JP3099065B2 - 真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置

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JP3099065B2
JP3099065B2 JP11021607A JP2160799A JP3099065B2 JP 3099065 B2 JP3099065 B2 JP 3099065B2 JP 11021607 A JP11021607 A JP 11021607A JP 2160799 A JP2160799 A JP 2160799A JP 3099065 B2 JP3099065 B2 JP 3099065B2
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睦郎 小倉
正和 福島
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工業技術院長
睦郎 小倉
正和ハイテック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に金属(単
体金属の外、合金を含む)や誘電体の薄膜を蒸着する真
空蒸着装置に関し、特に蒸着材料供給上の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種半導体分野にとって、この種の真空
蒸着装置は極めて有用な装置であり、最近では成膜室内
を極めて高い真空度にまで真空引きするための技術や、
真空を破ることなく、複数の基板を次々と成膜室内に挿
入し、蒸着処理して行く技術等はほぼ満足な程度に達成
されている。真空を破ることなく基板を入れ替えられる
と言うのは、実は極めて有利なことで、一旦成膜室の真
空を破り、大気環境に晒してしまうと、再度、必要な真
空度に引くまでに一日以上も掛かるということがままあ
る。これでは到底、大量生産に相応しくないし、各種研
究機関での実験用途でも、能率は著しく低下してしま
う。なお、本書を通じ、真空を破るとは、真空引きされ
た各室の扉を開き、大気環境に晒すことをいい、密封状
態を保っている限り、そこでの真空度を低下させること
は含まない。
【0003】そこで、まずは便宜のため、こうした既存
の基板入れ替え機構共々、従前の真空蒸着装置の概略構
成につき、後に本発明の説明のために利用する図1に即
し、簡単に説明しておく。
【0004】図1には、本発明の適用された真空蒸着装
置の一構成例が断面構造にて概略的に示されているが、
後に本発明の望ましい実施形態の項にて説明する本発明
による改良部分を除くと、既存の従来装置の説明にも用
い得る構造部分が示されている。まず、図示しないが開
閉する扉により外部からアクセスすることもでき、真空
引きされる時には内部が高い精度で密封される成膜室10
がある。成膜室10を真空引きするポンプ装置としては、
例えば10-3Pa程度までは引くことのできるドライロータ
リポンプ11と、極めて高い真空度(10-7Paからそれ以
下)にまで引くことのできるポンプ装置として、望まし
くは磁気浮上型複合ターボ分子ポンプ12等が備えられ
る。
【0005】成膜室10の側壁部分の所定個所にはゲート
バルブ13を介し基板入替室14が連通しており、当該室14
の扉15を開く時にはゲートバルブ13を閉じて行う(図中
では説明のために開いているが)。この基板入替室14は一
般にこの種の分野で「ロードロックチェンバ」と呼ばれ
る構造になっており、この中に基板21を収めた後、扉15
を閉めてポンプ装置により真空引きし、ゲートバルブ13
を開き、例えば手動のマグネットカプラ等を利用した基
板移送手段22により、当該基板21を成膜室10内に挿入す
ることができる。このとき、基板入替室14を真空引きす
るポンプにドライロータリーポンプしか用いられておら
ず、例えば数Pa程度と、余り高い真空度にまでは引くこ
とができなくても、容積的に見て成膜室10に比し、基板
入替室14の容積は極めて小さいため、成膜室10内の真空
度の低下は、例えば密封時に10-6Pa台であったものが10
-4Pa台に低下する程度と僅かであり、容易に、かつ短時
間で元の高真空度に引くことができる。もちろん、この
基板入替室をより高真空度に引きたいときには、高価に
はなるがターボポンプ等も用い得る。
【0006】成膜室10内に挿入された基板21は、図示し
ていないがこの種の分野で公知の適当な支持機構23によ
り所定位置に支持することができ、基板21を当該機構23
により所定位置に支持させた後、移送手段22を成膜室10
内から退避させ、ゲートバルブ13を閉じることで、基板
側の成膜準備が整う。図中にはシャッタ24や膜厚監視の
ための水晶振動子を用いた膜厚計25、そしてその時々で
ポンプによる各真空引き経路を選択するための切替バル
ブ17,18,19等も模式的に併示されているが、その他、
公知既存のこの種の装置に認められる種々の機構に就い
ては、本発明に直接の関係がないので図示及び説明を省
略する。
【0007】このように、成膜室10の真空を破ることな
く、基板21を交換可能とする技術だけならば最早公知と
なっており、汎用されている。しかし、これに対して、
蒸着材料(蒸着源)の供給に関しては旧態然としてお
り、大きな改良はない。周知のように、蒸着材料を加
熱、蒸発させるメカニズムとしては、大きく分けて二つ
ある。一つは抵抗加熱方式であり、他の一つは電子ビー
ム照射機構を利用しての電子ビーム蒸着方式である。
【0008】抵抗加熱方式では、蒸着材料を充填する凹
部と、この凹部を挟んで対向する一対の電極面とを持つ
導電性のフィラメント部材に百アンペアから場合によっ
ては数百アンペア以上にも昇る大電流を通電することで
これを加熱し、凹部内に保持した蒸着材料を蒸発させ
る。この方式で最も注意を要するのは、フィラメント部
材の固定であり、フィラメント部材の電極面を成膜室内
の所定位置に設けらている一対の電極部材の一方宛に堅
固かつ均質にねじ止めすることが必要である。大電流を
流すため、フィラメント部材と電極部材間のわずかな接
触ムラ、接触抵抗のばらつきが、電流集中によって電極
部材の局所的な加熱を生み、溶融、破損に繋がることも
あるためである。当然、このようなねじ止め作業は、成
膜室10の扉を開いて作業者が一々人手で行う。
【0009】電子ビーム蒸着方式の場合は、フィラメン
ト部材に備えられている材料充填部よりは一般に大容量
(それでも数ccから数十cc程度)の坩堝と呼ばれる導電
性ないし非導電性の容器内に蒸着材料を充填し、やはり
成膜室10の扉を開き、人手による作業でこの坩堝を所定
位置に収めるようにする。成膜時には、電子ビーム照射
機構28に備えられている電子銃から発せられた電子ビー
ムを図示しない磁界偏向機構等を利用して偏向走査し、
坩堝内の材料表面を掃引照射することで当該材料を直接
的にエネルギ励起し、表面から加熱、蒸発させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】してみるに、このよう
な真空蒸着装置では、蒸着材料の供給に関し、二つの課
題ないし要請がある。蒸着材料の大容量化と多種化であ
る。例えば、基板ではなく、金属蒸着テープ等、長尺も
のを製造する用途等では、大量生産を可能にするため
に、単一種であっても大容量の蒸着材料が要求される。
そこで従来からも、原材テープを成膜室内にてロールに
巻いた状態で保持し、巻き取りロールに巻き取らせなが
ら、あるいは外部から複雑なシール機構を介して大気環
境中から連続的に成膜室内に供給しながら、蒸着材料の
方も差動排気機構を通して大気環境中から成膜室内の坩
堝に連続して供給し得るように構成したものがある(例
えば特開平9-209129号公報)。
【0011】しかし、このような手法は、それこそ差動
排気機構に極めて複雑で高精度な構成が要求され、高
価、大型になる。また、もとより、少量多品種の蒸着材
料が要求される用途には全く向かない。
【0012】例えば、半導体産業や、各種研究機関の実
験レベルでは、確かに一度にある程度以上の量の蒸着材
料が供給されていれば望ましいことも多々あるが、それ
以上に、数種類から場合によっては数十種類にも昇る多
種の蒸着材料を要求することが多い。合金を蒸着する場
合等には、一度に複数の蒸着材料を使用せねばならない
ときもある。
【0013】そこで従来からも、一応、幾つかの方策も
採られてはいた。抵抗加熱方式の場合には、フィラメン
ト部材を複数個、互いに並設の関係でそれぞれねじ止め
しておくと言う手法があったし、電子ビーム蒸着方式の
場合にも、複数の坩堝を収めた保持台部材を成膜室内で
直線的に移動可能に、あるいは皿状ないし円盤状の保持
台部材を回転可能に保持し、それら複数の坩堝の中、そ
の時に使う材料を納めた坩堝を保持台部材を動かすこと
で電子ビームの掃引照射を受け得る所定位置にまで持っ
てくる,という手法があった。
【0014】しかし、前者の抵抗加熱方式の場合、並設
数は多くても十に及ばず、しかも、それぞれの固定位置
がターゲート(基板)に対して異なる距離に置かれるこ
とになるため、並設方向中央に位置するフィラメント部
材中の蒸着材料と両端に位置するものとでは蒸着条件が
変わってしまい、初期通りの精度を保っての薄膜蒸着が
できなくなるという問題があった。当然、並設数を増す
程にこの欠点は増大するし、と言うより、そもそも並設
数に限りがあるため、別な材料を使用するときには成膜
室の真空を破り、新たに別なフィラメント部材を取り付
け直さねばならない手間がある。もちろん、基板の交換
時について述べたと同様に、高真空度に引かれていた成
膜室を一旦、大気環境に晒してしまうと、再び元の真空
度に戻すのに一日以上も掛かってしまうという大変な不
都合がある。さらに、時間だけではない問題として、成
膜中の基板表面が大気環境、特に酸素に晒されると、作
成される膜の品質が悪化し、作製される半導体デバイス
の性能自体にまで悪影響を及ぼしてしまうか、不良品と
なることすらあり、歩留まりにも良い影響を与えない。
【0015】第一、全てのフィラメント部材の中身が空
になった訳でもないのに、例え一つといえどもフィラメ
ント部材の中身が空になると、これを補充する目的だけ
のために、成膜室の真空を解かねばならないのは、そも
そも不合理である。その度ごとの手作業によるフィラメ
ント部材の交換作業も極めて面倒である。残存している
蒸着材料の品質も損なわれることすらある。
【0016】対して、電子ビーム蒸着方式で坩堝を複数
個保持させておくという手法でも、一度に使用できる蒸
着材料の量こそ増えるとはいえ、多品種に耐え得る設備
環境とは到底言えない。やはり要求される種類が増えれ
ばしばしば成膜室の真空を破らねばならない状況が発生
する。逆に、大容量の坩堝を固定的に備えさせておく
と、熱収縮による坩堝自身の破損なども生じ兼ねない
し、合金の蒸着等では各元素の蒸気圧の違いにより材料
の組成が変化し、蒸着回数に応じて膜組成が変動するた
め、対応できないということもある。それら蒸着材料間
の相互汚染という恐れもある。
【0017】本発明はこうした従来の実情に鑑みてなさ
れたもので、連続的ないし間欠的に同一蒸着材料の供給
を求められる用途(すなわち、かなり大量の材料が要求
される用途)であっても、あるいはそれぞれは少量でも
多品種の蒸着材料の供給を求められる用途であっても、
成膜室の真空を破ることなくこれに応えることができる
真空蒸着装置の提供をその主たる目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、真空引きされる成膜室内に蒸着材料を収容
し、これを加熱機構により加熱、蒸発させ、成膜室内に
保持した基板上に蒸発した材料による薄膜を蒸着する真
空蒸着装置における改良として;選択的に真空引きさ
れ、真空引きされた状態でゲートバルブが開かれると成
膜室に真空を破ることなく連通し、ゲートバルブが閉じ
た状態では外部から蒸着材料を収めることのできる材料
入替チェンバと;この材料入替チェンバ内にて容器に収
めた蒸着材料を上記のゲートバルブが開いた状態で成膜
室内に当該容器共々移送する移送手段と;成膜室内にて
移送手段により移送されてきた蒸着材料を所定位置に保
持する保持機構と;を有して成る真空蒸着装置を提案す
る。
【0019】上記の基本構成を満たした上で、本発明で
はさらに、抵抗加熱方式と電子ビーム蒸着方式のそれぞ
れに対応し得る下位構成も提案する。まず、前者の場合
として、上記の容器は蒸着材料を充填する凹部を挟んで
対向する一対の電極面を持つ導電性のフィラメント部材
であり;このフィラメント部材は所定位置に蒸着材料を
保持すべき時に既述の保持機構により保持されると共
に;既述の加熱機構は、保持機構により保持されたフィ
ラメント部材の一対の電極面の各々宛にそれぞれ電気的
に接触する電極部材を介してフィラメント部材に電流を
通電し、もって当該フィラメント部材を加熱することで
蒸着材料を加熱、蒸発させる抵抗加熱機構であること;
を特徴とする真空蒸着装置、すなわち抵抗加熱式蒸着装
置を提案する。
【0020】この場合、より具体的な構成としては、上
記の移送手段は、移送の間、フィラメント部材を着脱可
能に仮保持できる仮保持部を有する一方;保持機構は駆
動装置により開閉できる一対の咬持(こうじ)部材を有
し;それら一対の咬持部材が互いに離間した開位置にあ
る時に移送手段により移送されてきたフィラメント部材
を、上記の駆動装置が一対の咬持部材を閉位置に付ける
べく駆動することで当該一対の咬持部材によりフィラメ
ント部材を押し挟ませ、もってフィラメント部材を既述
した所定位置に保持すること;を特徴とする真空蒸着装
置を提案する。
【0021】さらに、これら一対の咬持部材の少なくと
も一方は、フィラメント部材に当接する当接部分が既述
した電極部材となっており;フィラメント部材を押し挟
む時に当該電極部材が駆動装置により印加される押圧力
を受けること;を特徴とする真空蒸着装置も提案する。
【0022】加えて、フィラメント部材に大電流を流す
必要のある抵抗加熱式蒸着方式において、フィラメント
部材の一対の電極面とそれらにそれぞれ接触する一対の
電極部材の各々との機械的、電気的接触を安定化、均一
化し、均一な電流をフィラメント部材に流し得るように
する構造的工夫として、一対の咬持部材の双方または少
なくとも一方はピボット機構を有し;このピボット機構
は、駆動装置が特定の一軸方向に沿って一対の咬持部材
の双方または少なくとも一方を駆動し、それら一対の咬
持部材によりフィラメント部材を押し挟ませることで、
フィラメント部材に設けられている一対の電極面の一方
が上記一対の電極部材の対応する一方に、他方が他方
に、それぞれ対応的に当接するに際し、それら両当接部
位の電極面相互で均質な当接圧力関係ないし抵抗接触関
係が得られるように、上記一軸方向に直交する平面にお
いてフィラメント部材の、またはフィラメント部材に当
接する部分の、機械的な傾きを許容するべく構成されて
いること;を特徴とする真空蒸着装置を提案する。
【0023】なお、移送手段は、一度に複数のフィラメ
ント部材を移送できる仮保持部を有し、上記した一対の
咬持部材は、それら複数のフィラメント部材の各々に対
応させて複数組設けられているように構成することもで
きる。特に、この考えに従う場合、基本単位を二組とす
ると、上述したピボット機構を採用するに際して合理的
な構成を採ることができる。つまり、移送手段は、一度
に二つのフィラメント部材を移送できる仮保持部を有
し、一対の咬持部材はそれら二つのフィラメント部材の
各々に対応させて二組設けられており、これに対応し、
ピボット機構もそれぞれ一つずつ、計二組設けらている
に加え;上記一対の咬持部材の少なくとも一方の一部は
共用部分としてそれぞれのフィラメント部材用のそれぞ
れの咬持部材の一部分同士を兼ね;上記のピボット機構
は、それぞれ第一のピボット機構としてフィラメント部
材の長さ方向に沿った断面で見ての上記機械的な傾きを
許容する一方;上記咬持部材の共用部分には、第一のピ
ボット機構の許容する方向と直交し、二つのフィラメン
ト部材の並設方向に沿った断面上で当該共用部分の機械
的な傾きを許容するため、上記の第一のピボット機構と
は異なる第二のピボット機構が設けられていること;を
特徴とする真空蒸着装置を提案できる。
【0024】本発明のまた別な態様では、既述した本発
明の基本構成を援用した電子ビーム蒸着方式の真空蒸着
装置も提案できる。すなわち、上記した容器は坩堝であ
り;上記の加熱機構はこの坩堝内に収めた蒸着材料を電
子ビームにより掃引して加熱、蒸発させる電子ビーム照
射機構であること;を特徴とする真空蒸着装置を提供す
る。
【0025】この方式に従う装置を構成する場合、上記
の移送手段は坩堝を着脱可能に仮保持する仮保持部を有
する一方、保持機構は当該移送手段が坩堝の仮保持を解
いた時に坩堝を上記の所定位置に位置付ける保持部分を
有するように構成する。この保持機構にあって坩堝を保
持する部分は複数個所に設けることができ、保持機構を
駆動装置により直線動ないし回転動させすることで、そ
れら複数箇所に保持した複数の坩堝の一つを上記所定位
置に選択的に付けるように構成することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1には本発明に従って構成され
た真空蒸着装置の望ましい実施形態における縦断側面が
概略的に示されている。既に従来例の説明に即して説明
した部分に就いてはその記載を援用し、さらに、本「発
明の実施の形態」の項で説明しない部分についてはこの
種の装置における公知既存の構造を必要に応じ任意に採
用することができる。本発明の立場からすれば、実質的
に蒸着材料の供給に関する改良であるため、既に説明し
たように、基板21が入替可能になっているか否かは本質
的なことではない。場合により、基板21は成膜室10内に
手作業によって固定的に取り付けられるものであっても
良いが、やはり既述の構成により、成膜室10の真空を破
ることなく入替可能になっていることが望ましい。
【0027】この実施形態に示されている真空蒸着装置
では、抵抗加熱方式も電子ビーム蒸着方式も採用できる
装置構成となっている。まず、抵抗加熱方式を採用する
蒸着装置として説明すると、成膜室10に対し、ゲートバ
ルブ41を開くことで真空を破らずに連通する材料入替チ
ェンバ42が設けられている。図中では説明のため、扉43
は開いた状態で示されているが、この扉43は材料入替チ
ェンバ42内に蒸着材料を容器45に入れて収めたり、逆に
空になった容器45を取り出すために一般には手作業で開
閉できるように構成される。もちろん、この扉43を開く
時にはゲートバルブ41は閉じられる。
【0028】材料入替チェンバ42は、ゲートバルブ41、
扉43が閉じられた状態で例えばドライロータリポンプ11
で真空引きされるように構成されている。成膜室10内が
極めて高真空度に引かれる時にも、ゲートバルブを開く
ことでこれに連通する材料入替チェンバ42内は、一般に
ドライロータリポンプ11で真空引きする程度で十分であ
る。容積差が大きいため、成膜室10と材料入替チェンバ
42が連通しても、成膜室10内の真空度はそれほど大きく
低下することはなく、後述のように連続的に材料を供給
ないし入れ替えて行く時にも成膜室10の真空度の低下分
を補うのは容易であり、かつ、短時間で済む。逆に言え
ば、通常、抵抗加熱方式においてフィラメント部材と呼
ばれる蒸着材料容器の大きさ(概ね幅 1〜2cm、長さ 5cm
程度)からして、これを後述のように一遍に複数本取り
扱うようにしたにしても、そんなに大きくする必要はな
く、成膜室の大きさ(例えば70cm角程度)に比べれば十
分小容積にできる。ただし、必要があれば、高価にはな
るが成膜室に備えられていると同様のターボ分子ポンプ
等で真空引きするように構成しても構わない。
【0029】ゲートバルブ41を閉じ、扉43を開いた状態
で材料入替チェンバ42内に収められる蒸着材料は、容器
45に入れられて移送手段46に装着される。以下では簡単
のため、上述のようにこの種分野で一般的な呼称に従
い、容器45をフィラメント部材ないし単にフィラメント
と呼ぶ。移送手段46は、図示の場合はその構成要素の一
つとして移送シャフト47を有し、この移送シャフト47の
一部分にフィラメント45を取り外し可能に装着する仮保
持部48が設けられている。仮保持部48は、後述のより望
ましい具体的実施形態では単にフィラメントを載せ置く
だけの枠構造として構成されるが、この説明は後に譲
る。要は、少なくともフィラメント45を取り外し可能に
仮保持しておく部分が移送シャフト47に設けられていれ
ば良い。
【0030】移送シャフト47は、適当な駆動手段により
蒸着材料を充填したフィラメント45を材料入替チェンバ
42から成膜室10内に送りこんだり、逆に成膜室10内から
取り出したりできるように、図示の場合は水平左右方向
である一軸方向に沿って前後移動できるように構成さ
れ、その駆動機構は、電気機械的な仕組みであっても良
いが、一般には手動で十分である。例えば、周知のマグ
ネットカプラと呼ばれる機構を利用することで、移送シ
ャフト47を覆う管状部材の外側から図示しないマグネッ
ト部分を作業者が手で前後させ、移送シャフト47を成膜
室10内に向けて動かしたり、逆に退室方向に動かしたり
するように構成できる。本出願人の実験装置例ではその
ように構成されている。
【0031】扉43を閉じ、真空引きした後、ゲートバル
ブを開き、移送手段46を動かして材料入替チェンバ42か
ら成膜室10内に送られてきた蒸着材料ないしその容器で
あるフィラメント45は、適当なる保持機構50により成膜
室の所定位置に保持される。そして、保持された状態
で、フィラメントを加熱し、ひいてはこれに充填されて
いる蒸着材料を加熱、蒸発させるための電流供給も受け
得るように、電極部材に電気的に接触もする。後述の望
ましい構造例では、保持機構の一部は電極部材をも兼ね
ているが、原理的にはそれぞれ別個な部材、機構であっ
ても良い。いずれにしても、適当なる機械技術を用いて
構築された保持機構50により、着脱可能にフィラメント
45を仮保持していた移送手段46からフィラメント45が外
され、保持されれば、移送手段46は退避させることがで
き、その後、ゲートバルブ41を閉めることで、公知の抵
抗加熱方式に従う基板21に対する薄膜蒸着作業に移るこ
とができる。
【0032】保持機構50はもちろん、外部から真空を破
ることなく成膜室内部に設けられている可動部材を駆動
し、フィラメント45を選択的に保持したり解放できるよ
うに構成する。フィラメント45の材料充填部内が空にな
ったり、他の蒸着材料に変えたいときには、材料入替チ
ェンバ42内の真空を保った状態でゲートバルブ41を開
き、移送手段46を成膜室10内に侵入させる。その後、保
持機構50はフィラメント45を解放し、解放されたフィラ
メント45は移送手段46に再度、仮保持された状態で材料
入替チェンバ42に向けて退避される。
【0033】フィラメント45を材料入替チェンバ42内に
退避させた後には、ゲートバルブ41を閉め、扉43を開け
てフィラメントを入れ替えることができ、このようにし
て、新たな追加分の材料、ないし材料種を変えられた材
料を充填してあるフィラメント45は、再び既述した手順
に従い、移送手段46によって成膜室10内の所定位置に送
り込んで保持機構50により保持させることができ、その
結果、成膜室の真空を破ることなく、連続蒸着作業を行
うことができる。連続蒸着作業とは、本書では成膜室10
の真空を破ることなく、蒸着と材料供給を繰返し得るこ
とである。
【0034】上述のように、保持機構50の構造自体は、
公知既存の機械技術をして、以下に開示する構造以外の
構造をも採用可能ではあろうが、抵抗加熱方式の場合、
先に少し述べたように、電極部材との接触も電気的、機
械的に均一、安定でなければならない。そこで本発明で
は、単に取替えの簡便の外、電極的接触の確実化を図る
ため、この保持機構50に関しても工夫を施した構造例を
開示する。
【0035】図2,6には保持機構50の要部の静的な構
成例が示され、図3〜5には構成に加え、移送手段との
兼ね合いでの動き方の説明も含まれている。
【0036】まず、図3,4,5に示すように、移送手
段46の一構成要素である移送シャフト47の適当な個所、
例えば図示のように望ましい位置としての仮保持部に仮
保持部48が設けられている。この仮保持部48は、この場
合、枠状構造になっており、また、一度に二つのフィラ
メント45,45を取り外し可能に仮保持し得るようにする
ため、この枠状仮保持部48の対向する一対の側縁部分の
上面にはそれぞれ一対の溝49,49が穿たれていて、この
中に各フィラメント45の両端部分を落とし嵌めするよう
にしてフィラメント45を載持する。フィラメント45,45
は導電性で高耐熱な適当なる材料、望ましくはモリブデ
ン、タングステン、タンタル等から作られ、細幅条片状
をなし、中央部分が凹んで、そこが図示しない蒸着材料
の充填部となっており、両端部分のこの場合上面部は、
それぞれ電極面となっている。
【0037】保持機構50は、成膜室10内の所定位置にま
で、仮保持部48の上に載って移送されてきたフィラメン
ト45,45を、この実施形態では上下から咬持する一対の
咬持部材52,53を有している。ここからは、特に断らな
い限り、図示の場合は移送方向で前後に二つ用意されて
いるフィラメント45の一方のみにつき、その咬持機構に
ついて説明する。双方共に同じ機構なので、その方がむ
しろ簡明である。
【0038】一対の咬持部材の中、下側咬持部材52は、
この場合、移送手段46によりフィラメント45が所定位置
に移送されてきたときに、それを載せている枠状仮保持
部48の幅よりも若干広い距離を置いて対向している一対
の支柱部材54,54を有している。換言すると、この一対
の下側支柱部材54,54の間に仮保持部48は侵入すること
ができ、そこから退くこともできる。
【0039】下側支柱部材54,54は剛性のある材料、例
えば銅の角柱等から構成され、その上端面部分にはフィ
ラメント45を安定に保持するためにその両端を受ける浅
い溝が設けられていて、これらは共に、セラミックス
等、絶縁性の平板部材55の上に共通固定されている。固
定手段は図示していないが適当な手法に従って良く、一
般にはネジ止めであって良い。この平板部材55の下に
は、さらに複数の積層部材55〜58( 部材58は図3〜5で
は見えておらず、図6の方に模式的に示してある)があ
るが、これは図6に即しその理由共々、後述する。ここ
では、図示しない成膜室10の外部に設けられた駆動機構
により、駆動シャフト61を介し、この下側咬持部材、特
にその下側支柱部材54,54が上下動できることのみを述
べておく。
【0040】一方、上側咬持部材53は、後に図2の模式
図に即して説明するように、成膜室壁面と絶縁を保ちな
がら成膜室10内部に固定される導電性で頑固な支柱62,
62を有し、支柱62,62の先端は鉤型に折れてその先端下
面が下側咬持部材52,52の下側支柱部材54,54の上面に
位置的に整合している。そして、この実施形態では、こ
れも後に模式的に図2に即して説明するように、支柱部
材の折れ曲がった先端下面部分が、導電性支柱62,62を
介し電気的に外部電流源に接続される電極部材63,63を
構成しており、これが、フィラメントの両端上面の電極
面にそれぞれ当接する。
【0041】次に、動作を追って説明するに、まず図3
に示すように、図示しない外部駆動機構により駆動シャ
フト61を介して下側位置に付けられている下側咬持部材
52、特にその下側支柱部材54,54が下方に引かれている
と、それらと位置固定の上側咬持部材、特にその電極部
材63,63との間には所定距離の隙間が生まれる。
【0042】従って、移送手段46を矢印A方向に動かす
ことで、当該移送手段46の仮保持部48の溝49に載せられ
ているフィラメント45を、これら一対の上下咬持部材の
間に挿入することができる。
【0043】フィラメント45が所定位置にまで来た所
で、図4に示すように、駆動シャフト62を所定の一軸方
向、この実施形態では鉛直方向で上方Bに駆動すると、
下側咬持部材52の一対の下側支柱部材54,54の上面がや
がてフィラメント45の下面に当接する。そのまま、さら
に上方向Bに駆動シャフト61を動かして行くと、フィラ
メント45は下側支柱部材54,54の上面の溝に入った状態
で移送手段46の仮保持部49に載持されている状態から持
ち上げられ、最後にはフィラメント長さ方向両端部分の
上面電極部分が上側咬持部材53に備えられている上述の
電極部材63,63の下面に当接し、その後、駆動シャフト
61を介して印加する押圧力を実際の装置ごとに最適に調
整することで、これら上下咬持部材によりフィラメント
45を機械的にしっかりと保持し、かつ、一対の電極部材
63,63をフィラメント45に電気的に密に接触させること
ができる。
【0044】もちろん、フィラメント45を上下咬持部材
が保持した後は、図4中で矢印Cにて示すように、移送
手段46は退避させることができ、最終的には図5に示す
ように、フィラメント45を成膜室内の所定位置に固定し
た状態を得ることができる。従って、移送手段46を材料
入替チェンバ側に引き抜いてからゲートバルブ41を閉じ
ることで成膜室10内は密封され、要すれば若干真空度の
低下があった場合にはこれを補う真空引きをした後、一
対の電極部材63,63を介しフィラメント45に通電するこ
とで、フィラメント充填部に充填されている蒸着材料を
加熱、蒸発させる真空蒸着工程に移ることができる。
【0045】図2には成膜室の断面との関係で保持機構
50の設置具合が模式的に示されている。成膜室10のハウ
ジング壁面64の内壁面上に絶縁部材65を介し上側咬持部
材53の支柱62,62が固定され、支柱62の根元部分で図示
の場合には幅広となっている導電性底部に電気的に接続
する端子部材66,66が、絶縁部材67を介し、成膜室10の
水密性を破らない状態で外部に引き出され、この引き出
された外部端部66,66に、図示しない電流源の出力端子
が接続される。一般に一対の端子66,66の一方がホット
側となり、他方がコールド側となる。ただし、印加電流
は直流の場合も交流の場合もある。
【0046】一方、下側咬持部材52は駆動シャフト61に
より上下駆動されるが、真空ベローズ68等を用いて、こ
れも成膜室10内の真空を破らないように当該シャフト61
の一端がハウジング外部に引き出され、これが図示しな
い駆動機構、例えばエアシリンダ機構のピストン出力端
に機械的に接続される。ただし、駆動機構は、エアシリ
ンダ機構であることが望ましいものの、これに限らな
い。例えば電気モータとギア列を用いた駆動機構等であ
っても良く、要は所定の一軸方向(ここでは上下方向)
に沿って咬持部材の一方を駆動でき、必要な圧力を持っ
て咬持部材間にてフィラメント45を押し挟み得るもので
あれば良い。尚、図2はここでの説明のために概略的に
示されたもので、図3〜5に示されている形状を忠実に
は示していない。下側咬持部材52に備えられている一対
の下側支柱部材54,54も、一枚の平板部材55に単に接続
固定している状態で示してあり、実際にもそうであって
も良いが、本出願人の実験装置では先に少し説明し、ま
た後述するように、複数の部材の重ね合わせ構造となっ
ている。さらに、同じく本出願人の実験装置では、実際
には支柱62,62と成膜室ハウジング壁面64との間には幅
広で横から見るとS字にうねった銅板部材によるバネ手
段が介在していて、駆動シャフト61によるフィラメント
45への大きな圧力(例えば 150kg程度の力)の印加時に
端子部材66,66に掛かるストレスを緩和している。もっ
とも、このような圧力印加時の緩衝機構自体は公知既存
の技術により通常採用される手法であるため、特に図示
はしていない。
【0047】また、上側咬持部材の支柱62,62は、真っ
直ぐに伸びる部分と先端で鉤型に折れ曲がった部分と
が、実際には図2に模式的に示されているように別体の
部分であっても良く、例えば図2中の上側図面に示され
ているように、適当なるネジ止め取り付け部69などによ
り、支柱62に対して電極部材63共々、取り外し可能に固
定できるものでも良い。これは、駆動機構によりフィラ
メント45を保持し得るのみならず、何等かの必要に応じ
ては、成膜室10の真空を破った状態で手作業でもフィラ
メント45の取り付けや取り外しを可能にすることも意味
する。
【0048】しかるに、先にも少し述べたように、抵抗
加熱方式の場合、少なくとも百アンペア以上から数百ア
ンペアにも昇る大電流を取り扱う結果、フィラメント45
とこれに電流を通電するために接触する電極部材63との
間に僅かな接触ムラでもあると局所的な加熱を招き、一
般に相対的に低融点の銅等で作られる電極部材63の溶
融、破損も起こり得る。
【0049】そこで本発明では、より具体的な態様とし
て、ピボット機構を利用し、フィラメント45の機械的な
保持の均一化と電極部材63,63に対する抵抗接触関係の
均一化、安定化を図っている。
【0050】図6はこの実施形態で用いられているピボ
ット機構の概略を示している。本図中に抜き出して示し
てあるのは下側咬持部材52で、その一番上にある下側支
柱部材54が直ぐ下の平板部材55に適当な手段により固定
されていることは既述した。この実施形態では、この平
板部材55の下に、さらに剛性のある材料、例えばステン
レス材料等により、第二の板部材56が固定され、この第
二の板部材56はまた第三の板部材57の上に載持されてい
る。この実施形態では一度に二つのフィラメント45,45
を搬送するように構成されているので、下側咬持部材52
中にあってその構成要素の一部をなしているこの第三の
板部材57は双方のフィラメント45,45を支持する支柱部
材54,54に共用の部材となっている。
【0051】第三の板部材57はさらにその下にあって連
結部材58に固定され、この連結部材が例えばフランジを
用いたネジ止め等、適当なる固定手法により、駆動シャ
フト61に固定されている。
【0052】第二板部材56と第三板部材57の接触面部分
には、第一のピボット機構71が設けられている。第二板
部材56はまだ、各フィラメント支持用に個別に設けられ
ているので、この第一のピボット機構も並設の関係で二
つある。第一ピボット機構71は、第二板部材56の底面に
穿たれた凹みの中に第三板部材57の上面から隆起したピ
ボット突起73が嵌合する構造になっており、その結果、
望ましくは図6中、下側の図面に示されているように、
y方向に左右 5度程、平板部材55、ひいてはその上に共
通固定されている各支柱部材54,54の傾きを許容し得る
ようになっている。この傾きを許容する方向yは、駆動
シャフト61の動く方向Bと直交する平面においての傾き
方向である。この実施形態では、二つのフィラメント4
5,45を共用部分57,58を有する下側咬持部材52で同時
に押し上げる構造であるため、この第一のピボット機構
71における上記の平面での傾きが上記の一軸方向yにの
み許容されているのに対し、これに直交するx方向への
傾きも許容すべく、共用部分を利用した第二のピボット
機構72が設けられている。
【0053】すなわち、第三板部材57と最も下側の連結
部材58との間に第二のピボット機構72が設けられ、第三
板部材下面に穿たれた凹みの中に、連結部材58の上面に
設けられたピボット突起74が嵌合し、これにより、それ
より上の構造体部分を上記のy方向と直交する方向x
に、これも例えば 5度程、傾きを許容している。なお、
各支柱部材54の許容された傾き以外の平面内での回転
や、第三板部材より上の構造体部分の同じく平面内での
回転を防ぐため、第一、第二のピボット機構と並設の関
係で、それぞれ突起と窪みによる回り止め装置75,76が
設けられている。
【0054】このようにピボット機構71,72が採用され
ているので、装置製作時の製作公差等により、あるいは
仮保持部48上にフィラメントを載せた時の多少の位置の
狂い等により、フィラメント45の両端部分に接触する電
極部材63,63の相対位置関係が若干狂っていても、そし
てまた、この実施形態のように二つのフィラメントを同
時に用いる場合にそれらのフィラメント間でそれぞれの
電極部材に対する相対寸法や相対位置等が多少狂ってい
ても、駆動シャフト61を介し下側咬持部材を押し上げ、
フィラメント45,45を電極部材63,63との間で押し挟む
時に、フィラメント上面の電極面のどこにおいても均一
な押圧力となる関係でフィラメントを保持でき、電流の
流入ムラを大幅に低減することができる。
【0055】もちろん、本発明に従う場合、一度に取り
扱えるフィラメントは一つであっても良く、そうしたと
きには上述の第一、第二ピボット機構は一個所に集約さ
せることもできる。というよりも、第一ピボット機構71
のみでも良い。ただ、逆に、三つ以上のフィラメントを
移送手段46に載せて取り扱うときにこうしたピボット機
構を設ける場合には、それぞれのフィラメント用の支柱
部材54,54に関しそれぞれ専用にピボット機構(第一ピ
ボット機構)を設けるか、あるいは上述した二個用の構
成を並設して四個用にするとかするのが良い。下側咬持
部材の一部に共用部分を設けてここに少なくとも一方向
用のピボット機構を設ける場合、三個以上には対応でき
ない。三個等、奇数個の場合には、それぞれ専用にピボ
ット機構を設けるか、あるいは第一、第二ピボット機構
を有する二個用と、第一ピボット機構のみでも良い一個
専用のピボット機構を並設して用いるのが良い。
【0056】尚、ピボット機構は、図示の場合は模式的
に示されているが、この種の技術分野で採用されている
任意形態のものを採用することができ、さらに図示の場
合、下側咬持部材の方に設けてあるが、明らかなよう
に、電極部材63を有する上側咬持部材53の方に設けるこ
ともできるし、双方に設けることもできる。しかし、電
極部材を有する上側咬持部材の方は、電流を均一に流す
ためにも可動部分はない方が好ましく、また、一般に銅
ブロック等から削り出した支柱を用いて高価なため、こ
れをさらに加工するとコストの上昇率が大きく、やはり
下側咬持部材にて機械加工を採用した方が有利である。
銅は柔らかいので、ピボット機構を構成するには強度的
にも不利である。ただ、上側咬持部材は、図示の場合、
二つのフィラメントにそれぞれ専用に一対設けられてい
るが、これは共用にすることができる。つまり、一対の
支柱54,54が図3等に示すように前後に二組設けられて
いるが、これはそれぞれの支柱62,62が移送シャフト移
動方向に沿って幅広な一組にすることも可能ではある。
【0057】この実施形態の場合、フィラメント45は上
下に開閉する一対の咬持部材により選択的に保持するよ
うに構成されている。しかし、これも容易に推測できる
ように、本発明の思想に従う限りにおいても、例えば左
右からフィラメントを選択的に挟む構造に変えることも
できる。所定位置にまで搬送されてきたフィラメントの
両側にあって下から咬持部材が起ち上がってき、それら
が相寄るように駆動されることでフィラメントをを挟み
込む構造であってもよく、この場合にもピボット機構を
採用することができる。
【0058】さらに、電極部材63と咬持部材は原理的に
は別体であっても良く、咬持部材がフィラメントを挟み
こんだ時に、例えば適当なるバネ手段を利用した電極部
材が当該フィラメントの両端電極面部分に接触するよう
に構成することもできる。しかし、この構造はどちらか
と言うと部品点数を増し、また、電極面との接触の均一
性の確保も難しくなることも考えられるので、排斥する
訳ではないが、図示された構造に従うのが望ましい。逆
に、設けると望ましいものは、絶縁性の平板部材55の側
面を若干の隙間を置いて覆う防着板(図示せず)であ
る。つまり、蒸着作業により、蒸着材料がこの平板部材
55の側面に付着して行くと、一対の支柱部材54,54間が
短絡する恐れもある。通常は定期的に検査して、清掃作
業を行い、短絡のそれを排除しているが、その度ごとに
成膜室10の真空を破ることになる。そこで、こうした防
着板があれば、保守作業の頻度を低減することができ、
本発明装置を運用する上でより望ましい。
【0059】本実施形態に示されている真空蒸着装置
は、本発明の技術思想を電子ビーム蒸着方式においても
具現し得る装置構成となっている。説明すると、成膜室
10に対し、ゲートバルブ81を開くことで真空を破らずに
連通する材料入替チェンバ82が設けられている。図1中
では説明のため、やはりこの場合も扉83は開いた状態で
示されているが、この扉83は材料入替チェンバ83内に蒸
着材料を容器である坩堝85に入れて収めたり、逆に空に
なった坩堝85を取り出すために一般には手作業で開閉で
きるように構成される。もちろん、この扉83を開く時に
はゲートバルブ81は閉じられる。
【0060】材料入替チェンバ82は、ゲートバルブ81、
扉83が閉じられた状態で例えばドライロータリポンプ11
で真空引きされるように構成されている。既に述べた理
由により、このドライロータリポンプ11で一般には十分
であるが、要すればターボ分子ポンプ等を用いても良
い。
【0061】ゲートバルブ81を閉じ、扉83を開いた状態
で材料入替チェンバ82内に収められる蒸着材料は、坩堝
85に入れられて移送手段86に装着される。移送手段86
は、図示の場合はその構成要素の一つとして移送シャフ
ト87を有し、この移送シャフト87の一部分、望ましくは
先端部分に坩堝85を取り外し可能に装着する仮保持部が
設けられている。仮保持部は、後述のより望ましい具体
的実施形態では坩堝を選択的に挟み込むか抱え込むよう
に動く構造を有するが、要は、少なくとも坩堝85を取り
外し可能に仮保持し得る構造であれば良い。
【0062】移送シャフト87は、適当な駆動手段により
蒸着材料を充填した坩堝85を材料入替チェンバ82から成
膜室10内に送りこんだり、逆に成膜室10内から取り出し
たりできるように、一軸方向に沿って移動できるように
構成され、その駆動機構は、電気機械的な仕組みであっ
ても良いが、やはりこれも、先に述べたように、例えば
周知のマグネットカプラと呼ばれる機構を利用すること
ができる。
【0063】扉83を閉じ、真空引きした後、ゲートバル
ブを開き、移送手段86を動かして材料入替チェンバ82か
ら成膜室10内に送られてきた蒸着材料ないしその容器で
ある坩堝85は、適当なる保持機構90により成膜室の所定
位置に保持される。そこで、着脱可能に坩堝85を仮保持
していた移送手段86から当該坩堝85が外され、保持され
れば、移送手段86は退避させることができ、その後、ゲ
ートバルブ81を閉めることで、電子ビーム照射機構28を
利用しての公知の電子ビーム蒸着方式に従い、基板21に
対する薄膜蒸着作業を実施することができる。
【0064】坩堝内の材料充填部内が空になったり、他
の蒸着材料に変えたいときには、材料入替チェンバ82内
の真空を保った状態でゲートバルブ81を開き、移送手段
86を成膜室10内に侵入させ、坩堝を保持させて、材料入
替チェンバ82に向けて退避させる。
【0065】坩堝85を材料入替チェンバ82内に退避させ
た後には、ゲートバルブ81を閉め、扉83を開けて坩堝を
入れ替えるか、蒸着材料を充填することができ、このよ
うにして、新たな追加分の材料、ないし材料種を変えら
れた材料を充填してある坩堝85は、再び既述した手順に
従い、移送手段86によって成膜室10内の所定位置に送り
込んで保持機構90により保持させることができ、その結
果、成膜室の真空を破ることなく、連続蒸着作業を行う
ことができる。
【0066】上述のように、保持機構90の構造自体は、
これも公知既存の機械技術を援用して種々の具体的構造
が可能であろうが、簡単には図7に示す構造がある。保
持機構90は、本図では全くにして模式的に示すように、
成膜室10内で図示しない駆動装置、例えばいわゆる真空
マニュピュレータにより矢印F方向に移動できる保持台
部材91を有し、これには直線的な移動方向に沿って適当
なる間隔で凹部92が複数個穿たれ、その一つ一つがそれ
ぞれ一つずつ、坩堝85を保持し得る保持部92となってい
る。電子ビーム照射を受けるときには、図中で仮想線P
で示した所定の線上に当該照射を受けるべき蒸着材料を
充填してある坩堝が来るように、保持台部材91を動か
す。
【0067】移送手段86の一構成要件である移送シャフ
ト87の先端には、仮保持部として選択的に開閉する一対
の顎部材88,88があり、それぞれ移送シャフト87の先端
の支点の回りに回動して図中仮想線で示す開いた位置
と、実線で示す閉じた位置の間で動くことができる。開
閉を司るのはこれも模式的に示しているリンケージ機構
89,89で、そのロッド部分を矢印E方向に沿って手前に
引くと、顎部材89,89に設けられている長穴係合部を介
し、当該顎部材88,88がそれぞれ後方に引かれて互いに
開放し、押すと閉じるようになっている。
【0068】従って、材料入替チェンバ82内で坩堝85を
保持させたり取り外したり、あるいはまた成膜室10内で
坩堝85を保持部92内に収めたりこれから取り出す時に
は、リンケージ機構89,89を外部から操作して坩堝85の
上端フランジ93の下の部分94を掴んだり放したりさせ
る。移送シャフトを単に一軸方向Dにのみ動かすこと
で、顎部材の開閉により坩堝85の把持、解放が可能なよ
うにするには、保持部92に坩堝85を収めた時に、坩堝フ
ランジ93の下の部分94が保持部92の上に少し出ているよ
うにすれば良い。そうでなければ、移送シャフト87は保
持部92の上で若干、上下動するように機械構造を組んで
も良い。リンケージ機構89,89に就いても、外部から真
空を破らずに操作するためには真空ベローズ機構等を任
意に採用することができ、そうでなく、機械モータ機構
を移送シャフト上に組み込んで、外部からの電気操作で
リンケージ機構ないしこれに同等な機構が動作し、一対
の顎部材88,88を開閉するように構成することも可能で
ある。さらに、把持した容器を上下に反転可能なもので
あれば、保持部92の方に常に固定的に設置されている坩
堝に対し、移送してきた容器をひっくり返し、中身の蒸
着材料を移し代えるような構成も考えられる。ただしこ
の最後の方法は、常に一種類の材料しか使わない場合に
実際には限られてしまうが、それでも蒸着材料の連続供
給を受けたい用途には有効である。さらに、保持台部材
91は、図示していないが皿状ないし円盤状に構成し、こ
れに周方向に沿って複数の保持部(凹部92)が設けられ
ていて、これを回転駆動装置により回転駆動すること
で、複数の保持部の中、所定の保持部に保持されている
坩堝85を所定位置に持って来るようにしても良い。
【0069】もちろん、本発明の趣旨に従い、電子ビー
ム蒸着方式においてもその坩堝を交換可能なように構成
した場合には、必ずしも複数個の保持部92を有する構成
は必要ではない。一個所にしかなくても、真空を破らず
に坩堝を交換できるため、多量の蒸着材料を要求される
時にも、また、多種の蒸着材料を要求される時にも、共
にその要求に応えることができる。
【0070】以上、本発明の望ましい一実施形態に就き
説明したが、本発明の趣旨に従う限り、任意の改変は自
由である。また、先にも述べた通り、図示実施形態では
蒸着材料の連続供給ないし交換に関し、抵抗加熱方式に
も電子ビーム蒸着方式にも対応できる装置となっている
が、どちらか一方に専用の構成であっても良い。
【0071】
【発明の効果】本発明によると、成膜室の真空を破るこ
となく、同一材料を連続的に(間欠的に)供給したり、
それぞれは少量では合っても多種類の蒸着材料が要求さ
れる時にこれに応えることができる。従って、特に半導
産業にとっては大いなる福音であり、金属や合金を含む
多層膜を迅速かつ高精度に形成することができる。例え
ばAuGe/Ni/AuやAuZn/Cr/Au等、これまで苦労していた高
性能多層薄膜の高精度形成等にも極めて有効で、作業能
率も大幅に向上する。蒸着材料の種類数が増えても、従
来は予め成膜室内に固定的に設置しておかねばならない
がために、設置位置の相違により精度が犠牲になってい
たが、本発明ではそのようなこともない。第一、複数の
材料を予め成膜室内に用意すると入っても、それには限
りがあるのに対し、本発明に従えば、原理的には無限種
類の材料を交換利用できる。同一種類の材料を用いる場
合にも、結果として多量の蒸着材料を漸次供給でき、予
め多量の材料を用意しておく場合には材料自体が変質す
るような恐れもあったのを、本発明ではこれをも解決で
きる。抵抗加熱方式に本発明を適用し、さらにフィラメ
ントを複数にした場合には、例えば二元同時蒸等にも極
めて便利な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着装置の望ましい実施形態の概
略構成図である。
【図2】本発明を抵抗加熱方式の真空蒸着装置として構
成する場合に有効な蒸着材料保持機構の望ましい構造例
の概略構成図である。
【図3】望ましい蒸着材料保持気候の動作の説明を兼ね
る概略構成図である。
【図4】図3と同様であるが保持機構のある所まで蒸着
材料が運ばれてきた模様を示す保持機構の概略構成図で
ある。
【図5】蒸着材料を保持した状態における保持機構の概
略構成図である。
【図6】保持機構に望ましくは組み込まれるピボット機
構の概略構成図である。
【図7】本発明を電子ビーム蒸着方式の真空蒸着装置と
して構成する場合に有効な蒸着材料保持機構と移送手段
の模式的な説明図である。
【符号の説明】
10 成膜室 11 ドライロータリーポンプ 12 ターボ分子ポンプ 21 基板 28 電子ビーム蒸着機構 41 ゲートバルブ 42 材料入替チェンバ 43 扉 45 容器(フィラメント) 46 移送手段 47 移送シャフト 48 仮保持部 49 溝 50 保持機構 52 下側咬持部材 53 上側咬持部材 54 下側支柱部材 55 平板部材 61 駆動シャフト 62 支柱 63 電極部材 66 端子部材 71 第一ピボット機構 72 第二ピボット機構 75 回り止め装置 76 回り止め装置 81 ゲートバルブ 82 材料入替チェンバ 83 扉 85 容器( 坩堝) 88 仮保持部 86 移送手段 87 移送シャフト 88 顎部材 89 リンケージ機構 90 保持機構 91 保持台部材 92 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 正和 東京都荒川区西日暮里2丁目9番6号 正和ハイテック株式会社内 審査官 瀬良 聡機 (56)参考文献 特開 平5−25633(JP,A) 特開 平11−43763(JP,A) 堂山昌男 山本良一編「材料テクノロ ジー9材料のプロセスと技術[▲I▼ ]」(昭62−11−30)東京大学出版会 P.122−124 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/285

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空引きされる成膜室内に蒸着材料を収
    容し、該材料を加熱機構により加熱、蒸発させ、該成膜
    室内に保持した基板上に該蒸発した材料による薄膜を蒸
    着する真空蒸着装置であって;選択的に真空引きされ、
    該真空引きされた状態で該ゲートバルブが開かれると上
    記成膜室に真空を破ることなく連通し、上記ゲートバル
    ブが閉じた状態では外部から蒸着材料を収めることので
    きる材料入替チェンバと;該材料入替チェンバ内にて容
    器に収めた蒸着材料を上記ゲートバルブが開いた状態で
    上記成膜室内に該容器共々移送する移送手段と;上記成
    膜室内にて上記移送手段により移送されてきた上記蒸着
    材料を所定位置に保持する保持機構と;を有する真空蒸
    着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空蒸着装置であって;
    上記容器は、上記蒸着材料を充填する凹部を挟んで対向
    する一対の電極面を持つ導電性のフィラメント部材であ
    り;該フィラメント部材は、上記所定位置に上記蒸着材
    料を保持すべき時に上記保持機構により保持されると共
    に;上記加熱機構は、上記保持機構により保持された上
    記フィラメント部材の上記一対の電極面の各々宛にそれ
    ぞれ電気的に接触する電極部材を介して該フィラメント
    部材に電流を通電し、もって該フィラメント部材を加熱
    することで上記蒸着材料を加熱、蒸発させる抵抗加熱機
    構であること;を特徴とする真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の真空蒸着装置であって;
    上記移送手段は、移送の間、上記フィラメント部材を着
    脱可能に仮保持できる仮保持部を有する一方;上記保持
    機構は、駆動装置により開閉できる一対の咬持部材を有
    し;該一対の咬持部材が互いに離間した開位置にある時
    に上記移送手段により移送されてきた上記フィラメント
    部材を、上記駆動装置が該一対の咬持部材を閉位置に付
    けるべく駆動することで該一対の咬持部材により該フィ
    ラメント部材を押し挟ませ、もって該フィラメント部材
    を上記所定位置に保持すること;を特徴とする真空蒸着
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の真空蒸着装置であって;
    上記一対の咬持部材の少なくとも一方は、上記フィラメ
    ント部材に当接する当接部分が上記電極部材となってお
    り;該フィラメント部材を押し挟む時に該電極部材が上
    記駆動装置により印加される押圧力を受けること;を特
    徴とする真空蒸着装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の真空蒸着装置であって;
    上記一対の咬持部材の双方または少なくとも一方はピボ
    ット機構を有し;該ピボット機構は、上記駆動装置が特
    定の一軸方向に沿って上記一対の咬持部材の双方または
    少なくとも一方を駆動し、該一対の咬持部材により上記
    フィラメント部材を押し挟ませることで、該フィラメン
    ト部材に設けられている一対の電極面の一方が上記一対
    の電極部材の対応する一方に、他方が他方に、それぞれ
    対応的に当接するに際し、それら両当接部位の電極面相
    互で均質な当接圧力関係ないし抵抗接触関係が得られる
    ように、上記一軸方向に直交する平面において、該フィ
    ラメント部材の、または該フィラメント部材に当接する
    部分の、機械的な傾きを許容するべく構成されているこ
    と;を特徴とする真空蒸着装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の真空蒸着装置であって;
    上記移送手段は、一度に複数の上記フィラメント部材を
    移送できる仮保持部を有し;上記一対の咬持部材は、そ
    れら複数のフィラメント部材の各々に対応させて複数組
    設けられていること;を特徴とする真空蒸着装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の真空蒸着装置であって;
    上記移送手段は、一度に二つの上記フィラメント部材を
    移送できる仮保持部を有し;上記一対の咬持部材は、そ
    れら二つのフィラメント部材の各々に対応させて二組設
    けられていて;これに対応し、上記ピボット機構もそれ
    ぞれ一つずつ、計二組設けらているに加え;上記一対の
    咬持部材の少なくとも一方の一部は共用部分としてそれ
    ぞれのフィラメント部材用のそれぞれの咬持部材の一部
    分同士を兼ね;上記ピボット機構は、それぞれ第一のピ
    ボット機構として、上記フィラメント部材の長さ方向に
    沿った断面で見ての上記機械的な傾きを許容する一方;
    上記咬持部材の共用部分には、上記第一のピボット機構
    の許容する方向と直交し、該二つのフィラメント部材の
    並設方向に沿った断面上で該共用部分の機械的な傾きを
    許容するため、該第一のピボット機構とは異なる第二の
    ピボット機構が設けられていること;を特徴とする真空
    蒸着装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の真空蒸着装置であって;
    上記容器は坩堝であり;上記加熱機構は、該坩堝内に収
    めた上記蒸着材料を電子ビームにより掃引して加熱、蒸
    発させる電子ビーム照射機構であること;を特徴とする
    真空蒸着装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の真空蒸着装置であって;
    上記移送手段は、上記坩堝を着脱可能に仮保持する仮保
    持部を有する一方;上記保持機構は上記移送手段が上記
    坩堝の仮保持を解いた時に該坩堝を上記所定位置に位置
    付ける保持部分を有すること;を特徴とする真空蒸着装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の真空蒸着装置であっ
    て;上記保持機構の上記坩堝を保持する部分は複数個所
    に設けられ;該保持機構は、駆動装置により、それら複
    数箇所に保持した複数の坩堝の一つを上記所定位置に選
    択的に付けるように動けること;を特徴とする真空蒸着
    装置。
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