JP2007187275A - 摩擦伝動装置 - Google Patents

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    • F16H13/10Means for influencing the pressure between the members
    • F16H13/14Means for influencing the pressure between the members for automatically varying the pressure mechanically

Abstract

【課題】 簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラと従動ローラとの間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる摩擦伝動装置を提供すること。
【解決手段】 装置ケース1に回転自在に支持された駆動ローラ2および従動ローラ3とを互いに押圧接触させるカム押圧機構C(押圧機構)を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラ2または3から他方のローラ3または2にトルクを伝達させる摩擦伝動装置において、前記駆動ローラ2と前記従動ローラ3のうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸Lに垂直な並進方向に変位する駆動ローラ2に、並進方向の変位に対して作用するピストン減衰機構A1(減衰機構)を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動ローラと従動ローラとの接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラから他方のローラにトルクを伝達させる摩擦伝動装置の技術分野に属する。
回転伝動装置には、トルク変動による振動を防止するためダンパーが設けられる。
回転伝動装置の一例である自動車用手動変速機においては、トルク変動吸収装置として、複数のコイルバネと、摩擦要素などからなるダンパーが設けられている。
従来のダンパーにおいて、トルクは回転方向に作用するため、コイルバネは円周方向に作用するよう取り付けられている。また、摩擦係合によってトルクを伝達する部位があり、振動工学におけるクーロン摩擦減衰項を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−133859号公報
しかしながら、従来の回転伝動装置のダンパーにあっては、直線方向に作用するコイルバネを円周方向に作用させるには困難を伴い、複雑な機構になっているため、コストが高い。また、メインのトルク伝達要素に、このような減衰機構を加えると軸長が増加する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラと従動ローラとの間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる摩擦伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、装置ケースに回転自在に支持された駆動ローラおよび従動ローラとを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラから他方のローラにトルクを伝達させる摩擦伝動装置において、
前記駆動ローラと前記従動ローラのうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸に垂直な並進方向に変位するローラに、並進方向の変位に対して作用する減衰機構を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の摩擦伝動装置にあっては、駆動ローラと従動ローラとの間でのトルク伝達時、押圧機構を備えたローラは、伝達トルクに応じた摩擦力をローラ間の接触部に生じさせるためにローラ回転軸に垂直な並進方向に変位する。そして、このローラの並進方向の変位に対して減衰機構が作用する。
例えば、従来技術における回転伝動装置のダンパーのように、ばね要素と減衰要素とを回転方向に作用するように取り付けるようにした場合、1つのローラを二分割し、分割したローラの周方向位置にばね要素と減衰要素とを介装することになる。このため、複雑な構造となると共に、ローラ幅よりも軸方向長さが増加してしまう。
これに対し、本発明の減衰機構は、ローラの並進方向の変位に対して作用する機構であるため、ローラ構成部材の構成を変更することなく、静止部材とローラ構成部材との間に設定できる。このため、従来のダンパーに比べて簡単な構造になるし、かつ、ローラ構成部材の幅内に収めることにより、軸長を増加させることもない。
さらに、接触部に摩擦力を生じさせるローラの運動は、回転運動と並進運動とが連動している。このため、回転運動そのもののトルク変動を減衰しなくても、回転運動に連動している並進運動のトルク変動を減衰することで、駆動ローラと従動ローラとの間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
この結果、簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラと従動ローラとの間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
以下、本発明の摩擦伝動装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例7に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の摩擦伝動装置を示す全体図である。
実施例1の摩擦伝動装置は、装置ケース1に回転自在に支持された駆動ローラ2および従動ローラ3とを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラ2または3から他方のローラ3または2にトルクを伝達させる。
前記駆動ローラ2と前記従動ローラ3のうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸Lに垂直な並進方向に変位するローラ2に、並進方向の変位に対して作用する減衰機構を設けている。
前記押圧機構は、駆動ローラ2と従動ローラ3の接触点における接線に対し角度αを持ったカム斜面4,5を有し、該カム斜面4,5を駆動ローラ2の回転支持部Sに当接することでローラ同士を押圧接触させるカム押圧機構Cである。
前記カム押圧機構Cは、図1に示すように、装置ケース1に固定され、駆動ローラ側開口部6と従動ローラ側開口部7とを形成したカムメンバ8による構成である。
前記駆動ローラ側開口部6は、カム斜面4,5(曲線も含む)を形成すると共に回転支持部Sの並進変位を許容する余裕空間を持たせている。そして、駆動ローラ2を、駆動ローラ支持軸受け9及びカムメンバ8を介し、装置ケース1に対しカム斜面4,5に沿って並進変位可能で、かつ、回転可能に支持している。
前記従動ローラ側開口部7は、従動ローラ3のローラ軸3aの外周位置に配置された従動ローラ支持軸受け9の外輪形状に一致する円形の開口形状としている。そして、従動ローラ3を、従動ローラ支持軸受け10及びカムメンバ8を介し、装置ケース1に対し位置固定状態で回転可能に支持している。
前記回転支持部Sは、駆動ローラ2のローラ軸2aの外周位置に配置された駆動ローラ支持軸受け9により構成され、ローラ軸2aに接するニードル9aと、カム斜面4,5に接するカムフォロワ9bとを有する。
前記減衰機構は、前記カム押圧機構Cのカム斜面4,5で支持された駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記カム斜面4,5に沿う方向(カム斜面4,5に近い方向も含む。)に対して作用する機構としている。
前記減衰機構は、機構本体であるピストンシリンダ11内にバネ12により付勢されるピストン13を配置すると共に油14を封入し、前記ピストン13とシリンダ内壁との間に隙間15を設定し、前記ピストン13からバネ設定側とは反対側に延びるピストンロッド16を減衰力付与部材とするピストン減衰機構A1としている。
前記ピストン減衰機構A1は、前記装置ケース1にピストンシリンダ11(機構本体)を設定し、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2のローラ外周面にピストンロッド16(減衰力付与部材)を当接している。
次に、作用を説明する。
[背景技術]
回転伝動装置には、トルク変動による振動を防止するためダンパーが設けられる。
回転伝動装置の一例である自動車用手動変速機におけるクラッチのダンパーは、トルクが回転方向に作用するため、コイルバネを円周方向に作用するよう取り付けられている。
また、摩擦係合によってトルクを伝達する部位があり、振動工学におけるクーロン摩擦減衰項を実現している。
しかし、従来の回転伝動装置のダンパーにあっては、直線方向に作用するコイルバネを円周方向に作用させるには困難を伴い、複雑な機構になっているため、コストが高い。
また、メインのトルク伝達要素に、このような減衰機構を加えると軸長が増加する。
また、駆動ローラと従動ローラを押圧接触させ、その接触部に生じる摩擦力によりトルクを伝達する摩擦伝動装置は、ローラ径比を異ならせたローラ対を複数配置し、押圧接触するローラ対を切り替える変速機等として適用される。
この変速機は、変速時の回転差を滑りにより吸収することで同期機構を要さず、例えば、ギア対と同期機構を用いた平行二軸式のギア変速機に比べ、大幅にコンパクト化を達成することができる。
しかし、摩擦伝動装置を変速機として適用した場合、変速時等において伝達される回転トルクの変動分を吸収する減衰機構を付加したいという要求があった。
[トルク変動減衰作用]
これに対し、実施例1の摩擦伝動装置では、駆動ローラ2と従動ローラ3のうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸に垂直な並進方向に変位するローラに、並進方向の変位に対して作用するピストン減衰機構A1を設けることで、簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができるようにした。
例えば、従来技術における回転伝動装置のダンパーのように、ばね要素と減衰要素とを回転方向に作用するように取り付けるようにした場合、1つのローラを二分割し、分割したローラの周方向位置にばね要素と減衰要素とを介装することになる。このため、複雑な構造となると共に、ローラ幅よりも軸方向長さが増加してしまう。
これに対し、実施例1のピストン減衰機構A1は、駆動ローラ2の並進方向の変位に対して作用する機構であるため、ローラ構成部材の構成を変更することなく、静止部材とローラ構成部材との間に設定できる。このため、従来のダンパーに比べて簡単な構造になるし、かつ、ローラ構成部材の幅内に収めることにより、軸長を増加させることもない。
さらに、接触部に摩擦力を生じさせる駆動ローラ2の運動は、回転運動と並進運動とが連動している。このため、回転運動そのもののトルク変動を減衰しなくても、回転運動に連動している並進運動のトルク変動を減衰することで、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
この結果、簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
以下、実施例1の摩擦伝動装置によるトルク変動減衰作用を詳しく説明する。
実施例1の摩擦伝動装置においては、伝達トルクに比例した押付け力を駆動ローラ2と従動ローラ3とのローラ同士に与えるため、伝達トルクが大きくなると押付け力も大きくなる。したがって、ローラ接触点の弾性変形も大きくなり、これを吸収するためカム側の駆動ローラ2は、例えば、カム斜面4上を、図2に示すように移動する。
この伝達トルクによって駆動ローラ2を並進方向に動かそうとする力と、駆動ローラ2のカム斜面4に沿った並進方向変位量の関係を計算したものを、図3に示す。
図3の特性から明らかなように、駆動ローラ2を並進方向に動かそうとする力と並進方向変位量とはほぼ比例の関係にある。また、ローラ接触面の摩擦係数は、通常0.1以下であり、カム斜面4の角度αは6°以下と小さいので、その移動は正トルク(=カム斜面4に沿って並進方向に変位するトルク)と負トルク(=カム斜面5に沿って並進方向に変位するトルク)で一直線上にあると近似できる。
したがって、カム押圧機構C側の駆動ローラ2は並進方向に自由度を持ち、バネで支持されていると考えることができる。すなわち、実施例1の摩擦伝動装置は、カム側の駆動ローラ2の並進と回転、固定側の従動ローラ3の回転、との3自由度モデルとなり、模式化すると図4のようになる。これを運動方程式で表すと以下のようになる。
Figure 2007187275
ここで、Ftは接触部に生じる摩擦力である。(1),(2)式に(3)式を代入すればわかるように、両ローラ2,3の回転方向の運動は、摩擦力Ftを介してカム側の駆動ローラ2の並進運動と関連付けられる。すなわち、回転加速度(θiとθoの二階微分値)が変動する時は、並進方向の変位xと加速度(xの二階微分値)も変動する。逆にいえば、並進方向の変位xと加速度(xの二階微分値)の変動がなければ回転加速度(θiとθoの二階微分値)も変動しない。したがって、並進運動に減衰項を設けて振動を抑制すれば、回転方向の振動も抑制され、従来例のダンパーと同様の機能が得られる。
本実施例1においては粘性減衰項を採用しており、粘性減衰係数をcとすれば(3)式は以下のようになる。ここで減衰機構内部のバネは無視する。
Figure 2007187275
減衰がないときのカム側ローラと固定側ローラの回転速度と並進変位量の数値計算結果を図5に示す。そして、減衰を入れたときの結果を図6に示す。適切な減衰を入れることで振動がなくなることがわかる。
図7に示すように、カム斜面4と大きな角度φで交差する方向にピストン減衰機構A1を設置することもできるが、角度φに対してピストン減衰機構A1に求められる減衰力fは、
Figure 2007187275
となり、角度φが90°に近いとピストン減衰機構A1に働く力はきわめて大きくなり、強度の面で不利である。本実施例1のように、角度φを0°に近づけると、上記(5)式において、cosφが1に近づく値となり、減衰力fを小さくできる。
実施例1では、カム斜面4,5で支持された駆動ローラ2の外周面に、ピストン減衰機構A1を押し当てる。ピストン減衰機構A1は油の封入されたピストン13であり、ピストン13とピストンシリンダ11の隙間15を油14が流れることで、粘性減衰項を実現する。ピストンシリンダ11は装置ケース1に固定されている。ピストン端部とシリンダ底部にはバネ12が挟持され、ピストン13を常に押し出そうとする。
上記のように、実施例1の摩擦伝動装置において、前記押圧機構は、駆動ローラ2と従動ローラ3の接触点における接線に対し角度αを持ったカム斜面4,5を有し、該カム斜面4,5を駆動ローラ2の回転支持部Sに当接することでローラ同士を押圧接触させるカム押圧機構Cであり、前記ピストン減衰機構A1は、前記カム押圧機構Cのカム斜面4,5で支持された駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記カム斜面4,5に沿う方向に対して作用する機構とした。
例えば、カム斜面4と大きな角度φで交差する方向にピストン減衰機構A1を設置すると、上記のように、ピストン減衰機構A1に働く力がきわめて大きくなり、強度の面で不利である。
これに対し、実施例1では、ローラ同士を押圧接触させる押圧機構としてカム押圧機構Cを採用し、ピストン減衰機構A1は、カム斜面4,5に沿う方向に対して作用する機構としたことで、カム押圧機構Cという簡単な構成にてローラ同士に押圧接触力を付与することができると共に、ピストン減衰機構A1に必要な力を小さくすることができ、強度の面で有利となる。
実施例1の摩擦伝動装置において、前記ピストン減衰機構A1は、機構本体であるピストンシリンダ11内にバネ12により付勢されるピストン13を配置すると共に油14を封入し、前記ピストン13とシリンダ内壁との間に隙間15を設定し、前記ピストン13からバネ設定側とは反対側に延びるピストンロッド16を減衰力付与部材とした。
このため、ピストンロッド16が変位すると、ピストン13とピストンシリンダ11の隙間15を油14が流れることで、粘性減衰項を実現することができる。
実施例1の摩擦伝動装置において、前記ピストン減衰機構A1は、前記装置ケース1にピストンシリンダ11を設定し、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2のローラ外周面にピストンロッド16を当接した。
このため、設計変更を最小とし、装置ケース1にピストン減衰機構A1を付加するだけの簡単な構成にて、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の摩擦伝動装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 装置ケース1に回転自在に支持された駆動ローラ2および従動ローラ3とを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラ2または3から他方のローラ3または2にトルクを伝達させる摩擦伝動装置において、前記駆動ローラ2と前記従動ローラ3のうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸Lに垂直な並進方向に変位するローラ2に、並進方向の変位に対して作用する減衰機構を設けたため、簡単な構造で、かつ、軸長を増加させることなく、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
(2) 前記押圧機構は、駆動ローラ2と従動ローラ3の接触点における接線に対し角度αを持ったカム斜面4,5を有し、該カム斜面4,5を駆動ローラ2の回転支持部Sに当接することでローラ同士を押圧接触させるカム押圧機構Cであり、前記減衰機構は、前記カム押圧機構Cのカム斜面4,5で支持された駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記カム斜面4,5に沿う方向に対して作用する機構としたため、カム押圧機構Cという簡単な構成にてローラ同士に押圧接触力を付与することができると共に、減衰機構に必要な力を小さくすることができ、強度の面で有利となる。
(3) 前記減衰機構は、機構本体であるピストンシリンダ11内にバネ12により付勢されるピストン13を配置すると共に油14を封入し、前記ピストン13とシリンダ内壁との間に隙間15を設定し、前記ピストン13からバネ設定側とは反対側に延びるピストンロッド16を減衰力付与部材とするピストン減衰機構A1としたため、ピストンロッド16が変位すると、ピストン13とピストンシリンダ11の隙間15を油14が流れることで、粘性減衰項を実現することができる。
(4) 前記ピストン減衰機構A1は、前記装置ケース1にピストンシリンダ11を設定し、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2のローラ外周面にピストンロッド16を当接したため、設計変更を最小とし、装置ケース1にピストン減衰機構A1を付加するだけの簡単な構成にて、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
実施例2は、ピストン減衰機構の本体をカムメンバに設定し、駆動ローラの回転支持部に減衰力付与部材を当接した例である。
まず、構成を説明する。
図8は実施例2の摩擦伝動装置を示す全体図である。
実施例1の摩擦伝動装置は、装置ケース1に回転自在に支持された駆動ローラ2および従動ローラ3とを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラ2または3から他方のローラ3または2にトルクを伝達させる。
前記押圧機構は、駆動ローラ2と従動ローラ3の接触点における接線に対し角度αを持ったカム斜面4,5を有し、該カム斜面4,5を駆動ローラ2の回転支持部Sに当接することでローラ同士を押圧接触させるカム押圧機構Cである。
前記駆動ローラ2と前記従動ローラ3のうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸Lに垂直な並進方向に変位するローラ2に、並進方向の変位に対して作用する減衰機構を設けている。
前記減衰機構は、前記カム押圧機構Cのカム斜面4,5で支持された駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記カム斜面4,5に沿う方向(カム斜面4,5に近い方向も含む。)に対して作用する機構としている。
前記減衰機構は、機構本体であるピストンシリンダ11内にバネ12により付勢されるピストン13を配置すると共に油14を封入し、前記ピストン13とシリンダ内壁との間に隙間15を設定し、前記ピストン13からバネ設定側とは反対側に延びるピストンロッド16を減衰力付与部材とするピストン減衰機構A1としている。
前記ピストン減衰機構A1は、図8に示すように、前記カム押圧機構Cのカムメンバ8にピストンシリンダ11(機構本体)を設定し、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2の回転支持部Sのうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワ9bにピストンロッド16(減衰力付与部材)を当接している。なお、他の構成は実施例1と同様である。
作用を説明すると、ピストン減衰機構A1の接触部には減衰力が働くが、実施例1のように押し当てる相手(駆動ローラ2の外周面)が回転していると摩擦仕事を発生し、トルク損失となる。これに対し、実施例2ではカム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワ9bにピストンロッド16を押し当てるため摩擦損失がほとんど生じない。
また、実施例2の摩擦伝動装置を模式化すると、図9に示すようになり、カム側の駆動ローラ2の並進と回転、固定側の従動ローラ3の回転、との3自由度モデルとなる。よって、他の作用は、実施例1の場合と同様である。
次に、効果を説明する。
実施例2の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記ピストン減衰機構A1は、前記カム押圧機構Cのカムメンバ8にピストンシリンダ11を設定し、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2の回転支持部Sのうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワ9bにピストンロッド16を当接したため、減衰作用時の摩擦損失を低減しながら、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
実施例3は、実施例2の摩擦伝動装置において、負トルク側のカム斜面に沿う方向に対して作用する減衰機構を追加した例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例3の摩擦伝動装置を示す全体図である。
実施例3の摩擦伝動装置では、図10に示すように、前記ピストン減衰機構A1として、前記カム斜面4,5のうち、正トルク側のカム斜面4に沿う方向に対して作用する第1ピストン減衰機構A1-1と、前記カム斜面4,5のうち、負トルク側のカム斜面5に沿う方向に対して作用する第2ピストン減衰機構A1-2と、を設定している。なお、他の構成は実施例2と同様である。
次に、作用を説明すると、実施例2ではピストン減衰機構A1をカムフォロワ9bに押し当てているだけなので、カムフォロワ9bがピストン減衰機構A1に近付くときは減衰力を発生するが、遠ざかるときは減衰力を生じない。両方向に減衰力を生じさせるには、カムフォロワ9bとピストン減衰機構A1を結合する必要があるが、カムフォロワ9bはカム斜面上を転動して回転するため、複雑なリンク機構を設ける必要がある。
これに対し、実施例3では、第1ピストン減衰機構A1-1と第2ピストン減衰機構A1-2を、回転支持部Cのカムフォロワ9bに対し、単に押し当てるだけで正負の両トルク方向に減衰力を働かせることができる。なお、他の作用は、実施例1,2と同様である。
次に、効果を説明する。
実施例3の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3)及び実施例2の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記ピストン減衰機構A1として、前記カム斜面4,5のうち、正トルク側のカム斜面4に沿う方向に対して作用する第1ピストン減衰機構A1-1と、前記カム斜面4,5のうち、負トルク側のカム斜面5に沿う方向に対して作用する第2ピストン減衰機構A1-2と、を設定したため、2つのピストン減衰機構A1-1,A1-2をカムフォロワ9bに対し単に押し当てるだけで、正負の両トルク方向に減衰力を働かせることができる。
実施例4は、実施例3の摩擦伝動装置において、減衰力付与部材の当接部分に摩擦低減要素を設けた例である。
まず、構成を説明する。
図11は実施例4の摩擦伝動装置を示す全体図である。
実施例4の摩擦伝動装置において、図11に示すように、前記ピストン減衰機構A1-1,A1-2は、ピストンロッド16(減衰力付与部材)のカムフォロワ9bへの当接部分にすべり軸受17(摩擦低減要素)を設けている。なお、他の構成は実施例3と同様である。
次に、作用を説明すると、カムフォロワ9bはカム斜面上を転動して回転するため、当接部において若干のすべりを生じ、摩耗を生じるおそれがある。
これに対し、本実施例4では、カムフォロワ9bへの当接部分にすべり軸受17を設けたので、摩耗を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(3)、実施例2の(5)及び実施例3の(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記ピストン減衰機構A1-1,A1-2は、ピストンロッド16のカムフォロワ9bへの当接部分にすべり軸受17を設けたため、ピストン減衰機構A1-1,A1-2の減衰力付与部材であるピストンロッド16の摩耗を防止しながら、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
なお、ピストン減衰機構A1の当接部分にすべり軸受17を設ける構成は、実施例1に適用することもできる。この場合、実施例1の(4)の効果を得ることができる。
実施例5は、実施例1〜4で採用したピストン減衰機構に代え、摩擦力を発生させて減衰する摩擦減衰機構とした例である。
まず、構成を説明する。
図12は実施例5の摩擦伝動装置を示す全体正面図、図13は実施例5の摩擦伝動装置を示す図12のA−A線断面図である。
実施例5の摩擦伝動装置において、図12及び図13に示すように、前記摩擦減衰機構A2は、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2の回転支持部Sのうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワ9bの両側面を、カムメンバ8に取り付けた一対の押さえ板18,18により挟持する機構としている。なお、他の構成は、実施例1と同様である。
次に、作用を説明すると、駆動ローラ2のカムフォロワ9bがカム斜面上を転動しながら並進変位するとき、カムフォロワ9bの両側面と押さえ板18,18の間には摩擦力が発生するので、これが減衰力となる。この減衰力は、振動工学におけるクーロン摩擦による減衰項である。なお、他の作用は、実施例1と同様である。
次に、効果を説明する。
実施例5の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記摩擦減衰機構A2は、前記カム斜面4,5により支持された駆動ローラ2の回転支持部Sのうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワ9bの両側面を、カムメンバ8に取り付けた一対の押さえ板18,18により挟持する機構としたため、カムフォロワ9bがカム斜面上を転動しながら並進変位するときに発生するカムフォロワ9bの両側面と押さえ板18,18との間の摩擦力により、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
実施例6は、実施例1〜5で採用したカム押圧機構Cに代え、外部力によりローラ同士の押圧接触させる外部押圧機構を採用した例である。
まず、構成を説明する。
図14は実施例6の摩擦伝動装置を示す全体正面図である。
実施例6の摩擦伝動装置において、前記押圧機構は、外部トルクによって駆動ローラ2及び従動ローラ3のローラ同士を押圧接触させる外部押圧機構Pとしている。
前記外部押圧機構Pは、図14に示すように、駆動ローラ2と従動ローラ3との接触部に油圧力を付与する油圧シリンダ19としている。ここで、外部押圧機構Pとしては、電磁力など他のパワーソースを使ってものを用いてもよい。
前記減衰機構は、前記外部押圧機構Pにより外部トルクが付与される駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記ローラ同士の押圧接触方向に沿う方向に対して作用するピストン減衰機構A1-1,A1-2(実施例3参照。)としている。ここで、減衰機構としては、実施例5の摩擦力による摩擦減衰機構A2などを用いてもよい。なお、他の構成は、実施例1と同様である。
次に、作用を説明すると、実施例1〜5で採用したカム押圧機構Cによらず、外部押圧機構Pからの押圧力により、カム押圧機構Cの場合と同様、回転支持部Sがローラ回転軸Lに垂直な方向に並進し、このローラ同士の押圧接触方向に沿う方向への回転支持部Sの並進変位に対し、ピストン減衰機構A1-1,A1-2が作用する。なお、他の作用は実施例1と同様である。
次に、効果を説明する。
実施例6の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記押圧機構は、外部トルクによって駆動ローラ2及び従動ローラ3のローラ同士を押圧接触させる外部押圧機構Pとし、前記減衰機構は、前記外部押圧機構Pにより外部トルクが付与される駆動ローラ2に、ローラ回転軸Lに垂直な並進方向であって、前記ローラ同士の押圧接触方向に沿う方向に対して作用するピストン減衰機構A1-1,A1-2としたため、外部押圧機構Pからの押圧力による回転支持部Sの並進変位に伴う減衰作用により、駆動ローラ2と従動ローラ3との間における回転方向のトルク変動を有効に減衰させることができる。
実施例7は、減衰機構をアクチュエータと制御回路からなるサーボ機構により構成した例である。
まず、構成を説明する。
図15は実施例7の摩擦伝動装置を示す全体正面図である。
実施例7の摩擦伝動装置において、図7に示すように、前記減衰機構を、サーボバルブ20からの油路が第1シリンダ室21aと第2シリンダ室22aとに連結された第1油圧シリンダ21と第2油圧シリンダ22によるサーボ減衰機構A3-1,A3-2としている。ここで、サーボバルブ20から第1シリンダ室21aと第2シリンダ室22aとに連結される油路にオリフィスを入れてもよい。
そして、前記外部押圧機構Pにより外部トルクが付与される駆動ローラ2の並進変位量を検出する並進変位量検出手段23と、前記並進変位量検出手段23からの並進変位量情報をフィードバックし、前記サーボバルブ20の比例ソレノイド24(バルブアクチュエータ)を制御する減衰力コントローラ25(減衰力制御手段)と、を設けている。なお、他の構成は、実施例1と同様である。
次に、作用を説明すると、減衰力コントローラ25において、並進変位量検出手段23からの並進変位量情報をフィードバックし、サーボバルブ20の比例ソレノイド24が並進変位量に応じて駆動制御される。すなわち、減衰力を決める油圧力を回転支持部Sの並進変位量情報に基づき制御する、つまり、積極的な減衰力制御を行うことで制振性能を、実施例1〜実施例6に比べ、さらに向上することができる。
次に、効果を説明する。
実施例7の摩擦伝動装置にあっては、実施例1の(1)の効果及び実施例6の(9)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記減衰機構を、サーボバルブ20からの油路が第1シリンダ室21aと第2シリンダ室22aとに連結された第1油圧シリンダ21と第2油圧シリンダ22によるサーボ減衰機構A3-1,A3-2とし、前記外部押圧機構Pにより外部トルクが付与される駆動ローラ2の並進変位量を検出する並進変位量検出手段23と、前記並進変位量検出手段23からの並進変位量情報をフィードバックし、前記サーボバルブ20の比例ソレノイド24を制御する減衰力コントローラ25と、を設けたため、サーボ減衰機構A3-1,A3-2がサーボ機能を持ち、変動トルクの吸収減衰性能をさらに向上させることができる。
以上、本発明の摩擦伝動装置を実施例1〜実施例7に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜5では、押圧機構としてカム押圧機構の例を示し、実施例6,7では、押圧機構として外部押圧機構の例を示したが、要するに、駆動ローラと従動ローラとを互いに押圧接触させる機構であれば、具体的な構成は、これらの実施例で示した機構に限られない。例えば、カム押圧機構では、カム斜面のカムリード(カム角度)を一定値とする例を示したが、駆動ローラと従動ローラの中心を通る直線から離れた位置であるほどカム斜面のカムリードを段階的あるいは無段階に大きく設定するような例としても良い。
実施例1〜4,6では、減衰機構としてピストン減衰機構の例を示し、実施例5では、摩擦減衰機構の例を示し、実施例7ではサーボ減衰機構の例を示したが、ローラの並進変位に対して減衰力を発生する機構であれば、具体的な構成は、これらの実施例で示した機構に限られない。
実施例1〜7では、並進変位するローラが何れも駆動ローラである例を示したが、並進変位するローラが従動ローラの場合、従動ローラに並進向変位に対して作用する減衰機構を設けるようにしても良い。
本発明の摩擦伝動装置は、車両用変速機への適用に限らず、動力伝達機能や変速機能等が要求される産業機器等に対し広汎な用途として適用することができる。
実施例1における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例1の摩擦伝動装置において伝達トルクの増加による駆動ローラの変位状況を示す並進変位の説明図である。 駆動ローラの並進方向変位量に対する駆動ローラを並進方向に動かそうとする力の関係特性図である。 実施例1の摩擦伝動装置における運動モデルの模式図である。 減衰がないときの並進変位量特性とカム側ローラと固定側ローラの回転速度特性を示す図である。 減衰があるときの並進変位量特性とカム側ローラと固定側ローラの回転速度特性を示す図である。 減衰機構の取り付け角度の説明図である。 実施例2における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例2の摩擦伝動装置における運動モデルの模式図である。 実施例3における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例4における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例5における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例5における摩擦伝動装置を示す図12のA−A線断面図である。 実施例6における摩擦伝動装置を示す全体図である。 実施例7における摩擦伝動装置を示す全体図である。
符号の説明
1 装置ケース
2 駆動ローラ
2a ローラ軸
3 従動ローラ
3a ローラ軸
L ローラ回転軸
α 角度
4,5 カム斜面
S 回転支持部
C カム押圧機構(押圧機構)
6 駆動ローラ側開口部
7 従動ローラ側開口部
8 カムメンバ
9 駆動ローラ支持軸受け
9a ニードル
9b カムフォロワ
9bとを有する。
10 従動ローラ支持軸受け
A1 ピストン減衰機構(減衰機構)
11 ピストンシリンダ(機構本体)
12 バネ
13 ピストン
14 油
15 隙間
16 ピストンロッド(減衰力付与部材)
17 すべり軸受(摩擦低減要素)
A2 摩擦減衰機構(減衰機構)
18 押さえ板
P 外部押圧機構(押圧機構)
19 油圧シリンダ
A3 サーボ減衰機構(減衰機構)
20 サーボバルブ
21 第1油圧シリンダ
21a 第1シリンダ室
22 第2油圧シリンダ
22a 第2シリンダ室
23 並進変位量検出手段
24 比例ソレノイド(バルブアクチュエータ)
25 減衰力コントローラ(減衰力制御手段)

Claims (11)

  1. 装置ケースに回転自在に支持された駆動ローラおよび従動ローラとを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラから他方のローラにトルクを伝達させる摩擦伝動装置において、
    前記駆動ローラと前記従動ローラのうち、接触部に摩擦力を生じさせるためにローラ回転軸に垂直な並進方向に変位するローラに、並進方向の変位に対して作用する減衰機構を設けたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦伝動装置において、
    前記押圧機構は、駆動ローラと従動ローラの接触点における接線に対し角度を持ったカム斜面を有し、該カム斜面を駆動ローラおよび従動ローラのうち一方の回転支持部に当接することでローラ同士を押圧接触させるカム押圧機構であり、
    前記減衰機構は、前記カム押圧機構のカム斜面で支持されたローラに、ローラ回転軸に垂直な並進方向であって、前記カム斜面に沿う方向に対して作用する機構としたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  3. 請求項1または2に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構は、機構本体であるピストンシリンダ内にバネにより付勢されるピストンを配置すると共に油を封入し、前記ピストンとシリンダ内壁との間に隙間を設定し、前記ピストンからバネ設定側とは反対側に延びるピストンロッドを減衰力付与部材とするピストン減衰機構としたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構は、前記装置ケースに機構本体を設定し、前記カム斜面により支持されたローラのローラ外周面に減衰力付与部材を当接したことを特徴とする摩擦伝動装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構は、前記カム押圧機構のカムメンバに機構本体を設定し、前記カム斜面により支持されたローラの回転支持部のうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワに減衰力付与部材を当接したことを特徴とする摩擦伝動装置。
  6. 請求項5に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構として、前記カム斜面のうち、正トルク側のカム斜面に沿う方向に対して作用する第1減衰機構と、前記カム斜面のうち、負トルク側のカム斜面に沿う方向に対して作用する第2減衰機構と、を設定したことを特徴とする摩擦伝動装置。
  7. 請求項3乃至6の何れか1項に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構は、減衰力付与部材の当接部分に摩擦低減要素を設けたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  8. 請求項1または2に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構は、前記カム斜面により支持されたローラの回転支持部のうち、カム斜面上を転動しながら並進変位するカムフォロワの両側面を、カムメンバに取り付けた一対の押さえ板により挟持する摩擦力減衰機構としたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  9. 請求項1に記載の摩擦伝動装置において、
    前記押圧機構は、外部トルクによって駆動ローラ及び従動ローラのローラ同士を押圧接触させる外部押圧機構であり、
    前記減衰機構は、前記外部押圧機構により外部トルクが付与されるローラに、ローラ回転軸に垂直な並進方向であって、前記ローラ同士の押圧接触方向に沿う方向に対して作用する機構としたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  10. 請求項9に記載の摩擦伝動装置において、
    前記減衰機構を、サーボバルブからの油路が第1シリンダ室と第2シリンダ室とに連結された第1油圧シリンダと第2油圧シリンダとするサーボ減衰機構とし、
    前記外部押圧機構により外部トルクが付与されるローラの並進変位量を検出する並進変位量検出手段と、
    前記並進変位量検出手段からの並進変位量情報をフィードバックし、前記サーボバルブのバルブアクチュエータを制御する減衰力制御手段と、
    を設けたことを特徴とする摩擦伝動装置。
  11. 装置ケースに回転自在に支持された駆動ローラおよび従動ローラとを互いに押圧接触させる押圧機構を有し、その接触部に生じる摩擦力によって、一方のローラから他方のローラにトルクを伝達させる摩擦伝動装置において、
    前記駆動ローラと前記従動ローラのうち、回転運動と並進運動とが連動しているローラに、並進方向の変位に対して減衰力を作用させたことを特徴とする摩擦伝動装置。
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