JPH11268996A - 化合物半導体混晶の成長方法 - Google Patents

化合物半導体混晶の成長方法

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JPH11268996A
JPH11268996A JP9249998A JP9249998A JPH11268996A JP H11268996 A JPH11268996 A JP H11268996A JP 9249998 A JP9249998 A JP 9249998A JP 9249998 A JP9249998 A JP 9249998A JP H11268996 A JPH11268996 A JP H11268996A
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Kenji Ito
健治 伊藤
Kazuyoshi Tomita
一義 冨田
Toru Kachi
徹 加地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒素濃度が高く、かつ結晶性の良い窒素を必須
として含むIII-V族化合物半導体混晶(α(β
1-XX);0<X≦1)の製造方法を提供すること。 【解決手段】 III族元素(α)を含む原料ガスと、窒素
(N)を含む原料ガスと、窒素以外のV族元素(β)を
含む原料ガスを用いて、基板1上に化合物半導体(α
(β1-XX);0<X≦1)を作成するMOCVD法に
おいて、その窒素を含む原料ガスとして、バブラ12c
に有機アジド、例えばアジ化エチルEtN3 を入れ、気
相エピタキシャル成長を行う。EtN3 は、吸湿性がな
いので、半導体性能を低下させる酸素を化合物半導体中
に混入させることはない。また、窒素濃度を高める窒素
ラジカルは発生させるが、同じく半導体性能を低下させ
るNH、NH2 など不純物を発生させない。よって、窒
素濃度が高く、不純物の混入のない化合物半導体を作成
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相エピタキシャ
ル成長法によって作製される窒素を含む化合物半導体混
晶に関する。特に、窒素を含む原料ガスとして有機アジ
ドを用い、窒素含有量を高めると同時にその結晶性を高
めた化合物半導体混晶の成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から III族元素、V族元素および窒
素元素からなる化合物半導体は、それらの元素を含むガ
スを原料として、基板上に有機金属気相成長法(Metal
l organic Chemical Vapor Deposition 、以下、
MOCVD法と略す)によって製造されている。MOC
VD法は、有機金属化合物および水素化物をキャリアガ
スによって反応室まで運び熱分解させる事によって、目
的とする構成元素を生成し基板上に結晶成長させるもの
である。具体的には、 III族元素の有機金属ガスと、窒
素以外のV族水素化物と、窒素を含む原料ガスを使用
し、V族に窒素を必須として含む III−V族化合物半導
体混晶( 以下、 III−(V,N)化合物半導体という)
を得ている。この場合、窒素の原料ガスとしては、アン
モニア(以下、NH3 )が最も一般的に用いられてい
る。
【0003】ところが、NH3 の分解には800℃以上
の高温が必要とされるため、必然的に III−(V,N)
化合物半導体も800℃以上で成長させられることにな
る。しかしながら、このような高い成長温度では、上記
化合物半導体に含まれる砒素(以下、As)やリン(以
下、P)などのV族元素の離脱が激しく、完全な III−
(V,N)化合物半導体を得ることは困難であった。
【0004】この問題を解決するために、窒素原料ガス
としてモノメチルヒドラジン(CH323 )、ジメチ
ルヒドラジン((CH3222、以下DMHy)など
の有機ヒドラジンが使用される。これらの原料は、分解
温度が500℃程度と低いため、成長過程における窒素
以外の上記V族元素の離脱を抑えることが容易であり、
数%の窒素含有量を持つ III−(V,N)化合物半導体
の作成が可能である。これらは、例えば、Japanease Jo
urnal of Applied Physics Vol.36 (1997)pp2671-2
675 に報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
DMHyなどの有機ヒドラジンは吸湿性が高いため、原
料ガスの製造工程あるいは反応室内における吸湿を避け
ることが難しい。この吸湿のため、有機ヒドラジンを原
料として成長した III−(V,N)化合物半導体中には
酸素が混入し易い。混入した酸素は、化合物半導体中で
深い準位を形成し、光の放出を伴わないエネルギーの吸
収・放出を行う非発光中心を形成する。このため、例え
ばこれを用いて発光/受光素子を作成した場合は、光−
電気変換効率が著しく低下させられると同時に、その時
発生する熱により素子の劣化を促進するという問題があ
った。
【0006】また、有機ヒドラジンでは熱分解によりイ
ミノ基(以下、NH)およびアミノ基(以下、NH2
が生成され、これが窒素源として働く。このため、 III
−(V,N)化合物半導体中には窒素と同時に水素が取
り込まれる。水素は III−(V,N)化合物半導体中
で、一般にキャリアを供給する不純物を補償し、不活性
化させる働きがある。従って、不純物添加により III−
(V,N)化合物半導体のキャリア濃度を制御しようと
する場合、所望のキャリア濃度が得られないという問題
が生じる。
【0007】また、窒素濃度が3%以上の III−(V,
N)化合物半導体を得るためには、窒素原料ガスの供給
量を増やすことが必要である。このため、例えばV族原
料ガスにおける窒素原料ガス割合を90%以上とするこ
とがある。ところが、有機ヒドラジンはNHあるいはN
2 を発生させ、ガリウム砒素(以下、GaAs)表面
を窒化する作用がある。そのため、窒素原料ガスの割合
が増すほど成長初期におけるGa As表面の窒化が強く
現れ、GaN層が界面に形成される。GaN層が界面に
形成されると、GaNとGaAsはその格子定数が大き
く異なるため、良好なヘテロ接合界面を形成できないと
いう問題が生じる。従って、窒素濃度の高い III−
(V,N)化合物半導体を得るためには、熱分解によっ
てNHあるいはNH2 を生成しない原料ガスが必要とな
る。
【0008】このようにMOCVDによる成膜過程で混
入する酸素、水素、NH, NH2 は、化合物半導体素子
の性能を劣化させる原因となる。そこで本発明の目的
は、上記MOCVD法において、上記元素を発生させな
い窒素原料ガスに着目し、そのガスを使用することによ
って窒素濃度が高く高品質な III−(V,N)化合物半
導体を提供することにある。さらには、この III−
(V,N)化合物半導体を光半導体素子に適用し、光−
電気変換効率が高く耐久性に優れた化合物半導体素子を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1記載の化合物半導体は、基板上に、II
I族元素( III族元素を「α」とする)を含む原料ガス
と、窒素(N)を含む原料ガスと、窒素以外の少なくと
も1つのV族元素(V族元素を「β」とする)を含む原
料ガスを用い、基板上にV族元素として窒素を必須とし
て含むIII-V族化合物半導体混晶(α(β1-XX);0
<X≦1)をエピタキシャル成長させる方法において、
窒素を含む原料ガスに、有機アジドを用いることを特徴
とする。ここで、有機アジド(RN3 、但し、Rはエチ
ル基(C25)などの炭素化水素基を表す)例えば、ア
ジ化エチル(C253 )、アジ化メチル(CH33
等である。又、III-V族化合物半導体混晶(α(β1-X
X);0<X≦1)の成長時に有機アジドと同時にN
2 を供給するようにしても良い。
【0010】
【発明の作用及び効果】有機アジドは吸湿性がないた
め、有機ヒドラジンと比較して成膜した結晶内に酸素が
混入する可能性が低い。よって、酸素によって化合物半
導体中に光−電気変換効率を低下させたり素子劣化の原
因となる深い不純物準位が形成されることがない。従っ
て、例えばこの III−(V,N)化合物半導体を光素子
に適用した場合、従来に比較して、光−電気変換効率を
上げるとともに半導体素子の寿命を延ばすことができ
る。
【0011】有機アジドは、例えば熱分解反応によって
窒素ラジカルは生成するが、水素を含むNHやNH2
生成することはない。この窒素ラジカルは、 III−
(V,N)化合物半導体を成長させる窒素源となり、高
濃度な III−(V,N)化合物半導体が実現できる。ま
た、この熱分解によって従来のように水素を発生させる
ことがない。従って、水素による不純物添加の補償効果
がなく、半導体中のキャリア濃度は減少することはな
い。よって、化合物半導体を半導体動作に必要な所定の
キャリア濃度に制御できる。また、NHやNH2 も生成
されないので、従来のようにGaAs表面を窒化し、界
面を乱すことがない。また他に、基板を腐食させるガス
種の発生もない。よって、広い流量条件の範囲で良好な
ヘテロ界面が形成でき、光素子に適用した場合、光−電
気変換効率の優れた III−(V,N)化合物半導体素子
が実現できる。
【0012】また、 III−(V,N)化合物半導体の成
長時に有機アジドと同時にN2 を供給した場合には、有
機アジドの分解により生成したN2 ラジカルと窒素分子
とが基板上で混合されることになり、両者の相互作用に
より新たなN2 ラジカルが生成され、N2 ラジカルを多
くすることができる。また、加えた窒素は結晶中に取り
込まれた窒素の表面からの脱離反応を抑制する効果もあ
り、窒素組成の高い混晶を気相成長する上で有効であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。尚、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。また、本発明は、MOCVD法に有機
アジドを用いて、高濃度窒素を含有する化合物半導体を
得ることが主旨であるので、第1実施例、第2実施例で
は、その製造過程とその結果得られた化合物半導体の組
成について説明し、第3実施例にて、それを半導体レー
ザに応用した例を示す。
【0014】(第1実施例)図1に本発明方法で製造さ
れる化合物半導体の構成断面図を示す。主面が(00
1)面である半絶縁性GaAs基板1の上に、順に、G
aAsからなる厚さ1μmのバッファ層2、厚さ1μm
のGaAsN層3、GaAsからなるキャップ層4が形
成される。尚、キャップ層4は、表面からの窒素の離脱
を防止するためのものである。
【0015】図2にその製造装置を示す。本製造法は、
複数の原料ガスを熱分解させ、所定の元素を基板上に堆
積成長させるMOCVD法である。本発明においては、
Gaを含む原料ガスとしてトリメチルガリウム((CH
33Ga、以下TMGと略す)が、砒素を含む原料ガス
としてターシャリブチルアルシン((C49AsH2
以下TBAsと略す)が、窒素を含む原料として有機ア
ジドの一種であるアジ化エチル(C253 、以下Et
3 と略す)が用いられる。これらの原料ガスは常温で
は液体であるため、それぞれ気化器であるバブラ12
a、12b,12cに入れられ、窒素あるいは水素から
なるキャリアガスによって気化された後、反応室5に運
ばれる。尚、このキャリアガスは、マスフローコントロ
ーラ13によってその流量が精密にコントロールされ、
バブラ12a,12b,12cに送られるため、気化さ
れるガス量も精密にコントロールされ、反応室5に送ら
れる。
【0016】反応室5は、石英製のフローチャネルから
構成され、その中には熱電対7を伴ったカーボン製のサ
セプタ6が設置されている。半絶縁性GaAs基板1
は、このサセプタ6上に設置される。このサセプタ6
は、下方に設置された熱源である赤外線ランプ14によ
って熱せられ、基板表面で上記ガスの熱分解が行われる
よう所定の温度に保たれる。また、反応ガスは、ガス導
入口8から供給され、油回転ポンプ10によって排気口
9から排気される。従って、常に新しいガスが供給され
るとともに、その供給速度は、油回転ポンプ10に取り
付けられたコンダクタンスバルブ11によって制御され
るので、所定の圧力に保たれる。
【0017】このような装置を使用して III−(V,
N)化合物半導体は作製される。その順序を以下に示
す。先ず、図2の成長装置のサセプタ6上に半絶縁性G
aAs基板1を置き、油回転ポンプ10にて反応室5内
を排気する。次に、高純度水素ガスを1L/min (リッ
トル/分)の速さで供給しながら、コンダクタンスバル
ブ11の開度を調節することにより圧力を40Torr
に設定する。次に、水素ガスをキャリアガスとしてTB
Asを200μmol /min の速さで反応室5に供給し、
その後赤外線ランプ14によりサセプタ6を加熱し、基
板温度を650℃とする。この状態で10分間保持する
ことによりGaAs表面の酸化膜を取り除くことができ
る。さらに、同じくキャリアガスによってTMGを25
μmol /min の速さで10分間供給することにより、G
aAsバッファ層2を形成する。
【0018】バッファ層2の形成後、TMGの供給を停
止しTBAsを流した状態で、基板温度を降下させる。
基板温度が475〜625℃の範囲で安定した後、Et
3を4340μmol/min の速さで供給する。流量お
よび圧力が安定した後、再びTMGを25μmol/minの
速さで10分間供給することによりGaAsN層3を成
長させる。さらに、GaAsN層3の形成後、EtN3
の供給のみ停止し、GaAsNと同じ成長温度にて、G
aAsキャップ層4を10分間成長させる。キャップ層
4を形成した後は、TMGの供給を停止し、さらに赤外
線ランプを消灯することにより基板温度を低下させ、2
00℃でTBAsの供給を停止させ、その後室温まで低
下させる。このような操作により、基板1上に形成され
た3層からなる図1の化合物半導体が形成される。
【0019】図3に、この化合物半導体の深さ方向の窒
素濃度分布を示す。縦軸に窒素濃度、横軸に試料深さを
示す。この窒素濃度量分布は、2次イオン質量分析法に
よって調べることができる。窒素は、深さ1μm〜2μ
m深さに集中して分布しており、上記操作によって、所
定深さにGaAsNが形成されていることが示される。
従って、MOCVD法によって III−(V,N)化合物
半導体を製造する場合、窒素を含む原料ガスとして、有
機アジドの一種であるアジ化エチルが有効であることが
示される。
【0020】図4に、GaAsN層3の窒素濃度と基板
1の温度(以下、基板温度と記す)との関係図を示す。
縦軸に窒素濃度を、横軸に基板温度の逆数を示す。これ
は、GaAsN層3中に取り込まれる窒素量と基板温度
との関係を見るために、基板温度を475℃〜625℃
の間で変化させ、上記と同条件で成膜操作を行ったもの
である。基板温度が低い程、窒素の離脱が少なく濃度が
高いことが示される。また、基板温度を475℃〜62
5℃の間で変化させることにより、窒素濃度を1×10
18cm-3〜5×1021cm-3の範囲で制御されることが
示される。従って、化合物半導体素子に必要な所定の窒
素濃度を得ることができる。
【0021】また、化合物半導体中で非発光中心を形成
する酸素については、従来例のようにDMHyを使用し
た場合、1×1017〜7×1021cm-3の窒素濃度に対
してほぼ同量の1×1017〜3×1021cm-3の酸素濃
度が検出されたが、EtN3を用いた場合では、窒素濃
度に関してはほぼ同量であるものの酸素濃度は検出限界
(2×1017cm-3)以下であった。従って、本発明に
よれば、酸素濃度が従来より低い化合物半導体、すなわ
ち非発光中心の濃度がより低い化合物半導体が形成され
る。よって、これを光素子に適用した場合、非発光中心
によるエネルギーの吸収・放出が少ないため、変換効率
のよい素子となり、またそれに伴う発熱も少ない。従っ
て、長寿命な光素子となる。
【0022】また、形状効果によって変換効率に影響を
あたえるヘテロ界面形成については、従来例のようにD
MHyを使用した場合、窒素濃度が5%時に表面に格子
不整合による筋状の紋様が観測されたが、EtN3 を用
いた場合では窒素濃度が15%時においても、その紋様
は観測されず良好であった。従って、例えば半導体レー
ザ発振器など光素子に適用した場合、その良好なヘテロ
界面が光導波路を形成することになる。よって、界面反
射によって減衰することのない変換効率のよい素子を作
ることができる。
【0023】(第2実施例)上述の第1実施例では、化
合物半導体のGaAsN層3を作成する場合、キャリア
ガスに水素ガスを用いた。この水素ガスに代えてキャリ
アガスを窒素ガスとしたのが、第2実施例の特徴であ
る。その他の成膜条件は、第1実施例と同じである。キ
ャリアガスを窒素ガスとした場合、反応室5内では水素
に代わりより多くの窒素ラジカルが生成される。窒素ラ
ジカル雰囲気中で、気相エピタキシャル成長が行われる
と、従来のGaAsN層3からの窒素の離脱する確率の
低下に加え、逆にGaAsN層3に捕獲される確率が増
加することになる。その結果、正味の窒素含有量が増加
する。これにより、水素をキャリアガスとした場合の、
およそ5倍の窒素濃度を有するGaAsN層3の作製が
可能となった。従って、この化合物半導体を光素子に適
用した場合、より光−電気変換効率のよい素子とするこ
とができる。また、アジ化エチルの使用効率を大幅に改
善させることもできる。
【0024】(第3実施例)上記の方法を用いて作成さ
れた III−(V,N)化合物半導体は、半導体レーザに
適用することができる。図5に、適用した半導体レーザ
の構成断面図を示す。図5中央の活性層19が、本発明
による III−(V,N)化合物半導体である。この半導
体レーザも図2に示したMOCVD装置によって作成さ
れる。この時、アルミニュウムの原料としてトリメチル
アルミニュウム((CH33Al),インジュウムの原
料としてトリメチルインジュウム((CH33In)、
亜鉛の原料としてジエチルジンク((C25)2Zn)がそ
れぞれ図示しないバブラに入れられ設置されている。こ
れらも上述の様に、キャリアガスで気化された後、その
流量を図示しないマスフローコントローラで制御され、
反応室5に運ばれる構成となっている。また、n型層形
成は、モノメチルシラン(CH3SiH3)を用いたシリ
コン(Si)のドーピングによって、p型層形成は、ジ
エチルジンク((C25)2Zn) を用いたZnのドーピ
ングによって行われる。
【0025】本発明を適用した半導体レーザは、以下の
様に製造される。先ず、面方位を(001)としたn型
GaAs基板(キャリア濃度3×1018cm-3)15上
に、基板温度650℃においてキャリア濃度1×1018
cm-3,厚さ1μmのn型GaAs層16が形成され
る。続いて、厚さ1.5μmの同じくn型Al0.3 Ga
0.7 As層17が形成される。続いて、基板温度を52
5℃に降温して、厚さ100nmのGaAsからなるガ
イド層18が形成される。そして、その上に本発明に用
いた方法、すなわち窒素原料としてEtN3 を用い、ま
たキャリアガスとして窒素を用いた気相エピタキシャル
成長によって、厚さ10nmのGa0.8In0.2 0.05
0.95からなる活性層19が形成される。
【0026】レーザ光はこの活性層19内で、電子と正
孔が結合することによって発振する。この活性層19に
は、不純物はドーピングされていない。さらにこの活性
層19の上に、順に厚さ100nmのGaAsからなる
ガイド層20、厚さ1.5μm,キャリア濃度1×10
18cm-3のp型Al0.3Ga0.7As層21、厚さ0.2
μmのp型GaAs層22が形成される。続いて、p型
GaAs層22の表面にSiOからなる絶縁層23がプ
ラズマCVD等で形成されたのち、エッチング等により
その中央部に幅3μm開口が設けられる。最後に、その
上に電極24として金亜鉛合金(AuZn)がスパッタ
リングなどで蒸着される。また、GaAs基板15の裏
面にも、電極25が形成されるが、それは蒸着された金
ゲルマニュウム合金(AuGe)を熱処理することによ
って、オーミック電極となっている。
【0027】このような構造で形成された半導体レーザ
の発振効率は、ほとんど活性層19に含まれる窒素濃度
と光導波路である界面の平坦性によって決定される。本
発明による化合物半導体を適用した半導体レーザは、そ
の活性層の窒素濃度が従来のそれよりはるかに高く、酸
素あるいは水素の混入が極めて低い。更に、光導波路と
なる界面も平坦であり、界面における損失も少ない。従
って、光−電気変換効率に優れ、かつ長寿命な半導体レ
ーザが実現可能となった。
【0028】本実施例は、他に様々な変形が考えられ
る。例えば、ここではMOCVD法を例に挙げ、有機ア
ジドの化合物半導体の製造における有効性を示したが、
ハイドライドVPE法など他の気相を利用した成長法に
適用してもよい。また、この実施例ではGaAsNの成
長を例に挙げたが、他の化合物半導体、例えばGaP
N,InGaAsNなど窒素と同時に他のV族元素を含
む化合物半導体を気相成長によって得る場合にも適用で
きる。
【0029】その他いろいろな変形例が考えられるが、
様々な原料ガスを基に、気相エピタキシャル成長法によ
って得られるV族元素として窒素を必須として含むIII-
V族化合物半導体混晶(α(β1-XX);0<X≦1)
において、その窒素を含む原料ガスに有機アジドを用
い、水素、酸素、NH、NH2 など半導体性能を低下さ
せる元素等を、作成過程の化合物半導体に作用あるいは
混入させない本発明の主旨に沿うものであれば、その方
式は問わない。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例により製造される化合
物半導体の構成断面図。
【図2】実施例方法に使用した成長装置の構成図。
【図3】実施例方法で製造した化合物半導体の深さ方向
の窒素濃度分布図。
【図4】実施例方法で製造した化合物半導体の窒素濃度
と基板温度の関係図。
【図5】本発明の第3実施例における半導体レーザの構
成断面図。
【符号の説明】
1 半絶縁性Ga As基板 2 Ga Asバッファ層 3 Ga AsN層 4 Ga Asキャップ層 5 反応室 6 カーボンサセプタ 12a TMG 12b TBAs 12c EtN3

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III族元素(α)を含む原料ガスと、窒素
    (N)を含む原料ガスと、窒素以外の少なくとも1つの
    V族元素(β)を含む原料ガスを用い、基板上にV族元
    素として窒素を必須として含むIII-V族化合物半導体混
    晶(α(β1-XX);0<X≦1)をエピタキシャル成
    長させる方法において、 前記窒素を含む原料ガスに、有機アジドを用いることを
    特徴とするIII-V族化合物半導体混晶(α(β
    1-XX);0<X≦1)の成長方法。
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