JPH09134881A - 窒化物系化合物半導体の製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体の製造方法

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JPH09134881A
JPH09134881A JP29231995A JP29231995A JPH09134881A JP H09134881 A JPH09134881 A JP H09134881A JP 29231995 A JP29231995 A JP 29231995A JP 29231995 A JP29231995 A JP 29231995A JP H09134881 A JPH09134881 A JP H09134881A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOCVD法により結晶性の良好なGaN,
InGaN等の窒化物系化合物半導体の結晶を成長させ
る方法を提供する。 【解決手段】 反応炉1内のサセプタ3の上にサファイ
ア基板2を設置し、ヒータ4によってサファイア基板2
を加熱する。原料ガス導入部5から、トリメチルガリウ
ムガス6とメチルアジドガス6とを供給し、サファイア
基板2上にGaNの結晶を成長させる。メチルアジドガ
ス等の分子式がRN3 で表される化合物又は分子式がC
6 Qn H5-n NH2 (Qは有機基,nは0以上5以下の
整数)で表される芳香族アミンを含む原料を窒素源とし
て用いることで、分解温度が低下し、基板温度を低くで
きる。そして、基板温度を低くできるので、窒素取り込
み効率が向上し、N原子空孔も少なくなり、結晶性が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN,InN,
AlN,InGaN,AlGaN等の窒化物系化合物系
半導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、GaN(窒化ガリウム),I
nN,AlN等の窒化物系化合物半導体は、伝導帯の最
小点と価電子帯の最大点とが互いに近い波数位置にある
直接遷移型の化合物半導体であり、かつ広いエネルギー
ギャップを持つために、短波長光源や耐環境デバイスと
して脚光を浴びている。例えば、窒化ガリウム(以下G
aN)は約3.4eVの広いエネルギーギャップを持っ
ているために、青色から紫外領域にわたる光を発する発
光素子として有望な材料である。
【0003】かかるGaN系化合物半導体の結晶の製造
には、一般的に有機金属気相蒸着法(以下、MOCVD
法という)が用いられている。一般に、MOCVD法に
おけるGaN系化合物半導体結晶の成膜には、Gaを含
む原料としてトリメチルガリウム(Ga(CH3 )3 )
を用い、窒素を含む原料としてアンモニア(NH3 )を
用いることが多い。そして、トリメチルガリウムを分解
して得られるGaとアンモニアを分解して得られる窒素
とをサファイア単結晶基板上に付着させて、GaNの結
晶膜を成長させる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のMOCVD法では、以下のような問題があった。
【0005】すなわち、NH3 ガスの分解には800℃
以上の高温を要するので、上記従来のMOCVD法で
は、基板の表面付近のNH3 ガスを800℃以上に加熱
するには、基板温度を1000℃以上にする必要があ
る。ところが、窒素原子の付着係数が小さいことから、
かかる高温状態では基板の結晶中への窒素原子の取り込
み係数が低下し、いったん基板の結晶に付着した窒素も
脱離しやすい状態となる。そのために結晶中に多数の窒
素の空孔が形成され、結晶性が悪化する。また、結晶中
に多数の窒素の空孔が形成されるので、成長したGaN
系化合物半導体結晶はn型伝導性を示し、高抵抗のGa
N系結晶を形成したり、不純物のドーピングによる伝導
性の制御、即ちp型伝導のGaN系化合物半導体結晶を
得ることが困難であった。また、N原子の空孔を低減す
べく、窒素源であるNH3 ガスを大量に供給すると、反
応室内の圧力制御が困難となるなど装置上の制約が生じ
る。そのために、良好な発光特性を有する発光素子など
を得ることが困難であり、かつ製造効率も極めて低いと
いう問題があった。
【0006】さらに、GaN/AlGaN/InGaN
/AlGaN/GaNなどに代表されるInを含む3元
或いは4元混晶のヘテロ構造を作成する場合には上記問
題に加えて、さらに下記のような問題があった。例え
ば、InGaNを成長させる場合、InNが800℃以
上では容易に分解してしまうため、800℃以下の低温
での成長を必要とする。ところが、上述のようにGaN
等の成長には高温を要するので、InGaNとそれ以外
のGaN系化合物半導体層との成長温度を変化させる必
要が生じる。このため、各半導体層の熱膨張係数の違い
により、成膜中に欠陥の発生を招く虞れがあった。ま
た、成長温度を変化させるためにはプロセスを中断する
必要が生じるが、プロセスの中断中に不純物がそれまで
に成長した膜の表面に堆積し、発光デバイスを作成した
場合の光学特性の悪化を招く。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、下記の目的を有する。
【0008】第1の目的は、高い製造効率で窒素原子の
空孔が少ないかつ抵抗の高い良好な結晶性を有する窒化
物系化合物半導体結晶を形成し得る窒化物系化合物半導
体の製造方法を提供することにある。
【0009】第2の目的は、良好な結晶性を有する窒化
物系化合物半導体の結晶を複数種類積層してなるヘテロ
構造を有する窒化物系化合物半導体の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記第1の
目的を達成するために請求項1〜7に記載される第1の
窒化物系化合物半導体の製造方法に係る手段と、請求項
8〜11に記載される第2の窒化物系化合物半導体の製
造方法に係る手段とを講じ、上記第2の目的を達成する
ために請求項12に記載される手段を講じている。
【0011】ここで、第1及び第2の窒化物系化合物半
導体の製造方法が講じた手段は、窒素源として低温状態
で分解して基板上に付着する機能を有する原料を用いて
化合物半導体の結晶を成長させることにある。
【0012】具体的に、本発明の第1の窒化物化合物半
導体の製造方法は、請求項1に記載されるように、反応
容器内に設置された基板を加熱する工程と、上記反応容
器内に、少なくとも1種類のIIIb族元素を含む第1の原
料と少なくとも分子式R−N3 (Rは有機基)で表され
るアゾ化合物を含む第2の原料とを供給し、上記基板上
で上記第1及び第2の原料を分解させて、上記基板上に
窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる工程とを備え
ている。
【0013】この方法により、下記の作用が得られる。
すなわち、従来のMOCVD法のごとく、N原子に非局
在化した原子(H原子)が結合しているNH3 ではN−
Hの結合を切断するには非常に大きな熱エネルギーを必
要としていたために、高温下で結晶成長させる必要があ
った。それに対し、窒素を含む第2の原料としてR−N
3 で表されるアゾ化合物(トリアゾ基を有する化合物)
を用いることによりN原子の周りの電子が局在化される
ため、R−Nの結合を切断するのに必要な熱エネルギー
が極めて小さくなり、低温状態での結晶成長が可能とな
る。さらに、電子が局在化しているため、完全に分解し
ない状態で基板表面に原料が供給された場合において
も、基板表面原子とR−N3 のN原子との間で電子の供
与・吸引によりR−Nの結合が切断される。このように
低温で結晶成長する場合には、いったん結晶中に取り込
まれたN原子が脱離することもないので、N原子の取り
込み効率が向上し、N原子の空孔の少ない結晶性の良好
な窒化物系化合物半導体の結晶が基板上に成長するとと
もに、結晶の成長速度も速くなる。また、反応室内の圧
力制御も容易となり、装置上の制約も大幅に緩和され
る。
【0014】請求項2に記載されるように、請求項1の
製造方法において、上記窒化物系化合物半導体を成長さ
せる工程の前に、上記反応容器内に、少なくとも分子式
R−N3 (Rは有機基)で表されるアゾ化合物を含む第
2の原料を供給して上記基板上で上記第2の原料を分解
させて、上記基板上に窒化層を形成する工程をさらに設
けることができる。
【0015】この方法により、経験的に成長する化合物
半導体膜の平坦度が向上するとともに、結晶性もより良
好となる。
【0016】請求項3に記載されるように、請求項1又
は2の製造方法において、上記分子式中のR−基をメチ
ル基とすることができる。
【0017】この方法により、第2の原料が分子式CH
3 −N3 で表されるメチルアジド(別名トリアゾメチ
ル)となる。メチルアジドは500℃で、メチル基,N
2 及びNラジカルに分解するため、基板温度も700℃
程度に加熱すれば足りる。したがって、従来のMOCV
D法のごとく1000℃以上に基板を加熱するのと比
べ、窒素の取り込み効率が極めて大きくなる。
【0018】請求項3〜7に記載されるように、請求項
1又は2の製造方法において、上記分子式中のR−基を
アルキル基,アルキニル基,アルケニル基または芳香族
基とすることができる。
【0019】この方法により、電子の吸引・供与を起こ
す機能が高くなり、第2の原料の分解温度が極めて低く
なる。特に、アルキル基のような飽和脂肪族よりもアル
ケニル基やアルキニル基のような不飽和脂肪族のほう
が、π電子を有するため電子の吸引・供与を起こしやす
い。
【0020】本発明に係る第2の窒化物系化合物半導体
の製造方法は、請求項8に記載されるように、反応容器
内に設置された基板を加熱する工程と、上記反応容器内
に少なくともIIIb属元素を含む第1の原料と少なくとも
分子式C6 Qn H5-n NH2(Qは有機基,nは0以上
5以下の整数)で表される芳香族アミンを含む第2の原
料とを供給し、上記基板上で上記第1及び第2の原料を
分解させて、上記基板上に窒化物系化合物半導体の結晶
を成長させる工程とを備えている。
【0021】請求項9に記載されるように、請求項8の
製造方法において、上記窒化物系化合物半導体の結晶を
成長させる工程の前に、上記反応容器内に、少なくとも
IIIb族元素を含む第1の原料を供給し、上記第1の原料
を分解させて上記基板上にIIIb族化合物膜を成長させる
工程と、上記反応容器内に、少なくとも分子式C6 Qn
H5-n NH2 (Qは有機基,nは0以上5以下の整数)
で表される芳香族アミンを含む第2の原料を供給して上
記基板上で上記第2の原料を分解させて、上記基板上に
窒化層を形成する工程とをさらに設けることができる。
【0022】請求項10に記載されるように、請求項8
又は9の製造方法において、上記分子式中のQ−基を脂
肪族基とすることができる。
【0023】請求項11に記載されるように、請求項8
又は9の製造方法において、上記脂肪族基をアルキル
基,アルケニル基及びアルキニル基のうちの少なくとも
いずれか1つとすることができる。
【0024】請求項8〜11の方法により、芳香族アミ
ンの分解温度が低いという特性を利用して、上述の請求
項1〜6と同様の作用が得られる。
【0025】また、上記第2の目的を達成するために本
発明が講じた手段は、低温で分解する原料を用いて複数
種類の窒化物系化合物半導体膜を積層することにより、
成長温度に上限のある窒化物系化合物半導体膜を含むヘ
テロ構造を同じ温度下で形成することにある。
【0026】具体的には、請求項12に記載されるよう
に、請求項1,2,8又は9の製造方法において、上記
窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる工程を、上記
IIIb族元素の種類を変えて複数回かつほぼ同じ基板温度
の下で行う方法である。
【0027】この方法により、例えば、GaN/AlG
aN/InGaN/AlGaN/GaNのようなヘテロ
構造の成膜において、全ての成長層を同一温度で成長す
ることができる。したがって、プロセスを中断すること
なくヘテロ構造を有する窒化物系化合物半導体膜を形成
でき、光学特性等の良好なデバイスの製造が可能とな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0029】図1は、本発明の製造方法の一実施形態で
用いられるMOCVD装置の主要部を概略的に示す断面
図であり、ガス系統部及び反応部を示すものである。図
1に示すように、真空ポンプと接続された反応炉1は、
数10mTorrから大気圧雰囲気下までにおける結晶
成長が可能に構成されている。反応炉1内には、サファ
イア基板2を保持するためのサセプタ3が配設されてお
り、サセプタ3はヒータ4によって加熱されるように構
成されている。そして、反応炉1の原料ガス導入部5
は、反応炉1内で層流が得られるように設計されてい
る。原料ガスの供給ラインには、IIIb族元素の1つであ
るGaを含む第1の原料であるトリメチルガリウムガス
6と、分子式がR−N3 で表されるアゾ化合物を含む第
2の原料であるメチルアジドガス7とが準備されてお
り、キャリアガスであるH2 ガスによってバブリングす
ることにより気化し、マスフローコントローラ(図示せ
ず)により流量制御されて、反応炉1内に供給される。
【0030】なお、本実施形態では、基板に対し反応ガ
スが平行に流れる横型の反応炉を取り上げたが、基板に
対し反応ガスが垂直に流れる縦型の反応炉においても層
流が得られる設計になっていれば問題はない。
【0031】また、キャリアガスとして、本実施形態で
はH2 ガスを使用したが、N2 ガスやArガスなどの不
活性ガスを使用しても問題はない。さらに、原料供給ラ
インとして、ドーパントラインや3元或いは4元混晶の
成長の場合には、金属化合物原料ラインが追加される
が、本実施形態ではアンドープのGaN結晶の成長を取
り上げるため、ここでは省略する。
【0032】実際のGaN結晶の成長は以下の手順で行
う。まず、酸や溶剤等により表面が清浄化されたサファ
イア基板2をサセプタ3にセットし、原料ガス導入部5
からH2 ガスを10slmの流量で供給しながら、ヒー
タ4で1050℃まで基板温度を上昇させて30分間保
持し、サファイア基板2のサーマルクリーニングを行
う。なお、サファイア基板の面方位は(0001)(C
面)である。
【0033】続いて、基板温度を700℃まで降下させ
て、ガス導入部5から、流量が590μmol/mi
n.のメチルアジドガスと、流量が10slmのH2 ガ
スとを10分間供給する。これにより、サファイア基板
2の表面の窒化が行われる。メチルアジドガスは、50
0℃でメチル基,N2 及びNラジカルに完全に分解する
ため、基板温度が700℃で十分基板の表面窒化が可能
となり、連続的に次の工程に進むことが可能となる。
【0034】次に、基板温度を700℃と一定にしたま
まで、ガス導入部5から流量が49μmol/min.
のトリメチルガリウムガスと、流量が1190μmol
/min.のメチルアジドガスと、流量が10slmの
H2 ガス(キャリアガス)とを供給して、サファイア基
板2の上にGaN結晶を成長させる。成長速度は、0.
5μm/hrsであった。
【0035】本実施形態の方法では、メチルアジドのご
とく低温で分解する窒素源を使用しているために、基板
温度を700℃程度の低温にすることができる。したが
って、従来のような基板温度を1000℃以上にする方
法とは異なり、サファイア基板2に付着したN原子がす
ぐに脱離することはなく、窒素の取り込み効率が向上す
る。かかる窒素の取り込み効率の向上によって、N原子
の空孔の極めて少ない結晶性の良好なGaN結晶を成長
させることができる。また、N原子空孔の少ないことか
ら、従来のMOCVD法によるGaN結晶のごとく低抵
抗のn型伝導性結晶となることもなく高抵抗化すること
ができるとともに、不純物ドープによる伝導性制御も可
能となる。また、表面モルフォロジーも良好であり、ト
リメチルガリウムとメチルアジドとの間に生じる中間生
成物の影響も認められない。
【0036】さらに、従来のMOCVD法のごとく窒素
の取り込み効率が低い製造工程では、N原子の空孔の発
生を抑制するために非常に大量のNH3 ガスを供給する
必要があり、反応炉内の圧力制御が困難であったが、本
実施形態の方法では、かかる装置上の制約も大幅に緩和
される。
【0037】特に、GaNの結晶成長前にサファイア基
板2の表面層を窒化しておくことで、成長するGaN結
晶の結晶性を向上させることができるとともに、メチル
アジドを用いて窒化工程を行うことで、次の結晶成長工
程と同じ温度で連続的に工程を行うことができる利点が
ある。
【0038】図2は、従来のMOCVD法によるGaN
結晶と、本実施形態の製造工程によって得られたGaN
結晶との77Kでのフォトルミネッセンス強度スペクト
ルを比較する図であって、縦軸は標準サンプルの強度を
1とする任意単位(a.u.)で表示されている。図中
の破線は従来のMOCVD法によるGaN結晶のフォト
ルミネッセンス強度スペクトルを示し、図中の実線は本
実施形態の方法によるGaN結晶のフォトルミネッセン
ス強度スペクトルを示す。同図に示されるように、従来
のMOCVD法によるGaN結晶では、バンド端発光に
よる360nm近傍のピーク値が小さく、しかも500
〜600nm付近に深い準位からのブロードなピークが
存在している。したがって、良好な発光素子が得られな
い。それに対し、本実施形態の方法によるGaN結晶で
は、360nm近傍に非常に鋭いバンド端発光によるピ
ークが得られている。そして、500nm〜600nm
に見られる深い準位からのブロードなピークは観測され
ていない。これより、窒素を含む原料としてメチルアジ
ドを用いることにより、700℃という低温下での結晶
成長により、青色発光素子として使用できる良質なGa
N結晶が得られることがわかる。
【0039】(他の実施形態)上記実施形態で説明した
GaNの結晶を成長させる工程と同様の工程を、第1の
原料ガスの種類を変えて連続的に行うことで、GaN/
InGaN/GaN、GaN/AlGaN/InGaN
/AlGaN/GaNといったようなInを含む3元或
いは4元混晶のヘテロ構造を成長中断無しに同一温度で
成長させることが可能となる。これにより、青色から紫
外に至るまでの発光デバイスを実現することができる。
【0040】本発明によって製造可能な窒化物系化合物
半導体としては、上記実施形態におけるGaNの他、I
nN,AlN,AlGaN,InGaN等のIIIb族元素
とNとの化合物がある(ただし、BNは除く)。
【0041】なお、上記実施形態では基板としてサファ
イア基板を取り上げたが、MgO、スピネル、ZnOな
どの酸化物を使用しても構わない。サファイア基板を使
用する場合でも、上記実施形態で使用したC面基板に限
定されるものではなく、A面,R面基板等を用いること
ができる。
【0042】又、GaAsやInPなどの化合物半導体
からなる基板を使用しても構わないが、この場合は表面
窒化処理する温度で基板を構成する元素が昇華しないよ
うに工夫が必要となる。例えばGaAsでは上記実施形
態で説明した表面窒化の条件に加えて、AsH3 を流す
ことにより基板表面のAs分圧を上昇させAs原子の脱
離を防止する必要がある。
【0043】なお、窒素を含む原料として上記実施形態
ではメチルアジドを取り上げたが、本発明はかかる実施
形態に限定されるものではない。特に、化学式R−N3
で表されるアゾ化合物としては、R−基をメチル基以外
のアルキル基、不飽和脂肪族であるアルキニル基やアル
ケニル基,あるいは芳香族基としたものがある。
【0044】特にR−基の炭素数が4以下であれば70
0℃での表面窒化、GaN結晶の成長が可能となり、著
効が得られる。
【0045】また、分子式がC6 Qn H5-n NH2 (Q
は有機基,nは0以上5以下の整数)で表されるアニリ
ンに代表される芳香族アミンを使用しても同様の効果が
得られる。
【0046】上記実施形態における窒化層の形成は省略
することができ、サファイア基板の上に直接GaN結晶
を成長させてもよい。
【0047】なお、上記実施形態ではGaN単結晶の成
長前に基板上にGaNやAlNなどのバッファ層を挿入
していないが、良質なGaN単結晶を再現良く成長させ
るためにバッファ層を挿入しても問題はない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜11に
係る窒素系化合物半導体の製造方法によれば、IIIb族元
素を含む第1の原料と、分子式R−N3 であらわされる
化合物又は分子式C6 Qn H5-n NH2 で表される芳香
族アミンを含む第2の原料とを用いるようにしたので、
低温で良質な窒素系化合物半導体の結晶を基板上に成長
させることができ、青色光や紫外光等の光を発する発光
ダイオード,半導体レーザ等のデバイスの特性の向上と
製造の容易化とを図ることができる。
【0049】請求項12によれば、窒化物系化合物半導
体を成長させる工程を、IIIb族元素の種類を変えて複数
回かつほぼ同じ基板温度の下で行うようにしたので、G
aN/InGaN/GaN、GaN/AlGaN/In
GaN/AlGaN/GaNといったようなInを含む
3元或いは4元混晶のヘテロ構造を成長中断無しに同一
温度で成長させることが可能となり、青色から紫外に至
るまでの発光デバイスを実現可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に使用したMOCVD装置
の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態と従来のMOCVD法とに
より得られたGaN単結晶のフォトルミネッセンス強度
スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 反応炉 2 サファイア基板 3 サセプタ 4 ヒータ 5 ガス導入部 6 トリメチルガリウムガス 7 メチルアジドガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/18 H01S 3/18

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に設置された基板を加熱する
    工程と、 上記反応容器内に、少なくとも1種類のIIIb族元素を含
    む第1の原料と少なくとも分子式R−N3 (Rは有機
    基)で表されるアゾ化合物を含む第2の原料とを供給
    し、上記基板上で上記第1及び第2の原料を分解させ
    て、上記基板上に窒化物系化合物半導体の結晶を成長さ
    せる工程とを備えていることを特徴とする窒化物系化合
    物半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化物系化合物半導体の
    製造方法において、 上記窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる工程の前
    に、上記反応容器内に、少なくとも分子式R−N3 (R
    は有機基)で表されるアゾ化合物を含む第2の原料を供
    給して上記基板上で上記第2の原料を分解させて、上記
    基板上に窒化層を形成する工程をさらに備えていること
    を特徴とする窒化物系化合物半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の窒化物系化合物半
    導体の製造方法において、 上記分子式中のR−基はメチル基であることを特徴とす
    る窒化物系化合物半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の窒化物系化合物半
    導体の製造方法において、 上記分子式中のR−基はアルキル基であることを特徴と
    する窒化物系化合物半導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の窒化物系化合物半
    導体の製造方法において、 上記分子式中のR−基はアルキニル基であることを特徴
    とする窒化物系化合物半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の窒化物系化合物半
    導体の製造方法において、 上記分子式中のR−基はアルケニル基であることを特徴
    とする窒化物系化合物半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の窒化物系化合物半
    導体の製造方法において、 上記分子式中のR−基は芳香族基であることを特徴とす
    る窒化物系化合物半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応容器内に設置された基板を加熱する
    工程と、 上記反応容器内に少なくともIIIb属元素を含む第1の原
    料と少なくとも分子式C6 Qn H5-n NH2 (Qは有機
    基,nは0以上5以下の整数)で表される芳香族アミン
    を含む第2の原料とを供給し、上記基板上で上記第1及
    び第2の原料を分解させて、上記基板上に窒化物系化合
    物半導体の結晶を成長させる工程とを備えていることを
    特徴とする窒化物系化合物半導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の窒化物系化合物半導体の
    製造方法において、 上記窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる工程の前
    に、上記反応容器内に、少なくとも分子式C6 Qn H5-
    n NH2 (Qは有機基,nは0以上5以下の整数)で表
    される芳香族アミンを含む第2の原料を供給して上記基
    板上で上記第2の原料を分解させて、上記基板上に窒化
    層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする
    窒化物系化合物半導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の窒化物系化合物
    半導体の製造方法において、 上記分子式中のQ−基は,脂肪族基であることを特徴と
    する窒化物系化合物半導体の窒化物系化合物半導体の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8又は9記載の窒化物系化合物
    半導体の製造方法において、 上記脂肪族基は、アルキル基,アルケニル基及びアルキ
    ニル基のうちの少なくともいずれか1つであることを特
    徴とする窒化物系化合物半導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1,2,8又は9記載の窒化物
    系化合物半導体の製造方法において、 上記窒化物系化合物半導体の結晶を成長させる工程を、
    上記IIIb族元素の種類を変えて複数回かつほぼ同じ基板
    温度の下で行うことを特徴とする窒化物系化合物半導体
    の製造方法。
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