JP2013032823A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールトルクを増大させることなくシールの密封性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】シール15の軸受空間の外側に装着され、外方部材10の端部外周23に圧入される円周部20aと、径方向外方に延びる立板部20bと、径方向内方に延び、端面10cに密着する鍔部20cを備える芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材21を備えると共に、このシール部材21が、芯金20の外表面に亙る範囲に固着され、堰部21bと外向きに傾斜したサイドリップ21aを一体に有し、このサイドリップ21aが車輪取付フランジ4の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成し、その長さL2が厚さT1の3倍以上になるように設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】シール15の軸受空間の外側に装着され、外方部材10の端部外周23に圧入される円周部20aと、径方向外方に延びる立板部20bと、径方向内方に延び、端面10cに密着する鍔部20cを備える芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材21を備えると共に、このシール部材21が、芯金20の外表面に亙る範囲に固着され、堰部21bと外向きに傾斜したサイドリップ21aを一体に有し、このサイドリップ21aが車輪取付フランジ4の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成し、その長さL2が厚さT1の3倍以上になるように設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置に関し、詳しくは、軸受部に装着されたシールの密封性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部には、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するためにシールが装着されている。近年、自動車のメンテナンスフリー化が進み、車輪用軸受装置においてもさらなる長寿命化が要求されるようになっているが、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等の本来の軸受寿命よりも、シール不具合による損傷が多くを占めている。したがって、シールの密封性と耐久性を高めることにより、軸受寿命の向上を図ることができる。
従来から、密封性を高めたシールに関しては種々提案されているが、こうしたシールの一例を図7に示す。このシール50は、第1のシール51と、この第1のシール51の軸受空間の外側にさらに配設された第2のシール52とからなる。第1のシール51は、芯金53と、この芯金53に一体に加硫接着されたシール部材54とからなる。芯金53は、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材55の端部内周に内嵌される円筒状の嵌合部53aと、この嵌合部53aから屈曲して形成され、径方向内方に延びる内側部53bとを備えている。
一方、シール部材54は合成ゴムからなり、芯金53の嵌合部53aの一部から、内側部53bの内端部に亙る範囲に固着され、一対のサイドリップ54a、54bと、内側のサイドリップ54bの基部から径方向内方に延びるラジアルリップ54cを有している。サイドリップ54a、54bは、それぞれ異なった長さで外向きに傾斜して形成され、車輪取付フランジ56の基部56aに所定のシメシロをもって摺接している。この基部56aは断面が円弧状の曲面に形成されている。また、ラジアルリップ54cは軸受内方側に傾斜して形成されると共に、所定のシメシロをもって基部56aの外周面に摺接し、軸受内部に封入されたグリースが外部に流出するのを防止している。
第2のシール52は、外方部材55の端部外周に装着され、芯金57と、この芯金57に一体に加硫接着されたシール部材58とからなる。芯金57は、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材55の外周面に圧入される円筒状の円周部57aと、この円周部57aから径方向外方に延びる立板部57bとを備えている。
一方、シール部材58は合成ゴムからなり、芯金57の円周部57aから、立板部57bの外端部に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ58aを一体に有している。このサイドリップ58aは、車輪取付フランジ56の基部56aに所定のシメシロをもって摺接している。このように、第1のシール51の径方向外方側にサイドリップ58aを有する第2のシール52が配置されているので、第1のシール51に泥水等が直接侵入するのを阻止できるため密封性が向上すると共に、外側のサイドリップの外表面に泥水が溜まることがなく、外方部材55とハブ輪59が発錆するのを防止することができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
さらに、この第2のシール52においては、端部の外周面60が、外方部材55の外周面61からテーパ面60aを介して一段小径に形成され、この外周面60の位置からサイドリップ58aが外向きに傾斜して形成されているので、このサイドリップ58aに降りかかった雨水やダストは、バンク状の外表面から外方部材55側に流れると共に、第2のシール52と外周面60およびテーパ面60aとで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出されるので、高い密封性を発揮することができる(例えば、特許文献1参照。)。
こうした従来のシール50では、第1のシール51の径方向外方側にサイドリップ58aを有する第2のシール52が配置されているので、第1のシール51に泥水等が直接侵入するのを阻止でき、密封性が向上する反面、サイドリップ58aが車輪取付フランジ56の基部56aに摺接されているので、自ずとシールトルクが大きくなり、燃費の向上を阻害する一要因となる。また、このサイドリップ58aが摺接する部分の表面粗さを向上させなければならないため、研削加工によるコストアップを避けることはできない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、シールトルクを増大させることなくシールの密封性を高めて軸受の長寿命化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両側開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に摺接するサイドリップを一体に有する第1のシールと、このシールの軸受空間の外側に装着された第2のシールとからなり、この第2のシールが、前記外方部材のアウター側の端部外周に圧入される円筒状の円周部と、この円周部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部を備える芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材を備えると共に、このシール部材が、前記芯金の円周部から鍔部の外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップを一体に有し、前記車輪取付フランジのインナー側の側面と基部との間の傾斜部に沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシールを構成し、当該サイドリップの先端が前記基部の壁面よりアウター側に所定量オフセットした位置に配設されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両側開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、シールのうちアウター側のシールが、外方部材の端部内周に装着され、車輪取付フランジのインナー側の基部に摺接するサイドリップを一体に有する第1のシールと、このシールの軸受空間の外側に装着された第2のシールとからなり、この第2のシールが、外方部材のアウター側の端部外周に圧入される円筒状の円周部と、この円周部から径方向内方に延び、外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部を備える芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材を備えると共に、このシール部材が、芯金の円周部から鍔部の外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップを一体に有し、車輪取付フランジのインナー側の側面と基部との間の傾斜部に沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシールを構成しているので、シールトルクを増大させることなく、軸受空間を密封するシールに泥水等が直接侵入するのを阻止することができると共に、多量の泥水等が第2のシールのサイドリップに飛散した時に、その泥水の飛散力によってサイドリップが変形して車輪取付フランジの傾斜部に摺接し、過酷な条件の時に、一時的に接触シールとなって、効果的に密封性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記第2のシールのサイドリップの先端が基部の壁面よりアウター側に所定量オフセットした位置に配設されていれば、軸受空間を密封するシールに泥水等が直接侵入するのを確実に阻止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記第2のシールのサイドリップの長さが、その厚さの3倍以上になるように設定されていれば、多量の泥水等がサイドリップに飛散した時に、その泥水の飛散力によって適度に変形して車輪取付フランジの傾斜部に摺接させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記第2のシールのサイドリップの先端部の厚さが根元部の厚さよりも肉厚になるように設定されていれば、多量の泥水等がサイドリップに飛散した時に、その泥水の飛散力によって適度に変形して車輪取付フランジの傾斜部に摺接させることができ、シールトルクを増大させることなく密封性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記第2のシールのラビリンスシールのすきまが0.8mm以下に設定されていれば、泥水の飛散力によってサイドリップが変形し、車輪取付フランジの傾斜部に確実に摺接させることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記第2のシールのサイドリップの最外径が、前記車輪取付フランジに植設されるハブボルトの最内径よりも所定量小径になるように管理されていれば、第2のシールの寸法がばらついてもハブボルトに干渉することはなく、効果的に軸受空間を密封するシールに泥水等が侵入するのを阻止することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記第2のシールのサイドリップが、当初、前記車輪取付フランジの傾斜部に摺接させるようにし、初期運転で所定量摩耗することで、適正なラビリンスすきまが得られるように設定されていても良い。
また、請求項8に記載の発明のように、前記車輪取付フランジにハブボルトのボルトヘッド部が埋没される凹所が形成され、当該車輪取付フランジのインナー側の側面が略面一になるように構成され、前記第2のシールのサイドリップが前記車輪取付フランジのインナー側の側面に僅かなすきまを介して対向配置されていれば、シールトルクを増大させることなく、軸受空間を密封するシールに泥水等が直接侵入するのを確実に阻止することができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記第2のシールのシール部材が、前記芯金の円周部に回り込んだ状態で固着されていれば、芯金と外方部材とが金属接触しなくなり、気密性を向上させることができると共に、芯金と外方部材の接触部の発錆を防止することができ、耐久性を向上させることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記第2のシールの芯金が、前記円周部から径方向外方に延びる立板部を備え、この立板部に前記シール部材が回り込んで堰部が形成されていれば、この堰部によって、車両の走行中に外方部材にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジと外方部材との間に流動するのを防止することができると共に、第2のシールの立板部と外周面とで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出され、高い密封性を発揮することができる。
また、請求項11に記載の発明のように、前記外方部材アウター側の端部の外周面がテーパ状の段部を介して一段小径に形成され、この外周面に前記第2のシールが装着されると共に、前記堰部の高さが前記段部よりも高く、3mm以上に設定されると共に、当該堰部の角度が90°±15°に設定されていれば、車両の走行中に外方部材にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジと外方部材との間に流動するのを確実に防止することができると共に、第2のシールの堰部と外周面および段部とで形成される樋状の環状空間に沿って下部にスムーズに排出させることができる。
また、請求項12に記載の発明のように、前記第2のシールのインナー側に別体の堰部材が嵌合されると共に、この堰部材が、耐食性を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延びる立板部を備えていれば、車両の走行中に外方部材にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジと外方部材との間に流動するのを確実に防止することができると共に、堰部材と外周面および段部とで形成される樋状の環状空間に沿って泥水を下部にスムーズに排出させることができ、密封性を高めることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両側開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に摺接するサイドリップを一体に有する第1のシールと、このシールの軸受空間の外側に装着された第2のシールとからなり、この第2のシールが、前記外方部材のアウター側の端部外周に圧入される円筒状の円周部と、この円周部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部を備える芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材を備えると共に、このシール部材が、前記芯金の円周部から鍔部の外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップを一体に有し、前記車輪取付フランジのインナー側の側面と基部との間の傾斜部に沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシールを構成しているので、軸受空間を密封するシールに泥水等が直接侵入するのを阻止することができると共に、多量の泥水等が第2のシールのサイドリップに飛散した時に、その泥水の飛散力によってサイドリップが変形して車輪取付フランジの傾斜部に摺接し、過酷な条件の時に、一時的に接触シールとなって、効果的に密封性を向上させることができる。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両側開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に摺接するサイドリップを一体に有する第1のシールと、このシールの軸受空間の外側に装着された第2のシールとからなり、この第2のシールが、前記外方部材のアウター側の端部外周に圧入される円筒状の円周部と、この円周部から径方向外方に延びる立板部と、前記円周部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部を備える芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材を備えると共に、このシール部材が、前記芯金の立板部の端部から鍔部の外表面に亙る範囲に固着され、堰部と外向きに傾斜したサイドリップを一体に有し、このサイドリップが前記車輪取付フランジのインナー側の側面と基部との間の傾斜部に沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシールを構成し、このサイドリップの長さが、その厚さの3倍以上になるように設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のシール部を示す要部拡大図、図3は、図2の変形例を示す要部拡大図、図4は、図2の他の変形例を示す要部拡大図、図5は、図4の変形例を示す要部拡大図、図6は、図2の他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のシール部を示す要部拡大図、図3は、図2の変形例を示す要部拡大図、図4は、図2の他の変形例を示す要部拡大図、図5は、図4の変形例を示す要部拡大図、図6は、図2の他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪用で、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)7、7とを備え、第3世代と称される構成をなしている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に所定のシメシロを介して圧入された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。また、車輪取付フランジ4の周方向等配位置にハブボルト4aが植設されている。内輪3は、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部5によって所定の軸受予圧が付与された状態で、ハブ輪2に対して軸方向に固定されている。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、後述する第1のシール15のシールランド部となる車輪取付フランジ4の基部18から小径段部2bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。なお、加締部5は鍛造後の生のままとされている。一方、内輪3および転動体7はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材10は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。これら両転走面10a、2aおよび10a、3a間には保持器6、6を介して複列の転動体7、7が転造自在に収容されている。この外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。
外方部材10の両端部にはシール8、9が装着され、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部を密封している。このシール8、9により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
シール8、9のうちインナー側のシール9はスリンガ11と環状のシール板12とからなる。スリンガ11は、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪3に圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bとからなる。
一方、シール板12はスリンガ11に対向して外方部材10に装着され、断面略L字状に形成されている。そして、外方部材10の端部に内嵌される芯金13と、この芯金13に加硫接着されたシール部材14とからなる。芯金13は、オーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて形成されている。
一方、シール部材14はNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金13に一体に接合され、スリンガ11に摺接するサイドリップとラジアルリップを有している。
なお、シール部材14の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
なお、ここでは、転動体7にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明はこれに限らず、転動体7に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受であっても良い。また、本発明に係る車輪用軸受装置は、内輪回転方式であれば、例示した第3世代構造以外にも、例えば、第1世代や第2世代あるいは第4世代構造にも適用することができる。
ここで、アウター側のシール8は、図2に拡大して示すように、第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに配設された第2のシール19とからなる。第1のシール15は、芯金16と、この芯金16に一体に加硫接着されたシール部材17とからなる。芯金16は、オーステナイト系ステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材10の端部内周に内嵌される円筒状の嵌合部16aと、この嵌合部16aから屈曲して形成され、径方向内方に延びる内側部16bとを備えている。
一方、シール部材17は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金16の嵌合部16aの一部から、内側部16bの内端部に亙る範囲に固着されている。シール部材17は、径方向外方に傾斜して形成され、車輪取付フランジ4の基部18の壁面18aに所定の軸方向シメシロをもって摺接するサイドリップ17aとダストリップ17b、およびこのダストリップ17bの基部から径方向内方に傾斜して延びるラジアルリップ17cを有している。このラジアルリップ17は所定の径方向シメシロをもって基部18の外周面に摺接し、軸受内部に封入されたグリースが外部に流出するのを防止している。
第2のシール19は、外方部材10の端部外周に装着され、芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材21とからなる。芯金20は、オーステナイト系ステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材10の外周面に圧入される円筒状の円周部20aと、この円周部20aから径方向外方に延びる立板部20b、および円周部20aから径方向内方に延び、外方部材10のアウター側の端面10cに密着する鍔部20cを備えている。
一方、シール部材21は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金20の円周部20aから立板部20bの外端部および鍔部20cの外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ21aを一体に有している。このサイドリップ21aは、車輪取付フランジ4のインナー側の側面4bと基部18との間の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成している。
このサイドリップ21aは、第1のシール15のサイドリップ17aよりアウター側、すなわち、サイドリップ21aの先端が基部18の壁面18aよりアウター側にL1(L1>0)だけオフセットした位置に配設されると共に、サイドリップ21aの長さL2が、その厚さT1の3倍以上になるように設定されている(L2>T1)。これにより、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止することができると共に、多量の泥水等がサイドリップ21aに飛散した時に、その泥水の飛散力によってサイドリップ21aが変形して車輪取付フランジ4の傾斜部18bに摺接し、過酷な条件の時に、一時的に接触シールとなって、効果的に密封性を向上させることができる。
このように、本実施形態では、第1のシール15の径方向外方側にサイドリップ21aを有する第2のシール19がさらに配置されているので、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止できるため、シールトルクを増大させることなく密封性が向上すると共に、従来のように、外側のサイドリップの外表面に泥水が溜まることがなく、外方部材10とハブ輪2が発錆するのを防止することができ、軸受の長寿命化を図ることができる。
この第2のシール19においては、外方部材10アウター側の端部の外周面23が、外方部材10の外周面10dからテーパ状の段部23aを介して一段小径に形成され、この外周面23の位置からサイドリップ21aが外向きに傾斜して形成されているので、このサイドリップ21aに降りかかった雨水やダストは、サイドリップ21aのバンク状の外表面と立板部20bで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出される。また、芯金20の立板部20bに回り込んで接合されたシール部材21が堰部21bとなり、この堰部21bによって、車両の走行中に外方部材10にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジ4と外方部材10との間に流動するのを防止することができると共に、第2のシール19の立板部20bと外周面23およびテーパ状の段部23aとで形成される樋状の環状空間に沿って下部に流れて排出される。こうした構成によって高い密封性を発揮することができる。
さらに、芯金20の鍔部20cによって第2のシール19の位置決め固定を容易かつ精度良く行うことができると共に、シール部材21が芯金20の外表面に回り込んで接合されているため、芯金20と外方部材10の接触部の発錆を防止し、円周部20aから泥水等が第1のシール15の近傍に侵入するのを防止して気密性を向上させることができる。
本実施形態では、この堰部21bの高さL3外方部材10の外周部の段部23aよりも高く、3mm以上に設定されると共に、堰部21bの角度αが90°±15°に設定されている。これにより、車両の走行中に外方部材10にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジ4と外方部材10との間に流動するのを確実に防止することができると共に、第2のシール19の堰部21bと外周面23および段部23aとで形成される樋状の環状空間に沿って下部にスムーズに排出させることができる。
図3は、図2の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態と第2のシールの構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、軸受空間を閉塞する第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに第2のシール24が配設されている。この第2のシール24は、芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材25とからなる。
シール部材25は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金20の円周部20aから立板部20bの外端部および鍔部20cの外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ25aを一体に有している。このサイドリップ25aは、車輪取付フランジ4のインナー側の側面4bと基部18との間の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成している。
このサイドリップ25aの先端は基部18の壁面18aよりアウター側にL1だけオフセットした位置に配設されると共に、サイドリップ25aの先端部の厚さT2が根元部の厚さT3よりも肉厚になるように設定されている(T2>T3)。これにより、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止することができると共に、サイドリップ25aが適度な弾性を備え、多量の泥水等がサイドリップ25aに飛散した時に、その泥水の飛散力によってサイドリップ25aが変形して車輪取付フランジ4の傾斜部18bに摺接し、過酷な条件の時に、一時的に接触シールとなって、効果的に密封性を向上させることができる。
このように、本実施形態では、第1のシール15の径方向外方側にサイドリップ25aを有する第2のシール24がさらに配置されているので、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止できるため、前述した実施形態と同様、シールトルクを増大させることなく密封性を向上させることができる。
図4は、図2の他の変形例を示す。なお、この実施形態は、基本的には、基本的には前述した実施形態と第2のシールの構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、軸受空間を閉塞する第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに第2のシール26が配設されている。この第2のシール26は、芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材27とからなる。
シール部材27は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金20の円周部20aから立板部20bの外端部および鍔部20cの外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ27aを一体に有している。このサイドリップ27aは、車輪取付フランジ4のインナー側の側面4bと基部18との間の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成している。
このサイドリップ27aの先端は基部18の壁面18aよりアウター側にL1だけオフセットした位置に配設されると共に、サイドリップ27aの長さL2が、その厚さT1の3倍以上になるように設定されている(L2>T1)。これにより、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを阻止することができると共に、多量の泥水等がサイドリップ27aに飛散した時に、その泥水の飛散力によってサイドリップ27aが変形して車輪取付フランジ4の傾斜部18bに摺接し、過酷な条件の時に、一時的に接触シールとなって、効果的に密封性を向上させることができる。
ここで、ラビリンスシール22のすきまΔtは0.8mm以下に設定されている。これにより、泥水の飛散力によってサイドリップ27aが変形し、車輪取付フランジ4の傾斜部18bに確実に摺接させることができる。
また、本実施形態では、サイドリップ27aの最外径d2が、ハブボルト4aの最内径、すなわち、ハブボルト4aのPCD(ピッチ円直径)D1からボルトヘッド径D2を減じた直径d1(d1=D1−D2)よりも2δだけ小径になるように管理されている(d2=d1+2δ)。ここで、δは0.5mm〜2mmの範囲に設定されている。これにより、第2のシール26の寸法がばらついてもハブボルト4aに干渉することはなく、効果的に第1のシール15に泥水等が侵入するのを阻止することができる。
なお、ここでは、サイドリップ27aと基部18の傾斜部18bとのラビリンスすきまΔtを所定値に設定するようにしたが、これに限らず、初期運転(馴染み運転)で所定量摩耗することで、適正なラビリンスすきまが得られるよう、当初、サイドリップ27aを傾斜部18bに摺接させるようにしても良い。
図5は、図4の変形例を示す。なお、この実施形態は、基本的には、基本的には前述した実施形態とハブボルトの構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、軸受空間を閉塞する第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに第2のシール26が配設されている。この第2のシール26は、芯金20と、この芯金20に一体に加硫接着されたシール部材27とからなる。
ここで、車輪取付フランジ4’にハブボルト4aのボルトヘッド部28が埋没される凹所29が形成され、車輪取付フランジ4’のインナー側の側面4cが略面一になるように構成されている。そして、第2のシール26のサイドリップ27aが車輪取付フランジ4’の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成すると共に、車輪取付フランジ4’のインナー側の側面4cにも僅かなすきまを介して対向配置されている。このような複雑なラビリンス構造により、シールトルクを増大させることなく、第1のシール15に泥水等が直接侵入するのを確実に阻止することができる。
図6は、図2の他の変形例を示す。なお、この実施形態は、基本的には、基本的には前述した実施形態と第2のシールの構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、軸受空間を閉塞する第1のシール15と、この第1のシール15の軸受空間の外側にさらに第2のシール30が配設されている。この第2のシール30は、芯金31と、この芯金31に一体に加硫接着されたシール部材32とからなる。
芯金31は、オーステナイト系ステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて形成され、外方部材10の外周面に圧入される円筒状の円周部31aと、この円周部31aから径方向内方に延び、外方部材10のアウター側の端面10cに密着する鍔部20cを備えている。
一方、シール部材32は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金31の円周部31aの端部から鍔部20cの外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップ27aを一体に有している。このサイドリップ27aは、車輪取付フランジ4のインナー側の側面4bと基部18との間の傾斜部18bに沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシール22を構成している。
さらに、第2のシール30に別体の堰部材33が嵌合されている。この堰部材33は、オーステナイト系ステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板等、耐食性を有する鋼板等をプレス加工にて断面略L字状に形成され、外方部材10の端部外周面23に圧入される円筒状の嵌合部33aと、この嵌合部33aから径方向外方に延びる立板部33bを備えている。
本実施形態では、この別体の堰部材33により、車両の走行中に外方部材10にかかった雨水や泥水が外周面を伝って車輪取付フランジ4と外方部材10との間に流動するのを確実に防止することができると共に、堰部材33と外周面23および段部23aとで形成される樋状の環状空間に沿って泥水を下部にスムーズに排出させることができ、密封性を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内輪回転方式の第1乃至第4世代の車輪用軸受装置に適用できる。
1 内方部材
2 ハブ輪
2a、3a 内側転走面
2b 小径段部
3 内輪
4、4’ 車輪取付フランジ
4a ハブボルト
4b、4c 車輪取付フランジのインナー側の側面
5 加締部
6 保持器
7 転動体
8 アウター側のシール
9 インナー側のシール
10 外方部材
10a 外側転走面
10b 車体取付フランジ
10c 外方部材のアウター側の端面
10d 外方部材の外周面
11 スリンガ
11a 円筒部
11b、20b、33b 立板部
12 シール板
13、16、20、31 芯金
14、17、21、25、27、32 シール部材
15 第1のシール
16a、33a 嵌合部
16b 内側部
17a、21a、25a、27a サイドリップ
17b ダストリップ
17c ラジアルリップ
18 基部
18a 基部の壁面
18b 基部の傾斜部
19、24、26、30 第2のシール
20a、31a 円周部
20c 鍔部
21b 堰部
22 ラビリンスシール
23 外方部材のアウター側端部の外周面
23a 段部
28 ハブボルトのボルトヘッド
29 車輪取付フランジの凹所
33 堰部材
50 シール
51 第1のシール
52 第2のシール
53、57 芯金
53a 嵌合部
53b 内側部
54、58 シール部材
54a、54b サイドリップ
54c ラジアルリップ
55 外方部材
56 車輪取付フランジ
56a 基部
57a 円周部
57b 立板部
58a サイドリップ
59 ハブ輪
60 端部の外周面
60a テーパ面
61 外方部材の外周面
d1 ハブボルトの最内径
d2 サイドリップの最外径
D1 ハブボルトのピッチ円直径
D2 ハブボルトのボルトヘッド径
L1 サイドリップの先端の基部の壁面からのオフセット量
L2 サイドリップの長さ
L3 堰部の高さ
T1 サイドリップの厚さ
T2 サイドリップの先端部の厚さ
T3 サイドリップの根元部の厚さ
α 堰部の角度
Δt ラビリンスシールのすきま
δ ハブボルトの最内径とサイドリップの最外径との径方向すきま
2 ハブ輪
2a、3a 内側転走面
2b 小径段部
3 内輪
4、4’ 車輪取付フランジ
4a ハブボルト
4b、4c 車輪取付フランジのインナー側の側面
5 加締部
6 保持器
7 転動体
8 アウター側のシール
9 インナー側のシール
10 外方部材
10a 外側転走面
10b 車体取付フランジ
10c 外方部材のアウター側の端面
10d 外方部材の外周面
11 スリンガ
11a 円筒部
11b、20b、33b 立板部
12 シール板
13、16、20、31 芯金
14、17、21、25、27、32 シール部材
15 第1のシール
16a、33a 嵌合部
16b 内側部
17a、21a、25a、27a サイドリップ
17b ダストリップ
17c ラジアルリップ
18 基部
18a 基部の壁面
18b 基部の傾斜部
19、24、26、30 第2のシール
20a、31a 円周部
20c 鍔部
21b 堰部
22 ラビリンスシール
23 外方部材のアウター側端部の外周面
23a 段部
28 ハブボルトのボルトヘッド
29 車輪取付フランジの凹所
33 堰部材
50 シール
51 第1のシール
52 第2のシール
53、57 芯金
53a 嵌合部
53b 内側部
54、58 シール部材
54a、54b サイドリップ
54c ラジアルリップ
55 外方部材
56 車輪取付フランジ
56a 基部
57a 円周部
57b 立板部
58a サイドリップ
59 ハブ輪
60 端部の外周面
60a テーパ面
61 外方部材の外周面
d1 ハブボルトの最内径
d2 サイドリップの最外径
D1 ハブボルトのピッチ円直径
D2 ハブボルトのボルトヘッド径
L1 サイドリップの先端の基部の壁面からのオフセット量
L2 サイドリップの長さ
L3 堰部の高さ
T1 サイドリップの厚さ
T2 サイドリップの先端部の厚さ
T3 サイドリップの根元部の厚さ
α 堰部の角度
Δt ラビリンスシールのすきま
δ ハブボルトの最内径とサイドリップの最外径との径方向すきま
Claims (12)
- 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の両側開口部に装着されたシールとを備えた車輪用軸受装置において、
前記シールのうちアウター側のシールが、前記外方部材の端部内周に装着され、前記車輪取付フランジのインナー側の基部に摺接するサイドリップを一体に有する第1のシールと、このシールの軸受空間の外側に装着された第2のシールとからなり、この第2のシールが、前記外方部材のアウター側の端部外周に圧入される円筒状の円周部と、この円周部から径方向内方に延び、前記外方部材のアウター側の端面に密着する鍔部を備える芯金と、この芯金に一体に加硫接着されたシール部材を備えると共に、
このシール部材が、前記芯金の円周部から鍔部の外表面に亙る範囲に固着され、外向きに傾斜したサイドリップを一体に有し、前記車輪取付フランジのインナー側の側面と基部との間の傾斜部に沿って所定のすきまをもって対向し、ラビリンスシールを構成していることを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記第2のシールのサイドリップの先端が前記基部の壁面よりアウター側に所定量オフセットした位置に配設されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのサイドリップの長さが、その厚さの3倍以上になるように設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのサイドリップの先端部の厚さが根元部の厚さよりも肉厚になるように設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのラビリンスシールのすきまが0.8mm以下に設定されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのサイドリップの最外径が、前記車輪取付フランジに植設されるハブボルトの最内径よりも所定量小径になるように管理されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのサイドリップが、当初、前記車輪取付フランジの傾斜部に摺接させるようにし、初期運転で所定量摩耗することで、適正なラビリンスすきまが得られるように設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記車輪取付フランジにハブボルトのボルトヘッド部が埋没される凹所が形成され、当該車輪取付フランジのインナー側の側面が略面一になるように構成され、前記第2のシールのサイドリップが前記車輪取付フランジのインナー側の側面に僅かなすきまを介して対向配置されている請求項1乃至7いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのシール部材が、前記芯金の円周部に回り込んだ状態で固着されている請求項1乃至8いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールの芯金が、前記円周部から径方向外方に延びる立板部を備え、この立板部に前記シール部材が回り込んで堰部が形成されている請求項1乃至9いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記外方部材アウター側の端部の外周面がテーパ状の段部を介して一段小径に形成され、この外周面に前記第2のシールが装着されると共に、前記堰部の高さが前記段部よりも高く、3mm以上に設定されると共に、当該堰部の角度が90°±15°に設定されている請求項10に記載の車輪用軸受装置。
- 前記第2のシールのインナー側に別体の堰部材が嵌合されると共に、この堰部材が、耐食性を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、前記外方部材の端部外周面に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延びる立板部を備えている請求項1乃至9いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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