JP2007191696A - ガラス基板用研磨液組成物 - Google Patents

ガラス基板用研磨液組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007191696A
JP2007191696A JP2006335791A JP2006335791A JP2007191696A JP 2007191696 A JP2007191696 A JP 2007191696A JP 2006335791 A JP2006335791 A JP 2006335791A JP 2006335791 A JP2006335791 A JP 2006335791A JP 2007191696 A JP2007191696 A JP 2007191696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
substrate
glass
glass substrate
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006335791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5283247B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Nishimoto
和彦 西本
Yasuhiro Yoneda
康洋 米田
Masami Shirota
真美 代田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2006335791A priority Critical patent/JP5283247B2/ja
Publication of JP2007191696A publication Critical patent/JP2007191696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5283247B2 publication Critical patent/JP5283247B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】高い研磨速度で優れた表面品質の基板を製造することができるガラス基板用研磨
液組成物及びガラス基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】一次粒子の平均粒径が5〜50nmであるシリカと重量平均分子量が1,0
00〜5,000であるアクリル酸/スルホン酸共重合体とを含有してなる、pHが0.
5〜5であるガラス基板用研磨液組成物、及び該研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板
の間に存在させ、3〜12kPaの研磨荷重で該基板を研磨する工程を有するガラス基板
の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基板用研磨液組成物及び該組成物を用いたガラス基板の製造方法に関する。
従来から、半導体デバイスや磁気ディスク記録装置の分野においては、表面品質に優れた基板を安価で製造するために、種々の研磨液組成物が検討されている。かかる研磨液組成物においては、例えば、研磨速度向上と表面平滑性の観点から、研磨材として1μm付近の平均粒径を有する酸化アルミニウム(以下、アルミナともいう)砥粒がよく使用されてきた(特許文献1など)。
また、近年では、高密度化を実現し得る優れた表面品質を有する基板を経済的に得る観点から、ガラス基板用の最終研磨液には、研磨材として平均粒径が1μm未満の酸化セリウム(以下、セリアともいう)が使用されてきた。しかし、かかる研磨液は、分散安定性や洗浄性に問題があった。
さらに、最近では、より一層の高密度化のために、ガラス基板に対して、より優れた表面品質が要求されることから、この要求を実現するために、最終(仕上げ)研磨液の研磨材として二酸化ケイ素(以下、シリカともいう)が好適に使用されるようになってきた。しかし、シリカを研磨材として使用した場合、セリアを使用した場合と比較して表面品質は向上するものの、一般に研磨速度が非常に低く、経済的とはいえなかった。
そこで、セリアの欠点である洗浄性及び分散性を向上し、表面粗さを小さくするとともに、シリカの欠点である研磨速度を高めることができる研磨液組成物として、シリカと酸を含有する研磨液組成物が提案されている(特許文献2など)。
特開2001−64631号公報 特開2005−138197号公報
しかしながら、従来の研磨液組成物は、表面平滑性と研磨速度の両立が満足できるレベルではなかった。従って、高い研磨速度で優れた表面品質の基板を製造できる、即ち、経済性と表面平滑性とを満足できるレベルで両立し得る手段を提供することは意義が大きい。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、高い研磨速度で優れた表面品質の基板を製造することができるガラス基板用研磨液組成物及びガラス基板の製造方法を提供することを課題とする。
即ち、本発明の要旨は、
[1] 一次粒子の平均粒径が5〜50nmであるシリカと重量平均分子量が1,000〜5,000であるアクリル酸/スルホン酸共重合体とを含有してなる、pHが0.5〜5であるガラス基板用研磨液組成物、及び
[2] 前記[1]記載の研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板の間に存在させ、3〜12kPaの研磨荷重で該基板を研磨する工程を有するガラス基板の製造方法に関する。
本発明により、高い研磨速度で優れた表面品質の基板を製造できる、即ち、経済性と表面平滑性とを満足できるレベルで両立し得るガラス基板用研磨液組成物及びガラス基板の製造方法が提供される。
1.ガラス基板用研磨液組成物
本発明のガラス基板用研磨液組成物(以下、単に「本発明の研磨液組成物」ともいう)は、一次粒子の平均粒径が5〜50nmであるシリカと重量平均分子量が1,000〜5,000であるアクリル酸/スルホン酸共重合体とを含有してなり、pHが0.5〜5であることを1つの特徴とする。かかる特徴を有することにより、本発明の研磨液組成物は、ガラス基板の研磨工程で用いられた際に、経済的な研磨速度を実現し、且つ研磨後の基板に優れた表面平滑性を付与することができる。表面平滑性は、特に、ハードディスク基板において、高密度化に重要となる物性であり、また、フォトマスク基板において、露光精度(パターン転写精度)向上に重要となる物性である。さらに、合成石英ウエハ基板において、高集積化に重要となる物性である。表面平滑性は、代表的には、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)における波長10μm以下の短い波長で測定可能な表面粗さとして評価され、中心線平均粗さRa(AFM−Ra)として表すことができる。
《シリカ》
本発明の研磨液組成物は、一次粒子の平均粒径が5〜50nmであるシリカを含有する。本発明に用いられるシリカとしては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられる。また、官能基でシリカを表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の粒子で複合粒子化したもの等もシリカとして用いることができる。中でも、基板表面の表面粗さ及びスクラッチを低減する観点から、コロイダルシリカが好ましい。これらのシリカは単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法、またはテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させるアルコキシシラン法で得られる。
フュームドシリカは、四塩化珪素等の揮発性珪素化合物を原料とし、酸素水素バーナーによる1000℃以上の高温下で加水分解させて成長させる気相法で得られる。
シリカの一次粒子の平均粒径は、5〜50nmである。該平均粒径は、研磨速度を向上する観点及び表面粗さを低減する観点から、7〜50nmが好ましく、10〜50nmがより好ましく、10〜45nmがさらに好ましい。
本発明における一次粒子の平均粒径の決定には、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察画像の画像解析による方法を用いた。即ち、シリカ粒子を透過型電子顕微鏡(JEM−2000FX、製造元;日本電子)で、加速電圧80kV、撮影倍率1〜5万倍の条件で観察した写真を、パーソナルコンピューターに接続したスキャナにて画像データとして取り込み、画像解析ソフト(WinROOF、販売元;三谷商事)を用いて1個1個のシリカ粒子の円相当径(シリカ粒子の投影面積と同一面積を有する円の直径)を粒径とみなして求め、1000個以上のシリカ粒子データを集積した後、表計算ソフト「EXCEL」(マイクロソフト社製)を用いて算出する。小粒径側からの累積体積が50%となる粒径(D50)が、本発明でいう一次粒子の平均粒径である。
シリカが二次粒子を形成している場合、二次粒子の平均粒径は、スクラッチを低減する観点及び表面粗さを低減する観点から、10〜100nmが好ましく、15〜90nmがより好ましく、15〜80nmがさらに好ましい。二次粒子径の測定法としては、動的光散乱法や超音波減衰法、キャピラリー(CHDF)法等が挙げられる。
研磨液組成物中におけるシリカの含有量としては、研磨速度を向上させ、且つ経済的に表面品質を向上させる観点から、1〜50重量%が好ましく、2〜40重量%がより好ましく、3〜30重量%がさらに好ましく、5〜25重量%がさらにより好ましい。
《アクリル酸/スルホン酸共重合体》
本発明の研磨液組成物は、重量平均分子量が1,000〜5,000であるアクリル酸/スルホン酸共重合体を含有する。本発明におけるアクリル酸/スルホン酸共重合体とは、スルホン酸基を有する単量体(以下、「スルホン酸基含有単量体」ともいう)と(メタ)アクリル酸単量体とを単量体成分として含む共重合体である。スルホン酸基含有単量体としては、例えば、イソプレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸等が挙げられる。好ましくは、イソプレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。これらのスルホン酸基含有単量体は、1種単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明におけるアクリル酸/スルホン酸共重合体は、本発明の効果を奏する範囲内で、スルホン酸基含有単量体及び(メタ)アクリル酸単量体以外の単量体成分を含有することができる。
本発明においては、前記アクリル酸/スルホン酸共重合体を構成するアクリル酸単量体中のカルボキシル基が、研磨砥粒又は研磨屑に吸着し、スルホン酸基含有単量体中のスルホン酸基が、該吸着物を分散することにより、表面粗さを低減できると推定される。該共重合体を構成する単量体中のスルホン酸基含有単量体の割合が低くなる、即ち、アクリル酸単量体の含有率が高くなると、共重合体自身が基板に吸着しやすくなり、研磨速度が抑制される傾向にある。逆に、アクリル酸単量体の含有率が低くなると、研磨砥粒又は研磨屑へ吸着しにくくなり、スルホン酸基による吸着物の分散効果が十分に発揮されにくい傾向にある。従って、表面粗さ低減及び研磨速度向上の観点並びに共重合体自身の基板上への残存性の観点から、該アクリル酸/スルホン酸共重合体を構成する全単量体中に占めるスルホン酸基含有単量体の含有率は、3〜90モル%が好ましく、5〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜60モル%がさらにより好ましく、5〜50モル%がさらにより好ましい。尚、ここでスルホン酸基を含むアクリル酸基はスルホン酸基含有単量体として数える。
表面粗さ低減及び研磨速度向上の観点から、好ましいアクリル酸/スルホン酸共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イソプレンスルホン酸/(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。
前記アクリル酸/スルホン酸共重合体は、研磨液組成物の構成成分とするために、水溶性であることが好ましく、例えば、塩にするとよい。塩を形成させるための対イオンは、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等から1種以上を用いることができる。
アクリル酸/スルホン酸共重合体は、例えば、ジエン構造あるいは芳香族構造を含むベースポリマーを、公知の方法、例えば、(社)日本化学会編集、新実験化学講座14(有機化合物の合成と反応III、1773頁、1978年)などに記載された方法でスルホン化して得られる。
アクリル酸/スルホン酸共重合体の重量平均分子量は、シリカ及び/又は研磨屑の十分な分散効果を得る観点、及び研磨速度向上の観点から、1,000〜5,000であり、1,000〜4,500がより好ましく、1,500〜4,500がさらに好ましい。
アクリル酸/スルホン酸共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した結果を、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを標準サンプルとして作成した検量線を用いて換算することにより求めることができる。GPC条件を以下に示す。
・GPC条件
カラム :G4000PWXL+G2500PWXL
溶離液 :0.2Mリン酸バッファー/アセトニトリル=9/1
流速 :1.0mL/min
温度 :40℃
サンプル:濃度5mg/mL、注入量100μL
アクリル酸/スルホン酸共重合体の研磨液組成物中における含有量は、表面粗さを低減する観点から、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、また、研磨速度向上の観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらにより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましい。即ち、表面粗さを低減し、且つ研磨速度を向上する観点から、前記含有量は、0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましく、0.01〜3重量%がさらに好ましく、0.01〜1重量%がさらにより好ましく、0.01〜0.5重量%がさらにより好ましい。
また、シリカと共重合体との配合量の関係は、研磨速度向上と表面粗さ低減の観点から、研磨液組成物中のシリカと共重合体の濃度比[シリカの濃度(重量%)/共重合体の濃度(重量%)]が、10〜5000であることが好ましく、20〜3000がより好ましく、30〜2000がさらに好ましく、40〜1000がさらにより好ましく、45〜500がさらにより好ましい。
《水》
本発明に用いられる水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が好適に用いられる。研磨液組成物中における水の含有量としては、研磨液組成物の流動性を保ち、且つ研磨速度を向上させる観点から、40〜99重量%が好ましく、50〜98重量%がより好ましく、50〜97重量%がさらに好ましく、50〜95重量%がさらにより好ましい。
《pH》
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上の観点から、0.5〜5であり、0.5〜4がより好ましく、0.5〜3がさらに好ましい。pHは、酸の含有量によって調整される。かかる酸としては無機酸や有機酸が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、アミド硫酸等が挙げられる。また、有機酸としては、カルボン酸、有機リン酸、アミノ酸等が挙げられ、例えば、カルボン酸は、酢酸、グリコール酸、アスコルビン酸等の一価カルボン酸、蓚酸、酒石酸等の二価カルボン酸、クエン酸等の三価カルボン酸が挙げられ、有機リン酸としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等が挙げられる。また、アミノ酸としては、グリシン、アラニン等が挙げられる。これらの中でも、スクラッチ低減の観点から、無機酸、カルボン酸及び有機リン酸が好ましく、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、グリコール酸、蓚酸、クエン酸、HEDP、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が適している。これらpHを調整するための酸は、1種単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
《任意成分》
本発明の研磨液組成物には、研磨速度向上の観点から、任意成分として、前記の酸の塩を含有することができる。塩の対イオン(陽イオン)としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられ、中でも、アルカリ金属イオンが好ましい。また、他の任意成分としては、増粘剤、分散剤、塩基性物質、界面活性剤、キレート剤、消泡剤、抗菌剤、防錆剤等が挙げられる。
研磨液組成物中におけるこれらの任意成分の含有量としては、研磨速度向上の観点から、5重量%以下が好ましく、4重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。
《調製方法》
本発明の研磨液組成物は、前記の各成分を公知の方法で混合することにより、調製することができる。なお、前記の各成分の濃度は、製造時の濃度、及び使用時の濃度のいずれであってもよい。研磨液組成物は経済性の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。
《ガラス基板》
本発明の研磨液組成物が研磨の対象としているガラス基板の材質としては、例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、ガラス状カーボン等が挙げられる。これらの中でも、強化ガラス基板用のアルミノシリケートガラスや、ガラスセラミック基板(結晶化ガラス基板)、合成石英ガラス基板の研磨に適している。アルミノシリケートガラスは、化学的耐久性が良好であり、研磨後の基板上に残存するパーティクル除去を目的に行われるアルカリ洗浄でのダメージ(凹部欠陥)発生を低減でき、より高い表面品質が得られる点で好ましい。また、合成石英ガラスは透過率等の光学特性に優れる点で好ましい。
基板の形状には、特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平坦部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状のものに用いられる。中でも、本発明の研磨液組成物は、ディスク状やプレート状の被研磨基板の研磨に優れている。
本発明の研磨液組成物は、ガラス基板の研磨工程で用いられることにより、経済的な研磨速度を実現し、且つ研磨後の基板に優れた表面平滑性を付与することができる。これにより、表面性状に優れた高品質のガラス基板を経済的に製造することができる。
本発明の研磨液組成物を用いることによって基板の表面粗さが低減される機構は明らかでないが、前述の通り、研磨液組成物中に含有されるアクリル酸/スルホン酸共重合体が、研磨砥粒及び/又は研磨屑の表面に吸着することによる立体的効果で、該吸着物が分散されることにより、表面粗さが低減されると考えられる。
2.ガラス基板の製造方法
本発明のガラス基板の製造方法は、前記研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板の間に存在させ、3〜12kPaの研磨荷重で研磨する工程(以下、「研磨工程A」ともいう)を有することを一つの特徴とする。かかる特徴を有する本発明のガラス基板の製造方法を使用することにより、経済的な研磨速度で、優れた表面平滑性を有するガラス基板を得ることができる。表面平滑性は、特に、ハードディスク基板において、高密度化に重要となる物性であり、また、フォトマスク基板において、露光精度(パターン転写精度)向上に重要となる物性である。さらに、合成石英ウエハ基板において、高集積化に重要となる物性である。従って、本発明のガラス基板の製造方法は、ガラスハードディスク基板の製造、フォトマスク基板の製造及び合成石英ウエハ基板の製造に好適に使用される。
《研磨方法》
研磨工程Aにおける研磨する方法としては、研磨装置を用いる研磨方法が挙げられる。具体的には、被研磨基板をキャリアで保持し、研磨パッドを貼り付けた研磨定盤で挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板との間に供給し、所定の圧力の下で研磨定盤及び/又は被研磨基板を動かすことにより、本発明の研磨液組成物を被研磨基板に接触させながら研磨する研磨方法が挙げられる。
本発明の研磨液組成物を用いるガラス基板の研磨装置としては、特に制限はなく、被研磨基板を保持する冶具(キャリア;アラミド製等)と研磨布(研磨パッド)を備える研磨装置を用いることができる。中でも、ポリッシング工程に用いられる両面研磨装置が好適に用いられる。
《研磨荷重》
研磨工程Aにおける研磨荷重は、研磨速度を向上し経済的に研磨を行う観点から、3kPa以上であり、4kPa以上が好ましく、5kPa以上がより好ましく、5.5kPa以上がさらに好ましい。また、表面品質を向上させ、且つ基板表面の残留応力を緩和する観点から、12kPa以下であり、11kPa以下が好ましく、10kPa以下がより好ましく、9kPa以下がさらに好ましい。従って、研磨速度及び表面品質向上の観点から、3〜12kPaであり、好ましくは4〜11kPa、より好ましくは5〜10kPa、さらに好ましくは5.5〜9kPaである。
《研磨液組成物の供給速度》
研磨工程Aにおける研磨液組成物の好ましい供給速度は、被研磨基板と接触する研磨パッドの面積と投入した基板の総面積によって、更に研磨液組成物の種類によって異なるため、一概には決められないが、研磨速度を向上し、且つ経済的に研磨を行う観点から、被研磨基板の単位被研磨面積(1cm)当り、0.06〜5mL/minが好ましく、0.08〜4mL/minがより好ましく、0.1〜3mL/minがさらに好ましい。
《被研磨基板》
被研磨基板としては、前記の本発明の研磨液組成物が研磨の対象としているガラス基板と同様のものが挙げられる。研磨工程Aに供する前の基板の表面性状は特に限定されないが、例えば、AFM−Raが1nm以下の表面性状を有する基板が適する。
《ガラス基板の製造工程》
基板の製造は、例えば、被研磨基板が、ガラスハードディスク基板である場合は、溶融ガラスの型枠プレス又はシートガラスから切り出す方法によって得られたガラス基板を、一般には粗研削工程、形状加工工程、端面鏡面加工工程、精研削工程、研磨工程、洗浄工程、及び磁気ディスク製造工程を経て行われる。
また、一般に、この製造工程の途中、強化ガラス基板の場合は、洗浄工程の次に、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの化学強化塩を加熱した中に基板を浸漬処理して表層のイオンを置換させる化学強化工程が行われる。結晶化ガラス基板の場合は、この製造工程の前に、熱処理により結晶核を生成させて結晶相とする結晶化工程が予め行われる。
また、例えば、粗研削工程では#400程度のアルミナ砥粒、形状加工工程では円筒状の砥石、端面鏡面加工工程ではブラシ、精研削工程では#1000程度のアルミナ砥粒が用いられる。
研磨工程は、一般に、第一研磨工程と第二研磨工程に分かれるが、表面品質の向上を目的として更に最終(仕上げ)研磨工程を行う場合が多い。第一研磨工程では酸化セリウム、最終(仕上げ)研磨工程ではシリカが好適に用いられる。従って、本発明の研磨液組成物は、基板の製造工程において、第二研磨工程以降に用いられることが好ましく、表面粗さを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられることがより好ましい。また、研磨工程Aは、第二研磨工程又は最終(仕上げ)研磨工程として行われることが好ましい。なお、仕上げ研磨工程とは、複数の研磨工程がある場合、少な
くとも一つの最後の研磨工程を指す。
研磨工程後は、ガラス基板表面に残留したシリカ砥粒や研磨屑を除去するためにスクラブ洗浄、及び/又は該残留物を溶解除去するためにNaOH水溶液等を用いた強アルカリ超音波洗浄を行い、次いで純水、イソプロパノール等での浸漬洗浄、及びイソプロパノール等での蒸気乾燥が行われる。
その後、シード層、下地層、中間層、磁性層、保護層、潤滑層を成膜して磁気ディスクとなる。
ガラスハードディスク基板には、磁気ヘッドの読み書きエラーが発生しない平滑性が要求される。即ち、基板表面の平坦性(粗さ、うねり等)や欠陥(砥粒等の凸部、スクラッチやピット等の凹部)に優れることが求められ、基板の製造工程の中で研磨工程がその役割を担い、第二研磨工程、又は最終(仕上げ)研磨工程が特に重要である。
《フォトマスク基板の製造工程》
基板の製造は、例えば、被研磨基板がフォトマスク基板である場合は、円柱状の合成石英インゴットを高温で加熱溶融して四角いブロック状に熱間成型し、歪除去のためのアニール処理後、スライスして薄い四角形の合成石英基板を得、一般には、研削工程、端面加工工程、研磨工程、洗浄工程、及びフォトマスク製造工程を経て行われる。
また、研削工程は例えば1段あるいは2段の研削工程(1次ラッピング、2次ラッピング)からなり、ある程度基板表面を平滑化する。研削工程では、炭化ケイ素やアルミナ等の硬質な研磨剤が広く用いられている。この後、複数枚の基板を重ねた状態でその側面を研磨して各基板の端面に鏡面加工を施す。
研磨工程は、一般に、第一研磨工程と第二研磨工程に分かれるが、表面品質の向上を目的として更に最終(仕上げ)研磨工程を行う場合が多い。第一研磨工程では酸化セリウム、最終(仕上げ)研磨工程ではシリカが好適に用いられる。従って、本発明の研磨液組成物は、基板の製造工程において、第二研磨工程以降に用いられることが好ましく、表面粗さを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられることがより好ましい。また、研磨工程Aは、第二研磨工程又は最終(仕上げ)研磨工程として行われることが好ましい。なお、仕上げ研磨工程とは、複数の研磨工程がある場合、少なくとも一つの最後の研磨工程を指す。
研磨工程後は、合成石英基板表面に残留したシリカ砥粒や研磨屑を除去するために、例えば中性洗剤により洗浄され、さらに合成石英ガラスに対して溶解力をもつ薬液(強アルカリ溶液、HF溶液等)に基板を浸漬し、基板の研磨面の最表層をエッチングして不純物を除去する。次いで純水、イソプロパノール等での浸漬洗浄、及びイソプロパノール等での蒸気乾燥が行われる。
その後、蒸着やスパッタにてクロム等の金属薄膜をつけてマスクブランクス基板とし、これにレジスト等を塗布した後に露光し、エッチングして表面にパターンを形成してフォトマスク基板となる。
フォトマスク基板には、微細化されたパターンを精度良く露光できる平滑性が要求される。即ち、基板表面の平坦性(粗さ、うねり等)や欠陥(砥粒等の凸部、スクラッチやピット等の凹部)に優れることが求められ、基板の製造工程の中で研磨工程がその役割を担い、第二研磨工程、又は最終(仕上げ)研磨工程が特に重要である。
《合成石英ウエハ基板の製造工程》
基板の製造は、例えば、被研磨基板が合成石英ウエハ基板である場合は、円柱状の合成石英インゴットをスライスしてディスク状の合成石英基板を得、一般には、研削工程、端面加工工程、研磨工程、洗浄工程、及びシリコン層の形成工程を経て行われる。
また、研削工程は例えば1段あるいは2段の研削工程(1次ラッピング、2次ラッピング)からなり、ある程度基板表面を平滑化する。研削工程では、炭化ケイ素やアルミナ等の硬質な研磨剤が広く用いられている。この後、複数枚の基板を重ねた状態でその側面を研磨して各基板の端面に鏡面加工を施す。
研磨工程は、一般に、第一研磨工程と第二研磨工程に分かれるが、表面品質の向上を目的として更に最終(仕上げ)研磨工程を行う場合が多い。第一研磨工程では酸化セリウム、最終(仕上げ)研磨工程ではシリカが好適に用いられる。従って、本発明の研磨液組成物は、基板の製造工程において、第二研磨工程以降に用いられることが好ましく、表面粗さを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられることがより好ましい。また、研磨工程Aは、第二研磨工程又は最終(仕上げ)研磨工程として行われることが好ましい。なお、仕上げ研磨工程とは、複数の研磨工程がある場合、少なくとも一つの最後の研磨工程を指す。
研磨工程後は、合成石英基板表面に残留したシリカ砥粒や研磨屑を除去するために、例えば中性洗剤により洗浄され、さらに合成石英ガラスに対して溶解力をもつ薬液(強アルカリ溶液、HF溶液等)に基板を浸漬し、基板の研磨面の最表層をエッチングして不純物を除去する。次いで純水、イソプロパノール等での浸漬洗浄、及びイソプロパノール等での蒸気乾燥が行われる。
さらにその後、用途に応じて、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により多結晶シリコン薄膜の形成により表示デバイスや貼り合わせ法(応用物理,No.11,1192(1997)参照)等によりSOI (Silicon On Insulator)ウエハを得ることができる。
合成石英ウエハ基板には、微細化されたパターンを精度良く形成できる平滑性が要求される。即ち、基板表面の平坦性(粗さ、うねり等)や欠陥(砥粒等の凸部、スクラッチやピット等の凹部)に優れることが求められ、基板の製造工程の中で研磨工程がその役割を担い、第二研磨工程、又は最終(仕上げ)研磨工程が特に重要である。
《研磨パッド》
研磨パッドとしては、有機高分子系の発泡体、無発泡体、不織布状の研磨パッドを用いることができ、例えば、第一研磨工程ではスウェード調のウレタン製硬質パッド、第二研磨工程及び最終研磨工程ではスウェード調のウレタン製軟質パッドが好適に用いられる。
本発明の研磨液組成物は、ガラス基板の研磨工程、更には研磨後の基板の表面粗さ(AFM−Ra)を0.2nm以下にする研磨工程に適している。
また、本発明の研磨液組成物は、第二研磨工程以降において好適に用いられるが、これ以外の研磨工程、例えば第一研磨工程やラッピング工程にも同様に適用することができる。特に、本発明は、ガラスハードディスク基板の製造、フォトマスク基板の製造及び合成石英ウエハ基板の製造に好適である。
本発明の研磨液組成物が第二研磨工程以降において用いられる場合、前工程の研磨液組成物や研磨屑の混入を避けるために、それぞれ別の研磨装置を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨装置を使用した場合には、研磨工程毎に基板を洗浄することが好ましい。
研磨液組成物の供給方法は、予め研磨液組成物の構成成分が十分に混合された状態で研磨パッドと被研磨基板の間にポンプ等で供給する方法、研磨の直前の供給ライン内等で混合して供給する方法、シリカスラリーとアクリル酸/スルホン酸共重合体を溶解した水溶液とを別々に研磨装置に供給する方法等を用いることができる。
以上のようにして、本発明の研磨液組成物、又は本発明のガラス基板の製造方法を用いて製造された基板は、表面平滑性に優れ、表面粗さ(AFM−Ra)が例えば0.2nm以下、好ましくは0.19nm以下、より好ましくは0.18nm以下のものが得られる。
従って、該基板が、例えば、メモリーハードディスク基板である場合には、記録密度100G bits/inch、更には125G bits/inchのものにも対応することができる。
3.ガラス基板の表面粗さ低減方法
効果的に表面粗さを低減するためには、本発明の研磨液組成物を用いて、あるいは本発明の研磨液組成物の組成となるように各成分を混合して研磨液組成物を調製し、被研磨基板を研磨する。これにより、被研磨基板の表面粗さを顕著に低減でき、且つ研磨速度が高いために、表面品質に優れた基板を経済的に製造することができる。従って、本発明は、前記研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板の間に存在させ、3〜12kPaの研磨荷重で該基板研磨する工程を有する、ガラス基板の表面粗さ低減方法にも関する。
表面粗さ低減方法における研磨する工程としては、本発明のガラス基板の製造方法が有する研磨工程Aと同様であればよい。
1.ガラスハードディスク基板
《被研磨基板》
セリアを研磨材として含有する研磨液組成物で予め第一及び第二研磨工程を行い、AFM−Raを0.3nmとした、厚さ0.635mmの外径65mmφで内径20mmφのハードディスク用アルミノシリケート製ガラス基板を、被研磨基板として用いた。
《実施例1》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(デュポン社製、一次粒子の平均粒径20nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)をシリカ粒子換算で5.0重量%、アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(スルホン酸基を有する単量体含有率11モル%、重量平均分子量2000、固形分濃度40重量%、ナトリウム中和品)を有効分換算で0.10重量%、酸としてHEDP(ソルーシアジャパン社製、固形分濃度60重量%)を有効分換算で0.13重量%、硫酸(和光純薬工業社製、濃硫酸、試薬特級)を有効分換算で0.40重量%、残部としてイオン交換水からなる研磨液組成物を調製した。各成分を混合する順番は、イオン交換水で5倍に希釈した上記共重合体水溶液の所定量をHEDP及び硫酸の水溶液の撹拌下に加えて混合し、コロイダルシリカスラリーを最後に加えて混合、調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《実施例2》
HEDP及び硫酸の有効分濃度を実施例1の半分とした以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、3.0であった。
《実施例3》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(デュポン社製、一次粒子の平均粒径30nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)を用いた以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.7であった。
《実施例4》
共重合体の有効分濃度を0.05重量%とした以外は実施例3と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《実施例5》
共重合体をアクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(スルホン酸基を有する単量体含有率4モル%、重量平均分子量4000、固形分濃度36重量%、ナトリウム中和品)とした以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《実施例6》
研磨材として、実施例3のコロイダルシリカスラリーを用いた以外は実施例5と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.7であった。
《実施例7》
共重合体をアクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(スルホン酸基を有する単量体含有率25モル%、重量平均分子量4000、固形分濃度40重量%、ナトリウム中和品)とした以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《比較例1》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(デュポン社製、一次粒子の平均粒径20nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)をシリカ粒子換算で10.0重量%、残部としてイオン交換水からなる研磨液組成物を調製した。得られた研磨液組成物のpHは、9.5であった。
《比較例2》
共重合体を用いない以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《比較例3》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(デュポン社製、一次粒子の平均粒径20nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)をシリカ粒子換算で10.0重量%、実施例1の共重合体を0.10重量%、残部としてイオン交換水からなる研磨液組成物を調製した。得られた研磨液組成物のpHは、9.5であった。
《比較例4》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(触媒化成社製、一次粒子の平均粒径80nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)をシリカ粒子換算で5.0重量%、酸としてHEDP(ソルーシアジャパン社製、固形分濃度60重量%)を有効分換算で0.13重量%、硫酸(和光純薬工業社製、濃硫酸、試薬特級)を有効分換算で0.40重量%、残部としてイオン交換水からなる研磨液組成物を調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.7であった。
《比較例5》
研磨材として、コロイダルシリカスラリー(触媒化成社製、一次粒子の平均粒径80nm、シリカ粒子濃度40重量%、残部は水)を用いた以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
《比較例6》
共重合体をアクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(スルホン酸基を有する単量体含有率12モル%、重量平均分子量10000、固形分濃度40重量%、ナトリウム中和品)とした以外は実施例1と同様に調製した。得られた研磨液組成物のpHは、1.8であった。
実施例1〜7及び比較例1〜6で得られた研磨液組成物を用いて以下の条件で研磨を行い、研磨速度、表面粗さ(AFM−Ra)を以下の方法に基づいて測定・評価した。
《研磨条件》
研磨試験機:ムサシノ電子社製、MA−300片面研磨機、定盤直径300mm
研磨パッド:ウレタン製仕上げ研磨用パッド
定盤回転数:90r/min
キャリア回転数:90r/min、強制駆動式
研磨液組成物供給速度:50g/min(約2.5mL/min/cm
研磨時間:15min
研磨荷重:5.9kPa(錘による一定荷重)
リンス条件:荷重=3.9kPa、時間=5min、イオン交換水供給量=約1L/min
ドレス条件:1回研磨毎にイオン交換水を供給しながらブラシドレスを0.5min行った。
《基板の評価方法》
洗浄方法:研磨及びリンス終了後の被研磨基板を取り出し、イオン交換水で流水洗浄し、次に該基板をイオン交換水中に浸漬した状態で超音波洗浄(100kHz、3min)を行い、更にイオン交換水で流水洗浄し、乾燥はスピンドライ法により行った。
評価方法:表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてAFM−Raを求めた。結果を表1に示す。
《AFM測定方法》
測定機器:Veeco社製、TM−M5E
Mode:non−contact
Scanrate:1.0Hz
Scanarea:10×10μm
評価方法:表面粗さは、任意の基板中心線上の、内周と外周の中間付近を2点測定(二次元補正)し、その値の平均値を求め、AFM−Raとした。
《研磨速度の算出方法》
研磨前後の基板の重量差(g)を該基板の密度(2.46g/cm)、基板の表面積(30.04cm)、及び研磨時間(min)で除して単位時間当たりの研磨量を計算し、研磨速度(μm/min)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2007191696
表1の結果より、実施例1〜7で得られた研磨液組成物は、比較例1〜6のものに比べて、高い研磨速度と優れた表面品質を両立することがわかる。
2.フォトマスク基板
《被研磨基板》
セリアを研磨材として含有する研磨液組成物で予め第一研磨工程を行い、AFM−Raを0.3nmとした、直径50mmφで厚さ0.9mmのオプトスター製合成石英基板を、被研磨基板として用いた。
《実施例8》
実施例1と同様に研磨液組成物を調製した。
《実施例9》
実施例2と同様に研磨液組成物を調製した。
《比較例7》
比較例1と同様に研磨液組成物を調製した。
《比較例8》
比較例3と同様に研磨液組成物を調製した。
実施例8及び9並びに比較例7及び8で得られた研磨液組成物を用いて以下の条件で研磨を行い、研磨速度、表面粗さ(AFM−Ra)を以下の方法に基づいて測定・評価した。
《研磨条件》
研磨荷重を13.5kPa(錘による一定荷重)とした以外は、前記1.ガラスハードディスク基板と同様に研磨した。
《基板の評価方法》
洗浄方法、評価方法、及びAFM測定方法は、前記1.ガラスハードディスク基板と同様に行なった。結果を表2に示す。
《研磨速度の算出方法》
研磨前後の基板の重量差(g)を該基板の密度(2.20g/cm)、基板の表面積(19.63cm)、及び研磨時間(min)で除して単位時間当たりの研磨量を計算し、研磨速度(μm/min)を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2007191696
実施例8と9で得られた研磨液組成物は、比較例7と8のものに比べて、高い研磨速度と優れた表面品質を両立することがわかる。
本発明のガラス基板用研磨液組成物は、例えば、ガラスハードディスク、強化ガラス基板用のアルミノシリケートガラスや、ガラスセラミック基板(結晶化ガラス基板)、合成石英ガラス基板(フォトマスク基板)等の製造に好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 一次粒子の平均粒径が5〜50nmであるシリカと重量平均分子量が1,000〜5,
    000であるアクリル酸/スルホン酸共重合体とを含有してなる、pHが0.5〜5であ
    るガラス基板用研磨液組成物。
  2. アクリル酸/スルホン酸共重合体を構成する全単量体中におけるスルホン酸基含有単量
    体の含有率が3〜90モル%である請求項1記載のガラス基板用研磨液組成物。
  3. 研磨液組成物中におけるシリカと前記共重合体との濃度比[シリカの濃度(重量%)/
    共重合体の濃度(重量%)]が、10〜5000である請求項1又は2記載のガラス基板
    用研磨液組成物。
  4. シリカがコロイダルシリカである請求項1〜3いずれか記載のガラス基板用研磨液組成
    物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板の間に存在させ、3〜12kPaの研磨荷重で該基板を研磨する工程を有するガラス基板の製造方法。
  6. ガラス基板がガラスハードディスク基板である請求項5記載のガラス基板の製造方法。
  7. ガラス基板がフォトマスク基板である請求項5記載のガラス基板の製造方法。
  8. ガラス基板が合成石英ウエハ基板である請求項5記載のガラス基板の製造方法。
JP2006335791A 2005-12-22 2006-12-13 ガラス基板用研磨液組成物 Active JP5283247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006335791A JP5283247B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-13 ガラス基板用研磨液組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005370536 2005-12-22
JP2005370536 2005-12-22
JP2006335791A JP5283247B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-13 ガラス基板用研磨液組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007191696A true JP2007191696A (ja) 2007-08-02
JP5283247B2 JP5283247B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=38447643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006335791A Active JP5283247B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-13 ガラス基板用研磨液組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5283247B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009025259A1 (ja) * 2007-08-23 2009-02-26 Asahi Glass Company, Limited 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2009131947A (ja) * 2007-10-31 2009-06-18 Kao Corp 磁気ディスク基板用研磨液組成物
JP2010017841A (ja) * 2008-06-11 2010-01-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 合成石英ガラス基板用研磨剤
JP2010108590A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
WO2011132665A1 (ja) * 2010-04-20 2011-10-27 花王株式会社 ハードディスク用アルミノシリケートガラス基板の製造方法
JP2012169029A (ja) * 2011-01-27 2012-09-06 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2012185885A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US8349042B2 (en) 2008-10-01 2013-01-08 Asahi Glass Company, Limited Polishing liquid and polishing method
JP2013080530A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP5333656B2 (ja) * 2010-03-29 2013-11-06 コニカミノルタ株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
KR20140120270A (ko) * 2013-04-02 2014-10-13 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 콜로이달 실리카 연마재 및 이를 이용한 합성 석영 유리 기판의 제조 방법
JP2016222867A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 日立化成株式会社 スラリー及びその製造方法、並びに、研磨方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10102041A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Kao Corp 加工用助剤組成物、研磨材組成物及び表面加工方法
JPH10102042A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Kao Corp 加工用助剤組成物、研磨材組成物及び表面加工方法
JPH11188614A (ja) * 1997-12-24 1999-07-13 Kao Corp 被加工物の研磨方法
JPH11293231A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Kao Corp 研磨液組成物
JP2000313815A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Kao Corp 研磨助剤
JP2001064631A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Jsr Corp 研磨用組成物および研磨方法
JP2006167817A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Kao Corp ガラス基板用研磨液組成物
JP2006179678A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Hitachi Chem Co Ltd 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2006193695A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Fujimi Inc 研磨用組成物

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10102041A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Kao Corp 加工用助剤組成物、研磨材組成物及び表面加工方法
JPH10102042A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Kao Corp 加工用助剤組成物、研磨材組成物及び表面加工方法
JPH11188614A (ja) * 1997-12-24 1999-07-13 Kao Corp 被加工物の研磨方法
JPH11293231A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Kao Corp 研磨液組成物
JP2000313815A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Kao Corp 研磨助剤
JP2001064631A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Jsr Corp 研磨用組成物および研磨方法
JP2006167817A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Kao Corp ガラス基板用研磨液組成物
JP2006179678A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Hitachi Chem Co Ltd 半導体絶縁膜用cmp研磨剤及び基板の研磨方法
JP2006193695A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Fujimi Inc 研磨用組成物

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009050920A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Asahi Glass Co Ltd 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
WO2009025259A1 (ja) * 2007-08-23 2009-02-26 Asahi Glass Company, Limited 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP2009131947A (ja) * 2007-10-31 2009-06-18 Kao Corp 磁気ディスク基板用研磨液組成物
JP2013229098A (ja) * 2007-10-31 2013-11-07 Kao Corp 磁気ディスク基板用研磨液組成物
JP2010017841A (ja) * 2008-06-11 2010-01-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 合成石英ガラス基板用研磨剤
JP2010108590A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US8349042B2 (en) 2008-10-01 2013-01-08 Asahi Glass Company, Limited Polishing liquid and polishing method
US8966939B2 (en) 2010-03-29 2015-03-03 Hoya Corporation Method for producing glass substrate for information recording medium
JP5333656B2 (ja) * 2010-03-29 2013-11-06 コニカミノルタ株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
WO2011132665A1 (ja) * 2010-04-20 2011-10-27 花王株式会社 ハードディスク用アルミノシリケートガラス基板の製造方法
JP2011240478A (ja) * 2010-04-20 2011-12-01 Kao Corp アルミノシリケートガラス基板用研磨液組成物
US9053736B2 (en) 2010-04-20 2015-06-09 Kao Corporation Method for manufacturing an aluminosilicate glass substrate for hard disks
JP2012169029A (ja) * 2011-01-27 2012-09-06 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
US9299382B2 (en) 2011-01-27 2016-03-29 Hoya Corporation Method of manufacturing a glass substrate for a magnetic disk and method of manufacturing a magnetic disk
JP2012185885A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2013080530A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
KR20140120270A (ko) * 2013-04-02 2014-10-13 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 콜로이달 실리카 연마재 및 이를 이용한 합성 석영 유리 기판의 제조 방법
JP2014210912A (ja) * 2013-04-02 2014-11-13 信越化学工業株式会社 コロイダルシリカ研磨材及びこれを用いた合成石英ガラス基板の製造方法
KR101889125B1 (ko) * 2013-04-02 2018-08-16 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 콜로이달 실리카 연마재 및 이를 이용한 합성 석영 유리 기판의 제조 방법
US10093833B2 (en) 2013-04-02 2018-10-09 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Colloidal silica polishing composition and method for manufacturing synthetic quartz glass substrates using the same
JP2016222867A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 日立化成株式会社 スラリー及びその製造方法、並びに、研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5283247B2 (ja) 2013-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5283247B2 (ja) ガラス基板用研磨液組成物
JP5008350B2 (ja) ガラス基板用の研磨液組成物
US20070145014A1 (en) Polishing composition for glass substrate
JP4667848B2 (ja) ガラス基板用研磨液組成物
JP4231632B2 (ja) 研磨液組成物
US20050208883A1 (en) Polishing composition
JP4451347B2 (ja) 研磨液組成物
US8585463B2 (en) Process for producing glass substrate for information recording medium
US9053736B2 (en) Method for manufacturing an aluminosilicate glass substrate for hard disks
JP2009172709A (ja) 磁気ディスク基板用研磨液組成物
WO2014208762A1 (ja) ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びにガラス基板用研磨液組成物
JP2005138197A (ja) 研磨用組成物及び研磨方法
JP4115722B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP5013986B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP4414292B2 (ja) 研磨速度向上方法
JP6513454B2 (ja) 研磨物の製造方法
JP2004263074A (ja) 研磨用組成物
JP4286168B2 (ja) ナノスクラッチを低減する方法
JP4104335B2 (ja) 微小突起の低減方法
JP2007301721A (ja) 研磨液組成物
JP4267546B2 (ja) 基板の製造方法
JP2006130638A (ja) 容器入り研磨材粒子分散液
TW202116965A (zh) 研磨用組成物
JP4640981B2 (ja) 基板の製造方法
JP2014116046A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130527

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5283247

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250