本発明に係る車両用入力装置について、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、車両10内のステアリングホイール11におけるスポーク部14に、車両用入力装置としての第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bが配置された状態を示す正面図である。図2は、第1スイッチ部20a(第2スイッチ部20b)の斜視図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
車両用入力装置としての第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bは、図1に示すように、ドライバー21が車両10内の車載機器の機能を設定するために入力操作を行うスイッチ部であり、ステアリングホイール11のリム部12を支持するスポーク部14上に配置されている。
スポーク部14は、図1に示すステアリングホイール11の中立位置で円形状のリム部12を支持するT字状のスポークであり、該スポーク部14のうち略水平方向(図1の左右方向)でリム部12を支持する部分に第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bがそれぞれ配置されている。
なお、前記各車載機器とは、エアーコンディショナー、オーディオ機器、ナビゲーション装置等の車両10の情報系に関わる車載機器(情報系車載機器)や、車両10の走行時におけるドライバー21の運転操作を支援するためのシステム、走行時の車両10の挙動を安定化させるためのシステム、車両10の進行方向を常時照らすためのヘッドライトの制御システム、車両10の衝突による被害を軽減するための追突軽減システム等の車両10の走行系に関わる車載機器(走行系車載機器)を含む。
また、前記車載機器の機能とは、当該車載機器に備わっている機能をいい、例えば、前記車載機器がオーディオ機器であれば、AM、FM、CD又はカセットテープのモード選択機能、前記AMや前記FMの各チャンネルの選択機能、音量の選択機能、該オーディオ機器に予め登録されているアーチストの選択機能を含むオーディオ機能をいう。
さらに、前記車載機器の機能の設定には、複数の車載機器から所望の車載機器を選択することや、選択された前記車載機器の複数の機能から所望の機能を選択することや、選択された前記車載機器の機能を所望の特性値に設定することが含まれる。
この場合、前記車載機器の機能の特性値とは、選択された前記車載機器の機能をドライバー21が所望する機能に設定するための目標値をいい、例えば、選択された前記車載機器がオーディオ機器であれば、AM、FM、CD又はカセットテープの各モードや、前記AM及び前記FMのチャンネル番号や、前記音量の大きさや、前記アーチストの登録番号をいう。
ここで、第1スイッチ部20aは、前述した情報系車載機器を選択し、選択した前記情報系車載機器の機能を選択し、あるいは、前記情報系車載機器の機能の特性値を設定するためのスイッチ部であり、一方で、第2スイッチ部20bは、前記走行系車載機器を選択し、選択した前記走行系車載機器の機能を選択し、あるいは、前記走行系車載機器の機能の特性値を設定するためのスイッチ部である。
そして、車両10内のドライバー21が前方方向に視線を向けたときに、第1スイッチ部20aは、スポーク部14の左側におけるリム部12近傍でドライバー21に対向して配置され、一方で、第2スイッチ部20bは、スポーク部14の右側におけるリム部12近傍でドライバー21に対向して配置されている(図1及び図2参照)。この場合、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bは、ドライバー21の左手22a及び右手22bがリム部12に所定の手幅で接した際に、親指(第1指)24a、24bが届く範囲内で、且つ左手22aの母指球26a及び右手22bの母指球26bの範囲外に配置されている。
ここで、親指(第1指)24a、24bが届く範囲内とは、親指24a、24bの付け根を中心とし且つ該親指24a、24bの長さ(第1指長)を半径とする所定の範囲内をいい、前記第1指長は、JIS(Japan Industrial Standard)規格のJM50で規定されている50パーセンタイル値(前記第1指長よりも短い親指24a、24bを有する成人男性が日本人の成人男性全体で50[%]いるときの親指24a、24bの長さ)や、JIS規格のJF50で規定されている50パーセンタイル値(前記第1指長よりも短い親指24a、24bを有する成人女性が日本人の成人女性全体で50[%]いるときの親指24a、24bの長さ)であることが好ましい。
また、母指球26a、26bの範囲外とは、ドライバー21の左手22a及び右手22bがリム部12に所定の手幅で接したときに、ステアリングホイール11のうち母指球26a、26bと接触しない部分をいう。
上述した第1スイッチ部20aは、リム部12側に配置されたロータリースイッチ部(機能選択入力部及び設定入力部)16aと、該ロータリースイッチ部16aよりも内側に配置されたプッシュスイッチ部(車載機器選択部)18aとを備え、一方で、第2スイッチ部20bは、リム部12側に配置されたロータリースイッチ部(機能選択入力部及び設定入力部)16bと、該ロータリースイッチ部16bよりも内側に配置されたプッシュスイッチ部(車載機器選択部)18bとを備える。
車載機器選択部としてのプッシュスイッチ部18a、18bは、ドライバー21の親指24a、24bによる押圧動作に基づいて、前記各車載機器から所定の車載機器を選択する。機能選択入力部及び設定入力部としてのロータリースイッチ部16a、16bは、ドライバー21の親指24a、24bによる回転操作部材40の前記水平方向(第1方向)への押圧動作(傾動動作)に基づいて、選択した前記車載機器の複数の機能から所望の機能を選択し、あるいは、ドライバー21の親指24a、24bによる回転操作部材40の前記水平方向を中心軸とした円周方向(第2方向)への回転動作と、該回転操作部材40への押圧動作とに基づいて、選択した前記車載機器の機能について所望の特性値に設定する。
図3に示すように、スポーク部14には、ドライバー21(図1参照)に対向する凹部50が設けられ、この凹部50内にロータリースイッチ部16a、16bを構成する回転操作部材40が納められている。この場合、凹部50の開口30は、図2に示すように、その両端が前記水平方向(図1〜図3の左右方向)に沿って縮径するテーパ状に形成されているので、該開口30は、ドライバー21から見て前記水平方向に指向する矢印として視認可能である。
回転操作部材40は、ドライバー21から見て開口30の略中心部(凹部50の略中心部)に配置されている。この場合、略円盤状の回転操作部材40は、図2及び図3に示すように、その中心軸64が前記水平方向と略一致し、且つ該回転操作部材40の一部が開口30から外部(ドライバー21側)に突出するように配置されている。また、開口30は、回転操作部材40の一部を囲曉する蓋部材(押圧部)32で閉塞されている。従って、ドライバー21は、ロータリースイッチ部16a、16bを見た際に、開口30の大部分が蓋部材32で閉塞され、且つ、該蓋部材32の略中央部に設けられた開口38から回転操作部材40の一部が露出していることを視認することができる。
また、蓋部材32における回転操作部材40の側部近傍には、前記水平方向に沿って左右の矢印表示部(傾動方向表示部)34、36が設けられている。これにより、ドライバー21は、ロータリースイッチ部16a、16bを見た際に、開口30の両端の矢印に対応して蓋部材32に矢印表示部34、36が設けられていることを容易に視認することができる。なお、矢印表示部34、36は、図1〜図3に示すように、蓋部材32のドライバー21側の表面に凹部を形成することにより設けられているが、前記表面に矢印状の部材を貼着する構成に代えることも可能である。
蓋部材32における凹部50内の両端部56、58は、ばね部材60、62を介して凹部50底面に配置された基板52に支持され、さらに、蓋部材32の一部は、支持部材54を介して凹部50の開口30側に支持されている。
また、中心軸64の両端部は、断面U字状の支持部材70の先端部に配置された軸受部材66、68によって支持され、該支持部材70は、ばね部材72、74を介して基板52上に配置されたスイッチ73、75に支持されている。なお、中心軸64には、図示しないロータリエンコーダが接続されている。
ここで、ドライバー21がリム部12にその手幅にて接した状態で親指24a、24bを用いて開口38から露出した回転操作部材40の一部を前記円周方向に沿って回転させると、該回転操作部材40は、中心軸64を中心に回転し、前記ロータリエンコーダは、回転操作部材40の回転量(回転角度)に対応したレベルの信号を出力する。
また、ドライバー21が親指24a、24bを用いて開口38から露出した回転操作部材40の一部を中心軸64の方向(矢印表示部34、36及び開口30により指向された前記水平方向)に押圧すると、回転操作部材40及び中心軸64は、中心軸64に沿って傾動し、この結果、中心軸64を支持する軸受部材66、68及び支持部材70も中心軸64に沿って傾動し、且つ、蓋部材32は、回転操作部材40の傾動に起因する押圧力を受けて傾動する。
ここで、支持部材70がばね部材72側(図3の左側)に傾動してスイッチ73の押しボタン77を基板52側に押圧すると、該スイッチ73がオン状態となり、支持部材70のばね部材72側への傾動量に応じたレベルの信号が出力される。この場合、スイッチ75の押しボタン79は、支持部材70で押圧されていないので、該スイッチ75はオフ状態である。一方、支持部材70がばね部材74側(図3の右側)に傾動してスイッチ75の押しボタン79を基板52側に押圧すると、該スイッチ75がオン状態となり、支持部材70のばね部材74側への傾動量に応じたレベルの信号が出力される。この場合、押しボタン77は、支持部材70で押圧されていないので、スイッチ73はオフ状態である。
さらに、ドライバー21が親指24a、24bを用いて開口38から露出した回転操作部材40の一部を基板52の方向(ドライバー21から見て前方方向)に押圧すると、回転操作部材40及び中心軸64は、押圧力を受けて基板52の方向に変位し、この結果、中心軸64を支持する軸受部材66、68及び支持部材70も基板52に向かって変位する。前記ロータリエンコーダは、回転操作部材40の変位量に対応したレベルの信号を出力する。
なお、親指24a、24bが回転操作部材40から離間して該回転操作部材40に対する押圧状態が解除されると、回転操作部材40、中心軸64、軸受部材66、68及び支持部材70は、ばね部材72、74の弾発力によって図3に示す位置に復帰し、一方で、蓋部材32は、ばね部材60、62の弾発力によって図3に示す位置に復帰する。
車両10内のインストルメントパネル104上には、図1に示すように、ドライバー21が前方を見たときにステアリングホイール11の上方に視認される第1計器(画像表示装置)92と、該ステアリングホイール11の内方に視認される第2計器80とがそれぞれ配置されている。
画像表示装置としての第1計器92は、ディジタル表示により車両10に関わる各種情報(車両情報)を表示するヘッドアップディスプレイであり、その表示画面98には、車両10の車速を表示するスピードメータ94と、エンジン(図示せず)の冷却水温度を表示する水温計100と、燃料タンク(図示せず)内の燃料の量を表示する燃料計102と、車両10の右折又は左折を表示するターンシグナルランプ96a、96bとが各々表示されている。
なお、前記車両情報とは、前述した車速、冷却水温度、燃料タンクの燃料の量、車両10の右折又は左折を含む第1計器92に通常時に表示される情報をいう。
一方、第2計器80のパネル82には、車両10のエンジン回転数をアナログ表示により表示するタコメータ84と、車両10のトランスミッション(図示せず)の変速比を表示するシフトインジケータ86と、車両10の走行距離を表示するオド・トリップメータ90と、外気温を表示する温度計88とが各々配置されている。
図4は、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bから出力される信号を処理し、処理結果を第1計器92のヘッドアップディスプレイに表示するまでの構成を示すブロック図であり、情報系車載機器に関わる第1スイッチ部20aは、前述したプッシュスイッチ部18aと、ロータリーエンコーダー110a及びスイッチ73、75を含むロータリースイッチ部16a(図1〜図3参照)とに加え、ドライバー21の親指24a(図1参照)が第1スイッチ部20aに接触した際に信号を出力する接触センサ112aも有する。一方、走行系車載機器に関わる第2スイッチ部20bは、第1スイッチ部20aと同様に、プッシュスイッチ部18bと、ロータリーエンコーダー110b及びスイッチ73、75を含むロータリースイッチ部16bとに加え、ドライバー21の親指24bが第2スイッチ部20bに接触した際に信号を出力する接触センサ112bを有する。
なお、このような接触センサ112a、112bには、例えば、親指24a、24bと各スイッチ部20a、20bとの間の静電容量の変化に基づいて信号を出力する静電容量式センサや、各スイッチ部20a、20bに図示しない発光ダイオード(LED)及びフォトトランジスタを内蔵させ、前記LEDからの光が親指24a、24bにて反射し、反射光が前記フォトトランジスタで受光されたときに信号を出力する光反射式センサがある。
ここで、ドライバー21(図1参照)が親指24a、24bを用いてロータリースイッチ部16a、16bの回転操作部材40(図2及び図3参照)を中心軸64を中心として回転させ、回転操作部材40を中心軸64の方向に傾動させ、あるいは、回転操作部材40を基板52側に押圧すると、ロータリーエンコーダー110a、110bは、回転操作部材40の回転量(回転角度)又は回転操作部材40の基板52側への変位量に応じたレベルの信号を信号収集部120を介して信号処理部122に出力し、あるいは、ロータリースイッチ部16a、16b内のスイッチ73、75は、回転操作部材40(支持部材70)の中心軸64の方向への傾動量に応じたレベルの信号を信号収集部120を介して信号処理部122に出力する。
また、ドライバー21が親指24a、24bを用いてプッシュスイッチ部18a、18bを押圧すると、該プッシュスイッチ部18a、18bは、親指24aの押圧動作に対応する信号を信号収集部120を介して信号処理部122に出力する。さらに、親指24a、24bが第1スイッチ部20a、20bに接触すると、該接触センサ112a、112bは、親指24a、24bの接触に基づく信号を信号収集部120を介して信号処理部122に出力する。
信号処理部122は、各スイッチ部20a、20bからの信号より、(1)親指24a、24bがどのスイッチ部16a、16b、18a、18bを操作したのか、(2)親指24a、24bが各スイッチ部16a、16b、18a、18bに対してどのような入力操作(回転、傾動又は押圧)を行ったのか、(3)各スイッチ部16a、16b、18a、18bに対する親指24a、24bの入力操作量(前述した回転量、傾動量又は変位量)がどの程度であるか、(4)各信号が信号処理部122に出力されてから所定時間経過したか、をそれぞれ判断し、判断結果を画像処理部124、ECU128及び表示制御部126に出力する。
この場合、信号処理部122は、情報系車載機器に関わる第1スイッチ部20aから信号が入力されたときには、上記の(1)〜(4)の判断を行った後に、前記判断結果に基づいて、第1計器92の表示画面98(図1参照)に表示すべき前記情報系車載機器に関わる内容を画像処理部124に出力し、第1計器92の表示画面98における表示内容を、現在表示されている車両情報(車速、冷却水温度及び燃料の量)から前記情報系車載機器に関する情報に全面的に又は併記する形で切替表示するように表示制御部126を制御し、さらに、前記判断結果をECU128に出力する。
画像処理部124は、入力された前記内容に基づいて前記情報系車載機器に関わる画像を作成して表示制御部126に出力し、表示制御部126は、信号処理部122からの制御内容に基づいて、表示画面98の画像を現在の車両情報に関わる画像から画像処理部124からの前記画像に切り替えて表示させる。また、ECU128は、信号処理部122から入力された前記判断結果に基づいて前記情報系車載機器を制御する。
一方、信号処理部122は、走行系車載機器に関わる第2スイッチ部20bから信号が入力されたときには、上記の(1)〜(4)の判断を行った後に、前記判断結果に基づいて、第1計器92の表示画面98に表示すべき前記走行系車載機器に関わる内容を画像処理部124に出力し、第1計器92の表示画面98における表示内容を、現在表示されている前記車両情報から前記走行系車載機器に関する情報に全面的に又は併記する形で切替表示するように表示制御部126を制御し、さらに、前記判断結果をECU128に出力する。
画像処理部124は、入力された前記内容に基づいて前記走行系車載機器に関わる画像を作成して表示制御部126に出力し、表示制御部126は、信号処理部122からの制御内容に基づいて、表示画面98の画像を現在の車両情報に関わる画像から画像処理部124からの前記画像に切り替えて表示させる。また、ECU128は、信号処理部122から入力された前記判断結果に基づいて前記走行系車載機器を制御する。
ここで、信号処理部122では、第1計器92の表示画面98に表示すべき情報を、(1)現在の車両情報、(2)走行系車載機器に関わる情報、(3)情報系車載機器に関わる情報の優先順位で表示させるように表示制御部126を制御している。すなわち、ドライバー21による各スイッチ部20a、20bの入力操作がない通常時においては、(1)現在の車両情報が表示画面98に表示される。一方で、各スイッチ部20a、20bに対する入力操作があったときには、(1)現在の車両情報の代わりに(2)走行系車載機器に関わる情報又は(3)情報系車載機器に関わる情報が表示画面98に表示される。この場合、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bから信号処理部122に同時に信号が出力された際には、該信号処理部122は、上記の優先順位に従って、(1)現在の車両情報に代えて、(2)走行系車載機器に関わる情報、(3)情報系車載機器に関わる情報の順番で表示画面98に表示させるように表示制御部126を制御する。
なお、所定時間経過しても各スイッチ部20a、20bから信号処理部122に信号が入力されない場合、信号処理部122は、(1)現在の車両情報を表示させるように表示制御部126を制御する。
次に、上記した第1計器92の表示画面98での切替表示に関する具体例について、図5A〜図5Cを参照しながら説明する。ここでは、一例として、情報系車載機器に関わる第1スイッチ部20aのプッシュスイッチ部18a(図1〜図4参照)をドライバー21が押圧操作したときの表示画面98における切替表示について説明する。
この場合、ドライバー21が親指24aを用いてプッシュスイッチ部18aを押圧操作する度に、表示画面98の表示内容は、図5Aに示す現在の車両情報から図5Bに示すオーディオ機器のオーディオ機能に関する情報、図5Cに示すエアーコンディショナーの空調機能に関する情報に切り替わる。
ここで、図5Bの表示画面98の上部には、プッシュスイッチ部18aで選択された情報系車載機器がオーディオ機器であることを示す文字・記号160が表示され、該表示画面98の下部には、左側より右側に向かって、AMやFMのチャンネル(CH)を示す文字・記号162、前記オーディオ機器の音量(VOL)を示す文字・記号164、前記オーディオ機器におけるAM、FM、CD又はカセットテープのモード(MODE)を示す文字・記号166、前記オーディオ機器に登録されているアーチスト(Artist)を示す文字・記号168がそれぞれ表示されている。
また、図5Cの表示画面98の上部には、プッシュスイッチ部18aで選択された情報系車載機器がエアーコンディショナーであることを示す文字・記号170が表示され、該表示画面98の下部には、左側より右側に向かって、外気を車両10内に導入するか又は内気を車両10内で循環させるか(内外気)を示す文字・記号172、車両10内の設定温度(TEMP)を示す文字・記号174、前記エアーコンディショナーから吹き出される風量(FAN)を示す文字・記号176、ドライバー21に対する風向(MODE)を示す文字・記号178が表示されている。
次に、表示画面98の表示内容と、ドライバー21の親指24a、24bによる第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bの入力操作との対応関係について、図6A〜図7Dに示す具体例を参照しながら説明する。
図6A〜図7Dは、親指24a(図1参照)によるロータリースイッチ部16aの入力操作に基づいて、表示画面98上で文字・記号162〜168、172〜178が順次選択される一例を示すものであり、ここでは、情報系車載機器{オーディオ機器(図6A〜図6D)及びエアーコンディショナー(図7A〜図7D)}に関わる第1スイッチ部20aのロータリースイッチ部16aをドライバー21が親指24aで傾動操作する度に、表示画面98上で文字・記号162〜168、172〜178が順次選択されることを示している。
すなわち、図6Aでは、AMやFMのチャンネルを示す文字・記号162が選択されているが、ドライバー21(図1参照)が親指24aを用いて回転操作部材40(図1〜図3参照)を中心軸64に沿って図1〜図3の右側に傾動させる度に、図6Bに示す文字・記号164、図6Cに示す文字・記号166、図6Dに示す文字・記号168の順で選択される。一方、図6Dに示す文字・記号168が選択されている状態で、ドライバー21が親指24aを用いて回転操作部材40を中心軸64に沿って図1〜図3の左側に傾動させる度に、図6Cに示す文字・記号166、図6Bに示す文字・記号164、図6Aに示す文字・記号162の順で選択される。
また、図7Aでは、内外気を示す文字・記号172が選択されているが、前述したオーディオ機器の場合と同様に、ドライバー21が親指24aを用いて回転操作部材40を中心軸64に沿って図1〜図3の右側に傾動させる度に、図7Bに示す文字・記号174、図7Cに示す文字・記号176、図7Dに示す文字・記号178の順で選択される。一方、図7Dに示す文字・記号178が選択されている状態で、ドライバー21が親指24aを用いて回転操作部材40を中心軸64に沿って図1〜図3の左側に傾動させる度に、図7Cに示す文字・記号176、図7Bに示す文字・記号174、図7Aに示す文字・記号172の順で選択される。
従って、ドライバー21の親指24aによる回転操作部材40の傾動方向と、表示画面98において文字・記号162〜168、172〜178が表示される方向や順次選択されていく方向とは略一致している。
また、図6A〜図7Dにおいて、特定の文字・記号162〜168、172〜178が選択されている状態で、ドライバー21(図1参照)が親指24aを用いて回転操作部材40(図2及び図3参照)を中心軸64を中心として回転させると、選択されている文字・記号162〜168、172〜178が示す各機能を所望の特性値に設定することが可能である。
例えば、図6Bにおいて、音量を示す文字・記号164が選択されている場合に、親指24a(図1参照)によって回転操作部材40(図2及び図3参照)を回転させると、その回転量(回転角度)及び回転方向に対応して前記音量の大きさを調整することが可能である。この場合、図2に示す上方向に向かって回転操作部材40を回転させると、前記音量が大きくなり、一方で、図2に示す下方向に向かって回転操作部材40を回転させると、前記音量が小さくなる。
また、図7Bにおいて、車両10内の設定温度を示す文字・記号174が選択されている場合に、親指24a(図1参照)によって回転操作部材40(図2及び図3参照)を回転させると、その回転量(回転角度)及び回転方向に対応して前記設定温度を設定することが可能である。この場合、図2に示す上方向に向かって回転操作部材40を回転させると、前記設定温度が高くなり、一方で、図2に示す下方向に向かって回転操作部材40を回転させると、前記設定温度が低くなる。
さらに、図6A〜図7Dにおいて、回転操作部材40(図2及び図3参照)を回転させた後に該回転操作部材40を基板52側に押圧すると、設定された前記機能の特性値を固定することが可能である。例えば、図7Bにおいて、車両10内の設定温度を示す文字・記号174が選択されている場合に、該文字・記号174が22[℃]の「22」を示している状態で、親指24aによって回転操作部材40を基板52側に押圧すると、前記設定温度を22[℃]に固定することが可能である。
従って、ドライバー21の親指24aによる回転操作部材40の回転方向と、表示画面98における文字・記号162〜168、172〜178が順次変化していく方向とは略一致している。
次に、ロータリーエンコーダー110a、110b(図4参照)による回転操作部材40の回転量(回転角度)又は変位量の検出と、スイッチ73、75による回転操作部材40の傾動量の検出と、信号処理部122における回転操作部材40の回転動作、傾動動作又は変位動作の判断処理とについて、図8〜図12を参照しながら説明する。
ロータリーエンコーダー110a、110bは、図8に示すように、中心軸64に対して略同軸に接続された円盤140と、この円盤140から中心軸64に沿って離間し、且つ平面視で該円盤140の右側及び左側に互いに略同一高さで配置されたA相検出部144及びB相検出部146とを有する。なお、図8は、図3の中心軸64の左側にロータリーエンコーダー110a(110b)を配置した状態を示しており、円盤140は、その構成を容易に理解をするために、実際のサイズよりも大幅に拡大して図示している。
円盤140は、中心軸64を介して回転操作部材40(図2及び図3参照)と共に回転可能であり、その外周近傍には、半径方向に沿った略矩形状のスリット142が所定角度間隔で設けられている。この場合、各スリット142の間は、中心軸64に沿った方向に進む光を反射可能な反射部148として機能する。
A相検出部144及びB相検出部146は、例えば、図8に示す円盤140の表面側及び裏面側に配置された発光部と受光部とでそれぞれ構成され、前記発光部からの光がスリット142を通過して前記受光部で受光されたときに、該受光部は、受光した光に基づく信号を信号収集部120を介して信号処理部122に出力する。
図8において、回転操作部材40(図2及び図3参照)の回転によって円盤140が所定方向{図8に示す時計方向(CW)又は反時計方向(CCW)}に回転した際に、A相検出部144及びB相検出部146の前方をスリット142が通過する度に、該A相検出部144及びB相検出部146から信号収集部120(図4参照)を介して信号処理部122に、スリット142を通過した光に基づく信号が出力される。
なお、円盤140において、スリット142の代わりに図示しない永久磁石を配置した場合には、A相検出部144及びB相検出部146をホール素子で構成すると、円盤140が前記所定方向に回転した際に、前記ホール素子の前方を前記永久磁石が通過する度に、該永久磁石からの磁束に基づく信号が信号収集部120を介して信号処理部122に出力されるので好適である。
図9A〜図9Cは、図8の円盤140(図2及び図3の回転操作部材40)が中心軸64を中心として時計方向(CW)に回転したときのスリット142及び反射部148と、A相検出部144及びB相検出部146の検出位置150との変化を示すものであり、図9A〜図9C中、右側が時計方向(CW)であり左側が反時計方向(CCW)である。
この場合、円盤140が時計方向(CW)に回転して、検出位置150が図9Aに示す位置から図9B、図9Cに示す右側の位置に順次変化しているが、A相検出部144の検出位置は、B相検出部146の検出位置と比較して、常時、位相が進んだ状態となっている。従って、A相検出部144から信号処理部122(図4参照)に出力される信号の位相は、B相検出部146から信号処理部122に出力される信号の位相よりも進んでおり、従って、信号処理部122は、A相検出部144からの信号及びB相検出部146からの信号を比較して、A相検出部144からの信号の位相が進んでいれば、回転操作部材40(図2及び図3参照)が中心軸64を中心として時計方向(CW)に回転しているものと判断する。
図10A〜図10Cは、図8の円盤140(図2及び図3の回転操作部材40)が中心軸64を中心として反時計方向(CCW)に回転したときのスリット142及び反射部148と、A相検出部144及びB相検出部146の検出位置150との変化を示すものであり、図10A〜図10C中、右側が時計方向(CW)であり左側が反時計方向(CCW)である。
この場合、円盤140が反時計方向(CCW)に回転して、検出位置150が図10Aに示す位置から図10B、図10Cに示す左側の位置に順次変化しているが、A相検出部144の検出位置は、B相検出部146の検出位置と比較して、常時、位相が遅れた状態となっている。従って、A相検出部144から信号処理部122(図4参照)に出力される信号の位相は、B相検出部146から信号処理部122に出力される信号の位相よりも遅れており、従って、信号処理部122は、A相検出部144からの信号及びB相検出部146からの信号を比較して、A相検出部144からの信号の位相が遅れていれば、回転操作部材40が中心軸64を中心として反時計方向(CCW)に回転しているものと判断する。
図11A〜図11Cは、図2及び図3の回転操作部材40が基板52側に押圧されたときのスリット142及び反射部148(図8参照)と、A相検出部144の検出位置150a及びB相検出部146の検出位置150bとの変化を示すものであり、図11A〜図11C中、右側が時計方向(CW)であり左側が反時計方向(CCW)である。
この場合、回転操作部材40が押圧されて基板52側に移動すると、中心軸64を介して回転操作部材40に接続されている円盤140も基板52側に変位し、該円盤140は、図8の下方に変位する。この結果、A相検出部144の検出位置150aから見ると、円盤140は時計方向(CW)方向に回転し、一方で、B相検出部146の検出位置150bから見ると、円盤140は反時計方向(CCW)方向に回転していることになる。従って、A相検出部144及びB相検出部146の検出位置150a、150bは、図11Aの位置から図11B、図11Cに示す位置に順次変化し、A相検出部144及びB相検出部146から信号処理部122に互いに同相の信号が出力される。これにより、信号処理部122は、A相検出部144からの信号及びB相検出部146からの信号を比較して、前記各信号の位相が同相であれば、回転操作部材40が基板52側に押圧されているものと判断する。
なお、前述したように、基板52上には、支持部材70に対向してスイッチ73、75が配置されている(図3参照)。ここで、回転操作部材40(図2及び図3参照)が中心軸64の方向に沿って、例えば、図1〜図3に示す左側に傾動すると、回転操作部材40、中心軸64及び支持部材70の左側が基板52側に変位し、一方で、回転操作部材40、中心軸64及び支持部材70の右側が基板52側からドライバー21側に向かって変位する。この場合、支持部材70の左側がスイッチ73の押しボタン77を基板52側に押圧するので、該スイッチ73はオン状態となり、この結果、スイッチ73から信号処理部122に回転操作部材40(支持部材70)の傾動量に応じたレベルの信号が出力される。一方、スイッチ75の押しボタン79は、支持部材70で押圧されていないので、該スイッチ75はオフ状態であり、従って、スイッチ75から信号処理部122への信号出力はない。
そして、信号処理部122は、スイッチ73、75から入力された信号に基づいて、回転操作部材40、中心軸64及び支持部材70が図1〜図3の左側又は右側に傾動しているのかを判断する。例えば、スイッチ73から信号の入力があり且つスイッチ75からの信号の入力がない場合、信号処理部122は、回転操作部材40、中心軸64及び支持部材70が図1〜図3の左側に傾動しているものと判断する。
図12は、上記した回転動作又は変位動作の判断処理を論理回路を用いて行う信号処理部122内部の一部ブロック図を示す。
信号処理部122内には、スイッチ部152と判断処理部158とが配置され、該スイッチ部152は、A相検出部144からの信号(A相出力)が入力されるスイッチ154aと、B相検出部146からの信号(B相出力)が入力されるスイッチ154bと、判断処理部158からの信号(PUSH出力)が入力されるスイッチ156とで構成されている。
ここで、判断処理部158は、前記A相出力及び前記B相出力の位相を比較して、互いに同相であれば、回転操作部材40(図2及び図3参照)が基板52側に押圧されたものと判断し、スイッチ154a、154bをオフとし且つスイッチ156をオンにする。この結果、互いに同相のA相出力及びB相出力に対応するPUSH出力がスイッチ156を介して出力される。
一方、判断処理部158は、前記A相出力及び前記B相出力の位相を比較して、互いに位相が異なれば、回転操作部材40が中心軸64を中心として回転されているものと判断し、スイッチ154a、154bをオンとし且つスイッチ156をオフにする。この結果、A相出力がスイッチ154aを介して出力され且つB相出力がスイッチ154bを介して出力される。
本実施形態に係る車両用入力装置としての第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bと、この装置を備える車両10とは、基本的には、以上のように構成されるものであり、次に、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bと車両10との作用及び効果について、図1〜図16を参照しながら説明する。
図13〜図15は、ドライバー21(図1参照)が親指24a、24bを用いて第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを入力操作した際における表示画面98の表示切替を示すフローチャートである。
先ず、図13のステップS1において、ドライバー21(図1参照)が図示しないイグニッションスイッチをオンにすると、第1計器92の表示画面98に図1及び図5Aに示す車速、冷却水温度及び燃料タンク内の燃料の量(車両情報)が表示される(ステップS2)。なお、前述したように、図1及び図5Aの表示内容が通常時における表示内容である。
次いで、車両10が走行可能である状態であって、且つドライバー21がステアリングホイール11のリム部12にその手幅で接している状態において、信号処理部122(図4参照)は、走行系車載機器に関わる第2スイッチ部20bが信号を出力したか否かを判定し(ステップS3)、そのような信号が第2スイッチ部20bから出力されていない場合には、ドライバー21によるロータリースイッチ部16b(図1〜図3参照)の入力操作があったか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4では、ロータリースイッチ部16bのロータリーエンコーダー110bやスイッチ73、75(図3及び図4参照)から信号処理部122への信号出力の有無に基づいて前記入力操作があったか否かを判定する。ここで、ロータリーエンコーダー110bやスイッチ73、75から信号処理部122への信号出力が無い場合には、該信号処理部122は、ロータリースイッチ部16bを構成する回転操作部材40への入力操作が行われていないものと判断し、次いで、情報系車載装置に関わる第1スイッチ部20aが信号を出力しているか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、第1スイッチ部20aが信号を出力していない場合、信号処理部122は、ドライバー21によるロータリースイッチ部16aの入力操作があったか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6では、ロータリースイッチ部16a(図1〜図3参照)のロータリーエンコーダー110aやスイッチ73、75(図3及び図4参照)から信号処理部122への信号出力の有無に基づいて前記入力操作があったか否かを判定する。ここで、ロータリーエンコーダー110aやスイッチ73、75から信号処理部122への信号出力が無い場合には、信号処理部122は、ロータリースイッチ部16aを構成する回転操作部材40への入力操作が行われていないものと判断し、表示画面98の表示内容に関して、通常時の車両情報の表示を維持することを決定する。
ステップS3において、第2スイッチ部20bから信号処理部122に信号が出力されていた場合には、該信号処理部122(図4参照)は、走行系車載機器に関する情報を第1計器92の表示画面98(図1参照)に表示させることを決定し(図14のステップS7)、次いで、優先度の高い内容の表示を行うべきであるか否かを判定する(ステップS8)。
ここで、優先度の高い内容の表示とは、前述した優先順位の(1)現在の車両情報の表示であり、ステップS8において、信号処理部122は、第2スイッチ部20bからの信号が接触センサ112bからの信号ではない場合には、前記現在の車両情報の表示を行うべきではないと判断して、次いで、ロータリーエンコーダー110b、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18bからの信号であるか否かを判断する(ステップS9)。
ステップS9において、第2スイッチ部20bからの信号がロータリーエンコーダー110b、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18bからの信号でない場合には、ドライバー21による前回の入力操作から所定時間経過しているか否かを判断する(ステップS10)。
ステップS10において、前回の入力操作から所定時間経過していない場合、信号処理部122は、ステップS7の処理を再度実行する。
また、ステップS8において、第2スイッチ部20b(図1〜図4参照)からの信号が接触センサ112bからの信号である場合、信号処理部122は、ドライバー21が単に第2スイッチ部20bを触っているだけで、回転操作部材40及びプッシュスイッチ部18bの入力操作を実際には行っていないものと判断して、図13のステップS2の処理を実行する。
また、図14のステップS9において、第2スイッチ部20b(図1〜図4参照)からの信号がロータリーエンコーダー110b、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18bからの信号である場合、信号処理部122は、前記信号がドライバー21の親指24bによる回転操作部材40及びプッシュスイッチ部18bの入力操作に基づいて第2スイッチ部20bから出力されたものと判断し、判断結果(画像作成の指示内容)を画像処理部124に出力すると共に、表示制御部126に表示画面98の表示内容を現在の車両情報から走行系車載機器に関わる情報に切り替えて表示するように制御する(ステップS11)。
これにより、画像処理部124は、入力された前記内容に基づいて前記走行系車載機器に関わる画像を作成して表示制御部126に出力し、表示制御部126は、信号処理部122からの制御内容に基づいて、表示画面98の画像を現在の車両情報に関わる画像から画像処理部124からの前記画像に切り替えて表示する(ステップS12)。そして、信号処理部122は、ステップS12の後、ステップS7の処理を再度行う。
また、ステップS10において、信号処理部122は、所定時間経過しても第2スイッチ部20bから信号の出力が無い場合には、該第2スイッチ部20bからの信号出力がないものと判断して、図13のステップS2の処理に移行する。
さらに、ステップS4において、ドライバー21(図1参照)によるロータリースイッチ部16b(図1〜図3参照)の入力操作があった場合、すなわち、ロータリーエンコーダー110bやスイッチ73、75から信号処理部122への信号出力があった場合には、該信号処理部122は、図14のステップS7以降の処理を実行する。
図13のステップS5において、第1スイッチ部20a(図1〜図4参照)が信号を出力した場合、あるいは、ステップS6において、ドライバー21によるロータリースイッチ部16aの入力操作があった場合、すなわち、ロータリーエンコーダー110aやスイッチ73、75から信号処理部122への信号出力があった場合には、該信号処理部122は、図15に示すように、情報系車載機器に関する情報を第1計器92の表示画面98(図1参照)に表示させることを決定し(ステップS13)、次いで、優先度の高い内容の表示を行うべきであるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14において、信号処理部122は、第1スイッチ部20aからの信号が接触センサ112aからの信号ではない場合には、ロータリーエンコーダー110a、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18aからの信号であるか否かを判断する(ステップS15)。
ステップS15において、第1スイッチ部20aからの信号がロータリーエンコーダー110a、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18aからの信号でない場合には、ドライバー21による前回の入力操作から所定時間経過しているか否かを判断する(ステップS16)。
ステップS16において、前回の入力操作から所定時間経過していない場合には、信号処理部122は、ステップS13の処理を再度実行する。
また、ステップS14において、第1スイッチ部20aからの信号が接触センサ112aからの信号である場合、信号処理部122は、ドライバー21が単に第1スイッチ部20aを触っているだけで回転操作部材40及びプッシュスイッチ部18aの入力操作を実際には行っていないものと判断して、図13のステップS2の処理を実行する。
また、図15のステップS15において、第1スイッチ部20a(図1〜図4参照)からの信号がロータリーエンコーダー110a、スイッチ73、75又はプッシュスイッチ部18aからの信号である場合、信号処理部122は、前記信号がドライバー21の親指24aによる回転操作部材40及びプッシュスイッチ部18aの入力操作に基づいて第1スイッチ部20aから出力されたものと判断し、判断結果(画像作成の指示内容)を画像処理部124に出力すると共に、表示制御部126に表示画面98の表示内容を現在の車両情報から情報系車載機器に関わる情報に切り替えて表示するように制御する(ステップS17)。
これにより、画像処理部124は、入力された前記内容に基づいて前記情報系車載機器に関わる画像を作成して表示制御部126に出力し、表示制御部126は、信号処理部122からの制御内容に基づいて、表示画面98の画像を現在の車両情報に関わる画像から画像処理部124からの前記画像に切り替えて表示する(ステップS18)。そして、信号処理部122は、ステップS18の後、ステップS13の処理を再度行う。
また、ステップS16において、前回の入力操作から所定時間経過しても第1スイッチ部20aから信号の出力が無い場合には、信号処理部122は、第1スイッチ部20aからの信号出力がないものと判断して、図13のステップS2の処理を実行する。
このように、本実施形態では、ドライバー21がリム部12にその手幅で接している際に、親指24a、24bが届く範囲内(親指24a、24bの基端部を中心とし且つ前記第1指長を半径とした所定の範囲内)で且つ母指球26a、26bの触れない範囲に第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bが配置されているので、従来技術と比較して、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bの誤操作を確実に防止することができる。また、ドライバー21がリム部12に接した際に親指24a、24bが届く範囲内に第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bが配置されているので、該ドライバー21は、左手22a又は右手22bを離すことなく第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを操作することが可能となり、この結果、利便性の高い車両用入力装置を実現することができる。
また、ドライバー21の前方には、第1計器92が配置されているので、該ドライバー21は、手元の第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを見ることなく、第1計器92の表示画面98での表示内容を見ながら第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを操作し且つ入力操作結果を確認することができるので、ドライバー21に対する利便性がさらに向上する。
さらに、ドライバー21による回転操作部材40の入力操作方向と、第1計器92の表示画面98における各車載機器の機能及びその機能の特性値の階層表示方向とが一致するので、ドライバー21に対する利便性がより一層向上する。
さらにまた、ドライバー21による回転操作部材40の入力操作(傾動操作及び回転操作)によって前記車載機器の機能が選択され、又はこの機能の特性値が設定されるので、従来技術と比較して、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bに必要な部品点数を削減でき、より確実に誤操作を防止することができる。
さらにまた、ドライバー21が前方を見たときに、蓋部材32は、前記水平方向に沿った左右の矢印となるので、該ドライバー21は、回転操作部材40の操作方向を直感的に理解することができ、操作時における誤操作の発生の防止とドライバー21に対する利便性の向上とを共に実現することができる。
この場合、蓋部材32におけるドライバー21側の表面に回転操作部材40の傾動方向を示す矢印表示部34、36を中心軸64に沿って設けると、前記誤操作の発生をより確実に防止し、且つドライバー21に対する利便性をさらに向上させることができる。
さらにまた、第1計器92の表示画面98に表示される情報の優先順位を信号処理部122において予め決めることにより、第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを操作した際に、緊急度の高い情報から優先的に表示されるので、使い勝手の良い車両用入力装置を実現することができる。
さらにまた、ドライバー21が第1スイッチ部20a及び第2スイッチ部20bを入力操作すると、第1計器92は、前記車両情報に代えて、選択された前記車載機器、選択された前記車載機器の機能又は設定された前記機能の特性値を表示するので、車両情報専用の画像表示装置が不要となり、この結果、車両10の製造コストを削減することができる。
さらにまた、本実施形態では、図16に示すように、ドライバー21がフロントガラス202を介して外方を見たときの視線位置194を中心とする視野200や、表示画面98に視線位置198を向けたときの視野196のうち、外界の状況をドライバー21が瞬時に判断できる視野(瞬読視野)190の範囲内で、該ドライバー21は、前記外界の状況と第1計器92の表示内容とを的確に視認し、且つ視野196の範囲内で第2計器80の表示内容を大まかに認識することができる。これにより、ドライバー21は、前記外界又は第1計器92の注視中に車両10の前方方向にあるもの(例えば、歩行者192)を瞬時に認識することが可能となり、歩行者192の存在に対する適切な車両10の運転制御を迅速に行うことができる。
さらにまた、ドライバー21が前方を見たときに、第1計器92がステアリングホイール11の上方に配置され且つヘッドアップディスプレイ方式の画像表示装置となっているので、従来技術と比較して、車両10の走行時におけるドライバー21の視線移動が減少する。
さらにまた、本実施形態では、第1計器92を図1及び図16に示すヘッドアップディスプレイ方式の画像表示装置に代えて、図17に示すように、ドライバー21が前方を見たときに、ステアリングホイール11の上方で且つインストルメントパネル104の上方に内包されるように配置した画像表示装置を採用することも可能である。この構成でも、ドライバー21が前方を見たときに、第1計器92がステアリングホイール11の上方に配置されているので、車両10の走行時におけるドライバー21の視線移動を減少させることが可能である。
なお、本発明に係る車両用入力装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。