JP2001152321A - 薄膜形成材料および成膜方法 - Google Patents

薄膜形成材料および成膜方法

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JP2001152321A JP33363999A JP33363999A JP2001152321A JP 2001152321 A JP2001152321 A JP 2001152321A JP 33363999 A JP33363999 A JP 33363999A JP 33363999 A JP33363999 A JP 33363999A JP 2001152321 A JP2001152321 A JP 2001152321A
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Eri Fukumoto
絵理 福本
Yoshizo Nozawa
義三 野沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子銃法における蒸着源のスプラッシュ等を
防ぎ、高品質なMgF2薄膜を成膜する。 【解決手段】 MgF2 を溶融し、結晶化させることで
得られたMgF2 の単結晶体を蒸着材料10として電子
銃2のハースライナー2aにセットし、電子銃法によっ
てレンズRの表面にフッ化マグネシウム薄膜を成膜す
る。単結晶体である蒸着材料10は結晶化の過程で不純
物が除かれるため、スプラッシュの発生を防ぐことがで
きる。また、結晶体の上面10aを表面粗さ1μm〜3
mmに粗面化することで、電子ビームが入りやすくな
り、蒸着材料10が均一に加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ等光学部品
の表面のコーティング処理等に用いる薄膜形成材料およ
び成膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズ等光学部品の反射防止膜と
して表面コーティング等に使われる低屈折率薄膜の材料
としてフッ化マグネシウムが知られている。フッ化マグ
ネシウム薄膜の形成には、蒸着源である薄膜形成材料を
真空槽内で蒸発させ、レンズ等の基板表面に薄膜を付着
させる蒸着法が採用されており、これには、薄膜形成材
料を高融点金属製の抵抗加熱用ボート上で溶融し蒸発さ
せる抵抗加熱法や、電子ビームを薄膜形成材料に照射
し、材料を直接加熱して表面を溶融し、蒸発させる電子
銃法がある。
【0003】また、蒸着源として用いられるフッ化マグ
ネシウムの薄膜形成材料の形態は、粉末、溶融粒状体お
よびプレス焼結した焼結体(特開昭51−98685号
公報参照)等に分類され、蒸着方法もその形態や用途、
便宜性等により異なる。
【0004】薄膜形成材料に電子線を当てて加熱蒸発さ
せる電子銃方式は、局所的に加熱できるため、高融点物
質も蒸発できることや、容器に触れていないところは低
温であるために、容器との反応や不純物の混入の恐れが
ないことから好んで用いられているが、この電子銃法の
蒸着源としては、材料の形態が粉末状では電子ビームを
照射すると飛び散ってしまうため、ほとんど場合、溶融
粒状体や焼結体が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、例えばMgF2 の焼結体を蒸着源とす
る場合は、蒸着装置への薄膜形成材料すなわち蒸着材料
の充填や、蒸着終了後の蒸着残渣の取り出しが容易であ
るという利点を持つ反面、蒸着材料そのものが焼結体で
粉体原料をプレス、焼結したものであり、従って、溶融
したものに比べて低密度であるため、熱の伝わりが遅
く、加熱や蒸着前のガス出しに時間がかかるといった問
題を抱えている。
【0006】また、溶融粒状体を蒸着源とする場合は、
一度溶融しガスを出しているため、蒸着時にガス出しを
する必要がなく蒸着可能になるまでの時間は短いが、蒸
着材料の充填や蒸着後の蒸着残渣の除去に手間がかかる
という欠点がある。
【0007】さらに、焼結体、溶融粒状体共通の重大な
問題としてスプラッシュがある。スプラッシュとは蒸着
時に溶解した蒸着材料が線香花火のようにパチパチとは
ねる現象で、このスプラッシュが基板に粒となって付着
すると、カメラや望遠鏡のような高感度の光学機器にと
っては致命的な欠陥となることがある。
【0008】詳しく説明すると、焼結体の場合は、ビー
ム照射して溶解した部分が焼結ペレットから流れ落ち
て、冷却されたハースライナーに触れ、その結果スプラ
ッシュが起こるのはよくある例である。これを防ぐため
にビームの照射径を絞ると、ビーム照射された中央部分
が掘れて貫通し、目標の膜厚に達しないうちにビームが
抜けてしまうために所定の膜厚が得られないという別の
問題を生じる。
【0009】また、溶融粒状体では、電子ビームを照射
し溶融した部分すなわち、ビーム照射面中央に溶解して
いない部分(周辺部)の細粒が崩れ落ちてスプラッシュ
が発生する。
【0010】その他、不純物によるものとみられるスプ
ラッシュが考えられる。これは焼結体、溶融粒状体共通
の問題であり、蒸着条件としては成膜速度が速いほど発
生しやすい傾向にある。従って、焼結体や溶融粒状体を
蒸着源すなわち薄膜形成材料として利用すると生産性に
限界がある。
【0011】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、取り扱いが容易な形
態であって、しかも熱の伝わりが速く、ガス出し不要
で、かつ、少量で多層蒸着が可能な高密度の薄膜形成材
料および成膜方法を提供することを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の薄膜形成材料は、フッ化マグネシウム薄膜
を蒸着によって成膜するための蒸着源として用いる薄膜
形成材料であって、フッ化マグネシウムを結晶化させて
得られる単結晶体または多結晶体によって構成されてい
ることを特徴とする。
【0012】単結晶体または多結晶体が、表面粗さ1μ
m〜3mmの粗面を有するとよい。
【0013】また、単結晶体または多結晶体が凸面形状
を有するとよい。
【0014】単結晶体または多結晶体が、表面から突出
する支持部を備えているとよい。
【0015】
【作用】フッ化マグネシウムを溶融し、結晶化させて得
られた単結晶体または多結晶体を蒸着源として、電子銃
法によってフッ化マグネシウム薄膜を成膜する。フッ化
マグネシウムの単結晶体または多結晶体は、結晶化する
工程で不純物が除かれるため、電子銃法の蒸着源として
電子ビームを照射したときにスプラッシュが発生しにく
く、また、ビーム径を絞っても結晶体の表面全体が溶け
るため、中央部が掘れてビームが抜ける等のトラブルが
ない。
【0016】加えて、結晶体が均一に加熱されるために
冷めにくく、しかも焼結体等に比べて高密度であり、成
膜による体積の減り方が少ないため、蒸着を繰り返して
多層膜を成膜する場合の生産効率が高いという利点があ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0018】図1は一実施の形態による薄膜形成材料お
よび成膜方法を示すもので、電子銃法による薄膜形成材
料であるフッ化マグネシウムの蒸着材料10は、真空槽
1の底部に配設された電子銃2の蒸着源としてハースラ
イナー2a内にセットされ、電子ビームの照射によって
溶融、気化され、ホルダ3に保持された基板であるレン
ズRの表面に蒸着粒子が付着してフッ化マグネシウム薄
膜が形成される。
【0019】蒸着材料10は、フッ化マグネシウム原料
粉あるいはフッ化マグネシウム溶融粉砕粉を高温で溶融
し結晶成長させて得られるフッ化マグネシウムの単結晶
体または多結晶体である。
【0020】これらの結晶体では、結晶の形成中に不純
物が偏析現象により系の外に出るため不純物が少なくな
る。これによりスプラッシュが発生しにくいフッ化マグ
ネシウム蒸着材料が得られ、さらに速い成膜レートで蒸
着を行なうことができるようになる。
【0021】また、結晶体である蒸着材料10の電子ビ
ーム照射面である上面10aが、表面粗さ1μm〜3m
mの粗面を有することを特徴とする。これにより、電子
ビームが入りにくいという結晶体の欠点を補うことがで
きる。
【0022】蒸着材料10の形状は、図1の(b)に示
すように電子ビームが入りやすいように上面10aを粗
面とした円柱状の結晶体でもよいし、同図の(c),
(d)に示すように上面10bを凸面形状にして粗面化
したり、下面から突出する支持部10cを設けてもよ
い。上面10a,10bを粗面にするのは、表面の滑ら
かな結晶は電子ビームが入りにくいが、ビーム照射面に
粗さを持たせると比較的容易にビームが入るようになる
からである。
【0023】また、結晶体の蒸着材料は、電子ビームを
照射すると蒸着材料の表面が溶け始めるまでに割れてし
まうことがある。これは、蒸着材料を冷却されたハース
ライナーに設置するため、電子ビームによって加熱され
た上面とハースライナーにより熱を奪われる結晶下部で
極端な温度差が生じ、上下の熱膨張量が急激に変わって
しまうことが原因である。このような割れを防ぐため
に、ハースライナーとの接触面積を少なくして結晶がな
るべく冷却されないようにするか、できる限りゆっくり
電子ビームのパワーを上げ、徐徐に結晶体全体を温めて
いくのが有効である。
【0024】蒸着材料とハースライナーが直接触れる面
積を少なくして上記の割れを防ぐためには、図1の
(d)に示すように結晶体の底面に支持部10cを設け
る。
【0025】また、図1の(c)に示すように、蒸着材
料10の上面10bを凸面にして、上面と下面の形状を
変えておくと、ハースライナーにセットする際に所定の
面の確認が容易になるという利点がある。
【0026】次に実施例を説明する。
【0027】(実施例1)フッ化マグネシウム原料とし
てのMgF2 溶融粉砕粉を図2に示す溶融炉の坩堝31
a(図3の(a)参照)に入れ、断熱壁30aを有する
ベルジャー30内で融点以上で加熱、溶融し結晶を成長
させた。成長した結晶を坩堝31aから取り出し、円柱
状のMgF2 単結晶体を得た。このMgF2 単結晶体を
図1の真空蒸着装置の真空槽内のハースライナーに設置
し、電子銃法によりレンズ上にフッ化マグネシウム薄膜
を成膜した。
【0028】この単結晶体を蒸着源とする蒸着の際、タ
レを防ぐためにビームを絞っても表面全体が溶けるの
で、焼結体や粒状のように掘れることがなかった。ま
た、焼結体と同じ膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて
体積の減り方が少ないので、1つの結晶体で何回も蒸着
することができた。さらに、一度蒸着した結晶体は冷め
にくく、蒸着後1〜7分放置して再度ビームを当てたと
き瞬時に表面が溶け始めるので、効率よく多層膜を作る
ことが出来た。
【0029】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0030】(実施例2)MgF2 溶融粉砕粉を図3の
(b)に示すような、下面が凸になる坩堝31bに入
れ、図2の溶融炉を用いて融点以上で加熱、溶融し結晶
を成長させた。成長した結晶体を坩堝から取り出し、円
柱状のMgF2 単結晶体を得た。このMgF 2 の単結晶
体を図1の真空蒸着装置の真空槽内のハースライナーに
凸面が上になるように設置し、電子銃法によりレンズ上
にフッ化マグネシウム薄膜を形成した。
【0031】この単結晶体の蒸着の際、タレを防ぐため
にビームを絞っても表面全体が溶けるので、焼結体や粒
状のように掘れることがなかった。また、焼結体と同じ
膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて体積の減り方が少
ないので、1つの結晶体で何回も蒸着することができ
た。さらに、一度蒸着した結晶体は冷めにくく、蒸着後
1〜7分放置して再度ビームを当てたとき瞬時に表面が
溶け始めるので、効率よく多層膜を作ることが出来た。
【0032】次に、このMgF2 単結晶体の上面の凸面
部に粗面加工を施した。このようにビーム照射面に粗面
加工を施したことで、より一層1ショット目のビームが
入り易くなった。またビーム照射面を凸面にしたことで
蒸着装置に正しく設置することが出来た。
【0033】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0034】(実施例3)MgF2 溶融粉砕粉を図3の
(c)に示すような、片面に支持部ができるように加工
した坩堝31cに入れ、図2の溶融炉を用いて融点以上
で加熱、溶融し結晶を成長させた。成長した結晶体を坩
堝から取り出し、円柱状のMgF2 単結晶体を得た。こ
のMgF2 の単結晶体を図1の真空蒸着装置の真空槽内
のハースライナーに支持部が下になるように設置し、電
子銃法によりレンズ上にフッ化マグネシウム薄膜を形成
した。
【0035】この単結晶体の蒸着の際、タレを防ぐため
にビームを絞っても表面全体が溶けるので、焼結体や粒
状のように掘れることがなかった。また、焼結体と同じ
膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて体積の減り方が少
ないので、1つの結晶体で何回も蒸着することができ
た。さらに、一度蒸着した結晶体は冷めにくく、蒸着後
1〜7分放置して再度ビームを当てたとき瞬時に表面が
溶け始めるので、効率よく多層膜を作ることが出来た。
【0036】また、ハースライナーに直接触れないよう
に支持部を設けることで、ビームを照射した際、結晶体
が割れにくくなった。
【0037】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0038】(実施例4)MgF2 溶融粉砕粉を図3の
(d)に示すような坩堝31dに入れ、図2の溶融炉を
用いて融点以上で加熱、溶融し結晶を成長させた。成長
した結晶体を坩堝から取り出し、MgF2 の結晶体を得
た。これを切り出して図1の(b)に示す形状に加工し
た。表面は処理せず、切り出したままの状態を利用し
た。このMgF2 の単結晶体を図1の真空蒸着装置の真
空槽内のハースライナーに設置し、電子銃法によりレン
ズ上にフッ化マグネシウム薄膜を形成した。
【0039】この単結晶体の蒸着の際、タレを防ぐため
にビームを絞っても表面全体が溶けるので、焼結体や粒
状のように掘れることがなかった。また、焼結体と同じ
膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて体積の減り方が少
ないので、1つの結晶体で何回も蒸着することができ
た。さらに、一度蒸着した結晶体は冷めにくく、蒸着後
1〜7分放置して再度ビームを当てたとき瞬時に表面が
溶け始めるので、効率よく多層膜を作ることが出来た。
【0040】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0041】(実施例5)実施例4に示す方法で得たM
gF2 の単結晶体から切り出した材料を図1の(c)に
示す凸形状に加工し、この結晶体の凸面部に粗面加工を
施した。このMgF2 単結晶体を図1の真空蒸着装置の
真空槽内のハースライナーに凸面が上になるように設置
し、電子銃法によりレンズ上にフッ化マグネシウム薄膜
を形成した。
【0042】この単結晶体の蒸着の際、タレを防ぐため
にビームを絞っても表面全体が溶けるので、焼結体や粒
状のように掘れることがなかった。また、焼結体と同じ
膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて体積の減り方が少
ないので、1つの結晶体で何回も蒸着することができ
た。さらに、一度蒸着した結晶体は冷めにくく、蒸着後
1〜7分放置して再度ビームを当てたとき瞬時に表面が
溶け始めるので、効率よく多層膜を作ることが出来た。
【0043】また、ビーム照射面に粗面加工を施したこ
とで1ショット目のビームが入り易くなり、粗面加工を
施した面を凸面にしたことで蒸着装置に正しく設置する
ことが出来た。
【0044】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0045】(実施例6)実施例4に示す方法で得たM
gF2 の単結晶体から切り出した材料を図1の(d)に
示す形状に加工した。ビーム照射面は処理せず切り出し
たままの状態を用いた。このMgF2 単結晶体を図1の
真空蒸着装置の真空槽内のハースライナーに支持部が下
になるように設置し、電子銃法によりレンズ上にフッ化
マグネシウム薄膜を形成した。
【0046】この単結晶体の蒸着の際、タレを防ぐため
にビームを絞っても表面全体が溶けるので、焼結体や粒
状のように掘れることがなかった。また、焼結体と同じ
膜厚を蒸着したとき、焼結体に比べて体積の減り方が少
ないので、1つの結晶体で何回も蒸着することができ
た。さらに、一度蒸着した結晶体は冷めにくく、蒸着後
1〜7分放置して再度ビームを当てたとき瞬時に表面が
溶け始めるので、効率よく多層膜を作ることが出来た。
【0047】また、ハースライナーに直接触れないよう
に支持部を設けることで、ビームを照射した際、結晶体
が割れにくくなった。
【0048】成膜後、レンズ表面を観察したところ異物
は確認されなかった。
【0049】以上の実施例では粗面、凸面、支持部の形
成を独立に行なっているが、これらを組み合わせて形成
することが出来ることは言うまでもない。
【0050】(比較例1)MgF2 溶融粉砕粉を図3の
(a)に示すような坩堝に入れ、図2の溶融炉を用いて
融点以上で加熱、溶融し結晶を成長させた。成長した結
晶体を坩堝から取り出し1〜3mmに粉砕しMgF2
溶融粒状体を得た。これを真空蒸着装置の真空槽内のハ
ースライナーに充填し、電子銃法によりレンズ上にフッ
化マグネシウム薄膜を形成した。
【0051】この溶融粒状体を蒸着した際、ビームが集
中する中央部分が掘れて周辺の細粒が崩れ落ちスプラッ
シュが発生した。成膜後、レンズ表面を観察したところ
異物が多数確認された。
【0052】(比較例2)MgF2 溶融粉砕粉を図3の
(a)に示すような坩堝に入れ、図2の溶融炉を用いて
融点以上で加熱、溶融し結晶を成長させた。成長した結
晶を坩堝から取り出し円柱状のMgF2 単結晶体を得
た。この結晶体の表面を研磨して真空蒸着装置の真空槽
内のハースライナーに設置し、電子銃法によりレンズ上
にフッ化マグネシウム薄膜を形成した。
【0053】この単結晶体にビームを照射した際、ビー
ムがはじかれてビーム照射面を粗面加工したものに比べ
表面が溶け出すまでに時間がかかった。
【0054】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0055】MgF2 の単結晶体または多結晶体を電子
銃法の蒸着源として用いることで、スプラッシュの発生
や中央部が掘れる等のトラブルを回避して、高品質なM
gF 2 または化学量論比に極めて近い組成比のMgFx
の薄膜を高い成膜レートで成膜できる。
【0056】また、蒸着工程を繰り返して多層膜を成膜
する場合の生産効率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態を説明するもので(a)は成膜に
用いる真空蒸着装置を示す模式図、(b)〜(d)は、
蒸着材料の様々な形状を示す図である。
【図2】結晶を成長させるための溶融炉を示す図であ
る。
【図3】溶融炉の坩堝の様々な形状を示す図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 電子銃 2a ハースライナー 3 ホルダ 10 蒸着材料 10c 支持部 31a,31b,31c,31d 坩堝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 義三 茨城県取手市白山7丁目5番16号 株式会 社オプトロン内 Fターム(参考) 4K029 AA09 BA42 BD09 CA01 DB05 DB07 DB21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化マグネシウム薄膜を蒸着によって
    成膜するための蒸着源として用いる薄膜形成材料であっ
    て、フッ化マグネシウムを結晶化させて得られる単結晶
    体または多結晶体によって構成されていることを特徴と
    する薄膜形成材料。
  2. 【請求項2】 単結晶体または多結晶体が、表面粗さ1
    μm〜3mmの粗面を有することを特徴とする請求項1
    記載の薄膜形成材料。
  3. 【請求項3】 単結晶体または多結晶体が凸面形状を有
    することを特徴とする請求項1または2記載の薄膜形成
    材料。
  4. 【請求項4】 単結晶体または多結晶体の上面と下面の
    表面形状が互いに異なっていることを特徴とする請求項
    1ないし3いずれか1項記載の薄膜形成材料。
  5. 【請求項5】 単結晶体または多結晶体が、表面から突
    出する支持部を備えていることを特徴とする請求項1な
    いし4いずれか1項記載の薄膜形成材料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか1項記載の薄
    膜形成材料を蒸着源として、電子銃法によってフッ化マ
    グネシウム薄膜を成膜する工程を有する成膜方法。
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