JP2007191022A - トラクタの副変速機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造作業効率や操作時の安全性を向上させ、装置のコンパクト化およびコストダウンを図った四輪駆動のホイール式トラクタを提供する。
【解決手段】副変速軸76に有する副変速シフタ78の摺動上であって、副変速軸76の前方に歯車77を備え、前輪駆動出力軸85に前輪駆動出力軸伝達歯車89を設け、副変速軸76の前方に備えた歯車77と前輪駆動出力軸伝達歯車89とを噛合せるとともに、前輪駆動出力軸伝達歯車89と副変速シフタ78との間であって、前輪駆動出力軸85に摺動自在、かつ前輪駆動出力軸伝達歯車89に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタ90を設ける。
【選択図】図5
【解決手段】副変速軸76に有する副変速シフタ78の摺動上であって、副変速軸76の前方に歯車77を備え、前輪駆動出力軸85に前輪駆動出力軸伝達歯車89を設け、副変速軸76の前方に備えた歯車77と前輪駆動出力軸伝達歯車89とを噛合せるとともに、前輪駆動出力軸伝達歯車89と副変速シフタ78との間であって、前輪駆動出力軸85に摺動自在、かつ前輪駆動出力軸伝達歯車89に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタ90を設ける。
【選択図】図5
Description
本発明は、エンジンからの回転動力を高速段を有する3速切換可能な副変速シフタによって変速させ後輪に伝達させる副変速軸と、この副変速軸からの回転動力を前輪に伝達させる前輪駆動伝達軸とを備える、例えば農作業、土木建設作業などに用いる四輪駆動のトラクタなど作業車両に関する。
従来の四輪駆動のホイール式トラクタは、図6に示すミッションケース内部の走行変速系概略図のように、エンジン4からの回転動力を4段に変速する主変速装置1と、この主変速装置1で変速された回転動力を伝動する第一副変速機構2および第二副変速機構3とを備えるものがある(例えば、特許文献1)。なお、符号5は主クラッチ、6は油圧クラッチ、7は後輪差動装置、8は前輪駆動出力軸、9は油圧シリンダである。
しかし、このような従来の四輪駆動のホイール式トラクタでは、副変速の高速段を得るにあたり、副変速の低速段用に設けられた第二副変速機構3の他に高速段用として別個に軸や歯車などを備えた第一副変速機構2を設けなければならず、そのため余分なスペースや部材が必要となりコストアップとなるほか、高速段での軸回転が速いためミッションオイルの温度が上昇して潤滑力を低下させるなどの問題があった。
そこでこの発明の目的は、製造作業効率や操作時の安全性を向上させ、装置のコンパクト化およびコストダウンを図った四輪駆動のホイール式トラクタを提供することにある。
そこでこの発明の目的は、製造作業効率や操作時の安全性を向上させ、装置のコンパクト化およびコストダウンを図った四輪駆動のホイール式トラクタを提供することにある。
このため請求項1に記載の発明は、主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、前記副変速軸によって変速された回転動力が、前記副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、前記副変速軸に有する副変速シフタの摺動上であって、前記副変速軸の前方に歯車を備え、前記前輪駆動出力軸に前輪駆動出力軸伝達歯車を設け、前記副変速軸の前方に備えた前記歯車と前記前輪駆動出力軸伝達歯車とを噛合せるとともに、前記前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速シフタとの間であって、前記前輪駆動出力軸上に摺動自在、かつ前記前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタを設けることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、前記副変速シフタと、前記副変速高速段伝達シフタとを車両操作部に継合するフォークシャフトに延設させ、前記フォークシャフトの摺動により前記副変速シフタと、前記副変速高速段伝達シフタとを互いに連動かつ摺動させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、前記副変速軸によって変速された回転動力が、前記副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、前記副変速軸に有する前記副変速シフタによる前記副変速軸の高速段選択時には、前記前輪駆動出力軸に設けられた前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速シフタとの間であって、前記前輪駆動出力軸上に前記副変速シフタと連動し、摺動自在に設けられた副変速高速段伝達シフタを前記前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせることで、前記伝達軸からの前記回転動力が、前記副変速軸の前方に備えられた歯車と前記前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速高速段伝達シフタとを介して、前記前輪駆動出力軸により前輪に伝達されるとともに、前記前輪駆動出力軸から該前輪駆動出力軸と前記副変速軸とを駆動する歯車を介して後輪に伝達されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、副変速軸によって変速された回転動力が、副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、副変速軸に有する副変速シフタの摺動上であって、副変速軸の前方に歯車を備え、前輪駆動出力軸に前輪駆動出力軸伝達歯車を設け、副変速軸の前方に備えた歯車と前輪駆動出力軸伝達歯車とを噛合せるとともに、前輪駆動出力軸伝達歯車と副変速シフタとの間であって、前輪駆動出力軸上に摺動自在、かつ前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタを設けるので、副変速の高速段を得る際に別途高速段用の軸などを設ける必要がなく、高速の回転動力を歯車だけを介して前輪駆動出力軸に伝達することができる。従って、製造作業効率や操作時の安全性を向上させ、装置のコンパクト化およびコストダウンを図った四輪駆動のホイール式トラクタを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、副変速シフタと、副変速高速段伝達シフタとを車両操作部に継合するフォークシャフトに延設させ、フォークシャフトの摺動により副変速シフタと、副変速高速段伝達シフタとを互いに連動かつ摺動させるので、別途に装置などを設ける必要がなく、簡単な操作で副変速の高速段を得ることができる。従って、操作性に優れた四輪駆動のホイール式トラクタを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、副変速軸によって変速された回転動力が、副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、副変速軸に有する副変速シフタによる副変速軸の高速段選択時には、前輪駆動出力軸に設けられた前輪駆動出力軸伝達歯車と副変速シフタとの間であって、前輪駆動出力軸上に副変速シフタと連動し、摺動自在に設けられた副変速高速段伝達シフタを前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせることで、伝達軸からの回転動力が、副変速軸の前方に備えられた歯車と前輪駆動出力軸伝達歯車と副変速高速段伝達シフタとを介して、前輪駆動出力軸により前輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸から、この前輪駆動出力軸と副変速軸とを駆動する歯車を介して後輪に伝達されるので、副変速の高速段を得る際に別途高速段用の軸などを設ける必要がなく、高速の回転動力を歯車だけを介して前輪駆動出力軸に伝達することができる。従って、製造作業効率や操作時の安全性を向上させ、装置のコンパクト化およびコストダウンを図った四輪駆動のホイール式トラクタを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は、本発明の一例としてのホイール式トラクタの側面図、図2は同トラクタの平面図を示す。この例のトラクタ21は、車体フレーム22の前後に前輪23および後輪24を備え、前輪23の上方にボンネット25を形成し、その内側には原動機部としてのエンジン40およびエンジン40の後部にクラッチハウジング41が配置され、さらにこのクラッチハウジング41の後部にはミッションケース42が配設されており、エンジン40からの動力が前輪23および後輪24に伝達される。そして、ボンネット25の後部に連続してキャビン27を設けられる。
図1は、本発明の一例としてのホイール式トラクタの側面図、図2は同トラクタの平面図を示す。この例のトラクタ21は、車体フレーム22の前後に前輪23および後輪24を備え、前輪23の上方にボンネット25を形成し、その内側には原動機部としてのエンジン40およびエンジン40の後部にクラッチハウジング41が配置され、さらにこのクラッチハウジング41の後部にはミッションケース42が配設されており、エンジン40からの動力が前輪23および後輪24に伝達される。そして、ボンネット25の後部に連続してキャビン27を設けられる。
キャビン27内には、車両操作部としてのエンジンキー、アクセルペダル,クラッチペダル,クラッチペダル28などの操作ペダル、ステアリングハンドル29、運転席30などを設ける。キャビン27の外周はそれぞれフロントガラス31、リアガラス32、ドア33、屋根34などを取付けてもよい。また、キャビン27の下方には、運転者がキャビン27に乗降するための昇降ステップ37を車体フレーム22に固定して取り付けられる。
そして、エンジン40からの動力はミッションケース42後端から突出したPTO軸38に伝達され、このPTO軸38から図示しないユニバーサルジョイントや作業機装着装置39などを介して車両後端に装着された不図示の作業機を駆動させる。
次に、動力伝達の構成について説明する。図3に動力伝達系のスケルトン図、図4にミッションケース42の断面展開図をそれぞれ示す。クラッチハウジング41内には多板式の主クラッチ43が収納され、クラッチペダル28に連係されている。また、エンジン40の出力軸44の回転が主クラッチ43に入力され、この主クラッチ43の出力軸45は、車両後方に延出され、PTOクラッチ軸46と同一軸心に備えられる。
出力軸45の後端には伝動歯車47とPTO三速爪47aが配置されており、PTOクラッチ軸46には、PTO一速歯車48と、PTO二速歯車49と、PTO逆転歯車50とがそれぞれ遊嵌される。そして、PTO一速歯車48と、PTO二速歯車49と、伝動歯車47とは、主軸51に設けられた伝達歯車52,53,54にそれぞれ噛合っており、PTO逆転歯車50はカウンタ歯車55を介して伝達歯車56と噛合い、PTOクラッチスライダ57,58の摺動により伝達歯車52,53,56およびPTO三速爪47aからPTOクラッチ軸46および減速歯車59を介してPTO軸60に回転駆動力が伝達され、作業機sを駆動させる。
主軸51に固設された伝達歯車52,53,54,56は、主変速軸61に遊嵌される、主変速一速歯車62、主変速二速歯車63、主変速三速歯車64、主変速四速歯車65にそれぞれ噛合されている。この主変速軸61の軸方向摺動可能にスプライン嵌合される2つの主変速クラッチスライダ66,67は、キャビン27に有する不図示の主変速レバーに連係されている。この主変速レバーの操作により主変速クラッチスライダ66,67と主変速一速歯車62、主変速二速歯車63、主変速三速歯車64、主変速四速歯車65のそれぞれに形成された爪との咬合を選択し、選択されたいずれか1つの上記主変速歯車62,63,64,65を介して主軸51から主変速軸61へ動力が伝達される。
また、主変速軸61の車両進行方向前方延長部分には、正転側歯車68および逆転側歯車69がそれぞれ同一軸心上に遊嵌される。そして、キャビン27に有する不図示のリバーサレバーを操作することによりリバーサクラッチ70が前進側または後進側のいずれかに選択接続され、主変速軸61の回転は正転側歯車68または逆転側歯車69のいずれかに伝達される。ただし、リバーサレバーがニュートラル位置の場合は、回転は正転側歯車68および逆転側歯車69のいずれにも伝達されない。
正転側歯車68は、伝達軸71に嵌合される歯車72に、逆転側歯車69はカウンタ軸73に嵌合されるカウンタ歯車74にそれぞれ噛合されており、このカウンタ歯車74は伝達軸71に嵌合される歯車75と噛合される。
その結果、リバーサクラッチ70が前進側に接続されたときは、主変速軸61の回転動力が正転側歯車68を介して伝達軸71に伝達され、リバーサクラッチ70が後進側に接続されたときは、主変速軸61の回転動力が逆転側歯車69からカウンタ軸73を介して伝達軸71を逆転方向に回転させることを可能としている。
伝達軸71に嵌合される歯車72は、正転側歯車68と噛合うとともに、副変速軸76の同軸線上であり車両進行方向前方に設けられる歯車77と噛合っている。副変速軸76には副変速シフタ78がスプライン嵌合されており、副変速軸76の前部と歯車77の後部との間を自在に摺動可能としている。
この副変速シフタ78はキャビン27に有する不図示の副変速レバーによって操作され、副変速シフタ78の前部に形成された副変速シフタ歯78aが歯車77の後部位置77aに位置する状態の副変速三速(副変速高速段)、副変速シフタ歯78aと歯車77の後端に設けられた歯77bとが噛合う状態の副変速二速、副変速シフタ78の中央上部に形成された歯78bと伝達軸71の中央近傍に設けられた歯車79とが噛合う状態の副変速一速、副変速シフタ78に回転動力が伝達されない(ニュートラル)状態、そして副変速シフタ78後部の歯78cと不図示の超低速用歯車とが噛合う状態の副変速超低速(C速)とのそれぞれに切換可能とした副変速装置が構成される。
これら副変速シフタ78の摺動による歯車噛合わせの選択で、伝達軸71の回転が三段の変速を経て出力され、副変速軸76に入力された回転動力は、副変速軸76に設けられた3つの歯車80,81,82などによって、後輪駆動系と前輪駆動系の二方向に出力される。
ミッションケース42後方には後輪デフ装置83が配置され、副変速軸76の回転が、この副変速軸76の後端に形成された歯車82を介して後輪デフ装置83に入力され、リアアクスルケース内の車軸などを介して後輪24が駆動される。なお、符号84はブレーキ装置である。
また、副変速軸76に設けられた歯車80または81などにより、前輪駆動出力軸85に遊嵌される標準駆動入力歯車86または増速駆動入力歯車87から四輪駆動・前輪増速駆動切換機構88を介して前輪駆動出力軸85に入力された回転動力が、この前輪駆動出力軸85を介して前輪側のデフ装置94に入力され、フロントアクスルケース内の車軸などを介して前輪23が駆動される。
この四輪駆動・前輪増速駆動切換機構88の使用時には、四輪駆動状態での走行時にステアリングハンドル29の操向による前輪23の切れ角に応じて、ステアリングハンドル29などに設けられた不図示のセンサにより車体の旋回操作が検出されたときは、クラッチハウジング41上などに設けられた切換バルブ(不図示)などを介して前輪駆動出力軸85内や四輪駆動・前輪増速駆動切換機構88内の油路85a,88aなどを流れるクラッチハウジング41上などに設けられた油圧ポンプ(不図示)からの作動油により、四輪駆動・前輪増速駆動切換機構88内に有する押圧体88bによって摩擦板88c,88dなどが押圧されることで、シリンダ88eと増速駆動入力歯車87とを一体的に回転させ、後輪24の周速度よりも前輪23の周速度を増速させる前輪増速駆動状態に自動的に切換えられ、車体が速やかに旋回される。
車両が旋回を終えた場合は、上記センサの検出により切換バルブなどを介してドレンタンク(不図示)に繋がる油路が開かれ、油路85a,88aなど全体の圧が低くなることで押圧体88bによる摩擦板88c,88dなどの押圧が解除され、バネ88fの付勢によりクラッチピストン88gと標準駆動入力歯車86とが噛合い、前輪23の周速が後輪24の周速と略同速となる四輪駆動状態に戻るように構成されている。
次に、本願発明の特徴である高速段を有する副変速軸76からの動力伝達機構について詳述する。図5は、図4における副変速軸と前輪駆動出力軸付近を拡大した副変速三速(高速段)のときの連係を示す側面断面図である。
副変速軸76の車両進行方向前方に設けられた歯車77は、前輪駆動出力軸85上に遊転するように設けられた前輪駆動出力軸伝達歯車89と噛合っている。また、副変速シフタ78と前輪駆動出力軸伝達歯車89との間の前輪駆動出力軸85上には、副変速高速段伝達シフタ90が前後摺動可能に設けられる。この副変速高速段伝達シフタ90は、その前端に副変速高速段伝達シフタ歯90aを備え、後述する副変速シフタ78と連動して摺動し、副変速が三速のときは、副変速高速段伝達シフタ歯90aが前輪駆動出力軸伝達歯車89の後端に形成された歯89aと噛合い、副変速が二速以下のときには副変速高速段伝達シフタ歯90aと歯89aとを離隔させる。
さらに、フォークシャフト91は、ミッションケース42内の前部と中央部の間で、かつ副変速軸76や前輪駆動出力軸85近傍側方などであって、副変速軸76や前輪駆動出力軸85と同一方向に軸線を向けた平行状態で前後方向に摺動可能に、副変速シフタ78および副変速高速段伝達シフタ90のそれぞれから延設される連動アーム92,93などを介して架設される。このフォークシャフト91は、図示しない連動アームによりキャビン27に有する副変速レバーに継合される。
ここで、伝達軸71からの回転動力を副変速軸76により、例えば副変速二速から三速に切換えて前輪23および後輪24に伝達する場合は、キャビン27に有する副変速レバーを二速位置から三速位置に回動させることで、フォークシャフト91が車両進行方向である前方向(図中左)に摺動し、それに追従する連動アーム92,93により同前方向に摺動した副変速シフタ78の副変速シフタ歯78aを歯車77の後部位置77aに位置させ、歯車77と副変速シフタ78とを接触させないとともに、連動して前方向に摺動された副変速高速段伝達シフタ90の副変速高速段伝達シフタ歯90aと前輪駆動出力軸伝達歯車89の歯89aとを噛合わせる。
これら連係により、副変速シフタ78によって変速された副変速三速の回転動力は、歯車77から前輪駆動出力軸伝達歯車89を介して副変速高速段伝達シフタ90に伝達されるため、副変速三速の回転動力が歯車77から直接副変速軸76に伝わることはない。そして、この回転動力が副変速高速段伝達シフタ90から前輪駆動出力軸85などに伝達され、前輪23に伝えられる。
一方、前輪駆動出力軸85に伝達された副変速三速の回転動力は、標準駆動入力歯車86から副変速軸76に設けられた歯車80を介して副変速軸76を回転させ、歯車82などを介して後輪24に伝達される。
このように、副変速軸76および前輪駆動出力軸85が副変速二速以下から三速を得るにあたり、副変速レバーを二速以下から三速に回動させることで、フォークシャフト91に延設させた副変速シフタ78と副変速高速段伝達シフタ90とを摺動させ、回転動力が歯車77から前輪駆動出力軸伝達歯車89および副変速高速段伝達シフタ90を介して前輪駆動出力軸85に入力され、標準駆動入力歯車86から歯車80を介して副変速軸76に伝達されるため、三速用副変速軸などを別途設ける必要がなく、ミッションオイルの油温上昇を抑制できるとともに、ミッションケース42内の余分なスペースを省略することができる。
次に、副変速を例えば三速から二速に切換える場合、キャビン27に有する副変速レバーを三速位置から二速位置に回動させることで、フォークシャフト91が車両進行方向とは反対である後方向(図中右)に摺動し、それに追従する連動アーム92,93により図4に示されるように、同後方向に摺動された副変速シフタ78のシフタ歯78aと歯車77の後端に設けられた歯77bとを噛合わせるとともに、連動して後方向に摺動された副変速高速段伝達シフタ90の副変速高速段伝達シフタ歯90aと前輪駆動出力軸伝達歯車89の歯89aとを離隔させる。
これら連係により、副変速シフタ78により変速された副変速二速の回転動力は、歯車72から歯車77および副変速シフタ78を介して副変速軸76に伝達され、歯車82などを介して後輪24に伝えられる。このとき、前輪駆動出力軸伝達歯車89が前輪駆動出力軸85にスプライン嵌合されているために前輪駆動出力軸伝達歯車89が遊転しており、この前輪駆動出力軸伝達歯車89から直接前輪駆動出力軸85に回転動力が伝達されることはない。
さらに、副変速軸76に伝達された副変速二速の回転動力は、歯車80から標準駆動入力歯車86を介して前輪駆動出力軸85を回転させることにより、前輪23に伝えられる。
なお、副変速一速の回転動力は、副変歯車79から副変速シフタ78を介して副変速軸76に入力され、歯車82などを介して後輪24に伝達されるとともに、歯車80から標準駆動入力歯車86を介して前輪駆動出力軸85から前輪23に伝えられる。
以上詳述したように、この例のホイール式トラクタ21は、主軸51と、主変速軸61と、伝達軸71とを介してエンジン40からの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸76を備え、副変速軸76によって変速された回転動力が、副変速軸76から後輪24に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸85を介して前輪23に伝達され、副変速軸76に有する副変速シフタ78の摺動上であって、副変速軸76の前方に歯車77を備え、前輪駆動出力軸85に前輪駆動出力軸伝達歯車89を設け、副変速軸76の前方に備えた歯車77と前輪駆動出力軸伝達歯車89とを噛合せるとともに、前輪駆動出力軸伝達歯車89と副変速シフタ78との間であって、前輪駆動出力軸85に摺動自在、かつ前輪駆動出力軸伝達歯車89に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタ90を設けるものである。加えて、副変速シフタ78と、副変速高速段伝達シフタ90とを車両操作部に継合するフォークシャフト91に延設させ、フォークシャフト91の摺動により副変速シフタ78と、副変速高速段伝達シフタ90とを互いに連動かつ摺動させる。
なお、上述の例では、農作業機としての四輪駆動のホイール式トラクタについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、建設作業機としてのトラクタショベルなどあらゆる四輪駆動のホイール式トラクタに適用することができる。
76 副変速軸
77,80,81,82 歯車
77a 後部位置
77b,78b,78c,89a 歯
78 副変速シフタ
78a 副変速シフタ歯
83 後輪デフ装置
85 前輪駆動出力軸
86 標準駆動入力歯車
89 前輪駆動出力軸伝達歯車
90 副変速高速段伝達シフタ
90a 副変速高速段伝達シフタ歯
91 フォークシャフト
92,93 連動アーム
77,80,81,82 歯車
77a 後部位置
77b,78b,78c,89a 歯
78 副変速シフタ
78a 副変速シフタ歯
83 後輪デフ装置
85 前輪駆動出力軸
86 標準駆動入力歯車
89 前輪駆動出力軸伝達歯車
90 副変速高速段伝達シフタ
90a 副変速高速段伝達シフタ歯
91 フォークシャフト
92,93 連動アーム
Claims (3)
- 主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、
前記副変速軸によって変速された回転動力が、前記副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、
前記副変速軸に有する副変速シフタの摺動上であって、前記副変速軸の前方に歯車を備え、
前記前輪駆動出力軸に前輪駆動出力軸伝達歯車を設け、
前記副変速軸の前方に備えた前記歯車と前記前輪駆動出力軸伝達歯車とを噛合せるとともに、
前記前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速シフタとの間であって、前記前輪駆動出力軸上に摺動自在、かつ前記前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせ可能な副変速高速段伝達シフタを設けることを特徴とする四輪駆動のホイール式トラクタ。 - 前記副変速シフタと、前記副変速高速段伝達シフタとを車両操作部に継合するフォークシャフトに延設させ、前記フォークシャフトの摺動により前記副変速シフタと、前記副変速高速段伝達シフタとを互いに連動かつ摺動させることを特徴とする、請求項1に記載の四輪駆動のホイール式トラクタ。
- 主軸と、主変速軸と、伝達軸とを介してエンジンからの回転動力が伝達される高速段を有する副変速軸を備え、
前記副変速軸によって変速された回転動力が、前記副変速軸から後輪に伝達されるとともに、前輪駆動出力軸を介して前輪に伝達される四輪駆動のホイール式トラクタにおいて、
前記副変速軸に有する前記副変速シフタによる前記副変速軸の高速段選択時には、前記前輪駆動出力軸に設けられた前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速シフタとの間であって、前記前輪駆動出力軸上に前記副変速シフタと連動し、摺動自在に設けられた副変速高速段伝達シフタを前記前輪駆動出力軸伝達歯車に噛合わせることで、前記伝達軸からの前記回転動力が、前記副変速軸の前方に備えられた歯車と前記前輪駆動出力軸伝達歯車と前記副変速高速段伝達シフタとを介して、前記前輪駆動出力軸により前輪に伝達されるとともに、前記前輪駆動出力軸から該前輪駆動出力軸と前記副変速軸とを駆動する歯車を介して後輪に伝達されることを特徴とする四輪駆動のホイール式トラクタの動力伝達方法。
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JP2006010533A JP2007191022A (ja) | 2006-01-18 | 2006-01-18 | トラクタの副変速機構 |
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CN110645324A (zh) * | 2019-10-22 | 2020-01-03 | 江苏沃得农业机械有限公司 | 一种轮式拖拉机变速箱动力输出轴传动结构 |
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2006
- 2006-01-18 JP JP2006010533A patent/JP2007191022A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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CN110645324A (zh) * | 2019-10-22 | 2020-01-03 | 江苏沃得农业机械有限公司 | 一种轮式拖拉机变速箱动力输出轴传动结构 |
CN110645324B (zh) * | 2019-10-22 | 2023-12-05 | 江苏沃得农业机械有限公司 | 一种轮式拖拉机变速箱动力输出轴传动结构 |
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