JP5195511B2 - 駆動力配分装置 - Google Patents

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Description

本発明は、四輪駆動車のトランスファーとして有用な摩擦伝動式駆動力配分装置の改良提案に関するものである。
このような駆動力配分装置に用い得る摩擦伝動装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
この文献に記載の摩擦伝動装置は、第1ローラおよび第2ローラの間接的な径方向押圧接触により、当該ローラ間径方向押圧接触状態に応じたトランクション伝動容量で動力伝達を行うものである。
特開2002−349653号公報
しかし、かかる摩擦伝動装置を四輪駆動車用トランスファーなどの駆動力配分装置として用いる場合、以下のような問題を発生する懸念がある。
つまり、トランスファーなどの駆動力配分装置として上記の摩擦伝動装置を用いる場合、主駆動輪と共に回転するようこれに機械的に結合された第1ローラと、従駆動輪と共に回転するようこれに機械的に結合された第2ローラとの径方向相互摩擦接触を介したトランクション伝動により、主駆動輪に向かっている駆動力の一部を従駆動輪へ配分することになる。
ところで、かかるトランクション伝動による駆動力配分中は第1ローラおよび第2ローラ間にスリップを生じて両ローラが発熱するため、これらローラの冷却が必要である。
なおローラのスリップは、駆動力配分中の駆動力急増時や、当該駆動力配分の開始時(トランスファーにあっては、二輪駆動から四輪駆動への切り替え時)に、特に顕著になってローラの確実な冷却が要求される。
ちなみにローラのスリップ時は、回転速度の遅い方のローラ(駆動力が主駆動輪側から従駆動輪側に伝達されることから、通常は第2ローラ)の発熱量が、回転速度の速い方のローラ(通常は第1ローラ)の発熱量よりも多くなる。
しかし、従来の摩擦伝動装置におけるように両ローラに対するオイル供給について特別な対策を施さなければ、そして、両ローラを、これらローラの少なくとも一部がオイル内に浸漬されるようハウジング内に収納し、これらローラによる掻き上げオイルで両ローラを冷却しようとすれば、
これらローラにオイルが等分に供給されることとなり、ローラが歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得ないこととも相まって、回転速度が遅くて発熱量が多い方のローラ(第2ローラ)が冷却不足を生じやすい。
本発明は、ローラ間に回転速度差(スリップ)が発生し、回転速度の遅い方のローラの発熱量が回転速度の速い方のローラの発熱量より多くなる場合でも、前者のローラを確実に冷却し得て、当該ローラが冷却不足を生ずることのないようにした、改良型の駆動力配分装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による駆動力配分装置は、請求項1に記載のごとくに構成したものである。
先ず前提となる駆動力配分装置を説明するに、これは、
主駆動輪に機械的に結合された第1ローラと、
従駆動輪に機械的に結合され、上記第1ローラとの摩擦接触により従駆動輪へ駆動力を配分する第2ローラとを具え、
これら第1ローラおよび第2ローラを、該第1ローラおよび第2ローラの少なくとも一部がオイル内に浸漬されるようハウジング内に収納したものである。
本発明は、かかる駆動力配分装置において、
上記第1ローラを、該第1ローラによるオイル飛散量が上記第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成した点に特徴づけられる。
かかる本発明の駆動力配分装置によれば、以下の作用効果が奏し得られる。
つまり、第1ローラが主駆動輪に機械的に結合され、第2ローラが従駆動輪に機械的に結合されているため、ローラ間でスリップが発生した時に第2ローラの回転速度が第1ローラの回転速度よりも遅くなり、第2ローラの発熱量が第1ローラの発熱量よりも多くなる。
しかし本発明の駆動力配分装置では、第1ローラによるオイル飛散量が第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したため、
第1ローラにより掻き上げられて第2ローラに向かう飛散オイル量が、第2ローラにより掻き上げられて第1ローラに向かう飛散オイル量よりも多くなる。
このため、スリップなどで第2ローラの回転速度が第1ローラの回転速度より遅くなって、第2ローラの発熱量が第1ローラの発熱量より多くなるといえども、
発熱量の多い第2ローラを、上記多量の飛散オイルにより確実に冷却することができ、ローラが歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得なくても、当該第2ローラが冷却不足になるのを防止することができる。
本発明の第1実施例になる駆動力配分装置を具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。 図1における駆動力配分装置の縦断側面図である。 図2の駆動力配分装置における第1ローラの側面図である。 図2の駆動力配分装置における第1ローラおよび第2ローラのオイル浸漬状態と、ローラ接触部の温度分布と、ローラによるオイルの飛散状態とを示す説明図である。 本発明の第2実施例になる駆動力配分装置の要部破断側面図である。 図5の駆動力配分装置における第1ローラの側面図である。 本発明の第3実施例になる駆動力配分装置の第1ローラに設けた第1溝を示す拡大断面図である。 本発明の第4実施例になる駆動力配分装置を示す、図2と同様な縦断側面図である。 図8に示す駆動力配分装置で用いたクランクシャフトを示す縦断正面図である。 本発明の第5実施例になる駆動力配分装置を示す、図2と同様な縦断側面図である。 本発明の第6実施例になる駆動力配分装置を示す、図2と同様な縦断側面図である。 本発明の第7実施例になる駆動力配分装置を示す、図2と同様な縦断側面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図示の第1実施例〜第7実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる駆動力配分装置1をトランスファーとして具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。
図1の四輪駆動車両は、エンジン2からの回転を変速機3による変速後、リヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を経て左右後輪6L,6Rに伝達される後輪駆動車をベース車両とし、
左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、駆動力配分装置1より、フロントプロペラシャフト7およびフロントファイナルドライブユニット8を経て左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
駆動力配分装置1は、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ分配して出力することにより、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rおよび左右前輪(従駆動輪)9L,9R間の駆動力配分を決定するもので、本実施例においては、この駆動力配分装置1を図2に示すように構成する。
図2において、11はハウジングを示し、このハウジング11内に入力軸12と、出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニットとを、相互に平行に配して横架する。
入力軸12は回転軸線O1を有し、出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニットは回転軸線O2を有する。
入力軸12は、その両端におけるボールベアリング13,14によりハウジング11に対し回転自在に支承する。
出力軸15およびクランクシャフト16は同軸に突き合わせて隣接端を相互に嵌合させ、この嵌合部にニードルベアリング17を介在させて、出力軸15およびクランクシャフト16を相対回転可能とする。
これら出力軸15およびクランクシャフト16より成る軸ユニットは、その両端におけるボールベアリング18,19によりハウジング11に対し回転自在に支承する。
出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニットと、入力軸12との軸間距離を保つために、これら軸ユニットおよび入力軸12の両端に配してベアリングサポート25,26を設ける。
ベアリングサポート25は、ニードルベアリング17を介在させた出力軸15およびクランクシャフト16の相互嵌合部に配置し、ローラベアリング21,23を介して入力軸12および出力軸15をそれぞれ回転自在に支持する。
またベアリングサポート26は、ローラベアリング22,24を介して入力軸12およびクランクシャフト16をそれぞれ回転自在に支持する。
これらベアリングサポート25,26を、ハウジング11の対応する内側面にボルト30で取り付けることにより、出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニット、および、入力軸12を、両者間の軸間距離を保ってハウジング11に回転自在に支持する。
入力軸12の両端をそれぞれ、シールリング27,28による液密封止下でハウジング11から突出させ、該入力軸12の図中左端を変速機3(図1参照)の出力軸に結合し、図中右端をリヤプロペラシャフト4(図1参照)を介してリヤファイナルドライブユニット5に結合する。
クランクシャフト16から遠い出力軸15の図中左端を、シールリング29による液密封止下でハウジング11から突出させ、該出力軸15の突出左端をフロントプロペラシャフト7(図1参照)を介してフロントファイナルドライブユニット8に結合する。
入力軸12の軸線方向中程には、第1ローラ31を同心に一体成形して設け、クランクシャフト16の両端間には、第2ローラ32を以下のようにして設け、これら第1ローラ31および第2ローラ32を共通な軸直角面内に配置する。
第2ローラ32を設けるクランクシャフト16の箇所に、半径がRの偏心軸部16aを設定し、この偏心軸部16aは、その軸心O3を出力軸15およびカウンターシャフト16より成る軸ユニットの回転軸線O2からεだけオフセットさせる。
そして、クランクシャフト16の偏心軸部16a上にローラベアリング33を介し、第2ローラ32を回転自在に、しかし軸線方向位置決め状態で取り付ける。
従って、第2ローラ32の回転軸線は偏心軸部16aの軸心O3と同じになり、クランクシャフト16の回転位置制御により第2ローラ回転軸線O3(偏心軸部16aの軸心)を、クランクシャフト回転軸線(出力軸回転軸線)O2の周りに回転させれば、
第1ローラ31の回転軸線O1と、第2ローラ32の回転軸線O2との間における距離(第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離)L1を加減することができる。
ここで、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離L1を、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも小さくすることにより、
第1ローラ31および第2ローラ32が相互に径方向へ押し付けられ、ローラ外周面同士が符号31a,32aで示す箇所において予圧下に摩擦接触し、これらの間でトランクション伝動を行うことができる。
そして、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離L1を加減することにより、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力(第1,2ローラ間の伝達トルク容量)を自在に制御することができる。
かかるクランクシャフト16の回転位置制御を介した第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押し付け力(第1,2ローラ間の伝達トルク容量)制御を可能にするため、
出力軸15から遠いクランクシャフト16の図中右端を、シールリング34による液密封止下でハウジング11から外部に露出させる。
かかるクランクシャフト16の露出端面に同軸に対向するローラ間押し付け力制御モータ35をハウジング11に取着して設け、
モータ35の出力軸35aを、ハウジング11から露出しているクランクシャフト16の端面にセレーション嵌合などにより駆動結合する。
第1ローラ31からトランクション伝動により第2ローラ32(回転軸線O3)に至った回転を出力軸15(回転軸線O2)から、上記の偏心εにもかかわらず取り出し得るようにするため、
クランクシャフト16に近い出力軸15の内端にフランジ部15aを一体成形して設け、該フランジ部15aの直径を第2ローラ32と軸線方向に対面する大きさとなし、
これら出力軸フランジ部15aと、第2ローラ32との間を、偏心継手41により駆動結合する。
<第1実施例の作用>
上記した図1,2に示す第1実施例の駆動力配分装置は、以下のように伝動作用を行う。
変速機3からの出力トルクは図2の左端から軸12へ入力され、一方では、この入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)に伝達される。
他方で駆動力配分装置1は、左右後輪6L,6Rへのトルクの一部を、第1ローラ31から、第2ローラ32、偏心継手41、出力軸フランジ部15aを順次経て出力軸15に向かわせる。
出力軸15に達したトルクは、図2において出力軸15の左端から、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8(図1参照)を経由し、左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ伝達される。
かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪(従駆動輪)7L,7Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
ところで本実施例においては、ローラ間押し付け力制御モータ35によりクランクシャフト16の回転軸線O2周りにおける回転位置を制御して、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離L1を加減することで、
第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力、つまり第1,2ローラ間の伝達トルク容量を自在に制御することができる。
従って、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rおよび左右前輪(従駆動輪)9L,9R間の駆動力配分特性を、いつも運転状況に応じた最適なものに変更することができる。
<第1実施例のローラ冷却構造>
前記した第1ローラ31および第2ローラ32間のトランクション伝動による駆動力配分中は第1ローラ31および第2ローラ32間にスリップを生じて両ローラ31,32が発熱するため、これらローラ31,32の冷却が必要である。
なおローラ31,32間のスリップは、駆動力配分中の駆動力急増時や、当該駆動力配分の開始時(トランスファーにあっては、二輪駆動から四輪駆動への切り替え時)に特に顕著になり、ローラ31,32の一層確実な冷却が要求される。
この要求を満足させるため、本実施例においては図2,3に示すごとく、第1ローラ31の摩擦伝動面である外周面31aに円周方向へ延在する第1溝42を設ける。
この第1溝42は、第1ローラ31の外周面31aを1周する無終端条溝とし、第1ローラ外周面31aの軸線方向中程に配置する。
かように第1溝42を第1ローラ外周面31aに設けた根拠を以下に説明する。
ローラ31,32の冷却を、オイルポンプからの圧送オイルによる強制冷却方式に頼らず、油浴冷却方式および掻き上げ冷却方式で行う場合、図4に示すごとくハウジング11内に貯留したオイル43中に第1ローラ31および第2ローラ32の少なくとも一部が共に浸漬されるようにしてこれらローラ31,32をハウジング11内に収納する。
油浴冷却方式は、両ローラ31,32の軸受部とローラ間接触部とをオイル43中に浸して、これらローラ軸受部とローラ間接触部を冷却するものである。
一方で掻き上げ冷却方式は、ローラ31,32により掻き上げられた飛散オイル43aにより、ローラ31,32の摩擦接触後における外周面31a,32aを冷却するものである。
ところで通常は、駆動力が主駆動輪側から従駆動輪側に伝達されることから、従駆動輪側における第2ローラ32の回転速度が、主駆動輪側における第1ローラ31の回転速度よりも、図4の回転方向矢印長さの差により示すように遅い。
そして、ローラ31,32のスリップによる発熱量は図4の破線で示す温度分布から明らかなように、回転速度の遅い方の第2ローラ32の発熱量が、回転速度の速い方の第1ローラ31の発熱量よりも多くなる。
しかし、両ローラ31,32に対するオイル供給について特別な対策を施さなければ、つまり本実施例のように第1ローラ31の外周面に第1溝42を設ける対策を施していなければ、
これらローラ31,32の掻き上げによるオイル飛散量はそれぞれ、ローラ31,32間の油膜厚さで決まるオイル飛散総量を等分したオイル飛散量となり、
第1ローラ31により掻き上げられて主に第2ローラ32に向かうオイル飛散量と、第2ローラ32により掻き上げられて主に第1ローラ31に向かうオイル飛散量とが同じになる。
このため、またローラ31,32がもともと歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得ないこととも相まって、回転速度が遅くて発熱量が多い第2ローラ32が冷却不足を生じやすい。
ところで本実施例においては、第1ローラ31の外周面31aに円周方向へ延在する第1溝42を設けたため、
第1溝42が、第1ローラ31および第2ローラ32の摩擦接触部においても、第1溝42の当該箇所における容積分だけオイルを保持していることとなる。
このため図4に43aで示すごとく、第1ローラ31により掻き上げられて主に第2ローラ32に向かうオイル飛散量が、第2ローラ32により掻き上げられて主に第1ローラ31に向かうオイル飛散量よりも多くなる。
よって本実施例のローラ冷却構造によれば、ローラ31,32間に回転速度差(スリップ)が発生し、回転速度の遅い方の第2ローラ32の発熱量が回転速度の速い方の第1ローラ31の発熱量より多くなるといえども、
発熱量の多い第2ローラ32を、上記第1ローラ31からの多量の飛散オイルにより確実に冷却することができ、ローラ31,32が歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得なくても、当該第2ローラ32が冷却不足になるのを防止することができる。
なお第1溝42を図3のように、第1ローラ外周面31aの軸線方向中程に配置した場合、第1ローラ31からの飛散オイル43a(図4参照)が第2ローラ外周面32aの幅方向に均等に分布されて、上記の作用効果を確実なものにし得る。
また上記では、第1溝42を第1ローラ外周面31aのみに設けることとしたが、第2ローラ外周面32aにも設けることができる。
しかし前記の作用効果に照らして、第1ローラ31の掻き上げオイル飛散量が第2ローラ32の掻き上げオイル飛散量よりも多い必要があることから、
第1ローラ外周面31aに設ける第1溝42の本数を、第2ローラ外周面32aにも設ける第1溝の本数より多くする等により、第1ローラ側第1溝42の合計断面積を、第2ローラ側第1溝の合計断面積より大きくする必要があるのは言うまでもない。
<第2実施例>
図5,6は、本発明の第2実施例を示し、本実施例は、第1ローラ31の外周面31aに設ける第1溝44を、前記した第1実施例における第1溝42と異ならせたものである。
本実施例における第1溝44は、第1ローラ31の外周面31aに円周方向へ延在させて設けるが、図6に明示するごとく第1ローラ31の回転方向に対してθだけ傾斜させる。
かかる第2実施例の駆動力配分装置も、前記した第1実施例と同様な作用効果を奏し得るが、第1溝44を第1ローラ31の回転方向に対し傾斜させたことで、
第1ローラ31がローラ幅方向の一層多くの箇所からオイルを飛散させることができ、第1実施例の前記作用効果を更に顕著なものにして、ローラ外周面の冷却効率を高めることができる。
また本実施例でも、第1溝44を第1ローラ外周面31aに設けるだけでなく、同様な第1溝を第2ローラ外周面32aにも設けることができる。
この場合、第1ローラ外周面31aに設ける第1溝44の本数を、第2ローラ外周面32aにも設ける第1溝の本数より多くする等により、第1ローラ側第1溝44の合計断面積を、第2ローラ側第1溝の合計断面積より大きくして、第1ローラ31の掻き上げオイル飛散量が第2ローラ32の掻き上げオイル飛散量よりも多くなるようにする必要があること、前述した通りである。
<第3実施例>
図7は、本発明の第3実施例を示し、本実施例は、第1ローラ31の外周面31aに設ける第1溝42を第1実施例のように第1ローラ31の回転方向に対し傾斜しない無終端条溝とするか、第2実施例における第1溝44のごとく第1ローラ31の回転方向に対し傾斜させるかに関係なく、第1溝42,44の開口縁42a,44aを丸み付きにしたものである。
かかる第3実施例の駆動力配分装置によれば、前記各実施例と同様な作用効果を奏し得るのに加え、
第1ローラ31および第2ローラ32間の整列がずれた場合に、第1溝42,44の開口縁42a,44aが第2ローラ32の外周面32aに噛み込むエッジロードの発生を防止し得ると共に、ローラ間径方向押付力が大きくなった場合にローラ接触面が広くなり、面圧増加を低減することができるという作用効果をも奏し得る。
<第4実施例の構成>
図8は、本発明の第4実施例で、図2におけると同様な部品に同一符号を付して示す。
本実施例の駆動力配分装置1は、出力軸15に第2ローラ32を同軸に一体成形し、第1ローラ31が同軸に一体成形されている入力軸12を、その回転軸線O1が出力軸15および第2ローラ32の回転軸線O2に対し傾斜させてハウジング11内に横架する。
従って、第1ローラ31の外周面31aおよび第2ローラ32の外周面32aはそれぞれ、入出力軸12,15の不平行に合わせて円錐テーパ面とする。
この際、外周面31aを円錐テーパ面としたことで小径となる第1ローラ31の小径端面が、外周面32aを円錐テーパ面としたことで小径となる第2ローラ32の小径端面とにより180°未満の角度を形成するよう、つまり第1ローラ31の小径端面が第2ローラ32の小径端面よりも内側に位置するよう、第1ローラ31(入力軸12)の回転軸線O1を、第2ローラ32(出力軸15)の回転軸線O2に対し傾斜させる。
そして、前記したごとく回転速度が速くて発熱量の少ない第1ローラ31の小径端面を、同じく前記したごとく回転速度が遅くて発熱量の多い第2ローラ32の小径端面よりも、表面粗さが粗くなるよう、第1ローラ31の小径端面に表面加工を施す。
入力軸12は図2におけると同様、その両端におけるボールベアリング13,14によりハウジング11に対し回転自在に支持すると共に、ローラベアリング21,22およびベアリングサポート25,26を介してハウジング11に対し回転自在に支持する。
しかし本実施例においては、図2の中実インナーシャフト型式のクランクシャフト16に代え、一対1組の中空アウターシャフト型式のクランクシャフト51L,51Rを用い、これらクランクシャフト51L,51Rの回転変位により第2ローラ32の径方向変位を惹起して、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離を変更し得るようになす。
上記中空のクランクシャフト51L,51Rは、出力軸15に一体成形した第2ローラ32の軸線方向両側に配置する。
第2ローラ32の軸線方向両側から突出する出力軸15の両端にそれぞれ、クランクシャフト51L,51Rの中心孔51La,51Ra(半径Ri)を遊嵌し、この遊嵌部に軸受52L,52Rを介在させて出力軸15をクランクシャフト51L,51Rの中心孔51La,51Ra内で、これらの中心軸線O2の周りに自由に回転し得るよう支持する。
クランクシャフト51L,51Rには図9に明示するごとく、中心孔51La,51Ra(中心軸線O2)に対し偏心した外周部51Lb,51Rb(半径Ro)を設定し、これら偏心外周部51Lb,51Rbの中心軸線O3は中心孔51La,51Raの軸線O2から、両者間の偏心分εだけオフセットしている。
クランクシャフト51L,51Rの偏心外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、軸受53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート25,26内に回転自在に支持し、
この際、クランクシャフト51L,51Rをそれぞれ、第2ローラ32と共に、スラストベアリング54L,54Rで軸線方向に位置決めする。
クランクシャフト51L,51Rの相互に向き合う隣接端にそれぞれ、同仕様のリングギヤ51Lc,51Rcを一体に設け、
これらリングギヤ51Lc,51Rcに、共通なクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させる。
なおこの噛合に当たっては、クランクシャフト51L,51Rを両者の偏心外周部51Lb,51Rbが円周方向において相互に整列する回転位置にした状態で、リングギヤ51Lc,51Rcにクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させる。
クランクシャフト駆動ピニオン55はピニオンシャフト56に結合し、ピニオンシャフト56の両端を軸受56a,56bによりハウジング11に回転自在に支持する。
図8の右側におけるピニオンシャフト56の右端をハウジング11の外に露出させ、
該ピニオンシャフト56の露出端面には、ハウジング11に取着して設けたローラ間押し付け力制御モータ35の出力軸35aをセレーション嵌合などにより駆動結合する。
よって、ローラ間押し付け力制御モータ35によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御するとき、出力軸15および第2ローラ32の回転軸線O2が図9に破線で示す軌跡円に沿って旋回し、ローラ31,32間における軸間距離の変更により第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押圧力を任意に制御することができる。
クランクシャフト51Lおよび出力軸15をそれぞれ図8の左側においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11およびクランクシャフト51L間にシールリング57を介在させると共に、クランクシャフト51L および出力軸15間にシールリング58を介在させ、
これらシールリング57,58により、ハウジング11から突出するクランクシャフト51Lおよび出力軸15の突出部をそれぞれ液密封止する。
なおシールリング55,56の介在に際しては、これらシールリング55,56を位置させるクランクシャフト51Lの端部においてその内径と外径の中心を、出力軸15の支持位置と同様に偏心させ、
クランクシャフト51Lの上記端部外径とハウジング11との間にシールリング55を介在させ、クランクシャフト51Lの上記端部内径と出力軸15との間にシールリング56を介在させる。
かかるシール構造によれば、出力軸15の上記旋回によりその回転軸線O2が旋回変位するにもかかわらず、出力軸15をハウジング11から突出する箇所において良好にシールすることができる。
<第4実施例のトルク配分制御>
上記した図8および図9に示す第4実施例の駆動力配分制御を以下に説明する。
変速機3(図1参照)から入力軸12へのトルクは、一方では図2に示す第1実施例と同様、この入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4(図1参照)およびリヤファイナルドライブユニット5(図1参照)を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)に伝達される。
他方で本実施例の駆動力配分装置1は、ローラ間押し付け力制御モータ35によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rを回転位置制御して、第1ローラ31の外周面31aを第2ローラ32の外周面32aに押圧接触させている場合、
左右後輪6L,6R(主駆動輪)へのトルクの一部を、第1ローラ31から第2ローラ32を経て出力軸15に向かわせる。
その後このトルクは、出力軸15の図8中左端から、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8(図1参照)を経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達する。
かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪(従駆動輪)9L,9Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
なお、ローラ間押し付け力制御モータ35によるローラ間径方向相互押圧力制御(ローラ伝達トルク制御)によって、出力軸15(その回転軸線O2)が旋回変位するが、
かから出力軸15(その回転軸線O2)の旋回変位は、出力軸15およびフロントプロペラシャフト7間を結合する自在継手により吸収され得て、上記左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへのトルク伝達が阻害されることはない。
またローラ間押し付け力制御モータ35によりピニオン55およびリングギヤ51Lc,51Rcを介しクランクシャフト51L,51Rの軸線O3周りにおける回転位置を制御することで、
第2ローラ回転軸線O2(出力軸15の軸線)が、クランクシャフト回転軸線O3の周りに旋回され、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離を加減することができる。
そして、当該ローラ軸間距離の加減制御により、第1ローラ31および第2ローラ32間の径方向押圧力(ローラ伝達トルク)を任意の変更制御することができる。
<第4実施例のローラ冷却作用>
上記した第1ローラ31および第2ローラ32間のトランクション伝動による駆動力配分中のローラ冷却作用は、以下の通りである。
つまり前記した通り、第1ローラ31の外周面31aおよび第2ローラ32の外周面32aをそれぞれ円錐テーパ面とし、
これにより小径となる第1ローラ31の小径端面および第2ローラ32の小径端面のうち、回転速度が速くて発熱量の少ない第1ローラ31の小径端面を、回転速度が遅くて発熱量の多い第2ローラ32の小径端面より内側に位置させ、
更に、前者の発熱量が少ない第1ローラ31の小径端面を、後者の発熱量が多い第2ローラ32の小径端面よりも、表面粗さが粗くなるよう、第1ローラ31の小径端面に表面加工を施したため、
第1ローラ31(特に、表面粗さが粗い小径端面)により掻き上げられて、この小径端面側から反対の大径端面側へ向かいつつ、その途中で第2ローラ32に向け飛散されるオイル飛散量が、第2ローラ32により掻き上げられて第1ローラ31に向かうオイル飛散量よりも多くなる。
よって、ローラ31,32間に回転速度差(スリップ)が発生し、回転速度の遅い方の第2ローラ32の発熱量が回転速度の速い方の第1ローラ31の発熱量より多くなるといえども、
発熱量の多い第2ローラ32を、上記第1ローラ31からの多量の飛散オイルにより確実に冷却することができ、ローラ31,32が歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得なくても、当該第2ローラ32が冷却不足になるのを防止することができる。
<第5実施例>
図10は、本発明の第5実施例になる駆動力配分装置を示す。
本実施例においては基本的に図8と同様に構成するが、外周面31aを円錐テーパ面としたことで小径となる第1ローラ31の小径端面に連なる円錐外周面31aを環状に切り欠いて、この円錐外周面31aおよび小径端面に開口する円環状の第1溝45を設け、
該第1溝45の底面を、粗くなるよう表面加工する。
かかる第5実施例の構成によれば、円錐外周面31aの第1溝45が、その底面を粗くなるよう表面加工していることとも相まって、
前記した各実施例における第1溝42,44と同様に作用し、第1ローラ外周面31aおよび第2ローラ外周面32aの摩擦接触部においても、第1溝45の当該箇所における容積分だけオイルを保持する。
このため、第1ローラ31(特に、表面粗さが粗い小径端面)により掻き上げられて、この小径端面側から反対の大径端面側へ向かいつつ、その途中で第2ローラ32に向け飛散されるオイル飛散量が、第2ローラ32により掻き上げられて第1ローラ31に向かうオイル飛散量よりも多くなるという前記第4実施例の作用効果を助長し、
この作用効果を、第4実施例におけるよりも更に確実なものにすることができる。
なお本実施例においても、第2ローラ外周面32aと接する第1溝45の開口縁45aは、図7につき前述した第3実施例と同じく丸み付きとし、
これにより、第1ローラ31および第2ローラ32間の整列がずれた場合に、第1溝45の開口縁45aが第2ローラ32の円錐外周面32aに噛み込むエッジロードの発生を防止し得ると共に、ローラ間径方向押付力が大きくなった場合にローラ接触面が広くなり、面圧増加を低減することができるという作用効果が奏し得られるようにすることができる。
<第6実施例>
図11は、本発明の第6実施例になる駆動力配分装置を示す。
本実施例においては基本的に図8と同様に構成するが、外周面31aを円錐テーパ面としたことで小径となる第1ローラ31の小径端面に、径方向外方へ延在して円錐外周面31aに至る放射状の第2溝46を、好ましくは複数個、円周方向等間隔に配して設ける。
かかる第6実施例の構成によれば、放射状の第2溝46が、第1ローラ31により掻き上げられて第2ローラ32に向かうオイル飛散量を、第2ローラ32により掻き上げられて第1ローラ31に向かうオイル飛散量よりも多くするよう機能する。
よって、ローラ31,32間に回転速度差(スリップ)が発生し、回転速度の遅い方の第2ローラ32の発熱量が回転速度の速い方の第1ローラ31の発熱量より多くなるといえども、
発熱量の多い第2ローラ32を、上記第1ローラ31からの多量の飛散オイルにより確実に冷却することができ、ローラ31,32が歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得なくても、当該第2ローラ32が冷却不足になるのを防止することができる。
なお放射状の第2溝46は、円周方向の第1溝42,44,45よりも、ローラ31,32間の摩擦接触面積犠牲割合を少なくし得る利点がある。
また第1ローラ31の端面に放射状の第2溝46を設ける着想は、図11のように第1ローラ外周面31aおよび第2ローラ外周面32aが円錐テーパ面である場合だけでなく、図2のように第1ローラ外周面31aおよび第2ローラ外周面32aが円筒面である場合にも適用することができ、この場合も同様な作用効果を達成することができるのは言うまでもない。
<第7実施例>
図12は、本発明の第7実施例になる駆動力配分装置を示す。
本実施例においては基本的に図8と同様に構成するが、入力軸12および第1ローラ31に中空孔47を設け、その内端をハウジング11内のオイル43(図4参照)中に通じさせて当該オイルを中空孔47内に導くオイル流入開口48を入力軸12に設ける。
そして、中空孔47から反径方向外方へ第1ローラ外周面31aまで延在する径方向孔49を第1ローラ31に設け、この径方向孔49を経て中空孔47内の貯留オイルが遠心力により第1ローラ外周面31aに導かれるようにする。
かかる第7実施例の構成によれば、中空孔47、オイル流入開口48および径方向孔49がオイルを第1ローラ外周面31aに導びくことからその分だけ、第1ローラ31により掻き上げられて第2ローラ32に向かうオイル飛散量を、第2ローラ32により掻き上げられて第1ローラ31に向かうオイル飛散量よりも多くするよう機能する。
よって、ローラ31,32間に回転速度差(スリップ)が発生し、回転速度の遅い方の第2ローラ32の発熱量が回転速度の速い方の第1ローラ31の発熱量より多くなるといえども、
発熱量の多い第2ローラ32を、上記第1ローラ31からの多量の飛散オイルにより確実に冷却することができ、ローラ31,32が歯車ほど多量のオイルを掻き上げ得なくても、当該第2ローラ32が冷却不足になるのを防止することができる。
<その他の実施例>
なお図示しなかったが、図8,10,11,12に示すように第1ローラ外周面31aおよび第2ローラ外周面32aが円錐テーパ面であるか、図2,3,5,6のように第1ローラ外周面31aおよび第2ローラ外周面32aが円筒面であるかを問わず、
第1ローラ外周面31aの表面粗さを第2ローラ外周面32aの表面粗さよりも粗くすることで、第1ローラ31によるオイル飛散量が第2ローラ32によるオイル飛散量よりも多くなるようにしても、
前記した第2ローラ32の冷却不足防止効果を達成することができるのは勿論である。
1 駆動力配分装置
2 エンジン
3 変速機
4 リヤプロペラシャフト
5 リヤファイナルドライブユニット
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
7 フロントプロペラシャフト
8 フロントファイナルドライブユニット
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
11 ハウジング
12 入力軸
15 出力軸
16 クランクシャフト
16a 偏心軸部
25,26 ベアリングサポート
31 第1ローラ
31a ローラ外周面(摩擦伝動面)
32 第2ローラ
32a ローラ外周面(摩擦伝動面)
35 ローラ間押し付け力制御モータ
41 偏心継手
42,44,45 第1溝
42a,44a,45a 第1溝開口縁
46 第2溝
47 中空孔
48 オイル導入開口
48 径方向孔
51L,51R クランクシャフト
51La,51Ra 中心孔
51Lb,51Rb 偏心外周部
51Lc,51Rc リングギヤ
55 クランクシャフト駆動ピニオン
56 ピニオンシャフト

Claims (8)

  1. 主駆動輪に機械的に結合された第1ローラと、
    従駆動輪に機械的に結合され、前記第1ローラとの摩擦接触により従駆動輪へ駆動力を配分する第2ローラとを具え、
    これら第1ローラおよび第2ローラを、該第1ローラおよび第2ローラの少なくとも一部がオイル内に浸漬されるようハウジング内に収納してなる駆動力配分装置において、
    前記第1ローラを、該第1ローラによるオイル飛散量が前記第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したことを特徴とする駆動力配分装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記第2ローラと摩擦接触する前記第1ローラの摩擦伝動面に、円周方向へ延在する第1溝を設けることにより、第1ローラによるオイル飛散量が第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したことを特徴とする駆動力配分装置。
  3. 請求項2に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1溝は、第1ローラの回転方向に対して傾斜させたものであることを特徴とする駆動力配分装置。
  4. 請求項2に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1ローラの摩擦伝動面を円錐テーパ面とし、前記第1溝は、該円錐テーパ面のうち、第1ローラの小径端側における円錐テーパ面箇所に設けたものであることを特徴とする駆動力配分装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1溝は、開口縁を丸み付きにしたものであることを特徴とする駆動力配分装置。
  6. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1ローラおよび第2ローラの相互に摩擦接触する摩擦伝動面の表面粗さのうち、第1ローラの摩擦伝動面における表面粗さを第2ローラの摩擦伝動面における表面粗さよりも粗くすることにより、第1ローラによるオイル飛散量が第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したことを特徴とする駆動力配分装置。
  7. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1ローラの端面に、径方向へ延在する第2溝を設けることにより、第1ローラによるオイル飛散量が第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したことを特徴とする駆動力配分装置。
  8. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記第1ローラに、前記ハウジング内のオイルを第1ローラの中心部に導く中空孔と、前記第2ローラに摩擦接触する第1ローラの摩擦伝動面、および前記中空孔間に延在してこの中空孔内のオイルを第1ローラの摩擦伝動面に導く径方向孔とを設け、
    これら中空孔および径方向孔により、第1ローラによるオイル飛散量が第2ローラによるオイル飛散量よりも多くなるよう構成したことを特徴とする駆動力配分装置。
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