JP2000329206A - トラクション伝動装置 - Google Patents

トラクション伝動装置

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JP2000329206A
JP2000329206A JP11136571A JP13657199A JP2000329206A JP 2000329206 A JP2000329206 A JP 2000329206A JP 11136571 A JP11136571 A JP 11136571A JP 13657199 A JP13657199 A JP 13657199A JP 2000329206 A JP2000329206 A JP 2000329206A
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roller
rings
planetary roller
orbital
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JP11136571A
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Toshio Wakamatsu
俊男 若松
Masahiro Shibuya
正洋 渋谷
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Nidec Drive Technology Corp
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Nidec Shimpo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トラクション伝動に必要とされる押圧装置の構
造を簡単にし、ハイブリッド減速機に容易に組み込める
ようにする。 【解決手段】円筒部5aとその両側の傾斜部5b、5c
で構成された遊星ローラ5が左右両側の軌道リング6
b、6cに挟み込まれ、この軌道りング6cの背面に
は、皿バネ7及びカラー15が軌道リング6cと同一軸
線上に順次設けられ、軌道リング6bとカラー15を跨
ぐようにして複数の保持部材8が懸架されている。保持
部材8は軌道リング6cとカラー15のそれぞれの背面
に接触する内側面を有する係止顎部8b、8c及びこれ
らの係止顎部8b、8cを連結させる懸架部8aとから
構成され、これらは共に等しい幅をもっていて、軌道リ
ング6b、6cの外周に複数個配置されていて、軌道リ
ング6b、6cの軸方向距離の増大を制限している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転動体が噛み合い
ではなく円筒状のローラ同士を圧接状態に維持して動力
を円滑に伝達することによって、高速回転及び静粛かつ
低振動な運転が可能なトラクション伝動装置に関する.
【0002】
【従来の技術】従来、トラクション伝動装置として、例
えば特公平5−79855号公報に記載のものが公知で
ある。このトラクション伝動装置は、高速軸に連結された
太陽ローラの周りに複数個の遊星ローラを等配し、各遊
星ローラを、大外径部とその両側の小外径部とを有する
形状にすると共に、この遊星ローラの大外径部周面を太
陽ローラの外周に当接させ、さらに遊星ローラの両小外
径部の外周に、2つの軌道リングをその内周に形成した
傾斜面を対向させて設け、両軌道リングの一方を例えば
ケーシングに固定すると共に、他方を油圧機構の油圧ピ
ストンとして構成し、これを遊星ローラ側に押圧するよ
うにしている。他方の軌道リングの傾斜面が遊星ローラ
の小外径部の外周面に押しつけられることにより、遊星
ローラに太陽ローラの軸心に向かう力が作用し、各遊星
ローラの大外径部の周面が太陽ローラに圧接し、太陽ロ
ーラの回転力が各遊星ローラを介して低速軸に伝達され
る。このものは、高速回転を歯車変速機によつて減速す
る場合に比べ、歯面の潤滑が十分に行えない、歯車の加
工に誤差が発生する、などによって高速回転になるほど
振動を大きくし、超高速回転の伝達を非常に危険な状態
にするなどの問題を克服し、数万回転にも及ぶ超高速動
力を円滑に、しかも高変速比で一気に変速できる利点が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のトラクショ
ン伝動装置において、複数個の遊星ローラを太陽ローラ
に押圧する押圧装置は、ケーシングに固定された一方の
軌道リングに対し、他方の軌道リングを油圧機構の油圧
ピストンとして形成し、この他方の軌道リングをケーシ
ングの一部に形成されたリング状のシリンダに軸方向に
摺動自在に遊嵌している。この軌道リング(油圧ピスト
ン)の背面には、1乃至数カ所に孔が穿設され、その孔
にピン付きボルトのピンが浅く挿入されることにより回
り止めされている。また、シリンダはケーシングを貫通
する油路を介して油圧源に連結されている。この油圧源
から供給される作動油によつて、油圧ピストンの軌道リ
ングは遊星ローラに向けて軸方向に移動し、一方の軌道
リングとの間に遊星ローラを挟み込むようにする。
【0004】しかしながら従来技術の押圧装置は、ケー
シングの内部に軌道リングを固定すると共にリング状シ
リンダあるいは回り止め用ピンが設けられるなど特殊な
加工を施さなければならない。また油圧ピストンを軸方
向に移動させるためにケーシング外部に油圧源を設けな
ければならない。など各圧接面に圧接力を与えるための
押圧装置が大掛かりになり、かつ部品など構成要素の増
加につながると共に、伝動装置を高速の回転からトラク
ション伝動で減速して歯車や他の装置とを組み合わせて
ハイブリッド構造にした場合、このような軌道リングや
押圧装置の構成では伝動装置そのものの大型化及び加工
工数や組立調整の時間が掛かるなどの不具合があった。
したがって、本発明の目的はトラクション伝動装置に必
要とされる押圧装置をばねなどの簡単な弾性体とこの弾
性体の反力を保持する保持部材で構成することによっ
て、上記の不具合を解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に関わるトラクシ
ョン伝動装置の構成は、回転軸に連結された太陽ローラ
と、該太陽ローラの周りに等配された複数個の遊星ロー
ラと、該複数個の遊星ローラの外側に配置された一対の
軌道リングと、前記各遊星ローラを回転自在に軸支する
遊星軸と、前記複数個の遊星ローラのそれぞれの遊星軸
を支持するキャリアとを有し、前記遊星ローラを前記太
陽ローラの半径方向へ移動可能にしたトラクション伝動
装置であって、前記遊星ローラは、前記回転軸に平行な円
筒部とその軸方向両側に配置され軸方向の両外側に向か
うほどそれぞれ半径が徐々に小さくなる傾斜部とを有
し、前記遊星ローラの前記円筒部が前記太陽ローラの外
周に圧接し、前記遊星ローラの前記両傾斜部の外周に、前
記一対の起動リングのそれぞれの内周に形成した傾斜面
を圧接させ、一方の軌道リングを前記遊星ローラ側に向
けて軸方向に移動可能にし、かつ前記一方の軌道リング
を前記遊星ローラ側に押圧する弾性部材及び該弾性部材
による前記一方の軌道リングの前記遊星ローラ側への押
圧状態を維持する保持部材を有する押圧装置を前記一対
の軌道リングに対して一体的に設けたことを特徴として
いる。
【0006】上述したトラクション伝動装置は、高速軸
から低速軸に動力伝達するとき、例えば皿バネ、コイル
バネあるいは弾性変形が可能な樹脂材などを用いた弾性
部材のひずみ応力によって、軌道リングを遊星ローラに
向けて軸方向に移動させる。このような作用によつて遊
星ローラの両側の軌道リングは、その内周の傾斜面に複
数個の遊星ローラの傾斜部を挟み込むようにし、そのと
きの楔作用によつて遊星ローラを太陽ローラに押圧す
る。このとき遊星ローラは、遊星軸との間に設けられた
間隙(あるいはキャリアに設けられたスリット溝)に沿っ
て太陽ローラ方向に移動可能に軸支されているので、押
圧装置からの押圧力によつて軌道リングと遊星ローラの
傾斜部との圧接部、及び遊星ロ一ラの円筒部と太陽ロー
ラとの圧接部にそれぞれ極圧が発生し、潤滑剤の存在下
に瞬間的に大きなトラクション力を発生する。一方、軌
道リングの外側面に作用する押圧力の反力は、保持部材
の両内側面で受けることになるので、弾性部材のひずみ
応力は両側の軌道リングと遊星ローラに圧縮力として働
き、動力の伝達に寄与するとともに保持部材に引張り力
が働いて押圧力を規制することになる。
【0007】前記構成において、前記一方の軌道リング
を前記遊星ローラ側に押圧する皿バネと、該皿バネの前
記遊星ローラとの反対側に配置されたカラーと、前記一
対の軌道リング、前記皿バネ及び前記カラーを、前記皿バ
ネを圧縮した状態でクランプする保持部材とで構成され
た保持部材では、保持部材が太陽ローラと同軸の雄ねじ
部材と筒状雌ねじ部材で構成され、雄ねじ部材と筒状雌
ねじ部材の内側面に左右両側の軌道リングと圧接状態を
維持する弾性部材からなる押圧装置とを一体的に遊嵌す
ると共に上記ねじの回動によって圧接力を調整するよう
にしたものでは、前記筒状雌ねじ部材と雄ねじ部材とで
形成される空間内部にトラクション伝動装置が内装さ
れ、皿バネの押圧力によって、軌道リングが遊星ローラ
に向けて軸方向に移動し、両軌道リングの間に遊星ロー
ラを挟み込むようにする。このような一対の軌道リング
による挟み込み作用によつて、軌道リングの内周の傾斜
面が楔作用により遊星ローラの傾斜部を介して遊星ロー
ラを太陽ローラの軸心に向けて半径方向に押圧すること
になる。
【0008】また、前記一対の軌道リングを内包し一端
部に前記他方の軌道リングに係止する係止部を有すると
共に他端部内周面に雌ねじが形成された円筒状保持部材
と、前記保持部材に他端部側から装着され前記一方の軌
道リングを前記遊星ローラ側に押圧する皿バネと、外周
に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成され前記皿バネを
前記遊星ローラとの反対側から押圧してこれを圧縮させ
る雄ねじ部材とで構成された押圧装置では、前記筒状雌
ねじ部材と雄ねじ部材とで形成される空間内部にトラク
ション伝動装置が内装され、軌道リングと皿バネとの背
面が筒状雌ねじ部材と雄ねじ部材との内側面に接触して
いるため、筒状雌ねじ部材に螺合されている雄ねじ部材
を回動させると、筒状雌ねじ部材と雄ねじ部材の各内側
面が軸線方向に移動して、皿バネの押圧力を変化せしめ
る。同時に軌道リングが遊星ローラに向けて軸方向に移
動し、両軌道リングの間に遊星ローラを挟み込むように
する。このような一対の軌道リングによる挟み込み作用
によつて、軌道リングの内周の傾斜面が楔作用により遊
星ローラの傾斜部を介して遊星ローラを太陽ローラの軸
心に向けて半径方向に押圧することになる。保持部材に
設けられたねじを回動させることによって、皿バネの押
圧力は連続的に変化し、太陽ローラ、遊星ローラ及び軌
道リングの圧接面に必要とされる押圧力の微調整が可能
となる。
【0009】このような構成のトラクション伝動装置と
しては、遊星ローラを公転させないで、軌道リングを低
速軸に連動させて回転させると共に太陽ローラを高速軸
に連結するようにしたスター型の場合と、軌道リングを
回転させず、遊星ローラを公転させて、キャリアを低速
軸に連動させると共に太陽ローラを高速軸に連結するよ
うにする遊星型の場合とがある。本発明のトラクション
伝動装置は歯車機構を使用せず、ローラ機構を基本とし
て構成しているため、機械加工としては単純にローラの
真円度と平滑度(表面アラサ)を上げる加工をすればよ
い。したがって、歯車の歯形加工のような誤差の発生は
極めて少なく、超高速回転に対する振動抑制を容易に行
うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施例を図によって
具体的に説明する。図1の縦断面図及び図2の横断面図
に示す実施例は、遊星型を採用したトラクション伝動装
置の一例を示すものである。ケーシング1の中心部に
は、高速軸2に連結された太陽ローラ3が配置されてい
る。この太陽ローラ3の外周に遊星軸4に軸支された3
個の遊星ローラ5が等配され、さらにその外側に、左右
一対の軌道リング6b,6c及び皿バネ7、保持部材8
で構成されるリング部9が配置され、このリング部9は
ケーシング1に固定されている。
【0011】このトラクション伝動装置において、遊星
ローラ5は円筒部5aと傾斜部5b、5cとを有し、そ
の傾斜部5b、5cを円筒部5aの左右両側に形成する
ようにしている。また、遊星ローラ5の内周面には、図
2に示すように、滑り軸受10が一体的に挿入され、滑
り軸受10の内周面と遊星軸4の外周面の間に間隙11
が設けられている。上記遊星軸4はキャリア12に固定
され、キャリア12には太陽歯車13の一部に形成され
た小径部に対応した孔14が開けられていて、この孔1
4と太陽歯車13の小径部とが嵌合されている。
【0012】遊星ローラ5の円筒部5aの外周面は軸心
線に平行な円筒状に形成されていて、潤滑剤を介在させ
て太陽ローラ3と圧接させるようにしている。また、遊
星ローラ5の左右の傾斜部5b,5cに対し、それぞれ
リング部9の軌道リング6b,6cが、その内周の傾斜
面に潤滑剤を介在させて圧接している。傾斜部5b、5
cの外周は、軸方向の両外側に向かうほど、それぞれ半
径が徐々に小さくなる傾斜面に形成されている。一方、
軌道リング6b,6cは、その圧接面である内周面がテ
ーパ状の傾斜面になつている。この場合、好ましくは遊
星ローラ5の傾斜部5b、5c又は軌道リング6b、6
cの内周面のいずれか一方及び太陽ローラ3と遊星ロー
ラ5の円筒部5aのいずれか一方にそれぞれクラウニン
グを施すことによって、圧接面の均等な応力分布を可能
にし、常に良好な押圧状態を維持することができる。
【0013】軌道リング6bの背面つまり軸方向外側の
面には、皿バネ7及びこれを支持するカラー15が軌道
リング6b、6cと同一軸線上に順次設けられ、軌道リ
ング6cとカラー15を跨ぐようにして複数の保持部材
8が懸架されている。保持部材8は軌道リング6cとカ
ラー15のそれぞれの背面に接触する内側面を有する顎
部8b、8c及びこれらの顎部8b、8cを連結させる
懸架部8aから構成され、これらは共に等しい幅をもっ
ていて、軌道リング6b、6cの外周に複数個使用する
ことによって、軌道リング6b、6c、皿バネ7、カラ
ー15と共にリング部9を形成している。
【0014】リング部9では、保持部材8の顎部8b、
8cにより軌道リング6bの外側の皿バネ7を圧縮した
状態で保持しているため、皿バネ7の弾性力によって軌
道リング6bが遊星ローラ5に向けて軸方向に移動し、
軌道リング6cとの間に遊星ローラ5を挟み込むように
なる。このような一対の軌道リング6b,6cによる挟
み込み作用及び軌道リング6b、6cの内周傾斜面の楔
作用により遊星ローラ5の傾斜部5b、5cを介して遊
星ローラ5を太陽ローラ3の軸心に向けて半径方向に押
圧する.この押圧によつて軌道リング6b、6cと遊星
ローラ5の傾斜部5b,5cとの圧接部、及び遊星ロー
ラ5の円筒部5aと太陽ローラ3との圧接部にそれぞれ
極圧が発生し、潤滑油の存在下に瞬間的に大きなトラク
ション力を発生させることができる。
【0015】各ローラ間に介在させる潤滑油としては、
トラクション専用油としての“ナフテン系合成潤滑油”
あるいは“ナフテン系グリース”などのように、極圧に
よつて瞬間的に摩擦係数を増大させる特性を有するもの
が使用される。また、軌道リング6b、6cには、図3
に示すように保持部材8の幅に等しく厚みの略半分に等
しい凹部6dが穿設されると共にケーシング1にも保持
部材8の幅に等しく厚みの略半分に等しい凹部1dが穿
設されていて、それらの凹部1d、6dと保持部材8と
は協働してリング部9の回動を阻止している。
【0016】ところで、遊星ローラ5は複数個設けられ
るが、その個数は少なくとも3個を太陽ローラ3の周囲
に等配するようにするのがよい。太陽ローラ3の外周を
少なくとも3個の遊星ローラ5で圧接することにより、
太陽ローラ3に連結された高速軸2を必然的に中心に位
置決めすることができるので、高速軸2を支持するため
の軸受を全く不要にすることができる。また遊星ローラ
5と遊星軸4との間に間隙11を設けずに、キャリア1
2にスリットを設けてスリット内部を遊星軸4が太陽ロ
ーラ3方向に変位するようにしてもよい。これによっ
て、軌道リング6b、6cから遊星ローラ5に押圧力が
付加されるとき、その押圧力を遊星軸4には作用させ
ず、太陽ローラ3だけに直接作用させることができるた
め、すべてのローラ間に高い極圧を効率よく発生させる
ことができる。
【0017】また、太陽ローラ3は遊星ローラ5の円筒
部5aに接触し、さらに円筒部5aよりも径の小さい傾
斜部5b、5cに軌道リング6b、6cが接触する関係
になっているので、超高速回転の動力は高速軸2から低
速軸16に大きな減速比で減速されて伝達される。一
方、遊星ローラ5の傾斜面5b、5cの回転半径と円筒
部5aの回転半径の比率は設計上自由に変更できるの
で、例えばこれらの比率を1にすることによって減速比
を小さくすることができる。
【0018】ところで、トラクション伝動装置をハイブ
リッド形式で歯車減速機30に組み込んだ場合は、キャ
リア12と歯車減速機30の太陽歯車13とを結合し、
高速軸2の回転をトラクション伝動で低騒音のもとに減
速して、ケーシング1に設けられた内歯歯車31の内周
に沿って複数の遊星歯車32を公転させ、減速キャリア
33に遊星歯車32の数だけ等配された孔に圧入された
歯車軸34を介して出力軸35に伝達させる。このハイ
ブリッド型歯車減速機は、高速軸2の回転数が数万回転
であっても、トラクション伝動装置で静粛に減速してか
ら歯車減速機30に適した回転数を太陽歯車13に入力
することができるので、超高速回転入力であっても装置
全体としての騒音を大幅に低減させることができると共
に小型堅牢な伝動装置を構成することができる。
【0019】図4は本発明の保持部材に関わる別の実施
例を示すものである。保持部材41はフランジ面を有す
る筒状雌ねじ部材42と雄ねじ部材43とで構成され、
それぞれ太陽ローラ3と同一軸線上に配置されていてい
る。筒状雌ねじ部材42と雄ねじ部材43とで形成され
る空間内部には、トラクション伝動装置が内装され、軌
道リング6bと皿バネ7との背面が筒状雌ねじ部材42
と雄ねじ部材43との内側面に接触し、これらが協働し
てリング部40を構成している。
【0020】図4において、筒状雌ねじ部材42に螺合
されている雄ねじ部材43を回動させると、筒状雌ねじ
部材42と雄ねじ部材43の各内側面が軸線方向に移動
して、皿バネ7の押圧力を変化せしめる。同時にリング
部40では、軌道リング6b、6cが遊星ローラ5に向
けて軸方向に移動し、軌道リング6b、6cの間に遊星
ローラ5を挟み込むようにする。このような一対の軌道
リング6b、6cによる挟み込み作用によつて、軌道リ
ング6b、6cの内周の傾斜面が楔作用により遊星ロー
ラ5の傾斜部5b、5cを介して遊星ローラ5を太陽ロ
ーラ3の軸心に向けて半径方向に押圧する。この押圧に
よつて軌道リング6b、6cと遊星ローラ5の傾斜部5
b、5cとの圧接部、及び遊星ローラ5の円筒部5aと
太陽ローラ3との圧接部にそれぞれ極圧が発生し、潤滑
剤の存在下に瞬間的に大きなトラクション力を発生させ
ることがきる。このようにリング部40が構成されてい
るので、保持部材41のねじを回動させることによっ
て、皿バネ7の押圧力は連続的に変化し、太陽ローラ
3、遊星ローラ5及び軌道リング6b、6cの圧接部に
必要とされる押圧力の微調整が可能となる。
【0021】図4において、例えばキャリア12をケー
シング1などに固定して非回転状態で遊星ローラ5を公
転させない場合は、リング部40を低速軸に連動させて
回転させると共に太陽ローラ3を高速軸2に連結するよ
うにしてスター型を構成することができる。一方、図1
で説明したと同様に、リング部40は回転させずに遊星
ローラ5を公転させて、キャリア12を低速軸に連動さ
せると共に太陽ローラ3を高速軸2に連結するようにす
れば遊星型を構成することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されるので、
トラクション伝動に必要な押圧力を特殊な装置を用いる
ことなく、機械要素であるバネなどの弾性体の押圧力の
反力及び伝動部材とを簡単な保持部材で支持することが
できる。このため、装置の分解組立が容易となり、小型
で部品点数が少なく、伝動部材のみで動力伝達が可能と
なり、他の伝動装置への組込を容易に行うことができ
る。また保持部材をねじで構成した場合は、上記効果に
加えて、ねじの螺合によって両側の軌道リングの軸方向
寸法を連続的に可変とすることができるので、各圧接部
に作用させるべき押圧力の微調整が可能となり、最適な
伝動条件を設定することができると共に高効率で長寿命
のトラクション伝動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラクション伝動装置の第1の実施形
態を示す縦断面図。
【図2】図1に示された遊星ローラと遊星軸の一部拡大
図。
【図3】図1のケーシング、軌道リングと保持部材との
関係を示す横断面図。
【図4】本発明のトラクション伝動装置の別の実施形態
を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…ケーシング 3…太陽ローラ 4…遊星軸 5…遊星ローラ 6b、6c…軌道リング 7…皿バネ 8…保持部材 12…キャリア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に連結された太陽ローラと、該太陽
    ローラの周りに等配された複数個の遊星ローラと、該複
    数個の遊星ローラの外側に配置された一対の軌道リング
    と、前記各遊星ローラを回転自在に軸支する遊星軸と、
    前記複数個の遊星ローラのそれぞれの遊星軸を支持する
    キャリアとを有し、前記遊星ローラを前記太陽ローラの
    半径方向へ移動可能にしたトラクション伝動装置であっ
    て、 前記遊星ローラは、前記回転軸に平行な円筒部とその軸
    方向両側に配置され軸方向の両外側に向かうほどそれぞ
    れ半径が徐々に小さくなる傾斜部とを有し、前記遊星ロ
    ーラの前記円筒部が前記太陽ローラの外周に圧接し、前
    記遊星ローラの前記両傾斜部の外周に、前記一対の起動
    リングのそれぞれの内周に形成した傾斜面を圧接させ、
    一方の軌道リングを前記遊星ローラ側に向けて軸方向に
    移動可能にし、かつ前記一方の軌道リングを前記遊星ロ
    ーラ側に押圧する弾性部材及び該弾性部材による前記一
    方の軌道リングの前記遊星ローラ側への押圧状態を維持
    する保持部材を有する押圧装置を前記一対の軌道リング
    に対して一体的に設けたことを特徴とするトラクション
    伝動装置。
  2. 【請求項2】前記押圧装置は、前記一方の軌道リングを
    前記遊星ローラ側に押圧する皿バネと、該皿バネの前記
    遊星ローラとの反対側に配置されたカラーと、前記一対
    の軌道リング、前記皿バネ及び前記カラーを、前記皿バネ
    を圧縮した状態でクランプする保持部材とで構成されて
    いる請求項1記載のトラクション伝動装置。
  3. 【請求項3】前記押圧装置は、前記一対の軌道リングを
    内包し一端部に前記他方の軌道リングに係止する係止部
    を有すると共に他端部内周面に雌ねじが形成された円筒
    状保持部材と、前記保持部材に他端部側から装着され前
    記一方の軌道リングを前記遊星ローラ側に押圧する皿バ
    ネと、外周に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成され前
    記皿バネを前記遊星ローラとの反対側から押圧してこれ
    を圧縮させる雄ねじ部材とで構成されている請求項1記
    載のトラクション伝動装置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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