JP2007187511A - 回路基板検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査時間を短縮する。
【解決手段】回路基板検査装置1が4つの検査装置17a〜17dを有している。静電結合プローブ4a〜4bが、COF50の出力配線群に係る全ての出力配線と静電結合されている。制御信号生成回路11が、各出力配線群に属する各出力配線57に対応する多数の出力端子のうちの1つから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。判定回路16が、4つの検査装置17a〜17dから出力された検知結果に基づいて出力配線群に係る応答信号が出力される出力端子とこれに対応する回路出力ランドとが電気的に接合されているか否かを判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、集積回路が実装された回路基板において、集積回路の端子と回路基板に形成されたランドとが電気的に接合されているか否かを検査する回路基板検査装置に関する。
集積回路が実装された回路基板において、集積回路の端子と回路基板に形成されたランドとが電気的に接合されているか否かを検査する回路基板検査装置がある。このような回路基板検査装置においては、回路基板における集積回路の入力端子と電気的に接合されるべきランドに係る入力配線に制御信号を入力し、この制御信号に対する応答信号を集積回路の出力端子と電気的に接合されるべきランドに係る出力配線から検知することによって、集積回路の端子と回路基板に形成されたランドとが電気的に接合されているか否かを検査する。近年、回路基板の小型化の要請により、回路基板における出力配線のランドが狭ピッチで多数形成されることがある。この場合、出力配線に係るランドにプローブを正確に接触させることが難しい。そこで、導電性を有する薄板状のプローブと出力配線とを絶縁膜を介して密着させることによって、両者を静電結合させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。これによると、プローブを複数の出力配線と対向するように配置すればよいため、検査時におけるプローブの設置が容易となる。
特開2002−156417号公報(図1)
上述した技術によると、出力端子からの応答信号を検知するために、プローブと静電結合された複数の出力配線に係る各出力端子から順に応答信号を出力させる必要があり、複数のランドと出力端子との接合状態を同時に検査することができない。このため、出力配線が多数形成されている場合には、検査に時間がかかってしまう。
そこで、本発明の目的は、検査時間を短縮することができる回路基板検査装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の回路基板検査装置は、制御信号が入力される入力端子及び前記入力端子に入力された制御信号に基づいて応答信号を出力する複数の出力端子を有する集積回路が実装されていると共に、前記複数の出力端子と電気的にそれぞれ接合されるべき複数の出力配線が形成された回路基板を検査するための回路基板検査装置である。そして、前記入力端子と電気的に接続される入力プローブと、前記入力プローブから前記入力端子に入力される制御信号を生成する制御信号生成手段と、前記複数の出力配線に出力された前記応答信号を検知する複数の検知装置と、前記検知装置の検知結果に基づいて前記出力端子と前記出力配線とが電気的に接合されているか否かを判定する判定手段とを備えている。前記検知装置が、前記複数の出力配線と静電結合することによって、当該出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から出力された前記応答信号が当該出力配線を介して入力される静電結合プローブを有している。前記制御信号生成手段が、互いに隣り合う2以上の前記出力配線から成る複数の出力配線群にそれぞれ属する複数の前記出力端子から互いに異なるタイミングで前記応答信号が出力されるような制御信号を生成する。
本発明によると、各静電結合プローブを1つの出力配線群に属する全ての出力配線と静電結合するように配置することによって、複数の検知装置が、対応する出力配線群に属する出力配線からの応答信号を同時に検知することができる。このため、出力配線と出力端子とが電気的に接合されているか否かを判定手段が複数同時に判定することができる。これにより、回路基板の検査時間を短縮することができる。
本発明においては、前記制御信号生成手段が、互いに隣接する2つの前記出力配線群に係る前記出力端子から互いに異なるタイミングで応答信号が出力されるような制御信号を生成することが好ましい。
これによると、互いに隣接する2つの出力配線群に係る出力端子から異なるタイミングで応答信号が出力される。このため、静電結合プローブが当該静電結合プローブに対応する出力配線群に隣接する他の出力配線群に属する出力配線と静電結合した場合であっても、対応する出力配線群に属する出力配線からの応答信号と隣接する他の出力配線群に属する出力配線からの応答信号とが混在しなくなり、判定手段が誤判定しにくくなる。これにより、出力配線が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブを隣接する他の出力配線群と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなり、回路基板の検査時間をさらに短縮することができる。
また、本発明においては、前記制御信号生成手段が、前記出力配線群に属する前記出力配線のうち、隣接する他の前記出力配線群の近傍に位置する前記出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から応答信号が出力されるような制御信号を生成したとき、前記判定手段が、前記他の出力配線群に対応する検知装置からの検知結果を判定の基礎としないことが好ましい。
これによると、隣接する他の出力配線群近傍に位置する出力配線に接合されるべき出力端子から応答信号が出力されるとき、隣接する他の出力配線群に係る出力端子から応答信号が出力されても、当該応答信号に関する検知結果を判定手段が判定の基礎としないため、隣接する他の出力配線群に対応する静電結合プローブと、隣接する他の出力配線群の近傍に位置する出力配線とが静電結合した場合であっても、隣接する他の出力配線群に関して判定手段が誤判定することがなくなる。これにより、出力配線が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブを隣接する他の出力配線群と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなる。さらに、各出力配線群において、隣接する他の出力配線群近傍に位置する出力配線を除く出力配線からの応答信号を複数の検知装置が同時に検知することができる。これらにより、回路基板の検査時間をさらに短縮することができる。
さらに、本発明においては、前記制御信号生成手段が、前記出力配線群に属する前記出力配線のうち、隣接する他の前記出力配線群近傍に位置する前記出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から応答信号が出力されるような制御信号を生成するとき、当該制御信号は、前記他の前記出力配線群に係る前記出力端子から応答信号が出力されないものであることが好ましい。
これによると、隣接する他の出力配線群近傍に位置する出力配線に接合されるべき出力端子から応答信号が出力されるとき、隣接する他の出力配線群に係る出力端子から応答信号が出力されないため、隣接する他の出力配線群に対応する静電結合プローブと、隣接する他の出力配線群の近傍に位置する出力配線とが静電結合した場合であっても、隣接する他の出力配線群に関して判定手段が誤判定することがなくなる。これにより、出力配線が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブを隣接する他の出力配線群と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなる。さらに、各出力配線群において、隣接する他の出力配線群近傍に位置する出力配線を除く出力配線からの応答信号を複数の検知装置が同時に検知することができる。これらにより、回路基板の検査時間をさらに短縮することができる。
加えて、本発明においては、前記制御信号生成手段が、互いに隣接する2つの前記出力配線群に係る前記出力端子から互いに異なる周波数を有する応答信号が出力されるような制御信号を生成し、前記検知装置が、対応する前記出力配線群に係る前記出力端子から出力される応答信号が有する周波数帯域の信号のみを通過させるフィルタ回路をさらに有していることが好ましい。
これによると、互いに隣接する2つの出力配線群に係る出力端子から異なる周波数を有する応答信号が出力される。このため、静電結合プローブが当該静電結合プローブに対応する出力配線群に隣接する他の出力配線群に属する出力配線と静電結合した場合であっても、対応する出力配線群に属する出力配線からの応答信号と隣接する他の出力配線群に属する出力配線からの応答信号とが混在しなくなり、判定手段が誤判定しにくくなる。これにより、出力配線が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブを隣接する他の出力配線群と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなり、回路基板の検査時間をさらに短縮することができる。
また、本発明においては、複数の前記静電結合プローブが、前記出力配線の延在方向に直交する方向に千鳥状に配置されてもよい。これによると静電結合プローブを効率よく配置することができる。
さらに、本発明においては、前記検知装置が、前記静電結合プローブに入力された応答信号の信号強度を増幅する増幅回路をさらに有していてもよい。これによると、静電結合プローブからの応答信号が増幅されるため、静電結合プローブに入力された応答信号が微弱な場合であっても、応答信号を確実に検知することができる。
加えて、本発明においては、前記検知装置が、前記静電結合プローブに入力された応答信号の積分値を出力する積分回路をさらに有していてもよい。これによると、静電結合プローブからの応答信号が積分されるため、静電結合プローブに入力された応答信号が微弱な場合であっても、応答信号を確実に検知することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の回路基板検査装置の概略構成図である。図2は、回路基板検査装置1の検査対象となるCOF(Chip On Film)の平面図である。図3は、図1に示すIII−III線に関する回路基板検査装置1の部分断面図である。回路基板検査装置1は、COF50に実装されたドライバIC(集積回路)52の入力端子52a及び出力端子52bとこれに対応するCOF50の回路入力ランド55及び回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かの検査を行うものである。図1に示すように、回路基板検査装置1は、基台2と、入力プローブ3と、4つの静電結合プローブ4a〜4dと、絶縁シート6と、制御装置10とを有している。
図2に示すように、検査対象となるCOF50は、ポリイミドからなるシート基材51に、複数の外部入力ランド53、複数の入力配線54、複数の回路入力ランド55、多数の回路出力ランド56、多数の出力配線57及び多数の外部出力ランド58が形成されたフレキシブル回路基板にドライバIC52が実装されたものである。なお、COF50は、例えば、インクジェットヘッドに用いられるものである。インクジェットヘッドにおいては、インク滴が吐出されるノズルに連通している多数の圧力室が形成されているとともに、圧力室に圧力を付与する圧電素子上に多数の個別電極が2次元配列されている。各個別電極は、対応する圧力室とそれぞれ対向配置され、COF50はこの個別電極に圧電素子を駆動するための駆動電圧を印加するために用いられる。
ドライバIC52は、その下面に配列された複数の入力端子52aと、入力端子52aと対向するように配列された多数の出力端子52bとが形成されている。また、ドライバIC52は、複数の入力端子52aに制御信号が入力されると、入力された制御信号によって決定される出力端子52bから応答信号を出力する。出力端子52bの数は入力端子52aの数よりも多くなっている。したがって、出力端子52bは入力端子52aより狭ピッチで配置されている。
外部入力ランド53は、入力端子52aに入力される制御信号が入力されるものであって、シート基材51の一端(図2中下方端)近傍に千鳥状に配列されている。回路入力ランド55は、ドライバIC52の入力端子52aと電気的に接合されるものであって、シート基材51の中央(図2中上下方向中央)近傍において外部入力ランド53と対向するように配列されている。入力配線54は、外部入力ランド53とこれに対応する回路入力ランド55とを電気的に接続するものである。回路出力ランド56は、ドライバIC52の出力端子52bと電気的に接合されるものであって、シート基材51の中央近傍において回路入力ランド55と対向するように配列されている。外部出力ランド58は、出力端子52bから出力された応答信号を出力するためのものであり、シート基材51の他端(図2中上方端)近傍に台形マトリックス状に配置されている。出力配線57は、回路出力ランド56とこれに対応する外部出力ランド58とを電気的に接続するものである。本実施の形態では、図2に示すように、複数の外部入力ランド53、複数の回路入力ランド55及び入力端子52a、複数の出力端子52b及び回路出力ランド56、複数の外部出力ランド58がそれぞれ互いに平行な列状に配置されている。
そして、COF50においては、回路出力ランド56が出力端子52bと同様に狭ピッチで配置されているため、特に、回路出力ランド56と出力端子52bとが電気的に接合されているか否かを検査する必要がある。
図1に戻って、基台2は、検査対象となるCOF50が設置されるものである。入力プローブ3は、COF50の外部入力ランド53に接続されることによって、制御装置10からの制御信号を外部入力ランド53に入力するものである。静電結合プローブ4a〜4dは、矩形状を有する導電性薄膜であり、COF50の出力配線57と静電結合することによって、出力端子52bから出力された応答信号が出力配線57を介して入力されるものである。また、静電結合プローブ4a〜4dは、同軸ケーブル5を介して制御装置10と接続されている。絶縁シート6は、図3に示すように、基台2に設置されたCOF50の出力配線57と静電結合プローブ4a〜4dとの間に配置するものである。これにより、COF50の出力配線57と静電結合プローブ4a〜4dとが絶縁され、出力配線57と静電結合プローブ4a〜4dとの静電結合が可能となる。
制御装置10について図4を参照しつつ説明する。図4は回路基板検査装置1の機能ブロック図である。制御装置10は、入力プローブ3から制御信号を出力するとともに、静電結合プローブ4a〜4dに出力された応答信号に基づいて、主に入力端子52a及び出力端子52bと対応するCOF50の回路入力ランド55及び回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かの判定を行うものである。図4に示すように、制御装置10は、PC60に接続されている。ユーザはPC60を介して制御装置10を作動させる。
制御装置10は、制御信号生成回路(制御信号生成手段)11と、ドライバIC駆動電源12と、4つのフィルタ回路13a〜13dと、4つの増幅回路14a〜14dと、4つの積分回路15a〜15dと、判定回路(判定手段)16とを有している。制御信号生成回路11は、入力プローブ3と接続されており、入力プローブ3からCOF50の外部入力ランド53、入力配線54及び回路入力ランド55を介してドライバIC52の複数の入力端子52aに入力される制御信号を生成するものである。上述したように、ドライバIC52の複数の入力端子52aに制御信号が入力されることによって、所望の出力端子52bから応答信号が出力される。ドライバIC駆動電源12は、ドライバIC52を駆動させるための電源回路である。
4つのフィルタ回路13a〜13dは、同軸ケーブル5を介して対応する静電結合プローブ4a〜4dに接続されている。また、フィルタ回路13a〜13dは、静電結合プローブ4a〜4dに出力された応答信号が同軸ケーブル5を介して入力されると、入力された応答信号のノイズを除去する。具体的には、フィルタ回路13a〜13dが、応答信号が有する所定の周波数帯域の信号のみを通過させるバンドパスフィルタとして機能する。フィルタ回路13a〜13dにおいてノイズが除去された応答信号は、対応する増幅回路14a〜14dにそれぞれ出力される。4つの増幅回路14a〜14dは、フィルタ回路13a〜13dから入力された応答信号の信号強度を増幅するものである。増幅回路14a〜14dにおいて増幅された応答信号は、対応する積分回路15a〜15dにそれぞれ出力される。4つの積分回路15a〜15dは、増幅回路14a〜14dから入力された応答信号を積分するものである。増幅回路14a〜14dにおいて積分された応答信号は、応答信号の検知結果として判定回路16に出力される。ここで、静電結合プローブ4a、フィルタ回路13a、増幅回路14a及び積分回路15aが検知装置17aを、静電結合プローブ4b、フィルタ回路13b、増幅回路14b及び積分回路15bが検知装置17bを、静電結合プローブ4c、フィルタ回路13c、増幅回路14c及び積分回路15cが検知装置17cを、静電結合プローブ4d、フィルタ回路13d、増幅回路14d及び積分回路15dが検知装置17dをそれぞれ形成している。つまり、検知装置17a〜17dは、出力配線57に出力された応答信号を検知するためのものである。なお、各検知装置17a〜17dにおいては、フィルタ回路13a〜13d、増幅回路14a〜14d及び積分回路15a〜15dが順に接続されているが、これらの接続順序は任意のものであってよい。例えば、増幅回路14a〜14d及び積分回路15a〜15dの接続順序が逆であってもよい。
判定回路16は、検知装置17a〜17dからの検知結果に基づいて、入力端子52a及び出力端子52bと対応するCOF50の回路入力ランド55及び回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かに加え、外部入力ランド53から静電結合プローブ4a〜4dに至る配線の接続状態の良否の判定を行うものである。具体的には、制御信号生成回路11が生成した制御信号の内容と、当該制御信号に対応する検知装置17a〜17dからの検知結果とに基づいて判定する。
次に、COF50を検査するときにおける静電結合プローブ4a〜4dの配置位置について図5を参照しつつ説明する。図5は、COF50を検査するときにおける静電結合プローブ4a〜4dの配置位置を示す図である。なお、図5においては、説明の都合上、COF50の破線で示すべき領域を実線で示している。図5に示すように、COF50においては、複数の出力配線57から成る4つの出力配線群A1〜A4が形成されている。また、出力配線群A1〜A4に属する出力配線57のうち、隣接する他の出力配線群A1〜A4と隣接する(近傍に位置する)出力配線57が隣接出力配線B1〜B4となっている。
静電結合プローブ4a〜4dは、出力配線57の延在方向に直交する方向に関して互いに隣接するように千鳥状に配列し、且つ、対応する出力配線群A1〜A4に属する全ての出力配線57と静電結合されるように配置する。具体的には、静電結合プローブ4aが出力配線群A1に属する全ての出力配線57と静電結合されており、静電結合プローブ4bが出力配線群A2に属する全ての出力配線57と静電結合されており、静電結合プローブ4cが出力配線群A3に属する全ての出力配線57と静電結合されており、静電結合プローブ4dが出力配線群A4に属する全ての出力配線57と静電結合されている。
このとき、出力配線57が狭ピッチで配置されているため、隣接出力配線B1〜B4が、隣接する他の出力配線群A1〜A4に対応する静電結合プローブ4a〜4dと静電結合されることがある。例えば、図5の場合には、隣接出力配線B1が、対応する静電結合プローブ4aだけでなく静電結合プローブ4bとも静電結合されている。この場合、隣接出力配線B1に応答信号が出力されると、隣接出力配線B1から静電結合プローブ4a及び静電結合プローブ4bに応答信号が入力されることになる。この隣接出力配線B1のような隣接出力配線Bの存在は、互いに隣接する静電結合プローブ4a〜4d同士の重なり具合に対応している。例えば、2つの静電結合プローブ4a〜4dが出力配線57のピッチ以下の重なり量であれば、最大1本の出力配線57が、この2つの静電結合プローブ4a〜4dに同時検出される隣接出力配線Bとなる。重なり量が1ピッチより大きく2ピッチより小さいと、出力配線57は最大で2本、少なくとも1本が同時に検出されることになる。このように、2つの静電結合プローブ4a〜4dの重なり量が大きくなれば、隣接出力配線Bの本数も増える。本実施の形態では、図5に示されたように、重なり部分が3箇所あり、このような隣接出力配線Bは3本ある(図中、隣接出力配線B1、B2及びB3)。
回路基板検査装置1の作動について図6を参照しつつ説明する。図6は、COF50を検査するときにおける回路基板検査装置1の作動を示すフローチャートである。まず、入力プローブ3を、基台2に設置されたCOF50の外部入力ランド53に接続し、静電結合プローブ4a〜4dを、対応する出力配線群A1〜A4に属する全ての出力配線57と静電結合されるように絶縁シート6とともに設置する(図5参照)。
そして、ユーザがPC60を操作することによって検査が開始されると、図6に示すように、ステップS101(以下、S101と略す。他のステップも同様)に移行し、制御信号生成回路11が、出力配線群A1に係る多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるとともに、出力配線群A3に係る多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。生成された制御信号は、入力プローブ3を介してCOF50の外部入力ランド53に入力される。そして、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されている場合には、入力端子52aからドライバIC52に制御信号が入力され、制御信号に対応する出力端子52bから応答信号が出力される。さらに、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されている場合には、当該出力端子52bから出力配線57に所定以上の信号強度を有する応答信号が出力される。このとき、出力配線群A1に属する出力配線57からこれに静電結合されている静電結合プローブ4aに応答信号が出力される。また、出力配線群A3に属する出力配線57からこれに静電結合されている静電結合プローブ4cに応答信号が出力される。
そして、S102に移行し、検知装置17aが出力配線群A1に属する出力配線57からの応答信号を検知する。このとき、検知装置17aにおいては、静電結合プローブ4aに出力された応答信号が、フィルタ回路13aによってノイズ除去され、増幅回路14aによって信号強度が増幅され、積分回路15aによって積分されて検知結果を生成する。生成された検知結果は判定回路16に出力される。そして、S103に移行し、判定回路16が、検知装置17aから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
また、S102に移行すると同時にS104に移行し、検知装置17cが出力配線群A3に属する出力配線57からの応答信号を検知する。このとき、検知装置17cにおいては、静電結合プローブ4cに出力された応答信号が、フィルタ回路13cによってノイズ除去され、増幅回路14cによって信号強度が増幅され、積分回路15cによって積分されて検知結果を生成する。生成された検知結果は判定回路16に出力される。そして、S105に移行し、判定回路16が、検知装置17cから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
その後、S106に移行して、出力配線群A1、A3に係る検査すべき次の出力端子52bがあるか否を判断する。検査すべき次の出力端子52bがある場合には(S106:YES)、再びS101に移行し、検査すべき次の出力端子52bに関して上述した作動を繰り返す。検査すべき次の出力端子52bがない場合には(S106:NO)、S107に移行する。
S107においては、制御信号生成回路11が、出力配線群A2に係る多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるとともに、出力配線群A4に係る多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。これにより、上述した作動を経てS108に移行し、検知装置17bが応答信号を検知し、検知結果を生成して判定回路16に出力する。そして、S109に移行し、判定回路16が、検知装置17bから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
また、S108に移行すると同時にS110に移行し、検知装置17dが応答信号を検知し、検知結果を生成して判定回路16に出力する。そして、S111に移行し、判定回路16が、検知装置17dから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
その後、S112に移行して、出力配線群A2、A4に係る検査すべき次の出力端子52bがあるか否を判断する。検査すべき次の出力端子52bがある場合には(S112:YES)、再びS107に移行し、検査すべき次の出力端子52bに関して上述した作動を繰り返す。検査すべき次の出力端子52bがない場合には(S112:NO)、COF50の検査を終了する。
このように、回路基板検査装置1においては、制御信号生成回路11が、互いに隣接する2つの出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから互いに異なるタイミングで応答信号が出力されるような制御信号を生成し、検知装置17a〜17dが各制御信号に対する応答信号を検知し、検知結果を判定回路16に出力することによって、COF50の検査を行っている。
以上、説明した本実施形態によると、検知装置17aと検知装置17cとが、又は、検知装置17bと検知装置17dとが対応する出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号を同時に検知する。これにより、判定回路16が、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを2つ同時に判定することができる。これにより、COF50の検査時間を短縮することができる。
また、制御信号生成回路11が、互いに隣接する2つの出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから互いに異なるタイミングで応答信号が出力されるような制御信号を生成し、検知装置17a〜17dが各制御信号に対する応答信号を検知し、判定回路16がその検知結果に基づいて応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。このため、静電結合プローブ4a〜4dが、当該静電結合プローブ4a〜4dに対応する出力配線群A1〜A4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57と静電結合した場合(例えば、図5における隣接出力配線B1参照)であっても、対応する出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号と隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号とが混在しなくなり、判定回路16が誤判定しなくなる。これにより、出力配線57が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブ4a〜4dを隣接する他の出力配線群A1〜A4と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなり、COF50の検査時間をさらに短縮することができる。
さらに、静電結合プローブ4a〜4dは、出力配線57の延在方向に直交する方向に関して互いに隣接するように千鳥状に配列されるため、静電結合プローブ4a〜4dを効率よく配置することができる。
加えて、検知装置17a〜17dが、応答信号の信号強度を増幅する増幅回路14a〜14d及び応答信号を積分する積分回路15a〜15dを有しているため、静電結合プローブ4a〜4dに入力された応答信号が微弱な場合であっても、応答信号を確実に検知することができる。
<変形例>
次に、本実施形態に係る変形例について図7を参照しつつ説明する。なお、本変形例においては、回路基板検査装置1の作動のみが上述した実施形態と異なるため、以下、回路基板検査装置1の作動についてのみ説明する。図7は、本変形例に係る回路基板検査装置1の作動を示すフローチャートである。回路基板検査装置1によるCOF50の検査が開始されると、図7に示すように、S201に移行し、制御信号生成回路11が、各出力配線群A1〜A4毎に、隣接出力配線B1〜B4以外の出力配線57に対応する多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。生成された制御信号は、入力プローブ3を介してCOF50の外部入力ランド53に入力される。そして、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されている場合には、入力端子52aからドライバIC52に制御信号が入力され、制御信号に対応する出力端子52bから応答信号が出力される。さらに、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されている場合には、当該出力端子52bから出力配線57に所定以上の信号強度を有する応答信号が出力される。そして、出力配線57からこれに静電結合されている静電結合プローブ4a〜4dにそれぞれ同時的に応答信号が出力される。
これにより、検知装置17a〜17dがそれぞれ1本の出力配線57からの応答信号を同時的に検知し、検知結果を生成する。生成された検知結果はそれぞれ判定回路16に出力される。そして、S202に移行し、判定回路16は、検知装置17a〜17dから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
その後、S203に移行して、各出力配線群A1〜A4に属する出力配線57のうち、隣接出力配線B1〜B4以外の出力配線57に対応する検査すべき次の出力端子52bがあるか否を判断する。検査すべき次の出力端子52bがある場合には(S203:YES)、再びS201に移行し、検査すべき次の出力端子52bに関して上述した作動を繰り返す。検査すべき次の出力端子52bがない場合には(S203:NO)、S204に移行する。
S204においては、隣接出力配線B1〜B4となっている出力配線57に対応する1つの出力端子52bから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。これにより、上述した作動を経てS204に移行し、当該出力配線57に対応する検知装置17a〜17dが応答信号を検知し、検知結果を生成して判定回路16に出力する。そして、S205に移行し、判定回路16が、検知装置17a〜17dから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
その後、S206に移行して、隣接出力配線B1〜B4に係る検査すべき次の出力端子52bがあるか否を判断する。検査すべき次の出力端子52bがある場合には(S206:YES)、再びS204に移行し、検査すべき次の出力端子52bに関して上述した作動を繰り返す。検査すべき次の出力端子52bがない場合には(S206:NO)、COF50の検査を終了する。
なお、隣接出力配線B1〜B4からの応答信号を検出していく手順として、例えば、図5中左から右に向かって順次検出されるべき隣接出力配線B1〜B4を選択していってもよい。このとき、静電結合プローブ4a〜4dは、検出される隣接出力配線B1〜B4の属する出力配線群A1〜A4に対応して切り替えられていく。ここで、隣接出力配線B1〜B4の数が、出力配線57の数に占める割合は非常に低い。そのため、本変形例のように、隣接出力配線B1〜B4を他の出力配線57から切り替えて検出しても、これに伴う検出時間の増加はほとんどない。
あるいは、出力配線群A1に属する隣接出力配線B1と出力配線群A3に属する隣接出力配線B3とを平行して検出していき、この検出が完了したところで、出力配線群A2に属する隣接出力配線B2と出力配線群A4に属する隣接出力配線B4とを平行して検出していくようにしてもよい。これにより、隣接出力配線B1〜B4の検出時間が改善される。
このように、制御信号生成回路11が、隣接出力配線B1〜B4と電気的に接合されるべき出力端子52bから応答信号が出力されるような制御信号を生成するとき、当該制御信号は、隣接出力配線B1〜B4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから応答信号が出力されないものとなっている。
以上、説明した本変形例によると、隣接出力配線B1〜B4と隣接する他の出力配線群に対応する静電結合プローブと、当該隣接出力配線B1〜B4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57とが静電結合した場合であっても、判定回路16が隣接する他の出力配線群A1〜A4に関して誤判定することがなくなる。これにより、出力配線57が狭ピッチに配置されていても、静電結合プローブ4a〜4dを、これに対応する出力配線群A1〜A4に隣接する他の出力配線群A1〜A4と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなる。さらに、各出力配線群A1〜A4において、隣接出力配線B1〜B4を除く出力配線57からの応答信号を4つの検知装置17a〜17dが同時に検知することができる。これらにより、COF50の検査時間をさらに短縮することができる。また、出力端子52bから誤判定の元となる応答信号が出力されないため、省電力化を図ることができる。
なお、本変形例においては、制御信号生成回路11が、隣接出力配線B1〜B4と電気的に接合されるべき出力端子52bから応答信号が出力されるような制御信号を生成するとき、当該制御信号は、隣接出力配線B1〜B4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから応答信号が出力されないものとなる構成であるが、当該制御信号が、隣接出力配線B1〜B4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから応答信号が出力される構成であってもよい。この場合、制御信号生成回路11が当該制御信号を生成するとき、判定回路16が、隣接する他の出力配線群A1〜A4に対応する検知装置17a〜17dからの検知結果を判定の基礎としない。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について図8を参照しつつ説明する。図8は、第2実施形態の回路基板検査装置の機能ブロック図である。なお、第1実施形態と実質的に同じ部材及び機能部については同一の符号を付して説明を省略する。図8に示すように、制御装置110は、制御信号生成回路(制御信号生成手段)111と、ドライバIC駆動電源12と、4つのフィルタ回路113a〜113dと、4つの増幅回路14a〜14dと、4つの積分回路15a〜15dと、判定回路16とを有している。そして、静電結合プローブ4a、フィルタ回路113a、増幅回路14a及び積分回路15aが検知装置117aを、静電結合プローブ4b、フィルタ回路113b、増幅回路14b及び積分回路15bが検知装置117bを、静電結合プローブ4c、フィルタ回路113c、増幅回路14c及び積分回路15cが検知装置117cを、静電結合プローブ4d、フィルタ回路113d、増幅回路14d及び積分回路15dが検知装置117dをそれぞれ形成している。
制御信号生成回路111は、入力プローブ3と接続されており、入力プローブ3からCOF50における外部入力ランド53、入力配線54及び回路入力ランド55を介してドライバIC52の複数の入力端子52aに入力される制御信号を生成するものである。この制御信号は、入力端子52aに入力されると、出力配線群A1、A3に係る出力端子52bからは、20KHzの周波数を有する応答信号が出力され、出力配線群A2、A4に係る出力端子52bからは、40KHzの周波数を有する応答信号が出力されるものとなっている。
そして、検知装置117aのフィルタ回路113a、及び、検知装置117cのフィルタ回路113cは、20KHzの周波数帯域を有する信号のみを通過させるバンドパスフィルタである。検知装置117bのフィルタ回路113b、及び、検知装置117dのフィルタ回路113dは、40KHzの周波数帯域を有する信号のみを通過させるバンドパスフィルタである。
次に、回路基板検査装置101の作動について図9を参照しつつ説明する。図9は、図7は、回路基板検査装置101の作動を示すフローチャートである。回路基板検査装置101によるCOF50の検査が開始されると、図9に示すように、S301に移行し、制御信号生成回路111が、各出力配線群A1〜A4毎にそれぞれ多数の出力端子52bのうちの1つから応答信号が出力されるような制御信号を生成する。生成された制御信号は、入力プローブ3を介してCOF50の外部入力ランド53に入力される。そして、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されている場合には、入力端子52aからドライバIC52に制御信号が入力され、制御信号に対応する出力端子52bから応答信号が出力される。このとき、互いに離隔した出力配線群A1、A3に係る出力端子52bからは20KHzの周波数を有する応答信号が出力される。また、これらに隣接する出力配線群A2、A4に係る出力端子52bからは40KHzの周波数を有する応答信号が出力される。そして、応答信号が出力された出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されている場合には、当該出力端子52bから出力配線57に所定以上の信号強度を有する応答信号が出力される。このとき、出力配線57からこれに静電結合されている静電結合プローブ4a〜4dに応答信号が出力される。
このとき、上述したように、出力配線57が狭ピッチで配置されているため、隣接出力配線B1〜B4が、隣接する他の出力配線群A1〜A4に対応する静電結合プローブ4a〜4dと静電結合されることがある。例えば、図4の場合には、隣接出力配線B1が、対応する静電結合プローブ4aだけでなく静電結合プローブ4bとも静電結合されている。この場合、隣接出力配線B1に応答信号が出力されると、隣接出力配線B1から静電結合プローブ4a及び静電結合プローブ4bに応答信号が入力される。このとき、出力配線群A2に係る出力端子52bからも応答信号が出力されるため、出力配線群A2に属する出力配線57からも静電結合プローブ4bに応答信号が入力される。つまり、検知装置117bが、2つの応答信号を検出することになる。この場合であっても、検知装置117bにおいては、フィルタ回路113aによって、隣接出力配線B1から出力された20KHzの周波数を有する応答信号が除去され、対応する出力配線57から出力された40KHzの周波数を有する応答信号のみが取り出される。フィルタ回路113aによって取り出された応答信号は、増幅回路14aによって信号強度が増幅され、積分回路15aによって積分されて検知結果を生成する。
このように、検知装置17a〜17dが対応する出力配線57からの応答信号のみを検知し、検知結果を生成する。生成された検知結果はそれぞれ判定回路16に出力される。そして、S302に移行し、判定回路16は、検知装置117a〜117dから出力された検知結果である応答信号の信号強度が所定以上になっているか否かに基づいて、入力端子52aとこれに対応する回路入力ランド55とが電気的に接合されているか否か、及び、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを判定する。
その後、S303に移行して、各出力配線群A1〜A4に属する出力配線57のうち、検査すべき次の出力端子52bがあるか否を判断する。検査すべき次の出力端子52bがある場合には(S303:YES)、再びS301に移行し、検査すべき次の出力端子52bに関して上述した作動を繰り返す。検査すべき次の出力端子52bがない場合には(S303:NO)、COF50の検査を終了する。
このように、回路基板検査装置101においては、制御信号生成回路11が、互いに隣接する2つの出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから互いに異なる周波数で応答信号が出力されるような制御信号を生成し、検知装置117a〜117dが各制御信号に対する応答信号を検知し、その検知結果を判定回路16に出力することによって、COF50の検査を行っている。
以上、説明した本実施形態によると、検知装置117a〜検知装置117cが、対応する出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号を同時に検知する。そして、判定回路16が、応答信号が出力される出力端子52bとこれに対応する回路出力ランド56とが電気的に接合されているか否かを4つ同時に判定する。これにより、COF50の検査時間を短縮することができる。
また、静電結合プローブ4a〜4dがこれに対応する出力配線群A1〜A4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57と静電結合した場合であっても、対応する出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号と隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57からの応答信号とが混在しなくなり、判定回路16が誤判定しなくなる。これにより、出力配線57が狭ピッチに配置されている場合などにおいて、静電結合プローブ4a〜4dを隣接する他の出力配線群A1〜A4と静電結合しないように精密に配置する必要がなくなり、COF50の検査時間をさらに短縮することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。例えば、上述した第1実施形態によると、制御信号生成回路11が、互いに隣接する2つの出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから互いに異なるタイミングで応答信号が出力されるような制御信号を生成する構成であるが、全ての出力配線群A1〜A4に係る出力端子52bから同じタイミングで応答信号が出力される構成であってもよい。なお、この場合、静電結合プローブ4a〜4bが、対応する出力配線群A1〜A4に隣接する他の出力配線群A1〜A4に属する出力配線57と静電結合されないように配置されることが好ましい。
また、第1及び第2実施形態においては、回路基板検査装置1が4つの検知装置17a〜17b、117a〜117bを有する構成であるが、2つ又は3つの検査装置を有する構成であってもよいし、5つ以上の検査装置を有する構成であってもよい。
さらに、第1及び第2実施形態においては、検知装置17a〜17b、117a〜117bが増幅回路14a〜14d、及び、積分回路15a〜15dを有する構成であるが、これらを有さない構成であってもよいし、いずれか一方のみを有する構成であってもよい。
また、本発明においては、静電結合プローブ4a〜4dは、出力配線57の延在方向に直交する方向に関して互いに隣接するように千鳥状に配置される構成であるが、静電結合プローブ4a〜4dは、対応する出力配線群A1〜A4に属する全ての出力配線57と静電結合されるのであれば、任意の位置に配置されてもよい。なお、静電結合プローブ4a〜4dの配置位置によって、電気的接続状態が検出される配線距離が決まり、COF50上の配線の断線や短絡をも検出するという観点から、静電結合プローブ4a〜4dをできるだけ外部入力ランド53から離れた位置に配置することが好ましい。
また、第2実施形態において、応答信号は20KHzと40KHzとが用いられ、これらは正数倍の関係にあったが、よりフィルタ回路113a〜113dによる周波数分離の精度を高めるという観点からは、特定の倍率関係を持たない方がよい。例えば、15KHzと38KHzとを用いることが好ましい。
本発明に係る第1実施形態の回路基板検査装置の概略構成図である。 図1に示す回路基板検査装置の検査対象となるCOFの平面図である。 図1に示すIII−III線に関する回路基板検査装置の部分断面図である。 図1に示す回路基板検査装置の機能ブロック図である。 図1に示す静電結合プローブの配置位置を示す図である。 図1に示す回路基板検査装置の作動を示すフローチャートである。 図1に示す回路基板検査装置の作動の変形例を示すフローチャートである。 本発明に係る第1実施形態の回路基板検査装置の機能ブロック図である。 図8に示す回路基板検査装置の作動を示すフローチャートである。
符号の説明
1、101 回路基板検査装置
3 入力プローブ
4a〜4d 静電結合プローブ
5 同軸ケーブル
6 絶縁シート
10、110 制御装置
11、111 制御信号生成回路
12 駆動電源
13a〜13d、113a〜113d フィルタ回路
14a〜14d 増幅回路
15a〜15d 積分回路
16 判定回路
17a〜17d、117a〜117d 検知装置
50 COF
51 シート基材
52 ドライバIC
52a 入力端子
52b 出力端子
53 外部入力ランド
54 入力配線
55 回路入力ランド
56 回路出力ランド
57 出力配線
58 外部出力ランド
A1〜A4 出力配線群
B1〜B4 隣接出力配線

Claims (8)

  1. 制御信号が入力される入力端子及び前記入力端子に入力された制御信号に基づいて応答信号を出力する複数の出力端子を有する集積回路が実装されていると共に、前記複数の出力端子と電気的にそれぞれ接合されるべき複数の出力配線が形成された回路基板を検査するための回路基板検査装置であって、
    前記入力端子と電気的に接続される入力プローブと、
    前記入力プローブから前記入力端子に入力される制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    前記複数の出力配線に出力された前記応答信号を検知する複数の検知装置と、
    前記検知装置の検知結果に基づいて前記出力端子と前記出力配線とが電気的に接合されているか否かを判定する判定手段とを備えており、
    前記検知装置が、前記複数の出力配線と静電結合することによって、当該出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から出力された前記応答信号が当該出力配線を介して入力される静電結合プローブを有しており、
    前記制御信号生成手段が、互いに隣り合う2以上の前記出力配線から成る複数の出力配線群にそれぞれ属する複数の前記出力端子から互いに異なるタイミングで前記応答信号が出力されるような制御信号を生成することを特徴とする回路基板検査装置。
  2. 前記制御信号生成手段が、互いに隣接する2つの前記出力配線群に係る前記出力端子から互いに異なるタイミングで応答信号が出力されるような制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置。
  3. 前記制御信号生成手段が、前記出力配線群に属する前記出力配線のうち、隣接する他の前記出力配線群の近傍に位置する前記出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から応答信号が出力されるような制御信号を生成したとき、前記判定手段が、前記他の出力配線群に対応する検知装置からの検知結果を判定の基礎としないことを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置。
  4. 前記制御信号生成手段が、前記出力配線群に属する前記出力配線のうち、隣接する他の前記出力配線群近傍に位置する前記出力配線と電気的に接合されるべき前記出力端子から応答信号が出力されるような制御信号を生成するとき、当該制御信号は、前記他の前記出力配線群に係る前記出力端子から応答信号が出力されないものであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置。
  5. 前記制御信号生成手段が、互いに隣接する2つの前記出力配線群に係る前記出力端子から互いに異なる周波数を有する応答信号が出力されるような制御信号を生成し、
    前記検知装置が、対応する前記出力配線群に係る前記出力端子から出力される応答信号が有する周波数帯域の信号のみを通過させるフィルタ回路をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の回路基板検査装置。
  6. 複数の前記静電結合プローブが、前記出力配線の延在方向に直交する方向に千鳥状に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回路基板検査装置。
  7. 前記検知装置が、前記静電結合プローブに入力された応答信号の信号強度を増幅する増幅回路をさらに有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回路基板検査装置。
  8. 前記検知装置が、前記静電結合プローブに入力された応答信号の積分値を出力する積分回路をさらに有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回路基板検査装置。
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