JP2007178756A - 定着装置及びそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 定着装置の大型化やコストアップすることなく、用紙のカールを除去するとともに、小型、高速定着を実現する。
【解決手段】 芯金の内部に発熱体を有し回転駆動する加熱ローラと、加熱ローラに当接し加熱ローラとの間に用紙を挟む無端状の加圧ベルトと、加圧ベルトの内周側に設けられ加圧ベルトを加熱ローラ側に押圧する加圧部材と、加熱ローラの外周に配置されて用紙を加熱ローラから剥離して案内する剥離ガイドを備えた定着装置を有する電子写真装置において、加圧部材が加圧ベルトを介して加熱ローラと当接する接触部の加熱ローラ回転中心を頂点とする角度をθとし、用紙が加熱ローラから剥離する点と剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が剥離点における加熱ローラの接線となす角度をβとするとき、β/θ=0〜1の範囲にある定着装置を備えた電子写真装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真装置に関し、特に定着装置内で発生する用紙のカールを除去することが可能な定着装置及びそれを備えた電子写真装置に関するものである。
プリンタや複写機,FAXなど、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置として、電子写真方式を応用した電子写真装置が近年、普及している。このような電子写真装置では、用紙などの記録媒体上に転写したトナー像に熱を与えて定着させる定着装置を備えている。前記定着装置は、トナー画像を用紙に定着する際に、内部に熱源を有する加熱ローラに、加圧手段を用いて用紙を押し当てて加熱するため、定着後の用紙にカールが発生する。特に、近年の電子写真装置は小型、高速化が要求され、定着装置においては、小径の加熱ローラに加圧ベルトを介して用紙を押し当てて定着を行うベルト定着方式が多く考案されているため、よりいっそう用紙のカールが大きいものとなっている。
かかる定着後の用紙カールを除去すべく、種々のカール除去手段が施されている。例えば、用紙にトナーを定着させる加熱ローラのほかに、2つのローラ対からなる排紙ローラと、湾曲面を有するガイドあるいは突起を設けて定着後の用紙カールを除去する構成が提案されている。(例えば特許文献1,2)
上述した従来の方式では、定着後の用紙の軌跡を変えることでカールを除去するローラを定着装置の近傍に設ける必要がある。それゆえ、用紙を電子写真装置本体から排出する排紙部が定着装置から遠い場合には、排紙部に設けられる排紙ローラとは別に、定着装置内に排紙ローラを設ける構造となり、電子写真装置全体の大型化やコストアップを招くという課題がある。
特開平10−240053号
特開2003−270981号
本発明は、定着装置内にカール除去のローラ対を設けずに、小型で安価な構成で用紙カールを除去できる定着装置とそれを用いた電子写真装置を提供する。
芯金の内部に発熱体を有し回転駆動する加熱ローラと、前記加熱ローラに当接し前記加熱ローラとの間に用紙を挟む無端状の加圧ベルトと、前記加圧ベルトの内周側に設けられ前記加圧ベルトを前記加熱ローラ側に押圧する加圧部材と、前記加熱ローラの外周に配置されて前記用紙を前記加熱ローラから剥離して案内する剥離ガイドを備えた定着装置を有する電子写真装置において、前記加圧部材が前記加圧ベルトを介して前記加熱ローラと当接する接触部の加熱ローラ回転中心を頂点とする角度をθとし、用紙が加熱ローラから剥離する点と剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が前記剥離点における加熱ローラの接線となす角度をβとするとき、β/θ=0〜1の範囲にある定着装置を備えた電子写真装置とする。
本発明の定着装置及びそれを用いた電子写真装置によれば、定着装置の大型化やコストアップを招くことなく、用紙カールを除去することができる。
以下、本発明の一実施例について図1、2を用いて説明する。
先ず、本発明を適用する電子写真装置の概要について、その概略断面を示す図2を用いて説明する。図2において、装置中央部に中間転写装置11が配置されており、中間転写装置11の周辺には、感光装置12、転写装置13、用紙剥離手段14、中間転写装置清掃手段15が配置されている。また、感光装置12の周辺には、帯電器16、感光体清掃手段17、残像除去手段18が配置されている。4色の異なる色の微少着色粉体であるトナーを封入した現像器19K,19Y,19M,19Cが縦方向に重ねて配置されており、その下方には露光手段20、また更にその下方には用紙を溜めておく用紙保持手段21、用紙供給装置22が配置されている。電子写真装置上部には、定着装置10、用紙排出装置23が配置されている。ここで、現像器19K,19Y,19M,19Cは、それぞれブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの各色のトナーを内蔵し、用紙にフルカラー画像を印刷できるようにしている。また、感光装置12は、ベルト状の感光体を用いており、図2で反時計方向に回転している。
このような構成において、帯電器16は感光装置12の表面を一様に帯電させる。次にパソコン、イメージスキャナ等による画像、文字の情報を露光手段20によりドット単位で露光が行われ、感光装置12の表面に静電潜像を形成させる。
その後、感光装置12表面上の静電潜像は、現像装置19K,19Y,19M,19Cのいずれかによりトナーが供給、現像されることにより、トナー像として可視化され、第一転写位置T1へ搬送される。第一転写位置T1では、図示しない電源から供給される感光装置12と中間転写装置11との電位差により、トナー像が中間転写装置11の表面へ転写される。第一転写位置T1を通過した後、感光装置12の表面は残像除去手段18による光照射で電位を一定以下に落とされ、静電潜像が消去される。また、感光体清掃手段17により第一転写位置T1にて転写されずに残留した表面の残トナーが清掃され、次のトナー像の形成が可能な状態になる。上記工程を各現像装置19K〜19Cにより必要数繰返すことにより、中間転写装置11の表面には、画像、文字の情報に見合うトナー像が形成される。その後、トナー像は第二転写位置T2で転写装置13によって、用紙供給装置22により用紙保持手段21から供給された用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、用紙剥離手段14により中間転写装置11より剥離され、定着装置10に運ばれ、トナー像を用紙に定着し、用紙排出装置23にて排出される。
次に、本発明の電子写真装置における定着装置について、その模式図である図1を用いて説明する。定着装置は、加熱ローラ1、加圧ベルト2、入口ガイド3、剥離ガイド4、出口ガイド7、下ケース33から構成される。加熱ローラ1は、厚さ0.5mmのパイプ状の鉄芯金1aの上に、厚さ0.8mm、JIS硬度20度のシリコーンゴム層1bで被覆された外径26.6mmの弾性ローラであり、その表面にはトナーとの離型性を確保するため厚さ30μmのPFA(四弗化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が被覆されている。また、内部にはヒータ5を有しており、この熱によって用紙32表面の未定着トナー9を溶融する。また、加熱ローラ1は、図示していないギヤにより矢印A方向へ回転する。
加圧ベルト2は、厚さ80μm、内径30mmのシームレスのポリイミドベルトであり、その表面にはトナーとの離径性を確保するため、厚さ30μmのPFA が被覆されている。また、加圧ベルト2は、表面が加熱ローラの曲率に対応した湾曲形状を有する加圧パッド6によって、加熱ローラに対して巻付き角度θで当接し、未定着トナー9を溶融するための接触部hを形成している。接触部hは、ニップ幅ともいう。そのため、加熱ローラ1が小径でも定着する速度に必要な接触部hが形成できるため、定着装置10の小型化が図れる一方、高速定着が可能となる。本実施例では、接触部h=11mm、θ=47°で定着速度200mm/sを実現している。
加熱ローラ1の周囲には、用紙32を案内するガイド機能を有する耐熱性の樹脂で成形された下ケース33と、加熱ローラ1の通紙部に当接して加熱ローラ1の表面温度を高精度に検知することでヒータ5の発熱を制御するための接触式サーミスタ31と、加熱ローラ1の表面とギャップGを形成して定着後の用紙32を加熱ローラ1から剥離して案内する剥離ガイド4が配置されている。
以上の構成により、未定着トナー9が転写された用紙32は、入口ガイド3および下ケース33のガイドにより矢印B方向へ搬送され、加熱ローラ1と接触部hで当接し、そこで未定着トナー9が用紙32に溶融定着されたのち、剥離ガイド4により加熱ローラ1から剥離されて定着装置10から排出される構成となっている。また、接触部hは水平線pに対して角度φ傾斜していることにより、定着装置から排出される用紙は、先に説明した図2における電子写真装置本体の排紙部へ搬送される構成となっている。ここで水平線pは、電子写真装置が設置されている面(積載面)に対して水平な線とする。
次に本発明に係わる用紙カール除去方法について説明する。
用紙32は、加熱ローラ1との接触部hで角度θに変形されるため、そのままでは加熱ローラ1の曲率に対応したカールが生じる。そこで本発明では、接触部hの出口点bから角度αの位置に、加熱ローラ1とギャップGを形成するとともに、接触部hの出口点bと剥離ガイドの上端部d点を結ぶ線lが、接触部hの出口点における加熱ローラ1の接線mと角度βを形成するよう、剥離ガイド4を配置している。この構成により、接触部hから搬送された用紙32は、剥離ガイド4によって加熱ローラ1から剥離するとともに、湾曲形状を有する加圧パッド6の出口点bを支点にして角度βで曲げられる。その結果、用紙32は加熱ローラ1とは反対方向に強制されることとなり、接触部hで生じるカール、すなわち加熱ローラ1へ巻き付く方向のカールが除去できる構成となっている。なお、定着直後の用紙32のトナー画像面が剥離ガイド4と当接する構成となるため、剥離ガイド4の表面にはトナーの離径性および用紙との摺擦性が必要であり、そのため、剥離ガイド4の表面にはフッ素コートもしくはフッ素フィルムを形成している。また、本実施例では、低コストおよび剥離ガイドの真直精度から、剥離ガイド形状を平坦形状としてるが、用紙との摺動負荷低減からリブをもうけても構わない。
次に本発明における各々の角度について、以下説明する。角度θは、接触部hの両端と加熱ローラ1の回転中心を結んだ線がなす角度である。また角度αは、出口点b、剥離ガイドの先端位置cがそれぞれ加熱ローラ1の回転中心を結んだ線がなす角度である。角度θ,αは、いずれも加熱ローラ1の回転軸中心位置を頂点としている。
接触部hの中心線nと水平線pとのなす角度φは、電子写真装置本体における排紙部と定着装置と位置関係から決まる角度であり、本実施例では、先に示した図2の電子写真装置の構成からφ=17°としている。
剥離ガイド4の先端位置cは、接触部hの出口点bに近いほど、用紙の剥離性および用紙のカール除去性もよくなるが、接触部hの出口点bに近過ぎると、用紙先端が剥離ガイド先端部cにあたり、耳折れや用紙ジャムが発生する。一方、加熱ローラ1とのギャップGは小さいほど用紙剥離性はよくなるが、小さ過ぎると、加熱ローラ表面に剥離ガイド先端が当接し、加熱ローラ表面を傷つけることとなる。そのため、本実施例では、剥離ガイド4の先端位置cを接触部hの出口点bから5.5mm、角度αを24°、加熱ローラ1とのギャップGを0.5mmとしている。
接触部hの出口点bと剥離ガイドの終端部d点を結ぶ線lが、接触部hの出口点bにおける加熱ローラ1の接線mとなす角度βについては、接触部の角度θとの比β/θ=0.4〜0.8の範囲であれば、坪量57g/mの薄紙から坪量203g/mの厚紙に対して、定着装置で発生するカール量を30mm以下に低減できる。そのため本実施例では、β/θ=0.6としてカール量10mm以下を実現している。なお、β/θの適正範囲の詳細については後述する。
また、一方、線lと水平線pとのなす角度γは、用紙は下方から上方へ搬送される構成のため、90°よりも小さい鋭角とする必要がある。なぜなら、角度γが90°よりも大きい鈍角では、定着後の用紙が剥離ガイド4に沿って搬送されると、重力によって用紙が加圧ベルト2側に倒れ、反対に加圧ベルト側、すなわち用紙裏面側のカール量が極端に大きくなるからである。本実施例では、図2で示した電子写真装置本体の構成から角度γ=77°としているが、電子写真装置本体の用紙排出装置との整合によっては、90°よりも小さければ問題ない。
次に、本発明における加圧パッド6の形状とカール除去について、図3,4,5,6を用いて説明する。先ず、加圧パッド6の形状について、その斜視図を示す図3を用いて説明する。加圧パッド6は、コの字形状した金属ステー6aと、耐熱性の弾性を有し更にその表面が加熱ローラ1の曲率にならって当接する湾曲形状を有する弾性部材6bを備え、金属ステー6aと弾性部材6bとを接着した一体構成としている。そのため、加熱ローラ1に対して、少ない押し付け荷重でも十分な幅の接触部hを形成することができる。また、図中eで示す弾性部材6bのエッジ部は、R形状としており、これによって用紙カールを低減している。その詳細については後述する。
なお、弾性部材6bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの耐熱性樹脂やあるいは金属板をプレス成型した部材であっても構わないが、その場合は、加熱ローラ1との当接精度、すなわち加熱ローラ軸とのねじれや軸ずれを厳しく管理する必要がある。なぜなら、それら硬い部材で加圧した場合、表面が湾曲形状しているため、加熱ローラ1に対するねじれや軸ずれが小さくても、エッジ部eでの圧力が過大となったり、湾曲部の圧力が逆に低下し、その結果、画像に光沢ムラや定着強度ムラが発生するからである。したがって、弾性部材6bとしては、硬度は小さい方が好ましいが、小さ過ぎるとゴムが圧縮永久変形する現象があり、寿命が低下する。そのため、本発明においては、弾性部材6bとしてはJIS K6253記載のゴム硬度計でゴム硬度20°〜80°の弾性を有するシリコーンゴムもしくはフッ素ゴムが好ましい。なお、弾性部材6bの湾曲形状は、加熱ローラ1の曲面と湾曲方向が同じであれば、必ずしも加熱ローラ1の極率と一致しなくとも良い。
本発明による先端が湾曲形状をもつ弾性部材6bと加熱ローラ1との接触部hの拡大図を図4に示す。弾性部材6bのエッジ部eをR形状とすることによって、接触部hの出口点bにおいて、加圧ベルト2が弾性部材6bのエッジ部eに対して少ない曲率半径Rで追従できる。そのため、接触部hの出口点bにおける加熱ローラ1の接線mに対する、剥離ガイド4との角度βを大きく確保することができ、その結果、用紙は出口点bを支点として、加熱ローラ1と反対方向に大きな角度βで強制的に曲げられ、接触部hで生じるカールを効率よく除去できる構成となっている。これに対して、弾性部材6bの先端(加熱ローラ側)が平坦な場合は、接触部hの出口点bにおいてエッジ部が形成されず、そのため、接触部hで生じる加熱ローラ1側へのカールを除去することが難しいものとなっている。
図5に、弾性部材6の先端が平坦な場合の接触部hの拡大図を示す。弾性部材6bが平坦な場合、加熱ローラ1と接触しない部分δが存在し、そのため、接触部hの出口点bにおける加熱ローラ1の接線mに対する、剥離ガイド4との角度βが小さいものとなる。また、仮に、剥離ガイド4の位置を図中2点鎖線でしめす直線l’の位置にもっていったとしても、加圧ベルト2の剛性によって、用紙が加熱ローラ1と反対方向へ曲げられる支点の位置が、接触部hの出口点bではなく、加圧ベルト2上のb’となり、用紙に圧力がかからない不安定なものとなる。すなわち、たとえ角度βが大きくても、加圧ベルト2の剛性によって、用紙を加熱ローラ1とは反対向きに強制させる曲率半径Rが大きく、その結果、カール除去の効果が少ないものとなる。この効果をさらに説明するために、本発明における湾曲形状を有する弾性部材での接触部hにおける圧力分布と、平坦形状の弾性部材での圧力分布を示した図6を用いて説明する。
図6の曲線qは、図4で示した、本発明による弾性部材が湾曲形状の場合の接触部hにおける圧力分布であり、曲線q’は、図5で示した、弾性部材が平坦な場合の圧力分布である。弾性部材が湾曲形状の場合、接触部hの入口点aから出口点bの間で、曲線q’の圧力分布と比較してほぼ均一な圧力分布を有し、出口点bにおいてはある所定の圧力pを形成することができる。一方、平坦な弾性部材の場合、接触部hの入口点aから出口点bの間で、中央部で高く、入口および出口点で圧力が0となる圧力分布形状となる。したがって、本発明では、用紙が加熱ローラ1から離れる接触部hの出口点bの圧力を高く保持できる点において、平坦な形状の弾性部材よりもカール除去性に優れている特徴をもっている。
次に、本発明における角度βの適正範囲について、図7を用いて説明する。図7は、本発明による定着装置10において、各種坪量の用紙を通紙したときの発生するカール量を示している。横軸は、図1で示した出口点bの加熱ローラの接線mを基準とした時の角度βと接触部角度θとの比β/θを示している。また、正の符号は角度βが接線mよりも加熱ローラ1と反対側に形成される方向、すなわちカール除去方向であり、負の符号は接線mよりも加熱ローラ1側の方向を示している。縦軸は、本発明による定着装置10に、用紙を通した時に発生したカールを示している。また、正の符号は、加熱ローラ側に巻き付く方向、すなわち用紙のトナー面側のカールであり、負の符号は加熱ローラ1側とは反対の方向、すなわち用紙の裏面側へのカールを示している。なお、カール量の測定は、トナーの収縮による影響を除くため、すべて白紙印字にておこない、そのとき生じた用紙の四隅でのカールの平均値をとっている。
本結果から、用紙カールは用紙の坪量に依存し、坪量が大きくなると、すなわち厚紙になるほどカール量も大きいが、β/θを大きくすることで、カール量を低減できることがわかる。また、一般にカール量が30mm以下であれば問題とならないことから、本発明におけるカール量の許容範囲を±30mm以内とすると、用紙の坪量によって、β/θの適正範囲が以下のようになる。すなわち、坪量57g/mから75g/mの用紙では、β/θ=0〜1の範囲となり、坪量90g/m2ではβ/θ=0.2〜1の範囲、坪量163g/mから203g/mの厚紙ではβ/θ=0.4〜0.8の範囲となる。したがって、通常よく使用される用紙としては、坪量が55g/m以上80g/m未満であることから、β/θの適正範囲としては0〜1の範囲となるが、80g/mを超える厚紙までサポートする場合、すなわち55〜203g/m2のまでの広い範囲の用紙をサポートする場合は、β/θ=0.4〜0.8の範囲がより好ましいものとなる。以上から本実施例においては、β/θ=0.6とすることによって、55〜203g/m2の用紙に対して、定着装置でのカール量を±10mm以下を実現した。
本実施例により、小型で多種用紙の高速、高画質カラー定着を実現するとともに、用紙カールを除去するという目的を、湾曲形状を有する加圧部材が加熱ローラと当接する接触部の角度をθとし、用紙が加熱ローラから剥離する点と剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が加熱ローラの接線となす角度をβとするとき、β/θ=0〜1を満足するように、湾曲形状を有する加圧部材と剥離ガイドを設けることにより、最小の部品点数で、定着器ならびに電子写真装置の大きさを損なわずに実現した。
本発明に係る定着装置の模式図である。 本発明に係る電子写真装置の模式図である。 本発明における弾性部材の概略斜視図である。 本発明における弾性部材と加熱ローラの接触部の拡大断面図である。 本発明に係わる弾性部材が平坦形状の場合の加熱ローラの接触部の拡大断面図である。 本発明における弾性部材と加熱ローラの接触部の圧力分布である。 本発明の定着装置における剥離ガイドと接触部出口とのなす角度とカールの関係である。
符号の説明
1…加熱ローラ、1a…鉄芯金、1b…シリコーンゴム、2…加圧ベルト、3…入り口ガイド、4…剥離ガイド、5…ヒータ、6…加圧パッド、6a…金属ステー、6b…弾性部材、7…出口ガイド、8…トナー、10…定着装置、11…中間転写、12…感光装置、13…転写装置、14…用紙剥離手段、15…中間転写装置清掃手段、16…帯電器、 17…感光体清掃手段、18…残像除去手段、19K,19Y,19M,19C…現像器、20…露光手段、21…用紙保持手段、22…用紙供給装置、23…用紙排出装置、31…サーミスタ、32…用紙、33…下ケース。

Claims (9)

  1. 芯金の内部に発熱体を有し回転駆動する加熱ローラと、前記加熱ローラに当接し前記加熱ローラとの間に用紙を挟む無端状の加圧ベルトと、前記加圧ベルトの内周側に設けられ前記加圧ベルトを前記加熱ローラ側に押圧する加圧部材と、前記加熱ローラの外周に配置されて前記用紙を前記加熱ローラから剥離して案内する剥離ガイドを備えた定着装置を有する電子写真装置において、
    前記加圧部材が前記加圧ベルトを介して前記加熱ローラと当接する接触部の加熱ローラ回転中心を頂点とする角度をθとし、用紙が加熱ローラから剥離する点と剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が前記剥離点における加熱ローラの接線となす角度をβとするとき、β/θ=0〜1の範囲にある定着装置を備えたことを特徴とする電子写真装置。
  2. 加圧ベルトを介して加熱ローラと当接する加圧部材の面が、前記加熱ローラの湾曲方向と一致する湾曲形状であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 用紙が加熱ローラから剥離する点に、加圧ベルトを介して加圧部材のエッジ部が加熱ローラと当接し、該エッジ部がR形状であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  4. 剥離ガイドの表面は、フッ素コートもしくはフッ素フィルムで被覆されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  5. トナーを内蔵する現像器によって現像された像を用紙に転写する転写部と、前記転写された後の未定着のトナーを前記用紙に定着する定着装置と、前記定着装置によって定着された用紙を外部に排出する排出部を備えた電子写真装置において、
    前記定着装置は、内部に発熱体を有する加熱ローラと、前記加熱ローラに当接し前記加熱ローラとの間に前記用紙を挟む無端状の加圧ベルトと、前記加圧ベルトの内周側に設けられ前記加圧ベルトを前記加熱ローラ側に押圧する加圧部材と、前記加熱ローラの外周に配置されて前記用紙を前記加熱ローラから剥離して案内する剥離ガイドを有して前記転写部の上方に設けられ、
    前記用紙が前記加熱ローラから剥離する点と前記剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が、電子写真装置の設置面と水平な線となす角度が90度以下であることを特徴とする電子写真装置。
  6. 芯金の内部に発熱体を有し回転駆動する加熱ローラと、前記加熱ローラに当接し前記加熱ローラとの間に用紙を挟む無端状の加圧ベルトと、前記加圧ベルトの内周側に設けられ前記加圧ベルトを前記加熱ローラ側に押圧する加圧部材と、前記加熱ローラの外周に配置されて前記用紙を前記加熱ローラから剥離して案内する剥離ガイドを備えた定着装置において、
    前記加圧部材が前記加圧ベルトを介して前記加熱ローラと当接する接触部の加熱ローラ回転中心を頂点とする角度をθとし、用紙が加熱ローラから剥離する点と剥離ガイドの終端部とを結ぶ線が前記剥離点における加熱ローラの接線となす角度をβとするとき、β/θ=0〜1の範囲にあることを特徴とする定着装置。
  7. 加圧ベルトを介して加熱ローラと当接する加圧部材の面が、前記加熱ローラの湾曲方向と一致する湾曲形状であることを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 用紙が加熱ローラから剥離する点に、加圧ベルトを介して加圧部材のエッジ部が加熱ローラと当接し、該エッジ部がR形状であることを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  9. 剥離ガイドの表面は、フッ素コートもしくはフッ素フィルムで被覆されていることを特徴とする請求項6記載の定着装置。
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