JP2007186149A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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浩志 河村
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茂明 福島
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清茂 山内
Hitohiro Ozawa
仁博 小澤
Hikari Umekida
光 梅木田
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と共に、長期間に亘って加締部の耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外側継手部材14の軸部20の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部22によりハブ輪1に対して外側継手部材14が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、加締部22がハブ輪1のパイロット部23の端面21に揺動加締により形成されると共に、これら加締部22とパイロット部23の表面にカチオン電着塗装法により塗装被膜が形成されているので、加締部22に雨水やダスト等が侵入しても発錆を抑制してその強度を長期間に亘って確保することができ、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と共に、結合部の耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造までが量産化されると共に、さらにはハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面を直接形成して軽量・コンパクト化された第4世代構造が開発されている。
この第4世代構造の車輪用軸受装置として、図3に示すものが知られている。この車輪用軸受装置は、ハブ輪50と複列の転がり軸受51および等速自在継手52をユニット化して構成されている。複列の転がり軸受51は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成された外方部材53と、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、外周に複列の外側転走面53a、53aに対向する一方の内側転走面50aと、この内側転走面50aから軸方向に延びる小径段部50bが形成されたハブ輪50、およびこのハブ輪50の小径段部50bに内嵌され、複列の外側転走面53a、53aに対向する他方の内側転走面55aが形成された外側継手部材55からなる内方部材56と、これら両転走面間に収容された複列のボール57、57と、これら複列のボール57、57を転動自在に保持する保持器58、58とからなる複列アンギュラ玉軸受で構成されている。外方部材53の複列の外側転走面53a、53aとハブ輪50のアウター側のシール65が摺接するシールランド部から内側転走面50aおよび小径段部50bの端面に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されている。
等速自在継手52は、外側継手部材55と継手内輪59とケージ60とトルク伝達ボール61とからなる。外側継手部材55は、カップ状のマウス部62と、このマウス部62の底部をなす肩部63と、この肩部63から軸方向に延びる軸部64とを一体に有している。軸部64の外周にはセレーション64aが形成され、ハブ輪50の内周に形成されたセレーション50cに係合してトルク伝達可能としている。また、外側継手部材55の外周には、インナー側のシール65が摺接するシールランド部から内側転走面55aおよび軸部64に亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されている。
外方部材53と内方部材56との間に形成される環状空間の開口部にはシール65、65が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。そして、外側継手部材55の軸部64の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪50のパイロット部66内に位置する端面67に加締め(揺動加締)、この加締部68により外側継手部材55がハブ輪50に軸方向に固定されると共に、ハブ輪50の小径段部50bの端面と外側継手部材55の肩部63を突き合わせて所定の軸受予圧量の範囲に管理している。
ここで、ハブ輪50の端面67の少なくとも加締部68と接触する部位を径方向外方に向けアウター側に傾斜させて形成することにより、加締部68の接触面積を増大させて加締部68自体の強度を向上させている。
特開2002−356101号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、ハブ輪50の端面67の少なくとも加締部68と接触する部位を径方向外方に向けてアウター側に傾斜させて形成し、加締部68の接触面積を増大させて加締部68の強度を図っているが、加締部68に大きなモーメント荷重等が負荷されても充分な耐力を有すると共に、露出したこの部位に雨水やダスト等が侵入しても発錆を抑制して加締部68の強度を長期間に亘って確保することが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と共に、長期間に亘って加締部の耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記加締部の表面に電着塗装法により塗装被膜が形成されている構成を採用した。
このように、ハブ輪と外側継手部材とが揺動加締によって形成された加締部により塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、加締部の表面に電着塗装法により塗装被膜が形成されているので、加締部に雨水やダスト等が侵入しても発錆を抑制してその強度を長期間に亘って確保することができ、軽量・コンパクト化と共に、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記電着塗装法がカチオン電着塗装法であれば、防錆力と密着力に優れた強力な塗装膜が形成できる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記加締部が前記ハブ輪のパイロット部の端面に揺動加締により形成されると共に、このパイロット部の周面に前記塗装被膜が形成されていれば、露出したこの部位が発錆し、この錆が加締部に進行するのを防止することができる。さらに、加締部を大径に形成することができ、加締部の根元部に発生する応力を緩和することができる。したがって、軽量・コンパクト化と共に、加締部の強度を一層増大させると共に、加締部がハブ輪のパイロット部よりアウター側に突出して形成されているので、加締治具とパイロット部の角部との干渉はなく、加締治具の形状およびその動きが制約されることはない。
また、請求項4に記載の発明のように、前記軸部が中空状に形成されると共に、前記ハブ輪の車輪取付フランジの位置に対応する部位に底部が形成されていれば、装置の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができると共に、加締めによってセレーションの密着度が高まり回転方向のガタを抑制することができる。さらには、軸受部の放熱効果を高め、運転中の昇温を抑制して耐久性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記ハブ輪のセレーションが高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記軸部のセレーションのアウター側の一部が未焼入れの生のままとされ、この軸部のセレーションを塑性変形させて係合部に予圧が付与されていれば、回転方向のガタを抑制して車両の走行安定性を向上させることができる。また、軸部の端部の揺動加締めによってセレーションの密着度が高まり、さらに、回転方向のガタを抑制することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記加締部の表面に電着塗装法により塗装被膜が形成されているので、加締部に雨水やダスト等が侵入しても発錆を抑制してその強度を長期間に亘って確保することができる。
ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記加締部が前記ハブ輪のパイロット部の端面に揺動加締により形成されると共に、これら加締部とパイロット部の表面にカチオン電着塗装法により塗装被膜が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、塗装装置を示す概略構成図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は第4世代と称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3がユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1にトルク伝達可能に内嵌された外側継手部材14とからなる。
外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に円弧状の複列の外側転走面4a、4aが形成されている。この複列の外側転走面4a、4aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、外方部材4の複列の外側転走面4a、4aに対向する一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。そして、内周のセレーション1cの部位と、アウター側のシール10が摺接するシールランド部7aから内側転走面1aおよび小径段部1bの端面に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層12、13が形成されている。これにより、セレーション1cと車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aの耐摩耗性が向上するだけでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15、ケージ16、およびトルク伝達ボール17とからなる。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる円筒状の軸部20とが一体に形成されている。この軸部20には、ハブ輪1の小径段部1bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部20aと、このインロウ部20aの端部にセレーション(またはスプライン)20bが形成されている。このセレーション20bはハブ輪1のセレーション1cに係合して等速自在継手3からのトルクをハブ輪1に伝達する。また、軸部20は、肩部19から中空状に形成され、その端部、具体的には、ハブ輪1の車輪取付フランジ7の位置に対応する部位に底部20cが形成されている。これにより、装置の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができると共に、軸受部の放熱効果を高め、運転中の昇温を抑制して耐久性を向上させることができる。
また、軸部20のセレーション20bには、軸線に対して所定のねじれ角が設けられている。このねじれ角により、ハブ輪1のセレーション1cとの係合で、その嵌合部に予圧を付与することができ、回転方向のガタを抑制して車両の走行安定性を向上させることができると共に、後述する軸部20の端部の揺動加締めによってセレーション1c、20bの密着度が高まり回転方向のガタを抑制することができる。なお、こうしたねじれ角による予圧付与以外に、軸部20のセレーション20bにねじれ角を設けず、両セレーション1c、20bを係合させた後、軸部20の端部内周をポンチ等の拡径治具によって塑性変形させ、軸部20のセレーション20bを拡径させてハブ輪1のセレーション1cとの係合部に予圧が付与されるようにしても良い。
マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18aが形成されると共に、継手内輪15の外周にこのトラック溝18aに対応するトラック溝15aが形成され、これら両トラック溝18a、15a間にケージ16を介してトルク伝達ボール17が収容されている。また、肩部19の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方(インナー側)の円弧状の内側転走面14aが形成されている。そして、トラック溝18aと、インナー側のシール11が嵌合する外周面から内側転走面14aおよび軸部20のインロウ部20aに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層24、25が形成されている。これにより、トラック溝18aと肩部19の外周面の耐摩耗性が向上するばかりでなく、負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、外側継手部材14の耐久性が向上する。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する内方部材5の複列の内側転走面1a、14a間には複列の転動体6、6が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4の端部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。これらの複列の転がり軸受2は、両転走面4a、1aおよび4a、14aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほど軸方向に離反する、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、ここでは、転動体6にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置は、これに限らず、転動体6に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
アウター側のシール10は、一対のサイドリップを有する単一のシール部材で構成され車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aに摺接している。一方、インナー側のシール11は、断面略L字状に形成され、互いに対向配置された環状のシール板11aとスリンガ11bとからなる複合型シール、所謂パックシールで構成されている。すなわち、環状のシール板11aは外方部材4の端部に内嵌されると共に、外側継手部材14の肩部19に外嵌されたスリンガ11bに摺接するサイドリップとラジアルリップを備えている。
ここで、本実施形態では、軸部20の端部を径方向外方に塑性変形させてハブ輪1のパイロット部23の端面(開口端面)21に揺動加締めされている。すなわち、小径段部1bの端面が肩部19に衝合して突き合わされ、複列の転がり軸受2に所定の予圧付与された状態で、加締部22によってハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合されている。なお、加締部22がハブ輪1のパイロット部23の端面21に露出して形成されているので、従来のように、ハブ輪1のパイロット部23内に位置する端面に加締められるよりも加締部22を大径に形成することができ、加締部22の根元部に発生する応力を緩和することができる。したがって、軽量・コンパクト化と共に、加締部22の強度を増大させ、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
また、従来の車輪用軸受装置においては、加締部がハブ輪のパイロット部内に位置し、ハブ輪のパイロット部の端面よりもインナー側に凹んだ端部に形成されるため、加締治具がパイロット部の角部に干渉しないように、加締治具の形状および動きが制約されていたが、本実施形態のように、加締部22がハブ輪1のパイロット部23の端面21に露出して形成されるため、加締治具とパイロット部23の角部との干渉はなく、加締治具の形状および動きが制約されることはない。
さらに本実施形態は、ハブ輪1のパイロット部23と加締部22の露出した表面に塗装被膜26、27が形成されている。これらの塗装被膜26、27は、カチオン電着塗装により形成されている。これにより、露出したパイロット部23が発錆し、この錆が加締部22に進行するのを防止することができると共に、加締部22に雨水やダスト等が侵入しても発錆を抑制してその強度を長期間に亘って確保することができる。この電着塗装は、金属製品を槽に満たした電着塗料に漬けると共に、製品と槽の中の電極との間に電圧をかけ、従来のメッキと同じように製品に塗料を付着させるものであるが、図2に、カチオン電着塗装をするための塗装装置を示す。
本実施形態における車輪用軸受装置は、その組立後に塗装部位の脱脂・水洗が行われ、その終了後に塗装治具28上に縦方向に車輪取付フランジ7を介して載置される。この塗装治具28は合成樹脂等の非導通部材からなり、ハブ輪1を位置決めする支持部29と、パイロット部23と加締部22が浸漬されるカップ部30と、電着塗装液31が供給される供給部32とを一体に有している。支持部29にはカップ部30と外気とを連通させる連通孔33が形成され、また、供給部32とカップ部30が導入管34によって連通されている。一方、カップ部30の底面に正電極(図示せず)が設置されると共に、支持部29の上面に負電極(図示せず)が固着され、この負電極が車輪取付フランジ7に当接している。
次に、正電極と負電極との間に所定の直流電圧が所定時間に亘って印加される。これにより、電着塗装液31中の塗料粒子が陽イオンとなってパイロット部23および加締部22の表面に電着される。この時、供給された電着塗装液31が供給部32からオーバーフローするため、塗料粒子の電着範囲が所定範囲に正確に設定され、車輪取付フランジ7等、塗装不要箇所に電着塗装液31が付着するのを防止することができる。こうした塗装液供給と塗装工程とを複数回繰り返し行うことにより、電着塗装液31内の気泡を除去すると共に、未電着部分を抑制し、被膜の膜厚を均一に、かつ滑らかに形成することができる。なお、塗装工程が終了した後、所定温度の熱風が電着部位に吹き付けられ、パイロット部23と加締部22の表面に形成された被膜を乾燥・硬化させる。
なお、ここでは、正電極に対して、製品側を負電極として通電するカチオン型の電着塗装を例示したが、負電極に対して、製品側を正電極として通電するアニオン型の電着塗装であっても良い。このアニオン型の電着塗装の場合、塗装色の安定性や焼付温度を低く設定できる。然しながら、この種の車輪用軸受装置においては、防錆力と密着力に優れた強力な塗装膜が形成できるエポキシ樹脂系等からなるカチオン電着塗装の方が好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 塗装装置を示す概略構成図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c、20b・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・シールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
11a・・・・・・・・・・・・・・シール板
11b・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
12、13、24、25・・・・・・硬化層
14・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・・・・・軸部
20a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
20c・・・・・・・・・・・・・・底部
21・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部の端面
22・・・・・・・・・・・・・・・加締部
23・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部
26、27・・・・・・・・・・・・塗装被膜
28・・・・・・・・・・・・・・・塗装装置
29・・・・・・・・・・・・・・・支持部
30・・・・・・・・・・・・・・・カップ部
31・・・・・・・・・・・・・・・電着塗装液
32・・・・・・・・・・・・・・・供給部
33・・・・・・・・・・・・・・・連通孔
34・・・・・・・・・・・・・・・導入管
50・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
50a、55a・・・・・・・・・・内側転走面
50b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
50c、64a・・・・・・・・・・セレーション
51・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
52・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
53・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
54・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
56・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
57・・・・・・・・・・・・・・・ボール
58・・・・・・・・・・・・・・・保持器
59・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
60・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
61・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
62・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
63・・・・・・・・・・・・・・・肩部
64・・・・・・・・・・・・・・・軸部
65・・・・・・・・・・・・・・・シール
66・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部
67・・・・・・・・・・・・・・・端面
68・・・・・・・・・・・・・・・加締部

Claims (5)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記軸部が前記ハブ輪にセレーションを介して内嵌されると共に、端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部によって前記ハブ輪に対して前記外側継手部材が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
    前記加締部の表面に電着塗装法により塗装被膜が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記電着塗装法がカチオン電着塗装法である請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記加締部が前記ハブ輪のパイロット部の端面に揺動加締により形成されると共に、このパイロット部の周面に前記塗装被膜が形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記軸部が中空状に形成されると共に、前記ハブ輪の車輪取付フランジの位置に対応する部位に底部が形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記ハブ輪のセレーションが高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記軸部のセレーションのアウター側の一部が未焼入れの生のままとされ、この軸部のセレーションを塑性変形させて係合部に予圧が付与されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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