JP2007195433A - 釣り用リールの電池ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】釣り用リールの電池ケースにおいて、防水処理を容易に行えるようにする。
【解決手段】電池ケース17は、両軸受リールに装着可能なケースであって、ケース本体23と、蓋部材27と、を備えている。ケース本体は、両軸受リールに装着可能なものであり、内部に電池36を収納可能な電池収納部25と、電池収納部と壁部26を隔てて並べて配置され内部にスプール回転センサ35を収納可能なセンサ収納部28と、壁部に形成され電池収納部とセンサ収納部とを連通する連通部29とを有している。蓋部材は、ケース本体に着脱自在に装着され、電池収納部を塞ぐ。
【選択図】図5

Description

本発明は、電池ケース、特に、釣り用リールに装着可能な釣り用リールの電池ケースに関する。
カウンターケースと呼ばれる仕掛けの水深表示を電気的に表示可能な釣り用リールでは、カウンターケースの電源として電池が釣り用リールの内部に収納されている。この種の電池は、カバー部材で覆われた水密のカウンターケースの内部に収納されているものが多い(たとえば、特許文献1参照)。従来のカウンターでは、内部に液晶表示装置に加えてスプールの回転を検出する、たとえばリードスイッチを用いたスプール回転センサも収納されている。スプール回転センサは、たとえばスプールの回転方向に沿って間隔を隔てて配置された2つのリードスイッチを有している。このリードスイッチのいずれが先にオンしたかによりスプールの回転方向に検出でき、かつリードスイッチからのパルス信号によりスプールの回転数を検出できる。このスプールの回転方向とスプールの回転数の2つのデータから仕掛けの水深を算出できる。
従来の構成では、電池とスプール回転センサとがカバー部材で覆われたカウンターケース内に収納され、水密となるようカバー部材で覆われているため、特にセンサ部分の厚みがましてリールの小型化を阻害している。殊にセンサがリードスイッチである場合、カバー部材にリードスイッチを密着させると、カバー部材に加わる衝撃や、カバー部材を超音波溶着する場合の振動により、リードスイッチが故障するおそれがある。このため、内部に十分な間隙が必要になり、ますますカウンターケースが大型化する。また、センサを交換するためにはカバー部材を取り外さなければならない。しかし、十分な水密性を得ようとするならカバー部材は超音波溶着や接着によって取り外し不能に固着させるのがよく、この場合にはセンサの故障によってカウンターケース全体を交換する必要がある。さらに、センサや電池とカウンターケースとの位置が固定されてしまうため、カウンターケースに汎用性(流用性)がなくなってしまう。
ここで、センサ部分だけを考えるなら、接点を含む基板ごとシリコン等の弾性を有する絶縁剤で周囲を覆ってしまえばカバーは不要であり、かつ衝撃・振動をシリコンが吸収してくれる。また、電池ケースとカウンターケースは分離した方がそれぞれの配置が自由になり、大きさの異なるリールへの流用が可能になる。
そこで、釣り用リールにカウンターケースと別に電池ケースとセンサとを設けて、釣り人が電池を容易に交換できるようにした釣り用リールが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
前記従来の釣り用リールでは、電池ケースとスプール回転センサとをリール本体の内部に別々に収納している。電池ケースやスプール回転センサを別々にリール本体に収納する場合、それぞれに、たとえばシリコン等の弾性を有する絶縁剤を電池ケースの配線導出部やセンサ収納部全体に注入して防水処理を施している。
実開昭60−121758号公報 特開2001−169691号公報
電池とセンサとを別々に収納して防水処理する場合、従来は、電池の接続端子に接続される配線の導出部やセンサ収納部に、たとえばシリコンなどの絶縁剤を注入してシールしている。したがって、電池収納部分とセンサ収納部分とで別々に防水処理を行わなければならず、防水処理が煩わしい。
本発明の課題は、釣り用リールの電池ケースにおいて、防水処理を容易に行えるようにすることにある。
発明1に係る釣り用リールの電池ケースは、釣り用リールに装着可能なケースであって、ケース本体と、蓋部材と、を備えている。ケース本体は、釣り用リールに装着可能なものであり、内部に電池を収納可能な電池収納部と、電池収納部と壁部を隔てて並べて配置され内部にセンサを収納可能なセンサ収納部と、壁部に形成され電池収納部とセンサ収納部とを連通する連通部とを有している。蓋部材は、ケース本体に着脱自在に装着され、電池収納部を塞ぐ部材である。
この電池ケースでは、電池収納部とセンサ収納部とが電池ケースに設けられているので、電池とセンサとをカウンターケース外に収納しても配線処理を行いやすい。この電池収納部が蓋部材により塞がれているとともに、センサ収納部と電池収納部との間には連通部が設けられている。このため、電池収納部からこの連通部を通って電池の接続配線を取り出してセンサ収納部からセンサの接続配線とともに電池ケース外に取り出すことができる。そして、配線終了後にセンサ収納部にシリコン等の絶縁剤を注入すると、連通部がセンサ収納部に連通しているので、連通部にも絶縁剤が注入される。ここでは、電池収納部とセンサ収納部とを連通部で連通させたので、電池収納部からの配線を連通部を通してセンサ収納部からケース外に取り出すことができる。したがって、センサ収納部からシリコン等の弾性を有する絶縁剤を注入するだけで、絶縁剤で連通部を塞ぐことができ、電池収納部を防水できる。このため、電池ケースの防水処理を容易に行えるようになる。
発明2に係る釣り用リールの電池ケースは、発明1に記載のケースにおいて、連通部は、センサ収納部側から注入される絶縁剤を注入可能な連通孔である。この場合には、連通部を孔で構成したので、連通部を絶縁剤で塞ぎやすい。
発明3に係る釣り用リールの電池ケースは、発明1又は2に記載のケースにおいて、センサ収納部は、釣り用リールの内部に開口する開口部を有する。この場合には、センサ収納部が蓋などにより封止されていないので、絶縁剤を注入しやすい。
発明4に係る釣り用リールの電池ケースは、発明1から3のいずれかに記載のケースにおいて、センサ収納部には、釣り用リールのスプールの回転速度を検出するスプール回転センサが収納される。この場合には、スプール回転センサの防水と電池の防水とを簡単に行える。
本発明によれば、電池収納部とセンサ収納部とを連通部で連通させたので、電池収納部からの配線を連通部を通してセンサ収納部からケース外に取り出すことができる。このため、センサ収納部から絶縁剤を注入するだけで、絶縁剤で連通部を塞ぐことができ、電池収納部を防水できる。このため、電池ケースの防水処理を容易に行えるようになる。
図1及び図2において、本発明の一実施形態による両軸受リールは、糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有する小型の手巻きの両軸受リールである。
両軸受リールは、釣り竿に装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、リール本体1の上部に固定された、仕掛けの水深表示用のカウンターケース4とを主に備えている。
リール本体1は、左右1対の側板7a,7bとそれらを連結する複数の連結部材7cとからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の側カバー8a,8bとを有している。下側の連結部材7cには、釣り竿に装着するための竿装着脚5が一体形成されている。ハンドル2側の側カバー8bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。
リール本体1の内部には、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。また、リール本体1のハンドル2側側面には、ハンドル2とスプール10との駆動伝達をオンオフするクラッチ(図示せず)のクラッチ操作レバー11が配置されている。このクラッチをオンすると、仕掛けの自重による糸繰り出し中に、糸繰り出し動作を停止できる。
また、リール本体1の内部には、図2及び図3に示すように、スプール10に連動して動作するレベルワインド機構13やハンドル2の回転をスプール10に伝達する回転伝達機構14等が設けられている。レベルワインド機構13は、スプール10の前方に配置され、スプール10と連動して釣り糸をスプール10に均一に巻き取るために設けられている。スプール10は、スプール軸10aに固定されており、スプール軸10aは、リール本体1の両側板7a,7bに回転自在に支持されている。スプール軸10aは側板7a,7bを貫通して径方向外方に突出している。
側板7aのスプール軸10a貫通部分の前下方には、電池ケース17が、たとえば2本のビス18により固定されている。電池ケース17は、両軸受リールの側板7aに装着可能なケース本体23と、ケース本体23に着脱自在に装着された蓋部材27とを有している。
ケース本体23は、図4及び図5に示すように、たとえば、合成樹脂製であり、内部に、たとえばボタン型の電池36を収納可能な電池収納部25と、電池収納部25と壁部26を隔てて並べて配置され内部にスプール回転センサ35を収納可能なセンサ収納部28と、壁部26に形成され、電池収納部25とセンサ収納部28とを連通する連通部29とを有している。電池ケース17に収納される電池36は、カウンターケース4の電源として使用される。
電池収納部25は、内部にたとえば、開口する円柱状の空間を有している。電池収納部25は、ボタン型の電池36の正極と負極とにそれぞれ接触可能な正極端子50a及び負極端子50bが装着された電池回路基板50を内部に有している。この電池回路基板50に2本の電源配線51a,51bが接続されている。この電源配線51a,51bは、連通部29を通ってセンサ収納部28から電池ケース17の外部に導出され、カウンターケース4内に引き込まれている。電池収納部25の開口側の内周面には、蓋部材27が螺合する雌ねじ部25aが形成されている。また、底面側には、電池回路基板50が載置される載置部25bが形成されている。
センサ収納部28は、電池収納部25と壁部26を隔てて配置されており、側板7aと側カバー8aとの間の空間に開口する開口部28aを有している。センサ収納部28は、図3に示すように、スプール10のスプール軸10aに、側板7aの軸方向外方で固定された第1ギア55の外周側に配置されている。この第1ギア55には、図2及び図3に示すように、磁石56が配置されている。第1ギア55は、スプール10の回転をレベルワインド機構13に伝達するために設けられており、順次噛み合う2つの中間ギア57,58を介してスプール10の回転がレベルワインド機構13に伝達される。
センサ収納部28の内部には、スプール回転センサ35としての2つのリードスイッチ35a,35bがセンサ回路基板52に装着された状態で収納されている。センサ回路基板52には、リードスイッチ35a,35bにそれぞれ接続されたリードスイッチ配線53a,53bと、リードスイッチ35a,35bの双方に接続された共通配線53cとの3本の配線が接続されている。リードスイッチ35a,35bに磁石56に接近すると、リードスイッチ35a,35bは、それに応じてオンする。この信号により、スプール回転センサ35は、スプール10の回転方向及び回転数を検出できる。このスプール10の回転に応じた信号が配線53a〜53cを介してカウンターケース4に出力される。このスプール回転センサ35の出力により、カウンターケース4で仕掛けの水深を算出して表示する。センサ収納部28は、組立終了後に開口部28a側からシリコン等の絶縁剤が注入され封止されている。
連通部29は、センサ収納部28側から注入される絶縁剤を注入可能な連通孔29aである。したがって、センサ収納部28に絶縁剤が注入されると連通孔29aにも絶縁剤が注入される。このため、連通孔29aに配置された電源配線51a,51bの周囲も封止され、連通孔29aから電池収納部25の内部に液体が浸入しない。
蓋部材27は、電池収納部25の開口を覆うようにケース本体23に着脱自在に装着されている。蓋部材27は、側カバー8aに形成された開口から外部に露出するように配置されている。蓋部材27は、開口を覆う鍔部27aと、雌ねじ部25aに螺合する雄ねじ部27cを有するねじ部27bとを有する鍔付き円柱状の部材である。鍔部27aの表面は、硬貨などで蓋部材27を回動させることができる溝部27dが形成された三次元曲面を有している。鍔部27aの裏面と円形の開口との間には、電池収納部25を水密に封止するためのたとえばOリングからなるパッキン54が装着されている。
カウンターケース4は、図1〜図3に示すように、リール本体1の上部を覆うようにリール本体1の上部に固定されている。カウンターケース4は、リール本体1に装着され内部に水密空間を有するカウンター本体30と、ケース本体の内部に装着された回路基板31と、回路基板31上に回路基板31と隙間をあけて配置された液晶ディスプレイ32を含む複数の電気部品33とを有している。液晶ディスプレイ32は、仕掛けの水深や棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するためのものである。
カウンター本体30は、リール本体1に沿って湾曲した三次元曲面を有する表面部30aを有している。表面部30aには、図1に示すように、矩形の表示窓30cが形成され、表示窓30cを介して液晶ディスプレイ32が臨んでいる。表示窓30cには、透明樹脂製のカバー34がはめ込まれている。表示窓30cの右側には操作キー部6が設けられている。操作キー部6は、図1に示すように、上下に並べて配置された電源スイッチ6a、モードスイッチ6b、及び棚メモスイッチ6cを有している。
回路基板31は、カウンター本体30の内部に複数箇所でねじ止めされている。回路基板31には、水深表示を制御するためのマイクロコンピュータからなる制御部や液晶ディスプレイ32の駆動回路やスイッチ6a〜6c等の電気部品33が接続されている。
このような構成の両軸受リールでは、釣り糸を繰り出す時には、クラッチをクラッチ操作レバー11によりオフし、スプール10を自由に回転させ、釣り糸に装着された重りの自重により釣り糸を繰り出す。釣り糸が繰り出されるとスプール10が回転し、磁石56の回転を検出してスプール回転センサ35がカウンターケース4にスプール回転のデータを出力する。すると、液晶ディスプレイ32の水深表示が繰り出し量に応じて変化する。仕掛けが棚に到達すると、クラッチ操作レバー11によりクラッチをオンして釣り糸の繰り出しを停止する。仕掛けの当たりがあると、ハンドル2を回転させてスプール10を糸巻取方向に回転させて魚を取り込む。このときも同様に液晶ディスプレイ32の水深表示が糸巻量に応じて変化する。
釣りが終了すると、リールをメンテナンスのためにリールを水洗いすることがある。このとき、側板7aと側カバー8aとの間から水が内部に浸入することがある。しかし、電池ケース17は、シリコンなどの絶縁剤で防水処理されているので、電池ケース17の内部に水が浸入しにくい。
この防水処理を製造工場で行う場合、従来は、電池収納部から引き出される電源配線とセンサ収納部から引き出されるリードスイッチ配線及び共通配線とを別々に絶縁剤を注入して防水処理を行っている。しかし、本願発明では、電池収納部25とセンサ収納部28とを隔てる壁部26に連通部29を設けたので、センサ収納部28に絶縁剤を注入すると連通部29にも絶縁剤を注入でき、防水処理を容易に行える。また、センサ収納部28を蓋部材等で封止していないので、シールするための絶縁剤を注入しやすくなる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、電池ケース17を側板7aの第1ギア55の前方に配置したが、電池ケース17の位置は前記実施形態に限定されず、側カバー8aの内部の他の位置でもよい。
(b)前記実施形態では、センサ収納部に配置されるセンサとしてスプール回転センサを例示したが、センサ収納部に収納されるセンサは、ソレノイド等の駆動体の位置を検出するセンサやクラッチのオンオフを検出するセンサであってもよい。
(c)前記実施形態では、電池としてコイン型のリチウム乾電池を例示したが、本発明はこれに限定されず、電池としては、円板状や円筒状の電池であれば、水銀電池、空気電池、アルカリ電池等の一次電池やリチウムイオン電池、ニッケル・カドミウム電池等の二次電池でもよい。
(d)前記実施形態では、釣り用リールとして手巻きの両軸受リールを例示したが、本発明の電池ケースが採用される釣り用リールはこれに限定されない。たとえば、カウンターケースの電源として電池を用いる電動リールなど、電源として電池を用いる全ての釣り用リールに本発明を適用できる。
(e)前記実施形態では、連通部29として連通孔29aを開示したが、配線を挿通できるものであれば、切欠き等の他の形態でもよい。
本発明の一実施形態が採用された両軸受リールの斜視図。 その縦断面図。 側カバーを外した状態の両軸受リールの側面一部破断図。 蓋部材を外した状態の電池ケースの平面一部破断図。 図4のV−V断面図。
符号の説明
17 電池ケース
23 ケース本体
25 電池収納部
26 壁
28 センサ収納部
29 連通部
29a 連通孔
36 電池

Claims (4)

  1. 釣り用リールに装着可能な釣り用リールの電池ケースであって、
    前記釣り用リールに装着可能であり、内部に電池を収納可能な電池収納部と、前記電池収納部と壁部を隔てて並べて配置され内部にセンサを収納可能なセンサ収納部と、壁部に形成され前記電池収納部と前記センサ収納部とを連通する連通部とを有するケース本体と、
    前記ケース本体に着脱自在に装着され、前記電池収納部を塞ぐ蓋部材と、
    を備えた釣り用リールの電池ケース。
  2. 前記連通部は、前記センサ収納部側から注入される絶縁剤を注入可能な連通孔である、請求項1に記載の釣り用リールの電池ケース。
  3. 前記センサ収納部は、前記釣り用リールの内部に開口する開口部を有する、請求項1又は2に記載の釣り用リールの電池ケース。
  4. 前記センサ収納部には、前記釣り用リールのスプールの回転速度を検出するスプール回転センサが収納される、請求項1から3のいずれか1項に記載の釣り用リールの電池ケース。
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