JP2015086990A - トラクション動力伝達装置 - Google Patents

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    • F16H13/08Gearing for conveying rotary motion with constant gear ratio by friction between rotary members with members having orbital motion with balls or with rollers acting in a similar manner

Abstract

【課題】トラクション動力伝達装置では、遊星ローラと遊星軸部材との間の微小なバックラッシュを低減する。【解決手段】各遊星ローラ44とインターナルリング5との第1接触点61と、各遊星ローラ44と太陽ローラ33との第2接触点62とは、各遊星ローラ44を支持する遊星軸部材43の中心軸である遊星軸J2が向く遊星軸J2方向に関して異なる位置に位置し、各遊星ローラ44について、遊星軸J2と第1接触点61と第2接触点62とを含む面による断面において、インターナルリング5から各遊星ローラ44に作用する第1押圧力を示す第1押圧力ベクトルV1が、第1接触点61と第2接触点62とを結ぶ直線に対して一方側に傾斜し、太陽ローラ33から各遊星ローラ44に作用する第2押圧力を示す第2押圧力ベクトルV2が、当該直線に対して他方側に傾斜する。【選択図】図1

Description

本発明は、トラクション動力伝達装置に関する。
従来より、減速機や増速機として、歯数が異なる複数の歯車を噛み合わせる構造を有する歯車伝達機構が利用されている。歯車伝達機構では、歯車の回転を滑らかにするために、歯車同士の噛み合わせ部に機械的隙間(バックラッシュ)が設けられる。当該バックラッシュは、例えば、歯車を反転させた際に振動や騒音の原因となる。
一方、特開2010−14268号公報、特開2009−138927号公報、特開平11−63130号公報、および、実開平4−13854号公報では、減速機や増速機に利用されるトラクション動力伝達装置が開示されている。特開2010−14268号公報のトラクション動力伝達装置は、太陽ローラと、複数の減速ローラと、複数の軸部材と、押圧部材と、を含む。複数の減速ローラは、太陽ローラの周面に沿って配置される。複数の減速ローラは、複数の軸部材により回転自在に支持される。押圧部材は、圧縮コイルバネの反発力により、複数の減速ローラを軸部材に沿って押圧する。これにより、各減速ローラが軸部材に沿ってスライドし、各減速ローラの周面が太陽ローラの周面に押し付けられる。トラクション動力伝達装置では、複数の歯車を噛み合わせる歯車伝達機構に比べ、バックラッシュによる振動や騒音が低減される。
特開2010−14268号公報 特開2009−138927号公報 特開平11−63130号公報 実開平4−13854号公報
ところで、トラクション動力伝達装置では、遊星ローラと遊星軸部材との間に微小なバックラッシュが存在する。精密加工機や3D測定装置等に利用されるトラクション動力伝達装置では、高精度の動力伝達を実現するために、例えば、バックラッシュを10秒以下に低減することが求められる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、トラクション動力伝達装置において、バックラッシュを低減することを目的としている。
本発明の例示的なトラクション動力伝達装置は、ケーシングと、中心軸を中心として前記ケーシングにより回転可能に支持される第1回転組立体と、前記中心軸を中心として前記ケーシングにより回転可能に支持され、前記第1回転組立体との間でトラクションによる動力伝達を行う第2回転組立体と、前記第2回転組立体の径方向外側にて前記ケーシングに接続される環状のインターナルリングと、を備え、前記第1回転組立体は、前記中心軸が中心に位置する第1回転軸部材と、前記ケーシング内にて前記第1回転軸部材と共に回転する太陽ローラと、を備え、前記第2回転組立体は、前記ケーシング内にて前記太陽ローラの径方向外側にて周方向に配置され、それぞれが前記中心軸に沿う方向を向く複数の遊星軸部材と、前記ケーシング内にて前記複数の遊星軸部材を介して回転可能に支持され、それぞれの外周面が前記太陽ローラの外周面および前記インターナルリングの内周面に接する複数の遊星ローラと、前記複数の遊星軸部材を支持する遊星キャリアと、前記遊星キャリアに接続されるとともに前記中心軸が中心に位置する第2回転軸部材と、を備え、前記インターナルリングの径方向への弾性変形を利用して、前記複数の遊星ローラは前記太陽ローラに向けて押圧され、各遊星ローラと前記インターナルリングとの第1接触点と、前記各遊星ローラと前記太陽ローラとの第2接触点とは、前記各遊星ローラを支持する遊星軸部材の中心軸である遊星軸が向く遊星軸方向に関して異なる位置に位置し、前記各遊星ローラについて、前記遊星軸と前記第1接触点と前記第2接触点とを含む面による断面において、前記インターナルリングから前記各遊星ローラに作用する第1押圧力を示す第1押圧力ベクトルが、前記第1接触点と前記第2接触点とを結ぶ直線に対して一方側に傾斜し、前記太陽ローラから前記各遊星ローラに作用する第2押圧力を示す第2押圧力ベクトルが、前記直線に対して他方側に傾斜する。
本発明によれば、バックラッシュを低減することができる。
図1は、第1の実施形態に係るトラクション動力伝達装置の縦断面図である。 図2は、遊星ローラおよびその近傍の部位を拡大して示す縦断面図である。 図3は、遊星ローラおよびその近傍の部位を拡大して示す横断面図である。 図4は、遊星ローラおよびその近傍の部位を拡大して示す横断面図である。 図5は、第2の実施形態に係るトラクション動力伝達装置の縦断面図である。 図6は、他のトラクション動力伝達装置の縦断面図である。 図7は、他のトラクション動力伝達装置の縦断面図である。 図8は、他のトラクション動力伝達装置の縦断面図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の例示的な第1の実施形態に係るトラクション動力伝達装置1の構成を示す縦断面図である。図1では、トラクション動力伝達装置1の中心軸J1を含む面による断面を示す。トラクション動力伝達装置1は、例えば、精密加工機または3D測定装置等において減速機または増速機として利用される。
トラクション動力伝達装置1は、ケーシング2と、第1回転組立体3と、第2回転組立体4と、インターナルリング5と、を含む。ケーシング2は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。ケーシング2は、第1ケーシング21と、第2ケーシング22と、を含む。第1ケーシング21は、図1中における上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円筒状である。第2ケーシング22は、中心軸J1を中心とする略円筒状である。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿って第1ケーシング21側を上側、第2ケーシング22側を下側として説明するが、中心軸J1の向きは必ずしも重力方向と一致する必要はない。また、以下の説明では、中心軸J1が向く方向である上下方向を、「軸方向」とも呼ぶ。
第1ケーシング21は、第2ケーシング22の上側に配置され、複数のボルト23により第2ケーシング22に接続される。複数のボルト23は、中心軸J1を中心とする周方向に、略等角度間隔にて配置される。なお、図1では、複数のボルト23のうち、1つのボルト23のみを図示する。また、以下の説明では、中心軸J1を中心とする周方向を、単に「周方向」という。
第1回転組立体3は、第1回転軸部材31と、第1接続部32と、太陽ローラ33と、を含む。第1回転軸部材31、第1接続部32および太陽ローラ33はそれぞれ、中心軸J1が中心に位置する略円筒状または略円柱状である。換言すれば、第1回転軸部材31、第1接続部32および太陽ローラ33は同軸上に配置される。
第1回転軸部材31は、第1ケーシング21の上面から上方に向かってケーシング2の外側へと突出する。第1接続部32は、第1回転軸部材31の下端部に接続される。太陽ローラ33は、第1回転軸部材31の下端部に接続される。第1接続部32および太陽ローラ33は、ケーシング2の内部に配置される。すなわち、太陽ローラ33は、ケーシング2内にて第1接続部32を介して第1回転軸部材31に間接的に接続される。なお、太陽ローラ33は、第1回転軸部材31に直接的に接続されてもよく、第1回転軸部材31と一繋がりの部材であってもよい。
第1接続部32の外周面と第1ケーシング21との間には、第1軸受機構24が設けられる。第1軸受機構24は、第1接続部32に対して、中心軸J1を中心とする径方向の外側に位置する。以下の説明では、中心軸J1を中心とする径方向を、単に「径方向」という。第1接続部32は、第1軸受機構24を介して、第1ケーシング21に対して回転可能に支持される。これにより、第1回転組立体3が、中心軸J1を中心としてケーシング2により回転可能に支持される。第1軸受機構24は、例えば、ボールベアリングである。第1軸受機構24として、ボールベアリング以外の様々な軸受機構が利用されてよい。
第2回転組立体4は、第2回転軸部材41と、遊星キャリア42と、複数の遊星軸部材43と、複数の遊星ローラ44と、を含む。第2回転軸部材41は、中心軸J1が中心に位置する略円筒状または略円柱状である。第2回転軸部材41は、第2ケーシング22の下面から下方に向かってケーシング2の外側へと突出する。換言すれば、第2回転軸部材41は、軸方向に関して第1回転軸部材31とは反対側にてケーシング2から突出する。遊星キャリア42、複数の遊星軸部材43、および、複数の遊星ローラ44は、ケーシング2内に配置される。
遊星キャリア42は、第2接続部421と、遊星支持部422と、を含む。第2接続部421は、中心軸J1が中心に位置する略円筒状または略円柱状である。遊星支持部422は、中心軸J1が中心に位置する略円板状である。第2接続部421と遊星支持部422とは、一繋がりの部材である。遊星支持部422の上面は、太陽ローラ33の先端部である下端部と対向する。第2接続部421は、遊星支持部422の下側に位置する。遊星キャリア42の第2接続部421の下端部には、第2回転軸部材41が接続される。第2回転軸部材41および遊星キャリア42は、中心軸J1を中心として同軸上に配置される。
第2接続部421の外周面と第2ケーシング22との間、および、遊星支持部422の外周面と第2ケーシング22との間には、第2軸受機構25が設けられる。第2軸受機構25は、遊星キャリア42の径方向外側に位置する。遊星キャリア42は、第2軸受機構25を介して、第2ケーシング22に対して回転可能に支持される。これにより、第2回転組立体4が、中心軸J1を中心としてケーシング2により回転可能に支持される。第2軸受機構25は、例えば、ボールベアリングである。第2軸受機構25として、ボールベアリング以外の様々な軸受機構が利用されてよい。
遊星キャリア42の遊星支持部422は、複数の遊星軸部材43を下方から支持する。換言すれば、複数の遊星軸部材43は、遊星支持部422の上面から上方に向かって突出する。複数の遊星軸部材43は、太陽ローラ33の径方向外側にて、周方向に等角度間隔に配置される。図1に示す例では、3つの遊星軸部材43が、周方向に120°間隔にて配列される。図1では、複数の遊星軸部材43のうち、1つの遊星軸部材43のみを図示する。遊星ローラ44についても同様である。
複数の遊星軸部材43はそれぞれ、中心軸J1に沿う方向を向く略円柱状である。以下の説明では、各遊星軸部材43の中心軸を「遊星軸J2」と呼ぶ。また、遊星軸J2が向く方向を「遊星軸方向」という。上述の「中心軸J1に沿う方向」とは、中心軸J1が向く軸方向におよそ平行な方向を意味しており、軸方向に厳密に平行である必要はない。すなわち、各遊星軸部材43の遊星軸J2は、中心軸J1に平行であってもよく、中心軸J1に対して小さい角度だけ傾斜してもよい。複数の遊星軸部材43は、互いに同様の形状を有し、同じ大きさである。好ましくは、複数の遊星軸部材43はそれぞれ、中心軸J1に対して傾斜しており、遊星キャリア42の遊星支持部422から離れるに従って径方向外方へと向かう。各遊星軸部材43について、遊星軸J2と中心軸J1との成す角度、すなわち、遊星軸J2および中心軸J1を含む仮想面における当該角度は、例えば、0.5°である。
トラクション動力伝達装置1では、遊星支持部422の上面に、下方に向かう複数の穴が設けられる。遊星支持部422の各穴に遊星軸部材43の下部が挿入されることにより、複数の遊星軸部材43が遊星支持部422に接続される。各遊星軸部材43は、遊星支持部422に対して回転不能に固定される。各遊星軸部材43の遊星支持部422から上方に突出する部位は、軸方向に関して太陽ローラ33とおよそ同じ位置に位置する。
複数の遊星ローラ44はそれぞれ、ケーシング2内にて複数の遊星軸部材43を介して支持される。図1に示す例では、3つの遊星ローラ44が、3つの遊星軸部材43を介して支持される。各遊星ローラ44は、遊星軸部材43の周囲に位置する略円筒状である。複数の遊星ローラ44は、互いに同様の形状を有し、同じ大きさである。遊星ローラ44の内周面と遊星軸部材43の外周面との間には、遊星軸受機構45が設けられる。遊星軸受機構45は、例えば、ニードルベアリングである。遊星軸受機構45として、ニードルベアリング以外の様々な軸受機構が利用されてよい。各遊星ローラ44は、遊星軸受機構45を介して、遊星軸部材43をおよそ中心として遊星軸部材43により回転可能に支持される。
複数の遊星ローラ44のそれぞれの外周面は、太陽ローラ33の外周面に接する。詳細には、各遊星ローラ44と太陽ローラ33との間には微小間隙が存在し、当該微小間隙には、ケーシング2内に充填された潤滑油が存在する。各遊星ローラ44の外周面は、潤滑油の油膜を介して、太陽ローラ33の外周面に間接的に接する。
インターナルリング5は、中心軸J1が中心に位置する環状の部材である。インターナルリング5は、第2回転組立体4の径方向外側にてケーシング2に接続される。インターナルリング5は、軸方向に関して複数の太陽ローラ33の上部と、およそ同じ位置に位置する。換言すれば、インターナルリング5は、複数の太陽ローラ33の上部の径方向外側に位置する。インターナルリング5は、第1ケーシング21と第2ケーシング22との間に挟まれることにより、ケーシング2に回転不能に固定される。詳細には、第1ケーシング21と第2ケーシング22とを互いに固定するボルト23を締めることにより、第1ケーシング21と第2ケーシング22との間の距離が小さくなり、インターナルリング5が第1ケーシング21と第2ケーシング22との間に挟まれて固定される。
インターナルリング5は、好ましくは、内周部51と、2つの支持部52と、を含む。内周部51は、中心軸J1が中心に位置する環状である。図1に示す例では、内周部51は、中心軸J1が中心に位置する略円筒状である。2つの支持部52はそれぞれ、中心軸J1が中心に位置する略円環板状である。2つの支持部52は、内周部51の上端部および下端部から、中心軸J1に略垂直に径方向外側に拡がる。換言すれば、2つの支持部52は、中心軸J1を含む面による断面において、内周部51の軸方向両側の端部から径方向外側に拡がる。上側の支持部52は、第1ケーシング21に接し、下側の支持部52は、第2ケーシング22に接する。
複数の遊星ローラ44のそれぞれの外周面は、インターナルリング5の内周面に接する。詳細には、各遊星ローラ44とインターナルリング5との間に存在する微小間隙に、ケーシング2内に充填された潤滑油が存在する。各遊星ローラ44の外周面は、潤滑油の油膜を介して、インターナルリング5の内周部51に間接的に接する。インターナルリング5の内周部51は、各遊星ローラ44の外周面に接する内周面を有する。
複数の遊星ローラ44は、インターナルリング5の径方向への弾性変形を利用して、太陽ローラ33に向けて押圧される。詳細には、インターナルリング5の2つの支持部52は、第1ケーシング21と第2ケーシング22とにより挟まれることにより、軸方向に近づけられる。これにより、インターナルリング5がケーシング2に取り付けられた状態において、インターナルリング5の内周部51は、径方向内方に向かって弾性変形している。このように、インターナルリング5の内径が弾性変形により小さくなることにより、インターナルリング5に接する複数の遊星ローラ44は、径方向内側の太陽ローラ33に向けて押圧される。
図1では、各遊星ローラ44とインターナルリング5との接触部である第1接触点61と、各遊星ローラ44と太陽ローラ33との接触部である第2接触点62とを中実の丸印にて示す。また、第1接触点61においてインターナルリング5から各遊星ローラ44に作用する第1押圧力を示す第1押圧力ベクトルV1と、第2接触点62において太陽ローラ33から各遊星ローラ44に作用する第2押圧力を示す第2押圧力ベクトルV2とを矢印にて示す。
各遊星ローラ44の第1接触点61と第2接触点62とは、各遊星ローラ44を支持する遊星軸部材43の中心軸方向である遊星軸方向に関して、異なる位置に位置する。図1に示す例では、第2接触点62は、軸方向に関して第1接触点61よりも遊星キャリア42に近い。また、第2接触点62は、遊星軸方向に関しても第1接触点61よりも遊星キャリア42に近い。第2接触点62は、遊星軸方向に関して、遊星ローラ44の遊星軸方向の中心と遊星ローラ44の下端との間に位置する。第1接触点61は、遊星軸方向に関して、遊星ローラ44の遊星軸方向の中心と遊星ローラ44の上端との間に位置する。
各遊星ローラ44の第1接触点61および第2接触点62において、中心軸J1を含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状は凸である。換言すれば、各遊星ローラ44において、第1接触点61と中心軸J1とを含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状は、遊星軸J2を中心とする径方向において外方に凸である。また、第2接触点62と中心軸J1とを含む面による上記外周面の断面形状は、遊星軸J2を中心とする径方向において外方に凸である。
図1に示す例では、各遊星ローラ44において、遊星軸J2を含む面による外周面の断面形状は、略円弧状である。遊星ローラ44の外径は、遊星ローラ44の遊星軸方向の略中心にて最大である。遊星ローラ44の外径とは、遊星軸J2を中心とする径方向において、各遊星ローラ44の外周面と遊星軸J2との間の距離である。遊星ローラ44の外径は、遊星ローラ44の遊星軸方向の略中心から離れるに従って漸次減少する。
トラクション動力伝達装置1が減速機として利用される場合、高速軸である第1回転軸部材31と共に、第1接続部32および太陽ローラ33が中心軸J1を中心として回転する。換言すれば、第1回転組立体3が、中心軸J1を中心として回転する。太陽ローラ33の回転により、太陽ローラ33と各遊星ローラ44との間の微小間隙に存在する潤滑油にトラクションが発生する。当該トラクションにより、各遊星ローラ44は、遊星軸J2を中心として回転する。各遊星ローラ44の遊星軸J2を中心とする回転により、各遊星ローラ44とインターナルリング5との間の微小間隙に存在する潤滑油にトラクションが発生する。インターナルリング5はケーシング2に固定されているため、当該トラクションにより、複数の遊星ローラ44は中心軸J1を中心として回転する。
以下の説明では、各遊星ローラ44の遊星軸J2を中心とする回転を「自転」と呼び、複数の遊星ローラ44の中心軸J1を中心とする回転を「公転」と呼ぶ。上述のように、遊星キャリア42は、複数の遊星軸部材43を介して複数の遊星ローラ44に接続され、低速軸である第2回転軸部材41は遊星キャリア42に接続される。このため、複数の遊星ローラ44の公転に伴い、遊星キャリア42および第2回転軸部材41も、中心軸J1を中心として回転する。すなわち、第2回転組立体4が中心軸J1を中心として回転する。
トラクション動力伝達装置1が増速機として利用される場合は、減速機として利用される場合とは反対に、第2回転組立体4の第2回転軸部材41、遊星キャリア42および複数の遊星ローラ44が中心軸J1を中心として回転する。各遊星ローラ44は、公転時にインターナルリング5との間に発生するトラクションにより自転する。各遊星ローラ44の自転により、各遊星ローラ44と太陽ローラ33との間にトラクションが発生する。そして、当該トラクションにより、第1回転組立体3の太陽ローラ33、第1接続部32および第1回転軸部材31が、中心軸J1を中心として回転する。
このように、トラクション動力伝達装置1が減速機として利用される場合も、増速機として利用される場合も、第1回転組立体3と第2回転組立体4との間で、トラクションによる動力伝達が行われる。
図2は、1つの遊星ローラ44、および、その近傍の部位を拡大して示す縦断面図である。図3および図4は、1つの遊星ローラ44、および、その近傍の部位を拡大して示す横断面図である。図2では、中心軸J1に対する遊星軸J2の傾斜を実際よりも大きく描いている。また、図3および図4では、遊星ローラ44および遊星軸部材43のみに平行斜線を付す。
図2に示すように、各遊星ローラ44の第1接触点61と第2接触点62とは、遊星軸方向に関して異なる位置に位置する。これにより、各遊星ローラ44の中心軸J3が、遊星軸部材43の中心軸である遊星軸J2に対して傾く。その結果、遊星ローラ44の内周面の上端部441および下端部442の一方が、遊星軸部材43の外周面のうち、中心軸J1を中心とする径方向の外側の部位に、遊星軸受機構45を介して押圧される。また、遊星ローラ44の内周面の上端部441および下端部442の他方が、遊星軸部材43の外周面のうち、中心軸J1を中心とする径方向の内側の部位に、遊星軸受機構45を介して押圧される。
図2に示す例では、遊星ローラ44の内周面の上端部441が、図3に示すように、遊星軸部材43の外周面のうち、中心軸J1を中心とする径方向の外側の部位に、遊星軸受機構45を介して押圧される。また、遊星ローラ44の内周面の下端部442が、図4に示すように、遊星軸部材43の外周面のうち、中心軸J1を中心とする径方向の内側の部位に、遊星軸受機構45を介して押圧される。図2では、遊星ローラ44の遊星軸部材43に対する傾きを、実際によりも大きく描いている。図3および図4では、遊星軸部材43の中心軸である遊星軸J2と遊星ローラ44の中心軸J3とのずれを、実際よりも大きく描いている。また、図3および図4では、第1接触点61における第1押圧力ベクトルV1、および、第2接触点62における第2押圧力ベクトルV2を描いている。
トラクション動力伝達装置1では、上述のように、遊星ローラ44が遊星軸部材43に対して傾斜することにより、遊星軸部材43と自転中の遊星ローラ44との間のバックラッシュを低減することができる。図2に示す例では、遊星ローラ44の上端部441において、遊星軸部材43の径方向外側の部位と遊星ローラ44との間のバックラッシュを低減することができる。また、遊星ローラ44の下端部442において、遊星軸部材43の径方向内側の部位と遊星ローラ44との間のバックラッシュを低減することができる。
図2では、遊星軸J2と第1接触点61と第2接触点62とを含む面による遊星ローラ44の断面を示す。各遊星ローラ44について、当該断面における第1押圧力ベクトルV1は、当該断面において第1接触点61と第2接触点62とを結ぶ仮想的な直線L1に対して一方側に傾斜する。また、各遊星ローラ44について、当該断面における第2押圧力ベクトルV2は、当該断面において上記直線L1に対して他方側に傾斜する。図2に示す例では、第1押圧力ベクトルV1は直線L1に対して上側に傾斜し、第2押圧力ベクトルV2は直線L1に対して下側に傾斜する。第1押圧力ベクトルV1と、第2押圧力ベクトルV2とは、略平行である。
このように、各遊星ローラ44では、第1押圧力ベクトルV1と第2押圧力ベクトルV2とは、第1接触点61と第2接触点62とを結ぶ直線L1を挟んで互いに逆向きに傾斜する。これにより、第1押圧力ベクトルV1の遊星軸J2に垂直な方向の成分と、第2押圧力ベクトルV2の遊星軸J2に垂直な方向の成分とを大きくすることができる。また、上述のように、第1接触点61と第2接触点62とは、遊星軸方向に関し、遊星ローラ44の遊星軸方向の中心を挟んで互いに反対側に位置する。これにより、第1押圧力および第2押圧力により遊星ローラ44に作用する傾斜モーメント、すなわち、遊星ローラ44を遊星軸部材43に対して傾斜させる向きに作用するモーメントを大きくすることができる。換言すれば、第1押圧力および第2押圧力を、遊星ローラ44を傾斜させるために効率良く利用することができる。
図2に示す例では、第1押圧力ベクトルV1の遊星軸方向成分と、第2押圧力ベクトルV2の遊星軸方向成分とは、反対方向を向く。遊星軸方向成分とは、遊星軸J2に平行な方向の成分である。詳細には、第1押圧力ベクトルV1の遊星軸方向成分は下側を向き、第2押圧力ベクトルV2の遊星軸方向成分は上側を向く。このように、両押圧ベクトルの遊星軸方向成分が反対方向を向くことにより、第1押圧力により遊星軸部材43に作用する軸方向の力と、第2押圧力により遊星軸部材43に作用する軸方向の力とが相殺する。これにより、遊星軸部材43に作用する軸方向の力が小さくなる。このため、遊星軸部材43と遊星ローラ44との間の遊星軸受機構45の負荷が小さくなる。その結果、遊星ローラ44を介した動力の伝達効率を向上することができる。
上述のように、インターナルリング5がケーシング2に取り付けられた状態において、インターナルリング5の2つの支持部52が軸方向に近づけられることにより、内周部51が径方向内方に向かって弾性変形している。このように、トラクション動力伝達装置1では、簡素な構造のインターナルリング5により、各遊星ローラ44を太陽ローラ33に向けて押圧することができる。また、遊星ローラ44の押圧に弦巻バネ等を利用する場合に比べて、弦巻バネ等によるバックラッシュを避けることができる。その結果、トラクション動力伝達装置1におけるバックラッシュを低減することができる。
トラクション動力伝達装置1が組み立てられる際には、上述のボルト23が締められることにより、インターナルリング5の内周部51が径方向内方に向かって徐々に弾性変形し、遊星軸部材43がそれぞれ挿入された複数の遊星ローラ44が、径方向内方に向けて押圧される。トラクション動力伝達装置1の組み立て完了前の状態、すなわち、第1ケーシング21と第2ケーシング22とを接続するボルト23が完全に締められる前の状態では、各遊星ローラ44は遊星軸J2に対して遊星軸方向に可動である。上述のように、複数の遊星軸部材43はそれぞれ、遊星キャリア42から離れるに従って径方向外方へと向かう。このため、遊星ローラ44は、インターナルリング5により径方向内方に向けて押圧されることにより、遊星軸部材43に沿って遊星キャリア42に僅かに近づきつつ径方向内方に僅かに移動する。遊星ローラ44が径方向内方に移動すると、太陽ローラ33から遊星ローラ44に作用する径方向外方に向かう押圧力が大きくなる。遊星ローラ44は、遊星軸部材43に沿って僅かに移動し、インターナルリング5からの径方向内方に向かう押圧力と、太陽ローラ33からの径方向外方に向かう押圧力とが釣り合う位置に配置される。
トラクション動力伝達装置1では、遊星軸部材43が、遊星キャリア42から離れるに従って径方向外方へと向かって傾斜することにより、遊星ローラ44の遊星軸方向の位置を容易に決定することができる。換言すれば、遊星軸部材43への遊星ローラ44の取り付けを容易とすることができる。また、各遊星ローラ44における第2接触点62が、軸方向に関して第1接触点61よりも遊星キャリア42に近いため、遊星軸部材43への遊星ローラ44の取り付けを、さらに容易とすることができる。
上述のように、各遊星ローラ44の第1接触点61において、中心軸J1を含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状は凸である。第1接触点61では、必ずしも遊星ローラ44の外周面の断面形状は凸である必要はなく、中心軸J1を含む面によるインターナルリング5の内周面の断面形状が凸であってもよい。換言すれば、各遊星ローラ44の第1接触点61では、中心軸J1を含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状、および、中心軸J1を含む面によるインターナルリング5の内周面の断面形状のうち、少なくとも一方の断面形状が凸である。これにより、遊星ローラ44が遊星軸方向に僅かに移動する場合等、遊星ローラ44の外周面上における第1接触点61の位置、および、インターナルリング5の内周面上における第1接触点61の位置を滑らかに変化させることができる。
また、トラクション動力伝達装置1では、各遊星ローラ44の第2接触点62において、中心軸J1を含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状は凸である。第2接触点62では、必ずしも遊星ローラ44の外周面の断面形状は凸である必要はなく、中心軸J1を含む面による太陽ローラ33の外周面の断面形状が凸であってもよい。換言すれば、各遊星ローラ44の第2接触点62では、中心軸J1を含む面による各遊星ローラ44の外周面の断面形状、および、中心軸J1を含む面による太陽ローラ33の外周面の断面形状のうち、少なくとも一方の断面形状が凸である。これにより、遊星ローラ44が遊星軸方向に僅かに移動する場合等、遊星ローラ44の外周面上における第2接触点62の位置、および、太陽ローラ33の外周面上における第2接触点62の位置を滑らかに変化させることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の例示的な第2の実施形態に係るトラクション動力伝達装置1aの縦断面図である。図5では、トラクション動力伝達装置1aの中心軸J1を含む面による断面を示す。トラクション動力伝達装置1aは、図1に示す遊星ローラ44とは形状が異なる複数の遊星ローラ44aを含む。トラクション動力伝達装置1aは、また、図1に示すインターナルリング5とは形状が異なるインターナルリング5aを含む。トラクション動力伝達装置1aの他の構造は、トラクション動力伝達装置1と同様である。以下、同様の構成には同符号を付す。
各遊星ローラ44aは、遊星ローラ44と同様に、第1接触点61にてインターナルリング5aの内周面と接し、第2接触点62にて太陽ローラ33の外周面と接する。各遊星ローラ44aの第1接触点61と第2接触点62とは、各遊星ローラ44aを支持する遊星軸部材43の中心軸方向である遊星軸方向に関して、異なる位置に位置する。トラクション動力伝達装置1aでは、トラクション動力伝達装置1と同様に、遊星ローラ44aが遊星軸部材43に対して傾斜することにより、遊星軸部材43と自転中の遊星ローラ44aとの間のバックラッシュを低減することができる。
トラクション動力伝達装置1aでは、トラクション動力伝達装置1と同様に、各遊星ローラ44aについて、遊星軸J2と第1接触点61と第2接触点62とを含む面による遊星ローラ44aの断面における第1押圧力ベクトルV1が、当該断面において第1接触点61と第2接触点62とを結ぶ仮想的な直線L1に対して一方側に傾斜する。各遊星ローラ44aについて、当該断面における第2押圧力ベクトルV2は、当該断面において上記直線L1に対して他方側に傾斜する。これにより、第1押圧力ベクトルV1の遊星軸J2に垂直な方向の成分と、第2押圧力ベクトルV2の遊星軸J2に垂直な方向の成分とを大きくすることができる。
また、第1接触点61と第2接触点62とは、遊星軸方向に関し、遊星ローラ44aの遊星軸方向の中心を挟んで互いに反対側に位置する。これにより、第1押圧力および第2押圧力により遊星ローラ44aに作用する傾斜モーメント、すなわち、遊星ローラ44aを遊星軸部材43に対して傾斜させる向きに作用するモーメントを大きくすることができる。換言すれば、第1押圧力および第2押圧力を、遊星ローラ44aを傾斜させるために効率良く利用することができる。
第1接触点61における各遊星ローラ44aの外径は、第2接触点62における各遊星ローラ44aの外径よりも小さい。これにより、第1回転軸部材31の回転数に対する第2回転軸部材41の回転数の割合を小さくすることができる。すなわち、トラクション動力伝達装置1aが減速機として利用される場合、トラクション動力伝達装置1aの減速比を大きくすることができる。また、トラクション動力伝達装置1aが増速機として利用される場合、トラクション動力伝達装置1aの増速比を大きくすることができる。
上記トラクション動力伝達装置1,1aでは、様々な変更が可能である。
インターナルリング5,5aは、必ずしも第1ケーシング21と第2ケーシング22とにより挟まれることにより弾性変形して遊星ローラ44,44aを押圧する必要はない。インターナルリング5,5aは、例えば、力を加えて弾性変形させることにより内径を大きくした後、複数の遊星ローラ44,44aの径方向外側に配置されて力が解除される。これにより、インターナルリング5,5aが径方向内方に向かって弾性変形し、複数の遊星ローラ44,44aが太陽ローラ33に向けて押圧される。インターナルリング5,5aは、また、焼き嵌めにより複数の遊星ローラ44,44aに嵌められてもよい。この場合、インターナルリング5,5aのうち複数の遊星ローラ44,44aに接する部位が弾性変形し、複数の遊星ローラ44,44aが太陽ローラ33に向けて押圧される。このように、トラクション動力伝達装置1,1aでは、複数の遊星ローラ44,44aは、インターナルリング5,5aの径方向への弾性変形を利用して太陽ローラ33に向けて押圧される。
図6は、トラクション動力伝達装置の他の好ましい例を示す断面図である。図6に示すトラクション動力伝達装置1bは、図1に示すインターナルリング5とは形状が異なるインターナルリング5bを含む。インターナルリング5bは、中心軸J1を中心とする略円筒状の円筒部55と、中心軸J1を中心とする略円環板状の円環板部56と、を含む。円環板部56は、円筒部55の下端部から径方向内方に拡がる。円筒部55の下部と円環板部56とは、第2ケーシング22に固定される。そして、円筒部55の上部の径方向への弾性変形を利用して、複数の遊星ローラ44が太陽ローラ33に向けて押圧される。
図7および図8は、トラクション動力伝達装置の他の好ましい例を示す断面図である。図7および図8では、ケーシングの図示を省略する。図7に示すトラクション動力伝達装置1c、および、図8に示すトラクション動力伝達装置1dにおいても、図1に示すトラクション動力伝達装置1と同様に、各遊星ローラ44,44bの第1接触点61と第2接触点62とは、遊星軸方向に関して異なる位置に位置する。図7および図8に示す例では、第1接触点61は、軸方向に関して第2接触点62よりも遊星キャリア42に近い。図8に示すトラクション動力伝達装置1dでは、遊星ローラ44bの上部および下部の外径が、遊星ローラ44bの遊星軸方向の中心から離れるに従って漸次減少する。したがって、遊星軸J2を含む遊星ローラ44bの断面において、遊星ローラ44b上部の外側面、および、遊星ローラ44b下部の外側面は、遊星軸J2に対して傾斜する傾斜面である。遊星ローラ44bでは、第1接触点61および第2接触点62は、当該傾斜面上に位置する。
トラクション動力伝達装置1c,1dでは、遊星軸J2と第1接触点61と第2接触点62とを含む面による遊星ローラ44,44bの断面において、第1押圧力ベクトルV1は、第1接触点61と第2接触点62とを結ぶ仮想的な直線L1に対して一方側に傾斜する。また、当該断面における第2押圧力ベクトルV2は、当該断面において上記直線L1に対して他方側に傾斜する。図7および図8に示す例では、第1押圧力ベクトルV1は直線L1に対して下側に傾斜し、第2押圧力ベクトルV2は直線L1に対して上側に傾斜する。第1押圧力ベクトルV1と、第2押圧力ベクトルV2とは、略平行である。
トラクション動力伝達装置1c,1dでは、トラクション動力伝達装置1と同様に、遊星ローラ44,44bが遊星軸部材43に対して傾斜することにより、遊星軸部材43と自転中の遊星ローラ44,44bとの間のバックラッシュを低減することができる。また、第1押圧力および第2押圧力を、遊星ローラ44,44bを傾斜させるために効率良く利用することができる。
上述のトラクション動力伝達装置では、第1回転軸部材31および第2回転軸部材41は、ケーシング2内に配置されてもよい。第1回転軸部材31と第2回転軸部材41とは、必ずしも、ケーシング2から互いに反対向きに突出する必要はなく、例えば、第1回転軸部材31および第2回転軸部材41のうち一方の部材が中空であり、他方の部材が当該一方の部材の径方向内側に位置してもよい。
第1回転組立体3では、第1接続部32以外の部位、例えば、第1回転軸部材31が第1軸受機構24を介してケーシング2により回転可能に支持されてもよい。第2回転組立体4では、遊星キャリア42以外の部位、例えば、第2回転軸部材41が第2軸受機構25を介してケーシング2により回転可能に支持されてもよい。
第2回転組立体4では、遊星ローラ44が遊星軸部材43に固定され、遊星軸部材43と遊星キャリア42との間に遊星軸受機構45が設けられてもよい。換言すれば、遊星ローラ44は、遊星軸部材43および遊星軸受機構45を介して遊星キャリア42により回転可能に支持される。遊星ローラ44は遊星軸部材43と共に回転する。この場合、遊星ローラ44が遊星軸部材43と共に遊星軸受機構45内にて傾斜することにより、遊星キャリア42と自転中の遊星軸部材43および遊星ローラ44との間のバックラッシュを低減することができる。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
本発明に係るトラクション動力伝達装置は、精密加工機や3D測定装置等の様々な装置において減速機または増速機として利用可能である。本発明に係るトラクション動力伝達装置は、また、他の用途に利用することもできる。
1,1a〜1d トラクション動力伝達装置
2 ケーシング
3 第1回転組立体
4 第2回転組立体
5,5a,5b インターナルリング
31 第1回転軸部材
33 太陽ローラ
41 第2回転軸部材
42 遊星キャリア
43 遊星軸部材
44,44a,44b 遊星ローラ
51 内周部
52 支持部
61 第1接触点
62 第2接触点
J1 中心軸
J2 遊星軸
L1 直線
V1 第1押圧力ベクトル
V2 第2押圧力ベクトル

Claims (10)

  1. ケーシングと、
    中心軸を中心として前記ケーシングにより回転可能に支持される第1回転組立体と、
    前記中心軸を中心として前記ケーシングにより回転可能に支持され、前記第1回転組立体との間でトラクションによる動力伝達を行う第2回転組立体と、
    前記第2回転組立体の径方向外側にて前記ケーシングに接続される環状のインターナルリングと、
    を備え、
    前記第1回転組立体は、
    前記中心軸が中心に位置する第1回転軸部材と、
    前記ケーシング内にて前記第1回転軸部材と共に回転する太陽ローラと、
    を備え、
    前記第2回転組立体は、
    前記ケーシング内にて前記太陽ローラの径方向外側にて周方向に配置され、それぞれが前記中心軸に沿う方向を向く複数の遊星軸部材と、
    前記ケーシング内にて前記複数の遊星軸部材を介して回転可能に支持され、それぞれの外周面が前記太陽ローラの外周面および前記インターナルリングの内周面に接する複数の遊星ローラと、
    前記複数の遊星軸部材を支持する遊星キャリアと、
    前記遊星キャリアに接続されるとともに前記中心軸が中心に位置する第2回転軸部材と、
    を備え、
    前記インターナルリングの径方向への弾性変形を利用して、前記複数の遊星ローラは前記太陽ローラに向けて押圧され、
    各遊星ローラと前記インターナルリングとの第1接触点と、前記各遊星ローラと前記太陽ローラとの第2接触点とは、前記各遊星ローラを支持する遊星軸部材の中心軸である遊星軸が向く遊星軸方向に関して異なる位置に位置し、
    前記各遊星ローラについて、前記遊星軸と前記第1接触点と前記第2接触点とを含む面による断面において、前記インターナルリングから前記各遊星ローラに作用する第1押圧力を示す第1押圧力ベクトルが、前記第1接触点と前記第2接触点とを結ぶ直線に対して一方側に傾斜し、前記太陽ローラから前記各遊星ローラに作用する第2押圧力を示す第2押圧力ベクトルが、前記直線に対して他方側に傾斜する、トラクション動力伝達装置。
  2. 前記第1押圧力ベクトルの前記遊星軸方向成分と、前記第2押圧力ベクトルの前記遊星軸方向成分とは、反対方向を向く、請求項1に記載のトラクション動力伝達装置。
  3. 前記第1押圧力ベクトルと、前記第2押圧力ベクトルとは、略平行である、請求項1または2に記載のトラクション動力伝達装置。
  4. 前記各遊星ローラが、前記遊星軸部材に対して前記遊星軸方向に可動である、請求項1ないし3のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  5. 前記各遊星ローラの前記第1接触点において、前記中心軸を含む面による前記各遊星ローラの外周面の断面形状は凸である、または、前記インターナルリングの前記内周面の断面形状は凸である、請求項1ないし4のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  6. 前記各遊星ローラの前記第2接触点において、前記中心軸を含む面による前記各遊星ローラの外周面の断面形状は凸である、または、前記太陽ローラの外周面の断面形状は凸である、請求項1ないし5のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  7. 前記インターナルリングは、
    前記各遊星ローラに接する前記内周面を有する環状の内周部と、
    前記中心軸を含む面による断面において前記内周部の軸方向両側の端部から径方向外側に拡がる2つの支持部と、
    を備え、
    前記インターナルリングが前記ケーシングに取り付けられた状態において、前記2つの支持部が軸方向に近づけられることにより、前記内周部は径方向内方に向かって弾性変形している、請求項1ないし6のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  8. 前記複数の遊星軸部材はそれぞれ、前記遊星キャリアから離れるに従って径方向外方へと向かう、請求項1ないし7のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  9. 前記第2接触点は、軸方向に関して前記第1接触点よりも前記遊星キャリアに近い、請求項1ないし8のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
  10. 前記第1接触点における前記各遊星ローラの外径は、前記第2接触点における前記各遊星ローラの外径よりも小さい、請求項1ないし9のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置。
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