JP2007191767A - 電子ビーム蒸発源、蒸着装置、並びに蒸着方法及び光学膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子ビーム照射に対して分解し易い蒸発材料12aを収納した材料収納部12と電子銃とを備え、真空中で材料収納部12内の蒸発材料12aに前記電子銃から出射された電子ビームEBを照射して蒸発材料12aを溶融し蒸発させる電子ビーム蒸発源において、材料収納部12はグランドから電気的に絶縁されており、材料収納部12内の蒸発材料12aは負に帯電した状態で電子ビームEBが照射される。
【選択図】図2
Description
本発明の蒸着装置によれば、電子ビームの照射に対して分解し易い蒸発材料であっても分解や突沸することなく蒸発させることができる電子ビーム蒸発源を用いるため、品質のよい膜を歩留まりよく形成することができる。
本発明の蒸着方法によれば、電子ビームの照射に対して分解し易い蒸発材料であっても分解や突沸することがないため、品質のよい膜を歩留まりよく蒸着することが可能となる。
また、本発明の光学膜によれば、光学特性及び機械的強度の優れた光学膜を提供することができる。
図1は、本発明に係る電子ビーム蒸発源の構成を示す概略図であり、電子銃とハースが一体となった270°ビーム偏向タイプの電子ビーム蒸発源を例として示している。
電子ビーム蒸発源10は、電子ビームEBを出射する電子銃11と、電子ビームの照射に対して分解し易い蒸発材料12aを収納するハースライナーである材料収納部12と、該材料収納部12が装着される水冷された銅ハースであるハース13と、電子ビームEBを偏向、走査するための磁極11a,11bを備えている。
本発明はこれらの問題を解決するものであり、以下その詳細を説明する。
本発明の電子ビーム蒸発源10では、蒸発材料12aが収納された材料収納部12とハース13とが接触しないように両者の間に絶縁物14が充填されており、材料収納部12はハース13すなわちグランドから電気的に絶縁されている。
まず蒸発材料12aに電子銃11から制御可能な加速電圧の条件で該蒸発材料12a表面に均一に当るように電子ビームEBをスキャニングしながら照射する。このとき、材料収納部12に収納された蒸発材料12aは電子ビームEBの照射により加熱溶融されるが、同時にグランドから電気的に絶縁された状態であるため、溶融した蒸発材料12bは負電荷を帯びた状態となる。
すなわち、材料収納部12下部に絶縁スペーサ14aを敷く方法(図4(a))、材料収納部12外周とハース13との間に絶縁リング14bを入れる方法(図4(b))、ハース13に磁石14cを埋設し材料収納部12を磁気浮上させる方法(図4(c))、顆粒状の絶縁スペーサ14dを材料収納部12とハース13との間に均等に挟む方法(図4(d))、絶縁物からなる材料収納部12eとする方法(図4(e))が挙げられる。
図5は、本発明に係る蒸着装置の構成を示す概略図である。
蒸着装置100は、内部が真空排気される真空チャンバー(図示せず)と、該真空チャンバー内に設けられる図1及び図2に示した電子ビーム蒸発源10と、基板21を支持しながら公転する基板支持部21とを備え、基板21上に電子ビーム蒸発源10から蒸発材料12bを蒸着して光学膜を形成することを特徴とするものである。
(S11)例えばMgF2顆粒などの電子ビーム照射に対して分解し易い蒸発材料12aを電子ビーム蒸発源10の材料収納部12に充填してグランドから電気的に絶縁させた状態とする。
(S12)真空チャンバー内を真空排気する。
(S13)ついで、真空中で蒸発材料12aに電子銃11からの電子ビームを照射して負に帯電させ、前述のようにこの負に帯電した蒸発材料12aにさらに電子ビームを照射して蒸発材料の分解や突沸を起こさずに溶融、蒸発させる(蒸気流12vの発生)。
(S14)基板支持部20の基板21に蒸気流12vを当てて該基板21上に蒸発材料の組成からなる光学膜(例えば蒸発材料12aとしてMgF2顆粒を使用したならば、MgF2からなる光学膜)を形成する。
(実施例1)
図1及び図2に示した電子ビーム蒸発源10を備えた蒸着装置100を用いて、以下の条件で溶融、蒸発実験を行った。
・材料収納部12(ハースライナー)材質:Mo
・蒸発材料12a:MgF2顆粒(粒径1〜3mm)
・絶縁物14:SiO2顆粒(粒径1〜3mm)
・電子銃11条件
・・加速電圧:−6kV
・・飛び出し電流(ビーム電流):90mA
・・スキャン比率:X50%/Y60%
・・プレヒート時間:120sec
実施例1において、電子ビーム蒸発源10における絶縁物14を省略し、それ以外は実施例1と同じ条件で溶融、蒸発実験を行った。
図6に実施例1の結果、図7に比較例1の結果を示す。
実施例1では、蒸発材料12aは均一に溶融凝固しており、材料収納部12の内壁には蒸発材料12aが溶融して蒸着したものと見られる白い付着物が均一に付着していた。
比較例1では、蒸発材料12aは溶融していたがその溶融凝固状態は均一ではなかった。また、材料収納部12の内壁には黒色の付着物が認められた。MgF2が電子ビーム照射に対して分解したものと推定される。
実施例1の条件で電子ビーム照射を継続して行い、基板21における蒸着レートをモニターした。
比較例1の条件で電子ビーム照射を継続して行い、基板21における蒸着レートをモニターした。
比較例2では、蒸発材料の突沸も多く発生し蒸着レートの変動が大きかった。それに対して実施例2では突沸も発生することなく蒸着レートは安定していた。また、このときの蒸着レートは約1.5nm/secであり、従来のMgF2固形物を用いて蒸着させた場合(実施例1において絶縁物14を省略し蒸発材料12aをMgF2固形物とした場合)と同等の蒸着レートが得られていた。
実施例1の条件で、ガラス基板である基板21上に単層のMgF2光学膜(膜厚1280nm)を形成し、その可視光波長領域における透過率を測定した。
実施例1において、絶縁物14を省略し蒸発材料12aをMgF2固形物とし、それ以外は実施例1と同じ条件としてガラス基板である基板21上に単層のMgF2光学膜(膜厚1150nm)を形成し、その可視光波長領域における透過率を測定した。
平均透過率としてみた場合に、実施例3のほうが比較例3よりも優れていた。
Claims (6)
- 電子ビーム照射に対して分解し易い蒸発材料を収納した材料収納部と電子銃とを備え、真空中で前記材料収納部内の蒸発材料に前記電子銃から出射された電子ビームを照射して該蒸発材料を溶融し蒸発させる電子ビーム蒸発源において、
前記材料収納部はグランドから電気的に絶縁されており、該材料収納部内の蒸発材料は負に帯電した状態で電子ビームが照射されることを特徴とする電子ビーム蒸発源。 - 内部が真空排気される真空チャンバーと、該真空チャンバー内に設けられる請求項1に記載の電子ビーム蒸発源と、基板を支持する基板支持部とを備え、前記基板上に電子ビーム蒸発源から蒸発材料を蒸着して光学膜を形成することを特徴とする蒸着装置。
- 電子ビーム照射に対して分解し易い蒸発材料をグランドから電気的に絶縁させた状態とし、該蒸発材料に電子ビームを照射して負に帯電させ、この負に帯電した蒸発材料にさらに電子ビームを照射して溶融、蒸発させて基板上に蒸着することを特徴とする蒸着方法。
- 前記蒸発材料は、粒状のMgF2であることを特徴とする請求項3に記載の蒸着方法。
- 電子ビーム照射に対して分解し易い蒸発材料をグランドから電気的に絶縁させた状態とし、該蒸発材料に電子ビームを照射して負に帯電させ、この負に帯電した蒸発材料にさらに電子ビームを照射して溶融、蒸発させて基板上に蒸着する蒸着方法により形成されてなることを特徴とする光学膜。
- 構成材料がMgF2であることを特徴とする請求項5に記載の光学膜。
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JP2006012306A JP2007191767A (ja) | 2006-01-20 | 2006-01-20 | 電子ビーム蒸発源、蒸着装置、並びに蒸着方法及び光学膜 |
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JP2001152321A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Optron Inc | 薄膜形成材料および成膜方法 |
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