JP2005306723A - 窒化ガリウム基板、エピタキシャル基板、および窒化ガリウムを形成する方法 - Google Patents

窒化ガリウム基板、エピタキシャル基板、および窒化ガリウムを形成する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄が添加されており半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウムを形成する方法を提供する。
【解決手段】有機金属塩化水素気相装置11のサセプタ上に、(0001)面を有するサファイア基板といった基板1を配置する。次いで、フェロセンといった鉄化合物のソース13からの鉄化合物ガスGFeと塩化水素ソース15からの塩化水素ガスG1HClを混合器16において反応させて、塩化鉄(FeCl)といった鉄含有反応物のガスGFeCompを生成する。この生成と共に、鉄含有反応物GFeComp、窒素ソース17からの窒素元素を含む第1の物質のガスGおよびガリウム元素を含む第2の物質のガスGGaを反応管21に供給して、鉄が添加された窒化ガリウム23を基板1上に形成する。
【選択図】図2


Description

本発明は、半絶縁性の窒化ガリウム基板、この基板を用いたエピタキシャル基板、および鉄が添加された窒化ガリウムを形成する方法に関する。
文献1(phys. stat. sol. (a) 200, No.1, 18-21 (2003)/DOI 10.1002/pssa.200303273)では、鉄ドープGaN試料が、ハイドライド気相エピタキシ(HVPE)装置を用いてサファイア基板上に成長されている。鉄ドーパントは、金属鉄上をHClを通過させることによって生成された塩化鉄の形態で供給される。最も抵抗が大きいGaNサンプルの鉄濃度は、4×1016cm-3である。
文献2(APPLIED PHYSICS LETTERS Vol.81, No. 3, 15 JULY 2002, 439-441)では、鉄ドープGaN層が、有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて成長されている。鉄ドーパントは、フェロセン(ビスクロペンタジエニル鉄:CpFe)の形態でキャリアガス(水素)を用いて供給されている。7×10Ω/sqを持つGaN層の厚さは、2.6マイクロメートルである。
文献3(特開平11―40897号公報)には、InP系半導体レーザ素子が記載されている。この半導体レーザ素子は、鉄ドープ高抵抗InP半導体層を有している。
phys. stat. sol. (a) 200,No. 1, 18-21 (2003)/DOI 10.1002/pssa.200303273 APPLIED PHYSICS LETTERSVol. 81, No. 3, 15 JULY 2002, 439-441 特開平11-40897号公報
近年、GaN系電子デバイスは、高速高耐圧デバイスを達成できる材料として注目されている。一般に、GaN系電子デバイスを作製するためには、基板としてサファイア基板およびシリコンカーバイト(SiC)基板が用いられている。またGaN系電子デバイスを高速動作させるためには、半絶縁性基板を用いて基板に係る浮遊容量を低減することが必須である。
上記の基板の格子定数は、AlGaN層およびGaN層の格子定数と大きく異なる。これ故に、これらの半導体層には、多数の転位が発生する。このため、さらなる高耐圧デバイスを作製するためには、上記の半導体層の格子定数に近いあるいは一致する基板(例えば、GaN基板およびAlN基板)を用いることが好ましい。GaN基板に関しては、導電性基板がようやく商業的に利用可能になったところであり、半絶縁性GaN基板は利用可能ではない。半絶縁性GaN基板およびAlN基板は両者とも開発段階である。
文献1では、鉄ドーパントは、金属鉄上をHClを通過させることによって塩化鉄の形態で供給される。この方法では、金属鉄の表面上に鉄酸化物が存在するので、塩酸と鉄との反応が不安定である。この方法は、安定した製造を行うためには更なる工夫が必要である。また、キャリアガス中にHが存在すると、
Fe(s)+2HCl(g) = FeCl(g)+H(g)
の反応の平衡が左に傾きFeClの生成が妨げられるので、キャリアガスにはN等の不活性ガスを用いる必要がある。一方、金属鉄の純度は5N程度である。この金属鉄を鉄ソースとして用いる場合、鉄以外の不純物が、鉄と共にドープされる。
文献3では、有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて、鉄がドープされた高抵抗InP半導体膜をフェロセンを用いて成長している。また、文献2では、MOCVD法を用いて、フェロセンが、水素キャリアガスを用いて反応炉へ供給されている。MOCVD法では、基板付近のみが加熱されている。
しかしながら、外部ヒータ加熱を用いるVPE法で基板上にGaN厚膜を堆積する場合、フェロセンは、
CpFe(g)+H(g) → 2C(g)+Fe(g)
という反応により水素と反応する。分解して生じた鉄は、ドロップレット(droplet)になり、鉄ドーパントが適切に基板上に到達しない。故に、鉄添加により高比抵抗を示す半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウム厚膜を作製することができない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、鉄が添加された半絶縁性のGaN基板を提供することを目的とするものであり、またこの基板を用いたエピタキシャル基板を提供することを目的とするものであり、さらに、鉄が添加されており半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウムを形成する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、窒化ガリウム基板は、5×1016cm-3以上の鉄濃度と100マイクロメートル以上の厚さとを有する。
この窒化ガリウム基板によれば、半導体デバイスの作製に用いることができる半絶縁性を示す窒化ガリウム基板が提供される。
本発明に係る窒化ガリウム基板では、該窒化ガリウム基板の比抵抗が1×10Ωcm以上である。
この窒化ガリウム基板によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ1×10Ωcm以上の比抵抗を有する窒化ガリウム基板が提供される。
本発明に係る窒化ガリウム基板では、該窒化ガリウム基板の比抵抗が1×10Ωcm以上であることが好ましい。
この窒化ガリウム基板によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ1×10Ωcm以上の比抵抗を有する窒化ガリウム基板が提供される。
本発明に係る窒化ガリウム基板では、前記鉄濃度は1×1021cm-3以下であることが好ましい。
この窒化ガリウム基板によれば、鉄濃度が1×1021cm-3以下であれば、多量の鉄添加による比抵抗の低下、結晶性の劣化が無い。
本発明の別の側面によれば、エピタキシャル基板は、(a)5×1016cm-3以上の鉄濃度と100マイクロメートル以上の厚さとを有する半絶縁性の窒化ガリウム基板と、(b)前記窒化ガリウム基板上に設けられた一または複数のIII族窒化物膜とを備える。
このエピタキシャル基板によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ半絶縁性を示す窒化ガリウム基板が提供される。
本発明に係るエピタキシャル基板では、前記窒化ガリウム基板の比抵抗値が1×10Ω・cm以上である。
このエピタキシャル基板によれば、比抵抗が1×10Ωcm以上の窒化ガリウム基板を用いており半導体デバイスの作製に用いることができるエピタキシャル基板が提供される。
本発明に係るピタキシャル基板によれば、前記窒化ガリウム基板の比抵抗値が1×10Ω・cm以上であることが好ましい。
このエピタキシャル基板によれば、比抵抗が1×10Ωcm以上の窒化ガリウム基板を用いており半導体デバイスの作製に用いることができるエピタキシャル基板が提供される。
本発明に係るエピタキシャル基板では、前記鉄濃度は1×1021cm-3以下であることが好ましい。
このエピタキシャル基板によれば、鉄濃度が1×1021cm-3以下であれば、多量の鉄添加による比抵抗の低下、結晶性の劣化が無い。
本発明の更なる別の側面は、鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムを形成する方法である。この方法は、鉄化合物を供給して、ハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法で、鉄が添加された窒化ガリウム領域を形成する工程を備える。
この方法によれば、金属鉄を用いること無く鉄化合物を用いるので、鉄ドーピングに伴って鉄以外の不純物が窒化ガリウム領域に添加されることを防ぐことができる。ハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法を用いて鉄化合物を供給するので、鉄のドロップレットの発生が小さく鉄を成長領域に供給することができる。故に、良好な半絶縁性を示す窒化ガリウム領域が形成される。
本発明に係る方法では、窒化ガリウム領域を形成する前記工程では、前記鉄化合物として有機金属鉄が用いられることが好ましい。
この方法では、有機金属鉄が有用である。
本発明に係る方法では、窒化ガリウム領域を形成する前記工程では、前記有機金属鉄として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)の少なくともいずれかが用いられることが好ましい。
好適な実施例では、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄)が有用である。
本発明のまた更なる別の側面は、鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムを形成する方法である。この方法は、(a)鉄化合物および塩化水素を反応させて、鉄を含む反応物を生成する工程と、(b)前記反応物のガス、窒素元素を含む第1のガスおよびガリウム元素を含む第2のガスを反応管に供給して、鉄が添加された窒化ガリウム領域を基板上に形成する工程とを備える。
この方法によれば、原料ガスを反応装置に供給するに先立って、鉄を含む反応物を鉄化合物および塩化水素から生成するので、鉄のドロップレットの発生が小さい。また、鉄を成長領域に供給することができる。金属鉄を用いること無く鉄化合物を用いるので、鉄ドーピングに付随して鉄以外の不純物が窒化ガリウム領域に添加されることを防ぐことができる。
本発明に係る方法では、反応物を生成する前記工程では、前記鉄化合物として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)の少なくともいずれかが用いられることが好ましい。
この方法では、反応物を生成する前記工程では、摂氏300度以上の温度で鉄化合物および塩化水素を反応させることが好ましい。
この方法によれば、第1および第2のガスと共に用いる鉄化合物ガスを生成するためには、摂氏300度以上の温度で鉄化合物ガスおよび塩化水素ガスを反応させることが好ましい。
また、この方法では、反応物を生成する前記工程では、1100度以下の温度で鉄化合物および塩化水素を反応させることが好ましい。
これは、石英管を安定して使用できる上限温度であるからである。
本発明に係る方法では、前記第2のガスの分圧(PGa)と前記鉄化合物ガスの分圧(PFe)との比(PFe/PGa)は0.01以上であることが好ましい。
この方法によれば、GaN成長層内への鉄取り込みが減少すること無く高抵抗の成長層が得られる。
本発明に係る方法では、前記鉄化合物、前記鉄化合物ガスのためのキャリアガスとして、Hガスが使用されることが好ましい。Hガスを用いると、窒素ガスに比べて反応炉内の対流が小さくなるので、表面モフォロジーといった成膜の均一性が向上される。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、鉄が添加された窒化ガリウム基板が提供され、また、この基板を用いたエピタキシャル基板が提供され、さらに、鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムを形成する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態に係る電子デバイス用の半絶縁性基板及びその製造方法を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1(A)は、第1の実施の形態に係る、鉄が添加された窒化ガリウムを形成する方法を示す工程図である。まず、工程S100では、基板を反応装置の支持台上に配置する。基板としては、例えば、(0001)面を有するサファイア基板を用いることができる。この基板に替えて、(0001)面を有するSiC、GaAs基板(111)面、GaP基板(111)面、InP基板(111)面等を用いることができる。
次いで、工程S101では、鉄化合物、ガリウム化合物およびアンモニアを反応炉に供給して、基板上に窒化ガリウム厚膜を形成する。この窒化ガリウム厚膜には、鉄が添加されており、半絶縁性を示す。この成膜は、ハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法で行われる。
この方法によれば、金属鉄を用いること無く鉄化合物を用いるので、鉄ドーピングに伴って鉄以外の不純物が窒化ガリウム領域に添加されることを防ぐことができる。ハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法を用いる成膜においてドーパントとしての塩化鉄を供給するので、鉄のドロップレットの発生が小さい。鉄ドーパントを成長領域に供給できる。故に、良好な半絶縁性を示す窒化ガリウム厚膜がハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法を用いて形成される。
鉄化合物として有機金属鉄が用いられることが好ましい。例えば、有機金属鉄を塩化水素と混合器内で予め反応させた後に、この反応物のガスを反応炉に供給する。反応物には、塩化鉄が含まれる。有機金属鉄として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)の少なくともいずれかが用いられることが好ましい。
窒化ガリウム厚膜は、100マイクロメートル以上の厚さを有しており、好ましくは400マイクロメートル以上の厚さを有する。また、窒化ガリウム厚膜は、5×1016cm-3以上の鉄濃度を有することが好ましい。この鉄濃度によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ半絶縁性の窒化ガリウム基板のために窒化ガリウム厚膜を用いることができる。窒化ガリウム厚膜の比抵抗が1×10Ωcm以上であることが好ましい。この厚膜によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ1×10Ωcm以上の比抵抗を有する窒化ガリウム基板が提供される。また、さらに好ましくは、窒化ガリウム厚膜の比抵抗が1×10Ωcm以上である。この厚膜によれば、半導体デバイスの作製に用いることができ1×10Ωcm以上の比抵抗を有する窒化ガリウム基板を作製できる。窒化ガリウム厚膜の鉄濃度は1×1021cm-3以下であることが好ましい。窒化ガリウム厚膜の鉄濃度が1×1021cm-3以下であれば、多量の鉄添加による比抵抗の低下、結晶性の劣化が無い。窒化ガリウム基板の結晶内含有鉄濃度が1×1017以上1×1021cm−3以下であれば、1×10Ω・cm以上である高品質かつ高比抵抗の窒化ガリウム基板が得られる。この窒化ガリウム基板上に一または複数のIII族窒化物膜を設ければ、窒化ガリウム系電子デバイスのために好適なエピタキシャル基板が提供される。
次いで、工程S102では、図1(B)に示されるように、基板1から窒化ガリウム厚膜3を分離する。自立可能な窒化ガリウム厚膜が得られる。
この後に、工程S103では、図1(B)に示されるように、窒化ガリウム厚膜3をスライスおよび研磨の少なくともいずれか一方の処理を施すことにより、窒化ガリウム厚膜3から一又は複数の窒化ガリウム基板5を作製する。個々の窒化ガリウム基板の厚さは、少なくとも100マイクロメートルである。全体にわたって鉄が添加された半絶縁性のGaN基板が提供される。この半絶縁性基板は、ガリウム窒化物系化合物半導体を用いた電界効果トランジスタといった電子デバイスを作製するために用いることができる。
図1(C)は、半絶縁性窒化ガリウム基板を用いるエピタキシャル基板7を示す図面である。エピタキシャル基板7は、5×1016cm-3以上の鉄濃度と100マイクロメートル以上の厚さとを有する窒化ガリウム基板5と、窒化ガリウム基板5上に設けられた一または複数のIII族窒化物膜9とを備える。基板5の厚さが100マイクロメートル以上であれば、電子デバイス作製用の基板として利用でき、且つ下地としての機械的強度も十分ある。基板5の鉄濃度が5×1016cm-3以上であれば、電子デバイス作製用の基板として利用でき、また浮遊容量も低減可能である。好適な実施例では、III族窒化物膜9a、III族窒化物膜9b、III族窒化物膜9cは、それぞれ、AlInGa1-X-YN(X:0以上1以下、Y:0以上1以下)である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、鉄が添加されており半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウムを形成する方法、窒化ガリウム基板およびエピタキシャル基板が提供される。
(第2の実施の形態)
図2は、有機金属塩化水素気相成長法を用いて、窒化ガリウム基板のための、鉄が添加された窒化ガリウムバルクを形成するための装置を概略的に示す図面である。
まず、(0001)面を有するサファイア基板といった基板1を有機金属塩化水素気相装置11のサセプタ上に配置する。次いで、フェロセンといった鉄化合物のソース13からの鉄化合物ガスGFeと塩化水素ソース15からの塩化水素ガスG1HClを混合器16において反応させて、塩化鉄(FeCl)といった鉄含有反応物のガスGFeCompを生成する。混合器16には、ヒータ20(温度コントローラを含む)が取り付けられている。この生成と共に、反応物GFeComp、窒素ソース17からの窒素元素を含む第1の物質のガスGおよびガリウム元素を含む第2の物質のガスGGaを反応管21に供給して、鉄が添加された窒化ガリウム23を基板1上に形成する。
この方法によれば、原料ガスGFe、GGa、Gを反応管21に供給するに先立って、鉄化合物ガスGFeおよび塩化水素ガスG1HClから、鉄を含む反応物GFeCompを生成するので、反応管21内において鉄のドロップレットの発生が小さく、これにより鉄ドーパントが成長領域23に供給されることができる。金属鉄を用いること無く鉄化合物を用いるので、鉄ドーピングと共に鉄以外の不純物が窒化ガリウム領域に添加されることを防ぐことができる。好適な実施例では、成長装置11は、III族原料として有機金属を用いると共に、V族原料として水素化物であるアンモニア(NH)を用いた有機金属塩化水素VPE装置である。
ガリウム原料としては、温度を一定に保つ恒温装置付き容器内に収納されたトリメチルガリウムといった有機金属ガリウムをキャリアガス(例えば、水素ガス)を用いて反応管21へ輸送する。ガリウム原料と並列に塩化水素ガスG2HClを反応管21へ導入する。トリメチルガリウムおよび塩化水素から、以下の化学反応
(CHGa(g)+HCl(g)+H(g)
→ GaCl(g)+3CH(g)
により塩化ガリウムが生成される。塩化ガリウムのガスは、反応管21に供給される。
アンモニアガスが反応管21に導入される。アンモニアは、下記の化学反応
GaCl(g)+NH(g)
→ GaN(s)+HCl(g)+H(g)
により塩化ガリウムと反応して窒化ガリウムを生成する。窒化ガリウムは基板1上に堆積される。
鉄原料としては、温度を一定に保つ恒温装置付き容器内に収納されたフェロセンといった有機金属鉄をキャリアガス(例えば、水素ガス、或いは水素ガスと不活性ガスとの混合ガス)を用いて反応管21へ輸送する。輸送の途中に設けられた混合器16において、フェロセンは下記の化学反応
CpFe(g)+2HCl(g)
→ 2C(g)+FeCl(g)
により塩化水素と反応して、塩化鉄を生成する。塩化鉄を用いると、ドーパントを基板1の直上に輸送できる。
一実施例では、(0001)面を有するサファイア基板上に、鉄が添加された窒化ガリウム厚膜23を成長する。まず、サファイア基板上に摂氏500度といった低温で、約50ナノメートルのGaNバッファ層23aを成長する。摂氏1000度に昇温した後に、約1時間、バルクGaN厚膜23bを成長する。一実施例では
GaNバッファ層23a:
TMG分圧PTMG=81.06Pa(8×10-4atm)
塩化水素分圧PHCl=81.1Pa(8×10-4atm)
アンモニア分圧PNH3=16200Pa(0.16atm)
バルクGaN厚膜23b:
TMG分圧PTMG=304Pa(3×10-3atm)
塩化水素分圧PHCl=304Pa(3×10-3atm)
アンモニア分圧PNH3=15200Pa(0.15atm)
である。フェロセンといった鉄原料は、パラメータPCp2Fe/PTMGによって規定される。
サファイア基板に替えて、GaAs基板、GaP基板、InP基板、SiC基板等を用いても良く、これらの基板を使用するための成長条件は、GaNバッファ層、バルクGaN層の成長温度として、それぞれ、摂氏550度および摂氏920度を用いる点を除いて、上記のサファイア基板上とほぼ同じである。
好適な実施例では、トリメチルガリウムといった有機金属ガリウムの分圧PTMGの範囲は、50.7Pa(5×10-4atm)以上である。また、分圧PTMGの範囲は、5070Pa(5×10-2atm)以下である。この範囲であると、バルク成長に適した高速成長が実現可能である。
塩化水素の分圧PHClの好適な範囲は、50.7Pa(5×10-4atm)以上である。また、分圧PHClの好適な範囲は、5070Pa(5×10-2atm)以下である。この範囲であると、分圧PHCl2と分圧PTMGを同じ供給分圧、分圧PHCl1と分圧PCp2Feを同じ供給分圧にすることが反応を安定して行うために好適である。
アンモニアの分圧PNH3の好適な範囲は1010Pa(1×10-2atm)以上であり、分圧PNH3の好適な範囲は50700Pa(5×10-1atm)以下である。
また、バルク窒化ガリウム厚膜の成膜のために好適な成膜温度は、摂氏920度以上が好ましい。また、好適な成膜温度は、摂氏1100度以下が好ましい。この範囲であると、結晶欠陥の少ない良質のGaN成長層が得られる。
フェロセンといった有機金属鉄と塩化水素との反応は、摂氏300度以上であることが好ましい。この範囲の温度を越えて温度が低すぎると、反応速度が小さくなり塩化鉄の生成が不十分となる。この結果、反応管21内に鉄のドロップレットが生じる。
本実施の形態においても、有機金属鉄として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)の少なくともいずれかが用いられることが好ましい。
フェロセンといった有機金属鉄とHClを反応させるために、実質的にHガスからなるキャリアガスを用いてもFeドロップレットが生じにくく、また、窒素ガスに比べて反応炉内の対流が小さくなるので、表面モフォロジーといった成膜の均一性が向上される。また、Hガスは、窒素ガスに比べて高純度なものが得られる。
また、トリメチルガリウムといったガリウムソースのガスの分圧(PGa)とフェロセンといった有機金属鉄の分圧(PFe)との比(PFe/PGa)は0.01以上であることが好ましい。この範囲の分圧では、多量の鉄添加による比抵抗の低下、結晶性の劣化が無い。
このように成長されたバルクGaN厚膜を用いて、第1の実施の形態において説明したように、一又は複数の半絶縁性の窒化ガリウム基板を作製することができる。また、この半絶縁性の窒化ガリウム基板上に設けられた一又は複数のIII族窒化物膜(AlInGa1−X−YN膜(0≦X≦1、0≦Y≦1)を備えるエピタキシャル基板が提供される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、鉄が添加されており半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウムを形成する方法、窒化ガリウム基板およびエピタキシャル基板が提供される。
(第3の実施の形態)
図3は、ハイドライドVPE法を用いて、鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムバルクを形成するための装置を概略的に示す図面である。
まず、ハイドライドVPE装置31のサセプタ上に、(0001)面を有するサファイア基板といった基板1を配置する。次いで、フェロセンといった鉄化合物のソース33からの鉄化合物ガスGFeと塩化水素ソース35からの塩化水素ガスG3HClを混合器36において反応させて、塩化鉄(FeCl)といった鉄含有の反応物のガスGFeCompを生成する。混合器36には、ヒータ40(温度コントローラを含む)が取り付けられている。
反応管41内にはIII族原料の金属ガリウムがソースボートといった容器42内に収納されており、この容器42には、塩化水素ソース35から塩化水素ガスG4HClを供給する。容器42には、ヒータ44によって加熱されている。塩化水素ガスG4HClが金属ガリウム上に通過するときに、下記の化学反応
2Ga(l)+2HCl(g) → 2GaCl(g)+H(g)
に従って塩化ガリウム(GaCl)が生じる。ヒータ44を用いて、ソースボードの温度は、例えば摂氏800度以上の温度に保持されている。
反応物GFeCompおよび塩化ガリウムGGaClに加えて、窒素ソース37からの窒素元素を含む第1の物質のガスGを反応管41に供給する。アンモニアガスが反応管41に導入されると、アンモニアは下記の化学反応
GaCl(g)+NH(g)
→ GaN(s)+HCl(g)+H(g)
により塩化ガリウムと反応して、鉄が添加された窒化ガリウム43を基板1上に堆積する。
鉄原料は、温度を一定に保つ恒温装置付き容器内に収納されたフェロセンといった有機金属鉄をキャリアガス(例えば、水素ガス、或いは水素ガスと不活性ガスとの混合ガス)を用いて反応管41へ輸送される。輸送の途中に設けられた混合器36内において、フェロセンは、下記の化学反応
CpFe(g)+2HCl(g)
→ 2C(g)+FeCl(g)
により塩化水素と反応して、塩化鉄を生成する。塩化鉄を用いて、鉄ドーパントを基板1の直上に輸送できる。
この方法によれば、原料ガスGFe、GGa、Gを反応管41に供給するに先立って、鉄化合物ガスGFeおよび塩化水素ガスGHClから、鉄を含む反応物GFeCompを生成するので、反応管41内において鉄のドロップレットの発生が小さく鉄を成長領域43に供給することができる。金属鉄を用いること無く鉄化合物を用いるので、鉄ドーピングに伴って鉄以外の不純物が窒化ガリウム領域に添加されることを防ぐことができる。上記の成長装置31は、III族原料として金属ガリウムを用いると共に、V族原料として水素化物であるアンモニア(NH)を用いたハイドライドVPE装置である。
一実施例では、(0001)面を有するサファイア基板上に、鉄が添加された窒化ガリウム厚膜43を成長する。まず、サファイア基板上に摂氏500度といった低温で、約50ナノメートルのGaNバッファ層43aを成長する。摂氏1000度に昇温した後に、約1時間、バルクGaN厚膜43bを成長する。一実施例では GaNバッファ層43a:
塩化水素分圧PHCl=81.16Pa(8×10-4atm)
アンモニア分圧PNH3=16200Pa(0.16atm)
バルクGaN厚膜43b:
塩化水素分圧PHCl=304Pa(3×10-3atm)
アンモニア分圧PNH3=15200Pa(0.15atm)
である。フェロセンといった鉄原料は、パラメータPCp2Fe/PGaClによって規定される。
これまでに実施の形態と同様に、サファイア基板に替えて、GaAs基板、GaP基板、InP基板、SiC基板等を用いても良く、これらの基板を使用するための成長条件は、GaNバッファ層、バルクGaN層の成長温度として、それぞれ、摂氏550度および摂氏920度を用いる点を除いて、上記のサファイア基板上とほぼ同じである。
また、バルク窒化ガリウム厚膜の成膜のために好適な成膜温度は、摂氏920度以上が好ましい。また、好適な成膜温度は、摂氏1100度以下が好ましい。この範囲であると、結晶欠陥の少ない良質のGaN成長層が得られる。
塩化水素の分圧PHClの好適な範囲は、50.7Pa(5×10-4atm)以上である。また、分圧PHClの好適な範囲は、5070Pa(5×10-2atm)以下である。
アンモニアの分圧PNH3の好適な範囲は、1010Pa(1×10-2atm)以上である。分圧PNH3の好適な範囲は、50700(5×10-1atm)以下である。
フェロセンといった有機金属鉄と塩化水素との反応は、摂氏300度以上であることが好ましく、この範囲の温度では、温度が低すぎると反応速度が小さくなり、塩化鉄の生成が不十分となり反応管内に鉄のドロップレットが生じる。
本実施の形態においても、有機金属鉄として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)の少なくともいずれかが用いられることが好ましい。
フェロセンといった有機金属鉄とHClを反応させるために、実質的にHガスからなるキャリアガスを用いてもFeドロップレットが生じにくく、また、窒素ガスに比べて反応炉内の対流が小さくなるので、表面モフォロジーといった成膜の均一性が向上される。また、Hガスは、窒素ガスに比べて高純度なものが得られる。
また、塩化ガリウムといったガリウムソースのガスの分圧(PGa)とフェロセンといった有機金属鉄の分圧(PFe)との比(PFe/PGa)は0.01以上であることが好ましい。この範囲の分圧であれば、GaN成長層内への鉄取り込みが減少すること無く高抵抗の成長層が得られる。
このように成長されたバルクGaN厚膜を用いて、第1の実施の形態において説明したように、一又は複数の半絶縁性の窒化ガリウム基板を作製することができる。また、この半絶縁性の窒化ガリウム基板上に設けられた一又は複数のIII族窒化物膜(AlInGa1−X−YN膜(0≦X≦1、0≦Y≦1)を備えるエピタキシャル基板が提供される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、鉄が添加されており半絶縁性のGaN基板のための窒化ガリウムを形成する方法、窒化ガリウム基板およびエピタキシャル基板が提供される。
図4は、第2の実施の形態に従って成長された窒化ガリウム厚膜のn型キャリアの濃度を示すグラフである。図5は、第2の実施の形態に従って成長された窒化ガリウム厚膜の比抵抗を示すグラフである。横軸は、フェロセンとトリメチルガリウムとの分圧比(PCp2Fe/PTMG)を示す。図4に示されるように、鉄ドーパントの量が増加するにつれて、n型キャリア濃度が低下する。比抵抗も供給分圧比が上昇するにつれて増加する。PCp2Fe/PTMG=0.68において、比抵抗3×10Ω・cmである。電子デバイスに用いられる基板の比抵抗が1×10Ω・cm以上であることが求められるので、PCp2Fe/PTMG=0.5以上が好ましい。フェロセンを用いて鉄ドープを行わないアンドープGaN膜のキャリア濃度は、1.6×1020cm-3であり、その比抵抗は2.7×10-3Ω・cmである。窒化ガリウム膜の成長速度は、毎時12マイクロメートル程度である。鉄ドーピングの有無により、成長速度の変化は観測されない。
図6は、窒化ガリウム膜の鉄濃度を示す図面である。鉄濃度は、SIMS分析を用いて決定される。フェロセンを加えること無く成長された窒化ガリウム膜の鉄濃度は、検出限界以下である。PCp2Fe/PTMG=2.3×10-2の条件において、鉄濃度は9×1018cm-3であり、PCp2Fe/PTMG=3.4×10-1の条件において、鉄濃度は4×1019cm-3である。
サファイア基板に替えてGaAs基板を用いて実験を行うと、PCp2Fe/PTMG=2.3×10-2、鉄濃度は5×1018cm-3であり、基板の種類に依る鉄濃度の差が実質的にないと考えられる。
以上説明したように、フェロセンといった有機金属鉄を用いて安定的に鉄ドープが可能になり、高抵抗の窒化ガリウム基板のためのバルク窒化ガリウムが形成される。この半絶縁性窒化ガリウム基板を用いて、高速高耐圧電子デバイスを作製できる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1(A)は、第1の実施の形態に係る、鉄が添加された窒化ガリウムを形成する方法を示す工程図である。図1(B)は、バルク窒化ガリウム厚膜から窒化ガリウム基板を作製する手順を示す図面である。図1(C)は、半絶縁性窒化ガリウム基板を用いるエピタキシャル基板を示す図面である。 図2は、有機金属塩化水素気相成長法を用いて、窒化ガリウム基板のための、鉄が添加された窒化ガリウムバルクを形成するための装置を概略的に示す図面である。 図3は、ハイドライドVPE法を用いて、窒化ガリウム基板のための、鉄が添加された窒化ガリウムバルクを形成するための装置を概略的に示す図面である。 図4は、第2の実施の形態に従って成長された窒化ガリウム厚膜のn型キャリアの濃度を示すグラフである。 図5は、第2の実施の形態に従って成長された窒化ガリウム厚膜の比抵抗を示すグラフである。 図6は、窒化ガリウム膜の鉄濃度を示す図面である。
符号の説明
1…基板、3…窒化ガリウム厚膜、5…窒化ガリウム基板、7…エピタキシャル基板、9、9a、9b、9c…III族窒化物膜、11…有機金属塩化水素気相装置、13…鉄化合物ソース、16…混合器、17…窒素ソース、20…ヒータ、21…反応管、23…窒化ガリウム厚膜、23a…GaNバッファ層、23b…バルクGaN厚膜、31…ハイドライドVPE装置、33…鉄化合物ソース、35…塩化水素ソース、36…混合器、37…窒素ソース、40…ヒータ、41…反応管、44…ヒータ、43…窒化ガリウム厚膜、43a…GaNバッファ層、43b…バルクGaN厚膜

Claims (17)

  1. 5×1016cm-3以上の鉄濃度と100マイクロメートル以上の厚さとを有することを特徴とする窒化ガリウム基板。
  2. 該窒化ガリウム基板の比抵抗が1×10Ω・cm以上である、ことを特徴とする請求項1に記載された窒化ガリウム基板。
  3. 該窒化ガリウム基板の比抵抗が1×10Ω・cm以上である、ことを特徴とする請求項2に記載された窒化ガリウム基板。
  4. 前記鉄濃度は1×1021cm-3以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された窒化ガリウム基板。
  5. 5×1016cm-3以上の鉄濃度と100マイクロメートル以上の厚さとを有する半絶縁性の窒化ガリウム基板と、
    前記窒化ガリウム基板上に設けられた一または複数のIII族窒化物膜とを備えることを特徴とするエピタキシャル基板。
  6. 前記窒化ガリウム基板の比抵抗値が1×10Ω・cm以上である、ことを特徴とする請求項5に記載されたエピタキシャル基板。
  7. 前記窒化ガリウム基板の比抵抗値が1×10Ω・cm以上である、ことを特徴とする請求項6に記載されたエピタキシャル基板。
  8. 前記鉄濃度は1×1021cm-3以下であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載されたエピタキシャル基板。
  9. 鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムを形成する方法であって、
    鉄化合物を供給して、ハイドライドVPE法または有機金属塩化水素VPE法で、鉄が添加された窒化ガリウム領域を形成する工程を備えることを特徴とする方法。
  10. 窒化ガリウム領域を形成する前記工程では、前記鉄化合物として有機金属鉄が用いられる、ことを特徴とする請求項9に記載された方法。
  11. 窒化ガリウム領域を形成する前記工程では、前記有機金属鉄として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)いずれかが用いられる、ことを特徴とする請求項10に記載された方法。
  12. 前記鉄化合物のためのキャリアガスとして、Hガスが使用される、ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載された方法。
  13. 鉄が添加されており窒化ガリウム基板のための窒化ガリウムを形成する方法であって、
    鉄化合物ガスおよび塩化水素ガスを反応させて、鉄を含む反応物を生成する工程と、
    前記反応物のガス、窒素元素を含む第1のガスおよびガリウム元素を含む第2のガスを反応管に供給して、鉄が添加された窒化ガリウム領域を基板上に形成する工程と
    を備える、ことを特徴とする方法。
  14. 反応物を生成する前記工程では、前記鉄化合物として、CpFe(ビスシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CFe)およびMeCpFe(ビスメチルシクロペンタジエニル鉄、化学式:(CHFe)いずれかが用いられる、ことを特徴とする請求項13に記載された方法。
  15. 反応物を生成する前記工程では、摂氏300度以上の温度で鉄化合物および塩化水素を反応させる、ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載された方法。
  16. 前記第2のガスの分圧(PGa)と前記鉄化合物ガスの分圧(PFe)との比(PFe/PGa)は0.01以上である、ことを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載された方法。
  17. 前記鉄化合物ガスのためのキャリアガスとして、Hガスが使用される、ことを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載された方法。
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