JP3545095B2 - 釣り用リールの表示装置および釣り用リール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、釣り用リールの表示装置および釣り用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り用リールに、釣り糸の繰り出し量などを表示する液晶表示パネルなどからなる表示装置を備えたものがある。
【0003】
このような表示装置は、釣り糸の繰り出し量やスプールの回転量、ドラグ力の大きさなど釣りに必要な各種情報を検知するセンサ、これらセンサで検知された情報を記憶するメモリ、目的の情報を表示する表示パネル、情報を演算したり各機構を制御するマイクロコンピュータを組み込んだ制御回路などで構成されている。
【0004】
表示装置を駆動する電源には通常、カメラなどに使用されているようなボタン型の電池が用いられ、表示装置の内部に電池が装着される。ボタン型電池は電力を消耗して電池寿命が尽きると交換しなければならない。
【0005】
釣り用リールは野外で使用され、雨や海水あるいは塵埃などが接触することは避けられない。前記表示装置の内部機構や電池は、水分や塩分あるいは異物が付着すると動作異常や腐食を起こし易いので、電池を含む表示装置は全体が耐水性のある密封構造になっている。
【0006】
ところが、密封構造になった表示装置では電池の交換が行い難い。カメラ等では、装置本体に電池交換用の着脱自在な蓋が設けられ、この蓋にはOリングなどの密封機構が設けられている。しかし、カメラ等に比べてはるかに過酷な環境条件で使用される釣り用リールの場合、蓋の部分を厳重な密封構造にしたとしても、水分などの浸入を十分に阻止することができない。また、一般消費者が電池の交換を行えるようになっている場合、蓋を密閉が不完全になったり、蓋を開いている間に内部に水分などが浸入したりして、密封機能が損なわれることになる。
【0007】
そのため、従来の釣り用リールにおける表示装置では、通常は電池の交換が行えないようになっている。電池が消耗したときには、釣り用リール全体を製造元に送り返して、そこで表示装置の密封を解き電池を交換し、再び表示装置を密封処理していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
電池交換のたびに、釣り用リール全体を製造元に送り返したり表示装置の密封解除および再密封作業を行ったりするのは大変に面倒であり、それに要するコストも高くつく。
【0009】
本発明の目的は、釣り用リールの表示装置として、電池交換の煩わしい手間を省き、電池を含む表示装置全体の密封性を損なうことなく長期間にわたって使用し続けることができるようにすることにある。また、このような表示装置を備えた釣り用リールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの表示装置は、釣り用リールの動作情報を表示する表示装置であって、動作情報を記憶する記憶部と、動作情報を表示する表示部と、記憶部および表示部に駆動電力を供給する2次電池と、釣り用リール本体に備えられ、記憶部と表示部と2次電池とが封入された本体部と、釣り用リール本体とは別に設けられ、磁界発生コイルと磁界発生コイルに交流を印加する交流供給手段とを含み、外部の電源に接続されて磁界を発生する磁界発生器と、本体部に封入され、2次電池に接続され、磁界発生器の磁界により誘導電流を発生する電流発生コイルを含む電流発生器を備え、本体部の外部から2次電池に電力を供給するための給電部とを備え、外部の電源が直流電源であり、交流供給手段が直流電源からの直流を交流に変換する直流交流変換器を有する。
【0011】
発明2に係る釣り用リールの表示装置は、釣り用リール本体に備えられ釣り用リールの動作情報を表示する表示装置であって、動作情報を記憶する記憶部と、動作情報を表示する表示部と、記憶部および表示部に駆動電力を供給する2次電池と、記憶部と表示部と2次電池とが封入された本体部と、本体部の外部で釣り用リール本体に備えた外部電池と外部電池と本体部内の2次電池とを物理的に接続する配線路とを有し、本体部の外部から2次電池に電力を供給するための給電部とを備える。
【0012】
発明3に係る釣り用リールは、リール本体と、リール本体に回転自在に支持され、外周に釣糸が巻き付けられるスプールと、リール本体に配置され、スプールを含む釣り用リールの動作情報を取得する動作情報取得手段と、前記発明1又は2に記載の表示装置であって、動作情報取得手段で取得された動作情報が記憶部および表示部に伝達される表示装置とを備える。
【0013】
【作用】
発明1に係る釣り用リールの表示装置では、電力が消耗しても充電して再利用が可能な電池すなわち2次電池を、記憶部および表示部とともに本体部に封入しているので、本体部の内部構造に水分や塩分、塵埃などが浸入するのを確実に阻止することができる。本体部の外部から給電部を経て2次電池に電力を供給すれば、2次電池を本体部の外に取り出すことなく充電して繰り返し使用することができる。本体部には2次電池交換用の蓋などの機械的構造が不要になり構造の簡素化が図れる。2次電池と記憶部や表示部との間の配線構造を2次電池の交換のために切離し可能な構造にしておく必要がないので、配線の接続が簡単かつ確実になり電気的性能も向上する。また、磁界発生器の磁界で本体部に封入された電流発生器に誘導電流が発生し、この誘電電流が2次電池に供給されて充電が行われる。磁界発生器の磁界は合成樹脂等を容易に通過するので、電流発生器と磁界発生器との間に本体部を密封する壁構造が存在していても何ら問題なく電流発生器に誘導電流を発生させることができる。電流発生器と磁界発生器との間には電気的接触が必要ないので、接触不良による充電不良は生じない。充電用の電気接点が表示装置の表面に露出しないので、電気接点の腐食および腐食に伴う性能低下もない。さらに、磁界発生器において交流供給手段から磁界発生コイルに交流を供給して磁界を発生させる。電流発生器では磁界中に配置された電流発生コイルに誘導電流が発生する。磁界発生コイルおよび電流発生コイルは小型かつ簡単な構造であり、しかも、効率的に磁界あるいは誘導電流を発生させることができる。さらにまた、直流交流変換器を備えているので、磁界発生器の電源に自動車用電源などの蓄電池や1次電池などの直流電源が使用できる。
【0014】
発明2に係る釣り用リールの表示装置では、電力が消耗しても充電して再利用が可能な電池すなわち2次電池を、記憶部および表示部とともに本体部に封入しているので、本体部の内部構造に水分や塩分、塵埃などが浸入するのを確実に阻止することができる。本体部の外部から給電部を経て2次電池に電力を供給すれば、2次電池を本体部の外に取り出すことなく充電して繰り返し使用することができる。本体部には2次電池交換用の蓋などの機械的構造が不要になり構造の簡素化が図れる。2次電池と記憶部や表示部との間の配線構造を2次電池の交換のために切離し可能な構造にしておく必要がないので、配線の接続が簡単かつ確実になり電気的性能も向上する。また、本体部内の2次電池を配線路で外部電池と物理的に接続しておくので、2次電池を本体部に封入した状態でも2次電池に電力を供給することができる。釣り用リールにはクラッチ作動用のソレノイドなどを駆動する電源として外部電池を備える場合があるので、このような外部電池の電力を利用すれば、釣り用リールとは別に磁界発生器などの電力供給装置を備えておく必要がない。
【0015】
発明3に係る釣り用リールは、動作情報取得手段で得られた動作情報を表示装置に伝達して記憶させたり表示させたりする。表示装置が前記各発明の構造を備えていれば、表示装置の密封性を損なうことなく2次電池への電力供給が容易に行えるので、表示装置の電源交換に要する手間が省ける。
【0016】
【実施例】
図1に示す釣り用リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。リール本体1の上部に表示装置4が配置されている。表示装置4には釣り針の深さ位置等を数字や記号で表す液晶表示パネル5と各種の操作キー6とが配置されている。操作キー6には動作モードを設定するためのスイッチや液晶表示パネル5の表示内容を切り換えるためのスイッチなどが含まれる。表示装置4には表示装置4を駆動するための電力を供給する2次電池48が内蔵されている。
〔リール本体の全体構造〕
リール本体1は、対向して配置された1対の側板を有するフレーム10と、フレーム10の両側方に配置されたカバー11とを有している。フレーム10の中央部には釣り糸が巻き付けられるスプール12が回転自在に配置されている。
【0017】
図2に示すように、フレーム10およびカバー11の内部にはスプール12を回転駆動するための駆動系が設けられている。駆動系には、複数のギアで構成されスプール軸12とハンドル軸21との間で回転力を伝達するギア列からなる減速機構20、ハンドル軸21に装着され摩擦プレートやばねが組み合わせられてドラグ力を発生させるドラグ機構22、スプール軸12とハンドル軸21との間で回転を伝達したり切ったりするクラッチ機構24を備えている。ドラグ機構22のドラグ力はスタードラグ3の操作で調節される。減速機構20には、スプール軸12に軸方向に移動自在に支持されたピニオンギア36とピニオンギア36に噛み合うメインギア35とを含む。クラッチ機構24は、ピニオンギア36とメインギア35との噛み合いによる回転力の伝達をつないだり切ったりして、クラッチのオン/オフを行う。
【0018】
また、スプール軸12と並んで左右のカバー11、11にかけて釣糸ガイド機構14が支持されている。釣糸ガイド機構14には、ギア機構15を介してスプール軸12の回転が伝達される。釣糸ガイド機構14に備えた釣糸ガイドが軸方向に往復作動し、釣糸のスプール軸12への釣糸の巻き込みおよび引き出しを案内する。
〔クラッチ操作機構〕
図3に示すように、クラッチ機構24は、カバー11内に設けられたクラッチ操作機構によってクラッチをオン/オフできる。クラッチ操作機構には、カバー11から上方に突出して揺動自在に配置されたクラッチレバー60と、クラッチレバー60の揺動により進退しクラッチレバー60から遠い先端側が二股に分かれたクラッチプレート61と、クラッチプレート61の先端側途中に有するカム突起63に押動されて図3の紙面と直交する方向に進退するクラッチヨーク62とを有する。クラッチヨーク62はピニオンギア36と係合していて、ピニオンギア36をメインギア35に噛み合わせたり噛み合いを解除したりして、クラッチのオン/オフを行う。なお、クラッチレバー60およびクラッチヨーク62は図示しないスプリングによりクラッチオン側に常に付勢されている。
【0019】
クラッチプレート61の下方には、クラッチプレート61の二股になった先端の片側外周に係合可能でクラッチプレート61をクラッチオフ位置に維持するロック部材65と、クランク機構などを介してロック部材65をクラッチプレート61に向かって進退作動させるソレノイド66を有する。ロック部材65がクラッチプレート61に係合している状態では、クラッチプレート61はクラッチオンすなわちクラッチレバー60側には移動できない。ソレノイド66を作動させてロック部材65とクラッチプレート61との係合を解けば、クラッチプレート61がクラッチオン側に移動できるようになる。ソレノイド66は、カバー11に着脱自在に収容された乾電池67に接続されたコンデンサ68から供給される電力によって駆動される。
【0020】
ハンドル軸21にはラチェット70を有し、ラチェット70に噛み合い自在なラチェット爪71を有する。ラチェット爪71がラチェット70に噛み合った状態では、ハンドル軸21の1方向(図3では反時計方向)への回転が阻止される。ラチェット爪71の噛み合いを解除すれば、ハンドル軸21は両方向に回転できる。ラチェット70には、クラッチプレート61に当接可能なロック解除用のロッド72を有する。クラッチオフ状態でハンドル軸21を回すと、ラチェット70が時計方向に回転し、ロッド72がクラッチプレート61の片側の先端を外側に押してクラッチプレート61を揺動させる。クラッチプレート61が揺動すると、クラッチプレート61とロック部材65との係合が外れ、クラッチプレート61がスプリングの付勢力によってクラッチオン側へと移動する。
〔表示装置〕
図4に示すように、表示装置4は、合成樹脂の成形品からなり外形が矩形板状で内部に空洞を有する本体部40を備えている。本体部40は上下に分割成形された半体41、41が嵌め合わせられ、接着や熱融着等の手段で密封一体化されている。
【0021】
本体部40には回路基板42が収容されている。回路基板42の上下面には、マイクロコンピュータチップ、メモリ、その他の電子部品が実装されて回路部43を構成している。回路基板42の上面側には液晶表示パネル5が実装され回路部43に接続されている。本体部40のうち液晶表示パネル5の上面に設けられた開口には、ガラスや合成樹脂からなる透明板44が嵌め込まれ、液晶表示パネル5の表示内容が本体部40の外部から見えるようになっている。本体部40への透明板44の装着個所はパッキンや封止剤で密封されている。回路部43につながる配線45が、表示装置4の外部に引き出され、釣り用リールの各部の動作情報を取得するためのセンサ(図示せず)に接続されている。センサとしては、スプール軸12の回転数を検知するセンサ、釣糸ガイド機構14に配置されて釣糸の繰り出し巻き上げ量を検知するセンサなどがある。配線45が本体部40を貫通する個所は密封処理されていて、水分などが本体部40内に浸入しないようになっている。
【0022】
本体部40にはボタン型のカーボンリチウム電池からなる2次電池48が収容されている。2次電池48は回路基板42上に固定された状態で取り付けられ、回路部43と電気的に接続されている。
【0023】
図5に、表示装置4の電気的制御構造を表している。マイクロコンピュータなどからなる制御部400に、操作キー6およびセンサ406の信号が入力される。制御部400には、情報を記憶するメモリ402、情報を表示する液晶表示パネル5、制御部400を介してメモリ402および液晶表示パネル5に電力を供給する2次電池48が接続されている。また、制御部400には前記したクラッチ作動用のソレノイド66も接続されている。ソレノイド66にはコンデンサ68を介してソレノイド用電池67が接続されている。図2に示すように、乾電池からなるソレノイド用電池67は、リール本体1に設けられた電池収容空間69に装着され、電池が消耗すれば交換される。電池収容空間69には着脱自在な蓋69aを備えている。
【0024】
2次電池48には電流発生器410が接続されている。電流発生器410は前記制御部400とともに回路基板42の回路部43を構成する。
【0025】
電流発生器410に対応して、磁界発生器420と磁界発生器420に電力を供給する外部電源430が配置される。但し、磁界発生器420および外部電源430は表示装置4および釣り用リールとは別装置となっている。
〔2次電池への給電手段〕
図6に示すように、電流発生器410は、鉄心に巻回された電流発生コイル412と、電流発生コイル412で発生した交流の誘導電流を整流する整流器413と、電流発生器410を制御し整流器413で整流された電流を送り出す電流発生器制御部416とを有する。電流発生器410には2次電池48が接続されており、電流発生器410で発生した電流が2次電池48に蓄えられる。2次電池48は前記制御部400に接続されている。電流発生器410の電流発生コイル412は、表示装置4の本体部41内で外壁に近い場所に配置されていて、外部からの磁界による誘導電流の発生が効率良く行えるようになっている。
【0026】
磁界発生器420は、直流交流変換器すなわちDC−ACコンバータ426を介して12Vの直流電源430に接続されている。この直流電源430としては、自動車用バッテリーなどが利用できる。直流電源430から供給された直流電流がDC−ACコンバータ426を経て磁界発生に適した交流電流に変換される。磁界発生器420は、鉄心に巻回された磁界発生コイル422と、DC−ACコンバータ426から供給された電流を制御して磁界発生コイル422に供給する磁界発生器制御部424とを有する。
【0027】
磁界発生コイル422に電流が供給されると磁界が発生する。磁界発生コイル422を電流発生コイル412に近づけると、磁界中に置かれた電流発生コイル412に誘導電流が発生する。電流発生コイル412で発生した誘導電流は2次電池48に蓄えられる。
〔別の実施例1〕
図7に示す給電装置は、磁界発生器420への給電手段として、前記実施例の直流電源430に変えて商用交流電源に接続自在なプラグ428を備えている。プラグ428に供給された商用交流電流は磁界発生器420の制御部424で磁界発生に適した周波数の交流電流に変換されて磁界発生コイル422に供給される。電流発生器410の構造および電流の発生機構は前記実施例と同様である。〔別の実施例2〕
図8に示す装置は、基本的な構成は前記図5に示す実施例と共通するが、2次電池48に電力を供給するための手段が異なる。
【0028】
2次電池48がソレノイド用電池67と接続されている。具体的には、ソレノイド用電池67から電力を取り出す配線回路の一部が、表示装置4内に装着された2次電池48につながる配線45に接続されている。ソレノイド66を作動させるためにソレノイド用電池67からコンデンサ68に電流を流す際に2次電池48へも電流を流して充電を行う。したがって、2次電池48に充電するための特別な作業や操作を行わなくても、ソレノイド66を作動させる毎に自動的に2次電池48への充電が行われる。
【0029】
なお、2次電池48からソレノイド用電池67およびソレノイド66側へと電流が逆流しないように、ダイオードなどからなる逆流防止回路を設けておくことができる。
【0030】
また、表示装置4の制御部400に、ソレノイド用電池67から2次電池48への電力供給を制御するスイッチを設けて手動で操作したり、2次電池48の充電量を制御部400で検知して、ソレノイド用電池67から2次電池48への電力供給を制御したりすることもできる。
【0031】
この実施例では、前記した磁界発生器420や電流発生器420の構造は不要である。
〔別の実施例3〕
この実施例は、スプール12をモータで駆動する電動式の釣り用リールに本発明を適用した場合である。
【0032】
図9に示すように、釣り用リールの基本的な構造は前記実施例と共通している。但し、スプール12にはスプール用モータ120が内蔵され、このモータでスプール12が回転される。勿論、ハンドル2によるスプール12の回転も可能である。スプール用モータからスプール12への回転伝達機構は、通常の電動リールと同様である。
【0033】
図10に示すように、表示装置4の基本的な制御構造は前記した図5に示す実施例の場合と共通している。そして、スプール用モータ120は制御部400で電気的に制御される。スプール用モータ120およびソレノイド66は、先端に電源プラグ81を備えた電源コード80に接続されている。電源プラグ81を、釣り用リールとは別に設けられた外部電源に接続することによって、スプール用モータ120およびソレノイド66に電力が供給される。外部電源には、バッテリーなどの直流電源あるいは商用交流電源の何れを使用することもできる。
【0034】
上記実施例では、電源コード80に供給された電力を、そのままスプール用モータ120およびソレノイド66に供給しているが、釣り用リールのリール本体1に、ソレノイド66およびスプール用モータ120に電力を供給する充電池を装着しておき、この充電池を電源コード80に接続しておくことができる。この場合は、充電池に充電するときだけ電源プラグ80を外部電源に接続して、通常の釣り使用時には釣り用リールだけを単独で取り扱い操作することができる。
【0035】
電源コード80を釣り用リールに対して着脱自在に取り付けておき、電力供給が必要なときだけ電源コード80で外部電源と釣り用リールとを電気的に接続することもできる。
〔その他の実施例〕
(a) 釣り用リールおよび表示装置4の基本的な構造は、前記各実施例に限らず、通常の手動式あるいは電動式の釣り用リールの構造を自由に組み合わせて実施することができる。例えば、両軸受リール、片軸受リール、スピニングリールなどに適用できる。
【0036】
(b) 2次電池48は、通常の釣り用リールに利用されている材料および構造からなるものが使用できる。具体的には、カーボンリチウム2次電池などが使用できる。2次電池48の電圧や電気容量などの特性は、表示装置4の構造や釣り用リールの使用目的などの条件に合わせて設定される。
【0037】
2次電池48の電圧が、表示装置4の回路部43の駆動に必要な電圧と異なる場合には、回路部43に昇圧回路などの電圧調整機構を備えておくことができる。
【0038】
(c) 前記実施例のように、磁界発生器420と電流発生器410とを組み合わせれば、磁界と誘導電流を利用した非接触式の給電手段が構成できるが、磁界の発生機構および誘導電流の発生機構の具体的構造については、前記実施例以外にも各種電気装置における機構が採用できる。
【0039】
なお、充電作業中、磁界発生器420を電流発生器410に対して適切な位置に配置しておくために、表示装置4の一部に磁界発生器420との着脱自在な連結手段や係合手段を備えておくこともできる。この場合、磁界発生器420と表示装置4とは物理的には非接触ではないが、電流発生器410と磁界発生器420とが電気的に非接触であることには変わりがない。
【0040】
【発明の効果】
発明1に係る釣り用リールの表示装置は、表示装置の本体部に封入された2次電池を、外部に取り出すことなく容易に充電して繰り返し使用することができるので、2次電池の交換のために表示装置の密封を解除したり再密封したりする手間が省ける。表示装置には2次電池交換のための構造が要らないので、表示装置の構造が簡単になり密封性や電気的性能も向上する。また、表示装置の内部に密封された2次電池に、表示装置の外部から磁界発生器で充電することができるので、表示装置の密封性を何ら損なうことなく容易かつ効率的に2次電池の充電作業が行える。さらに、磁界発生コイルと電流発生コイルを利用して磁界の発生および誘導電流の発生を行うので、磁界発生器および電流発生器の構造が簡単かつ小型化され、2次電池への電力供給を効率的に行うことができる。さらにまた、蓄電池や充電池などの直流電源が利用できるので、釣り用リールを屋外や配線設備のない場所などで使用している場合でも、2次電池への電力供給が容易に行える。
【0041】
発明2に係る釣り用リールの表示装置は、表示装置の本体部に封入された2次電池を、外部に取り出すことなく容易に充電して繰り返し使用することができるので、2次電池の交換のために表示装置の密封を解除したり再密封したりする手間が省ける。表示装置には 2次電池交換のための構造が要らないので、表示装置の構造が簡単になり密封性や電気的性能も向上する。また、2次電池への電力供給源として釣り用リールに備えられているソレノイド用電池などの外部電池を利用するので、釣り用リールとは別に電力を供給する装置や手段を備えておく必要がなく、構造が簡単である。
【0042】
発明3に係る釣り用リールは、表示装置の密封性を損なうことなく2次電池への電力供給が容易に行えるので、表示装置の電源交換に要する手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す釣り用リールの正面図
【図2】前記釣り用リールの断面図
【図3】前記釣り用リールのクラッチ機構部分を表す断面図
【図4】前記釣り用リールの表示装置部分を表す断面図
【図5】前記釣り用リールの表示装置部分の制御ブロック図
【図6】前記釣り用リールの給電手段を表すブロック構造図
【図7】給電手段の別の実施例を表すブロック構造図
【図8】別の実施例を表す表示装置部分の制御ブロック図
【図9】別の実施例を表す釣り用リールの一部断面正面図
【図10】前記釣り用リールの表示装置部分の制御ブロック図
【符号の説明】
1 リール本体
4 表示装置
5 液晶表示パネル
6 操作キー
12 スプール
48 2次電池
40 本体部
41、41 半体
42 回路基板
43 回路部
67 ソレノイド用電池
400 制御部
402 メモリ
406 センサ
410 電流発生器
420 磁界発生器
430 外部電源
Claims (3)
- 釣り用リールの動作情報を表示する表示装置であって、
前記動作情報を記憶する記憶部と、
前記動作情報を表示する表示部と、
前記記憶部および前記表示部に駆動電力を供給する2次電池と、
釣り用リール本体に備えられ、前記記憶部と前記表示部と前記2次電池とが封入された本体部と、
前記釣り用リール本体とは別に設けられ、磁界発生コイルと前記磁界発生コイルに交流を印加する交流供給手段とを含み、外部の電源に接続されて磁界を発生する磁界発生器と、
前記本体部に封入され、前記2次電池に接続され、前記磁界発生器の磁界により誘導電流を発生する電流発生コイルを含む電流発生器を備え、前記本体部の外部から前記2次電池に電力を供給するための給電部とを備え、
前記外部の電源が直流電源であり、
前記交流供給手段が前記直流電源からの直流を交流に変換する直流交流変換器を有する
釣り用リールの表示装置。 - 釣り用リール本体に備えられ釣り用リールの動作情報を表示する表示装置であって、
前記動作情報を記憶する記憶部と、
前記動作情報を表示する表示部と、
前記記憶部および前記表示部に駆動電力を供給する2次電池と、
前記記憶部と前記表示部と前記2次電池とが封入された本体部と、
前記本体部の外部で前記釣り用リール本体に備えられた外部電池と前記外部電池と前記本体部内の前記2次電池とを物理的に接続する配線路とを有し、前記本体部の外部から前記2次電池に電力を供給するための給電部と
を備える釣り用リールの表示装置。 - リール本体と、
前記リール本体に回転自在に支持され、外周に釣糸が巻き付けられるスプールと、
前記リール本体に配置され、前記スプールを含む釣り用リールの動作情報を取得する動作情報取得手段と、
前記請求項1又は2に記載の表示装置であって、前記動作情報取得手段で取得された動作情報が前記記憶部および前記表示部に伝達される表示装置と
を備える釣り用リール。
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JP12347595A JP3545095B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 釣り用リールの表示装置および釣り用リール |
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1995
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