JP2006205837A - エアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法 - Google Patents
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【課題】 型開き時に、フラップ部が裏面側成形型に保持されるエアバッグドア部付車両用内装品を提供する。
【解決手段】 エアバッグドア部付車両用内装品1は、エアバッグドア部9が表面3aに達しないエアバッグ展開用ティアライン5で区画されて設けられている内装品本体3と、その裏面3bに溶着されたエアバッグシュート11と、からなる。エアバッグシュート11は、エアバッグドア部9の外周部に結合されたガイド部13と、ガイド部13とヒンジ29,33で連結されていると共にエアバッグドア部に結合されたフラップ部21,23と、を有する。フラップ部21,23は、表面側にエアバッグドア部9に溶着された突条の溶着リブ21a,23aが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成され、且つ、裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔21c,23cを有する。
【選択図】図6
【解決手段】 エアバッグドア部付車両用内装品1は、エアバッグドア部9が表面3aに達しないエアバッグ展開用ティアライン5で区画されて設けられている内装品本体3と、その裏面3bに溶着されたエアバッグシュート11と、からなる。エアバッグシュート11は、エアバッグドア部9の外周部に結合されたガイド部13と、ガイド部13とヒンジ29,33で連結されていると共にエアバッグドア部に結合されたフラップ部21,23と、を有する。フラップ部21,23は、表面側にエアバッグドア部9に溶着された突条の溶着リブ21a,23aが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成され、且つ、裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔21c,23cを有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられている内装品本体とその裏面に溶着されたエアバッグシュートとからなるエアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法に関する。
近年、大部分の車両には、車両衝突時の乗員の安全を確保するためのエアバッグ装置が搭載されている。そして、かかるエアバッグ装置は、一般に、エアバッグドア部付インストルメントパネルの裏面側に取り付けられている。また、エアバッグドア部付インストルメントパネルは、エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられているインストルメントパネル本体と、その裏面に溶着されたエアバッグ装置収納用の樹脂製のエアバッグシュートとを備え、エアバッグシュートが、エアバッグドア部の外周部に結合されたガイド部と、そのガイド部とヒンジで一体に連結されていると共にエアバッグドア部に結合されたフラップ部とを有した構成となっている。
また、特許文献1には、自動車用エアーバッグ装置において、補強枠体を、枠本体とその上部に一体成形された破断開放部用の破断補強部と破断開放部の開口周辺領域に対応する裏面を補強する縁補強部とで構成し、枠本体の下部が前後側壁と左右側壁とによって矩形筒状に形成され、枠本体の矩形状の上部周囲には、拡角方向にほぼ水平に延出する縁補強部を、またその縁補強部の基部より波状の折曲部を有するヒンジ部を介して内方に分岐する破断補強部を形成し、内装パネルの裏面に振動溶着によって固着したものが開示されている。そして、これによれば、破断開放部及び破断開放部の開口周辺領域に対応する裏面を補強する改良された補強枠体が提供される、と記載されている。
特開2004−66955号公報
ところで、エアバッグシュートのフラップ部は、通常、表面側にエアバッグドア部に溶着される突条の溶着リブが形成されていると共に裏面がフラット面に形成されている。そのため、エアバッグシュートの成形後、型開き時に、成形されたエアバッグシュートがフラップ部の表面側成形型に保持されてしまい、エアバッグドア部への溶着面であるフラップ部の表面に脱型の際に離型変形が生じ易くなる、という問題がある。
これに対しては、フラップ部の裏面を複雑な形状にして、成形されたエアバッグシュートがフラップ部の裏面側成形型に保持されるようにすることが考えられるが、フラップ部の裏面を複雑な形状にすると、金型費用が高くなり、また、フラップ部をエアバッグドア部に溶着させるときに用いる溶着治具の構成が複雑となり、さらに、裏面に突起等があるとエアバッグの展開に悪影響が及ぶこととなる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フラップ部の表面側に突条の溶着リブが形成されていると共に裏面がフラット面に形成されていても、型開き時に、フラップ部が裏面側成形型に保持されるエアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達する本発明は、エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられている内装品本体と、その裏面に溶着されたエアバッグシュートと、からなるエアバッグドア部付車両用内装品であって、
上記エアバッグシュートは、上記エアバッグドア部の外周部に結合されたガイド部と、該ガイド部とヒンジで連結されていると共に上記エアバッグドア部に結合されたフラップ部と、を有し、
上記フラップ部は、表面側に上記エアバッグドア部に溶着された突条の溶着リブが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成され、且つ、裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔を有することを特徴とする。
上記エアバッグシュートは、上記エアバッグドア部の外周部に結合されたガイド部と、該ガイド部とヒンジで連結されていると共に上記エアバッグドア部に結合されたフラップ部と、を有し、
上記フラップ部は、表面側に上記エアバッグドア部に溶着された突条の溶着リブが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成され、且つ、裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、フラップ部が裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔を有するので、エアバッグシュートを成形する際には、フラップ部にピンにより貫通孔が形成され、それと共にフラップ部をピンとの間の摩擦力により裏面側成形型に保持することができる。従って、成形されたエアバッグシュートがフラップ部の表面側成形型に保持されて、エアバッグドア部への溶着面であるフラップ部の表面に脱型の際に離型変形が生じるのを防止することができる。
本発明は、上記フラップ部が、表面側の上記貫通孔の周縁にリブが形成されており、該リブが上記エアバッグドア部に非溶着であるものであってもよい。
上記の構成によれば、フラップ部の表面側の貫通孔の周縁にリブが形成されているので、溶着リブをエアバッグドア部に溶着させたときに生じるバリが貫通孔を通ってエアバッグ装置側に落ちるのを阻止することができる。また、リブがエアバッグドア部に非溶着であるので、リブが溶着リブのエアバッグドア部への溶着の障害とならない。
本発明のエアバッグドア部付車両用内装品は、裏面側成形型に突設したピンによりフラップ部に貫通孔を形成し、それと共に、型開き時に、ピンでフラップ部を裏面側成形型に保持することにより製造することができる。
以上説明したように、本発明によれば、フラップ部が裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔を有するので、エアバッグシュートを成形する際には、フラップ部にピンにより貫通孔が形成され、それと共にフラップ部をピンとの間の摩擦力により裏面側成形型に保持することができる。
本発明のエアバッグドア部付車両用内装品の実施形態をエアバッグドア部付インストルメントパネルを例として、以下、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。
図1は、エアバッグドア部付インストルメントパネル1の助手席前方部分を示す。図2は、エアバッグシュート11を示す。図3乃至8は、それぞれ図2におけるIII−III線に沿った断面構造乃至VIII−VIII線に沿った断面構造を示す。図9は、橋梁部25を示す。図10及び図11は、エアバッグが展開したときのエアバッグドア部付インストルメントパネル1の断面構造を示す。図12及び13は、エアバッグシュート11の成形ステップを示す断面図であり、各々、図3に相当する断面図である。図14は、エアバッグシュート11の前側及び後側フラップ部21,23の成形工程を示す。図15は、インストルメントパネル本体3とエアバッグシュート11との溶着工程を示す断面図であり、図3に相当する断面図である。なお、図1及び8の左右方向が「車幅方向」である。図3乃至7の左右方向が「車体前後方向」である。図3乃至7の上下方向が「車体上下方向」である。
図3乃至7に示すように、このエアバッグドア部付インストルメントパネル1は、インストルメントパネル本体(内装品本体)3と、その裏面3b側に取り付けられたエアバッグ装置51収納用のエアバッグシュート11と、を備えている。
インストルメントパネル本体3は、ポリプロピレン(PP)樹脂等で射出成形された樹脂成形品である。インストルメントパネル本体3の助手席前方位置の裏面3bには、表面3aに達しないエアバッグ展開用ティアライン5が「日」の字状に形成されている。そして、図1に示すように、このエアバッグ展開用ティアライン5の区画により横長矩形状の一対のエアバッグドア部9が前後に配置されるように構成されている。また、インストルメントパネル本体3のエアバッグ展開用ティアライン5に対応した表面3aの部分が、エアバッグ装置51の作動により容易に破断する破断予定部7となっている。
エアバッグシュート11も射出成形された樹脂成形品であるが、その製造方法については後に詳述する。エアバッグシュート11は、エアバッグ装置51が収納される略矩形筒状のガイド部13を備えている。ガイド部13は、インストルメントパネル本体3側の略矩形状の開口13a(以下、「シューティング口13a」という。)がインストルメントパネル本体3のエアバッグ展開用ティアライン5で囲われた部分を覆うように設けられている。ガイド部13のシューティング口13a側の端部には、ガイド部13に連続して外方に延びる枠体部15が設けられている。これらのガイド部13及び枠体部15は、高剛性な成形品が得られるガラス繊維入りのポリプロピレン(PP)樹脂等の樹脂材料で形成されている。
ガイド部13は、略矩形筒状であるところの前側及び後側枠壁13b,13cのそれぞれに相互に間隔をおいて複数の係合孔13d(図4に1つだけ記載)が車幅方向に形成されている。そして、エアバッグ装置51は、その側面に設けられたフック53(図4に1つだけ記載)がその係合孔13dに係合してガイド部13に収納された状態で固定される。
枠体部15は、インストルメントパネル本体3側の表面に溶着リブ15aが格子状に形成されている。ガイド部13及び枠体部15は、この溶着リブ15aが振動溶着されてインストルメントパネル本体3の裏面3bのエアバッグドア部9の外周部に取り付けられている。
ガイド部13と枠体部15との交差部37には、シューティング口13aが不連続に拡口するように段差部37cが形成されている。段差部37cの前辺部及び後辺部のそれぞれには、図8に示すように、高さの相対的に高い大リブ37aと高さの相対的に低い小リブ37bとが交互に長手方向に沿って相互に間隔をおいて段差部37cを区画するように一体に形成されている。
エアバッグシュート11は、図2に示すように、ガイド部13のシューティング口13a側に、横長矩形状の前側及び後側フラップ部21,23を備えている。前側及び後側フラップ部21,23は、シューティング口13aを塞ぐように設けられている。前側フラップ部21は、前辺部が前側ヒンジ29を介してガイド部13のシューティング口13a側の段差部37cの前辺部に一体にモールド成形されている。一方、後側フラップ部23は、後辺部が後側ヒンジ33を介してガイド部13のシューティング口13a側の段差部37cの後辺部に一体にモールド成形されている。前側フラップ部21と後側フラップ部23とは、前者の後辺部と後者の前辺部とが辺両側でそれぞれ橋梁部25を介して連結されている。これらの前側及び後側フラップ部21,23、前側及び後側ヒンジ29,33、並びに、橋梁部25は、高靱性な成形品が得られ、特に低温で破損しにくいポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂材料(TPO)等で形成されている。つまり、これらは、ガイド部13及び枠体部15は異なる樹脂材料で成形されている。
前側及び後側フラップ部21,23は、インストルメントパネル本体3側の表面に溶着リブ21a,23aが格子状に形成されている一方、エアバッグを損傷しないように裏面が平坦面に形成されている。前側及び後側フラップ部21,23は、この溶着リブ21a,23aが振動溶着されてインストルメントパネル本体3の裏面3bのエアバッグドア部9に取り付けられている。前側及び後側フラップ部21,23のそれぞれには、図2に示すように、左右両側に貫通孔21b,23bが形成されている。これらの貫通孔21b,23bの周縁は、インストルメントパネル本体3側に突出した環状のリブ21c,23cに形成されている。その環状のリブ21c,23cは、溶着リブ21a,23aよりも高さが低く形成され、エアバッグドア部9に非溶着とされている。
前側ヒンジ29は、ガイド部13の段差部37cに結合した裏面側に開いた断面略U字状の回動作用部29bと、回動作用部29bに連続して前側フラップ部21の前辺部に結合した表面側に開いた断面略U字状の延出作用部29cと、を備え、全体として断面略S字状に形成されている。前側ヒンジ29の回動作用部29bの前側フラップ部21側には、インストルメントパネル本体3のエアバッグドア部9の裏面3bに向かって延びた突条の前側リブ31が前側ヒンジ29の長手方向に沿って一体に形成されている。
後側ヒンジ33は、ガイド部13の段差部37cに結合した裏面側に開いた断面略U字状の回動作用部33bと、回動作用部33bに連続して後側フラップ部23の後辺部に結合した表面側に開いた断面略U字状の延出作用部33cと、を備え、全体として断面略S字状に形成されている。後側ヒンジ33の回動作用部33bの後側フラップ部23側には、インストルメントパネル本体3のエアバッグドア部9の裏面3bに向かって延びた突条の後側リブ35が後側ヒンジ33の長手方向に沿って一体に形成されている。
前側及び後側ヒンジ29,33は、左右方向に並行に延びる3本のエアバッグ展開用ティアライン5のうち、それぞれ前位置のもの及び後位置のものに対峙する位置関係となっている。そして、前側リブ31は、図11に示すように、エアバッグ展開によるエアバッグドア部9の開放時に、側面が前位置のエアバッグ展開用ティアライン5に位置付けられるように設けられている。また、後側リブ35も、図11に示すように、エアバッグ展開によるエアバッグドア部9の開放時に、側面が後位置のエアバッグ展開用ティアライン5に位置付けられるように設けられている。なお、前側フラップ部21と後側フラップ部23との隙間が中間位置のエアバッグ展開用ティアライン5に対応した位置となっている。
段差部37cに一体にモールド成形された前側及び後側ヒンジ29,33のそれぞれの基部29a,33aには、図8に示すように、複数の溶着リブ37dが長手方向に沿って相互に間隔をおいて、段差部37cに設けられた大リブ37aが埋設されるように形成されている。つまり、大リブ37aは、溶着リブ37dを支持する支持リブを構成している。この溶着リブ37dは振動溶着されてインストルメントパネル本体3の裏面3bに取り付けられている。
橋梁部25は、成形時には、図9(a)に示すように、中央が薄肉部25aの裏面側に反った断面略V字状の形状に形成されているものの、前側及び後側フラップ部21,23がエアバッグドア部9に溶着されることによりその反りが伸ばされて、図9(b)に示すように、裏面が前側及び後側フラップ部21,23の裏面と面一とされている。
次に、このエアバッグドア部付インストルメントパネル1のエアバッグ展開動作について、図10及び図11に基づいて説明する。
まず、車両が衝突してある一定以上の衝撃を受けると、エアバッグ装置51が作動してインフレータによりエアバッグの展開が開始される。
次いで、エアバッグの展開に伴って、図10に示すように、前側及び後側ヒンジ29,33の断面略U字状の延出作用部29c,33cが延ばされ、前側及び後側フラップ部21,23が上方に押し上げられて橋梁部25が薄肉部25aで切断すると共に、エアバッグ展開用ティアライン5に沿って破断予定部7が破断してエアバッグドア部9がインストルメントパネル本体3から別体となって離れる。
そして、さらにエアバッグの展開が進行してエアバッグがインストルメントパネル本体3の開口から飛び出すのに伴って、図11に示すように、前側及び後側ヒンジ29,33の断面略U字状の回動作用部29b,33bが外向きに回動され、一対のエアバッグドア部9が観音開き状に開放される。このとき、前側リブ31の側面がエアバッグ展開用ティアライン5の位置に位置付けられ、それらがエアバッグドア部9の切断端と前側ヒンジ29との間に挟まれた状態となる。また、後側リブ35の側面がエアバッグ展開用ティアライン5の位置に位置付けられると、それらがエアバッグドア部9の切断端と後側ヒンジ33との間に挟まれた状態となる。
次に、このエアバッグドア部付インストルメントパネル1の製造方法について説明する。
<インストルメントパネル本体成形工程>
インストルメントパネル本体3を、射出成形機のホッパーに、ペレット状のポリプロピレン(PP)樹脂等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させてゲートから金型に射出する射出成形により成形する。
インストルメントパネル本体3を、射出成形機のホッパーに、ペレット状のポリプロピレン(PP)樹脂等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させてゲートから金型に射出する射出成形により成形する。
成形されたインストルメントパネル本体3では、助手席前方位置の裏面3bに、表面3aに達しないエアバッグ展開用ティアライン5が形成されてエアバッグドア部9が構成される。
<エアバッグシュート成形工程>
エアバッグシュート11も、射出成形により成形するが、ガイド部13等と前側及び後側フラップ部21,23等とが異なる樹脂材料で形成されるため、第1及び第2成形ステップからなる2段階の射出成形により成形する。
エアバッグシュート11も、射出成形により成形するが、ガイド部13等と前側及び後側フラップ部21,23等とが異なる樹脂材料で形成されるため、第1及び第2成形ステップからなる2段階の射出成形により成形する。
−第1成形ステップ−
エアバッグシュート11のガイド部13及び枠体部15を、射出成形機のホッパーに高剛性な成形品が得られるペレット状のガラス繊維入りポリプロピレン(PP)樹脂等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させ、図12に示すように、第1金型70のキャビティ型71とコア型72との間に形成されるキャビティ内に、ゲートから、その溶融された樹脂を射出する射出成形により一体に成形する。
エアバッグシュート11のガイド部13及び枠体部15を、射出成形機のホッパーに高剛性な成形品が得られるペレット状のガラス繊維入りポリプロピレン(PP)樹脂等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させ、図12に示すように、第1金型70のキャビティ型71とコア型72との間に形成されるキャビティ内に、ゲートから、その溶融された樹脂を射出する射出成形により一体に成形する。
成形されたガイド部13及び枠体部15では、それらの交差部37に段差部37c、大リブ37a及び小リブ37bが形成される。
−第2成形ステップ−
エアバッグシュート11の前側及び後側フラップ部21,23、並びに、前側及び後側ヒンジ29,33を、射出成形機のホッパーに高靱性な成形品が得られるペレット状のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(TPO)等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させ、図13に示すように、第1成形ステップで成形したガイド部13及び枠体部15がコア型63に予めセットされている第2金型60のキャビティ型61とコア型63との間に形成されるキャビティ内、及びコア型63にセットされたガイド部13と枠体部15との間に形成されるキャビティ内に、ゲートから、その溶融された樹脂を射出する射出成形により全体を一体に成形する。
エアバッグシュート11の前側及び後側フラップ部21,23、並びに、前側及び後側ヒンジ29,33を、射出成形機のホッパーに高靱性な成形品が得られるペレット状のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(TPO)等を投入し、それをシリンダ内でスクリュー混練しながら溶融させ、図13に示すように、第1成形ステップで成形したガイド部13及び枠体部15がコア型63に予めセットされている第2金型60のキャビティ型61とコア型63との間に形成されるキャビティ内、及びコア型63にセットされたガイド部13と枠体部15との間に形成されるキャビティ内に、ゲートから、その溶融された樹脂を射出する射出成形により全体を一体に成形する。
成形された前側及び後側フラップ部21,23、並びに、前側及び後側ヒンジ29,33では、ガイド部13及び枠体部15の交差部37の段差部37cに、前側及び後側ヒンジ29,33が一体に形成されると共に大リブ37aが埋設された溶着リブ37dが形成される。また、前側及び後側フラップ部21,23にそれぞれ貫通孔21b,23bが形成される。
ここで、前側及び後側フラップ部21,23並びに前側及び後側ヒンジ29,33を成形するための第2金型60及びそれを用いた成形について詳細に説明する。
第2金型60は、図14(a)及び(b)に示すように、表面側成形型61と裏面側成形型63とで構成されている。
表面側成形型61には、前側及び後側フラップ部21,23の成形部に、表面の溶着リブ21a,23aを成形するためのリブ成形溝62が形成されている。また、表面側成形型61には、前側及び後側フラップ部21,23の貫通孔21b,23bを成形する位置に対応して貫通孔21b,23bよりも外径が大きく且つリブ成形溝62よりも浅い有底の4つの円孔64が形成されている。
一方、裏面側成形型63には、前側及び後側フラップ部21,23の裏面を平坦面に成形するために、それらの成形部が平坦に形成されている。また、裏面側成形型63には、前側及び後側フラップ部21,23の貫通孔21b,23bを成形する位置に対応して4つのピン挿通孔66が形成されており、各ピン挿通孔66に円筒状のスリーブピン67が摺動可能に挿通され、そのスリーブピン67に内嵌めされたコアピン65が成形面から突出して固設されている。スリーブピン67は、成形時には、その端面が成形面に一致するように設けられる。コアピン65は、表面側成形型61の円孔64の中心に当接して前側及び後側フラップ部21,23の環状のリブ21c,23cを形成するための環状溝を構成する。この環状溝は、環状のリブ21c,23cが溶着リブ21a,23aよりも高さが低くなるように、表面側成形型61のリブ成形溝62よりも溝深さが浅く形成されている。さらに、裏面側成形型63には、第1成形ステップで予め成形したガイド部13及びフランジ部15を収容するためのガイド部等収容部16(図13参照)が形成されている。
この第2金型60を用いた第2成形ステップでは、図14(a)に示すように、表面側成形型61と裏面側成形型63とが合わされてキャビティを構成し、そのキャビティに溶融した樹脂が流入され冷却されて前側及び後側フラップ部21,23等が成形される。
そして、型開き時に、表面側成形型61と裏面側成形型63とを離間させるのであるが、そのとき、裏面側成形型63の前側及び後側フラップ部21,23の成形面がただの平坦面だけであったとすると、成形されたエアバッグシュート11の前側及び後側フラップ部21,23だけが溶着リブ21a,23aを成形するためのリブ成形溝62が形成された表面側成形型61側にとられしまい、表面側成形型61からエアバッグシュート11を取り外す際に前側及び後側フラップ部21,23を離型変形させてしまうなど困難を伴うこととなる。ところが、この第2金型60を用いれば、型開き時に表面側成形型61と裏面側成形型63とを離間させると、図14(b)に示すように、成形されたエアバッグシュート11がコアピン65との間の摩擦力によって裏面側成形型63側に保持され、しかも、図14(c)に示すように、スリーブピン67を成形面から突出させることにより裏面側成形型63からエアバッグシュート11を容易に取り外すことができる。
<溶着工程>
図15に示すように、インストルメントパネル本体3を基台73にセットすると共に、エアバッグシュート11を振動溶着治具74にセットし、インストルメントパネル本体3の裏面3bのエアバッグドア部9の外周部にエアバッグシュート11の枠体部15を位置付けると共に、前側及び後側フラップ部21,23をエアバッグドア部9に位置付ける。そして、振動溶着治具74を用いてエアバッグシュート11をインストルメントパネル本体3側に押し当てて高周波で横方向75に振動させることにより、溶着リブ15a,21a,23a,37dによりエアバッグシュート11をインストルメントパネル本体3に溶着させる。前側及び後側フラップ部21,23がエアバッグドア部9に溶着されることにより、橋梁部25は、その反りが伸ばされて、図9(b)に示すように、前側及び後側フラップ部21,23の間隔を橋梁部25の長さ分精度良く開けることができる。また、裏面が前側及び後側フラップ部21,23の裏面と面一とされ、そのためにエアバッグ装置51の障害とならない。なお、このとき、溶着リブ37dは、大リブ37aが埋設されているので、変形することなく精度良くインストルメントパネル本体3に押し当てられて確実に溶着される。また、前側及び後側フラップ部21,23の表面側の貫通孔21b,23bの周縁が環状のリブ21c,23cに形成されているので、溶着リブ21a,23aの溶着によって生じたバリが貫通孔21b,23bを通ってエアバッグ装置51が設けられた裏面側に落ちるのを防止することができる。しかも、環状のリブ21c,23cは、溶着リブ21a,23aよりも高さが低く形成されており、エアバッグドア部9に溶着されないので、溶着リブ21a,23aにより前側及び後側フラップ部21,23をエアバッグドア部9に溶着する際の障害とならない。
図15に示すように、インストルメントパネル本体3を基台73にセットすると共に、エアバッグシュート11を振動溶着治具74にセットし、インストルメントパネル本体3の裏面3bのエアバッグドア部9の外周部にエアバッグシュート11の枠体部15を位置付けると共に、前側及び後側フラップ部21,23をエアバッグドア部9に位置付ける。そして、振動溶着治具74を用いてエアバッグシュート11をインストルメントパネル本体3側に押し当てて高周波で横方向75に振動させることにより、溶着リブ15a,21a,23a,37dによりエアバッグシュート11をインストルメントパネル本体3に溶着させる。前側及び後側フラップ部21,23がエアバッグドア部9に溶着されることにより、橋梁部25は、その反りが伸ばされて、図9(b)に示すように、前側及び後側フラップ部21,23の間隔を橋梁部25の長さ分精度良く開けることができる。また、裏面が前側及び後側フラップ部21,23の裏面と面一とされ、そのためにエアバッグ装置51の障害とならない。なお、このとき、溶着リブ37dは、大リブ37aが埋設されているので、変形することなく精度良くインストルメントパネル本体3に押し当てられて確実に溶着される。また、前側及び後側フラップ部21,23の表面側の貫通孔21b,23bの周縁が環状のリブ21c,23cに形成されているので、溶着リブ21a,23aの溶着によって生じたバリが貫通孔21b,23bを通ってエアバッグ装置51が設けられた裏面側に落ちるのを防止することができる。しかも、環状のリブ21c,23cは、溶着リブ21a,23aよりも高さが低く形成されており、エアバッグドア部9に溶着されないので、溶着リブ21a,23aにより前側及び後側フラップ部21,23をエアバッグドア部9に溶着する際の障害とならない。
以上に説明したようなエアバッグドア部付インストルメントパネル1であれば、前側及び後側フラップ部21,23が裏面側成形型63に突設されたコアピン65により形成された貫通孔21b,23bを有するので、上記のように、エアバッグシュート11を成形する際には、前側及び後側フラップ部21,23にコアピン65により貫通孔21b,23bが形成され、それと共に前側及び後側フラップ部21,23をコアピン65との間の摩擦力により裏面側成形型63に保持することができる。従って、成形されたエアバッグシュート11が前側及び後側フラップ部21,23の表面側成形型61に保持されて、エアバッグドア部9への溶着面である前側及び後側フラップ部21,23の表面に脱型の際に離型変形が生じるのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、エアバッグドア部付車両用内装品として、エアバッグドア部付インストルメントパネル1を例に挙げたが、特にこれに限定されるものではなく、ステアリングハンドル等のその他の車両用内装品であってもよい、
また、上記実施形態では、エアバッグ展開用ティアライン5が「日」の字状に形成されて、このエアバッグ展開用ティアライン5の区画により横長矩形状の一対のエアバッグドア部9が上下に配置された構成のものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、図16に示すように、エアバッグ展開用ティアライン5が「口」の字状に形成されて、このエアバッグ展開用ティアライン5の区画により横長矩形状の単一のエアバッグドア部9が配置された構成のものであってもよい。
また、上記実施形態では、エアバッグ展開用ティアライン5が「日」の字状に形成されて、このエアバッグ展開用ティアライン5の区画により横長矩形状の一対のエアバッグドア部9が上下に配置された構成のものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、図16に示すように、エアバッグ展開用ティアライン5が「口」の字状に形成されて、このエアバッグ展開用ティアライン5の区画により横長矩形状の単一のエアバッグドア部9が配置された構成のものであってもよい。
また、上記実施形態では、樹脂単層のインストルメントパネル本体3としたが、特にこれに限定されるものではなく、樹脂等で成形された樹脂製基材とその表面側に一体に被覆された樹脂製表皮とからなる2層構造のものであってもよい。
以上説明したように、本発明は、エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられている内装品本体とその裏面に溶着されたエアバッグシュートとからなるエアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法に関して有用である。
1 エアバッグドア部付インストルメントパネル(エアバッグドア部付車両用内装品)
3 インストルメントパネル本体(内装品本体)
3a 表面
3b 裏面
5 エアバッグ展開用ティアライン
9 エアバッグドア部
11 エアバッグシュート
13 ガイド部
15 枠体部
21 上側フラップ部(フラップ部)
21a,23a 溶着リブ
21b,23b 貫通孔
21c,23c リブ
23 下側フラップ部(フラップ部)
29 上側ヒンジ(ヒンジ)
33 下側ヒンジ(ヒンジ)
63 裏面側成形型
65 コアピン
3 インストルメントパネル本体(内装品本体)
3a 表面
3b 裏面
5 エアバッグ展開用ティアライン
9 エアバッグドア部
11 エアバッグシュート
13 ガイド部
15 枠体部
21 上側フラップ部(フラップ部)
21a,23a 溶着リブ
21b,23b 貫通孔
21c,23c リブ
23 下側フラップ部(フラップ部)
29 上側ヒンジ(ヒンジ)
33 下側ヒンジ(ヒンジ)
63 裏面側成形型
65 コアピン
Claims (3)
- エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられている内装品本体と、その裏面に溶着されたエアバッグシュートと、からなるエアバッグドア部付車両用内装品であって、
上記エアバッグシュートは、上記エアバッグドア部の外周部に結合されたガイド部と、該ガイド部とヒンジで連結されていると共に上記エアバッグドア部に結合されたフラップ部と、を有し、
上記フラップ部は、表面側に上記エアバッグドア部に溶着された突条の溶着リブが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成され、且つ、裏面側成形型に突設されたピンにより形成された貫通孔を有することを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品。 - 上記フラップ部は、表面側の上記貫通孔の周縁にリブが形成されており、該リブが上記エアバッグドア部に非溶着であることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品。
- エアバッグドア部が表面に達しないエアバッグ展開用ティアラインで区画されて設けられている内装品本体と、その裏面に溶着されたエアバッグシュートと、からなり、
上記エアバッグシュートは、上記エアバッグドア部の外周部に結合されたガイド部と、該ガイド部とヒンジで連結されていると共に上記エアバッグドア部に結合されたフラップ部と、を有し、
上記フラップ部は、表面側に上記エアバッグドア部に溶着された突条の溶着リブが形成されていると共に、裏面がフラット面に形成されたエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法であって、
裏面側成形型に突設したピンによりフラップ部に貫通孔を形成すると共に、型開き時に、該ピンで該フラップ部を該裏面側成形型に保持することを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005018811A JP2006205837A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | エアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法 |
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ID=36963144
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JP2005018811A Pending JP2006205837A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | エアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009143510A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-02 | Kanto Auto Works Ltd | エアバッグシュート |
US11440498B2 (en) * | 2018-08-24 | 2022-09-13 | Riedel Communications International GmbH | Airbag cover |
-
2005
- 2005-01-26 JP JP2005018811A patent/JP2006205837A/ja active Pending
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