JP5326676B2 - 摩擦伝動装置 - Google Patents

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    • F16H13/10Means for influencing the pressure between the members

Description

本発明は、四輪駆動車両用トランスファー等の駆動力配分装置として有用な摩擦伝動装置の改良提案に関するものである。
摩擦伝動装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
この文献に記載の摩擦伝動装置は、第1ローラおよび第2ローラの間接的な径方向押圧接触により、当該ローラ間径方向押圧接触状態に応じたトルク容量で動力伝達を行うものである。
特許文献1には更に、両ローラを共通な支持板により支持してハウジング内に収納し、これにより、上記のローラ間径方向押圧接触により発生する反力を当該支持板で受け止め、この反力がハウジングに達することのないようにする工夫も提案されている。
特開2002−349653号公報
この種摩擦伝動装置において、伝達トルク容量を可変にするためには、ローラ間径方向押圧力を変更できるようにする必要がある。
この場合、第1ローラおよび第2ローラの一方、例えば第2ローラを第1ローラに対し径方向相対変位可能とし、かかる第2ローラの径方向相対変位により上記のローラ間径方向押圧力を変更できるようにする。
ここで、第2ローラを第1ローラに対し径方向に接近させ、ローラ間径方向押圧力(伝達トルク容量)を増大させる場合につき考察する。
この場合、第2ローラの回転軸線が第1ローラの回転軸線に接近して、その分だけ第2ローラの回転軸線が、この第2ローラとの間で回転動力の受け渡しをする動力受け渡し軸の中心との間におけるオフセット量を大きくする。
この大きなオフセット量は、第2ローラおよび動力受け渡し軸間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量を大きくして、当該自在継手を含む伝動系の耐久性を悪化させるよう作用する。
一方、第2ローラを第1ローラに対し径方向に接近させ、ローラ間径方向押圧力(伝達トルク容量)を増大させる場合、その反力が大きくなって、これに起因した第1ローラおよび第2ローラ間の相互離間方向突っ張り力による前記共通な回転支持板の伸張量も大きくなる。
かかる回転支持板の伸張量の増大は、上記したローラ間伝達トルク容量増大時における第2ローラ回転軸線および動力受け渡し軸心間のオフセット量の増大を減ずるよう機能し、
本来なら、第2ローラおよび動力受け渡し軸間の自在継手が吸収すべき当該オフセット量(径方向相対変位量)を減じて、これら第2ローラおよび動力受け渡し軸を含む伝動系の耐久性を向上させるのに寄与する。
しかし、特許文献1を含め従来は、ハウジングに対し回転支持板を如何様に配設するかについて何ら言及していない。
かように、ハウジングに対する回転支持板の配設要領に何らの工夫もせず、常識的な考え方に基づき、回転支持板を第1ローラおよび第2ローラ間の箇所でハウジングに取り付けた場合、以下に説明するように、
ローラ間伝達トルク容量増大時における第2ローラ回転軸線および動力受け渡し軸心間のオフセット量の増大を減じて伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能を十分に享受することができず、この点に関してなお改善の余地がある。
つまり、回転支持板を第1ローラおよび第2ローラ間の箇所でハウジングに取り付けた場合、
上記した第1ローラおよび第2ローラ間の相互離間方向突っ張り力は、一方で回転支持板を第1ローラ方向に伸張させ、他方で回転支持板を第2ローラ方向に伸張させ、回転支持板の伸張量が第1ローラ側と第2ローラ側とに二分される。
ところで、第2ローラ回転軸線および動力受け渡し軸心間におけるオフセット量の増大を減じて伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能を享受できるのは、回転支持板の第2ローラ方向における伸張量のみである。
従って、回転支持板を第1ローラおよび第2ローラ間の箇所でハウジングに取り付けた場合、第2ローラ回転軸線および動力受け渡し軸心間におけるオフセット量の増大を減じて伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能をほぼ半分しか享受できない。
本発明は上述の実情に鑑み、第2ローラ回転軸線および動力受け渡し軸心間におけるオフセット量の増大を減じて伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能を最大限に享受し得るようにした摩擦伝動装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による摩擦伝動装置は、請求項1に記載のごとくに構成したものである。
先ず前提となる摩擦伝動装置を説明するに、これは、
第1ローラおよび第2ローラの径方向押圧接触により摩擦伝動を行うものであるが、特に、
第1ローラに対する第2ローラの径方向相対変位によりこれらローラ間の前記径方向押圧接触状態を変更可能にすると共に、該ローラ間径方向押圧接触により発生する反力を、第1ローラおよび第2ローラの軸線方向両側における共通な対をなす回転支持板の突っ張り力として受け止めるよう、これら第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板をユニット化してハウジング内に収納したものである。

本発明は、かかる摩擦伝動装置に対し、以下の改良を施したものである。
つまり、前記第1ローラの回転軸線を径方向に拘束して該第1ローラを前記ハウジングに対し回転自在に軸支することにより、前記第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板よりなるユニットを前記ハウジング内に支持したことを特徴とするものである。
かかる本発明の摩擦伝動装置によれば、第1ローラを、その回転軸線が径方向に拘束された状態でハウジングに対し回転自在に軸支することにより、第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板よりなるユニットをハウジングに対し支持することとしたため、
第1ローラおよび第2ローラの径方向押圧接触に起因したこれらローラ間の相互離間方向突っ張り力による回転支持板の伸張量が全て、回転支持板の第2ローラ方向における伸張量となり、回転支持板の伸張量を第1ローラ側と第2ローラ側とに二分させることなく、第2ローラ方向に集中させることができる。
このため、第2ローラを第1ローラに接近させて行うローラ間径方向押圧力の増大時における、第2ローラ回転軸線と、第2ローラに係わる動力受け渡し軸との間のオフセット量の増大を、第2ローラ方向に集中させた回転支持板の伸張量により十分に減ずることができ、
第2ローラおよびこれに係わる動力受け渡し軸間の自在継手が吸収すべき上記オフセット量(径方向相対変位量)を減じて、これら第2ローラおよび動力受け渡し軸を含む伝動系の耐久性を向上させることができる。
本発明の第1実施例になる摩擦伝動装置を駆動力配分装置として構成し、この駆動力配分装置を具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。 図1における駆動力配分装置の縦断側面図である。 図2の駆動力配分装置で用いたベアリングサポートを示し、 (a)は、その正面図、 (b)は、その縦断側面図である。 図2の駆動力配分装置で用いたクランクシャフトの縦断正面図である。 本発明の第2実施例を示す、図2と同様な駆動力配分装置の縦断側面図である。 図5の駆動力配分装置で用いたベアリングサポートを示し、 (a)は、その正面図、 (b)は、その縦断側面図である。 図2の駆動力配分装置においてベアリングサポートを、常識的な考え方に基づき上下方向中間箇所でハウジングに取着した場合の駆動力配分装置を示す、図2と同様な縦断側面図である。 図7の駆動力配分装置において第2ローラを下死点位置から第1ローラに接近させて上死点位置にした場合におけるベアリングサポートの伸張状況を示す説明図で、 (a)は、第2ローラが下死点位置である時の説明図、 (b)は、第2ローラが上死点位置である時の説明図である。 図2の駆動力配分装置において第2ローラを下死点位置から第1ローラに接近させて上死点位置にした場合におけるベアリングサポートの伸張状況を示す説明図で、 (a)は、第2ローラが下死点位置である時の説明図、 (b)は、第2ローラが上死点位置である時の説明図である。 図7の駆動力配分装置におけるベアリングサポートの第1ローラ回転軸線周りにおける揺動状況を示す説明図で、 (a)は、ベアリングサポートが揺動する前の状態を示す説明図、 (b)は、ベアリングサポートが揺動した状態を示す説明図である。 図2の駆動力配分装置におけるベアリングサポートの第1ローラ回転軸線周りにおける揺動状況を示す説明図で、 (a)は、ベアリングサポートが揺動する前の状態を示す説明図、 (b)は、ベアリングサポートが揺動した状態を示す説明図である。 ローラ間径方向押圧力による入力軸の変形状態を示す説明図で、 (a)は、図1〜4の第1実施例における入力軸の変形状態を示す説明図、 (b)は、図5,6の第2実施例における入力軸の変形状態を示す説明図である。 図5の駆動力配分装置において第2ローラを下死点位置から第1ローラに接近させて上死点位置にした場合におけるベアリングサポートの伸張状況を示す説明図で、 (a)は、第2ローラが下死点位置である時の説明図、 (b)は、第2ローラが上死点位置である時の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜4に示す第1実施例、および、図5,6に示す第2実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1〜4は本発明の第1実施例を示す。
図1は、本発明の第1実施例になる摩擦伝動装置を駆動力配分装置1として構成し、この駆動力配分装置1を具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。
図1の四輪駆動車両は、エンジン2からの回転を変速機3による変速後、リヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を経て左右後輪6L,6Rに伝達される後輪駆動車をベース車両とし、
左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、駆動力配分装置1より、フロントプロペラシャフト7およびフロントファイナルドライブユニット8を経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
駆動力配分装置1は、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配して出力することにより、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rおよび左右前輪(従駆動輪)9L,9R間のトルク配分を決定するもので、本実施例においては、この駆動力配分装置1を図2に示すように構成する。
図2において、11はハウジングを示し、このハウジング11内に入力軸12および出力軸13を相互に平行に配して横架する。
入力軸12は、その両端におけるボールベアリング14,15によりハウジング11に対し軸線O1の周りに回転自在に支持する。
入力軸12は更に、ローラベアリング18,19を介しベアリングサポート23,25に対しても回転自在に支持する。
このためベアリングサポート23,25にはそれぞれ、図3(a),(b)に示すごとくローラベアリング18,19が嵌合するための開口23a,25aを設ける。
これらベアリングサポート23,25はそれぞれ、入出力軸12,13の共通な回転支持板であり、図2に示すごとくハウジング11の対応する内側面11b,11cに接触させてハウジング11内に配置するが、これらハウジング内側面11b,11cに対し固着させないようにする。
入力軸12の両端をそれぞれ、シールリング27,28による液密封止下でハウジング11から突出させ、該入力軸12の図中左端を変速機3(図1参照)の出力軸に結合し、図中右端をリヤプロペラシャフト4(図1参照)を介してリヤファイナルドライブユニット5に結合する。
入力軸12の軸線方向中程には、第1ローラ31を同心に一体成形して設け、出力軸13の軸線方向中程には、第2ローラ32を同心に一体成形して設け、これら第1ローラ31および第2ローラ32を共通な軸直角面内に配置する。
出力軸13は、以下のような構成によりハウジング11に対し間接的に回転自在に支持する。
つまり、出力軸13の軸線方向中程に一体成形した第2ローラ32の軸線方向両側に配置して、出力軸13の両端部に中空のクランクシャフト51L,51Rを遊嵌する。
これらクランクシャフト51L,51Rの中心孔51La,51Ra(半径をRiで図示した)と、出力軸13の両端部との遊嵌部に軸受52L,52Rを介在させて出力軸13をクランクシャフト51L,51Rの中心孔51La,51Ra内で、これらの中心軸線O2の周りに自由に回転し得るよう支持する。
クランクシャフト51L,51Rには図4に明示するごとく、中心孔51La,51Ra(中心軸線O2)に対し偏心した外周部51Lb,51Rb(半径をRoで図示した)を設定し、これら偏心外周部51Lb,51Rbの中心軸線O3は中心孔51La,51Raの軸線O2(第2ロータ32の回転軸線)から、両者間の偏心分εだけオフセットしている。
クランクシャフト51L,51Rの偏心外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、軸受53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート23,25内に回転自在に支持する。
このためベアリングサポート23,25にはそれぞれ、図3(a),(b)に示すごとく軸受53L,53Rが嵌合するための開口23b,25bを設ける。
ベアリングサポート23,25は、前記した通り入出力軸12,13の共通な回転支持板であるが、これら入出力軸12,13がそれぞれ第1ローラ31および第2ローラ32を一体に有することから、第1ローラ31および第2ローラ32の共通な回転支持板でもある。
そしてベアリングサポート23,25は、図2,3に示すように、入力軸12を挟んで出力軸13から遠い側におけるハウジング11の内壁11aに当接せず、且つ、図3に示すように、出力軸13を挟んで入力軸12から遠い側におけるハウジング11の内壁11dに当接しない大きさとする。
ベアリングサポート23,25は更に、図3に示すように、入力軸12(第1ローラ31)の軸線O1周りにおける揺動を防止するための突起23c,25cおよび23d,25dを設け、これら突起23c,25cおよび23d,25dを、対応するハウジング内側面11e,11fに設けたガイド溝11g,11hの底面に当接させる。
ガイド溝11g,11hは、開口23b,25bの接線方向に細長い形状とし、これにより同方向における突起23c,25cの変位を拘束しないようにする。
前記のごとくにしてベアリングサポート23,25に回転自在に支持したクランクシャフト51L,51Rはそれぞれ、図2に示すように第2ローラ32と共に、スラストベアリング54L,54Rで、ベアリングサポート23,25間に軸線方向位置決めする。
図2に示すように、クランクシャフト51L,51Rの相互に向き合う隣接端にそれぞれ、偏心外周部51Lb,51Rbと同心で、同仕様のリングギヤ51Lc,51Rcを一体に設け、
これらリングギヤ51Lc,51Rcに、共通なクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させる。
なおこの噛合に当たっては、クランクシャフト51L,51Rを両者の偏心外周部51Lb,51Rbが円周方向において相互に整列する回転位置にした状態で、リングギヤ51Lc,51Rcにクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させる。
クランクシャフト駆動ピニオン55はピニオンシャフト56に結合し、ピニオンシャフト56の両端を軸受56a,56bによりハウジング11に回転自在に支持する。
図2の右側におけるピニオンシャフト56の右端をハウジング11の外に露出させ、
該ピニオンシャフト56の露出端面には、ハウジング11に取着して設けたローラ間押し付け力制御モータ45の出力軸45aをセレーション嵌合などにより駆動結合する。
よって、ローラ間押し付け力制御モータ45によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御するとき、出力軸13および第2ローラ32の回転軸線O2が図4に破線で示す軌跡円αに沿って旋回する。
かかる回転軸線O2の旋回により、第1ローラ31および第2ローラ32のローラ軸間距離L1(図2参照)が変更され、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押圧力(ローラ間ローラ間伝達トルク容量)を、0から最大値までの間で任意に制御することができる。
クランクシャフト51Lおよび出力軸13をそれぞれ図2の左側においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11およびクランクシャフト51L間にシールリング57を介在させると共に、クランクシャフト51L および出力軸13間にシールリング58を介在させ、
これらシールリング57,58により、ハウジング11から突出するクランクシャフト51Lおよび出力軸13の突出部をそれぞれ液密封止する。
なおシールリング55,56の介在に際しては、これらシールリング55,56を位置させるクランクシャフト51Lの端部においてその内径と外径の中心を、出力軸13の支持位置と同様に偏心させ、
クランクシャフト51Lの上記端部外径とハウジング11との間にシールリング55を介在させ、クランクシャフト51Lの上記端部内径と出力軸13との間にシールリング56を介在させる。
かかるシール構造によれば、出力軸13および第2ローラ32の上記旋回によりその回転軸線O2が旋回変位するにもかかわらず、出力軸13をハウジング11から突出する箇所において良好にシールし続けることができる。
<第1実施例の駆動力配分制御>
上記した図1〜4に示す第1実施例の駆動力配分制御を以下に説明する。
変速機3(図1参照)から入力軸12へのトルクは、一方でこの入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5(ともに図1参照)を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)に伝達される。
他方で本実施例の駆動力配分装置1は、ローラ間押し付け力制御モータ45によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御して、ローラ軸間距離L1を第1ローラ31および第2ローラ32の半径の和値よりも小さくした場合、
これらローラ31,32が径方向相互押圧力に応じたローラ間伝達トルク容量を持つことから、このトルク容量に応じて左右後輪6L,6R(主駆動輪)へのトルクの一部を、第1ローラ31から第2ローラ32を経て出力軸13に向かわせることができる。
なお、この伝動中における第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押圧反力は、これらに共通な回転支持板であるベアリングサポート23,25で受け止められるため、ハウジング11に伝達されることがない。
従ってハウジング11を、第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押圧反力に抗し得るほど高強度に造る必要がなくて、重量的におよびコスト的に不利になることがない。
その後このトルクは、出力軸13の図2中左端から、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8(図1参照)を経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達される。
かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪(従駆動輪)9L,9Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
なお、ローラ間押し付け力制御モータ45によるローラ間径方向相互押圧力制御(ローラ間伝達トルク容量制御)中、出力軸13および第2ローラ32(その回転軸線O2)は偏心軸線O3周りに旋回変位するが、
かかる出力軸13および第2ローラ32(その回転軸線O2)の旋回変位は、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間を結合する自在継手により吸収され得て、偏心継手なしでも、上記左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへのトルク伝達が阻害されることはない。
<第1実施例の作用効果>
しかし、出力軸13および第2ローラ32(その回転軸線O2)と、フロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量が大きいと、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量が大きくなって、当該自在継手を含む伝動系の耐久性が低下する。
従って、出力軸13および第2ローラ32(その回転軸線O2)と、フロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量は小さいほどよく、上記した本実施例の駆動力配分装置では、以下の原理によってこの要求を満たすことができる。
この原理を説明する前に、図7のごとく基本的に図2と同様な構成ながら、ベアリングサポート23,25を入出力軸12,13間の中央部において、ボルト61,62などによりハウジング内側面11b,11cに取着した場合につき、出力軸13および第2ローラ32(その回転軸線O2)と、フロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量を以下に説明する。
第2ローラ32を第1ローラ31に対し径方向に接近させ、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)を増大させる場合、
図8(a),(b)に示すように、第2ローラ32の回転軸線O2が図8(a)の下死点位置から図8(b)の上死点位置に向け旋回して第1ローラ31の回転軸線O1に接近し、その分だけ第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量が大きくなる。
この大きなオフセット量は、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量を増大させ、当該自在継手を含む伝動系の耐久性を悪化させるように作用する。
一方、上記のごとく第2ローラ32を第1ローラ31に対し径方向に接近させ、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)を増大させる場合、その反力が大きくなって、これに起因した第1ローラ31および第2ローラ32間の相互離間方向突っ張り力によるベアリングサポート23,25の伸張量も大きくなる。
かかるベアリングサポート23,25の伸張量の増大は、上記したローラ間伝達トルク容量増大時における第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量の増大を減じて、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき当該オフセット量(径方向相対変位量)の抑制により、当該自在継手を含む伝動系の耐久性を向上させるのに寄与する。
しかし、ベアリングサポート23,25を図7のようにボルト61,62などで、その中央部をハウジング内側面11b,11cに取着した場合、
第1ローラ31および第2ローラ32間の相互離間方向突っ張り力は、一方でベアリングサポート23,25を図8(b)に矢印α1で示す第1ローラ方向に伸張させて、第1ローラ31の回転軸線O1を同方向へδ1だけ変位させ、他方でベアリングサポート23,25を図8(b)に矢印β1で示す第2ローラ方向に伸張させて、第2ローラ32の旋回中心O3を同方向へγ1だけ変位させ、ベアリングサポート23,25の伸張量が第1ローラ側と第2ローラ側とに二分される。
ところで、ローラ間伝達トルク容量増大時における第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間のオフセット量の増大を減じて伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能を享受できるのは、
図8(a)に示す下死点位置から同図(b)に示す上死点位置までの間における第2ローラ回転軸線O2の変動量ε1に関与するベアリングサポート23,25の第2ローラ方向における伸張β1(この伸張による第2ローラ旋回中心O3の変位量γ1)のみである。
しかし、ベアリングサポート23,25を図7のようにボルト61,62などで、その中央部をハウジング内側面11b,11cに取着した場合、ベアリングサポート23,25の第2ローラ方向における伸張β1(第2ローラ旋回中心O3の変位量γ1)が上記二分のため小さいことから、
図8(a)に示す下死点位置から同図(b)に示す上死点位置までの間における第2ローラ回転軸線O2の変動量ε1を十分に減ずることができない。
従って、ローラ間伝達トルク容量増大時にベアリングサポート23,25の伸張を有効利用して、第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量の増大を減じ、これら第2ローラ32およびフロントプロペラシャフト7に係わる伝動系の耐久性を向上させるという上記の機能をほぼ半分しか享受できない。
これに対し図1〜4に示した第1実施例の駆動力配分装置においては、
前記の構成により、入力軸12を含む第1ローラ31、出力軸13を含む第2ローラ32、および、これらに共通な回転支持板であるベアリングサポート23,25よりなるユニットを予備組み立て体とし、入力軸12をベアリング14,15で径方向に拘束してハウジング11に対し回転自在に支持することにより、第1ローラ31(入力軸12)、第2ローラ32(出力軸13)、および、これらに共通なベアリングサポート23,25よりなるユニット(本実施例では予備組み立て体とする)をハウジング11内に支持したため、以下の作用効果を奏することができる。
つまり第1実施例の構成によれば、第1ローラ31の回転軸線O1が理論上、ベアリングサポート23,25の上記伸張によってもハウジング11に対し第2ローラ32から遠ざかる方向へ変位しないよう径方向に拘束され、第2ローラ32の旋回中心O3のみが、ベアリングサポート23,25の伸張時にハウジング11に対し第1ローラ31から遠ざかる方向へ変位し得ることとなる。
このため、第1ローラ31および第2ローラ32の径方向押圧接触に起因したこれらローラ間の相互離間方向突っ張り力によってもベアリングサポート23,25が第1ローラ方向へ伸張されることはなく、ベアリングサポート23,25の伸張量が第1ローラ側と第2ローラ側とに二分されない。
従って、ベアリングサポート23,25の伸張量が全て、ベアリングサポート23,25の第2ローラ方向における伸張量となり、ベアリングサポート23,25の伸張量を第2ローラ側に集中させることができる。
このため、第2ローラ32を第1ローラ31に接近させて行うローラ間径方向押圧力の増大時(ローラ間伝達トルク容量の増大時)における、第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量の増大を、第2ローラ側に集中させたベアリングサポート23,25の伸張量により十分に減ずることができ、
第2ローラ32およびフロントプロペラシャフト7間の伝動系の耐久性を向上させることができる。
上記の作用効果を、第2ローラ32が図9(a),(b)に示すごとく、第1ローラ31に対し図9(a)の下死点位置から径方向に同図(b)の上死点位置まで接近して、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)が増大される場合につき付言する。
この場合、図9(a),(b)から明らかなように第2ローラ32の回転軸線O2が第1ローラ31の回転軸線O1に接近して、その分だけ第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量が大きくなる。
この大きなオフセット量は、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量を増大させ、当該自在継手を含む伝動系の耐久性を悪化させるように作用する。
一方、上記のごとく第2ローラ32を第1ローラ31に対し径方向に接近させ、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)を増大させる場合、その反力が大きくなって、これに起因した第1ローラ31および第2ローラ32間の相互離間方向突っ張り力によるベアリングサポート23,25の伸張量も大きくなる。
かかるベアリングサポート23,25の伸張量の増大は、上記した第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量の増大を減じて、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量の抑制により、当該自在継手を含む伝動系の耐久性を向上させるよう機能する。
本実施例の場合、第1ローラ31の回転軸線O1は、入力軸12の後述する曲げ変形に伴う変位δ2を生ずるものの、理論上、ベアリングサポート23,25の上記伸張によっても第2ローラ32から遠ざかる方向へ変位せず、第2ローラ32の旋回中心O3のみが、ベアリングサポート23,25の伸張時にハウジング11に対し第1ローラ31から遠ざかる方向へ変位し得る。
このため、第1ローラ31および第2ローラ32の径方向押圧接触に起因したこれらローラ間の相互離間方向突っ張り力によってもベアリングサポート23,25は第1ローラ方向へ伸張されることなく、図9(b)に矢印β2で示す第2ローラ方向へのみ伸張され、ベアリングサポート23,25の伸張量が第1ローラ側と第2ローラ側とに二分されない。
これによりベアリングサポート23,25の伸張量が全て、図9(b)に矢印β2で示すごとくベアリングサポート23,25の第2ローラ方向における伸張量(β2=|α1|+|β1|)となり、ベアリングサポート23,25の伸張量を第2ローラ側に集中させることができる。
このため、第2ローラ32を第1ローラ31に接近させて行うローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)の増大時における、ベアリングサポート23,25の伸張に起因した第2ローラ旋回中心O3の対応方向変位量γ2が図9(b)に示すごとく、図8(b)の従来におけるγ1よりも大きくなり、当該ローラ間伝達トルク容量増大時における第2ローラ回転軸線O2の変動量ε2を図9(b)に示すごとく、第2ローラ側に集中させたベアリングサポート23,25の伸張量で十分に小さくすることができる。
従って、第2ローラ32の回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量の増大を減じて、第2ローラ32およびフロントプロペラシャフト7間の伝動系の耐久性を向上させるという前記の機能を最大限に享受することができる。
また本実施例においては、図3に示すごとくベアリングサポート23,25に突起23c,25cおよび23d,25dを設け、これら突起23c,25cおよび23d,25dをハウジング内側面11e,11fのガイド溝11g,11hの底面に当接させて、ベアリングサポート23,25が入力軸12(第1ローラ31)の軸線O1周りに揺動しないようにしたため、以下の作用効果をも奏し得る。
ちなみに、ベアリングサポート23,25が突起23c,25cおよび23d,25dを持たず、軸線O1周りに揺動しないようにする対策を行っていない場合の問題を以下に説明する。
第2ローラ32を図10(a)に示すように第1ローラ31から離れている位置から、図10(b)に示すように第1ローラ31と接する位置へと、偏心軸線O3周りに旋回させると、
ベアリングサポート23,25は第1ローラ軸線O1周りの回転モーメントを受け、第1ローラ軸線O1の周りで図10(a)に示す位置から図10(b)に示す位置へと揺動される。
ところで、この揺動を規制する本実施例の突起23c,25cおよび23d,25dを持たない場合、ベアリングサポート23,25の上記揺動が大きく、第2ローラ32の回転軸線O2の変動量がこの揺動に起因した変動量を加算されて図10(b)に示すように大きくなる。
当該第2ローラ回転軸線O2の変動量は、第2ローラ回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量に関与し、第2ローラ回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量を大きくする。
かように第2ローラ回転軸線O2およびフロントプロペラシャフト7間のオフセット量が大きくなると、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量が大きくなり、当該自在継手を含む伝動系の耐久性が低下するという問題に発展する。
これに対し本実施例のように、ベアリングサポート23,25に突起23c,25cおよび23d,25dを設けて、ベアリングサポート23,25が入力軸12(第1ローラ31)の軸線O1周りに揺動しないようにした場合、
第2ローラ32を図11(a)に示すように第1ローラ31から離れている位置から、図11(b)に示すように第1ローラ31と接する位置へと、偏心軸線O3周りに旋回させた結果、ベアリングサポート23,25が第1ローラ軸線O1周りの回転モーメントを受けても、ベアリングサポート23,25は、図11(b)から明らかなように第1ローラ軸線O1の周りで揺動されることがない。
このため第2ローラ32の回転軸線O2の変動量が、ベアリングサポート23,25の揺動に伴う変動量を加算されないこととなり、第2ローラ回転軸線O2の変動量を図11(b)に示すように小さくすることができる。
当該第2ローラ回転軸線O2の変動量は、第2ローラ回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量に関与し、第2ローラ回転軸線O2とフロントプロペラシャフト7との間におけるオフセット量を小さくすることができる。
かように第2ローラ回転軸線O2およびフロントプロペラシャフト7間のオフセット量が小さくなると、出力軸13およびフロントプロペラシャフト7間の自在継手が吸収すべき径方向相対変位量も小さくなり、当該自在継手を含む伝動系の耐久性が低下するという、図10につき前述した問題を解消することができる。
また当該作用効果を達成するのに本実施例では、ベアリングサポート23,25に突起23c,25cおよび23d,25dを設けて、ベアリングサポート23,25を入力軸12(第1ローラ31)の軸線O1周りに揺動しないようにしただけであるため、簡単で安価な構成により上記の作用効果を達成することができる。
しかも、突起23c,25cおよび23d,25dを図3に示すごとく、対応するハウジング内側面11e,11fのガイド溝11g,11h内で同図の上下方向へスライド可能にしたため、
突起23c,25cおよび23d,25dが、図9につき前述したベアリングサポート23,25の第2ローラ方向における大きな伸張β2を妨げることがなく、同図につき前述した本実施例の作用効果を確実に達成することができる。
<第2実施例>
図5,6は、本発明の第2実施例を示す。
本実施例は、図1〜4の第1実施例が図9(b)にδ2で示した入力軸12の曲げ変形による第1ローラ31の径方向変位を発生させて、その分だけ前記した第1実施例による作用効果を僅かではあるが阻害することから、これに対する対策をも施したものである。
先ず、第1実施例で発生する入力軸12の曲げ変形による第1ローラ31の径方向変位δ2を、図12(a)に基づき以下に説明する。
第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押圧力は、第1ローラ31を介し入力軸12に作用し、入力軸12をハウジング11への軸承部であるベアリング14,15間において曲げ変形させようとする。
しかし第1実施例では、ベアリングサポート23,25がハウジング11の内壁11aとの間に隙間を有し、このハウジング内壁11aに向け矢印A1,A2で示す方向へ移動可能であるため、
ローラ間径方向押圧力が上記のごとく入力軸12をベアリング14,15間において曲げ変形させようとするのに何ら抗し得ない。
このため、入力軸12が図12(a)に示すごとくに曲げ変形されてしまい、この曲げ変形により第1ローラ31がδ2だけハウジング内壁11aに向かう径方向へ変位される。
かかる第1ローラ31の径方向変位δ2は、図9(b)においてその分だけ第2ローラ旋回中心O3の変位量δ2を小さくし、第2ローラ回転軸線O2の変動量ε2を大きくする結果、前記した第1実施例による作用効果を僅かではあるが阻害する。
これに対する対策のため本実施例においては図5,6に示すごとく、駆動力配分装置1を基本的に図1〜4の第1実施例と同様な構成とするも、
ハウジング内壁11aと対面するベアリングサポート23,25の端部に、当該ハウジング内壁11aに当接する突起23e,25eを設ける。
これら突起23e,25eは図12(b)に示すごとく、ハウジング内壁11aとの衝接により、ベアリングサポート23,25が図12(a)の矢印A1,A2方向へ移動を禁じ、
ローラ間径方向押圧力が入力軸12をベアリング14,15間において曲げ変形させようとするのを阻止する。
このため、ローラ間径方向押圧力によっても入力軸12は図12(b)に示すごとく、殆ど曲げ変形されることなく真直状態に保たれ、図12(a)にδ2で示すような第1ローラ31の径方向変位を生じさせない。
従って本実施例においては、図9(a),(b)と同じ条件で第2ローラ32を図13(a),(b)に示すごとく、第1ローラ31に対し図13(a)の下死点位置から径方向に同図(b)の上死点位置まで接近させ、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)を増大させる場合につき説明すると、
入力軸12の曲げ変形による第1ローラ31の径方向変位δ2が略0であることにより、図13(b)においてその分だけ第2ローラ旋回中心O3の変位量γ3を図9(b)のγ2よりも大きくし得て、第2ローラ回転軸線O2の変動量ε3を図9(b)のε2よりも小さくし得る結果、前記した第1実施例による前記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
なお本実施例における突起23e,25eは、ハウジング内壁11aとの衝接により、ローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量)の増大時おけるベアリングサポート23,25の伸張を第2ローラ方向へ集中させるという前記の機能をも果たし、これによる前記第1実施例の作用効果を更に顕著なものにするという付加的な利点もある。
<その他の実施例>
なお上記第1実施例および第2実施例では、図2,5に示すごとく第2ローラ32を、偏心軸線O3周りに回転自在に支持したクランクシャフト52L,52Rの偏心孔52La,52Raにより回転自在に支持し、
クランクシャフト52L,52Rを回転させて、第2ローラ32を第1ローラ31と接しない非伝動位置から第1ローラ31に押圧接触された伝動位置へと旋回させるようにした場合について述べたが、この代わりに、
図示しなかったが第2ローラ32を、偏心軸線O3周りに回転自在に支持したクランクシャフトの偏心軸部上に回転自在に支持し、
このクランクシャフトを旋回させて、第2ローラ32を第1ローラ31と接しない非伝動位置から第1ローラ31に押圧接触された伝動位置へと旋回させるようにした駆動力配分装置に対しても本発明の前記した着想は適用可能であり、この場合も同様な作用効果を達成し得ることは言うまでもない。
1 駆動力配分装置(摩擦伝動装置)
2 エンジン
3 変速機
4 リヤプロペラシャフト
5 リヤファイナルドライブユニット
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
7 フロントプロペラシャフト
8 フロントファイナルドライブユニット
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
11 ハウジング
12 入力軸
13 出力軸
18,19 ローラベアリング
23,25 ベアリングサポート(共通な回転支持板)
23c,23d,25c,25d 突起
23e,25e 突起
31 第1ローラ
32 第2ローラ
51L,51R クランクシャフト
51La,51Ra 中心孔
51Lb,51Rb 偏心外周部
51Lc,51Rc リングギヤ
52L,52R,53L,53R 軸受
54L,54R スラストベアリング
55 クランクシャフト駆動ピニオン
56 ピニオンシャフト
57,58 シールリング

Claims (5)

  1. 第1ローラおよび第2ローラの径方向押圧接触により摩擦伝動を行うものであって、
    第1ローラに対する第2ローラの径方向相対変位によりこれらローラ間の前記径方向押圧接触状態を変更可能にすると共に、該ローラ間径方向押圧接触により発生する反力を、第1ローラおよび第2ローラの軸線方向両側における共通な対をなす回転支持板の突っ張り力として受け止めるよう、これら第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板をユニット化してハウジング内に収納した摩擦伝動装置において、
    前記第1ローラの回転軸線を径方向に拘束して該第1ローラを前記ハウジングに対し回転自在に軸支することにより、前記第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板よりなるユニットを前記ハウジング内に支持したことを特徴とする摩擦伝動装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦伝動装置において、
    前記共通な回転支持板は、第1ローラを挟んで第2ローラとは反対側における前記ハウジングの内壁に当接させて配設したものであることを特徴とする摩擦伝動装置。
  3. 請求項1または2に記載の摩擦伝動装置において、
    前記共通な回転支持板は、第1ローラの回転軸線周りの揺動を拘束して前記ハウジング内に配設されたものであることを特徴とする摩擦伝動装置。
  4. 請求項3に記載の摩擦伝動装置において、
    前記共通な回転支持板は、第1ローラの回転軸線周りに揺動しないよう前記ハウジングの内壁に衝接する突起を有したものであることを特徴とする摩擦伝動装置。
  5. 第1ローラおよび第2ローラの径方向押圧接触により摩擦伝動を行うものであって、
    第1ローラに対する第2ローラの径方向相対変位によりこれらローラ間の前記径方向押圧接触状態を変更可能にすると共に、該ローラ間径方向押圧接触により発生する反力を、第1ローラおよび第2ローラの軸線方向両側における共通な対をなす回転支持板の突っ張り力として受け止めるよう、これら第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板をユニット化してハウジング内に収納した摩擦伝動装置において、
    前記第1ローラが、前記反力による回転支持板の伸張によっても前記ハウジングに対し第2ローラから遠ざかる方向へ変位しないよう拘束され、第2ローラが、前記反力による回転支持板の伸張時に前記ハウジングに対し第1ローラから遠ざかる方向へ変位し得るよう、前記第1ローラ、第2ローラ、および回転支持板よりなるユニットを前記ハウジング内に支持したことを特徴とする摩擦伝動装置。
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