JP4826353B2 - 変速装置 - Google Patents
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Description
駆動ローラと従動ローラとからなるローラ対を、変速比をそれぞれ異ならせて複数設定し、一組のローラ対を選択的に押圧接触させて変速を行う変速装置において、
前記駆動ローラおよび従動ローラと異なる軸上に配置したカウンタローラと、
前記従動ローラを逆回転させる際、一組のローラ対の両ローラが離間した状態で当該両ローラに前記カウンタローラを押し付ける逆回転アクチュエータと、
を備えることを特徴とする。
この結果、軸方向寸法の増大を招くことなく、逆回転変速段を達成することができる。
図1は、実施例1の前進3速後進1速の変速装置を示す全体図であり、実施例1の変速装置は、車両の駆動系に設けられている。この変速装置は、回転自在に支持された駆動ローラ1と従動ローラ2とを押圧接触させ、その接触部に生じる摩擦力によって、上記2個のローラ1,2のうち、一方のローラ1または2から他方のローラ2または1に動力を伝達する摩擦伝動ローラを構成する。
カウンタローラ10は、1速ローラ対11,21と同一の軸方向位置に配置され、カウンタローラ軸受け10bにより回動自在に支持されている。カウンタローラ10の回転中心であるカウンタローラ回転軸10aは、駆動ローラ回転軸1aおよび従動ローラ回転軸2aと異なる位置に配置されている。
[後進段変速作用]
実施例1の変速装置では、車両を後進させる場合、サーボモータ9により偏心従動ローラ軸24を回動させ、1速ローラ対11,21、2速ローラ対12,22、3速ローラ対13,23を共に離間させた状態とする。続いて、逆回転アクチュエータ25のロッド25aを伸長させ、カウンタローラ10を1速ローラ対11,21に押し付ける(図2)。
一方、後進から前進1速段に切り替える場合には、逆回転アクチュエータ25のロッド25aを縮退させ、カウンタローラ10を1速ローラ対11,21から離間させる。
特開昭61−286652号公報に記載の変速装置では、変速比をそれぞれ異ならせた複数のローラ対を順に配列し、一組のローラ対を選択的に押圧接触させて変速を行っているが、逆回転変速段を有していないため、後進変速段が不可欠となる車両の変速装置として適用する場合、後進用の駆動ローラ、従動ローラおよびカウンタローラからなる3つのローラ組、または前後進切り替えクラッチを軸方向に追加する必要があり、軸方向寸法の増大および部品点数増を招くという問題があった。
逆回転アクチュエータ25のロッド25aを伸長させてカウンタローラ10を1速ローラ対11,21に押し付ける際、カウンタローラ10には、1速駆動ローラ11に回転に伴い、1速用駆動ローラ11と1速用従動ローラ21との間に引き込まれる力が作用する(くさび作用)。
実施例1の変速装置は、押圧接触状態の1速ローラ対11,21にカウンタローラ10を押し付けることで、駆動輪をロックするパーキングモードを有している。
実施例1の変速装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
図4は、実施例2の変速装置を示す側面図である。
実施例2では、リバースレンジがセレクトされた際、カウンタローラ10を1速ローラ対11,21へ押し付ける前に、サーボモータ9により偏心従動ローラ軸24を回動させ、カウンタローラ10と接触する1速用従動ローラ21の中心(従動ローラ回転軸21a)を、カウンタローラ10の中心(カウンタローラ回転軸10a)と偏心従動ローラ軸24の中心(従動ローラ回転軸2a)とを通る直線L上に配置する。
[従動ローラ回動防止作用]
カウンタローラ10を1速ローラ対11,21に押し付けたとき、1速用従動ローラ21は、カウンタローラ10との接触点からカウンタローラ回転軸10a方向への押し付け力を受ける。
実施例2の変速装置にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
図5は、実施例3の変速装置を示す側面図であり、実施例3では、逆回転アクチュエータ25のロッド25aの進退方向を、カウンタローラ10と1速ローラ対11,21との接触点における2つの法線M,Nが成す角度2θを2分割する方向に設定している。
[耐久性向上作用]
例えば、カウンタローラの押し付け方向が、カウンタローラとローラ対との接触点における2つの法線が成す角度を2分割する方向以外の方向に設定されている場合、カウンタローラは、ローラ対のうちどちらか一方と先に接触する。このとき、カウンタローラは一方のローラのみから力を受けるため、逆回転アクチュエータ25のロッド25aに進退方向以外の荷重が作用し、耐久性の点で問題となる。
実施例3の変速装置にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
図6は、実施例4の変速装置を示す側面図である。
実施例4の変速装置は、電動モータ14とねじ軸機構(運動変換手段)15により逆回転アクチュエータを構成している。
車両の後進時には、1速ローラ対11,21、2速ローラ対12,22、3速ローラ対13,23を共に離間させた後、逆転アクチュエータのモータ14を正転させる。雄ねじ部15aの回転運動は、ねじ軸機構15により直進運動に変換されるため、雄ねじ部15aは、雌ねじ部15b内を図6の矢印方向に進み、カウンタローラ10を1速ロータ対11,21に押し付ける。
後進を停止する場合は、モータ14を逆転させることで、上記とは逆の作用により、カウンタローラ10を1速ロータ対11,21から離間させることができる。
実施例4の変速装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
図7は、実施例5の変速装置を示す側面図である。
実施例5の変速装置は、逆回転アクチュエータ25とカウンタローラ10との間に梃子レバー16を設けた例である。
実施例5では、逆回転アクチュエータ25とカウンタローラ10との間に設けた梃子レバー16の作用により、逆回転アクチュエータ25の押し出し力が約3倍に増幅されてカウンタローラ10へと伝達される。すなわち、ロッド25aの押し出し力を1/3程度に抑えつつ、実施例1と同じ押し出し力が得られるため、アクチュエータ負荷の軽減と小型化を図ることができる。
実施例5の変速装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
以上、本発明の変速装置を実施例1〜実施例5に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
1a 駆動ローラ回転軸
2 従動ローラ
2a 従動ローラ回転軸
3 第1支持軸受け
4 第2支持軸受け
5a,6a カムフォロア
5b,6b ニードル
7 変速装置ケース
7a ガイド溝
8 カム
8a カム斜面
9 サーボモータ
10 カウンタローラ
10a カウンタローラ回転軸
10b カウンタローラ軸受け
11 1速用駆動ローラ
12 2速用駆動ローラ
13 3速用駆動ローラ
14 電動モータ
14a モータ回転軸
15 ねじ軸機構
15a 雄ねじ部
15b 雌ねじ部
16 梃子レバー
17,18 駆動ローラ支持軸部
21 1速用従動ローラ
21a 従動ローラ回転軸
22 2速用従動ローラ
22a 従動ローラ回転軸
23 3速用従動ローラ
23a 従動ローラ回転軸
24 偏心従動ローラ軸
25 逆回転アクチュエータ
25a ロッド
31 第1連結部
32 第2連結部
Claims (8)
- 駆動ローラと従動ローラとからなるローラ対を、変速比をそれぞれ異ならせて複数設定し、一組のローラ対を選択的に押圧接触させて変速を行う変速装置において、
前記駆動ローラおよび従動ローラと異なる軸上に配置したカウンタローラと、
前記従動ローラを逆回転させる際、一組のローラ対の両ローラが離間した状態で当該両ローラに前記カウンタローラを押し付ける逆回転アクチュエータと、
を備えることを特徴とする変速装置。 - 請求項1に記載の変速装置において、
前記カウンタローラは、最も減速比の高いローラ対に押し付けることを特徴とする変速装置。 - 請求項1または請求項2に記載の変速装置において、
前記カウンタローラは、ローラ対との接触時、前記カウンタローラをローラ対に押し付けるくさび作用を生じる方向に配置することを特徴とする変速装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の変速装置において、
押圧接触状態のローラ対に前記カウンタローラを押し付けるロックモードを有することを特徴とする変速装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の変速装置において、
前記複数の従動ローラは、両端に支持軸受けを配置した偏心従動ローラ軸上に回転可能に設定すると共に、前記偏心従動ローラ軸を回動させる変速アクチュエータを設け、
前記変速アクチュエータは、前記カウンタローラをローラ対と接触させる際、カウンタローラと接触する従動ローラの中心を、カウンタローラの中心と偏心従動ローラ軸の中心とを通る直線上に配置することを特徴とする変速装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の変速装置において、
前記逆回転アクチュエータは、前記カウンタローラに対し、ローラ対との接触点における2つの法線が成す角度を2分割する方向に押し付け力を与えることを特徴とする変速装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の変速装置において、
前記逆回転アクチュエータは、
モータと、
モータの回転運動を直線運動に変換し前記カウンタローラをローラ対へ押し付ける運動変換手段と、
を備えることを特徴とする変速装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の変速装置において、
前記逆回転アクチュエータは、梃子レバーを介して前記カウンタローラをローラ対へ押し付けることを特徴とする変速装置。
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