JP2007196366A - 刃物台ユニット、刃物台切込装置および自動旋盤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主軸中心線Aに交差し、かつ、互いに交差する2つの軸線B,Cに沿ってそれぞれ移動可能に支持されるとともに、それぞれ刃物3A,3Bを搭載する一対のスライダ4A,4Bと、これらスライダ4A,4Bを軸線B,Cに沿って移動させる移動機構5とを備え、該移動機構5が、一対のスライダ4A,4Bにそれぞれ接続された2つのスライダ部10A,10Bと、該スライダ部10A,10Bを推進するボールネジ11と、該ボールネジ11を回転させるサーボモータ12とを備え、ボールネジ11が、一方向の回転により2つのスライダ部10A,10Bを逆方向に推進する逆リード部11a,11bを有する刃物台ユニット2を提供する。
【選択図】 図2
Description
この特許文献1に開示されている自動旋盤は、加工物の周囲に放射状に配列した複数の刃物をモータ駆動されるカムにより、それぞれ、所定のタイミングで加工物中心に向けて、進退させるものである。このようなカムを用いた自動旋盤によれば、制御するモータの数を少なくすることができ、複雑な制御が不要であるためコストを低く抑えることができる。また、一の刃物で加工物を加工中に、他の刃物を加工物に近接する待機位置に移動させておくことができる。この場合に、複数の刃物の動作がカムにより機械的に同期させられるので、刃物どうしを干渉させることなく、非常に近接させることができ、刃物の切替時における非切削時間を削減して効率的な加工を行うことができる。このような理由から、近年においても、カム式の自動旋盤が多く採用されている。
もちろん、汎用性だけの観点から考えると、各刃物を独立して駆動可能なNC旋盤が有利であるが、上述した高コスト化の問題に加え、刃物どうしの位置関係を機械的に制限することができないので、刃物どうしの干渉を防止する複雑な制御等が必要となるという不都合がある。
この櫛歯型刃物台によれば、複数の刃物に対してモータが2つで済み、全ての刃物に1つずつモータを備える場合と比較すると低コストであるという利点がある。また、刃物どうしは相対的に固定されているので、刃物どうしの干渉を考慮する必要がないという利点もある。
さらに、特許文献2の櫛歯型刃物台では、複数の刃物による同時加工を行うことができないという不都合もある。
本発明は、主軸中心線に交差し、かつ、互いに交差する2つの軸線に沿ってそれぞれ移動可能に支持されるとともに、それぞれ刃物を搭載する一対のスライダと、これらスライダを前記軸線に沿って移動させる移動機構とを備え、該移動機構が、前記一対のスライダにそれぞれ接続された2つのスライダ部と、該スライダ部を推進するボールネジと、該ボールネジを回転させるサーボモータとを備え、前記ボールネジが、一方向の回転により2つのスライダ部を逆方向に推進する逆リード部を有する刃物台ユニットを提供する。
このようにすることで、刃物先端にかかる切削反力に伴って発生するモーメントをガイドレール上の複数のガイドブロックにより支持することが可能となり、切削精度を向上することができる。
刃物を互いに交差する2つの軸線に沿って進退させることにより、刃物を搭載するスライダと、ボールネジにより駆動されるスライダ部との距離が変化する。スライダ部とスライダとは直線案内機構によって接続されているので、直線案内機構によってスライダを直線移動させることにより距離の変化が吸収され、直線案内機構を介して推進力を伝達することができる。
組立時には、推進方向が異なる逆リード部を分離して、スライダ部の位置調整を容易にし、調整後に連結部材により逆リード部を連結することで一体化させることができる。
本発明によれば、4以上の刃物を半分の数のサーボモータで制御でき、刃物に対してモータを1つずつ有するNC旋盤と比較すると、低コスト化を図ることができる。また、2以上の刃物により被加工物を同時に加工することも可能となる。
このようにすることで、待機状態に配置された刃物ユニットの一対の刃物は、いずれの刃物により加工を行う場合にも、被加工物に十分に近接した位置に先端を配置することができ、非加工時間を削減することができる状態となる。一方、一の刃物ユニットがこの待機状態に配されているときに、それに隣接する刃物ユニットの刃物は干渉を生ずることなく進退することができる。
このようにすることで、2つの刃物を同時に進退させて、被加工物を同時に加工することが可能となる。なお、隣接する刃物台ユニットの2つの刃物による同時加工は、刃物が主軸中心線に沿う方向にずれていれば可能である。
本発明によれば、刃物代ユニットに搭載された2つの刃物の動作はボールネジによって機械的に制限されているので、刃物どうしの干渉を生ずることなく動作させることができ、刃物の交換を迅速に行って非加工時間を削減し、被加工物の加工のサイクルタイムを短縮することができる。
このようにすることで、構成部品を共通化して低コストの自動旋盤を提供できるとともに、サーボモータ数を低減して制御を容易にすることができる。また、2以上の刃物で被加工物を同時に加工することができ、サイクルタイムのさらなる短縮を図ることができる。
本実施形態に係る自動旋盤100は、図1に示されるように、棒材(被加工物)Wをその軸線回りに回転させる主軸101と、複数の刃物3A,3Bを棒材Wの外面に接触させて加工する刃物台切込装置1と、主軸101をその主軸中心線Aに沿う方向に移動させる移動テーブル102と、主軸101に棒材Wを供給する棒材供給装置103と、棒材Wの正面側加工等を行うための正面加工装置104と、これらを制御する制御装置(制御部)105とを備えている。図中符号106は、主軸101を回転させるモータ、符号107は棒材(被加工物)Wを把持し、主軸101と一体に組み付けられ回転するチャック、符号108はモータ107の回転力を主軸101に伝達するためのベルトである。
各刃物台ユニット2は、図3および図4に示されるように、2個一対の刃物3A,3Bをそれぞれ搭載する一対のスライダ4A,4Bと、主軸中心線Aに直交しかつ相互に交差する2つの軸線B,Cに沿って前記スライダ4A,4Bをそれぞれ進退させる移動機構5とを備えている。なお、スライダ4A,4Bの進退方向は主軸中心線Aに直交する方向に限られず、任意の角度で交差する方向でもよい。
また、図5および図6に示すように、いずれか一方の刃物3A(3B)を主軸中心線Aに向けて突出させるときには、他方の刃物3B(3A)は後退させられるようになっている。
本実施形態に係る自動旋盤100を用いて棒材Wの加工を行うには、主軸101のチャック107に棒材Wを把持させた状態で、制御装置105からの指令信号により、モータ106を駆動させて棒材Wを主軸中心線A回りに回転させる。また、移動テーブル102の作動により、棒材Wの主軸中心線Aに沿う加工位置を調節する。そして、この状態で、刃物台切込装置1を作動させる。刃物台切込装置1を用いて棒材Wの加工を行うには、いずれかの刃物台ユニット2のサーボモータ12を作動させる。サーボモータ12の作動により、ボールネジ11が回転させられ、該ボールネジ11に係合しているボールネジナット10A,10Bが推進される。
また、図9に示されるように、2つのブラケット14A′,14B′を支持するリニアガイドとして共通のリニアガイド16を採用することとしてもよい。
B,C 軸線
1 刃物台切込装置
2 刃物台ユニット
3A,3B 刃物
4A,4B スライダ
5 移動機構
10A,10B ボールネジナット(スライダ部)
11 ボールネジ
11a,11b 逆リード部
12 サーボモータ
15 リニアガイド(直線案内機構)
100 自動旋盤
101 主軸
102 移動テーブル
105 制御装置(制御部)
Claims (10)
- 主軸中心線に交差し、かつ、互いに交差する2つの軸線に沿ってそれぞれ移動可能に支持されるとともに、それぞれ刃物を搭載する一対のスライダと、
これらスライダを前記軸線に沿って移動させる移動機構とを備え、
該移動機構が、前記一対のスライダにそれぞれ接続された2つのスライダ部と、該スライダ部を推進するボールネジと、該ボールネジを回転させるサーボモータとを備え、
前記ボールネジが、一方向の回転により2つのスライダ部を逆方向に推進する逆リード部を有する刃物台ユニット。 - 前記スライダ部がその推進方向に沿って配置されるガイドレールと、該ガイドレールに沿って移動可能に支持される複数のガイドブロックとにより支持されている請求項1に記載の刃物台ユニット。
- 前記2つのスライダ部に、前記一対のスライダをそれぞれの軸線に交差する方向に移動可能に支持する直線案内機構が設けられている請求項1または請求項2に記載の刃物台ユニット。
- 前記直線案内機構が、前記一対のスライダをそれぞれの軸線に直交する方向に移動可能に支持する請求項3に記載の刃物台ユニット。
- 前記ボールネジが、分離可能に設けられた2つの逆リード部と、該逆リード部を連結する連結部材とを備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の刃物台ユニット。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の刃物台ユニットを周方向に複数配列してなる刃物台切込装置。
- 各刃物ユニットの一対の刃物の先端位置を主軸中心線に対してほぼ同等の距離に配置した待機状態において、隣り合う刃物台ユニットに搭載された周方向に隣接する刃物どうしが、相互に干渉しない位置に配置される請求項6に記載の刃物台切込装置。
- 一の刃物台ユニットの周方向の両側に隣り合う2つの刃物台ユニットに搭載された周方向に隣接する刃物が、刃物どうしの干渉を生ずることなく同時に進退可能である請求項7に記載の刃物台切込装置。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の刃物台ユニットと、
該刃物台ユニットに搭載された刃物により切削される被加工物を主軸中心線回りに回転させる主軸と、
これら刃物台ユニットまたは主軸を主軸中心線に沿う方向に相対的に移動させる移動テーブルと、
前記刃物台ユニット、主軸および移動テーブルを制御する制御部とを備える自動旋盤。 - 前記刃物台ユニットが、周方向に複数配列されている請求項9に記載の自動旋盤。
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