JP3020308B2 - 釣り用リール - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、釣り糸を巻き取る回転
体からの釣り糸繰り出し量を求めるセンサ、及び、この
センサからの信号に基づく釣り糸の繰り出し量が出力さ
れる報知手段を備えると共に、前記回転体を自由回転に
設定した状態で、前記センサからの信号に基づいて、前
記回転体からの釣り糸の繰り出し量が所定値に達したこ
とが検出されると前記回転体の自由回転を阻止するアク
チュエータを作動させる自動棚停止手段を備えて成る釣
り用リールの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のように構成される釣り用リールと
して電動リールを挙げると、従来からのリールでは、ス
プール（回転体）に巻回された釣り糸に接触するローラ
の回転量、あるいは、スプールの回転量を計測するセン
サを備えることで、釣り糸の繰り出し量を、これらのセ
ンサからの信号を処理することで求め、その値を液晶デ
ィスプレイ等の報知手段出力するよう構成したものが多
く、又、自動棚停止手段はスプールの伝動系の介装され
たクラッチ機構を入り操作するよう電磁ソレノイド型の
アクチュエータを用いたものも存在する（例えば特開平
２−１５０２２８号公報）。又、この種の電動リールで
はスプールを巻き取り方向に駆動するための電力が外部
のバッテリー等、比較的大容量の電源から供給されるの
で、液晶ディスプレイ、アクチュエータ夫々はこの外部
の電源からの電力で駆動されるよう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、前述のように
釣り糸の繰り出し量を把握するための報知手段、自動棚
停止手段夫々について考えるに、これらの手段は電動リ
ール以外にも、手動巻き上げ型の小型の船釣り用のリー
ルにも備えたい機能である。しかし、自動棚停止用のア
クチュエータは、その駆動時に比較的大電流を必要とす
ることから、内部に電池を備え、この電池からの電力を
夫々の手段に供給するよう構成した場合には、電池の消
耗が激しく、実釣時には比較的短時間のうちにアクチュ
エータの駆動を行えない状態に陥るばかりで無く、釣り
糸の繰り出し量の報知も行えない状態に陥ることから極
めて扱いにくいものとなり、改善の余地がある。尚、こ
の不都合を解消するため、外部のバッテリー等からの電
力供給を行うことも考えられるが、電動リールと同様に
コードを備えることになることから、操作性が低下する
ものとなる。本発明の目的は、前述した報知手段、自動
棚停止手段夫々を備えると共に、実釣時に自動棚停止手
段のアクチュエータを繰り返して駆動しても、報知手段
は機能し続ける釣り用リールを合理的に構成する点にあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、冒頭に
記したようにセンサからの信号で動作する報知手段、回
転体の自由回転を阻止するためアクチュエータを作動さ
せる自動棚停止手段夫々を備えて成る釣り用リールにお
いて、前記センサ、及び、前記報知手段夫々にのみ電力
を供給する第１電池と、前記アクチュエータに電力を供
給する第２電池とを備える、若しくは、装着可能に構成
して成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りで
ある。

【０００５】

【作用】上記特徴を例えば、図１乃至図３に示すように
構成すると、実釣時に自動棚停止手段Ａのアクチュエー
タ７を繰り返して作動させ、第２電池１５が消耗してア
クチュエータ７の駆動が不能になった場合にも、第１電
池１４は殆ど消耗しないのでセンサ１１，１１の信号に
基づき報知手段９を駆動できる。つまり、本発明では電
力を激しく消耗するアクチュエータ７の駆動用に専用の
電池を備えることにより、この電池が消耗することがあ
っても、報知手段９の機能を損なわないで済むのであ
る。

【０００６】

【発明の効果】従って、報知手段、自動棚停止手段夫々
を備えると共に、実釣時に自動棚停止手段のアクチュエ
ータを繰り返して駆動しても、報知手段は機能し続ける
釣り用リールが合理的に構成されたのである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１乃至図３に示すように、左右のサイドケース
１，１の間にレベルワインダ２、釣り糸を巻き取る回転
体としてのスプール３、サムレスト４夫々を配置すると
共に、左右のサイドケース１，１の上部同士の間に亘っ
て制御ケース５を配置し、右側のサイドケース１の外部
にハンドル６を設け、又、この右側のサイドケース１の
内部にスプール３とハンドル６との間の伝動を遮断する
クラッチ機構Ｃと、前述の従来例と同様に電磁ソレノイ
ド型のアクチュエータ７でクラッチ機構Ｃの入り操作を
行う自動棚停止手段Ａを設けて手動巻き上げ型の両軸受
リールを構成する。

【０００８】前記制御ケース５には複数の制御スイッチ
８‥、報知手段としての液晶ディスプレイ９が備えられ
ると共に、制御装置１０、及び、リードスイッチ型のセ
ンサ１１，１１を一対内装し、このセンサ１１，１１は
スプール３に形成されたギヤ部３Ｇと咬合するホイール
１２に備えたマグネット１３の磁力によりスプール３の
回転数を計測するよう構成され、前記制御装置１０はこ
のセンサ１１，１１からの信号、及び、予め設定された
データに基づいてスプール３からの釣り糸の繰り出し量
を求め、液晶ディスプレイ９に出力するよう動作する。

【０００９】又、左側のサイドケース１には前述した報
知動作を行わせるボタン型の第１電池１４、及び、自動
棚停止手段Ａを作動させるボタン型の第２電池１５夫々
を独立して内装する防水ケース１６を備え、夫々の第１
電池１４からの電力はそのままの電圧で制御ケース５に
供給され、又、第２電池１５からの電力は１２ボルトに
昇圧された後制御ケース５を介してアクチュエータ７に
供給される。尚、夫々の電池１４，１５はネジ式の蓋材
１７，１７で脱落が阻止される。

【００１０】図３に示すように、この防水ケース１６に
は第１トランジスタ１８、昇圧回路１９、第１スイッチ
ング手段２０、一対のコンデンサ２１，２１、電圧計測
回路２２、第２スイッチング手段２３夫々が内装され、
この制御系では自動棚停止制御を行う場合には第１トラ
ンジスタ１８をＯＮ操作して第２電池１５の電圧の昇圧
を図ると共に、電圧計測回路２２によりコンデンサ２１
の充電状態を判別、及び、第１スイッチング手段２０の
切換操作により一対のコンデンサ２１，２１夫々に昇圧
された電圧での充電を図るようになっている。因みに、
この制御系では充電状態のコンデンサ２１，２１の電圧
が低下した場合にも再度充電動作が行われるように動作
する。

【００１１】そして、自動棚停止制御時に仕掛が所定の
深度に達したことがセンサ１１からの信号によって判別
された場合には、制御ケース５に内装された第２トラン
ジスタ２４をＯＮ操作してアクチュエータ７の駆動を行
ってクラッチ機構Ｃを入り操作するようになっている。

【００１２】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、
例えば、図４及び図５に示すように、制御ケース５の側
部でサミングの妨げにならない位置の上面に第１電池１
４を配置し、サムレスト４の内部に比較的大容量のマン
ガン型のやアルカリ型電池の収納を行えるよう収納空間
を形成して第２電池１５を収め、側部の蓋材２５をネジ
２６で閉塞するよう実施する等、夫々の電池の配置箇所
は様々な部位に設定できる。又、本発明では第１、第２
電池夫々の少なくとも一方を交換不能状態にリール本体
に内装しても良く、又、第２電池からの電力を昇圧せず
にアクチュエータに供給するよう構成して良く、自動棚
停止手段も従来例の構造に限らず様々の形態のものに適
用できる。更に、本発明は報知手段をＰＣＭ音源等によ
り人の言葉で釣り糸の繰り出し量を報知するよう構成し
ても良い。

【００１３】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】釣り用リールの全体平面図

【図２】釣り用リールの一部切欠き側面図

【図３】制御系のブロック回路図

【図４】別実施例の釣り用リールの全体平面図

【図５】サムレストの縦断面図

【符号の説明】

３ 回転体 ７ アクチュエータ ９ 報知手段 １１ センサ １４ 第１電池 １５ 第２電池 Ａ 自動棚停止手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 釣り糸を巻き取る回転体（３）からの釣
   り糸の繰り出し量を求めるセンサ（１１）、及び、 このセンサ（１１）からの信号に基づく釣り糸の繰り出
   し量が出力される報知手段（９）を備えると共に、 前記回転体（３）を自由回転に設定した状態で、前記セ
   ンサ（１１）からの信号に基づいて、前記回転体（３）
   からの釣り糸の繰り出し量が所定値に達したことが検出
   されると前記回転体（３）の自由回転を阻止するアクチ
   ュエータ（７）を作動させる自動棚停止手段（Ａ）を備
   えて成る釣り用リールであって、 前記センサ（１１）、及び、前記報知手段（９）夫々に
   電力を供給する第１電池（１４）と、 前記アクチュエータ（７）に電力を供給する第２電池
   （１５）とを備えて成る釣り用リール。