JP4694520B2 - 摩擦伝動変速装置 - Google Patents

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    • F16H15/46Gearings providing a discontinuous or stepped range of gear ratios

Description

本発明は、複数の摩擦伝動ローラ対を用いた摩擦伝動変速装置の技術分野に属する。
従来の摩擦伝動装置では、組み付けおよび与圧の調整を容易化するために、両ローラの接触面に作用する押し付け力に対して、直角方向にカムをスライドさせる構造としている。特に、低い精度の位置決め部品で与圧調整ができるよう、カムとフレームとの間に、同じく押し付け力に対して直角方向に伸縮する弾性部材を設けている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−256950号公報
しかしながら、上記従来の摩擦伝動装置にあっては、一組の駆動ローラと従動ローラのみを用いる場合には、適切な与圧調整を行うことができるが、ローラ対を複数備え、一組のローラ対を選択的に押圧接触させる摩擦伝動変速装置とした場合、1つの変速段のみでしか与圧調整を行うことができないため、他のローラ対では、ローラ径の誤差等によって適切な与圧とならない場合がある。
すなわち、ローラ径を数十ミリ程度とした場合、ローラ外径や軸受けの内部すきまにはそれぞれ一箇所につき数十ミクロンの寸法誤差があり、両ローラの軸間距離は50〜100ミクロン程度にはなる。ところが、ローラは通常、鋼などのヤング率の高い材料が用いられるため、上記の軸間距離誤差があると、与圧荷重は希望値の数倍に大きくなったり、逆にローラが接触せずにガタツキが発生したりすることがある。
ここで、上記従来技術では、カムをフレームに対してスライド可能な構成としているが、押し付け力は伝達力に対して10倍以上の大きな荷重となり、またカムとフレームのスライド面は金属同士の直接接触であるため、摩擦力が大きく、一旦与圧荷重の調整および組み付けを行うと、その位置からカムを変位させることは困難であり、変速のためにローラ対を切り替えた場合、与圧荷重が大きく変動するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、寸法誤差等によるローラ軸間距離変動にかかわらず、すべてのローラ対で与圧荷重を適切な値に設定することができる摩擦伝動変速装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、カム部材とフレームとの間であって、両ローラの接触面に作用する押し付け力方向に、両ローラ間に作用する与圧荷重を調整する弾性部材を介装したことを特徴とする。

よって、本発明にあっては、カム部材とフレームとの間に介装した弾性部材によって、寸法誤差等によるローラ軸間距離変動に伴う与圧荷重変動を吸収できるため、すべてのローラ対で与圧荷重を適切な値に設定することができる。
以下、本発明の摩擦伝動変速装置を実施するための最良の形態を、実施例1〜6に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の前進3速後進1速の摩擦伝動変速装置を示す全体図であり、実施例1の変速装置は、車両の駆動系に設けられている。この変速装置は、回転自在に支持された駆動ローラ1と従動ローラ2とを押圧接触させ、その接触部に生じる摩擦力によって、上記2個のローラ1,2のうち、一方のローラ1または2から他方のローラ2または1に動力を伝達する。
駆動ローラ1は、1速用駆動ローラ11と、2速用駆動ローラ12と、3速用駆動ローラ13と、駆動ローラ支持軸部17,18と、を一体形成して構成されている。ローラ径は、1速用駆動ローラ11<2速用駆動ローラ12<3速用駆動ローラ13であり、駆動ローラ支持軸部17,18の間に、図1の左から1速用駆動ローラ11、2速用駆動ローラ12、3速用駆動ローラ13が順に配列される。
従動ローラ2は、1速用従動ローラ21と、2速用従動ローラ22と、3速用従動ローラ23と、偏心従動ローラ軸24と、により構成されている。ローラ径は、1速用従動ローラ21>2速用従動ローラ22>3速用従動ローラ23であり、偏心従動ローラ軸24上に、図1の左から1速用従動ローラ21、2速用従動ローラ22、3速用従動ローラ23、が配列される。
3個の従動ローラ21,22,23は、両端に第1支持軸受け3と第2支持軸受け4を配置した偏心従動ローラ軸24上に設定すると共に、変速比を異ならせて設定した三対のローラ対を切り替え可能に構成している。
三対のローラ対は、駆動ローラ支持軸部17,18に駆動ローラ支持軸受け5,6を設定し、該駆動ローラ支持軸受け5,6に、フレーム7に設定したカム(カム部材)8を当接することで、ローラ対間に押し付け力を付与している。
カム8は、駆動ローラ1と従動ローラ2との接触点における接線に対し角度を持った2つのカム斜面8a,8b(図2参照)を有し、回転方向に応じて、カム斜面8aまたは8bを駆動ローラ支持軸受け5,6のカムフォロア5a,6aに当接することでローラ対を押圧接触させている。カム斜面8aは、正転トルクのときカムフォロア5a,6aに当接してローラ対を押圧接触させる正転カム斜面であり、カム斜面8bは、逆転トルクのときカムフォロア5a,6aに当接してローラ対を押圧接触させる逆転カム斜面である。なお、駆動ローラ支持軸受け5,6は、外輪としてのカムフォロア5a,6aと、転動体としてのニードル5b,6bと、を有して構成されている。
3個の従動ローラ21,22,23は、両端に第1支持軸受け3と第2支持軸受け4とを配置した偏心従動ローラ軸24上にボール等を介して回転可能に設定すると共に、偏心従動ローラ軸24を回動させるサーボモータ9を偏心従動ローラ軸24の一端部に設けている。変速指令時には、サーボモータ9による偏心従動ローラ軸24の回動により、変速前の変速位置に対応する従動ローラ回転軸21a,22a,23aのうち1つの軸を駆動ローラ回転軸1aから離し、変速後の変速位置に対応する従動ローラ回転軸21a,22a,23aのうち1つの軸を駆動ローラ回転軸1aに近づけ、変速比を異ならせて設定した三対のローラ対を切り替え可能に構成している。
複数のローラ対は、1速ローラ対11,21と2速ローラ対12,22と3速ローラ対13,23であり、従動ローラ2の両端の支持軸受けを、第1支持軸受け3と第2支持軸受け4としたとき、第1支持軸受け3と第2支持軸受け4との間に、第1支持軸受け3から順に、1速用従動ローラ21と2速用従動ローラ22と3速用従動ローラ23とを並べて配置し、1速用従動ローラ21と2速用従動ローラ22と3速用従動ローラ23とは、第1連結部31と第2連結部32により、径方向は互いに移動可能で、かつ、回転方向は一体に連結している。なお、摩擦伝動変速装置への駆動入力は、駆動ローラ支持軸部17,18の何れか一方からなされ、摩擦伝動変速装置からの出力は、2速用従動ローラ22から径方向あるいは軸方向になされる。
図2は、実施例1の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図であり、実施例1の摩擦伝動変速装置は、カム8とフレーム7との間にばね(弾性部材)10が介装されている。このばね10は、ローラ対間にあらかじめ付与された与圧荷重の初期設定値により、適宜縮小した状態であり、この状態から、押し付け力が変化した場合、押し付け力方向に伸縮可能である。ここで、ばね10のばね定数は、ローラ接触点のヘルツ変形による剛性に対して、十分低い値となるように設定されている。
次に、作用を説明する。
[与圧荷重変動吸収作用]
特開2005−256950号公報に記載の摩擦伝動装置では、正転カムと逆転カムのうち、一方の逆転カムはフレームに固定し、他方の正転カムはフレームに対してローラ接触面に働く押し付け力と直角方向にスライド可能に設け、スライド可能に設けられた正転カムとフレームの間に与圧調整用の位置調整プレートおよび弾性ばねを挿入することで、両ローラに与える与圧を調整している。
ところが、この従来技術では、弾性ばねが押し付け力方向と垂直方向に設けられているものの、カムとフレーム間での摩擦力の影響が大きく、カムがフレームに対して相対移動不能であるため、弾性ばねの効果である、低い精度の位置決め部品で適正な与圧荷重の設定が可能になる、という利点が得られにくい。よって、ローラ対を複数設定し、一組のローラ対を選択的に押圧接触させる摩擦伝動変速装置とした場合、一旦ある変速段で与圧荷重の調整および組み付けを行うと、その位置からカムを変位させることは困難であり、変速によりローラ対を切り替えた場合、与圧荷重が大きく変動するという問題があった。
これに対し、実施例1の摩擦伝動変速装置では、カム8とフレーム7との間であって、ローラ接触面に作用する押し付け力方向にばね10を介装したため、図3に示すように、ある変速段のローラ対で与圧荷重を初期設定値とする調整を行い、その後、変速して接触するローラ対を変更した場合に、ローラ径の寸法ばらつき等によって両ローラの軸間距離が変動したとしても、その変動に応じてばね10が適宜伸縮し、与圧荷重変動を吸収することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の摩擦伝動変速装置にあっては、以下の効果を奏する。
(1) カム8とフレーム7との間であって、両ローラ1,2の接触面に作用する押し付け力方向に弾性部材であるばね10を介装したため、ばね10によって、寸法誤差等によるローラ軸間距離変動に伴う与圧荷重変動を吸収できる。これにより、与圧荷重の初期設定値を設定した変速段以外の変速段において、与圧荷重の初期設定値からの変動を抑制できるため、すべてのローラ対で与圧荷重を適切な値に設定することができる。
実施例2は、弾性部材を引っ張り方向に使用した例である。
すなわち、図4に示すように、実施例2の摩擦伝動変速装置では、正転カム斜面41aと逆転カム斜面41bとを形成した開口部41cを有するカム41を設け、このカム41とフレーム42とを弾性部材であるばね43で連結している。このばね43は、ローラ対間にあらかじめ付与された与圧荷重の初期設定値により、適宜伸張した状態であり、この状態から、押し付け力が変化した場合、押し付け力方向に伸縮可能である。
よって、実施例2では、カム41とフレーム42との間であって、押し付け力方向にばね43を介装したため、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例3は、弾性部材の変位量を制限する変位制限手段を設けた例である。
すなわち、図5に示すように、実施例3の摩擦伝動変速装置では、カム8とフレーム7との間であって、ばね10と並列にスペーサ(変位制限手段)44を設けている。このスペーサ44は、ばね10よりも高い剛性を有し、ばね10よりも高さ方向の寸法が小さな略環状に形成されている。ここで、スペーサ44とフレーム7との間であって、ローラ接触面に作用する押し付け力方向のすきまは、図6に示すように、想定されるローラ対の軸間距離の寸法ばらつきよりも大きく設定されている。
次に、作用を説明する。
[弾性部材の破損防止作用]
実施例3の摩擦伝動変速装置では、ローラ対間の伝達トルクの増加に応じてローラ接触面に作用する押し付け力も大きくなるが、この荷重をすべて弾性部材(ばね10)で支持させた場合、弾性部材に要求される耐荷重も大きくなる。しかしながら弾性部材は剛性を低くする必要があり、低剛性化と耐荷重能力の増大とはトレードオフの関係にあるため、両者の両立は困難である。
そこで、実施例3では、ばね10の変位量を制限するスペーサ44を設けた。すなわち、図10に示すように、ローラ接触面に作用する押し付け力に対し、ばね10の分担をばね10の弾性変形限界内に抑え、ばね10の弾性変形限界を超える押し付け力を、フレーム7に分担させることにより、ばね10の弾性変形量を超える変位を確実に防止することができる。
これにより、ローラ接触面に作用する押し付け力が増加し、ばね10が縮んでスペーサ44がフレーム7と接触すると、それ以上の荷重はスペーサ44で受けることができるため、ばね10の破損を確実に防止することができる。
また、スペーサ44とフレーム7との間であって、ローラ接触面に作用する押し付け力方向のすきまは、想定されるローラ対の軸間距離の寸法ばらつきよりも大きく設定されているため、ローラ軸間距離の寸法ばらつきに伴う与圧荷重変動を吸収するばね10の変位量が確実に確保され、スペーサ44によってばね10の与圧荷重変動吸収作用が阻害されることはない。
次に効果を説明する。
実施例3の摩擦伝動変速装置にあっては、実施例1の効果(1)に加え、以下の効果を奏する。
(2) ばね10の変位量をばね10の弾性変形限界内に制限するスペーサ44を設けたため、ばね10の破損を確実に防止することができる。
実施例4は、2分割したカム部材により駆動ローラ支持軸受けを挟持することで、ローラの軸間距離方向に与圧加重を付与する例である。
すなわち、図7に示すように、実施例4の摩擦伝動変速装置では、正転トルク(車両の前進時に駆動系に伝達されるトルク)のときに駆動ローラ支持軸受け5と接触して押し付け力を発生する正転カム斜面45aを有する正転カム45と、逆転トルク(車両の後退時に駆動系に伝達されるトルク)のときに駆動ローラ支持軸受け5と接触して押し付け力を発生する逆転カム斜面46aを有する逆転カム46と、を設けている。
逆転カム46は、フレーム7に固定されており、正転カム45は、フレーム7に対しローラ接触面に作用する押し付け力方向の垂直方向に進退する与圧調整ねじ47により、押し付け力方向の垂直方向にスライド可能である。また、正転カム45とフレーム7との間であって、押し付け力方向には、ばね48が介装されている。
ばね48は、正転カム45の位置調整により、ローラ対間にあらかじめ付与された与圧荷重の初期設定値によって、適宜縮小した状態であり、この状態から、押し付け力が変化した場合、押し付け力方向に伸縮可能である。
次に、作用を説明する。
[組み付けおよび与圧調整作業の容易化作用]
実施例1では、与圧荷重を調整する際、事前に各部の寸法を測定しておき、それに見合う形状(厚さ)のばねを選択して組み付ける必要があったが、実施例4の摩擦伝動変速装置では、各ローラ1,2とカム45,46をフレーム7に組み付けた後、与圧調整ねじ47による与圧調整が可能である。さらに、与圧調整に伴いあらかじめ適宜ばね48を伸縮可能な状態とすることができるため、組み付け作業および与圧荷重の調整作業の容易化を図ることができる。
また、実施例1では、正転カム45を移動させる小さな力で与圧荷重を与えることができる。例えば、カム斜面の角度をαとすると、与圧調整ねじ47で与えた荷重に対し、ローラ間に与える押し付け力はくさび効果によって1/tanα倍となる。ローラの摩擦係数は0.1程度であるので、αは5°程度である。したがって、荷重は10倍以上となる。すなわち、10分の1の荷重で与圧を与えることが可能であり、小さな予圧力を与える作業により、高い精度の位置調整を行うことなく、ローラ間に与える予圧を適正に調整することができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の摩擦伝動変速装置にあっては、実施例1の効果(1)に加え、以下の効果を奏する。
(3) 逆転カム46をフレーム7に固定するとともに正転カム45をローラ接触面の押し付け力方向と垂直方向に移動可能とし、正転カム45とフレーム7との間であって両ローラ1,2の接触面に作用する押し付け力方向にばね48を挿入した。これにより、小さな力で与圧荷重を与えることが可能となり、また高い精度の位置調整なしに与圧を適正に調整できる。
実施例5は、正転カムをフレームに固定した例である。
すなわち、図8に示すように、実施例5の摩擦伝動変速装置では、正転カム斜面49aをフレーム53に形成し、逆転カム面50aを有する逆転カム50を、フレーム53に対しローラ接触面に作用する押し付け力方向の垂直方向に進退する与圧調整ねじ51により、押し付け力方向の垂直方向にスライド可能とした。
逆転カム50とフレーム53との間であって、押し付け力方向には、ばね52が介装されている。このばね52は、逆転カム50の位置調整により、ローラ対間にあらかじめ付与された与圧荷重の初期設定値によって、適宜縮小した状態であり、この状態から、押し付け力が変化した場合、押し付け力方向に伸縮可能である。
次に、作用を説明する。
[運転フィーリング向上作用]
カムとフレームとの間にばね等の弾性部材を介装することにより、与圧荷重変動の抑制という利点は得られるものの、弾性部材が故に剛性が低くなり、運転フィーリングが低下するという問題が生じる。つまり、トルクの変化に伴い押し付け力が増減した場合、正転カム斜面が弾性部材で支持されていると、荷重の変化に対する変位量が大きいため、ローラの並進変位量やねじれ量も大きくなる。
これに対し、実施例5では、正転トルク、すなわちエンジン等の原動機で車両を前進させるときのトルクが働くときに作用する側の正転カム斜面49aをフレーム53と一体に形成した。これにより、走行時における駆動ローラ1から従動ローラ2へのねじり剛性が高まり、運転フィーリングの向上を図ることができる。加えて、正転カムを別途設ける場合と比較して、部品点数が削減されるため、コスト低減を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例5の摩擦伝動変速装置にあっては、実施例1の効果(1)、実施例4の効果(3)に加え、以下の効果を奏する。
(4) 正転カム斜面49aを、フレーム53に形成したため、通常よく使用される正転トルク時の剛性が高められ、運転フィーリングの向上を図ることができる。
図9は、実施例6の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。
実施例6の摩擦伝動変速装置では、図7に示した実施例4に対し、スペーサ54を追加した構成としている。スペーサ54は、正転カム45とフレーム7との間であって、ばね48と並列に配置されている。このスペーサ44は、ばね48よりも高い剛性を有し、ばね48よりも高さ方向の寸法が小さな略環状に形成されている。ここで、スペーサ54とフレーム7との間であって、ローラ接触面に作用する押し付け力方向のすきまは、想定されるローラ対の軸間距離の寸法ばらつきよりも大きく設定されている(図6参照)。
よって、実施例6の摩擦伝動変速装置にあっては、実施例1の効果(1)、実施例3の効果(2)および実施例4の効果(3)を得ることができる。
(他の実施例)
以上、本発明の摩擦伝動変速装置を実施例1〜6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
本発明の摩擦伝動変速装置は、車両に適用される加減速機や変速機への適用に限らず、加速機能や減速機能や変速機能が要求される産業機器等に対し広汎な用途として適用することができ、実施例1〜6と同様の作用効果を得ることができる。
また、実施例では、本発明の摩擦伝動変速装置を3速の変速装置に適用した例を示したが、4速や5速、あるいは7速以上の変速装置としても適用することができる。
さらに、実施例4と実施例5を組み合わせた構成としても良い。
弾性部材はばねに限らず、ゴム等の弾性体でも良い。また、ばねの種類もコイルスプリング、板ばね等、任意のばねを用いることができる。
実施例1の前進3速後進1速の変速装置を示す全体図である。 実施例1の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。 寸法ばらつきと与圧荷重変動との関係図である。 実施例2の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。 実施例3の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。 与圧荷重に対しばねが受ける荷重とスペーサが受ける荷重との分担を示す寸法ばらつきと与圧荷重変動との関係図である。 実施例4の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。 実施例5の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。 実施例6の摩擦伝動変速装置の構成を示す側面図である。
符号の説明
1 駆動ローラ
1a 駆動ローラ回転軸
2 従動ローラ
2a 従動ローラ回転軸
3 第1支持軸受け
4 第2支持軸受け
5a,6a カムフォロア
5b,6b ニードル
7 フレーム
8 カム
8a,8b カム斜面
9 サーボモータ
10 ばね
11 1速用駆動ローラ
12 2速用駆動ローラ
13 3速用駆動ローラ
14 電動モータ
14a モータ回転軸
15 ねじ軸機構
15a 雄ねじ部
15b 雌ねじ部
16 梃子レバー
17,18 駆動ローラ支持軸部
21 1速用従動ローラ
21a 従動ローラ回転軸
22 2速用従動ローラ
22a 従動ローラ回転軸
23 3速用従動ローラ
23a 従動ローラ回転軸
24 偏心従動ローラ軸
31 第1連結部
32 第2連結部

Claims (4)

  1. 回転自在に支持された駆動ローラおよび従動ローラと、両ローラの接触点における接線に対し角度を持ったカム斜面を有するカム部材と、このカム部材を支持するフレームとを備え、カム斜面を一方のローラの回転支持部に当接することでローラ同士を押圧接触させ、駆動ローラから従動ローラへ動力を伝達させるローラ対を、互いに径を異ならせて複数配置し、
    各ローラ対の軸間距離を変えることで、選択的にいずれかのローラ対で動力を伝達させる摩擦伝動変速装置において、
    前記カム部材と前記フレームとの間であって、両ローラの接触面に作用する押し付け力方向に、両ローラ間に作用する与圧荷重を調整する弾性部材を介装したことを特徴とする摩擦伝動変速装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦伝動変速装置において、
    前記カム部材を、正転トルクのときにローラと接触して押し付け力を発生する正転カム斜面を有する正転カム部材と、逆転トルクのときにローラと接触して押し付け力を発生する逆転カム斜面を有する逆転カム部材と、に分割し、
    前記両カム部材のうち一方のカム部材を前記フレームに固定し、他方のカム部材と前記フレームとの間であって両ローラの接触面に作用する押し付け力方向に前記弾性部材を挿入したことを特徴とする摩擦伝動変速装置。
  3. 請求項2に記載の摩擦伝動変速装置において、
    前記正転カム部材を、前記フレームに固定したことを特徴とする摩擦伝動変速装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の摩擦伝動変速装置において、
    前記弾性部材の変位量を弾性変形限界内に制限する変位制限手段を設けたことを特徴とする摩擦伝動変速装置。
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