JP2009086397A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱手段21に圧接してニップ部を形成する加圧手段31は、所定方向に走行する無端状のベルト部材32と、ベルト部材32を介して加熱手段21に圧接する加圧パッド33と、ベルト部材32の姿勢を保持するガイド部材36A〜36Cと、ニップ部の出口側においてベルト部材32に弛緩が生じないようにベルト部材32に張力を与える張力付与手段36B、36C、38と、を具備する。
【選択図】図2
Description
このような加圧ベルトを用いた定着装置は、ニップ部における搬送方向のニップ幅を充分に確保できるとともに、加圧ベルトの熱容量を小さく設定することで定着部材から奪われる熱量を小さくすることができるために、加圧ローラを用いた装置と比べて、良好な定着性を得ることができる。
これを解決するために、加圧ベルト(加圧フィルムも含むものとする。)を介して加圧パッドを加熱手段に圧接させてニップ部(定着ニップ部)を形成する方策が考えられる(例えば、特開2007−187889号公報等参照。)。
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7はカット紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2を参照して、定着装置20は、トナー像Tを加熱する加熱手段21、25、加熱手段21、25に圧接して記録媒体Pが搬送されるニップ部を形成する加圧手段31、等で構成されている。
加熱手段は、主として、加圧ベルト32(ベルト部材)を介して加圧パッド33に圧接する定着ローラ21と、定着ローラ21を輻射熱により加熱する熱源としてのヒータ25と、で構成されている。
加圧手段31は、図2の矢印方向に走行する無端状のベルト部材としての加圧ベルト32、加圧ベルト32を介して定着ローラ21(加熱手段)に圧接する加圧パッド33(加圧部材)、加圧パッド33を支持する支持部材34(支持板)、加圧パッド33を定着ローラ21に向けて付勢するスプリング35、加圧ベルト32の姿勢を保持するガイド部材36A〜36C、張力付与手段としてのスプリング38、加圧ベルト32の内周面(摺動面)に潤滑剤を供給する潤滑剤保持部材37、等で構成されている。
定着ローラ21の芯金22上に弾性層23を設けることで、ニップ部を通過した後の記録媒体Pの分離性が向上するとともに、カラー画像を形成するときの出力画像の光沢性が向上する。上述の効果を確実なものにするため、弾性層23の層厚を0.5〜3mmに設定することが好ましい。
具体的に、第2ガイド部材36Bをスプリング38によって付勢することで、加圧ベルト32はニップ部から離れる側(図2の下方である。)に向けて張力が与えられる(引っ張られる。)。また、第3ガイド部材36Cをスプリング38によって付勢することで、加圧ベルト32はニップ部の入口側(図2の右側である。)に向けて張力が与えられる(引っ張られる。)。
張力付勢手段36B、36C、38を設けない場合には、ニップ部の出口側における加圧ベルト32の走行姿勢は不安定になってしまう。そして、図3(B)に示すように、ニップ部の出口B側における加圧ベルト32の外周面が、ニップ部の入口Aと出口Bとを通る仮想線Lに重なってしまう。すなわち、ニップ部の出口Bの位置で、加圧ベルト32の外周面から引かれる仮想接線(図3(B)中の矢印である。)は、記録媒体Pの搬送方向Lに対して上方(定着ローラ21側)に向くことになる。したがって、ニップ部の出口から送出される記録媒体Pが定着ローラ21に吸着して定着ローラ21から分離されない分離不良が生じやすくなってしまう。
これに対して、本実施の形態1では、張力付勢手段36B、36C、38を設けることで、ニップ部の出口側における加圧ベルト32の走行姿勢は安定して、ニップ部から送出された記録媒体Pは図3(A)中の矢印方向に導かれるため、分離不良が生じにくくなる。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、定着ローラ21の図2中の矢印方向の回転駆動が開始され、それに連動して加圧ベルト32の図2中の矢印方向の走行(回転)が開始される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、2次転写バイアスローラ18の位置で記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の破線矢印の方向(−X方向)に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ベルト32のニップ部に送入される。そして、定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ベルト32(加圧パッド33)の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ローラ21及び加圧ベルト32によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、破線矢印の方向(−X方向)に搬送される。
本実施の形態1における定着装置20は、部品点数が比較的少なく、定着装置20を複雑化・大型化することなく加圧ベルト32を配設していて、良好な定着性を得ることができる。さらに、本実施の形態1では、ニップ部の出口側において加圧ベルト32に弛緩が生じないように加圧ベルト32に張力を与えているために、定着工程後の記録媒体Pの分離性を向上させることができる。
図4〜図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図4は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。図5は、図4の定着装置に設置される加圧機構を示す概略図である。図6は、加圧パッド33及び支持部材34を幅方向にみた概略図である。
そして、本実施の形態2においても、ガイド部材36がスプリング38によって下方に付勢されていて、加圧ベルト32に対してニップ部から離れる側(図4の下方である。)に向けて張力が与えられている。
このような構成により、本実施の形態2においても、ニップ部の出口側における加圧ベルト32の走行姿勢が安定して、ニップ部から送出された記録媒体Pの分離不良が生じにくくなる。
さらに詳しくは、図6(A)を参照して、付勢部材としての加圧レバー39は、支持部材34を幅方向(図4のZ方向である。)の両端から付勢している(図6(A)中の黒矢印方向の付勢である。)。そして、加圧パッド33を支持する支持部材34は、加圧パッド33をニップ部に向けて幅方向中央部から付勢している(図6(A)中の白矢印方向の付勢である。)。このような構成により、加圧パッド33は、定着ローラ21(加圧ベルト32)に対して、幅方向にわたってほぼ均一に圧接することになる。したがって、図6(B)に示すように、定着ローラ21と加圧パッド33(加圧ベルト32)とのニップ部におけるニップ幅は、幅方向にわたってほぼ均一化されて、出力画像上に定着ムラが生じにくくなる。
なお、本実施の形態2では、加圧パッド33の姿勢を圧接方向に合わせて垂直方向(定着ローラ21の回転中心に向かう方向である。)に対して角度θでけ傾斜するように構成したが、加圧パッド33の姿勢が垂直方向に対して傾斜しないように構成しても、その圧接方向が角度θだけ傾いていれば、上述した効果と同様の効果を奏することになる。
図7及び図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図7は、実施の形態3における定着装置を幅方向にみた概略図である。図8は、ストッパ部材40のガイド部40aを示す断面図である。
そして、本実施の形態3においても、ガイド部材36がスプリング38によって下方に付勢されていて、加圧ベルト32に対してニップ部から離れる側に向けて張力が与えられている。
このような構成により、加圧ベルト32は、ニップ部近傍において、ガイド部40aに影響されることなく、加圧パッド33の変形に沿って変形することになる。さらに、加圧ベルト32は、ニップ部の出口側において、ガイド部40aに影響されることなく、ガイド部材36による下方への付勢により弛緩が生じることなく張力が与えられることになる。したがって、良好なニップ部が形成されるとともに、分離不良の発生を確実に軽減することができる。
図9にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は、実施の形態4における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態4における定着装置は、加熱手段に定着ベルトが用いられている点が、加熱手段に定着ローラが用いられている前記実施の形態1のものとは相違する。
加熱手段は、図9の矢印方向に走行する無端状の定着ベルト41、定着ベルト41を張架する複数のローラ部材42〜44、定着ベルト41及び加圧ベルト32を介して加圧パッド33に圧接する弾性部材としての定着パッド46、定着パッド46を支持する支持板47、定着パッド46を加圧ベルト32に向けて付勢するスプリング51、テンションローラ44を定着ベルト41に向けて付勢するスプリング50、定着ベルト41を介してテンションローラ44に圧接する圧接パッド49、定着ベルト41に外接する加熱ローラ45、加熱ローラ45と複数のローラ部材42〜44とにそれぞれ内設されて定着ベルト41を加熱する熱源としてのヒータ25、定着パッド46と定着ベルト41との間に配設された低摩擦部材48、等で構成されている。
なお、本実施の形態4では、熱源としてのヒータ25を4つのローラ部材42〜45のすべてに内設したが、ヒータ25を内設するローラ部材を3つ以下としてもよい。また、定着ベルト41の駆動源となるローラ部材は、加熱ローラ45以外のローラ部材42〜44としてもよい。
20 定着装置、
21 定着ローラ(加熱手段)、
22 芯金、 23 弾性層、 24 離型層、
25 ヒータ(熱源)、
31 加圧手段、
32 加圧ベルト(ベルト部材)、
33 加圧パッド、
34 支持部材、
36、36A〜36C ガイド部材、
37 潤滑剤保持部材、
38 スプリング(張力付与手段)、
39 加圧レバー(付勢部材)、
41 定着ベルト(加熱手段)、 P 記録媒体。
Claims (13)
- トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、
トナー像を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧手段と、
を備え、
前記加圧手段は、
所定方向に走行する無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材を介して前記加熱手段に圧接する加圧パッドと、
前記ベルト部材の姿勢を保持するガイド部材と、
前記ニップ部の出口側において前記ベルト部材に弛緩が生じないように当該ベルト部材に張力を与える張力付与手段と、
を具備したことを特徴とする定着装置。 - 前記張力付与手段は、前記ベルト部材に対して前記ニップ部の入口側又は/及び前記ニップ部から離れる側に向けて張力を与えるように前記ガイド部材を付勢することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記張力付与手段は、前記ニップ部の出口側における前記ベルト部材の外周面が、前記ニップ部の入口と出口とを通る仮想線に重ならないように、前記ベルト部材に張力を与えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記加圧手段は、前記ベルト部材の幅方向の移動を規制するとともに前記加熱手段に係合するストッパ部材を幅方向両端部に具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記ストッパ部材は、前記ニップ部を除く位置に、前記ベルト部材の走行方向の姿勢を保持するガイド部を具備したことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
- 前記加圧手段は、前記ベルト部材と前記加圧パッドとの間に、潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧手段は、
前記加圧パッドを支持するとともに、前記加圧パッドを前記ニップ部に向けて幅方向中央部から付勢する支持部材と、
前記支持部材を前記ニップ部に向けて幅方向両端から付勢する付勢部材と、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。 - 前記加圧パッドは、装置の稼動が停止しているときに、前記加熱手段に対して記録媒体の搬送方向上流側に傾斜した方向に圧接することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧パッドは、無限平板が前記加熱手段に圧接した場合に形成されるニップ部のニップ幅に対して、前記ニップ部におけるニップ幅が同等以下になるように前記加熱手段に圧接することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧パッドは、前記ニップ部の出口側及び入口側に対応する位置のヤング率が前記ニップ部の中央部に対応する位置のヤング率よりも低くなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱手段は、
弾性層を有するとともに、前記ベルト部材を介して前記加圧パッドに圧接する定着ローラと、
前記定着ローラを加熱する熱源と、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置。 - 前記加熱手段は、
複数のローラ部材に張架された定着ベルトと、
前記定着ベルト及び前記ベルト部材を介して前記加圧パッドに圧接する弾性部材と、
前記定着ベルトを加熱する熱源と、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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