JP2007191036A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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清茂 山内
Hitohiro Ozawa
仁博 小澤
Hikari Umekida
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と共に、結合部の発錆を防止し、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪1と外側継手部材14とが拡径加締によって塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、ハブ輪1のアウター側の端部にパイロット部21が突設され、このパイロット部21の外周面から外側継手部材14の軸部20の端部内周に亙ってカチオン電着塗装法によって塗装被膜23が形成されているので、軽量・コンパクト化と共に、結合部23に雨水やダスト等が侵入するのを阻止し、結合部23の発錆を防止して長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と共に、結合部の耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。
また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造までが量産化されると共に、さらにはハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面を直接形成して軽量・コンパクト化された第4世代構造が開発されている。
この第4世代構造の車輪用軸受装置として、図3に示すものが知られている。この車輪用軸受装置は、ハブ輪51と複列の転がり軸受52および等速自在継手53がユニット化して構成されている。複列の転がり軸受52は、外方部材54と内方部材55と複列のボール56、56とを備えている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
外方部材54は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジ54bを一体に有し、内周に複列の外側転走面54a、54aが形成されている。一方、内方部材55は、ハブ輪51と、このハブ輪51に内嵌された外側継手部材64とを有している。
ハブ輪51は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ57を一体に有し、この車輪取付フランジ57の円周等配にはハブボルト58が植設されている。ハブ輪51の外周にはアウター側の内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる円筒状の小径段部51bが形成されている。また、ハブ輪51の内周には凹凸部62が形成され、高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。凹凸部62はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなる。
等速自在継手53は、外側継手部材64と継手内輪65、ケージ66、およびトルク伝達ボール67とからなる。外側継手部材64は、カップ状のマウス部68と、このマウス部68の底部をなす肩部69と、この肩部69から軸方向に延びる円筒状の軸部70が一体に形成されている。この軸部70は、ハブ輪51の小径段部51bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部70aと、このインロウ部70aの端部に嵌合部70bがそれぞれ形成されている。
肩部69の外周には、外方部材54の複列の外側転走面54a、54aに対向するインナー側の内側転走面64aが形成され、内方部材55の複列の内側転走面の一方を構成している。外方部材54の複列の外側転走面54a、54aと、これらに対向する内方部材55の複列の内側転走面51a、64aとの間には複列のボール56、56が収容され、保持器59、59によって転動自在に保持されている。
外方部材54と内方部材55との間に形成される環状空間の開口部にはシール60、61が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。また、外側継手部材64の肩部69の内周にはエンドキャップ63が装着され、外部から雨水やダスト等が継手内部へ侵入するのを防止すると共に、継手内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止している。なお、インナー側のシール61が嵌合する外側継手部材64の外周面から内側転走面64aおよび軸部70に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。ここで、嵌合部70bは鍛造後の表面硬さのままとされている。
そして、ハブ輪51の小径段部51bの端面に外側継手部材64の肩部69が衝合され、突合せ状態になるまで軸部70がハブ輪51に内嵌される。さらに、この軸部70における嵌合部70bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部70bを拡径し、この嵌合部70bをハブ輪51の凹凸部62に食い込ませて加締め、ハブ輪51と外側継手部材64が一体に塑性結合されている。これにより、軽量・コンパクト化を図ると共に、結合部の緩みを防止し、長期間に亘って初期の予圧量を維持できる第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
特開2001−18605号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、軸部20が中空に形成されて外部に開放されているため、放熱効果を高めて軸受部が運転中に昇温するのを抑制できるという特徴を備えている。然しながら、その反面、結合部が外部に露出しているため、厳しい外部環境に曝され、この部位に雨水やダスト等が侵入して発錆する恐れがある。そのため、ハブ輪51の開口端部にエンドキャップ71を装着して外部から雨水やダスト等が結合部へ侵入するのを防止することも考えられるが、これでは、軸受内部の雰囲気を密封することになり、本来的に備えている良好な放熱性を阻害するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と共に、結合部の発錆を防止し、長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記結合部を閉塞する塗装被膜が電着塗装法により形成されている構成を採用した。
このように、ハブ輪と外側継手部材とが拡径加締によって塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、結合部を閉塞する塗装被膜が電着塗装法により形成されているので、軽量・コンパクト化と共に、結合部に雨水やダスト等が侵入するのを阻止し、結合部の発錆を防止して長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記電着塗装法がカチオン電着塗装法であれば、防錆力と密着力に優れた強力な塗装膜が形成できる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ハブ輪のアウター側の端部にパイロット部が突設され、このパイロット部の外周面から前記軸部の端部内周に亙って前記塗装被膜が形成されていれば、露出したパイロット部および軸部の端部が発錆し、この錆が結合部に進行するのを防止することができ、結合部の強度を長期間に亘って確保することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記軸部に略ストレート状の内周面が形成され、この内周面のインナー側にエンドキャップが装着されていれば、軸部の開口部から侵入してきた泥水等が内周面に滞留することなく容易に排出される。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記結合部を閉塞する塗装被膜が電着塗装法により形成されているので、軽量・コンパクト化と共に、結合部に雨水やダスト等が侵入するのを阻止し、結合部の発錆を防止して長期間に亘って耐久性を確保した第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。
ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボールとを備え、前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪のアウター側の端部にパイロット部が突設され、このパイロット部の外周面から前記軸部の端部内周に亙ってカチオン電着塗装法によって塗装被膜が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、塗装装置を示す概略構成図である。
この車輪用軸受装置は第4世代と称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3がユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1にトルク伝達可能に内嵌された外側継手部材14とからなる。
外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に円弧状の複列の外側転走面4a、4aが形成されている。この複列の外側転走面4a、4aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、外方部材4の複列の外側転走面4a、4aに対向する一方(アウター側)の円弧状の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成されている。そして、アウター側のシール10が摺接するシールランド部7aから内側転走面1aおよび小径段部1bの端面に亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。これにより、車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aの耐摩耗性が向上するだけでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。
ハブ輪1の内周には凹凸部12が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。なお、凹凸部12はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部12の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15、ケージ16、およびトルク伝達ボール17とからなる。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる円筒状の軸部20とが一体に形成されている。これにより、軽量化を図ることができると共に、軸受部の放熱効果を高め、運転中の昇温を抑制して耐久性を向上させることができる。また、この軸部20には、ハブ輪1の小径段部1bに所定のシメシロを介して円筒嵌合するインロウ部20aと、このインロウ部20aの端部に嵌合部20bが形成されている。
マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状のトラック溝18aが形成されると共に、継手内輪15の外周にこのトラック溝18aに対応するトラック溝15aが形成され、これら両トラック溝18a、15a間にケージ16を介してトルク伝達ボール17が収容されている。また、肩部19の外周には、前記複列の外側転走面4a、4aに対向する他方(インナー側)の円弧状の内側転走面14aが形成されている。そして、トラック溝18aと、インナー側のシール11が嵌合する外周面から内側転走面14aおよび軸部20のインロウ部20aに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。これにより、トラック溝18aと肩部19の外周面の耐摩耗性が向上するばかりでなく、負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、外側継手部材14の耐久性が向上する。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4aと、これらに対向する内方部材5の複列の内側転走面1a、14a間には複列の転動体6、6が収容され、保持器9、9によって転動自在に保持されている。また、外方部材4と内方部材5との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。これらの複列の転がり軸受2は、両転走面4a、1aおよび4a、14aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほど軸方向に離反する、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、ここでは、転動体6にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置は、これに限らず、転動体6に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
アウター側のシール10は、一対のサイドリップを有する単一のシール部材で構成され車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aに摺接している。一方、インナー側のシール11は、断面略L字状に形成され、互いに対向配置された環状のシール板11aとスリンガ11bとからなる複合型シール、所謂パックシールで構成されている。すなわち、環状のシール板11aは外方部材4の端部に内嵌されると共に、外側継手部材14の肩部19に外嵌されたスリンガ11bに摺接するサイドリップとラジアルリップを備えている。
ここで、本実施形態では、ハブ輪1と外側継手部材14との結合は、まず、ハブ輪1の小径段部1bの端面に外側継手部材14の肩部19が衝合され、突合せ状態になるまでハブ輪1に軸部20が内嵌される。そして、この軸部20における嵌合部20bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部20bを拡径し、この嵌合部20bをハブ輪1の凹凸部12に食い込ませて加締める、所謂拡径加締により、ハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合されている。これにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させ、結合部の緩みを防止して長期間その予圧量を維持することができる。なお、ここでは、従来のように肩部19の内周面ではなく、軸部20に形成されたストレート状の内周面のインナー側にエンドキャップ13が装着され、マウス部18内に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止している。これにより、軸部20から侵入してきた泥水等が内周面の凹所に滞留することなく容易に排出される。
さらに本実施形態は、少なくとも結合部23を閉塞するように、ハブ輪1のパイロット部21の外周面から軸部20の端部内周面に亙って塗装被膜22が形成されている。この塗装被膜22はカチオン電着塗装により形成されている。これにより、結合部23に雨水やダスト等が侵入するのを防止すると共に、露出したパイロット部21および軸部20の端部が発錆し、この錆が結合部23に進行するのを防止することができ、その強度を長期間に亘って確保することができる。この電着塗装は、金属製品を槽に満たした電着塗料に漬けると共に、製品と槽の中の電極との間に電圧をかけ、従来のメッキと同じように製品に塗料を付着させるものであるが、図2に、カチオン電着塗装をするための塗装装置を示す。
本実施形態における車輪用軸受装置は、組立後に塗装部位の脱脂・水洗が行われ、その終了後に塗装治具24上に縦方向に車輪取付フランジ7を介して載置される。この塗装治具24は合成樹脂等の非導通部材からなり、ハブ輪1を位置決めする支持部25と、パイロット部21と軸部20の端部が浸漬されるカップ部26と、電着塗装液27が供給される供給部28とを一体に有している。支持部25にはカップ部26と外気とを連通させる連通孔29が形成され、また、供給部28とカップ部26が導入管30によって連通されている。一方、カップ部26の底面に正電極(図示せず)が設置されると共に、支持部25の上面に負電極(図示せず)が固着され、この負電極が車輪取付フランジ7に当接している。
次に、正電極と負電極との間に所定の直流電圧が所定時間に亘って印加される。これにより、電着塗装液27中の塗料粒子が陽イオンとなってパイロット部21の外周面から軸部20の端部内周面に亙って電着される。この時、供給された電着塗装液27が供給部28からオーバーフローするため、塗料粒子の電着範囲が所定範囲に正確に設定され、車輪取付フランジ7等、塗装不要箇所に電着塗装液27が付着するのを防止することができる。こうした塗装液供給と塗装工程とを複数回繰り返し行うことにより、電着塗装液27内の気泡を除去すると共に、未電着部分を抑制し、被膜の膜厚を均一に、かつ滑らかに形成することができる。なお、塗装工程が終了した後、所定温度の熱風が電着部位に吹き付けられ、パイロット部21の外周面から軸部20の端部内周面に亙って形成された被膜(図示せず)を乾燥・硬化させる。
なお、ここでは、正電極に対して、製品側を負電極として通電するカチオン型の電着塗装を例示したが、負電極に対して、製品側を正電極として通電するアニオン型の電着塗装であっても良い。このアニオン型の電着塗装の場合、塗装色の安定性や焼付温度を低く設定できる。然しながら、この種の車輪用軸受装置においては、防錆力と密着力に優れた強力な塗装膜が形成できるエポキシ樹脂系等からなるカチオン電着塗装の方が好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置、特に、ハブ輪と外側継手部材が拡径加締によって塑性結合された車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 塗装装置を示す概略構成図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・シールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
11a・・・・・・・・・・・・・・シール板
11b・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
12・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
13・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
14・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・・・・・軸部
20a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
20b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
21・・・・・・・・・・・・・・・パイロット部
22・・・・・・・・・・・・・・・塗装被膜
23・・・・・・・・・・・・・・・結合部
24・・・・・・・・・・・・・・・塗装装置
25・・・・・・・・・・・・・・・支持部
26・・・・・・・・・・・・・・・カップ部
27・・・・・・・・・・・・・・・電着塗装液
28・・・・・・・・・・・・・・・供給部
29・・・・・・・・・・・・・・・連通孔
30・・・・・・・・・・・・・・・導入管
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、64a・・・・・・・・・・内側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
52・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
53・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
54・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
54a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
54b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
56・・・・・・・・・・・・・・・転動体
57・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
58・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
59・・・・・・・・・・・・・・・保持器
60、61・・・・・・・・・・・・シール
62・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
63、71・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
64・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
65・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
66・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
67・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
68・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
69・・・・・・・・・・・・・・・肩部
70・・・・・・・・・・・・・・・軸部
70a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
70b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部

Claims (4)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、および外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延び、前記ハブ輪に内嵌される軸部が一体に形成された前記等速自在継手を構成する外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記ハブ輪の内周に硬化した凹凸部が形成されると共に、前記軸部の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませて加締めることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、
    前記結合部を閉塞する塗装被膜が電着塗装法により形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記電着塗装法がカチオン電着塗装法である請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ハブ輪のアウター側の端部にパイロット部が突設され、このパイロット部の外周面から前記軸部の端部内周に亙って前記塗装被膜が形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記軸部に略ストレート状の内周面が形成され、この内周面のインナー側にエンドキャップが装着されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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