JP2007185080A - 交流電動機の回転子位相推定装置 - Google Patents

交流電動機の回転子位相推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相推定装置に関し、広速度範囲運転、加減速運転、高トルク運転を含む広い運転範囲において、安定に動作するセンサレスベクトル制御システムの構成に寄与できる、高周波電圧印加法に基づく回転子位相推定装置を提供することにある。
【解決手段】 回転子位相推定装置の中心機器である位相決定器10を、バンドパスフィルタ10a−1、乗算器10a−2、位相同期器10a−3、ローパスフィルタ10a−4、速応振幅形高周波電圧指令器10a−5から構成し、特に速応振幅形高周波電圧指令器では、交流電動機の回転子速度相当値を用いて高周波電圧指令の振幅を調整の上、これを生成するようにし、課題を解決した。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機(例えば、永久磁石同期電動機、巻線形同期電動機、同期リラクタンス電動機、回転子に永久磁石と界磁巻線をもつハイブリッド界磁形同期電動機、誘導電動機など)のための駆動制御装置に使用される回転子突極の位相(位置と同義)を位置センサを利用することなく、すなわちセンサレスで推定するための回転子位相推定装置に関する。
交流電動機の高性能な制御は、いわゆるベクトル制御法により達成することができる。ベクトル制御法には、回転子の位相あるいはこの微分値である速度の情報が必要であり、従来よりエンコーダ等の位置センサが利用されてきた。しかし、この種の位置センサの利用は、信頼性、軸方向の容積、センサケーブルの引回し、コスト等の観点において、好ましいものではなく、位置センサを必要としない、いわゆるセンサレスベクトル制御法の研究開発が長年に行なわれてきた。
センサレスベクトル制御法の最重要課題は、広い運転範囲で安定的に動作する回転子の位相推定法の確立にある。ある速度以上では、電動機駆動用の電圧・電流情報を利用して、回転子の位相を安定的に推定することが可能である。しかし、ゼロ速度を含む低速域では、駆動用電圧のSN比が低く、さらには固定子の巻線抵抗に対するパラメータ感度が高く、駆動用電圧・電流を用いた位相推定は大変困難であるとの認識が、今日、当業者間では広く受け入れられている。
駆動用電圧・電流を用いた位相推定法の限界を克服すべく、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧を電動機に強制印加し、この応答である高周波電流を抽出・処理して回転子位相を推定する方法(いわゆる高周波電圧印加法)がこれまで、種々開発・報告されたきた。推定すべき回転子位相は回転子の任意の位置に定めてよいが、回転子の負突極位相または正突極位相の何れかを回転子位相に選定するのが一般的である。当業者には周知のように、負突極位相と正突極位相の間には、電気的にπ/2(rad)の位相差があるに過ぎず、何れかの位相が判明すれば、他の位相は自ずと判明する。以上の考慮の上、以降では、一般性を失うことなく、回転子の負突極位相を回転子位相とし、本位相の推定に焦点を当てて説明をする。
高周波電圧印加法による位相推定値は、概して巻線抵抗等の電動機パラメータに不感と言う優れた長所を有する。本特長を具備した高周波電圧印加法に関する先行発明としては、例えば、次のものがある。
(1)藍原隆司、「電動機の磁極位置検出装置」、特開平7−245981(2)T.Aihara,A.Toba,T.Yanase,A.Mashimo,and K.Endo: “Sensorless Torque Control of Salient−Pole Synchronous Motor at Zero−Speed Operation”,IEEE Trans.on Power Electronics,Vol.14,No.1,pp.202−208(1999−1) (3)セウン−キスル、ジョン−イクハ、「交流電動機の磁束基準制御方法及び制御システム」、特開2002−58294(4)D.W.Chung,J.I.Ha,S.K.Sul、井出耕三、室北幾磨、沢俊裕、「誘導電動機の高周波電圧重畳による速度センサレスベクトル制御」、電気学会論文誌D、Vol.120,No.11,pp.1257−1264 (2000−11) (5)井手耕三、「同期電動機の磁極位置推定方法および制御装置」、特開2002−291283 (6)山本康弘、「PMモータの制御方法、および制御装置」、特開2003−153582 (7)山本康弘、「PMモータの制御装置」、特開2003−348896 (8)野村尚史、大沢博、山嵜高裕、糸魚川信夫、「永久磁石同期電動機の制御装置」、特開2001−268974 (9)山崎高裕、大沢博、野村尚史、糸魚川信夫、「永久磁石形同期電動機の制御装置」、特開2002−165483 (10)山崎高裕、大沢博、野村尚史、糸魚川信夫、「永久磁石形同期電動機の制御装置」、特開2002−171798 (11)新中新二、「交流電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特開2002−171799 (12)新中新二、「同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特開2002−199799 (13)新中新二、「交流電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特開2003−274700 (14)山本康弘、「同期電動機のセンサレス計測方法、および同期電動機のセンサレス可変速装置」、特開2004−282873
既報の高周波電圧印加法は、電圧印加を行う座標系上での電圧波形から、一定振幅ゼロ相形と一定振幅正相形とに二別することができる。前者の一定振幅ゼロ相形高周波電圧印加法は、高周波電圧が印加される座標系上からみた場合、一定振幅のゼロ相電圧を印加するものであり、空間的回転はしない。電圧波形は正弦状または矩形状のものが採用されている。上記文献(1)〜(7)は、正弦状の一定振幅ゼロ相電圧を印加する方法に関する発明であり、一方、文献(1)、(8)〜(10)は、矩形状の一定振幅ゼロ相電圧を印加する方法に関する発明である。後者の一定振幅正相形高周波電圧印加法は、高周波電圧が印加される座標系上からみた場合、一定振幅で空間的に回転する高周波電圧を印加する方法であり、電圧波形は正弦状である。上記文献(11)〜(14)が本方法に関する発明となっている。従来の高周波電圧印加法において特に注意すべき特徴は、印加される高周波電圧の振幅は電動機の回転速度の如何にかかわらず常時一定である点にある。本特徴は、一定振幅ゼロ相形、一定振幅正相形に共通して見られる特筆すべき際立った特徴である。
一定振幅ゼロ相形高周波電圧印加法は、回転子速度はゼロまたはこれに準ずるものとして開発されており、本方法が有効に位相推定を行なえる運転速度範囲は、公開の実験結果によると(例えば、文献(2)、(4)など)、ゼロ〜数(rad/s)の極低速域に限定さており、これ以上の速度域では、安定な位相推定は期待できなかった。加えて、印加高周波電圧の応答たる高周波電流を用いた位相推定は、オリジナル発明である文献(1)に見られるように高周波電流の微分処理が必要、あるいはその改良発明である文献(2)に見られるように高周波電流のFFT処理が必要など、その処理はノイズに弱くまた大変煩雑であった。また、処理に要する演算負荷は、煩雑さに起因して性能に不釣合いに大きいものであった。
これに対し、文献(11)〜(13)に示された一定振幅正相形高周波電圧印加法は、当初より、電動機が一定速度で回転していることを想定して開発されおり、この結果、安定な位相推定を可能とする運転速度範囲としては十分に広いものが達成されている。しかしながら、残念なことに加減速運転への考慮がなく、加減速運転に限っては緩慢なものにしか適用できなかった。
以上のように、従来の高周波電圧印加法は、正常な位相推定が期待できる運転範囲が限定されており、この結果、従来の高周波電圧印加法を用いたセンサレスベクトル制御システムの性能は、この運転範囲に限定されることになった。
発明が解決しようとする課題
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、広速度範囲運転、加減速運転、高トルク運転を含む広い運転範囲において、安定に動作するセンサレスベクトル制御システムの構成に寄与できる、高周波電圧印加法に基づく回転子位相推定装置を提供することにある。加えて、高周波電流に対してノイズに敏感な微分処理あるいは演算負荷の大きいFFT処理を必要とせず、簡単な処理で安定な位相推定が可能な回転子位相推定装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相推定装置であって、該交流電動機の回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整の上、これを該交流電動機へ印加するようにした高周波電圧印加手段と、印加された高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、抽出された高周波電流を用いて回転子の突極位相を推定する位相推定手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の回転子位相推定装置であって、高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、該交流電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅ゼロ相信号となるように、回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の回転子位相推定装置であって、高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、該交流電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅正相信号または一定振幅逆相信号となるように、回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整するようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、請求項2、請求項3記載の回転子位相推定装置であって、印加すべき高周波電圧の振幅の調整に用いる該回転子速度相当値に、該交流電動機の回転子速度推定値、該準同期座標系の速度、該駆動制御装置内の速度指令の少なくとも1つを利用することを特徴とする。
請求項5の発明は、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相推定装置であって、該交流電動機へ高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段と、印加された高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、抽出された高周波電流を、回転子突極位相へゼロ位相差または一定位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系の各軸成分として算定し、算定した各軸成分の積たる高周波電流相関信号を少なくとも用いて、回転子突極位相を推定するようにした位相推定手段と、を備えることを特徴とする。
次に本発明の作用について説明する。以下に示す本発明の作用等に関する説明は、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機であれば、永久磁石同期電動機、巻線形同期電動機、同期リラクタンス電動機、ハイブリッド界磁形同期電動機、誘導電動機などの何れの交流電動機にも適用される。埋込磁石形永久磁石同期電動機、同期リラクタンス電動機等は、駆動用電圧に対して突極特性を示す。これらの電動機は、高周波電圧に対しても同様に突極特性を示す。一方、駆動用電圧に対しては突極特性を示さない表面磁石形永久磁石同期電動機、誘導電動機は、高周波電圧に対しては突極特性を示す。これらの事実は、例えば文献(3)、(4)、(11)、(13)にも、述べられている。ハイブリッド界磁形同期電動機は、永久磁石形と巻線形の両同期電動機の特性を有しており、高周波電圧印加に対して突極特性を示し得る。特に、自励式ハイブリッド界磁同期電動機は、突極性が強い。
図1に示したように、制御設計者が指定した速度ωで回転するγδ座標系を考える。主軸(γ軸)から副軸(δ軸)への回転を正方向とする。また、回転子の負突極がγ軸に対し、ある瞬時に位相θγをなしているものとする。以下に扱う交流電動機の物理量を表現した2x1ベクトル信号は、特に断らない限り、すべて本座標系上で定義されているものとする。
先ず、請求項1の発明の作用を説明する。電動機駆動用の電圧に、位相推定用の高周波電圧を重畳印加することを考える。この場合には、次のように、固定子の電圧v1、電流i1、鎖交磁束φ1は、大きくは2成分の合成ベクトルとして表現することができる。
Figure 2007185080
(1)式右辺の信号の脚符f,hは、それぞれ駆動周波数、高周波の成分であることを示している。特に、(1)式各3式の第2項であるν1h,i1h,φ1hの3信号が、本発明と深く関係する、印加された高周波電圧、この応答としての高周波電流、印加高周波電圧に起因した高周波磁束、を各々示している。なお、位相推定用に重畳印加した高周波電圧の周波数は、次の(2)式の関係が成立する十分に高いものとする。
Figure 2007185080
ここに、Iは2x2単位行列であり、Jは次式で定義された2x2交代行列である。
Figure 2007185080
また、Rlは固定子巻線の抵抗であり、記号sは微分演算子d/dtである。
(2)式が成立する場合には、高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機における固定子の高周波成分に関しては、次の(4)〜(6)式の関係が成立する。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
Figure 2007185080
ここに、Li、Lmは固定子の同相インダクタンス、鏡相インダクタンスであり、いわゆるd軸、q軸インダクタンスとは次の関係を有する。
Figure 2007185080
なお、負突極位相を回転子位相に選定する場合、鏡相インダクタンスは負となる。
(4)、(5)式より、高周波電圧に対する高周波電流は、次の(8)式の関係を満足することになる。
Figure 2007185080
(8)式が明快に示しているように、高周波電流は、γ軸からみた回転子位相情報を持つ。従って、高周波電流を処理して、回転子位相情報を抽出することにより、γ軸からみた回転子位相を推定することができるようになる。γδ座標系は設計者が指定した座標系であるので、固定αβ座標系に対するγ軸の位相は当然既知である。従って、γ軸からみた回転子位相推定値よりα軸からみた回転子位相推定値を得ることができるようになる(図1参照)。
高周波電流を駆動用電流から平易に分離するには、両電流の周波数の開きを大きくすることが望ましい。これには、γδ座標系を、回転子位相にゼロ位相差で正確に同期したdq座標系に追随させ(図1参照)、γδ座標系上で強制印加すべき高周波電圧指令を生成し、これに対応した高周波電流を得るようにすればよい。実際の追随には、若干の追随誤差たる位相差(すなわちγ軸からみた回転子位相)を伴うことになるので、γδ座標系は、突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した準同期座標系となる。以降では、特に断らない限り、γδ座標系は、突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した準同期座標系とする。また両座標系は、特に断らない限り、同義で使用する。
(8)式第1式が明示しているように、位相情報を含む高周波電流は、同時に高周波磁束の影響を積の形で直接受ける。高周波電流を抽出・処理し、これから回転子位相を安定的に推定するには、高周波磁束の振幅を一定に保つことが望ましい。ところが、(8)式第2式が示すように、高周波磁束は、準同期座標系の速度ωの影響を直接受ける。このため、印加高周波電圧の振幅を一定する従来技術では、電動機が速度変化する状況下では、高周波磁束は、回転子速度と平均的には等しい準同期座標系の速度の影響を受け、この振幅を一定に保つことはできない。反対に、速度ωによる高周波磁束への影響を考慮して、印加すべき高周波電圧の振幅を調整するならば、高周波磁束の振幅を一定に保つことが可能である(この実現の詳細は、請求項2、請求項3の作用の説明に際して行なう)。
請求項1の発明による回転子位相推定装置は、交流電動機の回転子速度相当値を用いて高周波電圧の振幅を調整し交流電動機へ印加するようにした高周波電圧印加手段を備える。本手段により、交流電動機の速度変化にもかかわらず、安定した一定振幅の高周波磁束が生成されるように、印加すべき高周波電圧の振幅を調整することができると言う作用が得られる。すなわち、請求項1の発明によれば、広い運転速度範囲で位相推定を可能とする、あるいは加減速運転時にも位相推定を可能とする高周波電流と一定振幅の高周波磁束との発生に必要な高周波電圧が印加できるようになると言う作用が得られる。請求項1の発明による回転子位相推定装置は、上記の高周波電圧印加手段に加えて、印加された高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、抽出した高周波電流を用いて回転子の突極位相を推定する位相推定手段とをも備える。この結果、請求項1の発明による回転子位相推定装置によれば、広速度範囲運転、加減速運転等を含む広い運転範囲において、安定的に位相推定を行なえるようになるようになるという作用が得られるようになる。
続いて、請求項2の発明の作用を説明する。請求項2の発明は、高周波電圧印加手段を、高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅ゼロ相信号となるように、印加すべき高周波電圧の振幅を調整するように構成するものである。高周波磁束を準同期座標系上で一定振幅ゼロ相信号とするには、印加すべき高周波電圧を、一定振幅の高周波信号xに対して(9)、(10)式の関係を維持するように生成すればよい。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
(9)式の妥当性は、以下のように証明される。高周波磁束のγ軸、δ軸の各2成分をφγh,φδhと表現する。高周波磁束が一定振幅ゼロ相信号となるには、一定振幅の高周波信号xに対して、次の(11)式の関係が成立しなければならない。
Figure 2007185080
(11)式を(4)式に用いると、(9)式が得られる。
(11)式の一定振幅ゼロ相高周波磁束に対応した高周波電流は、(5)式より、次の(12)式となる。
Figure 2007185080
xが一定振幅の高周波信号である点を考慮すると、(12)式は、このときの高周波電流は、一定振幅のゼロ信号となることを示している。一定振幅のゼロ相高周波信号は、バンドパスフィルタ等で簡単かつ安定的に抽出することができる。この結果、一定振幅のゼロ相高周波信号を用いた位相推定は、簡単化かつ安定化し得る。なお、(12)式の関係は、文献(1)が示した高周波電流微分値に対する関係と異なり(文献(1)の(8)式参照)、高周波電流そのものの関係である点にも注意されたい。(12)式の関係を利用する本発明は、高周波電流の微分処理を必要としない。
請求項2の本発明によれば、高周波磁束が一定振幅ゼロ相信号となるように、印加すべき該高周波電圧を調整する。この結果、請求項2の本発明によれば、位相情報をもつ高周波電流を、一定振幅をもつゼロ信号とすることができるようになると言う作用が得られる。ひいては、位相情報をもつ高周波電流を、バンドパスフィルタ等で簡単かつ安定的に抽出することができるようになると言う作用が得られるようになる。
参考までに、一定振幅ゼロ相高周波磁束を生成するための高周波電圧の具体例を、提示の一般式である(9)、(10)式を活用し、示しておく。一定振幅の高周波信号xとしては、例えば、次の(13)式の正弦信号を考える。
Figure 2007185080
このとき、(10)式に示した2個の係数も定数とする。この場合、(9)式によれば、一定振幅ゼロ相高周波磁束を生成するための高周波電圧は、次の(14)式となる。
Figure 2007185080
γδ座標系(準同期座標系)の速度ωが実効的には回転子速度と等しいことを考慮すると、(14)式は、印加すべき高周波電圧の振幅を回転子速度に応じて調整する正当性を更に裏付けるものとなっている。また、(14)式は、本高周波電圧が準同期座標系上において楕円軌跡を描くことも示している。従来の高周波電圧印加法と異なり、本発明による(14)式の高周波電圧はゼロ相信号でない点には、特に注意されたい。
(11)式に示した一定振幅ゼロ相高周波磁束のγ軸に対する位相を定める係数((10)式参照)を、最も簡単な場合の1つである、次の(15)式のように選定する場合には、
Figure 2007185080
印加すべき可変振幅の楕円形高周波電圧と、この応答たる一定振幅ゼロ相高周波電流は各々(16)、(17)式となる。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
以上、一定振幅ゼロ相高周波磁束のための一定振幅高周波信号xとして正弦信号を用いた場合について、これを生成するための可変振幅の高周波電圧を具体的に例示した。一定振幅の高周波信号xの他の例としては、三角波信号がある。三角波信号の微分値は、矩形波となる。従って、一定振幅ゼロ相高周波磁束のための一定振幅高周波信号xを三角波信号と選定する場合には、このための可変振幅の高周波電圧の形状は、同一周期の矩形波と三角波の形状、あるいはこの合成形状となる。この場合にも、高周波電圧の振幅は、上の例と同様に、回転子速度に応じて調整し変化させることになる。
続いて、請求項3の発明の作用を説明する。請求項3の発明は、高周波電圧印加手段を、高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅正相信号または一定振幅逆相信号となるように、印加すべき高周波電圧の振幅を調整するように構成するものである。高周波磁束を準同期座標系上で一定振幅の正相信号または逆相信号とするには、印加すべき高周波電圧を、(18)式の関係を維持するように生成すればよい。
Figure 2007185080
(18)式の妥当性は、以下のように証明される。一定振幅の正相または逆相の高周波磁束を次の(19)式とする。
Figure 2007185080
(19)式を(4)式に用いれば、直ちに、(18)式が得られる。なお、(19)式の一定振幅高周波磁束は、高周波の符号が正の場合に正相信号となり、負の場合には逆相信号となる。
γδ座標系(準同期座標系)の速度ωが回転子の速度と概ね等しいことを考慮すると、(19)式は、印加すべき高周波電圧は、回転子速度に応じてその振幅を調整し変化させることの正当性を裏付けるている。印加すべき高周波電圧の振幅が一定でなく、回転子速度に応じて変化調整すべものである点は、注視すべき特徴である。このときの高周波電圧は、準同期座標系上において、円軌跡を描くことになる。なお、従来の高周波電圧印加法は、(19)式と異なり、回転子速度の如何にかかわらず、また加減速・一定速の如何にかかわらず、常時一定振幅の正相または逆相の高周波電圧を印加するものである点を指摘しておく。
(18)の高周波電圧、ひいてはこれに起因する(19)式の一定振幅正相あるいは一定振幅逆相の高周波磁束に対応した高周波電流は、(5)式より、次の(20)式となる。
Figure 2007185080
(20)式の右辺第1項i1hiは高周波同相電流ベクトルを、右辺第2項i1hmは高周波鏡相電流ベクトルを各々意味している。従って、例えば、文献(13)の方法に従い、高周波同相電流ベクトル、高周波鏡相電流ベクトルを抽出し、更には、抽出された高周波同相電流ベクトル、高周波鏡相電流ベクトルを用い、回転子位相を推定することができる。
これら高周波電流ベクトルの抽出と抽出した高周波電流ベクトルを用いた位相推定とを、加減速時にでも安定的に行なうには、加減速時においても、高周波磁束を安定させる必要がある。(20)式が明示しているように、加減速時においても、高周波磁束の振幅が一定であれば、これと比例関係にある高周波同相電流ベクトルと高周波鏡相電流ベクトルとは、共に、一定振幅となる。以上の説明より明らかなように、請求項3の発明によれば、加減速時においても、空間的に回転する高周波磁束の振幅を一定にできるようになるので、ひいては、加減速時においても、2種類の高周波電流ベクトルの振幅を一定に保つことができるようになると言う作用が得られる。この結果、高周波電流から、2種類の高周波電流ベクトルをD因子フィルタ等で安定的に抽出することができるようになると言う作用が得られるようになる。
続いて、請求項4の発明の作用について説明する。請求項1、請求項2、請求項3の作用に関する上記説明より、既に明白なように、請求項1乃至請求項3の発明に従って高周波電圧印加手段を具体的に構成するには、回転子速度相当値が必要不可欠である。回転子速度センサを利用できる場合には、回転子速度を直ちに得ることができる。この使用は、位置センサレスでの位相推定を目指す回転子位相推定装置の特長を半減させる。請求項4の発明によれば、回転子速度相当値に、電動機回転子の速度推定値、準同期座標系の速度、該駆動制御装置内の速度指令の少なくとも1つを使用できるようになる。この結果、請求項4の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項3が提唱する高周波電圧印加手段を速度センサを利用することなく構成できるようになると言う作用が得られるようになる。
続いて、本発明の請求項5の作用について説明する。請求項5の発明は、交流電動機へ高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段と、印加された該高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、高周波電流を用いて回転子の突極位相を推定する位相推定手段とを備えた回転子位相推定装置において、特に位相推定手段に関して、高周波電流を、回転子突極位相へゼロ位相差または一定位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において評価し、同座標系上の各軸成分による高周波電流相関信号を少なくとも用いて、回転子突極位相を推定するようにした位相推定手段とするものである。本発明の作用を明快に説明するために、具体例を用いて説明する。
例えば、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において評価した高周波電流として、(17)式のものが抽出入手できたとする。この場合、各軸成分による高周波電流相関信号はその積iγhδhとして求められ、その値は、(21)〜(23)式に示したように、直流成分ci1と高周波成分ci2の線形和で構成される。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
Figure 2007185080
(21)式の高周波電流相関信号の直流成分と高周波成分とは、印加高周波電圧の周波数の2倍の周波数的開きをもっており、直流成分に対する高周波成分の排除は可能である。また、準同期座標系ではγ軸からみた回転子位相は十分に小さくできるので、(22)式に与えた高周波電流相関信号の直流成分は、次の(24)、(25)式のように整理することができる。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
印加高周波電圧の周波数が定数であるので、(25)式の係数は正の一定値となる。本事実を考えると、(24)、(25)式は、高周波電流相関信号の直流成分と準同期座標系のγ軸からみた位相とは単純な比例関係にあることを意味している。
上記の具体例が示すように、請求項5の発明によれば、準同期座標系からみた回転子位相と線形相関をもつ信号を簡単に得ることができるなると言う作用が得られる。
参考までに本作用の利用に関し、補足を行なっておく。高周波電流相関信号には、位相情報を持つ直流成分と位相情報をもたない高周波成分が存在する。しかし、最終的に推定すべき、固定αβ座標系の基軸α軸からみた回転子位相に際しては、高周波成分を陽に除去する必要はない。例えば、次の(26)式に示すPLL(フェーズロックドループ)を構成すれば、PLLによるループ効果で高周波成分の影響が排除でき、高周波電流相関信号から直ちに固定αβ座標系の基軸α軸からみた回転子位相を簡単に推定できる。
Figure 2007185080
上式の位相制御器CPLL(s)は次の(27)式または(28)式に従い設計・実現すればよい。
Figure 2007185080
Figure 2007185080
上述の高周波電流相関信号をPLLへ適用した位相推定に関しては、後に、実施の形態例を用いて更に具体的に説明する。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。同期電動機に対し、本発明の回転子位相推定装置を備えた駆動制御装置を適用した1実施形態例を図2に示す。本発明の主眼は回転子位相推定装置にあるが、電動機駆動制御システム全体における回転子位相推定装置の位置づけを明示すべく、あえて、駆動制御装置を含む電動機駆動制御システム全体から説明する。1は同期電動機を、2は電力変換器を、3は電流検出器を、4a、4bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、5a、5bは共にベクトル回転器を、6は電流制御器を、7は指令変換器を、8は速度制御器を、9はバンドストップフィルタを、10は本発明を利用した位相決定器を、11は係数器を、12は余弦正弦信号発生器を、各々示している。図2では、1の電動機を除く、2から12までの諸機器が駆動制御装置を構成している。本図では、簡明性を確保すべく、2x1のベクトル信号を1本の太い信号線で表現している。以下のブロック図表現もこれを踏襲する。
電流検出器3で検出された3相の固定子電流は、3相2相変換器4aで固定αβ座標系上の2相電流に変換された後、ベクトル回転器5aで突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した準同期座標系の2相電流に変換される。変換電流からバンドストップフィルタ9を介して駆動用電流を抽出し、これを電流制御器6へ送る。電流制御器6は、準同期座標系上の駆動用2相電流が、各相の電流指令に追随すべく準同期座標系上の駆動用2相電圧指令を生成する。ここで、位相決定器10から受けた2相の高周波電圧指令を、駆動用2相電圧指令に重畳させ、重畳合成した2相電圧指令を、ベクトル回転器5bへ送る。5bでは、準同期座標系上の重畳合成の電圧指令を固定αβ座標系の2相電圧指令に変換し、2相3相変換器4bへ送る。4bでは、2相電圧指令を3相電圧指令に変換し、電力変換器2への指令として出力する。電力変換器2は、指令に応じた電力を発生し、同期電動機1へ印加しこれを駆動する。
位相決定器10は、ベクトル回転器5aの出力である固定子電流を受けて、回転子位相推定値、回転子の電気速度推定値、及ぶ高周波電圧指令を出力している。回転子位相推定値は、余弦正弦信号発生器12で余弦・正弦信号に変換された後、準同期座標系を決定づけるベクトル回転器6a,6bへ渡される。
準同期座標系上の2相電流指令は、当業者には周知のように、トルク指令を指令変換器7に通じ変換することにより得ている。速度制御器8には、位相決定器10からの出力信号の1つである回転子速度推定値(電気速度推定値)が、一定値である極対数Npの逆数を係数器11を介して乗じられ機械速度推定値に変換された後、送られている。図2の本例では、速度制御システムを構成した例を示しているので、速度制御器8の出力としてトルク指令を得ている。当業者には周知のように、制御目的がトルク制御にあり速度制御システムを構成しない場合には、速度制御器8は不要である。この場合には、トルク指令が外部から直接印加される。
本発明の核心は位相決定器10にある。速度制御、トルク制御の何れにおいても、位相決定器10には何らの変更を要しない。また、駆動対象電動機を誘導電動機等の他の電動機とする場合にも位相決定器10には何らの変更を要しない。以下では、速度制御、トルク制御等の制御モードに関し一般性を失うことなく、更には、駆動対象の電動機に対して一般性を失うことなく、位相決定器10の実施形態例について説明する。
先ず最初に、請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5の発明を利用した位相決定器10の1実施形態例を、図3に示す。本位相決定器10は、バンドパスフィルタ10a−1、乗算器10a−2、位相同期器10a−3、ローパスフィルタ10a−4、及び速応振幅形高周波電圧指令器(SVA−HFVCと表示)10a−5から構成されている。
位相決定器は固定子電流を受け取ると、固定子電流のγδ座標系の2成分に対して、印加高周波電圧の周波数を中心周波数とするバンドパスフィルタ10a−1で、フィルタリング処理を受け、2個の高周波電流を抽出する。バンドパスフィルタの出力信号は乗算器10a−2で乗算され、(21)式に示した高周波電流相関信号となり、位相同期器10a−3へ送られる。位相同期器10a−3は、(26)式に忠実に従い実現されており、その内部構成は図4の通りである。位相同期器は、γδ座標系(準同期座標系)の位相と速度ωを出力する。このときのγδ座標系の位相は、固定αβ座標系からみた回転子位相の推定値となっており、余弦正弦信号発生器12へ送られる。座標速度は、ローパスフィルタ10a−4でフィルタリングされて電気速度推定値となり、一部は位相決定器から出力され、速度制御のため、係数器11へ向け出力される。電気速度推定値は速応振幅形高周波電圧指令器10a−5へにも送らる。速応振幅形高周波電圧指令器では、本電気速度推定値を回転子速度相当値として用いて、(29)式のように振幅を調整して印加高周波電圧の指令値を生成し、出力している。
Figure 2007185080
(29)式に示した高周波電圧指令の生成原理は、既に説明した(16)式に基づいている。
以上の説明より明らかなように、図3に示した位相決定器の本実施形態例では、ローパスフィルタ10a−4と速応振幅形高周波電圧指令器10a−5とが高周波電圧印加手段を構成し、バンドパスフィルタ10a−1が高周波電流抽出手段を構成し、乗算器10a−2と位相同期器10a−3が位相推定手段を構成している。本実施形態例より明らかなように、位相決定器をソフトウェアで実現する場合、その実行に要する主要な演算は、2個のバンドパスフィルタ、1個のローパスフィルタ、及び2次または3次の位相同期器によるものであり、総合演算負荷は大変軽い。
本発明の提供する回転子位相推定装置は、位相決定器10を中核に、高周波電流抽出手段の一部を構成する電流検出器3、3相2相変換器4a、ベクトル回転器5a、また高周波電圧印加手段の一部を構成するベクトル回転器5b、2相3相変換器4b、電力変換器2からなる。図2が明示しているように、高周波電流抽出手段、高周波電圧印加手段を構成するこれら諸機器は、駆動制御装置と共有しており、回転子位相推定装置の実現に際し追加的に構成する必要はない。
図3の実施形態例では、回転子速度相当値として、回転子の速度推定値を利用したが、準同期座標系の速度を、あるいは、速度制御器への入力である機械速度指令に極対数を乗じた電気速度指令を利用していもよい。あるいは、回転子速度相当値として、これら信号に適当な重みをつけて合成した信号を利用していもよい。
次に、本発明の効果ひいては有用性を確認すべく遂行した実験の1例を示す。駆動制御システムの構成は、図2、図3、図4に示した実施形態例と同一である。ただし、位相同期器10a−3に使用する位相制御器としては、(27)式のものを利用した。供試交流電動機は、(株)安川電機製の400(w)永久磁石形同期電動機である。供試電動機の仕様概要を表1に示す。
Figure 2007185080
本電動機には4逓倍後の実効分解能で4096(p/r)に相当するエンコーダが装着されているが、制御にはもちろん使用していない。これは、回転子の位置、速度の真値と同推定値を比較し、推定値の妥当性を確認するためのものである。
本発明による効果を適切に評価するには、供試電動機に適当な負荷を与える必要がある。このための負荷装置としては、3.7(kW)直流電動機を使用した。直流電動機の慣性モーメントJはJ=0.085(kgm)であり、供試電動機の約53倍である。また、速応振幅形高周波電圧指令器10a−5における高周波の周波数は、ω=2π・400(rad/s)に設定した。
力行定格負荷の下で、定格速度比で約1/350に相当する0.5(rad/s)の極低速度指令を与えた場合の応答を図5(a)(力行),図5(b)(回生)に示す。両図とも、上から、U相電流、回転子機械速度(エンコーダ検出値)、回転子位相の真値と推定値を意味している。時間軸は1(s/div)である。U相電流からは、駆動用電流に重畳された高周波電流が明瞭に確認される。エンコーダにより測定した速度がスパイク状の突出を示しているが、これは極低速運転におけるエンコーダパルスの離散的入力に起因している。回転子位相がほぼ直線的に変位していることより明白なように、回転子は概ね一定速度すなわち0.5(rad/s)で回転を持続している。回転子位相の真値と推定値との差は、視認が困難なほど小さい。同図より、回転子位相が適切に推定され、力行・回生の定格負荷に対して適切なトルク発生と速度制御が行われていることが確認される。位相推定値は、インバータのデッドタイム(2.6(μs))の影響を強く受ける三相電流のゼロクロス点においても、一切の乱れを生じていない。これは、文献(13)(特許文献11)に提示された鏡相形ベクトル制御における位相推定値と異なる、特筆すべき特長である。
定格負荷の下で、定格速度指令180(rad/s)を与えた場合の応答を図6(a)(力行)、図6(b)(回生)に示す。本定格速度では、楕円高周波電圧の短軸/長軸の比は、次の大きな値を取る。
Figure 2007185080
図中の波形の意味は、図5と同様である。ただし、時間軸は5(ms/div)である。本応答においては、回転子速度が高いために、U相電流に重畳している高周波電流の様子は必ずしも明瞭ではない。この場合にも、回転子位相が適切に推定され、良好なトルク発生と速度制御が達成されていることが確認される。
図7は、ゼロ速度指令の速度制御状態で定格負荷を瞬時に印加し、負荷外乱抑圧に関する過渡応答を調べたものである。図中の信号は、上部から、q軸電流(δ軸電流)、指令速度、同応答値、U相電流を示している。時間軸は、2(s/div)である。図より、瞬時負荷に対しても安定したゼロ速度の制御が維持し、かつこの影響を排除していることが理解される。なお、ゼロ速度への回復が遅いが、これは供試電動機の約53倍にも及ぶ負荷装置慣性モーメントを考慮し、速度制御帯域を2(rad/s)に設計したことに起因している。
図2のベクトル制御システムにおいて、速度制御器を撤去し、ベクトル制御システムにトルク指令を直接印加できるようにシステム変更後、センサレスベクトル制御で最も困難とされているゼロ速度での高トルク発生試験を実施した。図8は、負荷装置により供試電動機の速度をゼロ速度状態に保ち、250%定格トルク発生の指令を与えた場合の応答である。図中の信号は、上から、q軸電流(δ軸電流)、U相電流、回転子の位相真値、同推定値を示している。時間軸は0.05(s/div)である。電流軸は、前掲の図5〜7と異なり、5(A/div)に変更されている。約10倍の軸出力をもつ負荷装置の速度制御システム帯域が低いために、トルク指令印加直後に若干の位相変動が見られるが、良好な位相推定がなされ、ひいては所期のトルク発生が行われていることがわかる。
以上示した多面的な実験結果より容易に理解されるように、本発明による回転子位相推定装置を用いた駆動制御装置によるセンサレスベクトル制御システムは、従来の諸課題を克服する優れた効果が得られ、ひいては高い有用性を確保することができる。
続いて、請求項1、請求項3、及び請求項4の発明を利用した位相決定器10の1実施形態例を、図9に示す。本位相決定器10は、同相鏡相ベクトル生成器10b−1、位相偏差検出器10b−2、位相同期器10b−3、及び速応振幅形高周波電圧指令器(SVA−HFVCと表示)10b−4から構成されている。
位相決定器は固定子電流を受け取ると、同相鏡相ベクトル生成器10b−1でフィルタリング処理し、高周波同相電流ベクトルと高周波鏡相電流ベクトルとを抽出し、これを位相偏差検出器10b−2へ送る。位相偏差検出器10b−2は、鏡相特性に基づきγδ座標系(準同期座標系)の基軸γ軸からみた回転子位相を抽出し、これを位相同期器10b−3へ送る。位相同期器10b−3の構成と働きは、既に説明した10a−3と実質同一であり(図4参照)、γδ座標系の位相と速度ωを出力する。このときのγδ座標系の位相は、固定αβ座標系からみた回転子位相の推定値となっており、余弦正弦信号発生器12へ送られる。座標速度ωは、そのまま電気速度推定値として位相決定器から、速度制御のため、係数器11へ向け出力される。座標速度ωは速応振幅形高周波電圧指令器10b−4へにも送られる。本速応振幅形高周波電圧指令器では、座標速度を回転子速度相当値として用いて、(31)式のように振幅を調整して印加高周波電圧の指令値を生成し、出力している。
Figure 2007185080
(31)式に示した高周波電圧指令の生成原理は、(18)式に忠実に従っている。なお、印加高周波電圧の指令値の生成に利用した高周波の周波数値は、同相鏡相電流ベクトル生成器10b−1にも利用されている。図9では、文献(13)の表現に従い、これを明示した。同相鏡相ベクトル生成器10b−1、位相偏差検出器10b−2、位相同期器10b−3の詳細は、本発明の発明者による文献(13)を通して、詳しく公開説明しているので、この説明は省略する。
以上の説明より明らかなように、図9に示した位相決定器の実施形態例では、速応振幅形高周波電圧指令器10b−4が高周波電圧印加手段を構成し、同相鏡相ベクトル生成器10b−1が高周波電流抽出手段を構成し、位相偏差検出器10b−2と位相同期器10b−3とが位相推定手段を構成している。本発明の提供する回転子位相推定装置は、位相決定器10を中核に、高周波電流抽出手段の一部を構成する電流検出器3、3相2相変換器4a、ベクトル回転器5a、また高周波電圧印加手段の一部を構成するベクトル回転器5b、2相3相変換器4b、電力変換器2からなる。図2が明示しているように、高周波電流抽出手段、高周波電圧印加手段を構成するこれら諸機器は、駆動制御装置と共有しており、回転子位相推定装置の実現に際し追加的に構成する必要はない。
図9の実施形態例では、回転子速度相当値として、準同期座標系の速度を利用したが、これに代わって、速度制御器への入力である機械速度指令に極対数を乗じた電気速度指令を利用していもよい。あるいは、回転子速度相当値として、これら信号に適当な重みをつけて合成した信号を利用していもよい。
本発明の実施形態例の説明に利用した図2の駆動制御システムは、同期電動機を駆動制御対象としたものである。誘導電動機を駆動対象にした駆動制御システムにおいて、本発明の位相決定器を活用するには、従来の位相決定器を本発明のものと単純に置換すればよい。誘導電動機を駆動対象にし、位相決定器を用いた代表的な駆動制御システムは、本発明の発明者による文献(13)を通じ既に公開されているので、詳細の説明は省略する。
本発明による位相決定器は、アナログ的に実現可能であるが、最近のディジタル技術の著しい進歩を考えるとディジタル的に構成することが好ましい。ディジタル構成はハードウェア的構成とソフトウェア的構成があるが、当業者にとっては既に自明のように本発明はいずれでも構成できる。
以上、本発明に関し、各種の図を利用しつつ複数の実施形態例を用いて具体的かつ詳しく説明した。上記説明の本発明は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって本発明の技術的範囲を外れない範囲内で多様な変形及び変更が可能なので、前述した実施例及び添付図面に限定されるものではないことを指摘しておく。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、広い運転速度範囲で位相推定を可能とする、あるいは加減速運転時にも位相推定を可能とする高周波電流と一定振幅の高周波磁束との発生に必要な高周波電圧が印加できるようになると言う作用が得られた。ひいては、請求項1の発明によれば、広速度範囲運転、加減速運転等を含む広い運転範囲において、安定的に位相推定を行なえるようになるようになるという作用が得られた。本作用の結果、請求項1の発明によれば、広い運転範囲において、高トルク発生が可能なセンサレスベクトル制御システムが構成できるようになると言う効果が得られる。
次に、請求項2の本発明による効果を説明する。請求項2の発明によれば、位相情報をもつ高周波電流を、一定振幅をもつゼロ信号とすることができるようになると言う作用が得られた。ひいては、位相情報をもつ高周波電流を、バンドパスフィルタ等で簡単かつ安定的に抽出することができるようになると言う作用が得られた。この作用の結果、簡単な処理で安定な位相推定を遂行できる回転子位相推定装置が実現できるようになると言う効果が得られる。ひいては、請求項1の効果を高めることができると言う効果が得られる。
続いて、請求項3の本発明の効果を説明する。請求項3の発明によれば、加減速時においても、2種類の高周波電流ベクトルの振幅を一定に保つことができるようになると言う作用が得られた。ひいては、高周波電流から、2種類の高周波電流ベクトルをD因子フィルタ等で安定的に抽出することができるようになると言う作用が得られた。本作用の結果、加減速時においても、安定な位相推定を遂行できる回転子位相推定装置が実現できるようになると言う効果が得られる。ひいては、請求項1の効果を高めることができると言う効果も得られる。
続いて、請求項4の発明の効果を説明する。請求項4の発明によれば、請求項1が提唱する高周波電圧印加手段を速度センサを利用することなく構成できるようになると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項4の発明によれば、位置センサに加えて、速度センサも必要としない、完全にセンサレスな回転子位相推定装置が実現できるようになると言う効果が得られる。ひいては、請求項1、請求項2、請求項3の効果を高めることができると言う効果も得られる。
続いて、請求項5の発明の効果を説明する。請求項5の発明によれば、準同期座標系からみた回転子位相と線形相関をもつ信号を簡単に得ることができるなると言う作用が得られた。本作用の結果、PLL(フェーズロックドループ)等を併用することにより、固定αβ座標系の基軸α軸からみた回転子位相を簡単に推定できるるようになると言う効果が得られる。ひいては、回転子位相推定装置の簡単な構成が可能となると言う効果が得られるようになる。
以上述べた発明の効果、特に請求項1、請求項2、請求項4、請求項5の発明の効果に関しては、実機実験を通じ明快に実証した。
3種の座標系と回転子位相の関係を示す図 1実施形態例における駆動制御装置の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における位相決定器の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における位相同期器の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における駆動制御装置の制御応答例を示す図 1実施形態例における駆動制御装置の制御応答例を示す図 1実施形態例における駆動制御装置の制御応答例を示す図 1実施形態例における駆動制御装置の制御応答例を示す図 1実施形態例における位相決定器の基本構成を示すブロック図
符号の説明
1 同期電動機
2 電力変換器
3 電流検出器
4a 3相2相変換器
4b 2相3相変換器
5a ベクトル回転器
5b ベクトル回転器
6 電流制御器
7 指令変換器
8 速度制御器
9 バンドストップフィルタ
10 位相決定器
10a−1 バンドパスフィルタ
10a−2 乗算器
10a−3 位相同期器
10a−4 ローパスフィルタ
10a−5 速応振幅形高周波電圧指令器
10b−1 同相鏡相ベクトル生成器
10b−2 位相偏差検出器
10b−3 位相同期器
10b−4 速応振幅形高周波電圧指令器
11 係数器
12 余弦正弦信号発生器

Claims (5)

  1. 駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相推定装置であって、
    該交流電動機の回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整の上、これを該交流電動機へ印加するようにした高周波電圧印加手段と、印加された高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、抽出された高周波電流を用いて回転子の突極位相を推定する位相推定手段と、を備えることを特徴とする回転子位相推定装置。
  2. 高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、該交流電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅ゼロ相信号となるように、回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載の回転子位相推定装置。
  3. 高周波電圧に起因する高周波磁束が、回転子突極位相へゼロ位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系において、該交流電動機の速度変化にもかかわらず一定振幅正相信号または一定振幅逆相信号となるように、回転子速度相当値を用いて印加すべき高周波電圧の振幅を調整するようにしたことを特徴とする請求項1記載の回転子位相推定装置。
  4. 印加すべき高周波電圧の振幅の調整に用いる該回転子速度相当値に、該交流電動機の回転子速度推定値、該準同期座標系の速度、該駆動制御装置内の速度指令の少なくとも1つを利用することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の回転子位相推定装置。
  5. 駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相推定装置であって、
    該交流電動機へ高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段と、印加された高周波電圧の応答たる高周波電流を抽出する高周波電流抽出手段と、抽出された高周波電流を、回転子突極位相へゼロ位相差または一定位相差で位相同期を目指した2軸準同期座標系の各軸成分として算定し、算定した各軸成分の積たる高周波電流相関信号を少なくとも用いて、回転子突極位相を推定するようにした位相推定手段と、を備えることを特徴とする回転子位相推定装置。
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