JP2007188899A - カーボンワイヤー封入ヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンファイバーを複数本用いて編みこんだカーボンワイヤー4を、石英ガラス部材20内に封入したカーボンワイヤー封入ヒータ1において、前記カーボンワイヤー4の吸着水分量が2×10-3g/cm3 以下であり、かつ前記石英ガラス部材20が管状であり、前記カーボンワイヤーの直径と石英ガラス管の内径との比率が1:2〜5であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
このカーボンワイヤー(発熱体)は、極細いカーボン繊維を束ねたカーボンファイバー束を複数束編み上げて作製したものであり、従来の金属発熱体に比べて、熱容量が小さく昇降温特性に優れ、また非酸化性雰囲気中では高温耐久性にも優れている。また、細いカーボン繊維の繊維束を複数本編んで作製されたものであるため、むくのカーボン材からなる発熱体に比べフレキシビリティに富み、半導体製造用ヒータとして種々の構造、形状に容易に加工できるという利点を有している。
特に、直線状の発熱部を有し、その両端に屈曲部を介して端子部を有する、側面形状がコ字状のカーボンワイヤー封入ヒータにおいて、この黒点の発生が顕著に認められた。
このような、カーボンワイヤーを封入したエレメントパイプ(石英ガラス管)内面における黒点の発生は、ヒータからの輻射熱を遮断、遮蔽するため、発熱ムラの原因になり、好ましいものではない。
反応式 C + H2O ⇔ CO +H2
したがって、前記反応を抑制するため、石英ガラス部材内に封入するカーボンワイヤーの吸着水分量を2×10-3g/cm3以下とした。
そのため、前記黒点分子が発生した場合、石英ガラス管の内部に分散せず、最短距離にある石英ガラス管の内面に黒点が集中的に形成される。
その結果、カーボンワイヤー封入ヒータの外観から黒点が確認でき、また、かかる部分において発熱ムラが生じるため、好ましくない。
前記したように、吸着水分量が2×10-3g/cm3以下のカーボンワイヤーを用いる場合には、カーボンワイヤーが石英ガラス管の中心部から偏心配置されていても黒点の発生は抑制され、発熱ムラの少ない発熱特性の良好なカーボンワイヤー封入ヒータを得ることができる。
また、カーボンワイヤーの直径を1とした場合の石英ガラス管の内径の比率が2〜5ある場合には、カーボンワイヤーが石英ガラス管の中心部から偏心配置されていても黒点の発生は抑制され、発熱ムラの少ない発熱特性の良好なカーボンワイヤー封入ヒータを得ることができる。
前記発熱部2は、カーボンファイバー束からなる発熱体としてのカ−ボンワイヤー4を収容した石英ガラス管20からなり、直線状部21を備えている。この石英ガラス管20は、前記直線状部21と、その両端において屈曲し端子部3に連結する屈曲部22と、端子部3の一部を構成する大径部23とを有している。
なお、前記石英ガラス管20の内径Cは、図3(a)に示すように、後述するカーボンワイヤーの直径Dを1とした場合、その比率が2〜5になるように形成されている。なお、カーボンワイヤー4が多少変化し、楕円形状になる場合があるが、この場合には、前記楕円の短径を1とし、上記比率になるように石英ガラス管20の内径Cを決定する。
この端子部3は、端子部3を構成する前記石英ガラス管20の大径部23と、前記大径部23の内部に収容された直管32と、前記直管32に圧縮収納された複数のワイヤーカーボン材33と、前記石英ガラス管20の端部を封止する封止ガラス管34と、封止ガラス管34に設けられたタングステン(W)からなる接続線31とを備えている。
このカーボンワイヤー4は、極細いカーボン単繊維を束ねたカーボンファイバー束を、編紐形状、あるいは組紐形状に複数束編み上げて作製したものであり、従来の金属製やSiC製の発熱体に比べて、熱容量が小さく昇降温特性に優れ、また非酸化性雰囲気中では高温耐久性にも優れている。
具体的には、前記カーボンワイヤー4として、直径5乃至15μmのカーボンファイバー、例えば、直径7μmのカーボンファイバーを約3000乃至3500本程度束ねたファイバー束を10束程度用いて直径約2mmの編紐、あるいは組紐形状に編み込んだ等のカーボンワイヤーが用いられる。
このように、カーボンワイヤー4は吸着水分量が少ないため、昇温時に、吸着水分とカーボンワイヤーとの反応が抑制される。その結果、石英ガラス管20の内面に対する反応分子(黒点)の付着が抑制される。
なお、昇温時に、2×10-3g/cm3以下の吸着水分とカーボンワイヤーとの反応がたとえ生じても、この場合は、黒点とはならず、ヒータの発熱特性に影響を及ぼさない程度の薄黒膜が石英ガラス管20の内面に付着するに過ぎない。
なお、このカーボンファイバーによる表面の毛羽立ちは0.5乃至2.5mm程度であることが好ましい。
より好ましくは、カーボンファイバー中に含まれる不純物量が灰分重量として3ppm以下である。
即ち、図3(a)に示すように、カーボンワイヤー4が前記石英ガラス管20内で偏心配置され、カーボンワイヤー4と石英ガラス管20の内面とが接触する。
このようにカーボンワイヤー4の直径Dを1とした場合、石英ガラス管20の内径Cの比率が2〜5になるように形成されているため、カーボンワイヤー4と石英ガラス管4の内面との接触部分Aの面積を少なくすることができる。
一方、図3(b)に示すように、カーボンワイヤー4の直径Dを1とした場合、その比率が2未満の場合、カーボンワイヤー4と石英ガラス管20の内面との接触部分Bの面積が大きくなり好ましくない。
そのため、前記黒点(反応分子)が発生したとしても、石英ガラス管20内部に分散し、薄黒膜として石英ガラス管20の内部に形成される。
このように、石英ガラス管20の特定な部分に黒点として集中的に形成されることがないため、発熱ムラは生じない。
また、石英ガラス管20内への黒点は、冷却され易い部分に発生し易い。
したがって、カーボンワイヤー4の直径Dに対し、石英ガラス管20の内径Cが大きくなりすぎる(カーボンワイヤー4の直径Dを1としたときの、石英ガラス管の内径Cの比率が5を超える)と、図3(a)中の距離dが大きくなり、特に、冷却されやすい部分aに黒点が発生しやすくなる。
また、同様に、石英ガラス管20の内径Cが、カーボンワイヤー4の直径Dの2〜5倍である場合にも、黒点の発生は抑制され、発熱ムラが少ない良好な発熱特性を保つことができる。
昇温条件
昇温雰囲気:大気解放系
エレメント温度:1350℃
動作時間:240h
その結果を、表1に示す。
昇温条件
昇温雰囲気:大気解放系
エレメント温度:1400℃
動作時間:1h
その結果を、表2に示す。
昇温条件
昇温雰囲気:ヒーターパイプの外側に断熱用パイプをセットして昇温
エレメント温度:1600℃
動作時間:1h
その結果を、表3に示す。
*2は直線状部(発熱部)の石英ガラス管に薄黒膜が発生したことを意味する。
*3は端子部の大径管部の石英ガラス管に黒点が発生したことを意味する。
2 発熱部
3 端子部
4 カーボンワイヤー
20 石英ガラス管
21 直線状部
22 屈曲部
23 大径部
31 接続線
32 直管
33 ワイヤーカーボン材
34 封止ガラス管
A 接触部分
B 接触部分
C 石英ガラス内径
D カーボンワイヤー直径
d 石英ガラス管内面までの距離
Claims (2)
- カーボンファイバーを複数本用いて編みこんだカーボンワイヤーを、石英ガラス部材内に封入したカーボンワイヤー封入ヒータにおいて、
前記カーボンワイヤーの吸着水分量が2×10-3g/cm3以下であり、
かつ前記石英ガラス部材が管状であり、前記カーボンワイヤーの直径と石英ガラス管の内径との比率が1:2〜5であることを特徴とするカーボンワイヤー封入ヒータ。 - 前記カーボンワイヤー封入ヒータが、直線状の発熱部を有し、その両端に屈曲部を介して端子部を有するコの字状カーボンワイヤー封入ヒータであって、
前記カーボンワイヤーが、前記石英ガラス管の中心部から偏心して配置されていることを特徴とする請求項1に記載されたカーボンワイヤー封入ヒータ。
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JP2000293047A (ja) * | 1999-04-09 | 2000-10-20 | Mitsubishi Chemicals Corp | シームレスベルト及び半導電性部材 |
JP2002015849A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-18 | Toshiba Ceramics Co Ltd | ヒータ及びこのヒータの製造方法 |
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- 2007-04-09 JP JP2007101273A patent/JP4510046B2/ja not_active Expired - Lifetime
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