JP2024067719A - キャリア支持装置、成膜装置及びキャリア支持方法 - Google Patents

キャリア支持装置、成膜装置及びキャリア支持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板を保持する基板キャリアを支持してマスクから持ち上げるキャリア支持装置において、パーティクルの発生または増加を抑制する。【解決手段】キャリア支持装置は、キャリア支持手段と、マスク6から基板キャリア9を持ち上げるようにキャリア支持手段の動作を制御する制御手段と、を備え、キャリア支持手段は、基板キャリア9を支持した状態で昇降する第1キャリア支持部7と、第1キャリア支持部7と異なる位置で基板キャリア9を支持した状態で昇降する第2キャリア支持部8と、を有し、制御手段は、第1キャリア支持部7を上昇させ、第1キャリア支持部7に遅れて第2キャリア支持部8の上昇を開始するようにキャリア支持手段を制御することを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、キャリア支持装置、キャリア支持装置を備える成膜装置、及びキャリア支持方法に関する。
フラットパネル表示装置として有機EL表示装置が知られている。有機EL表示装置を構成する有機EL素子は、2つの向かい合う電極(カソード電極及びアノード電極)の間に、発光を起こす有機物層である発光層を有する機能層が形成された基本構造を持つ。有機EL素子の機能層及び電極層は、成膜装置内で、それぞれの層を構成する材料をガラスなどの基板にマスクを介して成膜することで形成される。
成膜装置が成膜を行う際に、基板を保持した基板キャリアは、マスクに載置された状態で、成膜装置内を搬送される。特許文献1は、成膜装置内で、成膜前に基板キャリアをマスクに載置し、成膜後にマスクと基板キャリアとを分離する構成を開示している。
特開2021-010414号公報
しかしながら、上述の構成において、マスクと基板キャリアとを分離する工程で、パーティクルが飛散する可能性がある。パーティクルによって真空度が低下したり、パーティクルが基板に付着し、基板が汚染されたりすることがある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、基板キャリアを支持してマスクから持ち上げるキャリア支持装置において、パーティクルの発生又は増加を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明のキャリア支持装置は、
基板を保持する基板キャリアを支持するキャリア支持手段と、
マスクから前記基板キャリアを持ち上げるように前記キャリア支持手段の動作を制御する制御手段と、
を備えるキャリア支持装置において、
前記キャリア支持手段は、前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第1キャリア支持部と、前記第1キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第2キャリア支持部と、を有し、
前記制御手段は、前記第1キャリア支持部を上昇させ、前記第1キャリア支持部に遅れて前記第2キャリア支持部の上昇を開始するように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする。
また、本発明のキャリア支持方法は、
基板を保持する基板キャリアをマスクから持ち上げるキャリア支持方法であって、
前記基板キャリアを支持するキャリア支持手段であって、前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第1キャリア支持部と、前記第1キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第2キャリア支持部と、を有するキャリア支持手段を備えるキャリア支持装置によるキャリア支持方法において、
前記基板キャリアの一部が前記マスクから持ち上がるように前記第1キャリア支持部が上昇し、前記基板キャリアの前記一部とは別の部分が前記マスクから持ち上がるように前記第1キャリア支持部に遅れて前記第2キャリア支持部が上昇を開始することを特徴とする。
本発明によれば、基板キャリアを支持してマスクから持ち上げるキャリア支持装置において、パーティクルの発生又は増加を抑制できる。
実施例に係る基板キャリアの構成を示す模式図である。 実施例に係るマスクの構成を示す模式的な上面図である。 実施例に係るインライン型製造システムの模式的な構成図である。 実施例に係るキャリア支持装置の構成を示す模式的な断面図である。 実施例に係るキャリア支持部の構成を示す模式図である。 実施例に係る基板キャリアの持上げ動作を示す模式図である。 変形例に係るキャリア支持部を示す模式的な斜視図である。 電子デバイスの構成を説明する図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
本発明は、基板を保持する基板キャリアを支持してマスクから持上げるキャリア支持装置やキャリア支持方法として捉えられる。本発明はまた、係るキャリア支持装置又はキャリア支持方法を用いた成膜装置や成膜方法として捉えられる。本発明はまた、係る成膜装置又は成膜方法を用いた電子デバイスの製造装置や電子デバイスの製造方法としても捉えられる。本発明はまた、上述の各装置の制御方法としても捉えられる。
本発明は、例えば、基板等の成膜対象物を搬送しながらその表面に蒸着やスパッタリングにより成膜材料の薄膜を形成する成膜装置に適用することができ、真空蒸着によって所望のパターンの薄膜(材料膜)を形成する装置に望ましく適用することができる。基板の材料としては、ガラス、高分子材料のフィルム、シリコンウェハ、金属などの任意の材料を選択でき、基板は、例えば、ガラス基板上にポリイミドなどのフィルムが堆積された基板であってもよい。また、蒸着材料としても、有機材料、金属製材料(金属、金属酸化物など)などの任意の材料が選択されてもよい。なお、以下の説明において説明する真空蒸着装置以外にも、スパッタ装置やCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を含む成膜装置にも、本発明を適用することができる。本発明の技術は、具体的には、有機電子デバイス(例えば、有機発光素子、薄膜太陽電池)、光学部材などの製造装置に適用可能である。その中でも、蒸着材料を蒸発させてマスクを介して基板に蒸着させることで有機発光素子を形成する有機発光素子の製造装置は、本発明の好ましい適用例の一つである。以下、本発明を電子デバイスの製造装置に適用した場合を例に説明するが、本発明のキャリア支持装置はこれに限られず、上述の各種製造装置に適用可能である。
<実施例>
(基板キャリア9)
図1を参照して、本実施例に係る基板キャリア9の構成について説明する。図1(a)は、基板5を保持する保持面31に垂直な方向から基板キャリア9を見た基板キャリア9の模式的平面図であり、図1(b)は図1(a)のA―A断面図である。基板キャリア9は、平面視で略矩形の平板状の構造体である。基板キャリア9は、矩形の平板状部材であるキャリア面板30、複数のチャック部材32、及び複数の支持体33を有する。基板キャリア9は、キャリア面板30の保持面31に基板5を保持する。
以下便宜的に、基板キャリア9上に、基板5が保持される位置に対応した基板保持部と、基板5の外周を囲む外周縁部とを設定して説明する。図1(a)において、基板5の外縁を示す破線が、基板保持部と外周縁部との境界である。ただし、基板保持部と外周縁部の間で構造の違いは無くてもよい。
基板キャリア9の矩形周縁部をなす四辺のうちの対向二辺近傍が、後述する搬送ローラ15によって支持される。当該対向二辺の各々が搬送方向に沿う姿勢で、基板キャリア9は支持される。搬送ローラ15は、基板キャリア9の搬送経路の両側に、搬送方向に沿って複数配置された搬送回転体によって構成される。基板キャリア9が搬送ローラ15により支持された状態で搬送ローラ15が回転することにより、基板キャリア9が搬送方向にガイドされる。
チャック部材32は、基板5と接触して基板5をチャックするチャック面を有する突起である。本実施例のチャック部材32のチャック面は、粘着性の部材(PSC:Physical Sticky Chucking)によって構成された粘着面であり、物理的な粘着力、あるいは、物理的な吸着力によって基板5を保持する粘着パッドである。複数のチャック部材32が基板5をチャックすることで、基板5をキャリア面板30の保持面31に沿って保持できる。複数のチャック部材32は、それぞれが有するチャック面がキャリア面板30の保持面31から所定の距離だけ飛び出るよう配置される。チャック部材32は、マスク6の形状に応じて配置されることが好ましく、マスク6の基板5の被成膜領域を区画するための境界部(桟の部分)に対応して配置されていることがより好ましい。これにより、チャック部材32が基板5と接触して基板5の成膜エリアの温度分布に影響することを抑制できる。
チャック部材32は、ディスプレイのアクティブエリアの外に配置されることが好ましい。これは、チャック部材32による吸着による応力が基板5を歪ませる、あるいは成膜時の温度分布を引き起こす懸念があるためである。チャック部材32と基板5との接触面積はなるべく小さく、保持数はなるべく少ないほうがよい。また、チャック部材32の配列は、上記理由によりマスク部の背面に配置するのが成膜上好ましい。
キャリア面板30の材質は、基板キャリア9全体の重量を低減するためアルミニウム又はアルミニウム合金を主材とすることが望ましい。
支持体33は、基板キャリア9が、基板5を保持するキャリア面板30の保持面31が下方を向くように反転されてマスク上に載置される際に、マスク6に対して基板キャリア9を支持する。少なくとも支持体33の近傍においては、支持体33が基板キャリア9を支持することで、基板キャリア9に保持された基板5がマスク6と離間する。
(マスク6)
図2を参照して、本実施例に係るマスク6の構成について説明する。図2は、マスク6のマスクフレーム6aを上面から見た図である。ここでいうマスクフレーム6aの上面とは、成膜時に上方を向く面である。図2に示されるように、マスク6はマスクフレーム6aに数μm~数十μm程度の厚さのマスク箔6bが溶接固定された構造を有する。
マスクフレーム6aは、マスク箔6bが撓まないように、マスク箔6bを面内方向に引っ張った状態で支持する。マスク箔6bは、基板5の被成膜領域を区画するための境界部を含む。マスク箔6bの有する境界部は基板5にマスク6を装着したときに基板5に密着し、成膜材料を遮蔽する。なお、マスク6はマスク箔6bが境界部のみを有するオープンマスクであってもよいし、境界部以外の部分、すなわち基板5の被成膜領域に対応する部分に、画素又は副画素に対応する微細な開口が形成されたファインマスクであってもよい。基板5としてガラス基板又はガラス基板上にポリイミド等の樹脂製のフィルムが形成された基板を用いる場合、マスクフレーム6a及びマスク箔6bの主要な材料として例えば、鉄合金、特にニッケルを含む鉄合金を使用できる。
また、マスクフレーム6aの四隅には、それぞれマスクマーク6cが形成されている。チャンバ内に設けられるカメラ等の撮像手段によって、基板5を介してマスクマーク6cは撮像可能である。後述する制御部70等の制御手段により、撮像画像からマスクマーク6cを検出することで、マスク6の位置情報を取得し、基板5とマスク6のアライメントが可能となる。
(インライン型成膜装置)
次に、有機ELパネルを製造するためのインライン型成膜装置の構成について説明する。図3は、有機ELパネルを製造するためのインライン型成膜装置を含む製造システム300を示す。有機ELパネルは、一般的に、回路素子を形成する回路素子形成工程と、基板上に有機発光素子を形成する有機発光素子形成工程と、形成した有機発光層上に保護層を形成する封止工程を経て製造される。製造システム300は有機発光素子形成工程を行う。
製造システム300は、マスク搬入室90と、アライメント室100(マスク取付室)と、複数の成膜室110a、110bと、反転室111a、111bと、搬送室112と、マスク分離室113と、基板分離室114と、キャリア搬送室115と、マスク搬送室116と、基板搬入室117(基板取付室)を有する。製造システム300は更に、後述する搬送手段を有しており、基板キャリア9は搬送手段によって各チャンバ内を通る所定の搬送経路に沿って搬送される。
具体的には、基板キャリア9は、基板搬入室117、反転室111a、マスク搬入室90、アライメント室100、複数の成膜室110a、110b、搬送室112、マスク分離室113、反転室111b、基板分離室114、キャリア搬送室115、の順に各チャンバ内を通って搬送され、再度、基板搬入室117に戻る。一方、マスク6は、マスク搬入室90、アライメント室100、複数の成膜室110a、110b、搬送室112、マスク分離室113、の順に各チャンバ内を通って搬送され、再度、マスク搬入室90に戻る。このように、基板キャリア9とマスク6は、それぞれ破線と点線で示した所定の搬送経路(循環搬送経路)に沿って循環して搬送される。以下、各チャンバの機能について説明する。
未成膜の基板5は、基板搬入室117から循環搬送経路に投入され、基板キャリア9に保持された状態で成膜される。その後、成膜済みの基板5は、基板分離室114から搬出される。基板搬入室117に搬入された未成膜の基板5は、まず基板搬入室117で基板キャリア9に取り付けられ、保持される。それから、基板5は基板キャリア9と共に成膜の前に、反転室111a、マスク搬入室90を経由してアライメント室100に搬入される。
反転室111a、111bには基板キャリア9の保持面31の向きを鉛直方向上向きか
ら鉛直方向下向きに、又は、鉛直方向下向きから鉛直方向上向きに反転させる反転機構120a、120bが備えられている。反転手段としての反転機構120a、120bは、基板キャリア9を把持等して姿勢(向き)を変化させることができる従来既知の機構を適宜採用してよく、具体的な構成の説明は省略する。
基板5は、基板搬入室117に、被成膜面が鉛直方向上を向いた状態で搬入される。そのとき基板搬入室117内では、基板キャリア9が、保持面31が鉛直方向上を向いた状態で配置されている。従って、搬入された基板5は、基板キャリア9の保持面31の上に載置され、基板キャリア9によって保持される。その後、反転室111aにおいて、反転機構120aによって基板5を保持した基板キャリア9が反転され、基板5の被成膜面が鉛直方向下を向いた状態になる。
一方、基板キャリア9がマスク分離室113から反転室111bに搬入される際には、基板5の被成膜面が鉛直方向下を向いた状態で搬入されてくる。搬入後、反転機構120bによって基板5を保持した基板キャリア9が反転され、基板5の被成膜面が鉛直方向上を向いた状態となる。その後、基板5は被成膜面が鉛直方向上を向いた状態で基板分離室114から搬出される。
基板5を保持した状態で反転された基板キャリア9は、マスク搬入室90を経てアライメント室100に搬入される。これに合わせて、マスク6もマスク搬入室90からアライメント室100に搬入される。アライメント室100(マスク取付室)には、アライメント装置が搭載されている。アライメント室100では、アライメント装置が、基板キャリア9に載った基板5とマスク6とを高精度で位置合わせして、マスク6に基板キャリア9(基板5)を載置する。
その後、基板キャリア9が載置されたマスク6を搬送ローラに受け渡し、次工程に向けて搬送を開始する。搬送ローラは、搬送経路の両脇に搬送方向に沿って複数配置されており、それぞれ不図示のACサーボモータの駆動力により回転することでマスク6を搬送する。
成膜室110a、110bでは、搬入されてきた基板キャリア9に吸着された基板5が、蒸着源130上を通過することで、基板5の被成膜面においてマスク6によって遮られる個所以外の面が成膜される。成膜室110a、110bは、真空ポンプや室圧計を備えた室圧制御部(不図示)により室圧(チャンバ内部の圧力)を調整可能である。成膜室110a、110bの内部には蒸着材料(成膜材料)を収納した蒸発源(成膜源、成膜手段)を配置可能であり、これにより、チャンバ内部に減圧された成膜空間が形成される。成膜空間においては、蒸発源から基板5に向けて蒸着材料が飛翔し、基板上に膜が形成される。蒸発源は、例えば、蒸着材料を収容する坩堝などの材料収容部と、蒸着材料を加熱するシースヒータなどの加熱手段を備えるものであってもよい。更に、基板キャリア9及びマスク6と略平行な平面内で材料収容部を移動させる機構や蒸発源全体を移動させる機構を備えることで、蒸着材料を射出する射出口の位置をチャンバ4内で基板5に対して相対的に変位させ、基板5上への成膜を均一化してもよい。
成膜室110a、110bでの成膜完了後、基板キャリア9はマスク分離室113に到達し、基板キャリア9とマスク6とが分離される。分離後のマスク6はマスク搬送室116へ搬送され、新たな基板5の成膜工程に使用される。一方、基板5を保持した基板キャリア9は、反転室111bで反転され、基板分離室114へ搬送される。基板分離室114において、基板5は基板キャリア9から分離され、循環搬送経路内から回収されて次工程に送られる。一方、基板キャリア9は、基板搬入室117に搬送され、新たな基板5の搬送に使用される。
上述の通り、マスク分離室113の内部で、マスク6と基板キャリア9は互いに分離され、基板5を保持した基板キャリア9は反転室111bへと搬送される。このとき、マスク分離室113に搬入されるマスク6や基板キャリア9には、パーティクルが付着していることがある。また、マスク分離室113内で新たにパーティクルが発生することもある。パーティクルは、チャンバ内での部材同士の接触による発塵、基板5以外の部材に飛散した蒸着材料の脱落、チャンバ内への埃の侵入など、様々な要因で発生しうる。
マスク6や基板キャリア9に付着したパーティクルは、マスク6から基板キャリア9を持ち上げるときに飛散して基板5に付着し、基板5を汚染することがある。パーティクルが基板5に付着しなくても、チャンバの真空度の低下などにつながる可能性がある。ここで、本願発明者らは、基板キャリア9の持上げ方法に応じて、マスク6から基板キャリア9を持ち上げるときに飛散するパーティクルの量を低減する、あるいは、パーティクルの発生を抑制するという知見を得た。より具体的には、基板キャリア9の全体を一度に持ち上げる方法と比較して、基板キャリア9の一部のみを先に持ち上げた後に基板キャリア9の当該一部以外の部分を持ち上げる方法の方が、パーティクルの量が減少することが判明した。以下、基板キャリア9の持上げ動作の際に、パーティクルの飛散を抑制し、基板5の汚染を防止可能なキャリア支持装置とキャリア支持方法について詳細を説明する。
(マスク分離室)
図4を参照して、本実施例に係るマスク分離室113の構成について説明する。図4は、インライン型成膜装置のマスク分離室113の構成を示す模式的な断面図である。マスク6と基板キャリア9はマスク分離室113に一体的に搬入され、マスク分離室113の内部でマスク6と基板キャリア9とは分離され、マスク6と基板キャリア9はそれぞれ別々にマスク分離室113から搬出される。
マスク分離室113には、基板キャリア9をマスク6から持上げて支持するキャリア支持装置1が搭載されている。キャリア支持装置1は、基板キャリア9を支持するキャリア支持機構60と、マスク6を支持するマスク受け台16と、マスク6や基板キャリア9の搬入出を行う搬送手段と、キャリア支持装置1による各種の動作を制御する制御部70と、を有する。
キャリア支持手段としてのキャリア支持機構60は、マスク6の上に載置された基板キャリア9を持ち上げて、基板キャリア9を支持する。キャリア支持機構60は、マスク分離室113のチャンバ4の内部に、基板キャリア9の外周縁部の一端部を支持する第1キャリア支持部7と、基板キャリア9の外周縁部の一端部と反対側の他端部を支持する第2キャリア支持部8と、を有する。
キャリア支持機構60は、更に、面内移動手段11と、Z昇降ベース13と、Z昇降スライダ10を有する。面内移動手段11と、Z昇降ベース13と、Z昇降スライダ10は、いずれもチャンバ4の上部外側に設けられている。面内移動手段11は、チャンバ4の上部に接続され、Z昇降ベース13をXY移動及びθ回転させる。Z昇降ベース13は、基板キャリア9がZ方向に移動するときのベースとなる。Z昇降スライダ10はZ方向に駆動可能な部材であり、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8とに接続されている。本実施例において、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8は、互いに独立して昇降可能(Z方向に駆動可能)であり、マスク受け台16に対して接近離間可能に構成されている。
面内移動手段11が、基板キャリア9(基板5)及びマスク6に平行な面内(すなわち、基板5の被成膜面と平行な平面内)でのXYθ駆動を行うときは、Z昇降ベース13と
Z昇降スライダ10が一体として移動する。面内移動手段としては、モータやエンコーダなどを備える既知の機構を利用できる。
基板キャリア9をZ方向(すなわち、基板5の被成膜面に交差する交差方向)に移動させるときは、移動手段としてのZ昇降スライダ10がZ昇降ベース13に対してZ方向に駆動することで、駆動力が第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8に伝達される。Z昇降スライダ10としては、モータやボールねじ、エンコーダなどを備える既知の駆動手段を利用できる。
第1キャリア支持部7は、Z昇降スライダ10に接続されたシャフト部7aと、シャフト部7aの先端に設けられ、基板キャリア9に当接する爪部7bと、を有する。Z昇降スライダ10により、シャフト部7aと爪部7bとが一体的に上下動することで、爪部7bにより基板キャリア9を支持しながら持上げることができる。同様に、第2キャリア支持部8もシャフト部8aと爪部8bとを有する。図4には、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8の移動方向が矢印で示されている。なお、キャリア支持手段としては、基板キャリア9を上方から保持するキャリア保持部材を含んでも良く、爪部7bとキャリア保持部材で基板キャリア9を上下からクランプする機構であっても良い。
マスク6や基板キャリア9の搬入出を行う搬送手段は、複数の搬送ローラ15と、複数の搬送ローラ14と、を含む。搬送ローラ15は、マスク6をマスク搬送経路に沿って移動させる。また、搬送ローラ14は、基板キャリア9をキャリア搬送経路に沿って移動させる。搬送ローラ15は、少なくとも水平方向に移動可能に構成され、マスク6を支持する位置に移動、又は、マスク6の下から退避可能である。同様に、搬送ローラ14も、水平方向に移動可能に構成され、基板キャリア9を支持する位置に移動、又は、基板キャリア9の下から退避可能である。
マスク支持手段としてのマスク受け台16は、上下方向に移動可能に構成されており、マスク分離室113に搬入されたマスク6を支持する。図4には、マスク受け台16の移動方向が矢印で示されている。基板キャリア9のマスク6からの持上げ動作は、マスク6はマスク受け台16に支持された状態で行われる。なお、マスク支持手段としては、マスク6を上方から保持するマスク保持部材を含んでも良く、マスク受け台16とマスク保持部材でマスク6を上下からクランプする機構としても良い。
なお、キャリア支持装置1は、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8をXYθ方向に駆動可能な構成に限定されない。第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8が互いに独立して駆動され、基板キャリア9をマスク6から持上げる機構が備わっていれば、本発明におけるキャリア支持装置として最低限の役割を果たせる。
制御部70は、マスク分離室113による各種の動作(Z昇降、基板キャリア9の持上げ動作、基板キャリア9やマスク6のチャンバ4に対する搬入出など)を制御する制御手段である。制御部70は、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、I/Oなどを有するコンピュータにより構成可能である。この場合、制御部70の機能は、メモリ又はストレージに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。コンピュータとしては、汎用のパーソナルコンピュータを用いてもよいし、組込型のコンピュータ又はPLC(programmable logic controller)を用いてもよい。あるいは、制御部70の機能の一部又は全部をASICやFPGAのような回路で構成してもよい。なお、成膜室110aやマスク分離室113等のチャンバごとに制御部70が設けられていてもよいし、1つの制御部70が製造システム300全体を制御してもよい。
(キャリア支持部)
次に、図5(a)~(c)を参照して、第1キャリア支持部7の詳細構成について説明する。なお、以下で説明される第1キャリア支持部7の構成について、第2キャリア支持部8も同様に構成されている。
図5(a)は第1キャリア支持部7をY方向から見た側面図であり、図5(b)は第1キャリア支持部7をX方向から見た正面図である。図5(b)に示されるように、第1キャリア支持部7は、2つのシャフト部7aと6つの爪部7bにより構成される。更に、第1キャリア支持部7は、すべてのシャフト部7aとすべての爪部7bが接続されるベース部7cを含む。6つの爪部7bは、基板キャリア9の矩形周縁部の一辺に沿って一列に配列して設けられ、基板キャリア9の外周縁部の一端部を支持する。このような構成とすることにより、単一の駆動源によりベース部7cを駆動して、複数の爪部7bを一体的に同期駆動することができる。ひいては、それぞれの爪部7bを個別に駆動する場合と比較して、爪部7bの強度を高強度にしたり、駆動源の数を増やしたりする必要がないため、装置の大型化や高コスト化を防げる。
図5(c)は、第1キャリア支持部7の爪部7bの詳細構成を示す側面図である。爪部7bは、ベース部7cに対して固定される軸受部7b1と、軸受部7b1に支持される回転軸部7b2と、回転軸部7b2に支持されて基板キャリア9に当接する当接部7b3と、を含む。回転軸部7b2は、複数の爪部7bの配列方向に延びる回転軸であり、当接部7b3を所定の角度範囲内で回転可能に支持する。図5(c)には、当接部7b3の回転方向が矢印で示されている。本実施例においては、当接部7b3は1°未満の範囲内で回転可能に構成されている。基板キャリア9の姿勢変化に伴って当接部7b3が追従して回転する姿勢で当接部7b3を基板キャリア9に当接させることで、基板キャリア9の持上げ動作において、基板キャリア9を強固に支持できる。
上述の通り、第2キャリア支持部8は、第1キャリア支持部7と同様に構成されている。第2キャリア支持部8の6つの爪部8bは、基板キャリア9の矩形周縁部の一辺に沿って一列に配列して設けられ、基板キャリア9の外周縁部の爪部7bに支持される一端部と反対側の他端部を支持する。従って、本実施例においては、基板キャリア9は全部で12の爪部により支持されて、マスク6から持上げられる。基板キャリア9が支持されるとき、第1キャリア支持部7は基板キャリア9の矩形周縁部の一辺近傍に位置し、第2キャリア支持部8は基板キャリア9の矩形周縁部の当該一辺の対辺近傍に位置する。
(基板キャリア持上げ方法)
次に、キャリア支持装置1を用いた基板キャリア9の持上げ動作について、図6(a)~(f)を参照して説明する。図6(a)~(f)は、マスク分離室113の内部にて行われるマスク6からの基板キャリア9の持上げ動作を示す模式図である。以下、本発明に特徴的なキャリア支持方法について、詳細に説明する。
まず、搬入工程として、基板5、基板キャリア9及びマスク6が一体的にマスク分離室113に搬入される。図6(a)は、基板5、基板キャリア9及びマスク6がマスク分離室113に搬入されたときの様子を示す。このとき、基板5は基板キャリア9に保持されており、基板キャリア9はマスク6の上に載置されている。マスク6は、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8によってマスク6から基板キャリア9を持ち上げ可能な位置まで、搬送ローラ15によって搬送される。
次に、載置工程として、マスク6がマスク受け台16の上に載置される。図6(b)は、マスク6がマスク受け台16の上に載置された様子を示す。マスク6がマスク受け台16の上に載置されると、搬送ローラ15はマスク6の下部から退避する。その後、図6(
c)に示されるように、爪部7bと爪部8bが基板キャリア9の下部まで移動する。
次に、第1持上げ工程として、第1キャリア支持部7のみが基板キャリア9を支持した状態で上方に移動して、マスク受け台16から離間する。図6(d)は、第1キャリア支持部7により、基板キャリア9の一部が持上げられている様子を示す。第1持上げ工程においては、第2キャリア支持部8は昇降しない。すなわち、基板キャリア9は基板5を保持した状態で、保持面31が水平面に対して傾くように持ち上げられる。そして、基板キャリア9の支持体33のうち、第1キャリア支持部7付近に位置する支持体33がマスク6から離間する。このとき、基板キャリア9の傾きが過度に大きくなって、基板キャリア9がずれて適切に支持されない等の問題が発生しないように、第1持上げ工程における基板キャリア9の持上げ量は設定される必要がある。基板キャリア9の持上げ動作における動作不良の発生防止のため、基板キャリア9の保持面31の水平面に対する傾き量は0.4°程度以内に収まっていることが好ましい。
上述の通り、図6(d)の状態において、基板キャリア9は傾いて支持されるが、第1キャリア支持部7の爪部7bの当接部7b3が回転可能に構成されているため、姿勢変化する基板キャリア9に当接部7b3が追従し、基板キャリア9が強固に保持される。
次に、第2持上げ工程として、第2キャリア支持部8が基板キャリア9を支持した状態で上方に移動して、マスク受け台16から離間する。図6(e)は、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8により、基板キャリア9が水平に持上げられている様子を示す。すなわち、第2キャリア支持部8は、第1キャリア支持部7に遅れて、上昇してマスク受け台16から離間する。このとき、基板キャリア9が水平に支持されるまで、図6(d)の状態から第2キャリア支持部8のみが上方に移動する構成としても良い。又は、第2持上げ工程では、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8を上方に移動させ、その後に姿勢調整工程として、基板キャリア9が水平に支持されるように第2キャリア支持部8のみを更に上方に移動させる工程を含んでも良い。すなわち、基板キャリア9は、マスク分離室113から搬出されるため、搬送ローラ14に支持される前のどこかのタイミングで水平にされ、そのタイミングは問わない。
最後に、搬出工程として、基板キャリア9は基板5を保持した状態で、搬送ローラ14によりマスク分離室113から搬出され、反転室111bへと搬送される。同様に、搬出工程において、マスク6は、搬送ローラ15によりマスク分離室113から搬出され、マスク搬送室116へと搬送される。図6(f)は、基板キャリア9が搬送ローラ14に支持され、マスク6が搬送ローラ15により支持されている様子を示す。このとき、マスク6は、マスク受け台16から離間し、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8は基板キャリア9の下部から退避している。
以上より、本実施例の構成によれば、キャリア支持装置1は、基板キャリア9をマスク6から持上げる際に、基板キャリア9の一部を他の一部より先に持ち上げる。キャリア支持装置1によって基板キャリア9をマスク6から持上げる際、基板キャリア9の一部のみを持ち上げた後に、当該一部とは別の部分を持ち上げるようにすることで、始めから基板キャリア9の全体を持ち上げる方法と比較して、パーティクルの発生又は増加を抑制できる。
なお、本発明は上記の構成や方法に限られたものではなく、上記実施例に具現された発明と同一性を失わない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例においては、キャリア支持装置1は、第1キャリア支持部7と第2キャリア支持部8を含む構成としたが、互いに独立して駆動されるキャリア支持部が3つ以上設けられた構成とされても良い。
図7は、変形例に係るキャリア支持装置により基板キャリア9が支持されている様子を示す斜視図である。変形例のキャリア支持装置は、第1キャリア支持部21と、第2キャリア支持部22と、第3キャリア支持部23と、第4キャリア支持部24と、を有する。4つのキャリア支持部は、単一の爪部を有し、基板キャリア9の外周縁部の四隅近傍をそれぞれ支持する。4つのキャリア支持部によって基板キャリア9の四隅が順に持上げられるキャリア持上げ方法であっても、上述の実施例と同様に、基板5に付着するパーティクルの量を抑制できる。
(電子デバイスの製造方法)
次に、本実施例に係る成膜装置を用いた電子デバイスの製造方法の一例を説明する。以下、電子デバイスの例として有機EL表示装置の構成を示し、有機EL表示装置の製造方法を例示する。
まず、製造する有機EL表示装置について説明する。図8(a)は有機EL表示装置700の全体図、図8(b)は1画素の断面構造を表している。
図8(a)に示すように、有機EL表示装置700の表示領域701には、発光素子を複数備える画素702がマトリクス状に複数配置されている。詳細は後で説明するが、発光素子のそれぞれは、一対の電極に挟まれた有機層を備えた構造を有している。なお、ここでいう画素とは、表示領域701において所望の色の表示を可能とする最小単位を指している。本実施例に係る有機EL表示装置の場合、互いに異なる発光を示す第1発光素子702R、第2発光素子702G、第3発光素子702Bの組み合わせにより画素702が構成されている。画素702は、赤色発光素子と緑色発光素子と青色発光素子の組み合わせで構成されることが多いが、黄色発光素子とシアン発光素子と白色発光素子の組み合わせでもよく、少なくとも1色以上であれば特に制限されるものではない。
図8(b)は、図8(a)のB-B線における部分断面模式図である。画素702は、複数の発光素子からなり、各発光素子は、基板703上に、第1電極(陽極)704と、正孔輸送層705と、発光層706R、706G、706Bのいずれかと、電子輸送層707と、第2電極(陰極)708と、を有している。これらのうち、正孔輸送層705、発光層706R、706G、706B、電子輸送層707が有機層に当たる。また、本実施例では、発光層706Rは赤色を発する有機EL層、発光層706Gは緑色を発する有機EL層、発光層706Bは青色を発する有機EL層である。発光層706R、706G、706Bは、それぞれ赤色、緑色、青色を発する発光素子(有機EL素子と記述する場合もある)に対応するパターンに形成されている。
また、第1電極704は、発光素子毎に分離して形成されている。正孔輸送層705と電子輸送層707と第2電極708は、複数の発光素子702R、702G、702Bで共通に形成されていてもよいし、発光素子毎に形成されていてもよい。なお、第1電極704と第2電極708とが異物によってショートするのを防ぐために、第1電極704間に絶縁層709が設けられている。さらに、有機EL層は水分や酸素によって劣化するため、水分や酸素から有機EL素子を保護するための保護層710が設けられている。
図8(b)では正孔輸送層705や電子輸送層707は一つの層で示されているが、有機EL表示素子の構造によっては、正孔ブロック層や電子ブロック層を備える複数の層で形成されてもよい。また、第1電極704と正孔輸送層705との間には第1電極704から正孔輸送層705への正孔の注入が円滑に行われるようにすることのできるエネルギーバンド構造を有する正孔注入層を形成することもできる。同様に、第2電極708と電子輸送層707の間にも電子注入層が形成することもできる。
次に、有機EL表示装置の製造方法の例について具体的に説明する。
まず、有機EL表示装置を駆動するための回路(不図示)及び第1電極704が形成された基板(マザーガラス)703を準備する。
第1電極704が形成された基板703の上にアクリル樹脂をスピンコートで形成し、アクリル樹脂をリソグラフィ法により、第1電極704が形成された部分に開口が形成されるようにパターニングし絶縁層709を形成する。この開口部が、発光素子が実際に発光する発光領域に相当する。
絶縁層709がパターニングされた基板703を粘着部材が配置された基板キャリアに載置する。粘着部材によって、基板703は保持される。第1の有機材料成膜装置に搬入し、反転後、正孔輸送層705を、表示領域の第1電極704の上に共通する層として成膜する。正孔輸送層705は真空蒸着により成膜される。実際には正孔輸送層705は表示領域701よりも大きなサイズに形成されるため、高精細なマスクは不要である。
次に、正孔輸送層705までが形成された基板703を第2の有機材料成膜装置に搬入する。基板とマスクとのアライメントを行い、基板をマスクの上に載置し、基板703の赤色を発する素子を配置する部分に、赤色を発する発光層706Rを成膜する。
発光層706Rの成膜と同様に、第3の有機材料成膜装置により緑色を発する発光層706Gを成膜し、さらに第4の有機材料成膜装置により青色を発する発光層706Bを成膜する。発光層706R、706G、706Bの成膜が完了した後、第5の成膜装置により表示領域701の全体に電子輸送層707を成膜する。電子輸送層707は、3色の発光層706R、706G、706Bに共通の層として形成される。
電子輸送層707まで形成された基板を金属性蒸着材料成膜装置で移動させて第2電極708を成膜する。
その後プラズマCVD装置に移動して保護層710を成膜して、基板703への成膜工程を完了する。反転後、粘着部材を基板703から剥離することで、基板キャリアから基板703を分離する。その後、裁断を経て有機EL表示装置700が完成する。
絶縁層709がパターニングされた基板703を成膜装置に搬入してから保護層710の成膜が完了するまでは、水分や酸素を含む雰囲気にさらしてしまうと、有機EL材料からなる発光層が水分や酸素によって劣化してしまうおそれがある。従って、本実施例において、成膜装置間の基板の搬入搬出は、真空雰囲気又は不活性ガス雰囲気の下で行われる。
1…キャリア支持装置、6…マスク、7…第1キャリア支持部、8…第2キャリア支持部、9…基板キャリア、70…制御部(制御手段)

Claims (14)

  1. 基板を保持する基板キャリアを支持するキャリア支持手段と、
    マスクから前記基板キャリアを持ち上げるように前記キャリア支持手段の動作を制御する制御手段と、
    を備えるキャリア支持装置において、
    前記キャリア支持手段は、前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第1キャリア支持部と、前記第1キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第2キャリア支持部と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1キャリア支持部を上昇させ、前記第1キャリア支持部に遅れて前記第2キャリア支持部の上昇を開始するように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とするキャリア支持装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1キャリア支持部が上昇を開始してから前記第2キャリア支持部が上昇を開始するまでの間、前記第2キャリア支持部が静止しているように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のキャリア支持装置。
  3. 前記制御手段は、前記基板キャリアの前記一部が前記マスクから持ち上がるように前記第1キャリア支持部を上昇させた後に、前記基板キャリアの前記基板を保持する保持面が水平になるように前記第2キャリア支持部を上昇させるように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のキャリア支持装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1キャリア支持部と前記第2キャリア支持部を上昇させて前記基板キャリアの前記保持面を水平にした後に、前記第1キャリア支持部と前記第2キャリア支持部とを同期して上昇させるように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項3に記載のキャリア支持装置。
  5. 前記第1キャリア支持部は、昇降可能に構成されるシャフト部と、前記シャフト部と一体的に移動する爪部と、を有し、
    前記制御手段は、前記爪部を前記基板キャリアに下方から当接させて前記基板キャリアを支持するように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のキャリア支持装置。
  6. 前記第1キャリア支持部は、一列に配列された複数の前記爪部と、複数の前記爪部と前記シャフト部が接続されるベース部と、を有することを特徴とする請求項5に記載のキャリア支持装置。
  7. 前記爪部は、軸受部と、前記軸受部に支持される回転軸部と、前記回転軸部に所定の角度範囲内で回転可能に支持されて前記基板キャリアに当接する当接部と、を含み、
    前記制御手段は、前記基板キャリアの姿勢変化に伴って前記当接部が追従して回転する姿勢で前記当接部を前記基板キャリアに当接させるように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のキャリア支持装置。
  8. 前記第1キャリア支持部は、前記基板キャリアの外周縁部の一端部を支持し、
    前記第2キャリア支持部は、前記基板キャリアの前記外周縁部の前記一端部と反対側の他端部を支持することを特徴とする請求項1に記載のキャリア支持装置。
  9. 前記キャリア支持手段は、前記第1キャリア支持部及び前記第2キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第3キャリア支持部を更に有し、
    前記制御手段は、前記基板キャリアが前記マスクに当接した部分が前記マスクから持ち
    上がるように前記第2キャリア支持部に遅れて前記第3キャリア支持部の上昇を開始させるように前記キャリア支持手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のキャリア支持装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載のキャリア支持装置が搭載されたマスク分離室と、
    前記基板キャリアに保持された前記基板に対して前記マスクを介して成膜を行う成膜室と、
    を備えることを特徴とする成膜装置。
  11. 基板を保持する基板キャリアをマスクから持ち上げるキャリア支持方法であって、
    前記基板キャリアを支持するキャリア支持手段であって、前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第1キャリア支持部と、前記第1キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第2キャリア支持部と、を有するキャリア支持手段を備えるキャリア支持装置によるキャリア支持方法において、
    前記基板キャリアの一部が前記マスクから持ち上がるように前記第1キャリア支持部が上昇し、前記基板キャリアの前記一部とは別の部分が前記マスクから持ち上がるように前記第1キャリア支持部に遅れて前記第2キャリア支持部が上昇を開始することを特徴とするキャリア支持方法。
  12. 前記第1キャリア支持部を上昇させて前記基板キャリアの一部を前記マスクから持ち上げた後、前記基板キャリアの前記基板の保持面が水平になるように、前記第2キャリア支持部を上昇させることを特徴とする請求項11に記載のキャリア支持方法。
  13. 前記第1キャリア支持部と前記第2キャリア支持部を上昇させて前記基板キャリアの前記保持面を水平にした後に、前記第1キャリア支持部と前記第2キャリア支持部とを同期して上昇させることを特徴とする請求項12に記載のキャリア支持方法。
  14. 前記キャリア支持手段は、前記第1キャリア支持部及び前記第2キャリア支持部と異なる位置で前記基板キャリアを支持した状態で昇降する第3キャリア支持部を更に有し、
    前記第1キャリア支持部及び前記第2キャリア支持部に遅れて前記第3キャリア支持部が上昇することを特徴とする請求項11に記載のキャリア支持方法。
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