JP2007186798A - 銀粉およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒径が小さくても、感光性ペーストに使用した場合に、そのペーストの粘度を低くするとともに塗膜状態、感度およびライン性を良好にすることができる、銀粉およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 湿式還元法により製造した銀粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施した後、分級により銀の凝集体を除去する。表面平滑化処理は、乾燥した銀粉を、粒子を機械的に流動化させることができる装置、例えば、筒型高速攪拌機などの攪拌機(ミキサー、ミルなど)に投入して、銀粉の粒子同士を機械的に衝突させることにより行う。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銀粉およびその製造方法に関し、特に、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、プラズマディスプレイパネル用基板の電極などの電子部品に使用する導電性ペースト用の銀粉およびその製造方法に関する。
従来、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、プラズマディスプレイパネル(PDP)用基板の電極などの電子部品に使用する導電性ペーストとして、銀粉をガラスフリットとともに有機ビヒクル中に加えて混練することにより製造される銀ペーストが使用されている。これらの電子部品を小型化したり、導体パターンの高密度化やファインライン化に対応するため、導電性ペースト用の銀粉は、粒径が適度に小さく、粒度が揃っていることが要求される。
このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、銀塩含有水溶液にアルカリまたは錯化剤を加えて、酸化銀含有スラリーまたは銀錯塩含有水溶液を生成した後、還元剤を加えることにより銀粉を還元析出させる湿式還元法が知られている。また、所望の粒径を有する導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、銀塩含有水溶液に錯化剤を加えて銀錯塩含有水溶液(銀アンミン錯体水溶液)を生成した後、微量の有機金属化合物の存在下で還元剤を添加することにより、所望の粒径を有する銀粉を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、有機金属化合物の添加量を変えることにより、所望の粒径を有する球状銀粉を得ることができる。
しかし、従来の銀粉の製造方法によって粒径の小さい銀粉を製造しようとすると、銀粉の粒径を小さくするにしたがって、その銀粉を使用した導電性ペーストの粘度が増大してしまう。すなわち、粒径が小さくても導電性ペーストに使用した場合にそのペーストの粘度を低くする銀粉を製造することができないという問題がある。
この問題を解決するため、銀粉の粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施すことにより、銀粉の粒径や粒度分布を実質的に変化させることなく銀粉の表面に存在する凹凸や角張った部分を滑らかにすることができ、それによって粒径が小さく且つ導電性ペーストに使用した場合にその導電性ペーストの粘度を低くすることができる銀粉の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、プラズマディスプレイパネル用基板の電極などの形成方法として、導電性ペーストに有機成分として感光性樹脂を添加した感光性ペーストを用いて、フォトリソグラフィ法により微細パターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このようなフォトリソグラフィ法によって微細パターンを形成する方法に使用する感光性ペースト(フォトペースト)として、特許文献2に記載された方法により製造された銀粉を使用したペーストを使用することができ、このペーストは非常に優れた感度を有する。この理由は明確ではないが、特許文献2に記載された方法により製造された銀粉は、その表面が平滑であるので、紫外線の乱反射が少なく、所望の部位を的確に硬化させることができ、また、塗膜の深部まで硬化させることができるためであると考えられる。
特開平8−176620号公報(段落番号0008−0013) 特開2002−80901号公報(段落番号0010−0012) 特開平11−339554号公報(段落番号0007−0008)
しかし、近年、プラズマディスプレイパネル用基板の電極などの電子部品のパターンの高密度化やファインライン化が一層進み、特許文献2に記載された方法によって製造された銀粉を使用する感光性ペーストでも、塗膜状態やライン性が良好でない場合があり、その結果、良好な焼成膜を得ることができず、パターンの高密度化やファインライン化に対応できない場合がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、粒径が小さくても、感光性ペーストに使用した場合に、そのペーストの粘度を低くするとともに塗膜状態、感度およびライン性を良好にすることができる、銀粉およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明による銀粉の製造方法は、湿式還元法により製造した銀粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施した後、分級により、好ましくは15μm、さらに好ましくは11μmより大きい銀の凝集体を除去することを特徴とする。この銀粉の製造方法において、銀粉の平均粒径が0.1乃至10μmであるのが好ましく、5μm以下であるのがさらに好ましい。また、表面平滑化処理は、高速攪拌機を使用して行うのが好ましい。
また、上記の目的を達成するため、本発明による銀粉は、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは5μm以下であり、且つ最大粒径が15μm以下、好ましくは11μm以下の銀粉であって、この銀粉をペースト化した際のグラインドゲージによる最大粒径Dmaxが12.5μm以下、好ましくは7.5μm以下であり、この銀粉80重量%に25℃で粘度が0.2〜0.6Pa・secのエポキシ樹脂20重量%を混練して得られる混練物の粘度をE型粘度計により25℃、1rpmで測定したときの粘度が135Pa・sec以下、あるいは3rpmで測定したときの粘度が90Pa・sec以下であることを特徴とする。
本発明によれば、湿式還元法により製造した銀粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施すことにより、銀粉の粒径や粒度分布を実質的に変化させることなく銀粉の表面に存在する凹凸や角張った部分を滑らかにすることができ、それによって粒径が小さくても感光性ペーストに使用した場合にそのペーストの粘度を低くするとともに感度を良好にする銀粉を製造することができる。さらに、分級により銀の凝集体を除去することによって、感光性ペーストに使用した場合にそのペーストの塗膜状態およびライン性を良好にする銀粉を製造することができる。そのため、本発明による銀粉を使用した感光性ペーストは、塗膜状態およびライン性が大幅に改善され、電子部品のパターンの高密度化やファインライン化に対応することができる。
本発明による銀粉の製造方法の実施の形態では、湿式還元法により製造した銀粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施した後、分級により銀の凝集体を除去する。
湿式還元法は、銀塩含有水溶液にアルカリまたは錯化剤を加えて、酸化銀含有スラリーまたは銀錯塩含有水溶液を生成した後、還元剤を加えて銀粉を還元析出させる方法である。この湿式還元方法は、二次凝集を防止して単分散した粒子を得ることにより導電性ペーストを使用した電子部品の特性の向上を図るために、還元析出した銀スラリーに対して分散剤を添加する処理、または銀粉を還元析出させる前の銀塩と酸化銀の少なくとも一方を含む水性反応系に対して分散剤を添加する処理を含むことができる。分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドのいずれか1種以上を選択して使用することができる。
表面平滑化処理は、乾燥した銀粉を、粒子を機械的に流動化させることができる装置に投入して、銀粉の粒子同士を機械的に衝突させることにより行う。実際には、ヘンシェルミキサーのような筒型高速攪拌機などの攪拌機(ミキサー、ミルなど)を使用して、銀粉の投入量、攪拌機の羽根の回転数および種類、処理時間などを、粒子の流動化と衝突による表面形状の平滑化に最適になるように調整する。この表面平滑化処理により、銀粉の表面の凹凸や角張った部分を滑らかにして、銀粉の粒径や粒度分布を実質的に変えることなく導電性ペーストの粘度を低下させることができる。また、この表面平滑化処理により、銀粉を感光性ペーストに使用した場合に感度を大幅に改善することができる。
分級は、大きい銀の凝集体を除去することができる方法であればよく、振動篩いや面内篩いのように一定の大きさの網目を通過させる方法と気流により分離する方法があるが、凝集体の除去精度の観点から、気流により粒子群を分離する風力分級がより好ましい。風力分級としては、重力、慣性、遠心力などの原理に基づく機器が市販されており、所望の除去粒子の大きさ、凝集体除去後の粒度分布、分級速度、収率などに応じて適宜選択すればよい。このような風力分級装置としては、例えば、バリアブルインパクタ、エルボジェット、サイクロン、アキュカットなどがある。また、粉砕を目的とするものではないが、風力分級機能を有するものであれば、各種の粉砕機を使用してもよい。このような粉砕機としては、例えば、CFミル、ジェットミルなどがある。また、これらの分級装置を複数組み合わせて使用してもよい。
以下、本発明による銀粉およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア375mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム75gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン96mLを加えた。その直後に、オレイン酸1.5gを加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉に高速攪拌気機で表面平滑化処理を施した後、分級して8μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=0.8μm、D50=1.4μm、D90=2.5μm、Dmax=6.5μmであった。また、銀粉の比表面積は0.75m/g、タップ密度は5.0g/mLであった。
また、得られた銀粉8gにエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート(グレード819(25℃で粘度0.2〜0.6Pa・sec))2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ153Pa・sec、118Pa・secおよび79Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが4μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)(グラインドゲージによるペースト中の銀粒子の粒度測定において最大粒径から4番目の粒径)が3μm、平均粒径D50が2μmであった。
[比較例1]
分級を行わなかった以外は実施例1と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=0.9μm、D50=1.4μm、D90=2.6μm、Dmax=6.5μmであった。また、銀粉の比表面積は0.77m/g、タップ密度は5.0g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ159Pa・sec、122Pa・secおよび81Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが15μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が8μm、平均粒径D50が2μmであった。
[実施例2]
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア180mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム1gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン192mLを加えた。その直後に、ステアリン酸0.1gを加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉に高速攪拌気機で表面平滑化処理を施した後、分級して11μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.7μm、D50=3.1μm、D90=5.0μm、Dmax=11.0μmであった。また、銀粉の比表面積は0.28m/g、タップ密度は5.4g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ119Pa・sec、108Pa・secおよび83Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが6μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が5μm、平均粒径D50が3μmであった。
[比較例2]
表面平滑化処理の代わりにフードミキサーを使用して解砕処理を行い、分級を行わなかった以外は実施例2と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=2.0μm、D50=4.0μm、D90=7.1μm、Dmax=15.6μmであった。また、銀粉の比表面積は0.26m/g、タップ密度は5.4g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ170Pa・sec、142Pa・secおよび101Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが14μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が7μm、平均粒径D50が3μmであった。
[比較例3]
分級を行わなかった以外は実施例2と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.7μm、D50=3.2μm、D90=5.2μm、Dmax=11.0μmであった。また、銀粉の比表面積は0.26m/g、タップ密度は5.8g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ113Pa・sec、103Pa・secおよび86Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが14μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が12μm、平均粒径D50が4μmであった。
[実施例3]
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア180mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム7.5gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン192mLを加えた。その直後に、オレイン酸を1.5g加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉に高速攪拌気機で表面平滑化処理を施した後、分級して8μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.0μm、D50=1.8μm、D90=3.0μm、Dmax=6.5μmであった。また、銀粉の比表面積は0.46m/g、タップ密度は5.4g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ138Pa・sec、115Pa・secおよび82Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが5μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が4μm、平均粒径D50が2μmであった。
[比較例4]
表面平滑化処理の代わりにフードミキサーを使用して解砕処理を行い、分級を行わなかった以外は実施例3と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.1μm、D50=2.3μm、D90=4.0μm、Dmax=11.0μmであった。また、銀粉の比表面積は0.45m/g、タップ密度は4.7g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ173Pa・sec、144Pa・secおよび111Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが15μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が12μm、平均粒径D50が3μmであった。
[比較例5]
分級を行わなかった以外は実施例3と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=0.9μm、D50=1.8μm、D90=3.3μm、Dmax=9.3μmであった。また、銀粉の比表面積は0.43m/g、タップ密度は5.0g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ132Pa・sec、110Pa・secおよび85Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが18μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が12μm、平均粒径D50が3μmであった。
[比較例6]
表面平滑化処理の代わりにフードミキサーを使用して解砕処理を行った以外は実施例3と同様の方法により銀粉を製造した。このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.0μm、D50=2.2μm、D90=3.5μm、Dmax=7.8μmであった。また、銀粉の比表面積は0.57m/g、タップ密度は5.4g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ166Pa・sec、138Pa・secおよび106Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが4μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が3μm、平均粒径D50が2μmであった。
[実施例4]
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア100mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に還元剤として工業用の過酸化水素水60mLを加えた。その直後に、コハク酸を1.5g加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉に高速攪拌気機で表面平滑化処理を施した後、分級して11μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉の粒径(マイクロトラック)を測定したところ、D10=1.4μm、D50=2.4μm、D90=4.4μm、Dmax=9.3μmであった。また、銀粉の比表面積は0.46m/g、タップ密度は4.4g/mLであった。
また、得られた銀粉8gに実施例1と同様のエポキシ樹脂2gを加えてペーストを調整し、このペーストの粘度をE型粘度計により25℃、0.5rpm、1rpmおよび3rpmで測定したところ、それぞれ132Pa・sec、120Pa・secおよび86Pa・secであった。
また、このペーストに含まれる銀粒子の粒度をグラインドゲージにより評価すると、最大粒径Dmaxが7μm、4thスクラッチ(第4スクラッチ)が6μm、平均粒径D50が3μmであった。
これらの実施例1〜4および比較例1〜5の結果を表1および表2に示す。
Figure 2007186798
Figure 2007186798
次に、実施例1〜4および比較例1〜5で得られた銀粉を用いて、表3の組成で感光性ペーストを作製した。この感光性ペーストの作製は、表2の組成の材料を予備混合した後、3本ロールミルで混練することによって行った。
Figure 2007186798
なお、感光性樹脂として側鎖にアクリル基とカルボキシル基を有するアクリル共重合樹脂(固形分48重量%、酸価115、二重結合当量450)、感光性モノマーとしてエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、光重合開始剤1として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、光重合開始剤2として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、希釈溶剤としてブチルカルビトールアセテート、ガラスフリットとしてSiO・B・ZnO系のガラスフリット(軟化点580℃)、安定剤としてマロン酸、消泡剤としてシリコーン系消泡剤を使用した。
得られた感光性ペーストを、#400メッシュステンレススクリーン(乳剤厚5μm)を用いてガラス基板上にベタ印刷し、熱風式乾燥機によって80℃で30分間乾燥した後、塗膜状態、感度およびライン性を評価した。
塗膜状態の評価は、乾燥した塗膜を300mJ/cmの紫外線(λmax=360nm)で露光したサンプルを光学顕微鏡で観察して、図1に示すように均一な塗膜10に数10μm程度の凝集体12が存在するか否かを確認することによって行った。
感度およびライン性の評価は、乾燥した塗膜に、図2に示すような櫛形パターンのクロムマスク100を載せて露光し、液温30℃の0.5重量%のNaCO水溶液でスプレー現像したサンプルについて行った。感度は、図2に示すようなライン102の幅L(μm)とスペース104の幅S(μm)がL/S=50/50の櫛形パターン100を使用して現像した場合に、パターンの残存部106を光学顕微鏡により観察することによって評価した。また、ライン性は、現像したライン状の残存部106に膨れや欠けがあるかを光学顕微鏡により観察して、図3(c)に示すような膨れや図3(b)に示すような欠けが見られるか否かによって評価し、図3(a)に示すように膨れや欠けが見られない場合を良好として評価した。
その結果、実施例1〜4の銀粉から得られる感光性ペーストの場合には、凝集体が見られず、塗膜状態は良好であった。また、感度が良好であり、ラインに膨れや欠けが見られず、ライン性も良好であった。
比較例1、3および5の銀粉から得られる感光性ペーストの場合には、凝集体が見られ、塗膜状態は悪かった。また、感度は良好であったが、ラインに膨れや欠けが見られ、ライン性も悪かった。
比較例2および4の銀粉から得られる感光性ペーストの場合には、凝集体がやや見られ、塗膜状態は悪かった。また、感度も不十分であり、ラインに膨れや欠けが見られ、ライン性も悪かった。
比較例6の銀粉から得られる感光性ペーストの場合には、凝集体が見られず、塗膜状態は良好であった。また、ラインに膨れや欠けが見られず、ライン性も良好であったが、感度が不十分であった。
塗膜状態において観察される凝集体を説明する図である。 感度の評価に使用する櫛形パターンを説明する図である。 図2の櫛形パターンのライン部分を拡大してライン性を説明する図である。
符号の説明
10 均一な塗膜
12 凝集体
100 櫛形パターン(クロムマスク)
102 ライン
104 スペース
106 残存部

Claims (12)

  1. 湿式還元法により製造した銀粉に、粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を施した後、分級により銀の凝集体を除去することを特徴とする、銀粉の製造方法。
  2. 前記分級を行った後の銀粉の平均粒径が0.1乃至10μmであることを特徴とする、請求項1に記載の銀粉の製造方法。
  3. 前記分級を行った後の銀粉の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銀粉の製造方法。
  4. 前記分級により15μmより大きい銀の凝集体を除去することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  5. 前記分級により11μmより大きい銀の凝集体を除去することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  6. 前記表面平滑化処理が、高速攪拌機を使用して行われることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  7. 平均粒径が0.1〜10μmであり且つ最大粒径が15μm以下の銀粉であって、この銀粉をペースト化した際のグラインドゲージによる最大粒径Dmaxが12.5μm以下であり、この銀粉80重量%に25℃で粘度が0.2〜0.6Pa・secのエポキシ樹脂20重量%を混練して得られる混練物の粘度をE型粘度計により25℃、1rpmで測定したときの粘度が135Pa・sec以下であることを特徴とする銀粉。
  8. 平均粒径が0.1〜10μmであり且つ最大粒径が15μm以下の銀粉であって、この銀粉をペースト化した際のグラインドゲージによる最大粒径Dmaxが12.5μm以下であり、この銀粉80重量%に25℃で粘度が0.2〜0.6Pa・secのエポキシ樹脂20重量%を混練して得られる混練物の粘度をE型粘度計により25℃、3rpmで測定したときの粘度が90Pa・sec以下であることを特徴とする銀粉。
  9. 前記銀粉の最大粒径が11μm以下であり、前記グラインドゲージによる最大粒径Dmaxが7.5μm以下であることを特徴とする、請求項7または8に記載の銀粉。
  10. 前記銀粉の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載の銀粉。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載の銀粉の製造方法によって製造され、ペースト化した際のグラインドゲージによる最大粒径Dmaxが12.5μm以下であることを特徴とする銀粉。
  12. 前記グラインドゲージによる最大粒径Dmaxが7.5μm以下であることを特徴とする、請求項11に記載の銀粉。
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