が磨滅し、このとき、ナトリウム(Na)などの金属物質が電極を短絡させることがある。したがって、保護膜105に酸化マグネシウム(MgO)薄膜をコーティングして上板誘電体104を保護するが、酸化マグネシウムは、(+)イオンの衝撃に対して十分な耐性があり、2次電子放出係数が高いので、放電開始電圧を低下させるという効果を奏する。したがって、保護膜を形成することでパネルの低電圧化がなされ、このような低電圧化により、パネルの電力消耗が減少して生産費を節減することができるとともに、輝度及び放電効率などを向上することができる。
しかしながら、上述した従来のプラズマディスプレイパネルの保護膜には、次のような問題点があった。
従来のプラズマディスプレイパネルの保護膜は、スクリーン印刷法、イオン-メッキ法、スパッタリング法及び電子ビーム蒸着法などの方法で形成するが、これらのうち、電子ビーム蒸着法は、MgOなどのターゲットに電子ビームを加えて保護膜を形成する方法である。
ここで、電子ビーム蒸着法によると、酸化マグネシウムを水酸化物の形態で加工することでターゲットを製造するので、水素または水分が含まれる。また、MgOをペレット形態で製造する工程においては不純物が含まれるので、ターゲットの純度が低くなる。したがって、電子ビームによってペレット形態のMgOを蒸発させるには多くのエネルギーを要し、蒸発速度が遅延する。その結果、製造されたプラズマディスプレイパネルの保護膜の品質が劣化するという問題があった。
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、不純物及び水分の含有量が著しく少ないプラズマディスプレイパネルの保護膜材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、短時間に均一な品質を有するプラズマディスプレイパネルの保護膜を形成することにある。
上記目的を達成するための本発明のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料は、単結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子を含んで構成されることを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法は、単結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子をバスケットに注入する段階と、前記バスケットに注入されたナノ粒子を加熱する段階と、を含んで構成されることを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、単結晶の酸化マグネシウムが含まれたナノ粒子を真空チャンバー内に準備する段階と、前記ナノ粒子に電子ビームを加え、前記ナノ粒子を蒸発及び拡散させる段階と、前記拡散されたナノ粒子内の酸化マグネシウムを、上板誘電体に蒸着して成長させる段階と、を含んで構成されることを特徴とする。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、隔壁を挟んで互いに対向する第1パネル及び第2パネルを含んで構成されるプラズマディスプレイパネルであって、前記第1パネルは、誘電体と、前記誘電体上に形成され、その大きさが10〜100ナノメートルである単結晶または多結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子からなる保護膜と、を含んで構成されることを特徴とする。
本発明によると、不純物及び水分の含有量が著しく少ないプラズマディスプレイパネルの保護膜及びその製造方法を提供できるという効果がある。
また、本発明によると、短い時間に均一な品質を有するプラズマディスプレイパネルの保護膜を形成できるという効果がある。
本発明の他の目的、特性及び利点は、添付の図面に基づく各実施例の詳細な説明を通して明らかになるだろう。
以下、上記の目的が具体的に実現される本発明の好適な実施例を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの保護膜材料は、ナノ粒子を含んでいる。そして、上述したナノ粒子は、単結晶または多結晶の酸化マグネシウム(MgO)を含んで構成されることを特徴とする。ここで、単結晶の酸化マグネシウムは、結晶全体が一定の結晶軸に沿って規則的に形成されている。
そして、上述したナノ粒子は、図2に示すように、多孔性ペレット形態であることを特徴とする。すなわち、各酸化マグネシウム210がペレット形態をなしており、各ペレットの間に空間が形成されている。そして、各酸化マグネシウムは、その大きさが10〜100ナノメートルである。ここで言う、「大きさ」は、酸化マグネシウム結晶が球状であれば、その直径を意味し、酸化マグネシウム結晶が六面体状であれば、その一辺の長さを意味する。
図3は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法の一実施例を示す図である。以下、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法の一実施例を、図3に基づいて説明する。
まず、結晶性の酸化マグネシウムを準備する(S310)。このとき、90%以上の純度を有する結晶性の酸化マグネシウムを準備し、これにドーピング材料を添加してMg(OH)を形成する。すなわち、酸化マグネシウムの純度を高めるためにMg(OH)を製造し、ドーピング材料を添加して不純物の量を調節する。このとき、Mg(OH)は水分を50%ほど含んでいるので、下記のような水分除去工程が必要となる。
まず、結晶性の酸化マグネシウムが含まれたナノ粒子をバスケットに注入する(S320)。ここで、結晶性の酸化マグネシウムは、10〜100ナノメートルの大きさを有し、溶剤及び添加剤などと混合される。
次いで、ナノ粒子を加熱することで、酸化マグネシウムの結晶表面などに吸着された水分や不純物などを蒸発させる(S330)。このとき、水分などの蒸発位置に空間が形成される。また、各結晶間に凝集が生じることで、表面に部分的な陥没部を有する多孔性ペレットが形成される。すなわち、図1に示したプラズマディスプレイパネルの保護膜材料が形成される。
加熱工程は、400〜900℃の温度で行われ、加熱工程前に、加熱温度より低い温度で所定時間乾燥することもできる。このとき、バスケットに注入されたナノ粒子から水分などの不純物が除去されることで、結晶密度が高くなる。また、バスケットの形状に応じて多孔性ペレットが形成される。
図4は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法の一実施例を示す図である。以下、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法の一実施例を、図4に基づいて説明する。
まず、酸化マグネシウム結晶が含まれたナノ粒子200を真空チャンバー430内に準備する。ここで、ナノ粒子200は、多孔性ペレット形態をなし、るつぼ450に注入されることが好ましい。次いで、ナノ粒子200に電子ビーム460’を加えると、結晶性の酸化マグネシウムが蒸発・拡散される。このとき、多孔性ペレット形態のナノ粒子は、比表面積が非常に広い。上述した比表面積は、全体の体積に対する外部に露出する表面積の比であり、上述した多孔性ペレットは表面に陥没部が存在するので、その分だけ比表面積が広い。
そして、電子銃460の作動によって電場及び磁場が加えられると、電子銃460から排出された電子ビーム460’がナノ粒子200と衝突する。すなわち、電子銃460から排出されるイオンが、酸化マグネシウムを含む保護膜材料と衝突する。このとき、ナノ粒子200に含まれた単結晶または多結晶の酸化マグネシウムが蒸発・拡散し、蒸発した酸化マグネシウムが上板誘電体104上に蒸着することで、保護膜が形成される。
ここで、電子ビームのエネルギーがターゲットの表面に集中すると、高速蒸着及び高純度の蒸着が可能になる。そして、図面に示していないが、真空チャンバーに真空ポンプを設置することで、排気を持続的に行うことができる。
そして、上述した酸化マグネシウム結晶(MgO結晶)は、その大きさが10〜100nmであるので、本工程で形成される保護膜も、10〜100nmの大きさを有する酸化マグネシウム結晶を含んで構成される。したがって、形成された保護膜は、構成粒子の大きさが均一であり、電子ビーム蒸着法が真空チャンバーで進行されるため、不純物をほとんど含まれない。また、上述した多孔性ペレット形態のナノ粒子は、水分及び不純物をほとんど含んでいないので、従来のMgO蒸発のための電子ビームのエネルギーより少量のエネルギーでMgO結晶を蒸発することができる。さらに、MgO結晶の大きさがほぼ均一であるので、形成された保護膜の品質も均一になる。一方、保護膜を除いた残りの構成要素の形成方法は、従来の形成方法と同一である。
図5は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの上部パネルの一実施例を示す断面図である。以下、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの上部パネルを、図5に基づいて説明する。
3電極交流面放電型プラズマディスプレイパネルにおいては、下部基板上の一部にアドレス電極が備わり、下部基板及びアドレス電極上に下板誘電体が形成される。ここで、下板誘電体上の一部に隔壁が形成されるが、この隔壁によって隣接した放電セルが分離され、隔壁の側面及び下板誘電体上に蛍光体が塗布される。
以上、プラズマディスプレイパネルの下部パネルの構造を説明した。以下では、図5を参照して、上部パネルの構造を説明する。
上部基板101上には、アドレス電極と交差するように所定間隔をおいて維持電極対102、103が備えられる。透明電極102a、103aは導電率が低いので、バス電極102b、103bを追加的に備えることにより、維持電極対の抵抗を減少させる。そして、上部基板及び維持電極対上には上板誘電体104が備えられ、上板誘電体104上には保護膜105が備えられる。
ここで、保護膜105は、上述した方法によって形成され、結晶の大きさが10〜100nmであり、不純物をほとんど含まずに真空チャンバー内で形成される。その結果、保護膜105の品質を均一に維持することができる。
そして、上部パネル101と下部パネル(図示せず)とを対向して接合させて放電セルを形成するが、このとき、放電セル内には、不活性気体として、He+Xe、Ne+XeまたはHe+Ne+Xeなどの放電ガスが注入される。
以上説明した内容を通して、当業者であれば、本発明の技術思想から逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることを理解できるだろう。
したがって、本発明の技術的範囲は、実施例に記載された内容に限定されるものでなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。
プラズマディスプレイパネルを示す斜視図である。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の一実施例を示す斜視図である。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法の一実施例を示すフローチャートである。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法の一実施例を示す図である。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの上部パネルの一実施例を示す断面図である。
符号の説明
200 ナノ粒子
210 酸化マグネシウム

Claims (12)

  1. 単結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子を含んで構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの保護膜材料。
  2. 前記ナノ粒子は、多孔性ペレット形態であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料。
  3. 前記単結晶の酸化マグネシウムの大きさが10〜100ナノメートルであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料。
  4. 単結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子をバスケットに注入する段階と、
    前記バスケットに注入されたナノ粒子を加熱する段階と、
    を含んで構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法。
  5. 前記単結晶の酸化マグネシウムの大きさが10〜100ナノメートルであることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法。
  6. 前記バスケットに注入されたナノ粒子を加熱する段階は、400〜900℃で行われることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法。
  7. 前記バスケットに注入されたナノ粒子を加熱する段階は、
    前記ナノ粒子から不純物を除去した後、前記ナノ粒子が前記バスケットの形状に応じて多孔性ペレットを形成することを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの保護膜材料の製造方法。
  8. 単結晶の酸化マグネシウムが含まれたナノ粒子を真空チャンバー内に準備する段階と、
    前記ナノ粒子に電子ビームを加え、前記ナノ粒子を蒸発及び拡散させる段階と、
    前記拡散されたナノ粒子内の酸化マグネシウムを、上板誘電体に蒸着して成長させる段階と、
    を含んで構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記ナノ粒子は、多孔性ペレット形態であることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記単結晶の酸化マグネシウムの大きさが10〜100ナノメートルであることを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 隔壁を挟んで互いに対向する第1パネル及び第2パネルを含んで構成されるプラズマディスプレイパネルであって、
    前記第1パネルは、
    誘電体と、
    前記誘電体上に形成され、大きさが10〜100ナノメートルである単結晶または多結晶の酸化マグネシウムを含むナノ粒子からなる保護膜と、
    を含んで構成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記保護膜は、
    前記単結晶の酸化マグネシウムを多孔性ペレットから電子ビーム蒸着法によって蒸発させた後、前記誘電体上に蒸着されることで形成されることを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネル。
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