JP2005239115A - 車輪支持用ハブユニットとその製造方法 - Google Patents

車輪支持用ハブユニットとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブレーキロータの取付面である取付フランジ15aの外側面に、防錆用皮膜である溶融亜鉛メッキ33を施した場合でも、上記ブレーキロータの回転振れ精度を良好にできる様にする。
【解決手段】 上記取付フランジ15aの外側面に上記溶融亜鉛メッキ33を施すと共に、車輪支持用ハブユニットを構成する各部材同士を組み立てた状態で、上記溶融亜鉛メッキ33の表面に旋削加工を施す。これにより、この溶融亜鉛メッキ33の表面の回転触れ精度を良好にして、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用する車輪支持用ハブユニットとその製造方法に関する。
自動車の車輪を構成するホイール1、及び、制動用回転部材であって制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2は、例えば図28に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支持している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪支持用ハブユニット5を構成する外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、この車輪支持用ハブユニット5を構成するハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。
上記外輪6の内周面には複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。一方、上記ハブ8は、ハブ本体13と内輪14とから成る。このうちのハブ本体13の外周面の一部で、上記外輪6の外端(軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、各図の左側を言う。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、各図の右側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書全体で同じ。)開口から突出した部分には、取付フランジ15を形成している。上記ホイール1及びロータ2はこの取付フランジ15の外側面(取付面)に、上記各スタッド9とナット10とにより、結合固定している。具体的には、この様に結合固定した状態で、上記ロータ2の内側面を上記取付フランジ13の外側面に、上記ホイール1の内側面を上記ロータ2の外側面に、それぞれ重ね合わせている。
又、上記ハブ本体13の外周面の中間部には、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する、内輪軌道16aを、同じく内端部には小径段部17を、それぞれ形成している。そして、この小径段部17に、上記内輪14を外嵌している。この内輪14の外周面には、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向する、内輪軌道16bを形成している。この様な内輪14は、上記ハブ本体13の内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部20により、上記小径段部17の基端部に存在する段差面25に向け抑え付けている。そして、上記各外輪軌道11a、11bと上記各内輪軌道16a、16bとの間に転動体18、18を、それぞれ複数個ずつ、保持器19、19により保持した状態で転動自在に設けている。これら各転動体18、18には、上述したかしめ部20による抑え付け力により、予圧を付与している。尚、図示の例では、上記各転動体18、18として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の車輪支持用ハブユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。又、上記各転動体18、18を設置した円筒状の空間の軸方向両端開口部は、シールリング21a、21bにより密閉している。
更に、図示の例は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全輪)用の車輪支持用ハブユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、スプライン孔22を形成している。そして、このスプライン孔22に、等速ジョイント23のスプライン軸24を挿入している。又、この様に構成する車輪支持装置の使用時には、上記ロータ2と、前記ナックル3に固定した図示しないサポート及びキャリパとを組み合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時には、上記ロータ2の径方向外端部を挟んで設けた1対のパッドを、この径方向外端部の両側面である1対の制動用摩擦面27、27に押し付ける。
次に、図29は、車輪支持用ハブユニットの従来構造の第2例として、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用のものを示している。この第2例の車輪支持用ハブユニットは、従動輪用である為、ハブ8aを構成するハブ本体13aの中心部にスプライン孔を設けていない。又、1対の内輪軌道16a、16bのうちの軸方向外側の内輪軌道16aは、上記ハブ本体13aの小径段部17aの基半部(図29の左半部)に外嵌した別体の内輪14aの外周面に形成している。又、上記小径段部17aに外嵌した1対の内輪14、14aは、上記ハブ本体13aの内端部に螺合・緊締したナット26により、上記小径段部17aの基端部に存在する段差面25に向け抑え付けている。その他の部分の構造及び作用は、上述した従来構造の第1例の場合と同様である。
次に、図30は、車輪支持用ハブユニットの従来構造の第3例として、やはり従動輪用のものを示している。この第3例の車輪支持用ハブユニットは、外周面の外端寄り部分に取付フランジ15を有するハブ8bを、円筒状に構成している。これと共に、このハブ8bの内周面の中間部乃至内端部に、複列の外輪軌道11a、11bを形成している。又、このハブ8bの径方向内側に、それぞれが静止輪である1対の内輪14a、14を設けている。そして、これら各内輪14a、14の外周面に形成した各内輪軌道16a、16bと、上記各外輪軌道11a、11bとの間に転動体18、18を、それぞれ複数個ずつ、保持器19、19により保持した状態で転動自在に設けている。
この様に構成する従来構造の第3例の車輪支持用ハブユニットを自動車に組み付ける場合には、懸架装置を構成する、使用時にも回転しない支持軸(図示せず)に、上記各内輪14a、14を外嵌する。これと共に、これら各内輪14a、14を、上記支持軸の中間部外周面に形成した段差面とこの支持軸の先端部に螺合したナットとの間で軸方向に挟持する事により、上記両内輪14a、14の端面同士を当接させる事で、上記各転動体18、18に予圧を付与する。又、上記取付フランジ15の外側面に、ホイール1及びロータ2(図28参照)を固定する。
ところで、上述した様な各種構造の車輪支持用ハブユニットの場合、図28に示したロータ2の取付面である、取付フランジ15の外側面の回転振れ精度(回転に伴う軸方向の振れに関する精度)を良好にしておかないと、上記ロータ2の1対の制動用摩擦面27、27の回転振れ精度を良好にするのが難しくなる。そして、これら各制動用摩擦面27、27の回転振れ精度を良好にする事ができないと、制動時にジャダーと呼ばれる振動を伴った異音が発生する様になる。
そこで、この様な不都合が発生するのを防止すべく、上記取付面の回転振れ精度を良好にする為に従来から、例えば、この取付面のうち上記取付フランジ15に前記各スタッド9を圧入する事に伴って膨出する部分に予め凹溝を形成しておいたり、或は車輪支持用ハブユニットを組み立てた状態で上記取付面の旋削加工を行なう事が行なわれている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、上記取付面と上記ロータ2の側面とが錆び付くと、修理・交換等の際に、このロータ2を上記取付フランジ15から取り外す事が難しくなる。又、取り外せた場合でも、上記取付面が錆びていると、この取付面にロータ2を再度組み付けた際に、新品時の様な良好な回転振れ精度を得られなくなる。そこで、この様な不都合が発生するのを防止すべく、上記取付面と上記ロータ2の側面とが錆び付くのを防止する為に、上記取付面に防錆用皮膜を形成する事が一部で行なわれつつある(例えば、特許文献3参照)。この様に取付面に防錆用皮膜を形成する場合、上記ロータ2の側面はこの取付面に対し、上記防錆用皮膜を介して接触する。従って、制動時にジャダーが発生するのを防止する為には、上記防錆用皮膜の表面の回転振れ精度を良好にしておく必要がある。
ところが、上記取付面に防錆用皮膜等の表面処理層を形成する場合、この取付面の全範囲でこの表面処理層の厚さを均一にする事は難しい。この為、上記取付面に対して単に表面処理層を形成する場合には、予めこの取付面の回転振れ精度を良好にしておいたとしても、上記表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする事は難しい。従って、この表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にできる手段の提供が望まれる。
特開2001−233001号公報 特開2003−154801号公報 米国特許第5,942,291号明細書
本発明の車輪支持用ハブユニットとその製造方法は、上述の様な事情に鑑み、取付フランジの取付面に形成した表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にできる様にして、制動時にジャダーが発生する事を防止すべく発明したものである。
本発明の車輪支持用ハブユニットとその製造方法のうち、請求項1に記載した車輪支持用ハブユニットは、静止側周面(前述の図28、29に示した様な内輪回転型の構造の場合には内周面。前述の図30に示した様な外輪回転型の構造の場合には外周面。)に複列の静止側軌道を有し、使用時に懸架装置に支持された状態で回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面(前述の図28、29に示した様な内輪回転型の構造の場合には外周面。前述の図30に示した様な外輪回転型の構造の場合には内周面。)に複列の回転側軌道を、外周面に車輪及び制動用回転部材を取り付ける為の取付フランジを、それぞれ有し、使用時にこれら車輪及び制動用回転部材と共に回転するハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備える。そして、上記取付フランジの両側面のうち、使用時に上記制動用回転部材と接触する側面である取付面に表面処理層{請求項2に記載した、防錆効果を有するもの(即ち、前述した防錆用皮膜)を含む。}を形成している。
特に、請求項1に記載した車輪支持用ハブユニットに於いては、上記取付面に形成された表面処理層の表面の回転振れ精度が、この表面処理層の形成時又は形成後に行なった整形処理により良好になっている。
又、請求項3に記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法は、上述の請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法に関する。
この様な請求項3に記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法は、先ず、取付面に表面処理層を形成すると共に、静止輪とハブと各転動体とを組み立てる。その後、このハブをこの静止輪に対して回転させた状態で、上記表面処理層に、整形処理として機械加工を施す。これにより、この表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする。
尚、本明細書及び特許請求の範囲の全体で、上記表面処理層に施す「機械加工」とは、例えば、切削加工、研磨加工、塑性加工等、機械的手段により、上記表面処理層の表面形状を変化させる事ができる加工を意味する。
更に、請求項4に記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法も、上述の請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法に関する。
この様な請求項4に記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法は、先ず、静止輪とハブと各転動体とを組み立てる。その後、取付面に表面処理層を形成する為の半流動状素材を塗布した状態で、整形処理として、上記ハブを上記静止輪に対し回転させながら上記半流動状素材の表面をヘラで延ばして平坦にする作業を行なう。その後、この半流動状素材を乾燥させる等により硬化させて上記表面処理層を完成させる。これにより、この表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする。
上述の様に、本発明の車輪支持用ハブユニットとその製造方法によれば、取付フランジの取付面に形成した表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする事ができる。この為、この表面処理層を介して上記取付面に取り付ける、制動用回転部材の回転振れ精度を良好にする事ができる。従って、制動時にジャダーが発生する事を防止できる。
図1〜2は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、取付フランジ15aの外側面(取付面)に形成する防錆用皮膜の表面の形状、並びに、この取付フランジ15aを含んで構成する車輪支持用ハブユニットの製造方法にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図28に示した従来構造の第1例とほぼ同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分、並びに、上記従来構造の第1例と異なる部分を中心に説明する。
本実施例の車輪支持用ハブユニットを製造すべく、ハブ8cを構成するハブ本体13bを造る場合には、先ず、素材となるS55C製の丸棒に、鍛造加工を施した後、各部に旋削加工及び穿孔加工等を施す事により、上記ハブ本体13bの凡その外形(中心孔の中間部内周面に形成すべきスプライン溝及びかしめ部20を形成する前の外形)を造る。本実施例の場合には、この様にハブ本体13bの凡その外形を造った状態で、このハブ本体13bを構成する取付フランジ15aの外側面を、図2に詳示する様な形状としている。即ち、この取付フランジ15aの外側面の径方向外端寄り部分で、各スタッド9の基端部を圧入固定する為の取付孔28、28の周囲部分を含む領域に、全周に亙り円環状の第一凹溝29を形成している。この様な第一凹溝29を形成する理由は、後述する様に、上記各取付孔28、28に上記各スタッド9を軸方向内側から圧入する事に伴い、上記取付フランジ15aの外側面のうち上記各取付孔28、28の周囲部分が膨出した場合に、これら各膨出した部分によって上記外側面の回転振れ精度が悪化するのを防止する為である。従って、上記第一凹溝29の径方向に関する幅寸法及び深さ寸法は、それぞれこの第一凹溝29内に上記各膨出した部分が収まる様に(特に、これら各膨出した部分の先端部が、次述する外径側、内径側各平面部31、32よりも軸方向外方に突出しない様に)、設計的に定める。
又、上記取付フランジ15aの外側面の径方向内端部に、全周に亙り円環状の第二凹溝30を形成している。この様な第二凹溝30を形成する理由は、上記取付フランジ15aの外側面にロータ2(図28参照)を取り付ける際に、このロータ2の側面がこの外側面の径方向内端部に接触して、このロータ2の回転振れ精度が悪化するのを防止する為である。又、上記取付フランジ15aの外側面のうち、径方向に関して上記第一凹溝29の外側に存在する外径側平面部31を、同じくこの第一凹溝29と上記第二凹溝30との間部分に存在する内径側平面部32よりも、僅かに若しくは若干、軸方向外側に配置している。この様な配置関係を採用する理由は、上記ロータ2を上記取付フランジ15aの外側面に取り付ける場合に、上記外径側平面部31と上記内径側平面部32とのうち、径方向に関して上記ロータ2の制動用摩擦面27、27(図28参照)に近い外径側平面部31を、このロータ2の側面に強く当接させられる様にして、このロータ2の支持強度を十分に確保できる様にする為である。但し、本発明を実施する場合、上記外径側平面部31と上記内径側平面部32とは、互いに同一平面内に配置しても良い。
上述した工程を完了したならば、次いで、上記ハブ本体13bの表面のうち、内輪軌道16a及び小径段部17の外半部外周面を含む所定の部分に、高周波熱処理を施す。次いで、上記ハブ本体13bの表面のうち、上記取付フランジ15aに形成した上記各取付孔28、28、及び、この取付フランジ15aにロータ2を結合するねじを螺合させる為の図示しない各ねじ孔の内周面を除く部分に、防錆用皮膜である溶融亜鉛メッキ33、33を施す。尚、この様に溶融亜鉛メッキ33、33を施す際、非メッキ部である、上記各取付孔28、28及び各ねじ孔の内周面は、マスキングしておく。
次いで、上記ハブ本体13bの表面のうち、上記内輪軌道16a、上記小径段部17、段差面25、及び軸方向外側のシールリング21aの摺接部に対応する部分に、それぞれ研削加工を施す事により、これら各部分に施された上記溶融亜鉛メッキ33を除去する。次いで、図1に示す様に、上記ハブ本体13bと、内輪14と、外輪6と、複数の転動体18、18と、1対のシールリング21a、21bとを組み立てると共に、上記ハブ本体13bの内端部を径方向外方に塑性変形させる事によりかしめ部20を形成する。そして、この様にかしめ部20を形成する事に伴い、このかしめ部20の内端面及び外周面に施された上記溶融亜鉛メッキ33を除去する。次いで、上記ハブ本体13bの中心孔の中間部内周面にスプライン溝を、ブローチ加工により形成する事で、この中心孔の中間部をスプライン孔22とする。そして、この様に中心孔の中間部内周面にスプライン溝を形成する事に伴い、この中間部内周面に施された上記溶融亜鉛メッキ33を除去する。
上述した工程を完了した状態で、上記ハブ本体13bの表面には、図1に破線を添えて示した部分(このハブ本体13bの表面のうち、上記各取付孔28、28及び各ねじ孔の内周面、上記内輪軌道16a、上記小径段部17の外周面及び段差面25、上記軸方向外側のシールリング21aの摺接部、上記かしめ部20の内端面及び外周面、及び上記中心孔の中間部内周面を除く部分)にのみ、上記溶融亜鉛メッキ33、33が施されている。又、本実施例の場合には、上記外輪6の表面のうち、図1に破線を添えて示した部分(この外輪6の表面のうち、結合フランジ12に形成した各ねじ孔37の内周面、1対の外輪軌道11a、11b、及び1対のシールリング21a、21bの嵌合面を除く部分)にも、溶融亜鉛メッキ33、33を施している。
上述した工程を完了したならば、次いで、表面に防錆の為のダクロダイズ処理を施した複数のスタッド9を、それぞれ前記取付フランジ15aに形成した各取付孔28、28に軸方向内側から圧入する。尚、これに伴い、上記取付フランジ15aの外側面のうち上記各取付孔28、28の周囲部分が軸方向に膨出する。但し、本実施例の場合には、これら各膨出した部分が前記各第一凹溝29の内側に収まる様に、この第一凹溝29を形成している。この為、これら各膨出した部分によって、上記取付フランジ15aの外側面の回転振れ精度が悪化する事を有効に防止できる。
上述した工程を完了したならば、次いで、上記外輪6をチャック(支持固定)した状態で、ハブ8cをこの外輪6に対して回転させつつ、前記外径側、内径側各平面部31、32に形成した溶融亜鉛メッキ33の表面に、この溶融亜鉛メッキ33が全面に亙って残留する(全面に亙って溶融亜鉛メッキ33が、厚さ方向に関して全部除去されない)範囲で、旋削加工を施す。これにより、この溶融亜鉛メッキ33の表面の回転振れ精度を良好にする。尚、本実施例の場合、上記外径側平面部31と上記内径側平面部32との軸方向に関するオフセット量によっては、これら外径側、内径側各平面部31、32の平面度が所定の規格内(例えば、6μm以内)に収まるのであれば、上記内径側平面部32に施された溶融亜鉛メッキ33の表面の旋削加工を省略する事もできる。この理由は、上記取付フランジ15aに結合固定したロータ2の振れ回りを抑える面からは、上記内径側平面部32の平面度は、上記外径側平面部31の平面度程は、厳密さを要求されない為である。
上述した工程が完了したならば、最後に、上述の様にハブ8cを外輪6に対して回転させつつ、レーザ光線を用いた非接触式のセンサにより、上記外径側、内径側各平面部31、32に形成した溶融亜鉛メッキ33の表面の回転振れ精度を検査する。そして、回転振れ精度が規格内であるものを出荷し、規格外であるものには、再度仕上加工を施す。
上述の様に、本実施例の車輪支持用ハブユニットとその製造方法によれば、それぞれがロータ2(図28参照)の取付面である上記外径側、内径側各平面部31、32に形成した、溶融亜鉛メッキ33の表面の回転振れ精度を良好にできる。従って、上記ロータ2の制動用摩擦面27、27(図28参照)の回転振れ精度を良好にする事ができ、制動時にジャダーが発生する事を防止できる。
次に、図3は、やはり請求項1〜3に対応する、本発明の実施例2を示している。尚、本実施例の特徴は、取付フランジ15aの外側面(取付面)に形成する防錆用皮膜の表面の形状、並びに、この取付フランジ15aを含んで構成する車輪支持用ハブユニットの製造方法にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図29に示した従来構造の第2例とほぼ同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分、並びに、上記従来構造の第2例と異なる部分を中心に説明する。
本実施例の車輪支持用ハブユニットを製造すべく、ハブ8dを構成するハブ本体13cを造る場合には、先ず、素材となるS53C製の丸棒に、鍛造加工を施した後、各部に旋削加工及び穿孔加工等を施す事により、上記ハブ本体13cの凡その外形を造る。本実施例の場合も、この様にハブ本体13cの凡その外形を造った状態で、このハブ本体13cを構成する取付フランジ15aの外側面は、前述の図2に詳示した様な形状としている。
上述の様にハブ本体13cの凡その外形を造ったならば、次いで、図3に示す様に、上記ハブ本体13cと、1対の内輪14、14aと、ナット26と、外輪6と、複数の転動体18、18と、シールリング21aとを組み立てる。次いで、表面にダクロダイズ処理を施した複数のスタッド9を、それぞれ上記取付フランジ15aに形成した各取付孔28に軸方向内側から圧入する。次いで、上記外輪6をチャックした状態で、上記ハブ8dをこの外輪6に対して回転させつつ、上記取付フランジ15aの外側面に設けた外径側、内径側各平面部31、32に旋削加工を施す。これにより、これら外径側、内径側各平面部31、32の回転振れ精度を良好にする。
次いで、上記ハブ本体13cの表面のうち、図3に破線を添えて示した部分、即ち、上記取付フランジ15aの外側面並びに上記ハブ本体13cの外端部に設けた円筒部34の外周面及び外端面に、防錆用皮膜である樹脂コーティング35を、流動浸漬法により施す。尚、この様に樹脂コーティング35を施す際、非コーティング部である上記各スタッド9のねじ部は、マスキングしておく。更に、本実施例の場合、上記外輪6の表面のうち、図3に破線を添えて示した部分{懸架装置を構成するナックル3(図28参照)の取付面及びその近傍部}、即ち、結合フランジ12の外周面及び内側面並びに上記外輪6の内端部外周面にも、防錆用皮膜である吹き付け塗装36を施す。尚、この様に吹き付け塗装36を施す際、非塗装部である、上記結合フランジ12に形成した各ねじ孔37の内周面は、マスキングしておく。
上述した工程を完了したならば、次いで、上記外輪6をチャックした状態で、ハブ8dをこの外輪6に対して回転させつつ、上記外径側、内径側各平面部31、32に施した樹脂コーティング35の表面に、この樹脂コーティング35が全面に亙って残留する(全面に亙って樹脂コーティング35が厚さ方向に関して全部除去されない)範囲で、旋削加工を施す。これにより、この樹脂コーティング35の表面の回転振れ精度を良好にする。尚、本実施例の場合、上記樹脂コーティング35は、上述の実施例1で採用した防錆用皮膜である溶融亜鉛メッキに比べて軟らかい材料である。この為、上述した樹脂コーティング35の表面の旋削加工は、簡単な設備により短時間で行なう事ができ、しかも切削工具の寿命を長くできる。
上述した工程が完了したならば、最後に、上述の様にハブ8dを外輪6に対して回転させつつ、レーザ光線を用いた非接触式のセンサにより、上記外径側、内径側各平面部31、32に形成した樹脂コーティング35の表面の回転振れ精度と、この樹脂コーティング35の下に存在する上記外径側、内径側各平面部31、32の回転振れ精度とを、それぞれ検査する。本実施例の場合、この様に樹脂コーティング35の表面だけでなく、外径側、内径側各平面部31、32の回転振れ精度も検査する理由は、上記樹脂コーティング35は比較的軟らかい為、この樹脂コーティング35の表面にロータ2を締め付け固定した場合に、上記樹脂コーティング35が変形する可能性がある為である。従って、本実施例の場合には、上述の様に樹脂コーティング35の下に存在する外径側、内径側各平面部31、32の回転振れ精度も重要である為、この回転振れ精度も検査する様にしている。
尚、本実施例では、上記外径側、内径側各平面部31、32に十分な厚さ(例えば、回転振れ精度の規格値が6μmである場合には、この規格値の2倍以上の厚さである12μm以上)の樹脂コーティング35を施して、旋削加工後にも上記外径側、内径側各平面部31、32の全面に上記樹脂コーティング35が残る様にしている。
上述の様に、本実施例の車輪支持用ハブユニットとその製造方法によれば、ロータ2の取付面である外径側、内径側各平面部31、32と、これら外径側、内径側各平面部31、32に形成した樹脂コーティング35の表面との、それぞれの回転振れ精度を良好にできる。従って、上記ロータ2の制動用摩擦面27、27(図28参照)の回転振れ精度を良好にする事ができ、制動時にジャダーが発生する事を防止できる。
次に、図4は、やはり請求項1〜3に対応する、本発明の実施例3を示している。尚、本実施例の特徴は、取付フランジ15の外側面(取付面)に形成する防錆用皮膜の表面の形状、並びに、この取付フランジ15を含んで構成する車輪支持用ハブユニットの製造方法にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図30に示した従来構造の第3例とほぼ同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分、並びに、上記従来構造の第3例と異なる部分を中心に説明する。
本実施例の車輪支持用ハブユニットを製造すべく、ハブ8eを造る場合には、先ず、素材となるS53C製の丸棒に、プレス加工を施した後、各部に旋削加工及び穿孔加工等を施す事により、上記ハブ8eの凡その外形を造る。次いで、このハブ8eの表面のうち、1対の外輪軌道11a、11bを含む所定の部分に、高周波熱処理を施す。次いで、上記ハブ8eの表面のうち、上記各外輪軌道11a、11b並びにシールリング21bの嵌合面に研削加工を施す。次いで、図4に示す様に、上記ハブ8eと1対の内輪14、14aと、複数の転動体18、18と、上記シールリング21bとを組み立てる。
次いで、上記1対の内輪14、14aを図示しない支持軸に外嵌すると共に、これら両内輪14、14aに互いに近づき合う方向のアキシアル荷重を付加する事により上記各転動体18、18に予圧を付与した状態で、上記ハブ8eを上記各内輪14、14aに対して回転させつつ、このハブ8eを構成する取付フランジ15の外側面(取付面)に旋削加工を施す。これにより、この外側面の回転振れ精度を良好にする。次いで、上記ハブ8eの表面のうち、図4に破線を添えて示した部分、即ち、上記取付フランジ15の外周面及び外側面、並びに、上記ハブ8eの外端部に設けた円筒部34の外周面及び外端面に、防錆用皮膜である吹き付け塗装36を施す。尚、この様に吹き付け塗装36を施す際、非塗装部である、ホイール1或はロータ2(図28参照)を結合固定する為のボルト或はねじを螺合させる為に上記取付フランジ15に設けた、各ねじ孔38a、38bの内周面は、マスキングしておく。又、上記吹き付け塗装36は、ヒータで乾燥させ、硬化させる。
上述した工程を完了したならば、次いで、図4に示す様に、その両側面を互いに平行な平坦面とした円環状の間座39の片側面(図4の右側面)を、上記取付フランジ15の外側面に施した吹き付け塗装36の表面に当接させる。上記間座39の片側面は、精度の良い平坦面である。これと共に、上記間座39の他側面(図4の左側面)に、図示しないローラフォロアを介してアキシアル荷重(約20,000N)を加える。更に、この状態で、上記ハブ8eを上記各内輪14、14aに対して回転させる。これにより、上記吹き付け塗装36を、上記取付フランジ15の外側面と上記間座39の片側面との間で塑性変形させて、上記吹き付け塗装36の表面の回転振れ精度を良好にする。尚、上記間座39の他側面にローラフォロアを介してアキシアル荷重を加える理由は、この間座39の他側面に対する荷重負荷点で滑りが起こらない様にする事により、上記吹き付け塗装36が削られるのを防止すると共に、各部材の耐久性を十分に確保する為である。又、本実施例の場合には、上述の様に回転させながら吹き付け塗装36を塑性変形させる為、この吹き付け塗装36の表面の回転振れ精度を良好にできる。
上述した工程が完了したならば、最後に、上述の様にハブ8eを各内輪14、14aに対して回転させつつ、レーザ光線を用いた非接触式のセンサにより、上記取付フランジ15の外側面に形成した吹き付け塗装36の表面の回転振れ精度と、この吹き付け塗装36の下に存在する上記取付フランジ15の外側面の回転振れ精度とを、それぞれ検査する。尚、本実施例の場合、この様に吹き付け塗装36の表面だけでなく、取付フランジ15の外側面の回転振れ精度も検査する理由は、上述した実施例2の場合と同様である。
上述の様に、本実施例の車輪支持用ハブユニットとその製造方法によれば、ロータ2の取付面である取付フランジの外側面と、この外側面に形成した吹き付け塗装36の表面との、それぞれの回転振れ精度を良好にできる。従って、上記ロータ2の制動用摩擦面27、27(図28参照)の回転振れ精度を良好にする事ができ、制動時にジャダーが発生する事を防止できる。
次に、図5〜8は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合も、上述した各実施例の場合と同様、取付フランジ15aの外側面に表面処理層40、40(図8)を形成するのに先立ち、図5に示す様に、ハブ本体13bと、内輪14と、外輪6と、複数の転動体18、18と、シールリング21aとを組み立てる。但し、この際、上記取付フランジ15aに設けた取付孔28には、スタッド9(図8)を取り付けない。そして、この様に組み立てた状態で、上記外輪6をチャック41により把持固定すると共に、上記ハブ本体8cの中心部に設けたスプライン孔22に、駆動軸42の先端部をスプライン係合させる。
そして、図6に示す様に、上記取付フランジ15aの外側面の外径側、内径側各平面部31、32に、それぞれ上記表面処理層40、40を形成する為の半流動状素材43、43を(上記各平面部31、32の全体に密着させる状態で)塗布する。これら各半流動状素材43、43は、合成樹脂と硬化剤とを一体化した、防錆効果を有するペースト状のパテである。尚、本実施例の場合には、上述の様な外径側、内径側各平面部31、32に対する半流動状素材43、43の塗布作業を、上記駆動軸42によりハブ8cを回転させつつ行なう事により、この塗布作業の能率化を図れる様にしている。但し、本発明を実施する場合、この塗布作業は、上記ハブ8cを停止させたまま行なっても良い。
上述の様な塗布作業が完了した状態で、上記各半流動状素材43、43の表面の平面度は、図6に誇張して示す様に、悪くなっている。そこで、次に、上記駆動軸42により上記ハブ8cを回転させつつ、図7に示す様に、上記各半流動状素材43、43の表面をヘラ44で延ばして平坦にする作業を行なう。この為に、本実施例の場合には、上述の様にハブ8cを回転させつつ、上記ヘラ44の先端縁を上記半流動状素材43、43の表面に接触させた状態で、このヘラ44を上記ハブ8cの回転中心に対して直交する方向に(例えば図示の様に、径方向内側から径方向外側に向けて)動かす。これにより、上記各半流動状素材43、43の表面を平坦に延ばして、この表面を、上記ハブ8cの回転中心に対して直交する、平面度の良好な平坦面とする。
上述の様にして各半流動状素材43、43の表面を平坦にしたならば、その後、これら各半流動状素材43、43を乾燥させて硬化する事により、図8に示す様な、表面の回転振れ精度が良好な表面処理層40、40を完成させる。尚、本実施例の場合、この様にして完成させた各表面処理層40、40の硬度を十分に(例えば、母材である上記取付フランジ15aの硬度以上の大きさに)確保できる様に、これら各表面処理層40、40の素材を選択している。上述の様にして各表面処理層40、40を完成させたならば、その後、図8に示す様に、上記取付フランジ15aの取付孔28にスタッド9を取り付ける(圧入する)。又、必要に応じて、上記各表面処理層40、40や母材である上記取付フランジ15aの外側面の回転振れ精度を、上述した各実施例の場合と同様にして検査する。更には、ABSセンサやカバー等の必要な部品を組み付けて、製造すべき車輪支持用ハブユニットを完成させる。
上述した様な本実施例の車輪支持用ハブユニットとその製造方法の場合も、それぞれがロータ2(図28参照)の取付面である外径側、内径側各平面部31、32に形成した、表面処理層40、40の表面の回転振れ精度を良好にできる。又、これら各表面処理層40、40の硬度は十分に確保できる。従って、上記ロータ2の制動用摩擦面27、27(図28参照)の回転振れ精度を良好にする事ができ、制動時にジャダーが発生する事を防止できる。
次に、図9〜11は、やはり請求項1、2、4に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合も、上述した実施例4の場合と同様、図9→図10→図11(→図8)に示す順番で、取付フランジ15aの外側面の外径側、内径側各平面部31、32に、それぞれ表面処理層40、40(図8)を形成する。但し、本実施例の場合、図9〜10に示す様に、上記外径側、内径側各平面部31、32に対する半流動状素材43、43の塗布作業は、上記取付フランジ15aに設けた取付孔28にスタッド9を取り付けた状態で行なう。この為、この塗布作業の際に、上記各半流動状素材43、43が上記スタッド9に付着しない様に注意する。この為に、好ましくは、上記塗布作業を、上記スタッド9に保護用のカバーを被せて行なう。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施例4の場合と同様である。
次に、図12〜15は、やはり請求項1、2、4に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合も、図12→図13→図14→図15に示す順番で、取付フランジ15bの外側面の外径側、内径側各平面部31、32に、それぞれ表面処理層40、40を形成する。本実施例の場合、上記取付フランジ15bには、スタッド9を圧入する為の取付孔28(図8参照)の代わりに、図示しないボルトを螺合する為のねじ孔38aを設けている。このボルトは、本実施例の車輪支持用ハブユニットを完成した後、ホイール1及びロータ2(図28参照)を上記取付フランジ15bに固定する際に使用する。従って、上記各表面処理層40、40の形成作業は、上記ねじ孔38aに上記ボルトを螺合させていない状態で行なう。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施例4の場合と同様である。
尚、上述した実施例4〜6では、半流動状素材が乾燥し硬化する前に、この半流動状素材の表面を平坦に延ばす方法を採用したが、本発明を実施する場合には、半流動状素材が乾燥して表面処理層となった後に、この表面処理層の表面にバニシング加工等の塑性加工を施す事により、この表面処理層の表面の回転振れ精度を改善する(良好にする)事もできる。
又、前述した実施例4〜5は、取付フランジに形成した取付孔にスタッドを圧入固定した車輪支持用ハブユニットであれば、例えば図16〜21に示す様な構造を含む、各種の車輪支持用ハブユニットに対して適用できる。又、上述した実施例6は、取付フランジにボルトを螺合させる為のねじ孔を形成した車輪支持用ハブユニットであれば、例えば図22〜27に示す様な構造を含む、各種の車輪支持用ハブユニットに対して適用できる。更に、前述した実施例1〜3は、これら図16〜27に示す様な構造を含む、各種の車輪支持用ハブユニットに対して適用できる。
尚、本発明を実施する場合、取付フランジの取付面に形成する表面処理層は、上述した各実施例で採用したものに限らず、例えば、電気メッキ、電着塗装、ホットスタンプ、一定時間で硬化する種々の材質のパテやコーキング材等、防錆効果を有するか否かを問わず、各種のものを採用する事ができる。
本発明の実施例1を示す断面図。 図1のA部拡大図。 本発明の実施例2を示す断面図。 同実施例3を示す断面図。 同実施例4に於ける、表面処理層を形成する作業の第一工程を示す断面図。 同第二工程を示す、図5のB部に相当する拡大図。 同第三工程を示す、図6と同様の図。 表面処理層の形成作業を完了した状態で示す断面図。 本発明の実施例5に於ける、表面処理層を形成する作業の第一工程を示す断面図。 同第二工程を示す、図9のC部に相当する拡大図。 同第三工程を示す、図10と同様の図。 本発明の実施例6に於ける、表面処理層を形成する作業の第一工程を示す断面図。 同第二工程を示す、図12のD部に相当する拡大図。 同第三工程を示す、図13と同様の図。 表面処理層の形成作業を完了した状態で示す断面図。 本発明を適用可能な他の車輪支持用ハブユニットの第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。 同第4例を示す断面図。 同第5例を示す断面図。 同第6例を示す断面図。 同第7例を示す断面図。 同第8例を示す断面図。 同第9例を示す断面図。 同第10例を示す断面図。 同第11例を示す断面図。 同第12例を示す断面図。 車輪支持用ハブユニットの従来構造の第1例を、懸架装置に組み付けた状態で示す断面図。 同第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。
符号の説明
1 ホイール
2 ロータ
3 ナックル
4 支持孔
5 車輪支持用ハブユニット
6 外輪
7 ボルト
8、8a、8b、8c、8d、8e ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 結合フランジ
13、13a、13b、13c ハブ本体
14、14a 内輪
15、15a、15b 取付フランジ
16a、16b 内輪軌道
17、17a 小径段部
18 転動体
19 保持器
20 かしめ部
21a、21b シールリング
22 スプライン孔
23 等速ジョイント
24 スプライン軸
25 段差面
26 ナット
27 制動用摩擦面
28 取付孔
29 第一凹溝
30 第二凹溝
31 外径側平面部
32 内径側平面部
33 溶融亜鉛メッキ
34 円筒部
35 樹脂コーティング
36 吹き付け塗装
37 ねじ孔
38a、38b ねじ孔
39 間座
40 表面処理層
41 チャック
42 駆動軸
43 半流動状素材
44 ヘラ

Claims (4)

  1. 静止側周面に複列の静止側軌道を有し、使用時に懸架装置に支持された状態で回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に複列の回転側軌道を、外周面に車輪及び制動用回転部材を取り付ける為の取付フランジを、それぞれ有し、使用時にこれら車輪及び制動用回転部材と共に回転するハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記取付フランジの両側面のうち、使用時に上記制動用回転部材と接触する側面である取付面に表面処理層を形成した車輪支持用ハブユニットに於いて、この取付面に形成された表面処理層の表面の回転振れ精度が、この表面処理層の形成時又は形成後に行なった整形処理により良好になっている事を特徴とする車輪支持用ハブユニット。
  2. 表面処理層が防錆効果を有するものである、請求項1に記載した車輪支持用ハブユニット。
  3. 請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法であって、取付面に表面処理層を形成すると共に、静止輪とハブと各転動体とを組み立てた後、このハブをこの静止輪に対し回転させた状態で、上記表面処理層に整形処理として機械加工を施す事により、この表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする車輪支持用ハブユニットの製造方法。
  4. 請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用ハブユニットの製造方法であって、静止輪とハブと各転動体とを組み立てた後、取付面に表面処理層を形成する為の半流動状素材を塗布した状態で、整形処理として、上記ハブを上記静止輪に対し回転させながら上記半流動状素材の表面をヘラで延ばして平坦にする作業を行ない、その後、この半流動状素材を硬化させて上記表面処理層を完成させる事により、この表面処理層の表面の回転振れ精度を良好にする車輪支持用ハブユニットの製造方法。
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