JP2015205521A - 駆動力配分装置 - Google Patents

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哲 高石
Toru Takaishi
哲 高石
淳弘 森
Atsuhiro Mori
淳弘 森
三石 俊一
Shunichi Mitsuishi
俊一 三石
永悟 坂上
Eigo Sakagami
永悟 坂上
勝義 小川
Katsuyoshi Ogawa
勝義 小川
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Abstract

【課題】第1ローラと第2ローラの軸方向位置がずれたとしても、第1ローラと第2ローラとの接触面積を確保することができる駆動力配分装置を提供すること。【解決手段】主駆動輪伝動系と共に回転する第1ローラ31と、従駆動輪伝動系と共に回転する第2ローラ32とを、両者の外周面において動力伝達可能に接触させることにより従駆動輪への駆動力配分を可能とし、第2ローラ32の軸方向長さを第1ローラ31の軸方向長さよりも長くなるように形成した。【選択図】図2

Description

本発明は、駆動力配分装置、特に四輪駆動車のトランスファーとして有用な駆動力配分装置に関するものである。
従来の駆動力配分装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。この文献に記載の駆動力配分装置は、主駆動輪の伝動系に機械的に結合された第1ローラと、従駆動輪の駆動系に機械的に結合された第2ローラとを具え、これら第1ローラおよび第2ローラを両者の外周面において相互に接触させることにより、主駆動輪へのトルクの一部を従駆動輪へ分配して出力させ得るようになしたものである。かかる駆動力配分装置にあっては、第1ローラおよび第2ローラ間における径方向押し付け力を加減することにより、これらローラ間のトルク伝達容量、従って主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御することができる。
この駆動力配分制御を行うための機構として特許文献1には、第2ローラの軸部をモータ等でハウジングの固定軸線周りに旋回させることにより第2ローラを第1ローラに対し径方向へ相対変位させ、これにより第1ローラおよび第2ローラ間の径方向押し付け力、つまり主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御し得るようにした構成が提案されている。
つまり、中空を成すクランクシャフトの外周をハウジングの上記固定軸線周りに回転可能に設け、該中空クランクシャフトの偏心中空孔内に第2ローラの軸部を回転自在に支承し、該クランクシャフトの上記固定軸線周りの回転により第2ローラを当該固定軸線周りに旋回させて、第1ローラに対する第2ローラの径方向押し付け力を加減することで主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分制御が可能な構成を提案している。
特開2012−11794号公報
上記特許文献1に記載された技術では、第1ローラと第2ローラの接触面積を確保するために、第1ローラと第2ローラとは軸方向全体にわたって接触している。しかし、第1ローラと第2ローラとの軸方向位置がずれてしまうと、第1ローラに対する第2ローラの押し付け面積が小さくなり面圧が上昇し、第1ローラおよび第2ローラの摩耗が早期化する問題があった。
本発明は、本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、第1ローラと第2ローラの軸方向位置がずれたとしても、第1ローラに対する第2ローラの押し付け面積を確保することができる駆動力配分装置を提供することを目的とする。
この目的のため本発明による駆動力配分装置は、第2ローラの軸方向長さを第1ローラの軸方向長さよりも長くなるように形成した。
よって、第1ローラと第2ローラの軸方向位置がずれたとしても、第1ローラに対する第2ローラの押し付け面積を確保することができる。
本発明の一実施例になる駆動力配分装置を具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。 図1における駆動力配分装置の縦断側面図である。 図2に示す駆動力配分装置で用いたクランクシャフトを示す縦断正面図である。 図2に示す駆動力配分装置の動作説明図で、
以下、本発明の実施の形態を、図示の実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる駆動力配分装置1をトランスファーとして具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。
図1の四輪駆動車両は、エンジン2からの回転を変速機3による変速後、リヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を順次経て左右後輪6L,6Rに伝達するようにした後輪駆動車をベース車両とする。そして、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、駆動力配分装置1により、フロントプロペラシャフト7およびフロントファイナルドライブユニット8を順次経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
駆動力配分装置1は、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配して出力することにより、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rおよび左右前輪(従駆動輪)9L,9R間の駆動力配分比を決定するもので、本実施例においては、この駆動力配分装置1を図2に示すように構成する。
図2において11は、駆動力配分装置1のハウジングを示し、このハウジング11内に入力軸12および出力軸13を、それぞれの回転軸線O1およびO2が交差するよう相互に傾斜させて横架する。入力軸12は、その両端におけるボールベアリング14,15によりハウジング11に対し回転自在に支承する。入力軸12の両端をそれぞれ、シールリング25,26による液密封止下でハウジング11から突出させる。図2において入力軸12の左端を変速機3(図1参照)の出力軸に駆動結合し、右端はリヤプロペラシャフト4(図1参照)を介してリヤファイナルドライブユニット5に駆動結合する。
入力軸12および出力軸13の両端近くにそれぞれ配して、これら入出力軸12,13間に一対のベアリングサポート16,17を架設し、これらベアリングサポート16,17をそれぞれの中程で、ボルト(図示せず)によりハウジング11の軸線方向対向内壁に取着する。このベアリングサポート16,17は、入力軸12が貫通する入力軸貫通孔16a,17aと、出力軸13及びクランクシャフト51L,51Rが貫通する出力軸貫通孔16c,17cと、入力軸貫通孔16a,17aと出力軸貫通孔16c,17cとの間をつなぐ縦壁16b,17bとを有し、軸方向正面視において略メガネ形状である。ベアリングサポート16,17と入力軸12との間にはローラベアリング21,22を介在させ、これにより入力軸12をベアリングサポート16,17に対し回転自在となすことで、ベアリングサポート16,17を介しても入力軸12をハウジング11内に回転自在に支持する。
ベアリングサポート16,17間(ローラベアリング21,22間)における入力軸12の軸線方向中程位置に第1ローラ31を同軸に一体成形し、この第1ローラ31に動力伝達可能に作動油を介して摩擦接触し得るよう配して出力軸13の軸線方向中程位置に第2ローラ32を同軸に一体成形する。
これら第1ローラ31および第2ローラ32の外周面31a,32aは、入力軸12および出力軸13の前記した傾斜によっても、相互に線接触し得るような円錐テーパ面とする。また、第1ローラ31および第2ローラ32の外周面31a,32aの軸方向長さは、第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面の軸方向長さよりも長く形成され、第2ローラ32の外周面32aの軸方向長さは、第1ローラ31の外周面31aの軸方向長さより長く形成されている。
第1ローラ31及び第2ローラ32の径方向延在部の両側にはスラストベアリング31cL,31cR及び32cL,32cRと当接し、このスラストベアリング31cL,31cR及び32cL,32cRを径方向に保持する保持溝31b,32bが形成されている。スラストベアリング31cL,31cRはベアリングサポート16,17の側壁16a1,17a1と当接することで第1ローラ31の軸方向位置決めを行う。一方、スラストベアリング32cL,32cRは、後述するクランクシャフト51L,51Rのローラ側当接部51Ld,51Rdと当接することで第2ローラ32の軸方向位置決めを行う。
出力軸13は、両端13L,13Rの近くにおける前記のベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承することで、これらベアリングサポート16,17を介してハウジング11内に旋回可能に支持する。
かように出力軸13(13L,13R)をベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承するに当たっては、以下のような偏心支承構造を用いる。
出力軸13(13L,13R)と、これが貫通するベアリングサポート16,17との間にそれぞれ、中空アウターシャフト型式のクランクシャフト51L,51Rを遊嵌する。
クランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)をそれぞれ図2の左端においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11およびクランクシャフト51L間にシールリング27を介在させると共に、クランクシャフト51L および出力軸13(13L)間にシールリング28を介在させることにより、ハウジング11から突出するクランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)の突出部をそれぞれ液密封止する。
図2においてハウジング11から吐出する出力軸13の左端13Lは、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8を介して左右前輪9L,9Rに駆動結合する。
クランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra(半径Ri)と、出力軸13の対応端部13L,13Rとの間にそれぞれローラベアリング52L,52Rを介在させて、出力軸13(13L,13R)をクランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra内で、これらの中心軸線O2の周りに自由に回転し得るよう支持する。
クランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra(中心軸線O2)は図3に明示するごとく、外周部51Lb,51Rb(中心軸線O3、半径Ro)に対し偏心させた偏心中空孔とし、これら偏心中空孔51La,51Raの中心軸線O2は外周部51Lb,51Rbの中心軸線O3から、両者間の偏心分εだけオフセットしている。
クランクシャフト51L,51Rの外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、ラジアルベアリングであるローラベアリング53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート16,17の出力軸貫通孔16c,17cの内周に回転自在に支持する。また、クランクシャフト51L,51Rのローラ側当接部51Ld,51Rdがスラストベアリング32cL,32cRにより回転自在に支持される。更に、このスラストベアリング32cL,32cRと軸方向外側に配置されたスラストベアリング54L,54Rを有し、このスラストベアリング54L,54Rはスペーサ60L,60Rと回転自在に当接すると共に後述するリングギヤ51Lc,51Rcと回転自在に当接し、これによりクランクシャフト51L,51Rを回転自在に支持する。
スペーサ60L,60Rは、縦壁16b,17bの第2ローラ32側に面した壁面16b1,17b1と当接すると共に出力軸貫通孔16c,17cの内周面よりも内径側であってクランクシャフト51L,51Rに接触しない位置まで延在された第1スペーサ部61L,61Rと、出力軸貫通孔16c,17c内に挿入可能に延在された第2スペーサ部62L,62R(延在部)とを有する。
そして、この第2スペーサ部62L,62Rの外周と、出力軸貫通孔16c,17cの内周面との間で当接させてスペーサ60L,60Rの径方向位置決めを行うと共に、ローラベアリング53L,53Rとスラストベアリング54R,54Lとの相互干渉を回避する。
このように、第1スペーサ部61L,61Rを内径側に延在させ、この第1スペーサ部61L,61Rの径方向長さに沿ってスラストベアリング54R,54Lを設けたため、径方向外側への大型化を招くことなくベアリング容量の増大を図ることができる。また、ローラベアリング53L,53Rを大型化することで仮にクランクシャフト51L,51Rとベアリングサポート16,17の出力軸貫通孔16c,17c内周との隙間が増大したとしても、第1スペーサ部61L,61Rによりスラストベアリング54L,54Rを内径側において受け止めることができ、径方向の大型化を回避することができる。
また、第2スペーサ部62L,62Rの外周において径方向位置決めを行うため、スペーサ60L,60Rとクランクシャフト51L,51Rとの接触を回避することができ、摺動抵抗の増大による摩擦損失を抑制することができる。すなわち、クランクシャフト51L,51Rはベアリングサポート16,17に対して相対回転する一方、スペーサ60L,60Rはベアリングサポート16,17に対して回転することはない。よって、非回転部材同士を用いて位置決めを行うことで摺動箇所を低減することができる。
クランクシャフト51L,51Rの相互に向き合う隣接端にそれぞれ、同仕様のリングギヤ51Lc,51Rcを一体に設け、これらリングギヤ51Lc,51Rcにそれぞれ、共通なクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させ、これらクランクシャフト駆動ピニオン55をピニオンシャフト56に結合する。
なお、上記のごとくリングギヤ51Lc,51Rcにクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させるに当たっては、クランクシャフト51L,51Rを両者の外周部51Lb,51Rbが円周方向において相互に整列して同位相となる回転位置にした状態で、当該リングギヤ51Lc,51Rcに対するクランクシャフト駆動ピニオン55の噛合を行わせる。
ピニオンシャフト56は、その両端を軸受56a,56bによりハウジング11に対し回転自在に支持する。図2の右側におけるピニオンシャフト56の右端をハウジング11に貫通してこれから露出させ、該ピニオンシャフト56の露出端面には、ハウジング11に取着して設けたローラ間押し付け力制御モータ35の出力軸35aをセレーション嵌合などにより駆動結合する。よって、ローラ間径方向押し付け力制御モータ35によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御するとき、出力軸13および第2ローラ32の回転軸線O2が、図3に破線で示す軌跡円αに沿って中心軸線O3の周りに旋回する。
図3の軌跡円αに沿った回転軸線O2(第2ローラ32)の旋回により第2ローラ32は、後で詳述するが図4(a)〜(c)に示すごとく第1ローラ31に対し径方向へ接近し、これら第1ローラ31および第2ローラ32のローラ軸間距離L1をクランクシャフト51L,51Rの回転角θの増大につれ、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも小さくすることができる。かかるローラ軸間距離L1の低下により、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量:トラクション伝動容量)が大きくなり、ローラ軸間距離L1の低下度合いに応じてローラ間径方向押圧力(ローラ間伝達トルク容量:トラクション伝動容量)、つまり駆動力配分比を任意に制御することができる。
なお図4(a)に示すように本実施例では、第2ローラ回転軸線O2がクランクシャフト回転軸線O3の直下に位置し、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離L1が最大となる下死点でのローラ軸間距離L1を、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも大きくする。これにより当該クランクシャフト回転角θ=0°の下死点においては、第1ローラ31および第2ローラ32が相互に径方向へ押し付けられることがなく、ローラ31,32間でトラクション伝動が行われないトラクション伝動容量=0の状態を得ることができ、トラクション伝動容量を下死点での0と、図4(c)に示す上死点(θ=180°)で得られる最大値との間で任意に制御することができる。なお本実施例では、クランクシャフト51L,51Rの回転角基準点をクランクシャフト回転角θ=0°の下死点であることとして説明を展開する。
<駆動力配分作用>
図1〜図4につき上述したトランスファー1の駆動力配分作用を以下に説明する。変速機3(図1参照)からトランスファー1の入力軸12に達したトルクは、一方でこの入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5(ともに図1参照)を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)へ伝達される。
他方でトランスファー1は、モータ35によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御して、ローラ軸間距離L1(図4参照)を第1ローラ31および第2ローラ32の半径の和値よりも小さくするとき、これらローラ31,32が径方向相互押圧力に応じたローラ間伝達トルク容量を持つことから、このトルク容量に応じて、左右後輪6L,6R(主駆動輪)へのトルクの一部を、第1ローラ31から第2ローラ32を経て出力軸13に向かわせ、左右前輪9L,9R(従駆動輪)をも駆動することができる。かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪(従駆動輪)9L,9Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
なお、この伝動中における第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押圧反力は、これらに共通な回転支持板であるベアリングサポート16,17で受け止められ、ハウジング11に達することがない。そして径方向押圧反力は、クランクシャフト回転角θが0°〜90°である間は0となり、クランクシャフト回転角θが90°〜180°である間、θの増大に応じて増加し、クランクシャフト回転角θが180°になるとき最大値となる。
このような四輪駆動走行中、クランクシャフト51L,51Rの回転角θが図4(b)に示すごとく基準位置の90°であって、第1ローラ31および第2ローラ32が相互に、この時のオフセット量OSに対応した径方向押圧力で押し付けられて摩擦接触している場合、これらローラ間のオフセット量OSに対応したトラクション伝動容量で左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへの動力伝達が行われる。
そして、クランクシャフト51L,51Rを図4(b)の基準位置から、図4(c)に示すクランクシャフト回転角θ=180°の上死点に向け回転操作してクランクシャフト回転角θを増大させるにつれ、ローラ軸間距離L1が更に減少して第1ローラ31および第2ローラ32の相互オーバーラップ量OLが増大する結果、第1ローラ31および第2ローラ32は径方向相互押圧力を増大され、これらローラ間のトラクション伝動容量を増大させることができる。
クランクシャフト51L,51Rが図4(c)の上死点位置に達すると、第1ローラ31および第2ローラ32は相互に、最大のオーバーラップ量OLに対応した径方向最大押圧力で径方向へ押し付けられて、これらの間のトラクション伝動容量を最大にすることができる。なお最大のオーバーラップ量OLは、第2ローラ回転軸線O2およびクランクシャフト回転軸線O3間の偏心量εと、図4(b)につき上記したオフセット量OSとの和値である。
以上の説明から明らかなように、クランクシャフト51L,51Rをクランクシャフト回転角θ=0°の回転位置から、クランクシャフト回転角θ=180°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの増大につれ、ローラ間トラクション伝動容量を0から最大値まで連続変化させることができる。また逆に、クランクシャフト51L,51Rをクランクシャフト回転角θ=180°の回転位置から、θ=0°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの低下につれ、ローラ間トラクション伝動容量を最大値から0まで連続変化させることができ、ローラ間トラクション伝動容量をクランクシャフト51L,51Rの回転操作により自在に制御し得る。
<ローラとリングギヤとの干渉と交差の関係>
第1ローラ31と第2ローラ32の摩耗を抑制するためには、第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を大きくして面圧を小さくする必要がある。第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を大きくする1つの方法としては、第1ローラ31と第2ローラ32の径の大きさを大きくすることが考えられる。しかし、この方法では入力軸12と出力軸13との軸間距離が大きくなり、駆動力配分装置1が大型化する問題がある。第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を大きくする別の方法として、第1ローラ31または第2ローラ32の軸方向長さ、もしくは第1ローラ31および第2ローラ32の軸方向長さを長くすることが考えられる。これは第1ローラ31と第2ローラ32との間に軸方向のずれが生じたとしても第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を確保することの観点でも望ましい。
しかし、図2に示すように第1ローラ31と第2ローラ32の接触面の軸方向両端外側にはクランクシャフト51L,51Rのリングギヤ51Lc,51Rcが設けられているため、リングギヤ51Lc,51Rcとが干渉しないように第1ローラ31および第2ローラ32を形成する必要がある。
ここで、第1ローラ31とクランクシャフト51L,51R(リングギヤ51Lc,51Rc)との軸方向の相対位置を決める要素は、第1ローラ31、スラストベアリング31cL,31cR、ベアリングサポート16,17、スラストベアリング54L,54R、リングギヤ51Lc,51Rcの9要素である。一方、第2ローラ32とクランクシャフト51L,51R(リングギヤ51Lc,51Rc)との軸方向の相対位置を決める要素は、第2ローラ32、スラストベアリング32cL,32cR、リングギヤ51Lc,51Rcの5要素である。つまり、第1ローラ31がリングギヤ51Lc,51Rcと干渉しないようにするためには、前記9要素の公差を積み上げた分を考慮して第1ローラ31の外周面31aの軸方向長さを決定する必要があるが、第2ローラ32がリングギヤ51Lc,51Rcと干渉しないようにするためには、前記5要素の公差を積み上げた分のみを考慮して第2ローラ32の外周面32aの軸方向長さを決定することができる。
すなわち、第1ローラ31の軸方向長さを第2ローラ32の軸方向長さよりも、第2ローラ32の軸方向長さを第1ローラ31の軸方向長さよりも長く形成したほうが、第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を大きく設定することができ、また第1ローラと第2ローラの軸方向位置のずれに対しても第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積の縮小化を抑制することができる。
以上説明したように、本実施例にあっては下記に列挙する作用効果が得られる。
(1)主駆動輪伝動系である左右後輪6L,6Rと共に回転する第1ローラ31と、従駆動輪伝動系である左右前輪9L,9Rと共に回転する第2ローラ32とを、両者の外周面において動力伝達可能に接触させることにより左右前輪7L,7R(従駆動輪)への駆動力配分が可能であり、第2ローラ32の軸部を、ハウジング11の固定軸線O2周りに回転可能なクランクシャフト51L,51Rの偏心中空孔内に回転自在に支承し、該クランクシャフト51L,51Rの前記固定軸線O2周りの回転により第2ローラ32を旋回させて、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力を加減することで左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪7L,7R間の駆動力配分を制御する駆動力配分装置において、第2ローラ32の軸方向両側においてクランクシャフト51L,51Rの径方向に突出したリングギヤ51Lc,51Rcと噛み合うピニオン55をモータ35により回転させることにより、クランクシャフト51L,51Rを固定軸線周りに回転させ第1ローラに押し付け力を加える第2ローラ32の軸方向長さを第1ローラ31の軸方向長さよりも長くなるように形成した。
よって、第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積を大きく設定することができ、また第1ローラと第2ローラの軸方向位置のずれに対して第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け面積の縮小化を抑制することができる。
以上、本発明は上記実施例の構成に限らず、他の構成であっても構わない。例えば、本実施例では第1ローラ31および第2ローラ32の外周面31a,32aの軸方向長さを、第1ローラ31および第2ローラ32の接触面の軸方向長さよりも長く形成しているが、第1ローラ31の外周面31aの軸方向長さは第1ローラ31および第2ローラ32の接触面の軸方向長さと同じであっても良い。
1 駆動力配分装置(トランスファー)
2 エンジン
3 変速機
4 リヤプロペラシャフト
5 リヤファイナルドライブユニット
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
7 フロントプロペラシャフト
8 フロントファイナルドライブユニット
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
11 ハウジング
12 入力軸
13 出力軸
13L,13R 第2ローラ軸部
16,17 ベアリングサポート
31 第1ローラ
32 第2ローラ
35 ローラ間径方向押し付け力制御モータ
51L,51R クランクシャフト
51La,51Ra 偏心中空孔
51Lb,51Rb 外周部
51Lc,51Rc リングギヤ
51Ld 径方向油孔
53L,53R ローラベアリング(ラジアルベアリング)
54L,54R スラストベアリング
55 クランクシャフト駆動ピニオン
56 ピニオンシャフト
60L,60R スペーサ

Claims (1)

  1. 主駆動輪伝動系と共に回転する第1ローラと、従駆動輪伝動系と共に回転する第2ローラとを、両者の外周面において動力伝達可能に接触させることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であり、
    前記第2ローラの軸部を、ハウジングの固定軸線周りに回転可能なクランクシャフトの偏心中空孔内に回転自在に支承し、該クランクシャフトの前記固定軸線周りの回転により第2ローラを旋回させて、第1ローラに対する第2ローラの径方向押し付け力を加減することで前記主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御する駆動力配分装置において、
    前記第2ローラの軸方向両側において前記クランクシャフトの径方向に突出したリングギヤと噛み合うピニオンをモータにより回転させることにより、前記クランクシャフトを前記固定軸線周りに回転させ前記第1ローラに押し付け力を加える前記第2ローラの軸方向長さを前記第1ローラの軸方向長さよりも長くなるように形成したことを特徴とする駆動力配分装置。
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