JP2007182648A - デニム生地及びその色落ち防止加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 デニム生地において、セルロース繊維を含む糸又は布帛を染色し、前記染色された糸又は布帛に液体アンモニア処理をし、次に、樹脂加工により前記セルロース繊維間に架橋結合させ、その後前記糸又は布帛を湯洗する。また、デニム生地は、摩擦堅牢度が、乾燥(タテ)が4.0級以上、湿潤(タテ)で1.5級以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
インジゴ染料は還元により水溶性となるので、この状態の染色液にセルロース繊維を浸漬すれば、水と共に染料は水中と繊維内の染料の濃度差が同一となるようにセルロース繊維内に移動する。その後そのセルロース繊維を空気に曝せば、インジゴ染料は空気中の酸素により酸化され、セルロース繊維中に水に溶け難い色素を再生する。セルロース繊維と染料の結合力は分子間力、水素結合力といわれており、セルロース繊維の非結晶領域にこれらの力で固定されていると考えられる。また、一部はセルロース繊維表面に付着している形もある。これらの染着機構は直接染料の場合と良く似ている。しかし直接染料の分子量はインジゴに比べて大きくまた、高温度にて染着されている点が異なっている。
特許文献1(特開平11−335935号公開公報)には、予め染色された合成繊維と木綿繊維を混紡した糸を用いたデニム生地にインジゴ染色し、インジゴ染め特有の色落ちを利用したデニム用織編物が記載されている。
(2)シルケット加工(アルカリ処理、マーセル化):生地を苛性ソーダ溶液に浸漬し綿繊維が膨潤して収縮しようとするところをタテ、ヨコに双方に緊張を与え、生地の繊維配列度および繊維密度を高める。
(3)液体アンモニア処理(液体アンモニアマーセル化):生地を液体アンモニアに浸漬して綿繊維を膨潤させた後、タテ方向に引っ張ってタテ糸綿繊維の配列を高めるものである。」、
等が記載されている。
<1>摩擦堅牢度が、乾燥(タテ)が4.0級以上、湿潤(タテ)で1.5級以上であることを特徴とするデニム生地、
<2>セルロース繊維を含む糸又は布帛を染色し、前記染色された糸又は布帛に液体アンモニア処理をし、次に、樹脂加工剤により前記セルロース繊維間に架橋結合させ、その後前記糸又は布帛を湯洗することを特徴とするデニム生地の色落ち防止加工方法、
<3>前記樹脂加工剤は、セルロースと反応し架橋を生成するもので、ジヒドロキシエチレン尿素誘導体、メラミン誘導体、エチレン尿素誘導体、エポキシ誘導体、カルボン酸誘導体等のセルロースと結合する基を2個以上有する化合物から選ばれることを特徴とする<2>記載のデニム生地の色落ち防止加工方法、
を提供する。
(1)液体アンモニア処理
まず、建染染料で染色したセルロース繊維の糸又は布帛を、液体アンモニア処理すると、セルロース繊維は一度膨潤するが、その後セルロースの非結晶領域の空孔の平均サイズは小さくなる。したがってセルロース繊維の非結晶領域に一旦染着した染料は、洗濯により脱落し難くなる。この液体アンモニア処理は、染め後であればどの位置で行っても良い。しかし、樹脂加工の後にこの処理を行うと樹脂加工の効果はなくなる。
なお、液体アンモニア処理には、液体アンモニアを用いるのが最も一般的であるが、場合によっては、メチルアミン、エチルアミン等の低級アルキルアミンを使用することもできる。
液体アンモニア処理されたセルロース繊維含有構造物は、付着しているアンモニアを加熱により除去する。
次に、液体アンモニア処理された前記セルロース繊維の糸又は布帛を、セルロースの水酸基と反応し、繊維間に架橋結合を発生させる樹脂加工を行う。
樹脂加工剤としては、セルロースの水酸基と反応し架橋を生成するものであればいずれのものでもよい。このような化合物としては、ジヒドロキシエチレン尿素誘導体、メラミン誘導体、エチレン尿素誘導体、エポキシ誘導体、カルボン酸誘導体もしくはこれらの反応基を2つ以上持つ化合物もしくはこれらの混合物が用いられ、例えば、グリオキザール、グルタルアルデヒド等のアルデヒド類、ジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、テトラブタンカルボン酸等のポリカルボン酸類、ジメチロール尿素、トリメチロールメラミン、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等の繊維素反応型N−メチロール化合物等が挙げられ、これらの中でも特に、繊維素反応型N−メチロール化合物、グリオキザール系樹脂等が好ましい。
上記助剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類、ジメチルホルムアミド、モルホリン、2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素溶媒類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン等のエステル類などが挙げられる。
本発明は、樹脂加工後に湯洗により、セルロース繊維の表面側に付着した染料を洗い落とす。セルロースの非結晶領域の空孔に染着した染料は、落ちにくくなっているが、セルロース表面側に付着した染料は、容易に脱落するために、予め、湯洗により落とす。湯洗は、60〜65℃で0.5〜2分間行うのがもっとも効果的である。65℃以上では染料の脱落という問題があり、また、時間は2分を超えると効率が悪くなる。
(1)染色
糸を、インジゴ染料1.6g/Lの染色液に30秒間浸漬し空気酸化させることを、8回繰り返し、染色した。
(2)製織
上記染色された糸を、経糸を綿番手7の単糸、緯糸を綿番手10の単糸を用いて、経糸67本/吋、緯糸52本/吋の密度で、3/1綾織で製織した。
(3)湯洗
上記織物の表面を、2回毛焼後、温度40℃の湯に40m/分の速度で水槽に通した。
(4)液体アンモニア加工
上記織物を、常圧で−33℃以下の温度に保持された液体アンモニアに、5〜40秒間含浸させた。
温度60〜65℃の湯に、送り速度45m/分で上記織物を通した。
上記(1)〜(6)の加工工程を経たデニム生地を、摩擦堅牢度試験をJIS L 0849(II型試験機)にて行った。その結果を表2に示した。
実施例1と同様に(1)染色、(2)製織、(3)湯洗されたデニム生地を作製し、そのデニム生地を、摩擦堅牢度試験をJIS L 0849(II型試験機)にて行った。その結果を表2に示した。
実施例1と同様に(1)染色、(2)製織、(3)湯洗、(5)樹脂加工、(6)湯洗されたデニム生地を作製し、そのデニム生地を、摩擦堅牢度試験をJIS L 0849(II型試験機)にて行った。その結果を表2に示した。
実施例1と同様に(1)染色、(2)製織、(3)湯洗、(4)液体アンモニア加工、(6)湯洗されたデニム生地を作製し、そのデニム生地を、摩擦堅牢度試験をJIS L 0849(II型試験機)にて行った。その結果を表2に示した。
Claims (3)
- 摩擦堅牢度が、乾燥(タテ)が4.0級以上、湿潤(タテ)が1.5級以上であることを特徴とするデニム生地。
- セルロース繊維を含む糸又は布帛を染色し、前記染色された糸又は布帛に液体アンモニア処理をし、次に、樹脂加工剤により前記セルロース繊維間に架橋結合させ、その後前記糸又は布帛を湯洗することを特徴とするデニム生地の色落ち防止加工方法。
- 前記樹脂加工剤は、セルロースと反応し架橋を生成するもので、ジヒドロキシエチレン尿素誘導体、メラミン誘導体、エチレン尿素誘導体、エポキシ誘導体、カルボン酸誘導体等のセルロースを結合する基を2個以上有する化合物から選ばれることを特徴とする請求項2記載のデニム生地の色落ち防止加工方法。
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2006
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