JP2007186163A - エアバッグカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】破断予定部におけるT字状交差部の交差側部位を切り込み加工により形成しても、不要な切れ目の発生を防止して加工できるエアバッグカバーの提供。
【解決手段】エアバッグカバー10は、膨張するエアバッグを突出させる開口を形成可能な線状に延びる薄肉の破断予定部16を備える。破断予定部は、一方の直線状部位18に対して交差側部位19を平面視の状態でT字状に交差させるT字状交差部20を備え、交差側部位19が、切り込み加工によって形成される部位としている。成形後のT字状交差部20の部位には、カバー10の表面側に凹む切刃収納部21が配設される。切刃収納部21は、切り込み加工する加工具35の切刃37を交差側部位19から離脱させた際に、切刃37の移動方向で対向する面23に切れ目を入れない状態として、切刃37を収納可能な形状に形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、折り畳まれたエアバッグを覆い、かつ、膨張するエアバッグに押されて破断してエアバッグを突出させる突出用開口を形成可能な線状に延びる薄肉の破断予定部を備えて、型成形によって形成される合成樹脂製のエアバッグカバーに関する。
従来、合成樹脂製のエアバッグカバーでは、エアバッグに押された際、扉部を開かせて、突出用開口を形成できるように、扉部の周囲に薄肉の破断予定部を形成していた(例えば、特許文献1参照)。この破断予定部は、射出成形されたエアバッグカバーの裏面側に凹溝を設けて構成されており、さらに、寸法精度を高めた深さに加工できるように、超音波カッタ等の加工具の切刃を利用して切れ目を入れる切り込み加工により、形成されていた。
さらに、破断予定部の配置としては、一方の直線状部位に対して交差側部位を平面視の状態でT字状に交差させるT字状交差部を2箇所に配置させて、平面視の形状をH字形状とするものがあった(例えば、特許文献2参照)。このような破断予定部では、H字の横棒部位で分離されるような2枚の扉部をエアバッグカバーに形成し、H字の両側の縦棒部の対向する両端相互を結ぶ部位を、開き時のヒンジ部として、エアバッグの展開膨張時に、H字形状に配置された破断予定部を破断させて、2枚の扉部を開かせていた。
特開2005−289254号公報 特開2000−264159号公報
しかし、従来のエアバッグカバーの破断予定部を切り込み加工によって形成してT字状交差部を形成する際において、一方の直線状部位に対して、交差側部位を切り込み加工によって形成する際、加工具の切刃が、一方の直線状部位の領域を超えて、エアバッグカバーの部位に切れ目(切れ込み)を入れる虞れがある。このような切れ目は、破断予定部の破断時、交差側部位が直線状部位を越えて破断を延長させてしまう虞れが生じ、さらに、不要な部分を破断させて飛散させる虞れも生ずる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、破断予定部におけるT字状交差部の交差側部位を切り込み加工によって形成しても、不要な切れ目の発生を防止して加工できるエアバッグカバーを提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグカバーは、折り畳まれたエアバッグを覆い、かつ、膨張するエアバッグに押されて破断してエアバッグを突出させる突出用開口を形成可能な線状に延びる薄肉の破断予定部を備えて、型成形によって形成される合成樹脂製とし、
破断予定部が、裏面側から表面側に凹む凹溝を設けて形成されるとともに、一方の直線状部位に対して交差側部位を平面視の状態でT字状に交差させるT字状交差部を備え、さらに、成形後に、加工具を移動させて加工具の切刃により切れ目を入れる切り込み加工によって、形成される部位を備えて構成され、
破断予定部の少なくとも交差側部位が、切り込み加工によって形成される部位としているエアバッグカバーであって、
成形後のT字状交差部の部位に、エアバッグカバーの表面側に凹む切刃収納部が配設され、
切刃収納部が、T字状交差部に向けて交差側部位を切り込み加工しつつ移動する加工具の切刃を交差側部位から離脱させた際に、交差側部位から直線状部位に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部の面に対して切れ目を入れない状態として、切刃を収納可能な形状に形成されていることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグカバーでは、交差側部位を加工具によって切り込み加工する際、加工具の切刃をT字状交差部に向けて移動させて交差側部位を形成する。そして、交差側部位を切り込み加工した加工具の切刃は、T字状交差部の切刃収納部に到達する。その際、切刃収納部は、加工具の切刃が交差側部位から離脱した際に、交差側部位から直線状部位に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部の面に対して、切れ目を入れない状態として、切刃を収納可能とする形状に形成されているため、カッタの切刃が、切刃収納部の内周面における交差側部位と対向する面(切刃と対向する面)に切れ目を入れるように接触せず、その対向面に切れ目(切れ込み)を入れることを防止することができて、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位の破断が、不必要に直線状部位を越えて進行することを防止できる。
したがって、本発明に係るエアバッグカバーでは、破断予定部におけるT字状交差部の交差側部位を切り込み加工によって形成しても、不要な切れ目の発生を防止して加工できて、エアバッグの展開膨張時におけるエアバッグカバーの不必要な破片の飛散を防止できる。
そして、加工具がカッタから構成されて、カッタの切刃が、先端から元部側にかけて、切り込み加工時の移動方向に向かって張り出すように、傾斜して形成されている場合には、切刃収納部は、交差側部位側の底面を、交差側部位を切り込み加工するカッタの移動方向と平行な平坦面として、交差側部位から直線状部位に向かう方向で対向する位置に配置されている切刃収納部の面を、交差側部位から離れつつ切刃収納部の底面からも離れる傾斜面とすることが望ましい。
このような構成では、破断予定部における交差側部位を切り込み加工するカッタが、切刃の先端を切刃収納部の平坦な底面に食い込ませた状態としていても、切刃における先端から離れる元部側部位では、傾斜面から離れた位置に配置させることができる。すなわち、平坦な底面に切刃の先端を食い込ませておくことが可能となり、逆に、切刃収納部の底面として、切刃を食い込ませるように構成して、その領域の肉厚を厚くすることができ、切刃収納部の薄肉化を防止できて、エアバッグカバーの表面側における切刃収納部の領域に、ヒケやツヤムラが生ずることを防止できる。
上記のような構成の場合、直線状部位は、カッタを使用して切り込み加工される部位とするとともに、切刃収納部の平坦な底面の領域を通るように配設することが望ましい。
このような構成では、交差側部位と直線状部位とが、共に、切刃収納部の平坦な底面に食い込むように切り込み加工されていたり、一方だけが、切刃収納部の底面における平坦面に食い込むように切り込み加工されていても、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位の破断が、直線状部位を越え、さらに、切刃収納部の傾斜面を越えて進行することを防止できる。すなわち、交差側部位の切れ目の深さが、切刃収納部の底面に到達しない深さであれば、直線状部位の切れ目の深さが、切刃収納部の底面に到達していない、あるいは、到達している、に拘わらず、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位の破断は、切刃収納部の部位で、進行が停止される。また、交差側部位の切れ目の深さが切刃収納部の底面の深さを越えている場合であって、交差側部位の切れ目が、切刃収納部の底面の領域内で、かつ、直線状部位の領域を越えて形成されていても、その延長上には、切刃収納部の底面より肉厚を急激に厚くするような傾斜面の部位が形成されているため、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位の破断が、切刃収納部の傾斜面を越えて進行することを防止できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のエアバッグカバー10は、図1〜3に示すように、助手席用エアバッグ装置Sに使用されるものであり、オレフィン系熱可塑性エラストマー等から射出成形によって製造される合成樹脂製として、助手席前方のインストルメントパネル(以下、インパネとする)2の上面2a側の開口2bに配設されている。
なお、本明細書での上下、前後、及び、左右の方向は、エアバッグカバー10の車両搭載状態を基準として、車両の直進状態における車両の上下、前後、及び、左右の方向に一致するものである。
また、助手席用エアバッグ装置Sは、折り畳まれたエアバッグ4と、エアバッグ4に膨張用ガスを供給するインフレーター7と、エアバッグ4及びインフレーター7を収納保持するケース8と、エアバッグ4をケース8に取り付けるためのリテーナ5と、折り畳まれたエアバッグ4を覆うエアバッグカバー10と、を備えて構成されている。
エアバッグ4は、膨張完了時の形状を、前端側を頂部とし、底面の後面側を乗員拘束部とする略四角錐形状とされている。このエアバッグ4は、車両への搭載時、助手席前方におけるインパネ2の上面2a側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、インパネ上面2aとインパネ2上方の図示しないウインドシールドとの間を塞ぐように、上方へ突出するとともに後方側へ突出して、後面側の乗員拘束部によって、乗員を保護することとなる。
また、インフレーター7は、複数のガス吐出口7bを有した略円柱状の本体部7aと、インフレーター7をケース8に取り付けるためのフランジ部7cと、を備えて構成されている。
さらに、ケース8は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成され、インフレーター7を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部8aと、底壁部8aの外周縁から上方に延びる周壁部8bと、を備えて構成され、周壁部8bの上端には、エアバッグカバー10の側壁部33を係止する複数の係止爪8cが、形成されている。ケース8には、底壁部8aの部位に、車両のボディ1側に連結されるブラケット8dが、配設されている。
なお、エアバッグ4とインフレーター7とは、エアバッグ4内に配設される円環状のリテーナ5の複数のボルト5aが、エアバッグ4の開口4aの周縁4b、インフレーター7のフランジ部7c、及び、ケース底壁部8a、を貫通して、ナット6止めされることにより、ケース8に取り付けられている。
エアバッグカバー10は、図1〜5に示すように、インパネ2の開口2aを塞ぐように長方形板状の天井壁部11と、天井壁部11の下面(裏面)側から下方に延びる略四角筒形状の側壁部33と、を備えて構成されている。側壁部33の前後の壁部33a・33bには、ケース周壁部8bの係止爪8cに周縁を係止させるための複数の係止孔33eが形成されている。側壁部33は、折り畳んだエアバッグ4の周囲をケース周壁部8bとともに覆う部位となる。
天井壁部11は、側壁部33で囲まれた部位に配置される突出用開口部12と、その周囲の周縁部31と、を備えて構成されている。周縁部31には、エアバッグカバー10がインパネ2の開口2bを塞ぐように配設された際に、ガタツキを無くすように、開口周縁2bに形成される複数の係止脚31aが、下方へ突設されている。
突出用開口部12は、長方形板状として、線状に延びる薄肉の破断予定部16が配設されている。この破断予定部16は、エアバッグカバー10の裏面側から表面側に凹む凹溝16a・16bを設けて形成されるとともに、第1実施形態の場合、直線状部位17・18に対して交差側部位19を平面視の状態でT字状に交差させるT字状交差部20を2箇所に配置させて、平面視の形状をH字形状としている。そのため、破断予定部16の破断時には、交差側部位19を間にする前後二枚の扉部13・14が前後両側に開いて、エアバッグ4の突出用の長方形状の開口12aを形成することとなる。開き時の扉部13は、前縁側に配置されたヒンジ部15を回転中心として、上方へ向かいつつ前方側に開き、開き時の扉部14は、後縁側のヒンジ部15を回転中心として、上方へ向かいつつ後方側に開くこととなる。各ヒンジ部15は、H字の両側の縦棒部(直線状部位17・18)の左右方向で対向する両端相互を結ぶ部位として、側壁部33の前後の壁部33a・33bの内側面の位置に、配置されている。
そして、第1実施形態の場合、破断予定部16は、二種類の凹溝16a・16bから形成され、2本の直線状部位17・18は、エアバッグカバー10の射出成形時に型成形により形成される凹溝16bを設けて構成され、交差側部位19が、エアバッグカバー10の成形後に、切削屑や切粉を排出せずに切れ目を入れるように、カッタ35を使用して形成した凹溝16aを設けて構成されている。
カッタ35は、第1実施形態の場合、図6に示すように、本体部36の厚さを0.5〜1.0mmとした超音波カッタとして、片刃の切刃37を備える構成として、切刃37は、先端37aから元部37b側にかけて、切り込み加工時の移動方向に向かって張り出すように、傾斜して形成されている。そして、第1実施形態の場合、カッタ35は、移動方向前方側に切刃37を配置させて、移動させることにより、凹溝16aを形成する切れ目を形成することとなる。
そして、エアバッグカバー10の破断予定部16の各T字状交差部20には、カバー10の表面側に凹む切刃収納部21が形成されている。切刃収納部21は、成形時に予め形成されているものであり、T字状交差部20に向けて交差側部位19を切り込み加工しつつ移動するカッタ35の切刃37を交差側部位19から離脱させた際に、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部21の面23に対して切れ目を入れない状態として、切刃37を収納可能な形状に形成されている。
第1実施形態の場合、切刃収納部21は、交差側部位19側の底面22を、交差側部位19を切り込み加工するカッタ35の移動方向と平行な平坦面として、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置されている切刃収納部21の面を、交差側部位19から離れつつ切刃収納部21の底面22からも離れる傾斜面23としている。傾斜面23は、第1実施形態の場合、切り込み加工時におけるカッタ35の切刃37と平行となる角度に形成されている。なお、この傾斜面23は、切刃収納部21の開口面積を広げ過ぎない範囲で、切刃37とに隙間を空ける角度として、底面22からの開き角度を大きく傾斜させてもよい。そして、第1実施形態の場合、切刃収納部21は、底面22の前後の外周縁から側面側壁面25・26が拡開して下方に延び(図5参照)、傾斜面23と対向している面24を切刃37が切刃収納部21に侵入してくる入口側壁面24として、底面22の縁から上下方向に沿って下方に延びるように配設されている。
さらに、第1実施形態の場合、カッタ35は、直線状部位17から直線状部位18に向かうように右方向に移動させて、交差側部位19を形成するため、傾斜面23が、切刃側対向面として側壁部33の右壁部33d側に配置され、入口側壁面24が、峰側対向面として左壁部33c側に配置されている。
なお、エアバッグカバー10の肉厚は、天井壁部11における側壁部33から離れた周縁部31や扉部13・14の中央付近の一般部11aの肉厚T0が4mm程度として、切刃収納部21を含めた破断予定部16の肉厚を0.6〜1.5mmの範囲内とするように設定され、破断予定部16の周囲の部位の肉厚T1が2〜3mm(第1実施形態では2mm)とし、切刃収納部21の深さD0が1.0〜2.0mm(第1実施形態では1.2mm)とし、凹溝16aの深さD1が0.8〜1.0mm(第1実施形態では1.0mm)とし、凹溝16bの深さD2が0.8〜1.0mm(第1実施形態では1.0mm)としている。そのため、切刃収納部21の部位の肉厚T2が0.6〜0.8mm(第1実施形態では0.8mm)とし、凹溝16a・16bの部位の肉厚T3・T4は0.8〜1.0mm(第1実施形態では1.0mm)としている。凹溝16bの幅W2は0.3〜1.5mm(第1実施形態では0.5mm)としている。
また、切刃収納部21の前後の側面側壁面25・26の間の底面22側の幅W1は2〜3mm(第1実施形態では2mm)とし、切刃収納部21の左右方向の長さL1も2〜3mm(第1実施形態では3mm)とし、底面22の長さL2は、第1実施形態の場合、約1.5mmとしている。なお、これらの幅W1や長さL1の寸法は、後述するように、切り込み加工でセットするカバー素材9が、セット台Jに対して位置ずれしてセットされる寸法分を考慮して、設定されている。
さらに、側壁部33の肉厚Bは2〜3mm(第1実施形態では2mm)としている。なお、天井壁部11の側壁部33の近傍には、扉部13・14側における直線状部位17・18近傍の薄肉部28と、側壁部33の外周側に位置して側壁部33側に肉厚を漸減させる薄肉部29と、が配設され、側壁部33の部位の天井壁部11の表面側にヒケやツヤムラ等が生じないように、これらの薄肉部28・29は、側壁部33の肉厚Bに近似させるように、配設されている。
このエアバッグカバー10の製造について述べれば、先ず、所定の射出形成型を使用して、直線状部位17・18の凹溝16bが形成されて凹溝16aが形成されていないカバー素材9を成形する。そして、このカバー素材9を成形型から取り出して、図6のAに示すように、カッタ35を配設させたカッタ装置Cのセット台Jに配置させる。なお、このセット台Jには、加工時のカバー素材9をずらさないように、セット台J側に吸着させる図示しない吸引装置が配設されている。また、カッタ装置Cは、カッタ35のセット台Jに沿った平行移動やセット台Jと直交する上下移動のXYZ軸方向の3軸移動を可能に、カッタ35を保持する保持機構と、保持機構の作業を制御する制御回路と、を備えるとともに、さらに、加工部位を計測するレーザ変位計等を備えた測定機器と、を備えて構成されている。
すなわち、カッタ35の切り込み加工を行う前に、予め、直線状部位17の切刃収納部21(これを始端側の切刃収納部21Aとする)の位置から直線状部位18の切刃収納部21(これを終端側の切刃収納部21Bとする)までの凹溝16aの切れ目を入れるためのカッタ35の切刃37の移動距離L0(図3参照)、凹溝16aの切れ目を入れるために切刃収納部21A内に挿入させるカッタ35の切刃37の挿入深さD1、さらに、凹部21A・21B間での凹溝16aを形成するための切刃37の挿入深さD1、を確認するため、レーザ変位計等を通過させて、セット台Jにセットしたカバー素材9の凹溝16aの形成部位9a(図6のA参照)の外表面形状を読み取っておく。なお、その際の読み取り基準点X1・X2は、図6のA・Bに示すように、例えば、切刃収納部21の底面22と壁面24との屈曲部とし、そして、底面22からの薄肉部28の外表面やカバー素材9の凹溝形成部位9aの外表面の高さ位置を測定し、そのデータに基づいて、制御回路が、切れ目を入れないで、カッタ35の切刃37を始端側切刃収納部21Aに挿入させ、ついで、カッタ35の切刃37を終端側切刃収納部21B内に移動させ、その後、カッタ35の切刃37を終端側切刃収納部21Bから離脱させることとなる。
そして、切り込み加工時、カッタ装置Cは、まず、カッタ35の切刃37を、直線状部位18側に向けた状態として、直線状部位17の始端側切刃収納部21A内に切り込み深さD1まで挿入させて停止させ、ついで、図6のA・Bに示すように、カッタ35の切刃37を直線状部位18側のT字状交差部20に向けて移動させて交差側部位19を形成する。この交差側部位19の全域に切れ目(切れ込み)を付けて凹溝16aを形成すれば、図6のB・Cに示すように、切り込み加工したカッタ35の切刃37は、T字状交差部20の終端側切刃収納部21Bに到達する。その際、切刃収納部21Bは、カッタ35の切刃37側が交差側部位19から離脱した際に、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部21Bの傾斜面23に対して、切れ目を入れない状態として、切刃37を収納可能とする形状に形成されている。そのため、カッタ35の切刃37が、切刃収納部21Bの内周面における交差側部位19と対向する面23に切れ目を入れるように接触せず、その対向面23に切れ目(切れ込み)を入れることを防止することができる。勿論、実施形態では、始端側切刃収納部21Aにおいても、交差側部位19から直線状部位17に向かう方向の面24には、切刃37が切り込まれていない。
そして、凹溝16aからなる交差側部位19を形成すれば、エアバッグカバー10の製造が完了し、エアバッグ装置Sを組み立てるようにエアバッグカバー10をセット台Jから取り外す。エアバッグ装置Sの組み立ては、予め、リテーナ5を収納して折り畳んでおいたエアバッグ4やインフレーター7を、ボルト5aやナット6を利用してケース6に収納保持させて、エアバッグ組立体を形成しておく。そして、このエアバッグ組立体に対し、エアバッグカバー10を被せて、各係止爪8cに係止孔28eの周縁を係止させ、その後、エアバッグカバー10を組付済みのエアバッグ組立体を、予め車両に搭載されているインパネ2の開口2bから挿入し、各係止脚31aを開口周縁2cに係止させるとともに、ケース6のブラケット8dをボディ1側に締結する。そして、エアバッグ作動回路から延びる所定の作動信号入力用のリード線をインフレーター7に接続させれば、エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Sの作動時には、インフレーター7からの膨張用ガスがエアバッグ4に流入して、エアバッグ4が膨張すれば、エアバッグ4は、突出用開口部12を急激に押すことから、破断予定部16を破断させて、エアバッグカバー10の扉部13・14を前後両側に開かせ、開いて形成された突出用開口12aから、助手席に着座している乗員を保護可能に、大きく突出することとなる。
そして、第1実施形態のエアバッグカバー10では、既述したように、交差側部位19を切り込み加工したカッタ35の切刃37が、T字状交差部20の切刃収納部21Bに到達して交差側部位19から離脱した際、カッタ35の切刃37側が、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部21Bの面23に対して、切れ目を入れない状態として、収納される形状に、終端側切刃収納部21Bが形成されている。そのため、切刃収納部21Bの対向面23には切刃37による切れ目(切れ込み)が形成されておらず、膨張するエアバッグ4に押されて生ずる交差側部位19の破断は、切刃収納部21Bを越えて進行するように、直線状部位18を越えることを防止できる。
勿論、切刃収納部21Aにおける交差側部位19と対向する対向面24にも、切刃37による切れ目(切れ込み)が形成されておらず、膨張するエアバッグ4に押されて生ずる交差側部位19の破断は、切刃収納部21Aを越えて進行するように、直線状部位17を越えることを防止できる。
したがって、第1実施形態のエアバッグカバー10では、破断予定部16におけるT字状交差部20の交差側部位19を切り込み加工によって形成しても、不要な切れ目の発生を防止して加工できて、エアバッグ4の展開膨張時におけるエアバッグカバー10の不必要な破片の飛散を防止できる。
なお、カッタ35の切り込み加工の際、側壁部33の左・右壁部33c・33dがカッタ35自体やその保持機構等と干渉するような場合、図7に示すように、左・右壁部33c・33dと直線状部位17・18との間の領域28を、広くして対処すればよい。その場合、その領域28の全域を薄肉とすれば、車両への搭載時、撓んで扉部13・14の領域全体を下降させて、天井壁部11の表面側に不要な凹部を形成する虞れが生ずる。そのため、図7・9に示すエアバッグカバー10A・10Bのように、側壁部33の部位における天井壁部11の表面側にヒケ等が生じないように、少なくとも側壁部33の近傍の部位を薄肉として、その領域28の撓みを防止できるように、図7・8に示すように、断面半円形の突条28aを設けたり、図9・10に示すように、三角板状の多数の補強リブ28bを配設することが望ましい。
また、第1実施形態では、切刃収納部21の形状を、交差側部位19に沿った左右方向の断面として、台形とした凹形状を例示したが、図11〜15に示す第2実施形態のエアバッグカバー40のように、交差側部位19に沿った左右方向の断面を、三角形の凹形状とした切刃収納部41としてもよい。なお、この第2実施形態のエアバッグカバー40は、第1実施形態と同様に、助手席用エアバッグ装置に使用されるとともに、2本の直線状部位17・18と1本の交差側部位19とを備えたH字状の破断予定部16を備えて、交差側部位19の左右両端をT字状交差部20として構成されている。但し、交差側部位19とともに、直線状部位17・18もカッタ35を使用したり切り込み加工によって形成されている点が、第1実施形態と相違している。すなわち、破断予定部16が、切刃収納部41を除いて、切り込み加工による凹溝16aだけで構成されている。さらに、直線状部位17・18のそれぞれの両端にも切刃収納部41が配設されている。これらの点が第1実施形態と相違しているだけであり、他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
そして、第2実施形態の切刃収納部41も、成形後のカバー素材39に予め形成されているものであり、図14に示すように、T字状交差部20に向けて交差側部位19を切り込み加工しつつ移動するカッタ35の切刃37を交差側部位19から離脱させた際に、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置される切刃収納部41の面43に対して切れ目を入れない状態として、切刃37を収納可能な形状に形成されている。この切刃収納部41は、傾斜した面43と、上下方向に沿って配置される壁面44と、前後に位置する壁面45・46と、を備えて構成されいる。
なお、第2実施形態でも、直線状部位17側のT字状交差部20の切刃収納部41がカッタ35の切刃37が挿入される始端側切刃収納部41Aとし、直線状部位18側のT字状交差部20がカッタ35の切刃37が離脱する終端側切刃収納部41Bとしている。
さらに、この第2実施形態では、直線状部位17・18の各両端の切刃収納部41も、切り込み加工を行う際の一方が始端側切刃収納部41Aとし、他方が終端側切刃収納部41Bとしている。そして、始端側切刃収納部41Aにカッタ35の切刃37が挿入される際には、上下方向に沿った対向面44には、切れ込みが入らないように、切刃収納部41Aの内周形状が設定されている。なお、これらの切刃収納部41の幅寸法や長さ寸法も、カバー素材39をセット台Jにセットする際の位置ずれを考慮して設定されている。
そして、第2実施形態でも、図14・15に示すように、成形後のカバー素材39をセット台Jにセットして、交差側部位19や直線状部位17・18を切り込み加工することとなり、製造されたエアバッグカバー40は、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。すなわち、切刃収納部41Bの交差側部位19と対向する対向面43や切刃収納部41Aの交差側部位19と対向する対向面44には、切刃37による切れ目(切れ込み)が形成されておらず、膨張するエアバッグ4に押されて生ずる交差側部位19の破断は、切刃収納部41B・41Aを越えて進行するように、不必要に直線状部位17・18を越えることを防止でき、不要なエアバッグカバーの破断を防止できる。
なお、第2実施形態では、破断予定部16の凹溝16aの深さが、切刃収納部41より浅い場合を示したが、直線状部位17・18での凹溝16aは、図16に示すように、T字状交差部20の部位での切刃収納部41より、深く形成してもよい。なぜなら、交差側部位19の凹溝16aが、T字状交差部20の切刃収納部41より浅いことから、膨張するエアバッグに押されて破断する交差側部位19は、その破断の進行が、T字状交差部20の切刃収納部41Aの対向面44や切刃収納部41Bの対向面43によって、停止されるからである。
また、第3実施形態のエアバッグカバー50のように、第1実施形態と同様な台形状の切刃収納部21を配置させて、直線状部位17・18と交差側部位19とからなるH字形状の破断予定部16を、切刃収納部21を除いて、切り込み加工による凹溝16aから形成してもよい。
なお、このエアバッグカバー50では、T字状交差部20の切刃収納部21A・21Bの部位だけでなく、直線状部位17・18の各切刃収納部21A・21Bの部位でも、カッタ35の切刃37が、その底面22に食い込んで、凹溝16aを形成している。すなわち、セット台Jにセットしたカバー素材49に対して、図20・21のAに示すように、始端側切刃収納部21Aでは、凹溝16aと対向する面24に切り込みを入れないように、切刃37を底面22に食い込ませ、ついで、カッタ35を移動させて、図20のB・Cや図21のBに示すように、交差側部位19や直線状部位17・18の凹溝16aを、切刃37によって形成し、終端側切刃収納部21Bでは、入口側壁面24を離脱した切刃37を、傾斜面23に切れ目を入れない状態で、底面22に食い込ませた状態で壁面24から離脱させ、さらに、その後、底面22から離脱させるように切刃37を引き抜いて、直線状部位17・18や交差側部位19の各凹溝16aを形成している。
この第3実施形態のエアバッグカバー50では、使用するカッタ35の切刃37が、先端37aから元部37b側にかけて、切り込み加工時の移動方向に向かって張り出すように、傾斜して形成されている。さらに、終端側切刃収納部21Bが、交差側部位19側の底面22を、交差側部位19を切り込み加工するカッタ35の移動方向と平行な平坦面として、交差側部位19から直線状部位18に向かう方向で対向する位置に配置されている切刃収納部21Bの面23を、交差側部位19から離れつつ切刃収納部21Bの底面22からも離れる傾斜面としている。
そのため、このような構成では、破断予定部16における交差側部位19を切り込み加工するカッタ35が、切刃37の先端37aを切刃収納部21の平坦な底面22に食い込ませた状態としていても、切刃37における先端37aから離れる元部37b側部位では、傾斜面23から離れた位置に配置させることができる。すなわち、平坦な底面22に切刃37の先端37aを食い込ませておくことが可能となり、切刃収納部21の平坦な底面22として、切刃37を食い込ませて肉厚T2を厚くすることができ、切刃収納部21Bの薄肉化を防止できて、エアバッグカバー50の表面側における切刃収納部21Bの領域に、ヒケやツヤムラが生ずることを防止できる。勿論、このような作用・効果は、交差側部位19の始端側切刃収納部21Aや直線状部位17・18の切刃収納部21A・21Bでも同様である。
さらに、第3実施形態では、直線状部位17・18が、カッタ35を使用して切り込み加工される部位とするとともに、T字状交差部20の切刃収納部21の平坦な底面22の領域を通るように、配設されている。
このような構成では、交差側部位19と直線状部位18とが、共に、切刃収納部21の平坦な底面22に食い込むように切り込み加工されていたり、一方だけが、切刃収納部21の平坦な底面22に食い込むように切り込み加工されていても、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位19の破断が、直線状部位18を越え、さらに、切刃収納部21Bの傾斜面23を越えて進行することを防止できる。すなわち、交差側部位19の切れ目16aの深さD1が、切刃収納部21Bの底面22に到達しない深さであれば、直線状部位18の切れ目16aの深さが、切刃収納部21Bの底面22に到達していない、あるいは、到達している、に拘わらず、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位19の破断は、切刃収納部21Bの部位で、進行が停止される。また、図20に示すように、交差側部位19の切れ目16aの深さD1が、切刃収納部21Bの底面22の深さD0を越えている場合あって、交差側部位19の切れ目16aが、切刃収納部21Bの底面22の領域内で、かつ、直線状部位18の領域を越えて(底面22の領域に位置する直線状部位18の切れ目16aを越えて)形成されていても、その延長上には、切刃収納部21Bの底面22より肉厚を急激に厚くするような傾斜面23の部位が形成されているため、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位19の破断が、切刃収納部21Bの傾斜面23を越えて進行することを防止できる。勿論、始端側切刃収納部21Aでも、底面22より肉厚を急激に厚くするような対向面24の部位が形成されているため、交差側部位19の切れ目16aが、切刃収納部21Aの底面22の領域内で、かつ、直線状部位17の領域を越えて(底面22の領域に位置する直線状部位17の切れ目16aを越えて)形成されていても、膨張するエアバッグに押されて生ずる交差側部位19の破断が、切刃収納部21Aの対向面24を越えて進行することを防止できる。ちなみに、底面22の領域に位置する直線状部位17・18の切れ目16aは、上記の場合、図21に示すように、切刃収納部21の底面22に食い込む深さとしていても、あるいは、図22に示すように、切刃収納部21の底面22に食い込まない深さであっても、どちらでもよい。
なお、各実施形態では、破断予定部16として、T字状交差部20を二つ配設させたようなH字形状の場合を示したが、一方の直線状部位17を備えていない破断予定部16を備えたエアバッグカバーに、本発明を適用できる。
また、第2・3実施形態では、直線状部位17・18の両端にも、切刃収納部41・21を設けた場合を示したが、交差側部位20から離れるにしたがって、肉厚を厚くするように、カッタ35を操作して、エアバッグに押されて破断するヒンジ部15側の端末が、延長しないように、構成してもよい。
さらに、第2・3実施形態のように、直線状部位17・18も切り込み加工する凹溝16aから形成する構成において、それらの部位を加工するカッタ35自体やその保持機構等が壁部33c・33dと干渉する虞れがある場合には、図7〜10に示すエアバッグカバー10A・10Bのように、突条部28aやリブ28bを設けて、直線状部位17・18と壁部33c・33dとの間の領域28を広げるように構成してもよい。
さらにまた、直線状部位やその直線状部位に交差するように配設される交差側部位は、その全域を直線状としなくともよく、例えば、図23・24に示すエアバッグカバー50A・50Bに示すように、直線状部位17・18の間の交差側部位19を曲線状としていもよい。
また、各実施形態では、切り込み加工する切刃を有した加工具として、超音波カッタ35を例示したが、通常のコールドカッタや細い棒状のエンドミル等を使用して、切れ目16aを形成してもよい。但し、切粉や切屑を発生させずに、切れ目を入れて凹溝16aを形成できるカッタを使用すれば、破断時に応力集中が生じ易い切れ目16aを形成できるとともに、切粉等の処理も不要となって、好ましい。なお、エンドミル等の切削加工によって凹溝状の切れ目16aを形成する場合には、その開口の幅寸法は、エンドミル等の回転する切刃が切刃収納部に収納される際に、不要な切れ目を設けることのない寸法として、0.3〜1.5mm程度とすることが望ましい。
さらに、各実施形態では、助手席用エアバッグ装置Sに使用されるインパネ2を別体としたエアバッグカバー10・40・50について説明したが、インパネと一体成形するエアバッグカバーに本発明を適用してもよく、さらに、他の運転席用やシートの側面に設けるエアバッグ装置等のエアバッグカバーに、本発明を適用してもよい。
本発明の第1実施形態のエアバッグカバーの使用状態を示す斜視図である。 第1実施形態のエアバッグカバーが使用されているエアバッグ装置の断面図であり、図1のII−II部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグカバーの部分底面図であり、破断予定部付近を示す。 第1実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図3のIV−IV部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図3のV−V部位に対応する。 第1実施形態のエアバッグカバーの切り込み加工を説明する図である。 第1実施形態の変形例を示すエアバッグカバーの部分底面図である。 図7に示すエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図7のVIII−VIII部位に対応する。 第1実施形態の他の変形例を示すエアバッグカバーの部分底面図である。 図9に示すエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図9のX−X部位に対応する。 第2実施形態のエアバッグカバーの部分底面図であり、破断予定部付近を示す。 第2実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図11のXII−XII部位に対応する。 第2実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図1のXIII−XIII部位に対応する。 第2実施形態のエアバッグカバーの交差側部位の切り込み加工を示す図である。 第2実施形態のエアバッグカバーの直線状部位の切り込み加工を示す図である。 第2実施形態のエアバッグカバーの直線状部位の切り込み加工における変形例を示す図である。 第3実施形態のエアバッグカバーの部分底面図であり、破断予定部付近を示す。 第3実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図17のXVIII−XVIII部位に対応する。 第3実施形態のエアバッグカバーの部分省略縦断面図であり、図17のXIX−XIX部位に対応する。 第3実施形態のエアバッグカバーの交差側部位の切り込み加工を示す図である。 第3実施形態のエアバッグカバーの直線状部位の切り込み加工を示す図である。 第3実施形態のエアバッグカバーの直線状部位の切り込み加工における変形例を示す図である。 第3実施形態のエアバッグカバーの変形例を示す部分底面図である。 第3実施形態のエアバッグカバーの他の変形例を示す部分底面図である。
符号の説明
4…エアバッグ、
10・10A・10B・40・50・50A・50B…エアバッグカバー、
12a…突出用開口、
16…破断予定部、
16a…(切れ目・切り込み)凹溝、
18…直線状部位、
19…交差側部位、
20…T字状交差部、
21・41…切刃収納部、
22…底面、
23…(対向する)面・傾斜面、
35…カッタ、
37…切刃、
37a…先端、
37b…元部。

Claims (3)

  1. 折り畳まれたエアバッグを覆い、かつ、膨張する前記エアバッグに押されて破断して前記エアバッグを突出させる突出用開口を形成可能な線状に延びる薄肉の破断予定部を備えて、型成形によって形成される合成樹脂製とし、
    前記破断予定部が、裏面側から表面側に凹む凹溝を設けて形成されるとともに、一方の直線状部位に対して交差側部位を平面視の状態でT字状に交差させるT字状交差部を備え、さらに、成形後に、加工具を移動させて前記加工具の切刃により切れ目を入れる切り込み加工によって、形成される部位を備えて構成され、
    前記破断予定部の少なくとも前記交差側部位が、切り込み加工によって形成される部位としているエアバッグカバーであって、
    成形後の前記T字状交差部の部位に、前記エアバッグカバーの表面側に凹む切刃収納部が配設され、
    該切刃収納部が、前記T字状交差部に向けて前記交差側部位を切り込み加工しつつ移動する前記加工具の切刃を前記交差側部位から離脱させた際に、前記交差側部位から前記直線状部位に向かう方向で対向する位置に配置される前記切刃収納部の面に対して切れ目を入れない状態として、前記切刃を収納可能な形状に形成されていることを特徴とするエアバッグカバー。
  2. 前記加工具が、カッタから構成されて、
    前記カッタの切刃が、先端から元部側にかけて、切り込み加工時の移動方向に向かって張り出すように、傾斜して形成され、
    前記切刃収納部が、前記交差側部位側の底面を、前記交差側部位を切り込み加工する前記カッタの移動方向と平行な平坦面として、前記交差側部位から前記直線状部位に向かう方向で対向する位置に配置されている前記切刃収納部の面を、前記交差側部位から離れつつ前記切刃収納部の前記底面からも離れる傾斜面としていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグカバー。
  3. 前記直線状部位が、前記カッタを使用して切り込み加工される部位とするとともに、前記切刃収納部の平坦な前記底面の領域を通るように配設されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグカバー。
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