JP6637392B2 - 間接加熱蒸着源 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸着材料を充填した容器を電子ビーム衝撃(ボンバード)により加熱し、蒸着材料を加熱、蒸発させる間接加熱蒸着源に関する。
従来から、真空チャンバー内に基板を配置して、この基板に向けて蒸着源を設置した蒸着装置が知られており、間接蒸着源としては、蒸着材料を充填した容器に電子ビーム(熱電子)を放出する電子線衝撃型蒸着源がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された電子線衝撃型蒸着源では、フィラメント5と坩堝1との間に可変電圧電源22が接続されている。可変電圧電源22は、坩堝1側が正になるような加速電圧をフィラメント5に印加する。これにより、フィラメント5から放出された熱電子e−が加速され、坩堝1の底面に衝突して、坩堝1が加熱される。その結果、坩堝1中の蒸発材料2が加熱、溶融、蒸発され、蒸発材料2の蒸気が基板17の表面に凝着して薄膜が形成される。
特開2002−371353号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の電子線衝撃型蒸着源では、加熱蒸着が終了して真空チャンバーを大気開放する場合に、電子衝撃加熱により高温となった坩堝1が、自然に冷却されて大気開放可能な温度になるまで待機する必要があった。
一般的に、坩堝1と坩堝支持板3との間に熱抵抗を大きく持たせるため、坩堝支持板3との熱伝導による坩堝1の冷却は効率的でない。また、坩堝1から周囲構造物への放熱量は、坩堝1における表面の絶対温度の4乗に比例する。したがって、高温時である場合は、坩堝1が急激に冷却され、温度が下がるにつれて温度減少率が低下して、坩堝1の冷却に時間を要してしまう。特に、坩堝1は、高融点材料によって形成されているため、加熱温度によっては高温になり易くなり、例えば、1時間以上の待機時間が必要であった。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、坩堝(ライナー)を大気開放可能な温度へ冷却するまでの時間を短縮し、生産工程のスループット向上を可能とする間接蒸着源を提供することを目的とする。
本発明の間接蒸着源の一態様は、蒸着材料を充填した容器を電子源から放出された熱電子により加熱し、蒸着材料を加熱蒸発させるものであり、容器と、電子源と、容器保持部と、移動機構と、冷却台とを備える。電子源は、容器の底部に熱電子を放出する。容器保持部は、容器の底部を露出させて保持する。移動機構は、容器保持部を駆動させて、容器を水平方向に移動させる。冷却台は、移動機構により電子源の上方から水平方向に移動した容器の底部が接触する上面を有し、容器を冷却する。
上述のように、本発明の一態様は、間接加熱蒸着終了後に、移動機構によって容器が水平方向に移動されて、冷却台の上面に載置される。これにより、容器は、冷却台との間で作用する熱伝導により冷却されるため、容器が大気開放可能な温度に低下するまでの時間を短縮することができる。その結果、生産工程のスループット向上が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る間接蒸着源の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る間接蒸着源における電子源の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る間接蒸着源の容器を水平方向に移動する状態を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る間接蒸着源の容器が冷却台に載置された状態を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る間接蒸着源の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る間接蒸着源の容器を水平方向に移動する状態を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る間接蒸着源の容器が冷却台に載置された状態を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る間接蒸着源の容器を水平方向に移動する状態を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る間接蒸着源の容器が冷却台に載置された状態を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<第1の実施形態>
[間接蒸着源の構成]
まず、第1の実施形態に係る間接蒸着源の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る間接蒸着源の概略構成図である。
図1に示す間接蒸着源1は、真空チャンバー内に設置され、容器に充填された蒸着材料を加熱、蒸発させて基板に蒸着させる。
この間接蒸着源1は、容器の第1の具体例を示すライナー2と、容器保持部の一具体例を示すホルダー3と、電子源8と、冷却台15とを備えている。
ライナー2は、有底の筒状に形成されており、底部2aと、底部2aの周縁に連続する周壁部2bと、周壁部2bの上端に連続するフランジ部2cとを有している。ライナー2の材料としては、例えば、タングステンやカーボン等のセラミックスの高融点材料を挙げることができる。また、ライナー2には、蒸着材料4が充填される。
ホルダー3は、円形の板状に形成されており、ライナー2の周壁部2bを貫通させる保持用孔3aを有している。ライナー2は、ホルダー3の上面にフランジ部2cが係合することで、ホルダー3に保持される。これにより、ライナー2とホルダー3との接触面積を小さくすることができ、ライナー2からホルダー3への熱伝導による熱損失を少なくすることができる。
ホルダー3の材料は、熱抵抗の大きいものであればよい。したがって、ホルダー3には、ライナー2の熱が伝達され難くなっている。なお、図1では、ホルダー3が1つの保持用孔3aを有しているが、本発明に係るホルダー(容器保持部)としては、複数の保持用孔を有し、複数のライナー(容器)を保持するものであってもよい。
ホルダー3の中心部には、駆動機構の一具体例を示す回転駆動軸14が接続されている。回転駆動軸14は、ホルダー3を回転駆動させて、ホルダー3に保持されたライナー2を水平方向に移動させる。この回転駆動軸14は、回転機能を損なわないよう冷却されている。
電子源8及び冷却台15は、ホルダー3の下方において、ライナー2の回転軌道上の任意の位置に配置されている。これにより、ホルダー3に保持されたライナー2が第1の位置である蒸着位置に配置されると、ライナー2は、電子源8の上方に位置する。また、ホルダー3に保持されたライナー2が第2の位置である冷却位置に配置されると、ライナー2は、冷却台15の上面に載置される。
電子源8の構成及び回路については、後で図2を参照して説明する。冷却台15は、直接水冷あるいは間接冷却により常時冷却されている。 冷却台15の上部周縁には、曲面加工15aが施されている。ホルダー3に保持されたライナー2の底面は、冷却台15の上面よりも上下方向において低い位置にある。
ホルダー3の上方には、基板保持部21が配置されている。この基板保持部21は、円形の板状に形成されており、下面において基板22を保持する。また、基板保持部21における上面の中心部には、回転駆動軸23が接続されている。回転駆動軸23は、基板保持部21を回転駆動させて、基板保持部21に保持された基板22を水平方向に移動させる。また、回転駆動軸23は、回転機能を損なわないよう冷却されている。
基板22に蒸着膜を付着させる場合は、回転駆動軸23によって基板保持部21を回転駆動させて、基板22をライナー2の上方に移動させる。これにより、ライナー2内の蒸着材料4が溶融して蒸発すると、その蒸発粒子が基板22に堆積する。なお、図1では、基板保持部21が1つの基板22を保持しているが、本発明に係る基板保持部としては、複数の基板を保持するものであってもよい。
図2は、間接蒸着源1における電子源8の構成を示す説明図である。
図2に示すように、電子源8は、フィラメント9と、フィラメント9を収容するウェネルト10とを有している。ウェネルト10には、フィラメント9を露出させる開口部が形成されている。
フィラメント9は、タングステン材からなる線材によって形成されている。このフィラメント9には、フィラメント電源11を介して加速電源12が接続されている。加速電源12は、接地されており、アース電位に対して負の高電圧、例えば300V〜6kVの電圧が印加される。ホルダー3は、アース電位となっており、ホルダー3に保持されたライナー2は、アース電位となる。フィラメント9に所定の値の電流が供給されると、フィラメント9は、ジュール加熱により熱電子供給が可能な温度、例えば2300℃前後に加熱される。
加速電源12によりアース電位に対して負の高電圧を印加すると、フィラメント9が熱電子放出可能な温度まで加熱される。そして、フィラメント9から放出された熱電子がアース電位のライナー2に向けて加速し、ライナー2は電子衝撃加熱される。
電子衝撃加熱の最大出力電流は、フィラメント9とライナー2の距離の2乗に反比例し、加速電圧の3/2乗に比例する。したがって、フィラメント9とライナー2の距離を10mm前後に設定し、加速電圧を3kV前後に設定するとよい。例えば、ライナー2をタングステン製とし、12ccの蒸着材料4を充填した場合に、出力電流0.2A程度でライナー2の温度は、1200℃以上に達する。また、ライナー2の温度は、フィラメント9の温度を上下させて熱電子放出量を調整することで制御することが可能となる。
例えば、ライナー2に蒸着材料4としてアルミ材を充填すると、アルミ材は溶融し蒸発を開始する。そして、発生した蒸発粒子13は、真空中を移動して、基板保持部21に保持された基板22のライナー2と対向した面に堆積する。その結果、所望の厚さの蒸着膜が基板22に付着する。なお、基板22の蒸着膜の付着速度は、ライナー2の温度を調整して蒸発粒子13の量を制御することにより、所望の値に設定することができる。
[間接蒸着源の冷却動作]
次に、間接蒸着源1におけるライナー2の冷却動作について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、間接蒸着源1のライナー2を水平方向に移動する状態を示す説明図である。図4は、間接蒸着源1のライナー2が冷却台15に載置された状態を示す説明図である。
所望の厚さの蒸着膜が基板22に付着すると、フィラメント9による電子衝撃加熱を停止して、蒸着を終了する。その後、図3に示すように、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させ、ライナー2を冷却台15の上方へ回転移動させる。
上述したように、ライナー2の底面は、冷却台15の上面よりも上下方向において低い位置にある。したがって、ホルダー3に保持されたライナー2が水平方向に移動すると、ライナー2の底部2aが冷却台15の上面に必ず接触する。このとき、ライナー2の底部2aが、冷却台15の曲面加工15aに接触するため、ライナー2が冷却台15の上面に円滑に持ち上げられる。
その結果、図4に示すように、ライナー2が冷却台15の上面に乗り上げて、冷却位置に配置される。そして、ライナー2は、冷却台15との熱伝導により冷却される。ライナー2の中に蒸着材料4が残っている場合は、熱伝導により蒸着材料4の冷却が進行する。また、ライナー2が冷却台15の上面に乗り上げると、ライナー2の底部2aが冷却台15に押圧され、フランジ部2cがホルダー3の上面から離れる。その結果、ライナー2は、ホルダー3の保持から解放される。
このように、ライナー2を冷却台15に載せて冷却する場合は、冷却台15を使用せずにライナー2の温度低下を待つ場合よりも、ライナー2が大気開放可能な温度へ低下するまでの時間を短縮することができる。なお、冷却台15を使用せずにライナー2の温度低下を待つ場合は、ライナー2からの放射熱、あるいはホルダー3との熱伝導によってライナー2が冷却される。
その後、図1に示す蒸着前の状態へ戻す場合は、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させる。これにより、ホルダー3がライナー2を水平方向へ押圧し、ライナー2が冷却台15から外れる。このとき、ライナー2のフランジ部2cがホルダー3の上面に係合し、ライナー2は、ホルダー3に保持される。そして、ホルダー3に保持されたライナー2は、水平方向に移動して、蒸着位置に配置される。
<第2の実施形態>
[間接蒸着源の構成]
次に、第2の実施形態に係る間接蒸着源の構成について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る間接蒸着源の概略構成図である。
第2の実施形態に係る間接蒸着源31は、第1の実施形態に係る間接蒸着源1(図1参照)と同様の構成を備えており、異なる点は、ライナー及び冷却台の構造である。そこで、ここでは、間接蒸着源31のライナー32及び冷却台16について説明し、間接蒸着源1(図1参照)と同じ構成の説明を省略する。
図5に示すように、間接蒸着源31は、容器の第2の具体例を示すライナー32と、ホルダー3と、電子源8と、冷却台15とを備えている。
ライナー32は、アウターライナー41と、ヒータープレート42と、インナーライナー43とを有している。アウターライナー41は、有底の筒状に形成されており、底部41aと、底部41aの周縁に連続する周壁部41bと、周壁部41bの上端に連続するフランジ部41cとを有している。アウターライナー41の材料としては、例えば、モリブデンやセラミックスなどの高融点材料を挙げることができる。
アウターライナー41の底部41aには、円形のプレート用貫通孔45が形成されている。このプレート用貫通孔45は、ヒータープレート42の後述する貫通部51を貫通させる。また、アウターライナー41の底部41aには、ヒータープレート42の後述するフランジ部52が係合するフランジ受け部46が設けられている。さらに、アウターライナー41の底部41aには、インナーライナー43の後述する底部43aが嵌合する嵌合凹部47が形成されている。
アウターライナー41の周壁部41bは、ホルダー3の保持用孔3aを貫通する。また、アウターライナー41のフランジ部2cは、ホルダー3の上面に係合する。これにより、ライナー32がホルダー3に保持される。これにより、ライナー32とホルダー3との接触面積を小さくすることができ、ライナー32からホルダー3への熱伝導による熱損失を少なくすることができる。
ヒータープレート42は、上下方向に延びる円柱状の貫通部51と、貫通部51の上端に連続するフランジ部52とを有している。貫通部51は、アウターライナー41のプレート用貫通孔45を貫通し、フランジ部52は、アウターライナー41のフランジ受け部46に係合する。これにより、ヒータープレート42は、アウターライナー41に保持される。このヒータープレート42は、上下方向に移動可能であり、下方向への移動は、アウターライナー41のフランジ受け部46によって制限されている。
ヒータープレート42のフランジ部52がアウターライナー41のフランジ受け部46に係合した状態において、ヒータープレート42の貫通部51における下端は、アウターライナー41の底面よりも下方に突出している。また、ヒータープレート42の上下方向の長さは、アウターライナー41のプレート用貫通孔45の上下方向の長さよりも短い。したがって、貫通部51の下端がアウターライナー41の底面と同じ高さになるように、ヒータープレート42が持ち上げられても、ヒータープレート42の上端は、アウターライナー41の底部41aにおける内面よりも上方に突出しない。
なお、ヒータープレート42の材料としては、例えば、タングステンあるいはカーボン等の高融点材料を挙げることができる。また、ヒータープレート42は、アウターライナー41に対して脱着可能であるため、ヒータープレート42が消耗した場合は、ヒータープレート42のみを交換すればよい。その結果、アウターライナー41は繰り返し使用可能となる。
インナーライナー43は、有底の筒状に形成されており、底部43aと、底部43aの周縁に連続する周壁部43bとを有している。インナーライナー43における底部43aの径は、アウターライナー41における底部41aの径よりも小さく設定されており、インナーライナー43は、アウターライナー41の内側に収容されている。
インナーライナー43には、蒸着材料4が充填される。インナーライナー43の材料としては、蒸着材料4との反応性が低い材料が好ましい。例えば、蒸着材料4としてアルミ材を適用する場合は、インナーライナー43の材料として、比較的アルミ材との反応性が低いセラミックスであるカーボンを適用することができる。
インナーライナー43の底部43aは、アウターライナー41の嵌合凹部47に嵌合している。インナーライナー43の周壁部43bとアウターライナー41の周壁部41bとの間には、適当な距離(例えば、1〜3mm)の間隙が形成されている。したがって、インナーライナー43は、底部43aのみでアウターライナー41に接触している。
インナーライナー43がアウターライナー41の内側に収容された状態において、インナーライナー43の上端(周壁部43bの上端)は、アウターライナー41の上端(フランジ部41c)よりも上方に突出している。これにより、蒸着材料4の蒸気アウターライナー41に到達しにくくなり、アウターライナー41の蒸気汚染を低減することができる。
冷却台16は、ホルダー3の下方において、ライナー32の回転軌道上の任意の位置に配置されている。ホルダー3に保持されたライナー32が第1の位置である蒸着位置に配置されると、ライナー32は、電子源8の上方に位置する。また、ホルダー3に保持されたライナー32が第2の位置である冷却位置に配置されると、ライナー32は、冷却台16の上面に載置される。
冷却台16は、直接水冷あるいは間接冷却により常時冷却されている。冷却台15の上部周縁には、テーパー加工16aが施されている。ホルダー3に保持されたライナー32におけるアウターライナー41の底面は、冷却台16の上面よりも上下方向において低い位置にある。なお、蒸着位置において、ヒータープレート42の下端は、アウターライナー41の底面よりも上下方向において低い位置にある。
加速電源12(図2参照)によりアース電位に対して負の高電圧を印加すると、フィラメント9(図2参照)が熱電子放出可能な温度まで加熱される。そして、フィラメント9から放出された熱電子がアース電位のライナー32におけるヒータープレート42に向けて加速し、ヒータープレート42は電子衝撃加熱される。
アウターライナー41は、主にヒータープレート42との熱伝導により加熱される。インナーライナー43は、アウターライナー41の嵌合凹部47との熱伝導及びヒータープレート42とアウターライナー41からの輻射熱により加熱される。蒸着材料4は、主にインナーライナー43との熱伝導により加熱され、蒸発可能な温度以上に昇温されると、蒸着が開始される。この際、インナーライナー43の温度は、例えば1200℃以上に、ヒータープレート42は、それ以上の温度に達する。
例えば、インナーライナー43に蒸着材料4としてアルミ材を充填すると、アルミ材は溶融し蒸発を開始する。そして、発生した蒸発粒子が真空中を移動して、基板保持部21に保持された基板22のインナーライナー43と対向した面に堆積する。その結果、所望の厚さの蒸着膜が基板22に付着する。なお、基板22の蒸着膜の付着速度は、インナーライナー43の温度を調整して蒸発粒子の量を制御することにより、所望の値に設定することができる。
[間接蒸着源の冷却動作]
次に、間接蒸着源31におけるライナー32の冷却動作について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、間接蒸着源31のライナー32を水平方向に移動する状態を示す説明図である。図7は、間接蒸着源31のライナー32が冷却台16に載置された状態を示す説明図である。
所望の厚さの蒸着膜が基板22に付着すると、フィラメント9(図2参照)による電子衝撃加熱を停止して、蒸着を終了する。その後、図6に示すように、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させ、ライナー32を冷却台16の上方へ回転移動させる。
上述したように、アウターライナー41の底面は、冷却台16の上面よりも上下方向において低い位置にある。したがって、ホルダー3に保持されたライナー32が水平方向に移動すると、アウターライナー41の底部41aが冷却台16の上面に必ず接触する。このとき、アウターライナー41の底部41aが、冷却台16のテーパー加工16aに接触するため、アウターライナー41の底部41aが冷却台16の上面に円滑に持ち上げられる。
さらに、ホルダー3が回転すると、ヒータープレート42の下端が冷却台16のテーパー加工16aに接触し、ヒータープレート42が冷却台16の上面に円滑に持ち上げられる。ヒータープレート42が冷却台16の上面に持ち上げられるとき、ヒータープレート42は、アウターライナー41のプレート用貫通孔45内を上方に向かって移動する。
その結果、図7に示すように、ライナー32(アウターライナー41とヒータープレート42)が冷却台16の上面に乗り上げて、冷却位置に配置される。そして、アウターライナー41及びヒータープレート42は、冷却台16との熱伝導により冷却される。また、アウターライナー41が冷却台16の上面に乗り上げると、アウターライナー41の底部41aが冷却台16に押圧され、フランジ部41cがホルダー3の上面から離れる。その結果、アウターライナー41は、ホルダー3の保持から解放される。
このように、ライナー32を冷却台16に載せて冷却する場合は、冷却台16を使用せずにライナー32の温度低下を待つ場合よりも、ライナー32が大気開放可能な温度へ低下するまでの時間を短縮することができる。なお、冷却台16を使用せずにライナー32の温度低下を待つ場合は、ライナー32からの放射熱、あるいはホルダー3との熱伝導によってライナー32が冷却される。
また、ヒータープレート42が冷却台16の上面に乗り上げた状態において、ヒータープレート42の上端とインナーライナー43の底面との間に間隙が生じている。これにより、最も温度が高くなるヒータープレート42を冷却台16によって効率良く冷却することができる。
なお、本発明に係るヒータープレートとしては、冷却台の上面に乗り上げた状態において、インナーライナーの底面に接触するものであってもよい。この場合は、冷却台を用いて、ヒータープレート、インナーライナー及びアウターライナーを冷却することができる。
その後、図5に示す蒸着前の状態へ戻す場合は、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させる。これにより、ホルダー3がライナー32を水平方向へ押圧し、ライナー32が冷却台16から外れる。このとき、アウターライナー41のフランジ部41cがホルダー3の上面に係合し、アウターライナー41がホルダー3に保持される。また、ヒータープレート42のフランジ部52がアウターライナー41のフランジ受け部46に係合し、ヒータープレート42がアウターライナー41に保持される。そして、ホルダー3に保持されたライナー32は、水平方向に移動して、蒸着位置に配置される。
<第3の実施形態>
[間接蒸着源の構成]
次に、第3の実施形態に係る間接蒸着源の構成について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、第3の実施形態に係る間接蒸着源の容器(ライナー)を水平方向に移動する状態を示す説明図である。図9は、本発明の第3の実施形態に係る間接蒸着源の容器(ライナー)が冷却台に載置された状態を示す説明図である。
第3の実施形態に係る間接蒸着源は、第1の実施形態に係る間接蒸着源1(図1参照)と同様の構成を備えており、異なる点は、ライナー及び冷却台の構造である。そこで、ここでは、第3の実施形態に係る間接蒸着源のライナー32及び冷却台17について説明し、間接蒸着源1(図1参照)と同じ構成の説明を省略する。
第3の実施形態に係る間接蒸着源は、容器の第3の具体例を示すライナー62と、冷却台17と、ホルダー3と、電子源8(図1参照)とを備えている。
ライナー32は、有底の筒状に形成されており、底部62aと、底部62aの周縁に連続する周壁部62bと、周壁部62bの上端に連続するフランジ部62cとを有している。ライナー62の材料としては、例えば、タングステンやカーボン等のセラミックスの高融点材料を挙げることができる。また、ライナー62には、蒸着材料4が充填される。底部62aの周縁には、曲面加工63が施されている。
冷却台17は、ホルダー3の下方において、ライナー62の回転軌道上の任意の位置に配置されている。ホルダー3に保持されたライナー62が第1の位置である蒸着位置に配置されると、ライナー62は、電子源8(図1参照)の上方に位置する。また、ホルダー3に保持されたライナー62が第2の位置である冷却位置に配置されると、ライナー62は、冷却台17の上面に載置される。
冷却台17は、直接水冷あるいは間接冷却により常時冷却されている。ホルダー3に保持されたライナー62の底面は、冷却台17の上面よりも上下方向において低い位置にある。
次に、間接蒸着源1におけるライナー2の冷却動作について説明する。なお、第3の実施形態に係る間接蒸着源の蒸着動作については、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
所望の厚さの蒸着膜が基板22に付着して、蒸着を終了した後、図8に示すように、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させ、ライナー62を冷却台17の上方へ回転移動させる。
上述したように、ライナー62の底面は、冷却台17の上面よりも上下方向において低い位置にある。したがって、ホルダー3に保持されたライナー62が水平方向に移動すると、ライナー62の底部62aが冷却台17の上面に必ず接触する。このとき、ライナー62の底部62aに施した曲面加工63が、冷却台17の上面における周縁部に接触するため、ライナー62が冷却台17の上面に円滑に持ち上げられる。
その結果、図9に示すように、ライナー62が冷却台17の上面に乗り上げて、冷却位置に配置される。そして、ライナー62は、冷却台17との熱伝導により冷却される。ライナー62の中に蒸着材料4が残っている場合は、熱伝導により蒸着材料4の冷却が進行する。また、ライナー62が冷却台17の上面に乗り上げると、ライナー62の底部62aが冷却台15に押圧され、フランジ部62cがホルダー3の上面から離れる。その結果、ライナー62は、ホルダー3の保持から解放される。
このように、ライナー62を冷却台17に載せて冷却する場合は、冷却台17を使用せずにライナー62の温度低下を待つ場合よりも、ライナー62が大気開放可能な温度へ低下するまでの時間を短縮することができる。なお、冷却台17を使用せずにライナー62の温度低下を待つ場合は、ライナー62からの放射熱、あるいはホルダー3との熱伝導によってライナー62が冷却される。
その後、図1に示す蒸着前の状態へ戻す場合は、回転駆動軸14によりホルダー3を回転させる。これにより、ホルダー3がライナー62を水平方向へ押圧し、ライナー62が冷却台17から外れる。このとき、ライナー62のフランジ部62cがホルダー3の上面に係合し、ライナー62は、ホルダー3に保持される。そして、ホルダー3に保持されたライナー62は、水平方向に移動して、蒸着位置に配置される。
<3.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した第3の実施形態では、ライナー62の底部62aに曲面加工63を施した。しかし、本発明に係るライナーとしては、底部にテーパー加工を施してもよい。この場合においても、ライナーの底部に施したテーパー加工が、冷却台の上面における周縁部に接触するため、ライナーが冷却台の上面に円滑に持ち上げられる。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、ライナー又は冷却台のいずれか一方に曲面加工又はテーパー加工を施す構成にした。しかし、本発明に係る間接蒸着源としては、ライナーと冷却台の両方に曲面加工又はテーパー加工を施す構成にしてもよい。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、移動機構として回転駆動軸14を適用した。しかし、本発明に係る移動機構としては、ホルダー(容器保持部)を回転させるものに限定されるものではなく、ホルダー(容器保持部)及びライナー(容器)を水平方向に移動させるものであればよい。本発明に係る移動機構としては、例えば、ホルダー(容器保持部)及びライナー(容器)を直線移動させる直線移動機構を採用してもよい。この場合は、冷却台及び電子源は、ホルダー(容器保持部)の下方において、ライナー(容器)の軌道上の任意の位置に配置されている。
1,31…間接蒸着源、 2,32,62…ライナー(容器)、 2a,62a…底部、 2b,62b…周壁部、 2c,62c…フランジ部、 3…ホルダー(容器保持部)、 3a…保持用孔、 4…蒸着材料、 8…電子源、 9…フィラメント、 10…ウェネルト、 11…フィラメント電源、 12…加速電源、 13…蒸発粒子、 14…回転駆動軸(移動機構)、 15,16,17…冷却台、 15a…曲面加工、 16a…テーパー加工、 21…基板保持部、 22…基板、 41…アウターライナー、 41a…底部、 41b…周壁部、 41c…フランジ部、 42…ヒータープレート、 43…インナーライナー、 43a…底部、 43b…周壁部、 45…プレート用貫通孔、 46…フランジ受け部、 47…嵌合凹部、 51…貫通部、 52…フランジ部、 63…曲面加工

Claims (3)

  1. 蒸着材料を充填した容器を電子源から放出された熱電子により加熱し、蒸着材料を加熱蒸発させる間接蒸着源において、
    前記容器と、
    前記容器の底部に熱電子を放出する前記電子源と、
    前記容器の底部を露出させて保持する容器保持部と、
    前記容器保持部を駆動させて、前記容器を水平方向に移動させる移動機構と、
    前記移動機構により前記電子源の上方から水平方向に移動した前記容器の底部が接触する上面を有し、前記容器を冷却する冷却台と、を備える
    ことを特徴とする間接加熱蒸着源。
  2. 前記冷却台の上部周縁又は前記容器の底部周縁の少なくとも一方は、曲面加工又はテーパー加工が施されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の間接加熱蒸着源。
  3. 前記容器保持部に保持された前記容器の底面は、前記冷却台の上面よりも上下方向において低い位置にあり、前記冷却台の上面に載った前記容器は、前記容器保持部による保持から解放される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の間接加熱蒸着源。
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