JP2010216517A - 摩擦伝動変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速機付きモータに有段変速装置を加えて幅広い減速比を得るにあたり、多板式クラッチを不要にして、モータと変速装置との全体を、その軸線方向について小型化することができる、インホイールモータに用いて好適な小型の変速装置を提供する。
【解決手段】
遊星ローラ機構を構成するように配置されたローラの動力伝達面を互いに押圧接触させて動力を伝達し、ピニオンローラが有する複数の動力伝達面のうちの少なくとも一つとサンローラの動力伝達面およびリングの動力伝達面の両方とを接触可能として、さらに、ピニオンローラが有する複数の動力伝達面とサンローラおよびリングの少なくとも一方の動力伝達面とを選択的に押圧接触させて動力を伝達する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駆動輪のホイール内に収容されるインホイールモータに用いて好適な変速装置に関し、特に、遊星ローラ機構を構成するよう配置されたローラの動力伝達面を互いに押圧接触させ、その接触部に生じる摩擦伝達力によって動力を伝達する摩擦伝動変速装置に関するものである。
小型で充分な減速比を得ることができるインホイールモータとして、遊星歯車機構を有する減速機付きモータが特許文献1に開示されている。
特開2005−8143号公報
しかしながら、上記従来の遊星歯車機構を有する減速機付きモータは、幅広い減速比を得るために、その遊星歯車機構に有段変速装置を加える場合、多板式クラッチと、その多板式クラッチを締結・解除するアクチュエータとが必要となり、多板式クラッチとアクチュエータの分だけ軸線方向寸法が長くなり大型化するため、インホイールモータとしては適さないものになる。従って、インホイールモータに用いて好適な小型の変速装置が望まれていた。
本発明の摩擦伝動変速装置は、遊星ローラ機構を構成するように配置されたローラの動力伝達面を互いに押圧接触させて動力を伝達するもので、ピニオンローラが有する複数の動力伝達面のうちの少なくとも一つとサンローラの動力伝達面およびリングの動力伝達面の両方とを接触可能とし、さらに、ピニオンローラが有する複数の動力伝達面とサンローラおよびリングの少なくとも一方の動力伝達面とを選択的に押圧接触させて動力を伝達することを特徴としている。
本発明の摩擦伝動変速装置によれば、多板式クラッチを必要としないことからその軸線方向寸法が短く、減速機付きモータに使用した場合、モータと摩擦伝動変速装置との全体を小型化することができ、充分な減速比と変速機能を兼ね備え、インホイールモータに好適に使用することができる。また、無段変速装置でないため、転動面が連続していないので、小型化にさらに有利である。
本発明の摩擦伝動変速装置の第1実施形態の構成を示す断面図であり、図1(a)は低速時、図1(b)は高速時を示す。 本発明の摩擦伝動変速装置の第2実施形態の構成を示す断面図であり、図2(a)は低速時、図2(b)は高速時、図2(c)はオーバドライブ時を示す。 本発明の摩擦伝動変速装置の第3実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。 本発明の摩擦伝動変速装置の第4実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。 本発明の摩擦伝動変速装置の第5実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。まず、図1は、本発明の摩擦伝動変速装置の第1実施形態の構成を示す断面図であり、図1(a)は低速時、図1(b)は高速時を示す。
第1実施形態の摩擦伝動変速装置は、遊星ローラ機構を構成し、複数のピニオンローラ10(図では一つだけ示す)、サンローラ20、低速用リング30、高速用リング31、キャリア40を有しており、ケース100に格納されている。
ピニオンローラ10は、径の異なる複数の動力伝達面10a,10bを有する。ピニオンローラ10の動力伝達面10aは、低速用リング30の動力伝達面30aに対応し、ピニオンローラ10の動力伝達面10bは、サンローラ20の動力伝達面20aと常時押圧接触するとともに、高速用リング31の動力伝達面31aとの両方と対応している。低速用リング30および高速用リング31は、ケース100に固定される。サンローラ20は、入力軸90と回転可能に連結され、図示しないモータに連結される。複数のピニオンローラ10を入力軸90の周囲に周方向に等間隔に、かつ回転自在に支持するキャリア40は、入力軸90と同一軸線上の出力軸95と連結され、出力軸95は、図示しない車輪に連結される。
低速時には、図1(a)に示すように、中空部30bを有する例えば三菱重工株式会社製の弾性リング(以下、「弾性リング」という)等からなる低速用リング30をその軸線方向の両側から、ケース100に固定された図示しないアクチュエータで圧縮し、図1(a)に示すように、動力伝達面30aを動力伝達面10aに向かって突出するよう弾性変形させる。これによりピニオンローラ10の動力伝達面10aと低速用リング30の動力伝達面30aとが押圧接触し、ピニオンローラ10の動力伝達面10bとサンローラ20の動力伝達面20aとは常時押圧接触しているので、サンローラ20の回転でピニオンローラ10が低速用リング30に対して入力軸90の周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ10を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。
高速時には、低速用リング30の動力伝達面30aをピニオンローラ10の動力伝達面10aから離間させる一方、中空部31bを有する例えば弾性リング等からなる高速用リング31をその軸線方向の両側から、ケース100に固定された図示しないアクチュエータで圧縮し、図1(b)に示すように、動力伝達面31aを動力伝達面10bに向かって突出するよう弾性変形させ、動力伝達面10bと押圧接触させる。ピニオンローラ10の動力伝達面10bが、サンローラ20の動力伝達面20aと高速用リング31の動力伝達面31aとの両方と押圧接触することで、サンローラ20の回転によりピニオンローラ10が高速用リング31に対して入力軸90の周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ10を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。なお、アクチュエータには、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。
第1実施形態の摩擦伝動変速装置にあっては、低速用リング30および高速用リング31に上記の弾性リングを使用することによって、後述する実施形態のようにピニオンローラ10の動力伝達面11bと、それに対応するサンローラ20の動力伝達面20aおよび高速用リング31の動力伝達面31aとを円錐形状とする必要がないことから、ピニオンローラ10、サンローラ20および高速用リング31の軸線方向の大きさをコンパクトにすることができ、ひいては摩擦伝動変速装置の大きさを軸線方向にコンパクトにすることができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。図2は、本発明の摩擦伝動変速装置の第2実施形態の構成を示す断面図であり、図2(a)は低速時、図2(b)は高速時、図2(c)はオーバドライブ時を示す。
第2実施形態の摩擦伝動変速装置は、遊星ローラ機構を構成し、複数のピニオンローラ11(図では一つだけ示す)、サンローラ21、オーバドライブ用サンローラ22、低速用リング32、高速用リング33、キャリア40を有し、ケース100に格納されている。なお、低速用リング32および高速用リング33はともに、弾性リングではなく通常のリングである。
ピニオンローラ11は、径の異なる複数の動力伝達面11a,11bを有し、動力伝達面11bは裁頭円錐形状を有している。ピニオンローラ11の動力伝達面11aは、低速用リング32の動力伝達面32aとオーバドライブ用サンローラ22の動力伝達面22aとの両方と接触可能であり、ピニオンローラ11の動力伝達面11bは、サンローラ21の動力伝達面21aと高速用リング33の動力伝達面33aとの両方と接触可能である。低速用リング32はケース100に固定され、高速用ローラ33はケース100に、軸線方向に移動可能にスプライン結合される。サンローラ21は、入力軸90に、軸線方向に移動可能にスプライン結合され、オーバドライブ用サンローラ22は、入力軸90と一体的に連結され、入力軸90は図示しないモータに連結される。ピニオンローラ11を回転自在に支持するキャリア40は、入力軸90と同一軸線上の出力軸95と連結され、出力軸95は、図示しない車輪に連結される。キャリア40はまた、ピニオンローラ11を入力軸95に対し半径方向へ移動可能に支持する。
低速時には、図2(a)に示すように、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータによって、サンローラ21を、サンローラ21が有する裁頭円錐形状の動力伝達面21aの円錐頂点方向(図2(a)では右方)に移動させて、ピニオンローラ11の動力伝達面11bとサンローラ21の動力伝達面21aとを押圧接触させる。動力伝達面11bと動力伝達面21aは、互いに裁頭円錐形状を有しているため、サンローラ21を動力伝達面21aの円錐頂点方向(図2(a)では右方)に移動させることによって、ピニオンローラ11が入力軸90に対する半径方向の外方(図2(a)では上方)に移動し、ピニオンローラ11のもう一方の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとが押圧接触する。これらの押圧接触によって、サンローラ21の回転によりピニオンローラ11が低速用リング32に対して入力軸90の軸線周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ11を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。なお、入力軸90に固定したアクチュエータには、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。
高速時には、図2(b)に示すように、低速時の状態から、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータによって、サンローラ21を動力伝達面11aと動力伝達面21aとの押圧接触状態を維持しながらピニオンローラ11から離れる方向(図2(b)では左方)に移動させて、ピニオンローラ11を入力軸90に対する半径方向の内方(図2(b)では下方)に移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを離間させる一方、高速用リング33を、ケース100に固定した図示しないアクチュエータによって、高速リング33が有する裁頭円錐形状の動力伝達面33aの円錐頂点方向(図2(b)ではの右方)に移動させて、ピニオンローラ11の動力伝達面11bと高速用リング33の動力伝達面33aとを押圧接触させる。このようにしてピニオンローラ11の動力伝達面11bを、サンローラ21の動力伝達面21aと高速用リング33の動力伝達面33aとの両方と押圧接触させることで、サンローラ21の回転によりピニオンローラ11が高速用リング33に対して入力軸90の周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ11を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。なお、ケース100に固定したアクチュエータには、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。
オーバドライブ時には、図2(c)に示すように、高速時の状態からさらに、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータによって、サンローラ21をピニオンローラ11から離れる方向に、動力伝達面11aと動力伝達面21aとが完全に離間するまで移動させて、ピニオンローラ11を入力軸90に対する半径方向の内方(図2(c)では下方)にさらに移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを離間させ、高速用リング33を、ケース100に固定した図示しないアクチュエータによって、ピニオンローラ11の動力伝達面11bと高速用リング33の動力伝達面33aとを押圧接触させつつ、高速用リング33が有する裁頭円錐形状の動力伝達面33aの円錐頂点方向(図2(c)では右方)にさらに移動させる。このようにしてピニオンローラ11の動力伝達面11aとオーバドライブ用サンローラ22の動力伝達面22aとを押圧接触させることにより、オーバドライブ用サンローラ22の回転によりピニオンローラ11が高速用リング33に対して入力軸90の周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ11を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。
第2実施形態の摩擦伝動変速装置にあっては、ピニオンローラ11の動力伝達面11bが裁頭円錐形状を有することで、サンローラ21および高速用リング33をそれらの軸線方向に移動させるとともにピニオンローラ11を入力軸90の半径方向に移動させるだけで、弾性リングのような特殊な部材を使用せずに変速を行うことができる。
次に本発明の第3実施形態について説明する。図3は、本発明の摩擦伝動変速装置の第3実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。
第3実施形態の摩擦伝動変速装置は、第2実施形態の摩擦伝動変速装置のサンローラ21に代えて、推力カム機構を有するサンローラ23としたものである。以下、第2実施形態の摩擦伝動変速装置との相違点について説明する。
推力カム機構を有するサンローラ23は、裁頭円錐形状の動力伝達面23aを有するサンローラ本体23bと、カムプレート23cと、スラスト力負荷ボール23dとを有する。サンローラ本体23bは、入力軸90に対して自在に回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持されており、周方向に等間隔に配列された複数の傾斜面状溝部を有する。傾斜面状溝部の長手方向両端部は、傾斜面により中央部と比べて溝深さが浅くなっている。カムプレート23cはサンローラ本体23bと対向するように入力軸90にその軸線方向に移動可能にスプライン結合され、かつサンローラ本体23bと同様に複数の傾斜面状溝部を有し、サンローラ本体23bと組になって複数対の対向する傾斜面状溝部を形成する。カムプレート23cはまた、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータによって軸線方向へ移動される。スラスト力負荷ボール23dは、各対の対向する傾斜面状溝部の間に収容される。サンローラ23bとカムプレート23cとの間の相対的な回転があると、スラスト力負荷ボール23dは傾斜面状溝部の長手方向端部に移動、収容されてカムの作用でサンローラ本体23bとカムプレート23cとを離間させるが、カムプレート23cが、上記アクチュエータによって軸線方向の移動を規制されていることにより、サンローラ本体23bがカムプレート23cと離れる方向(図3では右方)に移動する。この移動によって、低速時および高速時にはピニオンローラ11の動力伝達面11bとサンローラ本体23bの動力伝達面23aとが押圧接触される。高速用リング33の軸線方向移動は、第2実施形態の摩擦伝動変速装置の場合のアクチュエータと同様のリニアアクチュエータ41で行われる。
オーバドライブ時には、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータによって、推力カムを有するサンローラ23全体をピニオンローラ11から離れる方向(図3では左方)に、動力伝達面11aと動力伝達面23aとが完全に離間するまで移動させ、ピニオンローラ11を入力軸90の半径方向の内方(図3では下方)にさらに移動させて、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを離間させ、さらに第2実施形態の摩擦伝動変速装置の場合と同様に、高速用リング33を、リニアアクチュエータ41によって、ピニオンローラ11の動力伝達面11bと高速用リング33の動力伝達面33aとを押圧接触させつつ、高速用リング33が有する裁頭円錐形状の動力伝達面33aの円錐頂点方向(図3では右方)にさらに移動させて、ピニオンローラ11の動力伝達面11aとオーバドライブ用サンローラ22の動力伝達面22aとを押圧接触させる。
第3実施形態の摩擦伝動変速装置にあっては、推力カムを有するサンローラ23全体を移動させる、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータは、そのサンローラ23全体を入力軸90の軸線方向に移動させることと、カムプレート23cを入力軸90の軸線方向に規制することのみを行えば良いことから小型化することができ、ひいては、摩擦伝動変速装置全体を軸線方向にコンパクトにできる。
次に本発明の第4実施形態について説明する。図4は、本発明の摩擦伝動変速装置の第4実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。
第4実施形態の摩擦伝動変速装置は、第2実施形態の摩擦伝動変速装置のピニオンローラ11が有する動力伝達面11bと軸線方向に対称となるように動力伝達面11cを、それら動力伝達面11bと動力伝達面11cとが対になるように配置し、この対にした動力伝達面11bと動力伝達面11cとに対応する、対をなす動力伝達面21aおよび動力伝達面24aを有するサンローラ21およびサンローラ24と、対をなす動力伝達面33aおよび動力伝達面34aを有する高速用リング33および高速用リング34とを備え、サンローラ21とサンローラ24、高速用リング33と高速用リング34とはそれぞれ対をなす。つまり、第4実施形態の摩擦伝動変速装置は、ピニオンローラ11の軸線に直交する平面に対して、動力伝達面11bと動力伝達面11cが面対称に配置され、そしてサンローラ21とサンローラ24、高速用リング33と高速用リング34とが上記平面に対して面対称に配置される。対をなすサンローラ21,24は、入力軸90にスプライン結合され、対をなす高速用リング33,34はケース100にスプライン結合される。また、ピニオンローラ11はその動力伝達面11bと動力伝達面11cとの間に動力伝達面11aを有し、動力伝達面11aは、オーバドライブ用サンローラ22の動力伝達面22aと低速用リング32の動力伝達面32aとの両方に接触可能に位置している。
低速時には、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータが、サンローラ21とサンローラ24とを軸線方向に互いに対称に接近するよう移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11bとサンローラ21の動力伝達面21aとを押圧接触させるとともに、ピニオンローラの動力伝達面11cとサンローラ24の動力伝達面24aとを押圧接触させて、ピニオンローラ11を入力軸90の半径方向の外方(図4では上方)に移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを押圧接触させることで、サンローラ21,24の回転によりピニオンローラ11が低速用リング32に対し入力軸90の周りに回転し、入力軸90に入力された動力は、ピニオンローラ11を支持するキャリア40を介して出力軸95から取り出される。なお、入力軸90に固定したアクチュエータとしては、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。
高速時には、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータが、ピニオンローラ11の動力伝達面11b,11cとサンローラ21,24の動力伝達面21a,24aとの押圧接触を維持しつつ、サンローラ21とサンローラ24とを軸線方向に互いに対称に離間する方向に移動させて、ピニオンローラ11を入力軸90の半径方向の内方(図4では下方)に移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを離間させるとともに、ケース100に固定した図示しない二つのアクチュエータが、高速用リング33と高速用リング34とをそれぞれ軸線方向に互いに対称に接近する方向に移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11b,11cと高速用リング33,34の動力伝達面33a,34aとを押圧接触させる。なお、ケース100に固定したアクチュエータとしては、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。
オーバドライブ時には、高速時の状態から、入力軸90に固定した図示しないアクチュエータが、サンローラ21とサンローラ24とを軸線方向に互いに対称に離間する方向に、ピニオンローラ11の動力伝達面11b,11cとサンローラ21,24の動力伝達面21a,24aとがそれぞれ完全に離間するまで移動させ、ピニオンローラ11を入力軸90の半径方向の内方(図4では下方)に移動させて、ピニオンローラ11の動力伝達面11aと低速用リング32の動力伝達面32aとを離間させるとともに、ケース100に固定した図示しないアクチュエータが、ピニオンローラ11の動力伝達面11b,11cと高速用リング33,34の動力伝達面33a,34aとを押圧接触させつつ、高速用リング33と高速用リング34とを軸線方向に互いに対称に接近する方向にさらに移動させ、ピニオンローラ11の動力伝達面11aとオーバドライブ用サンローラ22の動力伝達面22aとを押圧接触させる。
第4実施形態の摩擦伝動変速装置にあっては、図4に示すように、低速時において、ピニオンローラ11がサンローラ21,24および低速用リング32からそれぞれ受ける押付け力は、矢印A、矢印Bおよび矢印Cであるが、スラスト方向(軸線方向)成分を有する矢印Aおよび矢印Bはスラスト方向に対称であることから、押付け力のスラスト方向成分は互いにキャンセルされる。高速時、オーバドライブ時についても同様であり、その結果、キャリア40にはスラスト荷重が負荷されないので、キャリア40の構造を簡単にすることができる。また、ピニオンローラ11は入力軸90の周囲に等間隔に複数あるので、上記押付け力の半径方向成分はケース100には伝達されず、高速用リング33,34のそれぞれが受けてキャンセルされることになる。従って、ケース100は、ピニオンローラ11からの押付け力の反力を半径方向に受けないので、その構造を簡単にすることができ、ひいては摩擦電動変速装置の大きさをよりコンパクトにすることができる。
次に本発明の第5実施形態について説明する。図5は、本発明の摩擦伝動変速装置の第5実施形態の構成を示す断面図であり、低速時を示す。
第5実施形態の摩擦伝動変速装置は、第4実施形態の摩擦伝動変速装置のケース100に固定したアクチュエータに代えて、高速用リング33に固定した油圧シリンダとしたものである。以下、第4実施形態の摩擦伝動変速装置との相違点について説明する。
高速用リング33の、もう一方の高速用リング34に対向する面と反対側の面に油圧シリンダ70を配設し、油圧シリンダ70が有するピストンロッド70aを、高速用リング33に配設した貫通穴33bと低速用リング32に配設した貫通穴32bとに挿通して、ピストンロッド70aの先端を、上記もう一方の高速用リング34の、高速用リング33に対向する面に固定する。
油圧シリンダ70がピストンロッド70aを押し出すと、高速用リング34はピストンロッド70aに押されて高速用リング33と離れる方向に移動し、そして高速用リング33はピストンロッド70aからの反力を受け高速用リング34と離れる方向に高速用リング34の移動量と同じ分だけ移動するので、対をなす高速用リング33,34は、それらの軸線方向に互いに対称に離間する。また、油圧シリンダ70がピストンロッド70aを引き入れると、高速用リング34はピストンロッド70aに引かれて高速用リング33に接近する方向に移動し、そして高速用リング33はピストンロッド70aからの反力を受け高速用リング34に接近する方向に移動するので、対をなす高速用リング33,34は、それらの軸線方向に互いに対称に接近する。なお、油圧シリンダ70としては、自動変速装置に通常用いられる環状の油圧シリンダを用いることができる。また、第5実施形態では、高速用リング33に油圧シリンダ70を配設したが、もう一方の高速用リング34に配設することもできる。
第5実施形態の摩擦伝動変速装置にあっては、高速時およびオーバドライブ時において、高速用リング33,34がピニオンローラ11から受ける押付け力は、それぞれスラスト方向(軸線方向)に対称であることから、押付け力のスラスト方向成分は互いにキャンセルされる。また、ピニオンローラ11は入力軸90の周囲に等間隔に複数あるので、上記押付け力の半径方向成分はケース100には伝達されず、高速用リング33,34のそれぞれが受けてキャンセルさせることになる。従って、ケース100は、ピニオンローラ11からの押し付け力の反力をスラスト方向にも半径方向にも受けないので、その構造をより簡単にすることができ、ひいては摩擦伝動変速装置の大きさをよりコンパクトにすることができる。
なお、上述したところは、本発明の例を示したにすぎず、本発明は、特許請求の範囲の記載範囲内において種々変更を加えることができる。また、本発明は、インホイールモータ以外にも用いることができる。
本発明の摩擦伝動変速装置によれば、多板式クラッチを必要としないことからその軸線方向寸法が短く、減速機付きモータに使用した場合、モータと摩擦伝動変速装置との全体を小型化することができ、充分な減速比と変速機能を兼ね備え、インホイールモータに好適に使用することができる。また、無段変速装置でないため、転動面が連続していないので、小型化にさらに有利である。
10,11 ピニオンローラ
10a,10b,11a,11b 動力伝達面
20,21,24サンローラ
20a,21a,24a 動力伝達面
22 オーバドライブ用サンローラ
22a 動力伝達面
23 推力カムを有するサンローラ
23a 動力伝達面
23b サンローラ本体
23c カムプレート
23d スラスト力負荷ボール
30,32 低速用リング(リング)
30a,32a 動力伝達面
30b,31b 中空部
32b,33b 貫通穴
31,33,34 高速用リング(リング)
31a,32a,33a,34a 動力伝達面
40 キャリア
41 リニアアクチュエータ
70 油圧シリンダ(対をなすリングのうちの一方のリングの、他方のリングに対向する面と反対の面に配設されるアクチュエータ)
70a ピストンロッド(ロッド)
90 入力軸
95 出力軸
100 ケース

Claims (7)

  1. 遊星ローラ機構を構成するよう配置されたローラの動力伝達面を互いに押圧接触させ、その接触部に生じる摩擦伝達力によって動力を伝達する摩擦伝動変速装置において、
    径の異なる複数の動力伝達面を有するピニオンローラと、
    前記ピニオンローラの前記複数の動力伝達面のそれぞれに対応する、サンローラおよびリングの少なくとも一方と、を備え
    前記ピニオンローラの前記複数の動力伝達面のうち少なくとも1つを、前記サンローラの動力伝達面と前記リングの動力伝達面との両方と接触可能とし、
    前記ピニオンローラの前記複数の動力伝達面と前記サンローラおよび前記リングの少なくとも一方の動力伝達面とを選択的に押圧接触させて動力を伝達することを特徴とする摩擦伝動変速装置。
  2. 前記動力伝達面のうち少なくとも一つは円錐形状を有し、前記ピニオンローラ、サンローラおよびリングのうちその円錐形状の動力伝達面を有する部材をその軸線方向へ移動させることで、押圧接触させる動力伝達面を選択することを特徴とする、請求項1に記載の摩擦伝動変速装置。
  3. 前記ピニオンローラが、前記遊星ローラ機構の半径方向に移動可能にキャリアに支持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の摩擦伝動変速装置。
  4. 前記円錐形状の動力伝達面を有する前記サンローラが、伝達トルクに応じて軸線方向の力を発生する推力カムを有することを特徴とする、請求項2または3に記載の摩擦伝動変速装置。
  5. 前記円錐形状の動力伝達面を、それらの動力伝達面の軸線方向に対称となるように、対にして配置したことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の摩擦伝動変速装置。
  6. 前記対にした円錐形状の動力伝達面を有する、対をなす前記サンローラまたは対をなす前記リングをそれらの軸線方向に互いに対称に移動させる摺動機構を有し、前記ピニオンローラの、前記遊星ローラ機構を格納するケースに対する軸線方向の移動を規制することを特徴とする、請求項5に記載の摩擦伝動変速装置。
  7. 前記対をなすリングをそれらの軸線方向に互いに対称に移動させる摺動機構が、前記対をなすリングのうちの一方のリングの、他方のリングに対向する面と反対の面に配設されるアクチュエータを有し、
    該アクチュエータが有するロッドを、前記一方のリングに配設した貫通穴に挿通し、前記ロッドの先端を、前記他方のリングの、前記一方のリングに対向する面に固定して、前記ロッドを押し出すことで前記対をなすリングをそれらの軸線方向に互いに対称に離間させ、前記ロッドを引き入れることで前記対をなすリングをそれらの軸線方向に互いに対称に接近させることを特徴とする、請求項6に記載の摩擦伝動変速装置。
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JP2015086990A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 日本電産シンポ株式会社 トラクション動力伝達装置

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