JP2019002059A - 銀粒子の製造方法 - Google Patents

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徹 米澤
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Abstract

【課題】副生成物を生成する還元剤やアルカリ金属水酸化物を使用することなく、分散性が高い銀粒子を製造する方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る銀粒子の製造方法は、銀化合物と分散剤とを、銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)が5以上200以下となる割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加しpHを9以上12未満に調整して反応溶液を得る工程と、反応溶液に、過酸化水素を添加する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、銀粒子の製造方法に関する。
従来より、銀粒子は、電子材料、光学材料、バイオセンサー、触媒等の用途において特異な性質を示すため、その合成方法について盛んに研究が行われている。
金属粒子の合成方法としては、例えば、化学還元法、レーザーアブレーション法、スパッタ法等が用いられている。このうち、化学還元法は、ヒドラジン、クエン酸、NaBH等の還元剤を用いて金属イオンを還元する方法であり、液相プロセスを経由するため、コスト、環境負荷、生産性等において優位な合成方法である。
しかしながら、化学還元法においては、上述した還元剤を使用することに起因して副生成物が生成する。この副生成物は、有機溶媒によって洗浄除去する必要がある等、処理が容易でないことから、低コスト・低環境負荷という液相プロセスの優位性を充分に活かすことができていない。
以上のような背景から、特許文献1では、銀イオンを錯体として含有する水酸化アンモニウム水溶液に過酸化水素水溶液と、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムとを同時に添加して反応させる銀粒子の製造方法が報告されている。過酸化水素は水により容易に洗浄除去できるため、このような合成方法においては、有機溶媒による洗浄を必須とせず、洗浄液の処理等の観点からコストや環境性に優れる。しかしながら、このような方法によって得られる銀粒子として、比表面積が例えば0.13m/gのものが示されている。この銀粒子が球状で細孔を有しないものと仮定した場合、その粒径は4μm程度と計算される。このように、特許文献1の方法では、粒径が数ミクロンの粗大な銀粒子が得られており、粒径が1μm未満の微細なサイズを有し分散性の高い粒子を得ることが難しい。また、このような方法において、反応に用いる水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムに由来するアルカリ金属は銀粒子に残留しやすい。そして、このようにして銀粒子に残留したアルカリ金属は、例えば銀粒子を電子材料用途に用いる場合に、その量が僅かであっても導電性を悪化させる等、材料の機能に悪影響を及ぼすことがある。
また、特許文献2では、第1分散剤の存在下、水性媒体において、可溶性銀化合物をアルカリ金属水酸化物と反応させて1200nm未満の平均二次粒径を有する酸化銀固体を生成させた後、第2分散剤の存在下、水性媒体において酸化銀固体を還元剤と反応させて、1000nm未満の平均二次粒径を有する銀粒子を生成させる銀粒子の製造方法が報告されている。この方法により、微細なサイズを有するナノ粒子を合成することは可能であるが、銀粒子生成反応において、アルカリ金属水酸化物を用いる必要があり、これに由来するアルカリ金属の存在により、材料の機能に悪影響を及ぼすことがある。
このように、これまでの過酸化水素を還元剤として用いた化学還元法において、銀ナノ粒子を得るためにはアルカリ金属水酸化物の添加が必須であるため、電子材料用途に使用するには問題があり、なお改良の余地があった。
特許4639395号公報 特表2014−505784号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、副生成物を生成する還元剤やアルカリ金属水酸化物を使用することなく、分散性が高い銀粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、銀化合物と分散剤とを特定の割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加し特定のpHに調整して反応溶液を得た後、その反応溶液に、過酸化水素を添加して反応溶液を得ることで、分散媒に対して分散性が高く、副生成物のコンタミネーションの少ない銀ナノ粒子を合成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、銀化合物と分散剤とを、前記銀化合物の質量に対する前記分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)が5以上200以下となる割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加しpHを9以上12未満に調整して反応溶液を得る工程と、前記反応溶液に、過酸化水素を添加する工程と、を含む銀粒子の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記反応溶液は、アルカリ金属水酸化物を含まない銀粒子の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記分散剤は親水性高分子分散剤である銀粒子の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記反応溶液の温度を60℃以上105℃以下とする銀粒子の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明に係る銀粒子の製造方法により得られた銀粒子を分散媒に分散する銀粒子分散液の製造方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明に係る銀粒子の製造方法により得られた銀ナノ粒子を水で洗浄する工程と、分散媒に分散する工程と、を有する銀粒子分散液の製造方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記分散媒が水である銀粒子分散液の製造方法である。
本発明によれば、副生成物を生成する還元剤やアルカリ金属水酸化物を使用することなく、分散性が高い銀粒子を製造することができる。
実施例1において得られた銀粒子のTEM写真図である。 実施例2において得られた銀粒子のTEM写真図である。 実施例3において得られた銀粒子のTEM写真図である。 実施例4において得られた銀粒子のTEM写真図である。 比較例2において得られた銀粒子のTEM写真図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下「本実施の形態」という)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、本発明の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.銀粒子の製造方法≫
本実施の形態に係る銀粒子の製造方法は、銀化合物と分散剤とを含有する反応溶液に、アンモニア水を用いてpHを調整した後、還元剤である過酸化水素を添加することにより、銀粒子を生成させる方法である。具体的に、この銀粒子の製造方法では、銀化合物と分散剤とを、銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)が5以上200以下となる割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加しpHを9以上12未満に調整して反応溶液を得る工程と、この反応溶液に、過酸化水素を添加する工程と、を含む。
反応溶液は、銀化合物、分散剤及びアンモニアを含む溶液であり、銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)は5以上200以下に、そのpHは9以上12未満に調整されている。
このような反応溶液は、銀化合物と分散剤とを含む水溶液に、アンモニア水を添加することによって得られる。そして、このような反応溶液に過酸化水素を添加することにより、反応溶液に含まれる銀イオンの還元反応が開始され、銀粒子が生成する。
上述したとおり、反応溶液中の銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)は、5以上200以下である。銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率が、5未満の場合、銀ナノ粒子の分散安定性が悪くなり、沈殿しやすくなる。また、銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率が200を超えると、過酸化水素による還元速度が遅くなり、銀イオンの還元が十分に終了しない。反応溶液中の銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率としては、例えば7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましく、20以上であることが特に好ましい。一方で、反応溶液中の銀化合物の質量に対する分散剤の質量の比率としては、例えば170以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましく、100以下であることが特に好ましい。
反応溶液中の銀化合物の濃度としては、特に制限されず、例えば銀原子換算で0.1mM以上2mM以下であることが好ましい。銀化合物の濃度が0.1mM以上であることにより、一つのバッチあたりで得られる銀ナノ粒子の収量を高めることができる。また、銀化合物の濃度が2mM以下であることにより、銀ナノ粒子の粒径を小さくすることができる。また、銀化合物の濃度としては、0.15mM以上であることが好ましく、0.2mM以上であることがより好ましく、0.3mM以上であることがさらに好ましい。一方で、銀化合物の濃度としては、2mM以下であることが好ましく、1.5mM以下であることがより好ましく、1.2mM以下であることがさらに好ましい。
銀化合物としては、特に制限されないが、具体的には、硝酸銀、酸化銀、塩化銀、硫酸銀、酢酸銀等を用いることができる。
分散剤としては、特に制限されないが、高分子分散剤を用いることが好ましく、親水性高分子分散剤を用いることが好ましい。親水性高分子分散剤の例としては、具体的に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
反応溶液は、アンモニアを含有し、そのpHは9以上12未満である。このような溶液は、銀化合物と分散剤とを特定の割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加し、pHを9以上12未満に調整することにより得ることができる。水溶液中に添加されたアンモニアは、反応溶液中の銀イオンと銀アンミン錯体を形成する。このようにして形成された銀アンミン錯体を用いることにより、急速な銀イオンの還元を防止するとともに、還元速度を適切に制御することができ、その結果として、小粒径で水等の溶媒に対して分散性の高い銀粒子を得ることができる。pHが9未満の場合、過酸化水素による還元力が弱くなり、銀イオンの還元反応が十分に終了しない。一方で、pHが12以上の場合、銀アンミン錯体が安定化し、銀イオンの還元反応が十分に終了しない。
溶媒としては、銀イオン、分散剤、アンモニア及び過酸化水素を溶解させることができるものであれば特に制限されないが、銀イオン、分散剤、アンモニア及び過酸化水素のいずれに対しても高い溶解度を有することから水を用いることが好ましい。
反応溶液は、ヒドラジン、クエン酸、NaBH等の通常の還元剤や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を含まないことが好ましい。反応溶液に還元剤やアルカリ金属水酸化物を含まないことにより、得られる銀粒子の材料としての特性に与える悪影響を抑制することができる。
そして、このような反応溶液には、過酸化水素が添加される。この過酸化水素は、銀イオンを還元する還元剤として作用すると考えられる。
過酸化水素の添加量としては、特に制限されないが、例えば銀イオンの量に対する過酸化水素の量(過酸化水素/銀イオン)は、モル比で、0.5以上30以下であることが好ましい。反応溶液中における過酸化水素が、過酸化水素/銀イオンのモル比で0.5未満の場合、銀イオンの還元を終了させることができない。一方で、過酸化水素が過剰に添加されていても問題ないが、コストの観点から過酸化水素/銀イオンのモル比で30以下であることが好ましい。また、過酸化水素の添加量としては、過酸化水素/銀イオンのモル比で0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、1.0以上であることがさらに好ましい。一方で、過酸化水素は、過酸化水素/銀イオンのモル比で30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましい。
反応溶液は加熱して用いることが好ましい。反応溶液の温度としては、特に制限されず、例えば60℃以上105℃以下であることが好ましい。60℃未満であると、反応が十分に進行しないおそれがある。
銀粒子の粒径としては、特に制限されず、銀粒子の用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、平均粒径で200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。銀粒子の平均粒径が200nm以下であることにより、銀粒子の分散性が良好となる。なお、銀粒子の粒径は、製造条件を調整することにより制御することができる。
銀粒子の粒径の制御方法としては、例えば還元速度を調整することが挙げられる。還元速度を遅くすることにより粒径は大きくなる傾向にある。具体的に、還元速度を遅くする方法としては、反応温度を下げることや分散剤濃度を増やすことが挙げられる。このように、還元条件を最適範囲にすることで、平均粒径を200nm以下の範囲に制御することができる。
銀粒子の形態としては、特に制限されず、銀粒子の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、銀の晶系及び晶癖に依存した形状の定形粒子や、擬球状等の不定形粒子が挙げられる。なお、銀粒子の形態は、製造条件を調整することにより制御することができる。
銀粒子の形態の制御方法としては、分散剤濃度と還元速度を調整することが挙げられる。例えば、分散剤濃度を高くし、且つ還元速度を低くすることにより、三角形等の定形粒子を製造することができる。これは、分散剤濃度を低くすることにより、分散剤が特定の結晶面に吸着し、その結晶面の成長を阻害するためである。一方で、還元速度を速くすることにより、擬球状の不定形粒子を製造することができる。これは、還元速度を速くすることにより、粒子(結晶)が等方的に成長するためである。
銀粒子の用途としては、特に制限されず、例えば電子材料、光学材料、バイオセンサー、触媒に用いることができる。
このようにして製造された銀粒子は、還元剤に起因する副生成物やアルカリ金属等のコンタミネーションが極めて少ない。そして、ナノオーダーの粒径を有し、溶媒への分散性が高い。
≪2.銀粒子分散液の製造方法≫
本実施の形態に係る銀粒子分散液の製造方法は、上述した銀粒子の製造方法により得られた銀粒子を、分散媒に分散することにより、銀粒子分散液を製造する方法である。上述した銀粒子の製造方法により得られた銀粒子は、水やアルコール等多くの溶媒に対する分散性が良好である。
銀粒子の分散方法としては、特に制限されないが、例えば、撹拌、超音波照射等の方法を用いることができる。
得られた銀粒子は、分散媒に分散する前に水で洗浄することが好ましい。これにより、不純物を除去することができる。
分散媒としては、銀粒子を分散させることができるものであれば特に制限されず、具体的には、分散安定性の観点から、極性分子を用いることが好ましい。その中でも、取扱いの安全性や後処理の容易性の観点から水を用いることがより好ましい。また、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールを用いることがより好ましい。
銀粒子分散液中の銀粒子濃度としては、特に制限されず、例えば10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。一方で、銀濃度としては、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。銀粒子濃度が10質量%以上であることにより、印刷後の配線の密度を高めることができる。また、銀粒子濃度が60質量%以下であることにより、銀粒子の沈殿を抑制することができる。
このようにして製造された銀粒子分散液は、還元剤に起因する副生成物やアルカリ金属等のコンタミネーションが極めて少ない。そして、銀粒子分散液に含まれる銀粒子は、ナノオーダーの粒径を有し、溶媒への分散性が高く、長時間静置しても高い分散性を維持する。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
〔粒子の合成及び評価〕
以下の実施例1〜4及び比較例1〜5に示す操作により、銀イオンを還元し、銀粒子を合成した。これらにおいて、原料として、硝酸銀(Ag(NO)、関東化学株式会社製)、酸化銀(AgO、和光純薬工業株式会社製)、過酸化水素水(35%、純正化学株式会社製)、アンモニア水(28%、純正化学株式会社製)及びポリビニルピロリドン(分子量4万、純正化学株式会社製)を使用した。なお、過酸化水素水、アンモニア水は、脱イオン水で希釈して濃度を調整し使用した。ポリビニルピロリドンは、脱イオン水に溶解させ、ポリビニルピロリドン水溶液を調製し使用した。
<実施例1>
硝酸銀4.08mgを脱イオン水65mLに溶解後、ポリビニルピロリドン106.6mgを脱イオン水10mL溶解させて得た水溶液と混合した。次いで、2.8%アンモニア水を用いてpHを10に調整した反応溶液を、オイルバスで100℃まで加熱した。このとき回転子を用いて500rpmで撹拌した。そこへ、3.5%過酸化水素水0.021mLを添加した脱イオン水5mLを反応溶液へ添加し、60分間撹拌した。なお、ここで、反応溶液中の銀イオン濃度は0.3mM、ポリビニルピロリドン/銀化合物の質量比は26(g/g)であり、また、H/銀イオンのモル比は1.0(mol/mol)である。
反応終液を24時間以上静置し、生成した沈殿物を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いてろ過、乾燥し、得られた粉末について、リガク社製MiniFlex2を用いてX線回折(XRD)測定を行った。測定は、CuKα線を用い、スキャン速度は10°min−1に設定した。回折ピークから、生成物はAgメタルのみであることが確認できた。
銀粒子分散液を、透過型電子顕微鏡(TEM)用のグリッド上に滴下し、自然乾燥させた。このようにして得られたTEM用グリッドを用いて、TEM観察を行った。TEM観察は、JEOL社製JEM2000−ESを用いて、加速電圧200kVの条件で行った。図1は、銀粒子のTEM写真図である。図1より、銀粒子の凝集は見られなかった。また、TEM写真から無作為に50個の粒子を選び、粒径を測定した。その結果、平均粒径が7.6nmの微細な銀粒子が生成したことが分かった。
銀粒子分散液を5時間静置し、目視にて銀粒子の分散液の沈殿を確認した。静置後も沈殿が認められず、極めて分散性が高い銀粒子が得られたことが分かった。
<実施例2>
3.5%過酸化水素水の添加量を0.11mL(H/銀イオンのモル比:5(mol/mol))に変更したこと以外、実施例1と同様にして、銀粒子及びその分散液を製造し、その評価を行った。
実施例1と同様にして、XRD測定を行った結果、生成物はAgメタルのみであることが確認できた。
実施例1と同様にして、TEM観察を行った。図2は、銀粒子のTEM写真図である。図2より、銀粒子の凝集は見られず、平均粒径が6.7nmの微細な銀粒子が生成したことが分かった。
実施例1と同様にして、5時間静置後の銀粒子の分散液の沈殿の有無を確認した。静置後も沈殿が認められず、極めて分散性が高い銀粒子が得られたことが分かった。
<実施例3>
3.5%過酸化水素水の添加量を0.21mL(H/銀イオンのモル比:10(mol/mol))に変更したこと、及び反応温度を80℃に変更したこと以外、実施例1と同様にして還元反応を行った。
実施例1と同様にして、XRD測定を行った結果、生成物はAgメタルのみであることが確認できた。
実施例1と同様にして、TEM観察を行った。図3は、銀粒子のTEM写真図である。図3より、銀粒子の凝集は見られず、平均粒径が88nmの微細な銀粒子が生成したことが分かった。
実施例1と同様にして、5時間静置後の銀粒子の分散液の沈殿の有無を確認した。静置後も沈殿が認められず、極めて分散性が高い銀粒子が得られたことが分かった。
<実施例4>
原料の銀化合物を酸化銀9.3mg(銀イオン濃度:1.0mM)、ポリビニルピロリドン888mg(ポリビニルピロリドン/銀化合物の質量比:95(g/g))に変更したこと以外、実施例3と同様にして銀粒子及びその分散液を製造し、その評価を行った。
実施例1と同様にして、XRD測定を行った結果、生成物はAgメタルのみであることが確認できた。
実施例1と同様にして、TEM観察を行った。図4は、銀粒子のTEM写真図である。図4より、銀粒子の凝集は見られず、平均粒径が57nmの微細な銀粒子が生成したことが分かった。
実施例1と同様にして、5時間静置後の銀粒子の分散液の沈殿の有無を確認した。静置後も沈殿が認められず、極めて分散性が高い銀粒子が得られたことが分かった。
<比較例1>
ポリビニルピロリドン1.1gを脱イオン水10mL溶解させて得た水溶液を用いたこと(ポリビニルピロリドン/銀化合物の質量比:270(g/g))以外、実施例1と同様にして銀の還元操作を行った。
その結果、比較例1においては、還元反応が進行せず、銀粒子が得られなかった。
<比較例2>
3.5%過酸化水素水の添加量を0.21mL(H/銀イオンのモル比:10(mol/mol))に変更したこと、及びポリビニルピロリドンを添加しなかったこと以外、実施例1と同様にして還元反応を行った。
実施例1と同様にして、XRD測定を行った結果、生成物はAgメタルのみであることが確認できた。
実施例1と同様にして、TEM観察を行った。図5は、銀粒子のTEM写真図である。図5より、粒子同士が連結した不均一な粒子が生成されたことが分かった。
<比較例3>
反応溶液のpHを7に変更したこと以外、実施例1と同様にして還元反応を行った。
その結果、比較例3の条件では、還元反応が進まず、銀粒子が得られなかった。
<比較例4>
反応溶液のpHを12に変更したこと以外、実施例3と同様にして還元反応を行った。
その結果、比較例4においては、還元反応が進行せず、銀粒子が得られなかった。

Claims (7)

  1. 銀化合物と分散剤とを、前記銀化合物の質量に対する前記分散剤の質量の比率(分散剤の質量/銀化合物の質量)が5以上200以下となる割合で含む水溶液に、アンモニア水を添加しpHを9以上12未満に調整して反応溶液を得る工程と、
    前記反応溶液に、過酸化水素を添加する工程と、を含む
    銀粒子の製造方法。
  2. 前記反応溶液は、アルカリ金属水酸化物を含まない
    請求項1に記載の銀粒子の製造方法。
  3. 前記分散剤は親水性高分子分散剤である
    請求項1又は2に記載の銀粒子の製造方法。
  4. 前記反応溶液の温度を60℃以上105℃以下とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の銀粒子の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の銀粒子の製造方法により得られた銀粒子を分散媒に分散する
    銀粒子分散液の製造方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の銀粒子の製造方法により得られた銀粒子を水で洗浄する工程と、
    分散媒に分散する工程と、を有する
    銀粒子分散液の製造方法。
  7. 前記分散媒が水である
    請求項5又は6に記載の銀粒子分散液の製造方法。
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