JP2007184379A - Iii族窒化物半導体結晶、iii族窒化物半導体基板、半導体装置およびiii族窒化物半導体結晶の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体結晶、iii族窒化物半導体基板、半導体装置およびiii族窒化物半導体結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 抵抗値の高いIII族窒化物半導体結晶、III族窒化物半導体基板、半導体装置およびIII族窒化物半導体結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】 GaN基板1のFeドープGaN層14は、遷移金属原子であるFe原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶であって、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3以下である。FeドープGaN層14のFe原子の密度は、5×1017cm−3〜1020cm−3である。また、FeドープGaN層14のFe原子の密度は、FeドープGaN層14中の酸素原子およびシリコン原子の合計の密度よりも高い。
【選択図】 図4

Description

本発明は、遷移金属原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶に関する。
III族窒化物半導体は、バンドギャップが大きく、また、バンド間遷移が直接遷移型であるため、発光素子や、トランジスタを構成する電子材料として期待されている。
このような、III族窒化物半導体により構成される発光素子、トランジスタ等を一枚の基板上に集積したデバイスを作製することにより、システムデバイスの小型化などが望まれる。
このようなデバイスにおいては基板により、各素子間を電気的に分離する必要がある。そのため、基板としては、半絶縁性を示す高抵抗のIII族窒化物半導体基板が要求される。
ここで、III族窒化物半導体基板とは異なる材料ではあるが、GaAsや、InP等のIII-V族半導体結晶に、遷移金属を添加して半絶縁性の結晶を得る技術が特許文献1に開示されている。
特開平4−164892号公報
前述したように、GaAsや、InP等のIII-V族半導体結晶に、遷移金属を添加して半絶縁性の結晶を得る技術は、特許文献1等に開示されているが、現状では、抵抗値が充分に高いIII族窒化物半導体結晶は得られていない。従来から使用されているIII族窒化物半導体基板は、導電性を付与することを目的とした、n型の半導体基板であり、高抵抗のIII族窒化物半導体基板はほとんど提案されていないのである。
本発明の目的は、抵抗値の高いIII族窒化物半導体結晶、III族窒化物半導体基板、半導体装置およびIII族窒化物半導体結晶の製造方法を提供することである。
本発明によれば、少なくとも一種類以上の遷移金属原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶であって、当該窒化物半導体結晶中のIII族原子空孔密度が1×1016cm−3以下であるIII族窒化物半導体結晶が提供される。
ここで、III族原子空孔密度は、陽電子消滅法により測定されたものである。
本発明によれば、III族窒化物半導体結晶に遷移金属原子を添加することで、III族原子空孔に遷移金属原子が入ることとなる。遷移金属原子は、III族原子空孔に入り、アクセプタとして機能し、ドナーを補償する。これにより、高抵抗のIII族窒化物半導体結晶が得られることとなる。
さらには、遷移金属原子がIII族原子空孔に入ることで、III族原子空孔が遷移金属原子で埋められ、III族原子空孔密度が低下する。これに加え、遷移金属原子の導入により、残留電子密度が低減し、フェルミ準位が伝導帯端から離れてバンドギャップの中央に寄る。これにより、III族原子の空孔形成エネルギーが増加する。そのため、III族原子空孔が形成されにくくなる。これらにより、本発明では、III族原子空孔密度を1×1016cm−3以下とすることができる。III族原子空孔密度が低減することによっても、III族窒化物半導体結晶の抵抗値を高めることができる。
また、このようにIII族原子空孔密度が低下したIII族窒化物半導体結晶を使用し、半導体デバイス等を作製した場合、半導体デバイスの機能の低下を防止することができる。
例えば、本発明のIII族窒化物半導体結晶を基板とし、この基板上にGaNチャネル層や、AlGaN電子供給層を形成し、トランジスタを構成することがある。本発明のIII族窒化物半導体結晶は、III族原子空孔密度が低いため、GaNチャネル層に多くの正孔が移動せず、GaNチャネル層の機能が正孔の移動により阻害されることを防止することができる。
ここで、前記遷移金属原子は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuからなる群から選ばれる一または二以上の遷移金属原子であることが好ましい。
これらの遷移金属原子は、フェルミ準位をバンドギャップの中央に寄せる。そのため、III族原子空孔が形成されにくくなり、窒化物半導体結晶中のIII族原子空孔密度を1×1016cm−3以下とすることができる。
なかでも、前記遷移金属原子は、Ti,V,Cr,Fe,Co,Niからなる群から選ばれる一または二以上の遷移金属原子であることが好ましい。
このような遷移金属原子は、III族原子の空孔に入り易く、また、空孔から動きにくいため、このような遷移金属原子を選択することで、抵抗値の高いIII族窒化物半導体結晶が得られることとなる。
さらに、前記遷移金属原子は、Fe原子であることがより好ましい。
III族窒化物半導体結晶をHVPE法で作製する際に、Feを塩化物として安定的に移送することができる。従って、III族窒化物半導体結晶にドープし易く、Fe原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶を安定的に製造することができる。
この際、Si原子およびO原子の合計密度よりも、前記Fe原子密度が高いことがこのましく、さらには、Fe原子の密度が5×1017cm−3〜1×1020cm−3であることが好ましい。
Fe原子の密度を5×1017cm−3〜1×1020cm−3とし、所定の範囲の密度とすることで、結晶性の劣化を抑えつつ、高抵抗のIII族窒化物半導体結晶を得ることができる。
また、当該窒化物半導体結晶は、Gaを必須元素として含むIII族窒化物半導体からなることが好ましい。
Gaを必須元素として含むIII族窒化物半導体としては、InAlyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)があげられる。
遷移金属原子は、Gaの原子の空孔に入り易いため、Gaを必須元素として含むIII族窒化物半導体とすることで、III族原子空孔密度が1×1016cm−3以下のIII族窒化物半導体を確実に得ることができる。
本発明によれば、上述したいずれかのIII族窒化物半導体結晶から構成されるIII族窒化物半導体基板を提供することができる。
さらに、前記III族窒化物半導体基板と、前記III族窒化物半導体基板上に形成された半導体層とを有する半導体装置も提供される。
また、本発明によれば、気相成長装置の反応室内に、III族原料ガスと、窒素原料ガスと、ハロゲン化された遷移金属原子を含むドーピングガスと、を供給して、前記反応室内に保持されている基板上に、少なくとも一種類以上の遷移金属原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶を形成する工程を含み、前記窒素原料ガスの供給量と、前記III族原料ガスの供給量との比であるV/III比が30以下であるIII族窒化物半導体結晶の製造方法が提供される。ここで、前記III族窒化物半導体結晶の成長温度が900℃以上、1200℃以下であることが好ましい。
このような製造方法によれば、III族原子空孔密度が1×1016cm−3以下であるIII族窒化物半導体結晶を製造することができる。
本発明によれば、抵抗値の高いIII族窒化物半導体結晶、III族窒化物半導体基板、半導体装置およびIII族窒化物半導体結晶の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の理解を容易にするために、III族窒化物半導体(GaN)結晶中のGa原子空孔密度を計測する方法に関して説明する。
(Ga原子空孔密度の測定方法)
(陽電子消滅法)
本実施形態において、Ga原子空孔密度は、陽電子消滅法により計測される。
以下に陽電子消滅法について詳細に説明する。
陽電子は電子の反物質で、電子と同じ静止質量(m0)を持つが、その電荷は正である。通常、陽電子は、β+崩壊する放射性同位原子を利用して得られる。陽電子は物質中に入射すると電子と対消滅するが、この際、質量がエネルギーに転換され,主に2個の光子が反対方向に放出される。一つの光子のエネルギーはm0c2(511 keV)となり,γ線領域に対応する(cは光速)。図1に、放射性同位元素(22Na)から放出された陽電子が電子とともに消滅し、γ線を放出する様子を示す。
固体に入射した陽電子はエネルギーを失った後、電子と消滅する。消滅前後で運動量が保存されるためγ線のエネルギー(Eγ)はドップラー効果によりEγ=mc2±ΔEγで与えられる。ここでΔEγ=cpL/2で、pLはγ線放出方向の電子の運動量分布である。図2に陽電子が空孔型欠陥に捕獲される様子を模式的に示した。
固体中では、陽電子はイオン殻から反発力を受け、格子間位置に存在するが(図2(A))、空孔型欠陥に捕獲される可能性もある(図2(B))。欠陥中の電子の電子運動量分布は格子間位置の電子とは異なるので、ドップラー拡がり(ΔEγ)に変化が現れる。従って、陽電子がバルクで消滅したか空孔で消滅したかをγ線のドップラー広がりから判断することができる。多くの場合、陽電子が欠陥に捕獲されることによりΔEγは小さくなり、ドップラー拡がりは先鋭化する。
また、図2(B)に示した空孔型欠陥を有する物質中の電子密度は、図2(A)の空孔を有しない物質中での電子密度よりも低いので、陽電子寿命は長くなる。22Naがβ+崩壊し、陽電子を放出すると、99%以上が22Naの励起状態に移る。この状態は、3×10−12(s)の寿命で1.28MeVのγ線を出して基底状態に遷移する。この1.28MeVのγ線を陽電子が物質に入射したことを示すスタート信号として用いる。この1.28MeVのγ線が放出された時刻と、物質中で陽電子と、電子とが対消滅したことにより、物質中から放出される511keVのγ線が放出された時刻との差を測定することで、陽電子寿命を把握することができる。
(Sパラメータ)
ドップラー拡がりの変化をS(Shape)パラメーターで評価する.Sパラメータは、ドップラー拡がりの中央部分のカウント(図2(A)、(B)のグラフにおいて塗りつぶされている部分)を全カウントで割ったものである。すなわち、空孔型欠陥に陽電子が捕獲されるとSの値は大きくなり、空孔密度が高ければ、Sパラメータは増加する。
(空孔密度と、Sパラメータとの関係)
Sパラメータは、下記の式1で示される。
(式1)
S=S+S
:空孔型欠陥のS値
:陽電子が自由な状態(欠陥フリーな試料)にある際のS値
:空孔型欠陥に捕獲された陽電子が消滅する率(空孔型欠陥に捕獲された陽電子の率)
:自由な状態の陽電子が消滅する率
+f=1
従って、式1のSと、Sとがわかれば、f1を算出することができる。
ここで、f1は、下記の式2で示される。
(式2)
また、Γは、以下の式3で示される。
(式3)
Γ=λ+κ
λは、空孔型欠陥がない試料における陽電子の寿命の逆数である。ここで、空孔型欠陥がないGaNの陽電子寿命は165psである。
(式4)
κ=μ
μは、トラップ能であり、1×1014〜1×1015-1である。なお、κは、トラッピング速度であり、陽電子寿命の計測から求めることもできる。
従って、空孔密度Cを算出することができる。
本実施形態では、22Naにより放射された高エネルギー陽電子線を、モデレータを用いてE=0近くまで減速し、その後、加速電圧を与えて、結晶中の任意の深さに注入する「単色陽電子消滅」法を用いる。
(Ga原子空孔密度の検出限界)
Ga原子空孔密度の検出限界は、1×1016 cm−3である。このGa原子空孔密度の検出限界は、Siの場合の空孔密度の検出下限から類推することができる。図3より、Si中の中性の空孔型欠陥の検出下限は1015cm−3となる。ここで、欠陥が負に帯電すると検出感度が1桁あがることとなる。よって、GaNのGa原子空孔(負に帯電)についての検出感度は1014cm−3となる。
一方、欠陥濃度が低いと考えられるGaN中の陽電子拡散距離は50nm程度であり、Si中の陽電子拡散距離は200nm程度である。陽電子が欠陥を検出できる能力は拡散距離がパラメーターであると考えられる。この場合、GaN中で陽電子がみることができる体積はSiに比較して(0.25)3となる。この数値と、検出感度とを考慮すると、Ga原子空孔密度の検出限界は、1×1016 cm−3となる。
(III族窒化物半導体基板および半導体装置)
図4には、本実施形態のGaN基板1(III族窒化物半導体基板)が示されている。
このGaN基板1は、下地基板であるサファイア基板11と、このサファイア基板11上に形成されたGaN層12と、GaN層12上に形成されたアンドープGaN層13と、このアンドープGaN層13上に形成されたFeドープGaN層14(III族窒化物半導体結晶)とを有する。
アンドープGaN層13は、遷移金属原子が添加されていないGaN層である。
FeドープGaN層14は、遷移金属原子であるFe原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶であって、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3以下である。
ここで、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3以下であるとは、Ga原子のみの空孔のみが存在する場合には、Ga原子のみの空孔の密度が1×1016cm−3以下であり、また、Ga原子と他の不純物原子(例えば、酸素原子)との複合欠陥がある場合には、Ga原子のみの空孔およびGa原子と他の不純物原子(例えば、酸素原子)との複合欠陥とを合計したものの密度が1×1016cm−3以下となる。
また、FeドープGaN層14のFe原子の密度は、5×1017cm−3〜1×1020cm−3である。なかでも、FeドープGaN層14のFe原子の密度は、7×1017cm−3以上であることが好ましい。7×1017cm−3以上とすることで、FeドープGaN層14を確実に半絶縁性とすることができる。
また、FeドープGaN層14のFe原子の密度は、FeドープGaN層14中の酸素原子、シリコン原子の合計の密度よりも高い。例えば、酸素原子、シリコン原子の密度の合計は、5×1017cm−3未満である。
ここで、酸素原子、シリコン原子は、ドナー不純物であり、電子を発生させるものである。
なお、Fe原子の密度、酸素原子、シリコン原子の密度は、例えば、二次イオン質量分析、オージェ分光スペクトル等により測定することができる。
さらに、このようなGaN基板1のFeドープGaN層14の貫通転位密度は、1×108cm-2以下である。また、このようなGaN基板1のFeドープGaN層14の陽電子寿命は、165ps以下である。
図5には、このようなGaN基板1を使用した半導体装置4が示されている。
この半導体装置4は、GaN基板1と、このGaN基板1上に積層された半導体層41とを有する。半導体層41は、GaNチャネル層411と、このGaNチャネル層411上に設けられたAlGaN電子供給層412とを有する。AlGaN電子供給層412上には、ソース電極42、ドレイン電極43が形成されている。さらに、図示しないゲート絶縁膜(例えば、SiO2膜)を介して、AlGaN電子供給層412上には、ゲート電極44も形成されている。
(GaN基板の製造方法)
次に、GaN基板1の製造方法について説明する。
先ず、厚さ2μmのGaN層12が形成された(0001)面のサファイア基板11に、酸化珪素(SiO2)膜を形成する。次に、リソグラフィ技術を用いて、酸化珪素(SiO2)膜をエッチングし、図6(A)に示すように、開口部151を形成し、ストライプ状のマスク15とする。
ここで、マスク15のストライプの長手方向は、サファイア基板11の<1−100>方向に沿った方向である。
なお、GaN層12は、MOCVD(有機金属気相成長)法により、形成されたものである。
次に、図7に示すHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)装置3の反応管30内の基板ホルダ31にマスクが形成されたサファイア基板11をセットする。
そして、ガス導入管33、34より窒素(N2)ガスを供給して反応管(反応室)30内をパージする。反応管30内に供給したガスは、排出口38より排出される。反応管30内を十分パージした後、水素(H2)ガスに切替えて、ヒータ35により反応管30を昇温する。成長領域36の温度が500℃前後となったら、ガス導入管33よりアンモニア(NH3)ガスを加えて昇温する。さらにGaソース37領域の温度が850℃、成長領域36の温度が900℃以上、1200℃以下になるまで昇温を続ける。
Gaソース37領域の温度及び成長領域36の温度が安定してからガス導入管34よりHClガスを加えて供給し、ソースボート39内のガリウム(Ga)37と反応させて塩化ガリウム(GaCl)を生成し、成長領域36に輸送する。成長領域36では、NH3ガスとGaClとが反応して、GaNが成長する。
マスク15の開口部151に形成されたGaNの結晶核から図6(B)に示すように、ファセット構造Fが形成される。このファセット構造Fは、{1−102}を側壁とするものであり、サファイア基板11の基板面に対して傾斜した傾斜面を有し断面三角形状となっている。
その後、図6(C)に示すように、隣接するファセット構造F同士が合体し、マスク15を覆い始める。これにより、図6(D)に示すように、アンドープGaN層13が形成される。
アンドープGaN層13の厚みが所定の厚み(例えば20μm)となったら、管32中にHClガスを導入する。管32中には、棒状の鉄原料(例えば、純度99.999%)32Aが互いに隙間をあけて配置されている。管32内をHClガスが流れることで、FeClが発生する。HClガスの流量を調節する(例えば、0.01cc/min以上、100cc/min以下)ことによって、成長領域36には、所望量のFeClが供給される。なお、管32の径は、1mmφ以上、100mmφであることが好ましい。また、棒状の鉄原料の温度は500℃以上、1200℃以下である。
これにより、アンドープGaN層13上に、FeドープGaN層14が形成されることとなる。
このとき、窒素原料ガス(NH3ガス)の供給量と、III族原料ガス(HClガス)の供給量との比であるV/III比は、30以下である。より好ましくは、V/III比は、15以下である。
また、FeドープGaN層14の成長温度は、900℃以上、1200℃以下である。
さらに、FeドープGaN層14を成長させる際の反応管30内の圧力は常圧程度(例えば0.050MPa以上、0.150MPa以下)である。
反応管30内の圧力を高めることで、HClガスの流速が遅くなり、Gaソースや、鉄原料との反応を充分に促進することができる。これにより、成長領域36には、多くのGaClや、FeClを供給することができ、Ga原子空孔密度が低いFeドープGaN層14を形成することができる。
さらには、未反応のHClガスが成長領域36に供給されにくくなるので、FeドープGaN層14の結晶の質があがり、Ga原子空孔密度が低いFeドープGaN層14を形成することができる。
また、FeドープGaN層14を成長させる際、キャリアガスとして、Hガスを使用することが好ましい。FeドープGaN層14を成長させる際、成長領域36には、GaClが供給されるが、FeドープGaN層14を形成するには、Cl原子をGa原子から分離させる必要がある。このとき、Hガスが多く存在すると、Cl原子がGa原子から分離されやすくなる。これにより、Ga原子の供給量を増加させることができ、Ga原子空孔密度が低いFeドープGaN層14を形成することができる。
ここで、本実施形態では、鉄原料として、有機金属原料を使用せず、高純度鉄(鉄元素を含む無機化合物)を原料としている。鉄原料として、有機金属原料を使用した場合には、FeドープGaN層14中に有機金属原料に含まれる酸素が多量に導入されることとなる。
これに対し、本実施形態では、鉄原料として、高純度鉄(鉄元素を含む無機化合物)を使用しているので、多量の酸素がFeドープGaN層14中に導入されることを防止することができる。
FeドープGaN層14が所定の厚み(例えば、110〜140μm)となった後、管34,32からのHClガスの供給を停止し、ヒータ35の電源を遮断し反応管30を降温する。成長領域36の温度が500℃前後以下となったら、ガス導入管33からのアンモニア(NH3)ガスの供給を停止し、ガス導入管33、34より窒素(N2)ガスを供給して反応管(反応室)30内を十分パージした後、サファイア基板11を取り出す。
HVPE装置3において、ソースボート39および管32は、円筒状の遮蔽部材Sにより区画された領域内に配置されている。
なお、FeドープGaN層14を形成する際のV/III比や、FeドープGaN層14の成長温度等の条件のみならず、900〜1200℃でのサファイア基板11表面の清浄化、ガス供給のサイクル(例えば、GaN成長前に、アンモニアを反応管30内に充填する等)、マスク幅、マスクピッチ、管32の径、管32へのHClガスの供給量、鉄原料の温度、反応管30内の圧力、Hキャリアガスの供給等の種々の条件を最適に調整することで、FeドープGaN層14のGa原子空孔密度を1×1016cm−3以下とすることができる。
このような本実施形態の作用効果を以下に説明する。
本実施形態のGaN基板1は、FeがドープされたFeドープGaN層14を表面に有している。
このFeドープGaN層14では、Ga原子空孔にFe原子が入ることとなる。Fe原子は、Ga原子空孔に入り、アクセプタとして機能し、ドナーを補償する。これにより、高抵抗のFeドープGaN層14が得られることとなる。
さらに、Fe原子を導入することにより、残留電子密度が低減し、フェルミ準位が伝導帯端から離れてバンドギャップの中央に寄ることとなる。これにより、図8に示すように、Ga原子空孔形成エネルギーが増加する(なお、Ga原子のみの空孔の形成エネルギーのみならず、Ga原子と他の不純物原子(例えば、酸素原子)との複合欠陥の形成エネルギーも増加する)。そのため、Ga原子空孔が形成されにくくなると考えられる。なお、図8において、Evは、伝導帯のエネルギー準位を示し、Ecは、価電子帯のエネルギー準位を示す。
さらに、GaN層に、Feを添加することで、Ga原子空孔にFe原子が入ることとなり、空孔密度が減少する。
これに加え、本実施形態では、HVPE法を使用して、FeドープGaN層14を形成している。HVPE法では、V/III比を低くすることができ、さらに、本実施形態では、V/III比を30以下、好ましくは、15以下としているので、III族原子であるGa原子空孔が形成されにくい。また、FeドープGaN層14の下地層となるアンドープGaN層13をFIELO(facet-initiated epitaxial lateral overgrowth)法により形成しているため、アンドープGaN層13、さらには、アンドープGaN層13上のFeドープGaN層14には、貫通転位が少なく、貫通転位に起因する歪場が小さなものとなる。歪場が生じると、その周囲に点欠陥が生じ易くなるが、本実施形態では、歪場が非常に小さいため、FeドープGaN層14に点欠陥が生じにくくなる。すなわち、Ga原子空孔が形成されにくくなるのである。
このような種々の条件のもとで、FeドープGaN層14を形成すると、FeドープGaN層14中のGa原子空孔密度が1×1016cm−3以下とすることができる。Ga空孔密度が低減することによっても、抵抗値の高い半絶縁性のFeドープGaN層14を得ることができる。
なお、FeドープGaN層の抵抗値が高いことは、必ずしもIII族原子空孔密度が低いことを意味するものではない。すなわち、例えば貫通転位密度を高くする、グレイン成長させる、アクセプタとドナーとをほぼ同数大量に存在させる等することで、FeドープGaN層の抵抗値を高くすることが可能である。しかしながら、本実施形態のように、Ga原子空孔密度を制御し、1×1016cm−3以下とすることで、FeドープGaN層14の抵抗値を高めるとともに、FeドープGaN層14上に、GaNチャネル層411や、AlGaN電子供給層412を形成し、トランジスタを構成した際に、GaNチャネル層411に多くの正孔が移動せず、GaNチャネル層411の機能が正孔の移動により阻害されることを防止することができるのである。
また、本実施実施形態では、Fe原子を添加することで、FeドープGaN層14を形成している。
Fe原子は、Ga原子空孔に入り易く、さらに、空孔に入ったFe原子は、空孔から動きにくいため、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3以下である抵抗値の高いFeドープGaN層14が得られることとなる。
これに加え、Feの密度が5×1017cm−3〜1×1020cm−3とし、所定の範囲の密度とすることで、結晶性の劣化を抑えた半絶縁性の高抵抗のFeドープGaN層14を得ることができる。
また、本実施形態では、GaN層14にドープする金属原子として、Fe原子を採用している。FeドープGaN層14をHVPE法で作製する際に、Fe原子を塩化物として安定的に移送することができ、FeドープGaN層14を安定的に製造することができる。
さらに、本実施形態では、Fe原子の密度を、ドナー不純物(酸素原子およびシリコン原子)の密度よりも高くしている。Fe原子は、アクセプタとして機能するため、Fe原子の密度を、ドナー不純物密度よりも高くとすることで、残留ドナーを補償し、高抵抗のFeドープGaN層14を得ることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、FeドープGaN層14を有するGaN基板1を製造したが、これに限らず、FeドープGaN層14を、例えば、素子間の分離を行なう素子分離膜として使用してもよい。
また、例えば、FeドープGaN層14を半導体レーザ装置の電流狭窄層として使用してもよい。このような抵抗値の高いFeドープGaN層14を電流狭窄層として使用することで、有効に電流を阻止することができる。
さらには、前記実施形態では、GaN基板1を、サファイア基板11を有するものとしたが、これに限らず、サファイア基板11を剥離し、GaN自立基板として使用してもよい。
前記実施形態では、GaN基板1を使用して、トランジスタである半導体装置4を構成したが、これに限らず、例えば、GaN基板1上に多数のマトリクス状に配列した微細なLEDを配置した発光装置としてもよい。
また、前記実施形態では、下地基板としてサファイア基板を使用したが、スピネル基板、SiC基板、ZnO基板、Ga基板、シリコン基板等を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、GaN層(III族窒化物半導体結晶)に添加する遷移金属原子として、Fe原子を例示したが、これに限らず、例えば、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuからなる群から選ばれる一または二以上の遷移金属原子であればよい。
図9に示すように、これらの遷移金属原子は、伝導帯と、価電子帯との間の禁制帯にフェルミ準位を形成する(図9の右端の矢印は、各III族窒化物半導体結晶のバンドギャップを示す)。従って、このような遷移金属原子を使用することで、III族原子の空孔形成エネルギーが増加する。そのため、III族原子の空孔が形成されにくくなり、III族原子空孔密度が1016cm−3以下とすることができる。
また、なかでも、Ti,V,Cr,Fe,Co,Niからなる群から選ばれる一または二以上の遷移金属原子であることが好ましい。これらの遷移金属原子は、III族原子の空孔に入り易く、さらに、前記空孔から動きにくいため、このような遷移金属原子を選択することで、抵抗値の高いIII族窒化物半導体結晶が得られることとなる。
さらに、遷移金属原子に加え、他の原子を添加してもよい。
また、前記実施形態では、III族窒化物半導体結晶として、GaNを例示したがこれに限られるものでない。例えば、InAlGaNや、AlGaN等であってもよい。すなわち、InAlyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)であってもよい。
さらには、AlNや、InN等であってもよい。
また、前記実施形態では、FeドープGaN層14の下地層となるアンドープGaN層13をFIELO(facet-initiated epitaxial lateral overgrowth)法により形成したが、これに限らず、例えば、アンドープGaN層13を設けずに、FeドープGaN層14自体をFIELO(facet-initiated epitaxial lateral overgrowth)法により形成してもよい。
さらには、前記実施形態では、鉄原料として、有機金属原料を使用せず、高純度鉄(鉄元素を含む無機化合物)を原料としたが、例えば、製造条件を適宜調整することで、フェロセン等の有機金属原料を使用してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
前記実施形態と同様の方法で、図7に示したHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)装置を使用し、GaN基板を製造した。
厚さ2μmのGaN層が形成された(0001)面のサファイア基板上に、EB(電子ビーム)蒸着によってSiO層を形成し、フォトリソグラフィとフッ酸系のウェットエッチングによって前記実施形態と同様のマスクを形成した。
次に、HVPE装置にサファイア基板を装着し、前記実施形態と同様の方法で、FIELO法によりアンドープGaN層を形成するとともに、FeドープGaN層を形成した。
FeドープGaN層を形成する際の鉄原料の温度は850℃とした。
FeドープGaN層を形成する際のV/III比は、15であり、FeドープGaN層の成長温度が1040℃である。また、HCl(Fe)分圧(全成長ガスに対する鉄原料上HClの分圧)を6.3Paとした。FeドープGaN層の厚みを110μmとした。また、FeドープGaN層中のFe原子濃度は、1.0×1018cm−3であった。
さらに、ドナー不純物密度(酸素原子、シリコン原子の合計密度)は、5×1017cm−3であった。転位密度は2.3×10cm−2であった。
なお、その他のFeドープGaN層の成長条件は以下の通りである。
・マスク幅 3μm
・マスクピッチ 7μm
・管32の径 6mmφ
・鉄原料の温度 850℃
・反応管内の圧力 0.099MPa
・キャリアガス Hガス
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、GaN基板を製造した。
FeドープGaN層を形成する際のV/III比は、15であり、FeドープGaN層の成長温度が1040℃である。また、HCl(Fe)分圧を12.5Paとした。他の条件は、実施例1と同じである。
FeドープGaN層の厚みを120μmとした。
また、FeドープGaN層中のFe原子濃度は、4.0×1018cm−3であった。
さらに、ドナー不純物密度(酸素原子、シリコン原子の合計密度)は、5×1017cm−3であった。転位密度は1.4×10cm−2であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法でGaN基板を製造した。
FeドープGaN層を形成する際のV/III比は、15であり、FeドープGaN層の成長温度は1040℃である。また、HCl(Fe)分圧を62.5Paとした。他の条件は、実施例1と同じである。
FeドープGaN層の厚みを90μmとした。
また、FeドープGaN層中のFe原子濃度は、9.5×1019cm−3であった。
さらに、ドナー不純物密度(酸素原子、シリコン原子の合計密度)は、5×1017cm−3であった。転位密度は2.5×10cm−2であった。
(実施例4)
(0001)面のサファイア基板上に、MOCVD法により厚さ70nmの低温GaNバッファー層を形成した。
具体的には、サファイア基板を1050℃で10分間熱処理した後、降温して500℃で安定させ、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアガスを供給した。TMG、アンモニアガスの供給量は、それぞれ10μmol/min、5000cc/minとし、低温GaNバッファー層は70nmの厚さとした。
次に、前記実施形態と同様のHVPE装置を使用し、前記実施形態と同様の方法でFeドープGaN層を形成した。
ここでのFeドープGaN層は、FIELO法により形成されたものではない。
FeドープGaN層を形成する際のV/III比は、15であり、FeドープGaN層の成長温度は1040℃である。また、HCl(Fe)分圧を12.5Paとした。
FeドープGaN層の厚みを30μmとした。
また、FeドープGaN層中のFe原子濃度は、4.0×1018cm−3であった。
さらに、ドナー不純物密度(酸素原子、シリコン原子の合計密度)は、5×1017cm−3であった。転位密度は1.2×10cm−2であった。
なお、その他のFeドープGaN層の成長条件は以下の通りである。
・管32の径 6mmφ
・鉄原料の温度 850℃
・反応管内の圧力 0.099MPa
・キャリアガス Hガス
(比較例1)
前記実施形態と同様の方法で、GaN基板を製造した。
FeドープGaN層を形成する際のV/III比は、15であり、FeドープGaN層の成長温度が1040℃である。また、HCl(Fe)分圧を3.8Paとした。
FeドープGaN層の厚みを90μmとした。
また、FeドープGaN層中のFe原子濃度は、3.2×1017cm−3であった。
さらに、ドナー不純物密度(酸素原子、シリコン原子の合計密度)は、5×1017cm−3であった。
(比較例2)
FeドープGaN層を形成せず、アンドープGaN層の厚みを180μmとした。他の条件は、実施例1と同じである。
実施例1〜4、比較例1、2のGa原子空孔密度を、前記実施形態で述べた陽電子消滅法により計測したところ、以下のようになった。実施例1〜4では、Ga原子空孔密度は検出限界以下である。また、抵抗率を計測したところ、表1のようになった。
また、図10には、実施例1〜3と、比較例1におけるHCl(Fe)分圧とFe原子濃度との関係、HCl(Fe)分圧と抵抗率との関係を示す。
さらに、図11には、実施例4および比較例2のGaN基板のSパラメータの計測結果を示す。図11中、白丸が比較例2であり、黒四角が実施例4である。図11では、実施例4のSパラメータ(図11の飽和した領域、すなわち、横軸が0.5μm以上の領域の平均値)は、0.4370であり、比較例2のSパラメータ(図11の飽和した領域、すなわち、横軸が0.5μm以上の領域の平均値)は、0.4403である。
なお、陽電子消滅法による計測を行なった装置の分解能はFWHM(full width of half maximum)1.3keV、Sパラメータの計算範囲は511±0.76keVである。
また、実施例4の基板を電気炉内、窒素雰囲気下で熱処理を行なった。結果を表2に示す。
表1を参照すると、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3を超える比較例1、2では、抵抗率が低く、1×10(Ωcm)未満であり、半絶縁性となっていないことがわかる。これに対し、Ga原子空孔密度が1×1016cm−3以下である実施例1〜4では、抵抗率が高く、1×10(Ωcm)以上であり半絶縁性となっていることがわかる。
また、表2を参照すると、熱処理により抵抗率が低下することはなく、耐熱性が高いことがわかる。
陽電子消滅法を説明するための図であり、放射性同位元素(22Na)から放出された陽電子が電子とともに消滅し、γ線を放出する様子を示す図である。 陽電子が空孔型欠陥に捕獲される様子を示す模式図である。 Siにおける空孔密度の検出限界を示す図である。 本発明の実施形態にかかるGaN基板を示す図である。 GaN基板を使用した半導体装置を示す図である。 GaN基板の製造工程を示す図である。 HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)装置を示す模式図である。 Ga原子空孔を形成するエネルギーと、フェルミ準位との関係を示す図である。 各遷移金属原子が伝導帯と、価電子帯との間の禁制帯にフェルミ準位を形成する様子を示す図である。 実施例1〜3と、比較例1におけるHCl(Fe)分圧とFe原子濃度との関係、HCl(Fe)分圧と抵抗率との関係を示す図である。 実施例4および比較例2のGaN基板のSパラメータの計測結果を示す図である。
符号の説明
1 GaN基板(III族窒化物半導体基板)
3 HVPE装置
4 半導体装置
11 サファイア基板
12 GaN層
13 アンドープGaN層
14 FeドープGaN層
15 マスク
30 反応管
31 基板ホルダ
32 管
32A 鉄原料
33 ガス導入管
34 ガス導入管
35 ヒータ
36 成長領域
37 Gaソース
38 排出口
39 ソースボート
41 半導体層
42 ソース電極
43 ドレイン電極
44 ゲート電極
151 開口部
411 チャネル層
412 電子供給層
F ファセット構造
S 遮蔽部材

Claims (10)

  1. 少なくとも一種類以上の遷移金属原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶であって、
    当該窒化物半導体結晶中のIII族原子空孔密度が1×1016cm−3以下であるIII族窒化物半導体結晶。
  2. 請求項1に記載のIII族窒化物半導体結晶において、
    前記遷移金属原子は、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cuからなる群から選ばれる一または二以上の遷移金属原子であるIII族窒化物半導体結晶。
  3. 請求項2に記載のIII族窒化物半導体結晶において、
    前記遷移金属原子は、Fe原子であるIII族窒化物半導体結晶。
  4. 請求項3に記載のIII族窒化物半導体結晶において、
    Si原子およびO原子の合計密度よりも、前記Fe原子密度が高いIII族窒化物半導体結晶。
  5. 請求項3に記載のIII族窒化物半導体結晶において、
    前記Fe原子の密度が5×1017cm−3〜1×1020cm−3であるIII族窒化物半導体結晶。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のIII族窒化物半導体結晶において、
    当該窒化物半導体結晶は、Gaを必須元素として含むIII族窒化物半導体からなるIII族窒化物半導体結晶。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体結晶を有するIII族窒化物半導体基板。
  8. 請求項7に記載のIII族窒化物半導体基板と、
    前記III族窒化物半導体基板上に形成された半導体層とを有する半導体装置。
  9. 気相成長装置の反応室内に、
    III族原料ガスと、
    窒素原料ガスと、
    ハロゲン化された遷移金属原子を含むドーピングガスと、
    を供給して、
    前記反応室内に保持されている基板上に、
    少なくとも一種類以上の遷移金属原子が添加されたIII族窒化物半導体結晶を形成する工程を含み、
    前記窒素原料ガスの供給量と、前記III族原料ガスの供給量との比であるV/III比が
    30以下であるIII族窒化物半導体結晶の製造方法。
  10. 請求項9に記載のIII族窒化物半導体結晶の製造方法において、
    前記III族窒化物半導体結晶の成長温度が900℃以上、1200℃以下であるIII族窒化物半導体結晶の製造方法。
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