JP2007191743A - 燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性および耐水素疲労強度の高い燃料電池用転動部材、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転がり軸受、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなっている。そして、当該鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法に関し、より特定的には、燃料電池装置の内部において回転する部材を保持するために用いられる燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法に関するものである。
燃料電池は、水素と酸素との化学反応を利用して直接電気を発生させる装置である。この燃料電池は、発電効率が高いだけでなく、有害な排出物や騒音がほとんど発生しないため、次世代のエネルギー源の一つとして期待されている。
燃料電池の装置内において回転する部材を保持するためには、軸受が用いられる。この燃料電池用軸受においては、発電に用いられる水素が燃料電池用軸受を構成する燃料電池用転動部材である軌道部材や転動体の内部に侵入し、疲労強度を著しく低下させるという問題がある。また、燃料電池用軸受においては、腐食性を有する液体が付着する可能性もあるため、耐食性も要求される。
これに対し、所定成分の鉄鋼材料からなり、粒径50nm以上300nm以下のモリブデンおよび/またはバナジウムの炭化物がマトリックス中に分布しているとともに、軌道輪の軌道面および/または転動体の転動面に5nm以上300nm以下の厚さのクロム酸化膜が形成された転がり軸受が提案されている。これにより、クロム酸化膜により軌道輪や転動体への水素の侵入が抑制されるとともに、モリブデンおよび/またはバナジウムの炭化物により水素が吸着される。その結果、潤滑油に侵入した水分が分解することにより水素が発生する環境において、長寿命な転がり軸受を得ることができる(たとえば特許文献1参照)。
また、タングステンおよびコバルトなどの合金元素を含むとともに、各合金元素の含有量が所定の関係を満たす鋼からなり、所定条件の下で焼入焼戻された転がり軸受(転がり支持装置)が提案されている。これにより、耐食性に優れ、かつ十分な硬さを有する転がり軸受が得られ、転がり軸受の転がり寿命を長くすることができる(たとえば特許文献2参照)。
さらに、窒素を含有させることにより耐食性を向上させてクロム含有量を低減可能とし、それにより加工性等を向上させた、転がり軸受に適用可能な高硬度耐食鋼が提案されている(たとえば特許文献3参照)。
特開2000−282178号公報 特開平10−219402号公報 特開2000−282188号公報
しかし、発電に用いられる水素が軌道部材や転動体の内部に侵入する環境で使用される燃料電池用転がり軸受においては、潤滑油に侵入した水分が分解することにより水素が発生する環境と比べて、軌道部材や転動体が曝される水素の濃度が高い場合が多いため、特許文献1に開示された転がり軸受の構成では燃料電池用転がり軸受として必ずしも十分な疲労強度を確保することができるとはいえない。
また、燃料電池の普及のために低コスト化が重要視される中、燃料電池用転がり軸受に対しても低コスト化の要求がある。したがって、高価な合金元素であるタングステンやコバルトなどを含有する鋼からなる特許文献2に開示された転がり軸受の構成では、このような低コスト化の要求に応えることが困難となるおそれがある。
さらに、特許文献3に開示された高硬度耐食鋼を燃料電池用転がり軸受に適用した場合、要求特性の一つである耐食性を満足できる可能性があるが、水素の侵入に対する対策が十分であるとはいえない。
そこで、本発明の目的は、高い耐食性を有するとともに、水素に曝される環境においても高い疲労強度を有する(耐水素疲労強度の高い)燃料電池用転動部材、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転がり軸受、およびその製造方法を提供することである。
本発明に従った燃料電池用転動部材は、0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなっている。そして、当該鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している。
本発明の燃料電池用転動部材においては、6.0質量%以上のクロムを含有する鋼からなることにより、燃料電池用転動部材の表面に緻密なクロム酸化物の皮膜が形成される。これにより、耐食性が確保されるとともに、燃料電池用転動部材内部への水素の拡散が抑制され、耐水素疲労強度が向上する。また、本発明の燃料電池用転動部材においては、0.05質量%以上の窒素を含有する鋼からなることにより、当該鋼の素地に窒素が固溶し、耐食性がさらに向上する。なお、鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細については後述する。
さらに、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している。これにより、整合析出したバナジウム炭化物やモリブデン炭化物が水素を捕集(トラップ)するトラップサイトとして機能し、水素の拡散が抑制される。その結果、燃料電池用転動部材の耐水素疲労強度が向上する。
ここで、バナジウム炭化物およびモリブデン炭化物とは、不純物を除いてバナジウムと炭素およびモリブデンと炭素とからなる炭化物のみならず、これらの炭化物に窒素が固溶した炭窒化物をも含む。
以上のように、本発明の燃料電池用転動部材によれば、高い耐食性を有するとともに、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転動部材を提供することができる。
次に、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細について説明する。
炭素量:0.2質量%以上1.2質量%以下
炭素含有量が高くなると、耐食性が低下するとともに、直径100μmを超えるような大型の炭化物(巨大炭化物)が形成されて疲労強度が低下するおそれがある。一方、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼には、炭素と結合して炭化物を形成するバナジウムおよびモリブデンの少なくともいずれか一方が添加されるため、当該炭化物の形成に鋼中の炭素が消費される。この炭化物の形成による炭素の消費を考慮しても、炭素含有量が1.2質量%を超えると耐食性の低下や巨大炭化物の形成のおそれがあるため、炭素含有量は1.2質量%以下である。
一方、本発明の燃料電池用転動部材においては、炭素は、バナジウムやモリブデンと結合した炭化物として直径10nm以下の大きさに整合析出し、析出硬化により燃料電池用転動部材の硬度を上昇させる機能を果たす。また、当該炭化物は、水素のトラップサイトとしても機能する。炭素含有量が0.2質量%未満では、当該炭化物の析出量が少なく、燃料電池用転動部材において、転動部材として機能を果たすために十分な硬度である58HRC以上の硬度を確保することが困難となるだけでなく、水素のトラップサイトとしての機能を十分に果たすことができないおそれがある。そのため、炭素含有量は0.2質量%以上である。
珪素量:0.15質量%以上1.0質量%以下
珪素は鋼の製造工程において、鋼の特性に対して有害な酸素の含有量を低下させるために添加される元素である。したがって、0.15質量%未満に低減するためには、酸素の含有量を低下させるために用いる珪素の量を抑制するか、または添加した珪素を再度除去する必要が生じ、製造コスト上昇の原因となる。そのため、珪素量は0.15質量%以上である。一方、燃料電池用転動部材を構成する鋼の珪素含有量が1.0質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下するため、加工コストが上昇する。また、珪素含有量が1.0質量%を超えると、燃料電池用転動部材の靭性が低下するおそれもある。そのため、珪素量は1.0質量%以下である。
マンガン:0.3質量%以上1.5質量%以下
マンガンは鋼の製造工程において、珪素と同様に、鋼の特性に対して有害な酸素の含有量を低下させるために添加される元素である。したがって、0.3質量%未満に低減することは、珪素と同様に、製造コスト上昇の原因となる。そのため、珪素量は0.3質量%以上である。一方、燃料電池用転動部材を構成する鋼のマンガン含有量が1.5質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下するため、加工コストが上昇する。そのため、珪素含有量は1.5質量%以下である。
クロム:6.0質量%以上12.0質量%以下
クロムは、本発明の燃料電池用転動部材において耐食性および耐水素転動疲労強度の向上を担う重要な元素である。クロム含有量が6.0質量%未満では、緻密なクロム酸化物の皮膜が燃料電池用転動部材の表面に十分に形成されず、耐食性および耐水素転動疲労強度を十分に向上させることができない。一方、クロム含有量が12.0質量%を超えると、耐食性および耐水素転動疲労強度の向上効果がほぼ飽和するとともに、素材のコストが上昇する原因となる。さらに、クロム含有量が12.0質量%を超えると、鋼中の炭素と結合して巨大炭化物を形成し、燃料電池用転動部材の疲労強度に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、クロム含有量は、6.0質量%以上12.0質量%以下である。なお、耐食性および耐水素転動疲労強度を一層向上させるためには、クロム含有量は8.0質量%以上であることが好ましい。
窒素:0.05質量%以上0.20質量%以下
窒素は、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼に含有されることにより、当該鋼の素地中に固溶し、燃料電池用転動部材の耐食性の向上に寄与する。含有量が0.05質量%未満では、耐食性向上の効果が小さい。一方、0.20質量%を超えると、当該鋼の製造工程における鋳造の際、鋳塊(インゴット)内に気泡が発生し、燃料電池用転動部材の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、窒素含有量は、0.05質量%以上0.20質量%以下である。
バナジウムおよびモリブデンの含有量の合計:1.0質量%以上6.0質量%以下
バナジウムおよびモリブデンは、本発明の燃料電池用転動部材において微細な炭化物として鋼中に整合析出することにより、水素のトラップサイトとしての機能を果たすとともに、析出硬化による硬度向上にも寄与する重要な元素である。含有量が1.0質量%未満では、析出する炭化物の量が不十分であるため、上述のトラップサイトとしての機能および硬度向上の効果が十分発揮されない。一方、含有量が6.0質量%を超えると、これらの効果が飽和するとともに、素材のコストが上昇する。さらに、バナジウムおよびモリブデンは、鋼中において同様の効果を有するため、一方のみが鋼中に含有されていてもよいし、両方が含有されていてもよい。以上より、バナジウムおよびモリブデンの含有量の合計は、1.0質量%以上6.0質量%以下である。なお、トラップサイトとしての機能および硬度向上の効果を一層向上させるためには、バナジウムおよびモリブデンの含有量の合計は3.0質量%以上であることが好ましい。
バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合:0.16以上0.24以下
上述のように、炭素はバナジウムおよびモリブデンと結合して炭化物を形成し、水素のトラップサイトとしての機能を果たすとともに、析出硬化による硬度向上にも寄与する。上記割合が0.16未満では、含有されるバナジウムおよびモリブデンに対して炭素が不足するため、バナジウムおよびモリブデンの炭化物が十分に形成されず、上記効果が十分に発揮されない。一方、上記割合が0.24を超える場合、含有されるバナジウムおよびモリブデンに対して炭素が過剰となる。過剰な炭素は鋼中のクロムと結合してクロム炭化物を形成して鋼中のクロムを消費する。そのため、燃料電池用転動部材の表面にクロム酸化物の皮膜が十分に形成されず、耐食性および耐水素転動疲労強度が低下する。また、クロム炭化物は巨大炭化物を形成して応力集中源となり、燃料電池用転動部材の疲労強度を低下させるおそれもある。以上より、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合は0.16以上0.24以下である。なお、バナジウムおよびモリブデンに対して炭素を過不足無く含有させる観点から、上記割合は0.18以上0.22以下であることがより好ましい。
本発明に従った燃料電池用転がり軸受は、軌道部材と、軌道部材に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備えている。そして、軌道部材および転動体の少なくともいずれか一方は、上述の燃料電池用転動部材である。
本発明の燃料電池用転がり軸受によれば、上述の優れた特性を有する燃料電池用転動部材を備えているため、高い耐食性を有するとともに、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転がり軸受を提供することができる。なお、耐食性および耐水素疲労強度を一層向上させるためには、軌道部材および転動体の両方が上述の燃料電池用転動部材であることが好ましい。
本発明に従った燃料電池用転動部材の製造方法は、鋼材準備工程と、成形工程と、熱処理工程とを備えている。鋼材準備工程では、0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなる鋼材が準備される。
成形工程では、上記鋼材を成形することにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材が作製される。さらに、熱処理工程では、当該鋼製部材が熱処理される。
そして、熱処理工程は、鋼製部材を1050℃以上1250℃以下の温度からM点以下の温度に冷却することにより、鋼製部材を焼入れる焼入工程と、焼入工程において焼入れられた鋼製部材を550℃以上650℃以下の温度に加熱することにより焼戻す焼戻工程とを含んでいる。
本発明の燃料電池用転がり軸受の製造方法によれば、上述の成分範囲の鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用されることにより、上述のように、燃料電池用転動部材に高い耐食性と高い耐水素疲労強度とを付与することが可能となる。そして、当該鋼材が成形工程において成形された後、熱処理工程で適切な熱処理を施されることにより、高い耐食性と高い耐水素疲労強度とを有する燃料電池用転動部材を製造することができる。
すなわち、成形工程において作製された鋼製部材を構成する鋼の組織中には、圧延、鍛造等の際に受けた加熱および冷却の履歴に応じた種々の大きさのバナジウム炭化物やモリブデン炭化物が形成されている。熱処理工程に含まれる焼入工程において、鋼製部材が1050℃以上1250℃以下の温度に加熱されることにより、当該バナジウム炭化物やモリブデン炭化物を構成するバナジウム、モリブデンおよび炭素は、鋼の素地中に固溶する。そして、当該温度域から焼入れられた後、焼戻工程において550℃以上650℃以下の温度に加熱されることにより、直径10nm以下のバナジウム炭化物やモリブデン炭化物として再度析出する。
このとき、鋼の組織中に析出するバナジウム炭化物やモリブデン炭化物の直径が10nm以下であるため、当該炭化物は鋼の素地に対して整合に析出している。そのため、鋼の素地が析出硬化されて、燃料電池用転動部材の十分な硬度、たとえば58HRC以上の硬度を確保することができる。また、整合析出した当該炭化物は水素の強力なトラップサイトとして機能するため、燃料電池用転動部材内における水素の拡散が強く抑制される。その結果、燃料電池用転動部材に対して高い耐水素疲労強度を付与することができる。
ここで、焼入工程における鋼製部材の加熱温度が1050℃未満では、鋼製部材を構成する鋼が含有するバナジウム、モリブデンおよび炭素が十分に固溶せず、これらの元素を十分に活用できない。そのため、当該加熱温度は1050℃以上とする必要がある。一方、1050℃を超えてさらに当該加熱温度を上昇させても、バナジウム、モリブデンおよび炭素の固溶量はほとんど増加しないため、当該加熱を実施する加熱炉の耐久性や加熱を実施するためのコストを考慮すると、当該加熱温度が1250℃を超えることは好ましいとはいえない。また、当該加熱を実施するためのコスト低減を重視する場合、加熱温度は1050℃以上1100℃以下とすることが好ましい。
また、焼戻工程における加熱温度が550℃未満では、焼入工程において鋼製部材を構成する鋼の素地中に固溶したバナジウムおよびモリブデンの炭化物がほとんど析出せず、当該炭化物による上記効果がほとんど得られない。一方、焼戻工程における加熱温度が上昇すると、析出したバナジウムおよびモリブデンの炭化物の直径が大きくなり、その数が減少するとともに、一定の大きさを超えると当該鋼の素地に対して非整合となる。加熱温度が650℃を超えるとこのような現象が顕著となり、当該炭化物による上記効果が小さくなるため、当該加熱温度は650℃以下であることが好ましい。さらに、析出したバナジウムおよびモリブデンの炭化物は、その直径が小さく、かつ数が多いほうが上記効果が大きいため、当該加熱温度は550℃以上600℃以下であることが、より好ましい。
さらに、燃料電池用転動部材を構成する鋼には、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムが含有されており、かつバナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下とされている。そのため、クロム炭化物を形成する過剰な炭素が抑制されているとともに、十分な量のクロムが含有されているため、燃料電池用転動部材の表面に緻密なクロム酸化物の皮膜が十分に形成される。その結果、燃料電池用転動部材の耐食性が向上するとともに、燃料電池用転動部材内部への水素の侵入が抑制されて耐水素疲労強度が向上する。
さらに、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼には、0.05質量%以上の窒素が含有されている。そのため、当該鋼の素地中に窒素が固溶し、耐食性が一層向上する。
以上のように、本発明の燃料電池用転動部材の製造方法によれば、高い耐食性を有するとともに耐水素疲労強度に優れた燃料電池用転動部材を製造することができる。
本発明に従った燃料電池用転がり軸受の製造方法は、軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、転動体を製造する転動体製造工程と、軌道部材製造工程において製造された軌道部材と、転動体製造工程において製造された転動体とを組み合わせることにより、燃料電池用転がり軸受を組立てる組立工程とを備えている。そして、軌道部材製造工程および転動体製造工程の少なくともいずれか一方は、上述の燃料電池用転動部材の製造方法により実施される。
本発明の燃料電池用転がり軸受の製造方法によれば、上述の高い耐食性を有するとともに耐水素疲労強度に優れた燃料電池用転動部材を製造可能な電池用転動部材の製造方法により軌道部材製造工程および転動体製造工程の少なくともいずれか一方が実施されるため、耐食性および耐水素疲労強度に優れた燃料電池用転がり軸受を製造することができる。なお、一層耐食性および耐水素疲労強度に優れた燃料電池用転がり軸受を製造するためには、軌道部材製造工程および転動体製造工程の両方が上述の燃料電池用転動部材の製造方法により実施されることが好ましい。
ここで、上述のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物の直径は、たとえば燃料電池用転動部材から、薄膜試料を作成し、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)を用いて観察される当該炭化物の幅の最も大きい部分と最も小さい部分との平均値を直径として算出することができる。また、上述のように、バナジウム炭化物および/またはモリブデン炭化物は、耐水素疲労強度向上の観点から、数が多い(数密度が高い)ことが好ましい。具体的には、TEM観察において100万倍(視野面積10000nm)の条件でたとえば10視野観察し、直径10nm以下のバナジウム炭化物および/またはモリブデン炭化物が平均50個以上(0.005個/nm以上)確認されることが、耐水素疲労強度の観点から好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の燃料電池用転動部材および燃料電池用転がり軸受によれば、高い耐食性を有するとともに、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転動部材および燃料電池用転がり軸受を提供することができる。また、本発明の燃料電池用転動部材および燃料電池用転がり軸受の製造方法によれば、高い耐食性を有するとともに、耐水素疲労強度の高い燃料電池用転動部材および燃料電池用転がり軸受を製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1は、本発明の一実施の形態における燃料電池用転動部材を備えた燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。図1を参照して、本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用深溝玉軸受について説明する。
図1を参照して、燃料電池用深溝玉軸受1は、軌道部材としての環状の外輪11と、外輪11の内側に配置された軌道部材としての環状の内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置され、円環状の保持器14に保持された転動体としての複数の玉13とを備えている。外輪11の内周面には外輪転走面11Aが形成されており、内輪12の外周面には内輪転走面12Aが形成されている。そして、内輪転走面12Aと外輪転走面11Aとが互いに対向するように、外輪11と内輪12とは配置されている。さらに、複数の玉13は、内輪転走面12Aおよび外輪転走面11Aに接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、燃料電池用深溝玉軸受1の外輪11および内輪12は、互いに相対的に回転可能となっている。
ここで、本実施の形態の燃料電池用転動部材である軌道部材としての外輪11、内輪12、および転動体としての玉13は、0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなっている。そして、当該鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している。
本実施の形態の燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13においては、6.0質量%以上のクロムを含有する鋼からなることにより、表面に緻密なクロム酸化物の皮膜が形成されている。これにより、外輪11、内輪12および玉13の耐食性が確保されるとともに、これらの内部への水素の拡散が抑制され、耐水素疲労強度が向上している。さらに、外輪11、内輪12および玉13を構成する鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している。これにより、整合析出したバナジウム炭化物やモリブデン炭化物が水素のトラップサイトとして機能し、外輪11、内輪12および玉13内部での水素の拡散が抑制されている。その結果、外輪11、内輪12および玉13の耐水素疲労強度が向上している。
さらに、本実施の形態の燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13においては、0.05質量%以上の窒素を含有する鋼からなることにより、当該鋼の素地中に窒素が固溶し、耐食性が一層向上している。
以上のように、本実施の形態の燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、高い耐食性を有するとともに、高い耐水素疲労強度を有している。
さらに、本実施の形態の燃料電池用深溝玉軸受1は、高い耐食性を有するとともに、高い耐水素疲労強度を有している上述の外輪11、内輪12および玉13を備えているため、耐食性および耐水素疲労強度の高い燃料電池用深溝玉軸受となっている。
図2は、本発明の他の実施の形態における燃料電池用転動部材を備えた燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用スラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。図2を参照して、本発明の他の実施の形態における燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用スラストニードルころ軸受について説明する。
図2を参照して、燃料電池用スラストニードルころ軸受2は、基本的には図1に基づいて説明した燃料電池用深溝玉軸受1と同様の構成を有している。しかし、燃料電池用スラストニードルころ軸受2は、軌道部材および転動体の構成において、燃料電池用深溝玉軸受1とは異なっている。すなわち、燃料電池用スラストニードルころ軸受2は、円盤状の形状を有し、互いに一方の主面が対向するように配置された軌道部材としての一対の軌道輪21と、転動体としての複数のニードルころ23と、円環状の保持器24とを備えている。複数のニードルころ23は、一対の軌道輪21の互いに対向する主面に形成された軌道輪転走面21Aに接触し、かつ保持器24により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、燃料電池用スラストニードルころ軸受2の一対の軌道輪21は、互いに相対的に回転可能となっている。
ここで、本発明の他の実施の形態である燃料電池用転動部材である軌道部材としての軌道輪21および転動体としてのニードルころ23は、それぞれ上述の外輪11、内輪12および玉13に該当し、同様の構成を有している。
そのため、本発明の他の実施の形態である燃料電池用転動部材としての軌道輪21およびニードルころ23は、高い耐食性を有するとともに、高い耐水素疲労強度を有している。
さらに、本発明の他の実施の形態である燃料電池用スラストニードルころ軸受2は、高い耐食性を有するとともに、高い耐水素疲労強度を有している上述の軌道輪21およびニードルころ23を備えているため、耐食性および耐水素疲労強度の高い燃料電池用スラストニードルころ軸受となっている。
次に、本発明の一実施の形態における燃料電池用転動部材および燃料電池用転がり軸受の製造方法について説明する。図3は、本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。また、図4は、本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受の製造方法に含まれる燃料電池用転動部材の製造方法の概略を示す図である。
図3を参照して、本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受の製造方法においては、まず、軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、転動体を製造する転動体製造工程とが実施される。具体的には、軌道部材製造工程では、燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12、軌道輪21などが製造される。一方、転動体製造工程では、玉13、ニードルころ23などが製造される。
そして、軌道部材製造工程において製造された軌道部材と、転動体製造工程において製造された転動体とを組み合わせることにより、燃料電池用転がり軸受を組立てる組立工程が実施される。具体的には、たとえば外輪11および内輪12と、玉13とを組み合わせることにより、燃料電池用深溝玉軸受1が組立てられる。そして、この軌道部材製造工程および転動体製造工程は、たとえば以下の燃料電池用転動部材の製造方法により実施される。
図4を参照して、本発明の一実施の形態における燃料電池用転動部材の製造方法においては、まず、0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、バナジウムおよびモリブデンの合計の含有量に対する炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなる鋼材を準備する鋼材準備工程が実施される。具体的には、たとえば上記成分を有する棒鋼が準備される。
次に、図4を参照して、上記鋼材を成形することにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材を作製する成形工程が実施される。具体的には、たとえば上記棒鋼に対して鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などの概略形状に成型された鋼製部材が作製される。
次に、上記鋼製部材を熱処理する熱処理工程が実施される。熱処理工程は、鋼製部材を1050℃以上1250℃以下の温度からM点以下の温度に冷却することにより、鋼製部材を焼入れる焼入工程と、焼入工程において焼入れられた鋼製部材を550℃以上650℃以下の温度に加熱することにより焼戻す焼戻工程とを含んでいる。この熱処理工程の詳細については後述する。
次に、図4を参照して、仕上げ工程が実施される。具体的には、熱処理工程が実施された鋼製部材に対して研削加工などの仕上げ加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などが仕上げられる。これにより、本実施の形態における燃料電池用転動部材としての外輪11、内輪12、玉13、軌道輪21およびニードルころ23などが完成する。
次に、熱処理工程の詳細について説明する。図5は、燃料電池用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。図5において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図5において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図5を参照して、燃料電池用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細について説明する。
図5を参照して、まず、鋼製部材を1050℃以上1250℃以下の温度からM点以下の温度に冷却することにより、鋼製部材を焼入れる焼入工程が実施される。具体的には、成形工程において作製された鋼製部材がA点以上の温度である1050℃以上1250℃以下の温度、たとえば1050℃に加熱されて、5分間以上30分間以下の時間、たとえば10分間保持される。これにより、鋼製部材を構成する鋼が含有するバナジウム、モリブデンおよび炭素がオーステナイト化した当該鋼の素地中に固溶する。その後、鋼製部材は、油中に浸漬されることにより、1050℃以上1250℃以下の温度、たとえば1050℃からM点以下の温度に冷却されて、焼入硬化される(油冷)。これにより、熱処理工程に含まれる焼入工程が完了する。
このとき、鋼製部材が1050℃以上1250℃以下の温度に加熱されることにより、鋼の素地中に固溶したバナジウム、モリブデンおよび炭素は炭化物として析出することなく、マルテンサイト化した当該鋼の素地中に固溶した状態を保っている。
なお、鋼の素地中に固溶したバナジウム、モリブデンおよび炭素を炭化物として析出させることなく、上記冷却後においても当該鋼の素地中に固溶した状態を保つためには、鋼製部材が焼入工程においてM点以下の温度に冷却される際に、当該炭化物が析出する550℃以上の温度域で急冷されている必要がある。そのため、鋼製部材が焼入工程においてM点以下の温度に冷却される際の冷却速度は、550℃、好ましくは500℃以下になるまでの期間において、500℃/秒以上であることが好ましい。
ここで、A点とは鋼を加熱した場合に、鋼の組織がフェライトからオーステナイトに変態を開始する温度に相当する点をいう。また、M点とはオーステナイト化した鋼が冷却される際に、マルテンサイト化を開始する温度に相当する点をいう。
次に、図5を参照して、焼入工程において焼入れられた鋼製部材を550℃以上650℃以下の温度に加熱することにより焼戻す焼戻工程が実施される。具体的には、焼入工程において焼入硬化された鋼製部材がA点以下の温度である550℃以上650℃以下の温度、たとえば550℃に加熱されて、30分間以上240分間以下の時間、たとえば120分間保持された後、空気中で放冷される(空冷)。これにより、鋼製部材を構成する鋼の素地中に固溶しているバナジウム、モリブデンおよび炭素が直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物として当該素地中に微細に析出する。
このとき、鋼製部材が550℃以上650℃以下の温度に加熱されることにより析出したバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物は、直径が10nm以下であるため、鋼製部材を構成する鋼の素地中において整合析出している。そのため、当該鋼は析出硬化され、鋼製部材は軸受として機能するために十分な硬度、たとえば58HRC以上の硬度に硬化されている。また、整合析出した当該炭化物は水素の強力なトラップサイトとして機能するため、燃料電池用転動部材内における水素の拡散が強く抑制される。その結果、本実施の形態の燃料電池用転動部材の製造方法により製造された燃料電池用転動部材は高い耐水素疲労強度を有している。以上のようにして、熱処理工程に含まれる焼戻工程が完了する。
以上のように、本実施の形態における燃料電池用転動部材の製造方法によれば、6.0質量%以上のクロムを含有する鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用されることにより、燃料電池用転動部材の表面に緻密なクロム酸化物の皮膜が形成されるため、燃料電池用転動部材に高い耐食性と高い耐水素疲労強度とを付与することが可能となっている。さらに、0.05質量%以上の窒素を含有する鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用されることにより、当該鋼の素地中に窒素が固溶し、燃料電池用転動部材に高い耐食性を付与することが可能となっている。さらに、当該鋼材が成形工程において成形された後、熱処理工程で適切な熱処理を施されることにより直径10nm以下のバナジウム炭化物および/またはモリブデン炭化物が当該鋼の素地中に析出するため、高い耐食性と高い耐水素疲労強度とを有する燃料電池用転動部材を製造することができる。
なお、上記実施の形態においては、本発明の燃料電池用転がり軸受および燃料電池用転動部材の一例として深溝玉軸受、スラストニードルころ軸受およびこれらが備える転動部材について説明したが、本発明の燃料電池用転がり軸受および燃料電池用転動部材はこれらに限られない。たとえば、燃料電池用転動部材である軌道部材は、転動体が表面を転走するように使用される軸や板などであってもよい。すなわち、本発明の燃料電池用転動部材である軌道部材は、転動体が転走するための転走面が形成された部材であればよい。また、本発明の燃料電池用転がり軸受は、スラスト玉軸受であってもよいし、ラジアルころ軸受であってもよい。
以下、本発明の実施例1について説明する。燃料電池用転動部材を構成する鋼の耐食性に及ぼすクロム、炭素、バナジウム、モリブデンおよび窒素の影響を調査する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験片の作製方法について説明する。はじめに、珪素およびマンガンをそれぞれ0.3質量%、炭素を0.2〜1.2質量%、クロム2〜14質量%含有し、残部は鉄である試料と、さらにバナジウムを5.0質量%添加した試料、およびバナジウムに代えて窒素を0.2質量%添加した試料を作製した。具体的には、上記成分比率となるように原料の金属を調合した後、アーク溶解炉にて溶解し、その後冷却することにより素材となる試料を作成した。そして、当該試料を旋削加工により、直径20mm、高さ10mmのボタン状の形状に加工した。さらに、加工された当該試料に対して、図5に基づいて説明した上述の実施の形態と同様の方法で焼入焼戻を実施することにより硬化した後、表面を研磨することにより、試験片を完成させた。なお、バナジウムを添加していない試料については、1050℃で10分間保持した後、油冷することにより焼入を実施し、その後180℃で120分間保持することにより焼戻を実施した。その後、表面を研磨することにより、試験片を完成させた。
次に、試験条件について説明する。上述の方法により作製された試験片に対して、25℃の5質量%塩化ナトリウム水溶液を1時間噴霧することにより、塩水噴霧試験を実施した。そして、試験片表面における錆の発生の有無および程度により、試験片の耐食性を評価した。
図6は、バナジウムおよび窒素を添加しなかった試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。また、図7は、バナジウムを5質量%添加した試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。また、図8は、窒素を0.2質量%添加した試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。図6〜図8において、横軸はクロム(Cr)含有量、縦軸は炭素(C)含有量を示している。また、図中の〇印は錆が確認されなかったこと、△印はわずかな錆の発生が確認されたこと、そして×印は明確に錆が発生したことを示している。図6〜図8を参照して、塩水噴霧試験の結果について説明する。
図6〜図8を参照して、バナジウムおよび窒素の添加の有無に関わらず、耐食性は炭素量が低く、クロム量が多いほうが良好な傾向にある。そして、クロム量が6質量%未満では、炭素量やバナジウムおよび窒素の添加の有無に関わらず、耐食性が不十分となっている。一方、クロムが6質量%以上では、炭素、バナジウムおよび窒素の含有量を適切な範囲とすることにより、良好な耐食性を確保可能となっている。このことから、良好な耐食性を確保するためには、クロム添加量は6質量%以上とする必要があることが分かる。
また、図6と図7とを比較すると、5質量%のバナジウムが添加されることにより、より高炭素、低クロムの成分においても耐食性が確保されている。これは、鋼中の炭素がバナジウムと結びついてバナジウム炭化物を形成したため、鋼中において耐食性に有害な炭素量が実質的に低下したことと、バナジウム炭化物の形成によりクロム炭化物の形成が抑制され、鋼中に固溶しているクロム量が増加したこととの相乗効果により、耐食性が向上したものと考えられる。
また、図6と図8とを比較すると、0.2質量%の窒素が添加されることにより、より高炭素、低クロムの成分においても耐食性が確保されている。これは、添加された窒素が鋼中に固溶することにより、耐食性が向上したものと考えられる。
なお、上記5質量%のバナジウムに代えて5質量%のモリブデンを添加した場合、およびバナジウムとモリブデンとを合わせて5質量%添加した場合についても上記塩水噴霧試験を実施したところ、図7と同様の結果となった。このことから、実施例1の成分系と同様の成分系の鋼では、モリブデンは耐食性においてバナジウムと同様の効果を有することが分かった。
さらに、バナジウムとモリブデンとを合わせて5質量%を超える添加量の場合についても、上記塩水噴霧試験を実施したところ、図7と同様の結果となった。このことから、実施例1の成分系と同様の成分系では、バナジウムおよびモリブデンは合計で5質量%を超えて添加されても、耐食性の向上には寄与しないことが分かった。
以下、本発明の実施例2について説明する。水素のトラップ能に及ぼすクロム、炭素、バナジウムおよびモリブデンの影響を調査する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
実施例2の実施例および比較例の試験片の作製方法は、実施例1と基本的に同様である。ただし、クロム含有量は1.5〜10質量%、バナジウム含有量は1〜5質量%の範囲で変化させた。また、試験片は直径4mm、長さ10mmの円筒形状とした。そして、当該試験片を1.4g/L(グラム/リットル)のチオ尿酸が添加された0.05mol/L(モル/リットル)の希硫酸中に浸漬し、電流密度0.3mA/cmの条件で陰極電解法により20時間水素をチャージした。その後、直ちに試験片を昇温水素分析装置にセットし、試験片を180℃/時間の昇温速度で室温から360℃まで昇温した。そして、その間に試験片から離脱した水素量を昇温水素分析装置により測定した。
なお、通常、水素は鋼中において極めて速く拡散し、鋼から離脱する。したがって、本試験において測定された水素量、すなわち離脱水素量が多いほど、鋼が有する水素のトラップ能が高く、水素の拡散を抑制できるため、耐水素疲労強度の向上に有利な鋼であるといえる。
図9は、各バナジウム含有量およびクロム含有量における、水素離脱量に及ぼす炭素含有量の影響を示す図である。図9において、横軸は炭素含有量、縦軸は水素離脱量を示している。また、図9において、□印はクロム含有量10質量%、◇印はクロム含有量7質量%、△印はクロム含有量3質量%、×印はクロム含有量1.5質量%の場合を示している。また、図9において、実線はバナジウム含有量5質量%の場合、破線はバナジウム含有量3質量%の場合、一点鎖線はバナジウム含有量1質量%の場合を示している。図9を参照して、各バナジウム含有量およびクロム含有量における、水素離脱量に及ぼす炭素含有量の影響について説明する。
図9を参照して、バナジウムの含有量が多いほど、水素離脱量が多くなる傾向にあり、炭素含有量が多くなるほど、当該傾向が大きくなっている。これは、バナジウム炭化物を形成するための炭素量が十分である限り、バナジウム含有量の増加にしたがって直径10nm以下の微細なバナジウム炭化物が多く形成され、水素のトラップサイトとして機能するためであると考えられる。
一方、水素離脱量は炭素含有量に対してはピークを持って変化しており、このピークの位置はバナジウム含有量に対する炭素含有量の割合が0.2となる位置に形成されている。これは、上記割合が0.2以下の場合、当該値が大きくなるほど微細なバナジウム炭化物が多く形成され、水素のトラップサイトが多くなるためであると考えられる。しかし、上記割合が0.2を超えるとバナジウム含有量に対して炭素含有量が過剰となり、過剰な炭素が鋼中のクロムと結合してクロム炭化物を形成する。そのため、クロム酸化物の皮膜を形成するためのクロム量が鋼中において減少する。その結果、上記割合が0.2を超えるとクロム酸化物の皮膜において吸着される水素量が少なくなり、水素離脱量が減少するものと考えられる。したがって、図9を参照して、上記割合が0.16以上0.24以下であることにより水素のトラップ能が高くなり、0.18以上0.22以下とすることが好ましい。さらに、上記割合を0.19以上0.21以下とすることが、水素のトラップ能の観点から最も好ましいといえる。
また、各炭素量およびバナジウム量において、クロム含有量が多いほど水素離脱量が多くなっている。これは、試験片の表面に形成されるクロム酸化物の皮膜において水素が吸着される効果が大きくなったためであると考えられる。このことから、クロム含有量を多くすることで、クロム酸化物の皮膜による水素の吸着効果を大きくし、水素の侵入を抑制することが可能であると考えられる。
なお、上記1〜5質量%のバナジウムに代えて1〜5質量%のモリブデンを添加した場合、およびバナジウムとモリブデンとを合わせて1〜5質量%添加した場合についても上記水素離脱量を調査する試験を行なったところ、図9と同様の結果となった。このことから、実施例2の成分系と同様の成分系の鋼では、モリブデンは水素のトラップ能においてバナジウムと同様の効果を有することが分かった。
また、上述の試験片を構成する鋼の成分に加えて窒素を0.2質量%添加した場合についても同様の試験を実施したところ、図9と同様の結果となった。このことから、耐食性向上のために添加される窒素は、上記炭化物による水素のトラップ能に悪影響を及ぼさないことが確認された。
以下、本発明の実施例3について説明する。本発明の燃料電池用転動部材と同様の構成を有する実施例の試験片と、本発明の範囲外の構成を有する比較例の試験片とを作製し、軸荷重疲労試験により耐水素疲労強度を評価した。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験片の作製方法について説明する。表1は、試験片を構成する鋼の化学成分を示す表である。表1においては、炭素(C)、珪素(Si)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)および窒素(N)の含有量が質量%で示されており、記載された成分の残部は鉄および不可避的不純物である。ここで、実施例Aおよび実施例Bにおいては、バナジウム含有量に対する炭素含有量の割合は0.2となっている。また、比較例Aの成分系は、軸受用鋼として最も一般的なJIS SUJ2に該当し、比較例Bの成分系は耐食性軸受用鋼として広く用いられているJIS SUS440Cに該当する。
Figure 2007191743
まず、表1に示す成分を有する鋼材を試験片の概略形状に加工した。その後、実施例AおよびBの試験片については、図5に基づいて説明した上述の実施の形態と同様の方法で焼入焼戻を実施することにより硬化した後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた。一方、比較例Aの試験片については、850℃で50分間保持した後、100℃の油に浸漬することにより焼入を実施し、その後180℃で120分間保持することにより焼戻を実施した。また、比較例Bの試験片については、850℃で20分間予熱し、1060℃で7分間保持した後、ガスを吹き付けて急冷し、その後170℃で120分間保持することにより焼戻を実施した。その後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた。試験片は、直径12mm、長さ68.74mmの円柱状であり、試験片の軸方向における中央部20mmの範囲には直径の細くなった部分である節部が形成されている。節部の外周面は、軸方向での断面において、半径14.5mmの円弧が軸に対称に向い合う形状となっており、中央部が最も細くなっている。そして、中央部の最も直径の小さい部分の直径は4mmとなっている。さらに、試験片の一方の端部には、試験片を試験機に固定するための長さ10mmのねじ部が形成されており、当該ねじ部を含めた試験片の全長は78.74mmとなっている。
次に、試験方法について説明する。上述の作製方法により作製された試験片を軸荷重疲労試験機にセットし、軸方向に引張応力と圧縮応力とを20kHzの負荷速度で交互に負荷し、破断するまでの応力の繰り返し数を調査した。そして、当該調査を種々の応力について実施し、その結果を統計的に解析して応力の繰り返し数が10回で破断すると予測される応力(10回疲労強度)を算出した。具体的には、各実施例および比較例について、それぞれ15個の試験片について上記試験を実施した。そして、連続低下型SN特性に対して用いられる片対数曲線モデルσ=10−Alog10N+B+Dに当てはめて求めたSN回帰曲線上(σ:応力、N:応力繰り返し数、A、B、D:定数;日本材料学会標準JSMS−SD−6−02に記載)において応力繰り返し数が10回となる応力値を10回疲労強度とした。また、各試験片を実施例2と同様の方法で水素チャージし、上述と同様の試験を実施した。
図10は、軸荷重疲労試験の結果を示す図である。図10において、横軸は試験片を構成する鋼の種類(鋼種)、縦軸は10疲労強度を示している。また、横軸において、括弧内はチャージされた水素量(各鋼種について試験片を1つ抽出し、実施例2と同様の方法で測定した水素離脱量)を表している。図10を参照して、軸荷重疲労試験の結果について説明する。
図10を参照して、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼の成分系の範囲外の成分系を有する比較例AおよびBの試験片は、水素がチャージされることにより10疲労強度が大幅に低下し、500MPa以下となっている。これに対し、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼の成分系の範囲内の成分系を有する実施例AおよびBの試験片は、水素がチャージされても10疲労強度の低下幅は小さく、いずれも800MPa以上の10疲労強度を維持している。これは、実施例AおよびBの試験片においては、試験片を構成する鋼中に整合析出したバナジウム炭化物が、前述のように水素のトラップサイトとして機能することにより、試験片中において疲労強度を低下させる水素の拡散が抑制されたたためであると考えられる。また、バナジウム炭化物の形成に炭素が消費され、応力集中源となって疲労強度を低下させる大型のクロム炭化物の形成が抑制されたことも、疲労強度低下の抑制に寄与しているものと考えられる。
なお、上記3質量%および4質量%のバナジウムに代えて3質量%および4質量%のモリブデンを添加した場合、およびバナジウムとモリブデンとを合わせて3質量%および4質量%添加した場合についても上記軸荷重疲労試験を実施したところ、図10と同様の結果となった。このことから、実施例3の成分系と同様の成分系の鋼では、モリブデンは耐水素疲労強度においてバナジウムと同様の効果を有することが分かった。
以上の結果より、本発明の燃料電池用転動部材を構成する鋼は、従来の軸受用鋼に比べて耐水素疲労強度に優れていることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法は、燃料電池装置の内部において回転する部材を保持するために用いられる燃料電池用転動部材、燃料電池用転がり軸受およびその製造方法に特に有利に適用され得る。
本発明の一実施の形態における燃料電池用転動部材を備えた燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。 本発明の他の実施の形態における燃料電池用転動部材を備えた燃料電池用転がり軸受としての燃料電池用スラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。 本発明の一実施の形態における燃料電池用転がり軸受の製造方法に含まれる燃料電池用転動部材の製造方法の概略を示す図である。 燃料電池用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。 バナジウムおよび窒素を添加しなかった試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。 バナジウムを5質量%添加した試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。 窒素を0.2質量%添加した試験片の塩水噴霧試験の結果を示す図である。 各バナジウム含有量およびクロム含有量における、水素離脱量に及ぼす炭素含有量の影響を示す図である。 軸荷重疲労試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池用深溝玉軸受、2 燃料電池用スラストニードルころ軸受、11 外輪、11A 外輪転走面、12 内輪、12A 内輪転走面、13 玉、14,24 保持器、21 軌道輪、21A 軌道輪転走面、23 ニードルころ。

Claims (4)

  1. 0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、
    前記バナジウムおよび前記モリブデンの合計の含有量に対する前記炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなり、
    前記鋼には、直径10nm以下のバナジウム炭化物およびモリブデン炭化物のうち少なくともいずれか一方が析出している、燃料電池用転動部材。
  2. 軌道部材と、
    前記軌道部材に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備え、
    前記軌道部材および前記転動体の少なくともいずれか一方は、請求項1に記載の燃料電池用転動部材である、燃料電池用転がり軸受。
  3. 0.2質量%以上1.2質量%以下の炭素と、0.15質量%以上1.0質量%以下の珪素と、0.3質量%以上1.5質量%以下のマンガンと、6.0質量%以上12.0質量%以下のクロムと、0.05質量%以上0.20質量%以下の窒素と、合計で1.0質量%以上6.0質量%以下のバナジウムおよびモリブデンのうち少なくともいずれか一方とを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、
    前記バナジウムおよび前記モリブデンの合計の含有量に対する前記炭素の含有量の割合が0.16以上0.24以下である鋼からなる鋼材を準備する鋼材準備工程と、
    前記鋼材を成形することにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材を作製する成形工程と、
    前記鋼製部材を熱処理する熱処理工程とを備え、
    前記熱処理工程は、
    前記鋼製部材を1050℃以上1250℃以下の温度からM点以下の温度に冷却することにより、前記鋼製部材を焼入れる焼入工程と、
    前記焼入工程において焼入れられた前記鋼製部材を550℃以上650℃以下の温度に加熱することにより焼戻す焼戻工程とを含む、燃料電池用転動部材の製造方法。
  4. 軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、
    転動体を製造する転動体製造工程と、
    前記軌道部材製造工程において製造された前記軌道部材と、前記転動体製造工程において製造された前記転動体とを組み合わせることにより、燃料電池用転がり軸受を組立てる組立工程とを備え、
    前記軌道部材製造工程および前記転動体製造工程の少なくともいずれか一方は、請求項3に記載の燃料電池用転動部材の製造方法により実施される、燃料電池用転がり軸受の製造方法。
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