JP2004191405A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルト部材11を介してもう下位ローラ13に対向してニップを形成する上位ローラ12と、一方の上位ローラ12内部或いはその近傍に設けられた加熱手段15とを有し、未定着トナー像を担持した記録シートSをニップに通過させることにより、未定着トナー像を加熱溶融して記録シートSに定着させる定着装置10にて、ベルト部材11に先端が接触し、ニップを通過した記録シートSをベルト部材11から剥離する剥離部材16を設け、剥離部材16先端の接触部近傍のベルト部材11が上位ローラ12と非接触にしている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置における定着装置および画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置における定着装置には、表面が非粘着性の弾性体で内部に加熱源を有する加熱ローラと、弾性体で被覆された加圧ローラを設け、適当な圧力を加えて回転するそのローラ間に、トナーを担持した記録紙を通過させて定着させる熱ローラ定着方式が使用されている。しかし、この熱ローラ定着方式では、加熱ローラの熱容量が大きいため、加熱ローラを定着に必要な所定の温度に加熱するまでの時間が必要となり、装置のウォームアップのための待機時間を長くしている。また、加熱ローラの温度を維持するために多くの消費電力を必要とし、装置全体の消費電力を大幅に増加させている。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するため、ベルト面で転写紙上のトナーを定着するベルト加熱定着方式が開発されている。ベルト加熱定着方式は、比較的小さな熱容量を有する定着ベルトを、所定の温度に加熱するだけで定着に必要な熱エネルギーが得られるので、待機時間を短くでき、また消費電力を低減することができる。
【0004】
近年、カラー画像形成装置においては、画像の色再現性や光沢性を確保するために、トナーを十分溶融することが要求されおり、従って、低い融点のトナーが使用されている。低い融点のトナーは、高温オフセットを起こしやすく、そのため、離型剤として低粘度のシリコンオイルを多量に塗布している。このようにシリコンオイルを多量に使用すると、シリコンオイルのこぼれや、転写紙への付着等の問題が発生する。
【0005】
このような問題点を解決するために、シリコンオイルを全く使用しないか、或はわずかな使用で、定着後の優れた色再現性と光沢性を得るようにした定着装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−184300号公報
例えば、特許文献1には、シリコンオイルを使用しないで画像、用紙、および定着ローラに損傷を与えることなく安定した剥離を行うことのできる分離部材である剥離シートを備えた定着装置が開示されている。本公報では、剥離シート端縁を定着ローラに接触とし、用紙を定着ローラから剥離させている。このように剥離シートを定着ローラに接触させた定着装置では、剥離シートの定着ローラに対する接触圧が弱いと、記録シートの腰で剥離シートがめくれ上がってしまうため、接触圧をある程度高める必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、剥離シートの定着ローラへの接触圧を高めると、特にオイルレス定着装置では定着ローラにキズが生じ、画像にキズ跡が発生してしまう。また、剥離シートが定着ローラにオフセットしたトナーを掻き取り、剥離シートにフッ素系樹脂層を形成したとしても、少なからず剥離シートにトナーが堆積してしまう。そして、その堆積して固まったトナーが剥れ落ちて定着ローラをキズ付けてしまうこともある。
【0008】
本発明は、上記した問題を解消し、特にオイルレス定着でも用紙巻付きと、画像乱れのない定着装置および画像形成装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも一方がベルト部材である一対の回転体と、該ベルト部材の内側に設けられ、前記ベルト部材を介してもう一方の回転体に対向してニップを形成する圧力部材と、少なくとも一方の回転体内部或いは回転体の近傍に設けられた加熱手段とを有し、未定着トナー像を担持した記録シートを前記ニップに通過させることにより、未定着トナー像を加熱溶融して記録シートに定着させる定着装置において、前記ベルト部材に先端が接触し、前記ニップを通過した記録シートを前記ベルト部材から剥離する剥離部材を設け、該剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材が前記圧力部材と非接触であることを特徴としている。
【0010】
なお、本発明の定着装置において、前記ニップの形状が、前記圧力部材側が凹む形状であると、効果的である。
さらに、本発明の定着装置において、前記圧力部材が組み付け状態での表面のAskerC硬度をH1(Hs)、該圧力部材に前記ベルト部材を介して対向する回転体表面のAskerC硬度をH2(Hs)としたとき、H2−H1≧ 13(Hs)であると、効果的である。
【0011】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記圧力部材に前記ベルト部材を重ねた状態での表面のAskerC硬度をH3(Hs)としたとき、H2−H3 ≧ −15(Hs)であると、効果的である。
【0012】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記ベルト部材が、ベルト基材と、該ベルト基材上に設けられた弾性層と有し、該弾性層の厚さは100μm以上であると、効果的である。
【0013】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記ベルト部材が前記圧力部材と非接触となる非接触部よりベルト走行方向下流側に、該ベルト部材表面に接触する接触部材を設けると、効果的である。
【0014】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記接触部材が、前記ベルト部材に対しその走行を妨げる作用を与える回転体であると、効果的である。
さらにまた、本発明の定着装置において、前記接触部材が、前記ベルト部材の表面を清掃するクリーニング機能を備えていると、効果的である。
【0015】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記ベルト部材は、ベルト基材が耐熱性樹脂層からなり、該ベルト基材の厚さが70μm以下であると、効果的である。
【0016】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、その張架するテンションが2kgf以下であると、効果的である。
【0017】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、該テンション部材のテンション方向が前記圧力部材中心と、前記ベルト部材を介して該圧力部材に対向する回転体中心を結んだ直線の延長線に対し、ニップ入口側に傾いていると、効果的である。
【0018】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記圧力部材の表層は、ソリッドのシリコーンゴムで形成されていると、効果的である。
さらにまた、本発明の定着装置において、前記圧力部材に前記ベルト部材を介して対向する前記回転体を駆動すると、効果的である。
【0019】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記剥離部材の先端が、通紙時のみ前記ベルト部材に接触すると、効果的である。
さらにまた、本発明の定着装置において、前記剥離部材の先端は、通紙時以外で前記ベルト部材の走行速度を遅くすることにより、前記ベルト部材と離間すると、効果的である。
【0020】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記剥離部材及び前記圧力部材が、前記ベルト部材の幅方向両側より張り出した幅を有するとともに、該張り出し部分で前記剥離部材と前記圧力部材とが当接させ、前記ベルト部材に対向する部分における前記剥離部材先端と該圧力部材のギャップを維持すると、効果的である。
【0021】
さらにまた、本発明の定着装置において、前記圧力部材の前記剥離部材と接触する端部に断熱性部材が設けられていると、効果的である。
さらにまた、本発明の定着装置において、前記圧力部材が芯金を有する回転体であり、前記剥離部材と接触する該圧力部材の端部には、芯金に対して回転自在なコロ部材が設けられていると、効果的である。
【0022】
また、上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、請求項1〜18の何れか1つに記載のベルト定着装置を有することを特徴としている。
なお、本発明の画像形成装置において、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有したトナーを用いると、効果的である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る定着装置を備えたカラー画像形成装置である。
【0024】
図1において、画像形成装置本体の像担持体は光導電性を有する有機または無機材料からなるドラム状の感光体1Y,1C,1M,1BKである。本発明が適用されるカラー画像形成装置は、複数の感光体1Y,1C,1M,1BKが複数のローラ21に巻き掛けられた転写ベルト20の一走行辺に沿って配列され、図の矢印方向に回転する。
【0025】
電子写真法を用いたフルカラー画像形成装置としては、色分解重ね合わせ転写方式が一般に使用される。この方式の画像形成装置では、原稿を青、赤、緑の3色に色分解した画像情報光を各々原稿読み取り部(29)で読み取り、その各色光の強度レベルをもとにして画像演算処理を行って得られたイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(BK)の各色で現像すべき書込画像データに基づいて、4つの感光体1A、2A、3A、4A上に光書込を行い、得られた静電潜像を各感光体1Y,1C,1M,1BKに対して設けられたイエロー、シアン、マゼンダ、黒の現像剤を内蔵する現像器2Y,2C,2M,2BKで現像する。この現像により各感光体上に形成された各色トナー像を、給紙部からレジストローラ27を経て各感光体に順次接して周動する転写ベルト20に静電的に吸着される記録シートの一例である転写紙に、各感光体に対設された転写部材である転写ローラ3Y,3C,3M,3BKの作用のもとに重ね合わせ転写する。転写後、転写紙は分離装置28により転写ベルト20から分離され、定着装置10で定着してカラー画像が得られる。
【0026】
図示の例では、各色分解画像情報はカラー画像形成装置本体の上部に設けられた原稿読み取り部29で光学的に色分解され、3つのCCD25で各々よみとられ、その出力信号を基に演算処理して得られた各色データにより、感光体1Y,1C,1M,1BKに対設されたレーザ書き込み装置4Y,4C,4M,4BKにより光書き込みが行われる。
【0027】
感光体1Y,1C,1M,1BKは、それぞれ帯電装置5Y,5C,5M,5BKにより負に帯電され、光書込の行われた部分が負帯電トナーにより反転現像される。帯電装置はコロトロン、スコロトロンなど、コロナ放電により電荷を発生させて像担持体表面に散布する方式のものが用いられる。現像器の配列は、給紙側から2Y,2C,2M,2BKをそれぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒トナー用としており、この順に順次正のコロナにより重ね転写が行われる。転写ベルト20はポリエステルフイルムなどの誘電体から成り、転写ローラ3Y,3C,3M,3BKにより正に帯電するので、転写紙の分離後に転写ベルト20を除電装置26により除電する。除電装置26は転写ベルト20の両面からチャージャで負のACコロナ放電を行い、転写ベルト20の蓄積電荷を中和(除電)して転写ベルト20を初期化する。また転写ベルト20はクリーニングユニット22により残留トナーのクリーニングが行われる。
【0028】
分離装置28は、転写紙の上面からチャージャで負のACコロナ放電を行い、転写紙の蓄積電荷を中和(除電)し、転写紙が転写ベルト20から分離する際の剥離放電によるトナーのチリを防止する。
【0029】
定着装置10は、図2に示すように、ベルト部材11の内側にはローラ状の回転体13とニップを形成するため、ローラ状の圧力部材12が設けられている。ベルト部材11は、上記圧力部材12とローラ状のテンション部材14とに巻き掛けられており、テンション部材14内にはベルト部材11を加熱する加熱手段としてのヒータ15が設けられている。
【0030】
この定着装置10において、図2に示すように、ニップ形状において圧力部材である圧力部材12側が回転体13によって凹むような構成に設定すると、圧力部材12の形状が急激に変化させることができる。他方、ベルト部材11は剛性を有するので、圧力部材12の形状の変化に追従できず、ベルト部材11のニップを抜けた直後の部分に圧力部材12に接触しない非接触部分が発生する。そして、このようにして発生したベルト部材11の非接触部分に転写紙をベルト部材11から剥離する剥離部材16の先端部を接触させている。
【0031】
このようにして構成された定着装置2は、剥離部材16の先端がベルト部材11に接触しても、その接触部を含むその近傍のベルト部材11が圧力部材12と非接触であるから剥離部材16の先端とベルト部材11の接触圧は非常に低い。よって、剥離部材16の先端によってベルト部材11にキズが付けられることがない。また、剥離部材16は固定するか、或いは動きにくくし、ベルト部材11の腰で接触させれば、接触圧が低くても転写紙の腰で剥離部材16がめくれ上がってしまうことがない。なお、剥離部材16の先端形状は平板状、および爪形状であっても良い。
【0032】
ところで、ニップ形状が圧力部材12側に凸となるように、圧力部材12の硬度を固定し、回転体13の硬度をふって、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11が圧力部材12と非接触となるか実験を行った。このとき、圧力部材12の硬度はAsker C44(Hs)に固定した。ベルト部材11は、基体に厚さ90μmのポリイミドを用い、その上に厚さ200μmのシリコーンゴムを形成し、さらにその上に厚さ30μmのPFAチューブを被覆した。
【表1】
【0033】
実験結果を表1に示す。実験結果から、ニップ形状は圧力部材12と回転体13の硬度に関係し、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11が圧力部材12と非接触となるニップ形状を作るには、圧力部材12の組み付け状態での表面のAskerC硬度をH1(Hs)、回転体13の表面のAskerC硬度をH2(Hs)としたとき、表1から明らかなように、H2−H1≧ 15(Hs)であることが分かった。
【0034】
次に、圧力部材12にベルト部材11を重ねた状態での表面のAskerC硬度をふり、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11が圧力部材12と非接触となるか実験を行った。
【表2】
【0035】
その実験結果を表2に示す。実験結果から、圧力部材12にベルト部材11を重ねた状態での表面のAskerC硬度をH3(Hs)としたとき、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11が圧力部材12と非接触となるニップ形状を作るには、実験から H2−H3 ≧ −10(Hs)であることが分かった。なお、AskerC硬度の測定時の荷重は1kgfで行った。
【0036】
また、ニップ出口後のベルト部材11の挙動は、ベルト部材11の剛性が関係する。ベルト部材11の剛性が小さいと、ニップ出口において圧力部材12の形状変化が急激であっても、ベルト部材11がその形状変化に追従してしまうため、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保てない。そこで、ベルト部材11の剛性を大きくすると、ニップ出口において圧力部材12の形状変化が急激であれば、ベルト部材11がその形状変化に追従できないため、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つことができる。
【0037】
そこで、ベルト部材11の弾性層であるシリコーンゴムの厚さを変えてベルト部材11の剛性をふり、剥離部材16先端近傍において、ベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つことができるか実験を行った。本実験では、圧力部材12の硬度はAsker C44(Hs)、回転体13の表面のAskerC硬度を59(Hs)とした。ベルト部材11は、基体に厚さ90μmのポリイミドを用い、その上にシリコーンゴム層を形成し、さらにその上に厚さ30μmのPFAチューブを被覆した。
【表3】
【0038】
実験結果を表3に示す。この実験結果から、弾性層であるシリコーンゴムの厚さを100μm以上とすると、ベルト部材11の剛性が大きくなり、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保てることが分かった。
【0039】
図3に示す実施形態では、剥離部材16の先端とベルト部材11の接触部より下流に、ベルト部材11に接触する接触部材17を設け、圧力部材12のニップ形状の変化からベルト部材11に非接触部を形成させるように構成している。なお、図3は図2と同一部材には同一符号を付している。接触部材17を設けると、該接触部材17がベルト部材11の走行を妨げ、ニップ出口と接触部材17間でベルト部材11が撓む。この撓みによってベルト部材11が圧力部材12から離れる非接触部が形成され、この非接触部に剥離部材16の先端を接触させることができる。
【0040】
接触部材17は、図3において回転体で示したが、接触部材17は平板形状等であってもよい。また、接触部材17を回転体で構成した場合、接触部材17はベルト部材11に連れ回りでもよいが、接触部材17の周速をベルト部材11の周速より遅いか、或いは接触部での接触部材17の回転方向を、ベルト部材11の走行方向と逆向きとなるような駆動を接触部材17に与えると、ニップ出口と接触部材17間でベルト部材11がさらに撓み、剥離部材16先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12をより確実に非接触状態に保つことができる。
【0041】
また、接触部材17にクリーニング機能を備えると、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つと同時に、ベルト部材11上にオッフセットしたトナーを除去することができる。
【0042】
上記したように接触部材17を設けてベルト部材11を撓ませる場合、ベルト部材11の剛性が高いと、ベルト部材11が撓みにくく、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12が非接触状態になりにくい。逆に、ベルト部材11の剛性が低いと、ベルト部材11が撓み易いので、ベルト部材11と圧力部材12が剥離部材16の先端近傍において非接触状態になり易い。
【0043】
本発明に係る定着装置は、ベルト部材11の弾性層が薄いと定着画像が不均一になってしまうため、弾性層であるシリコーンゴムの厚さは200μm程度以上必要である。そこで、シリコーンゴムの厚さは200μmとし、ポリイミド基材の厚さを変えてベルト部材11の剛性をふり、剥離部材16の先端近傍において、ベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つことができるか実験を行った。
【表4】
【0044】
実験結果を表4に示す。実験結果明らかなように、ポリイミド基材の厚さが70μm以下であれば、ベルト部材11の剛性が低く、ベルト部材11が撓んで、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つことができる。
【0045】
また、本発明における定着装置の1つの構成として、図2に示すように、ベルト部材11内側に、該ベルト部11を張架するテンション部材14を設けた場合、テンション部材14のテンションが大きいと、ニップ出口下流のベルト部材11を引っ張り、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12が接触状態になってしまう。テンション部材14のベルト部材11を張架するテンションが2kgf以下であれば、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態のままに保つことができる。
【0046】
さらに、テンション部材14のベルト部材11を張架するテンションの方向が、図4に示すように、圧力部材12中心と、回転体13の中心を結んだ直線の延長線に対し、ニップ入口側に傾いていると、ニップ出口付近のベルト部材11に伝わるテンションが弱まるため、テンション部材14がニップ出口付近のベルト部材11を引っ張り上げることを防止し、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態に保つことができる。
【0047】
また、圧力部材12の表層が発泡シリコーンゴムの場合、急激な形状変化が起きるような力がかかっても、発泡層が力を分散してしまうので、ニップ出口において圧力部材12に急激な形状変化が起きない。そのため、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12が非接触状態にならない。圧力部材12の表層がソリッドのシリコーンゴムであれば、ニップ出口において圧力部材12に急激な形状変化が起きるので、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触状態にすることができる。
【0048】
さらにまた、本発明の定着装置において、回転体13を駆動源とすると、ニップ出口は緩み側となるため、ニップ出口においてベルト部材11がたるみ、剥離部材16の先端近傍においてベルト部材11と圧力部材12を非接触な状態にすることができる。このたるみ度合いは、回転体13の駆動力が強いほど大きくなるので、ベルト部材11の線速が速いと、図5(a)に示すように剥離部材16の先端近傍において、ベルト部材11が大きくたるんで該ベルト部材11と圧力部材12が非接触状態となり、さらに剥離部材16の先端とベルト部材11が接触するように構成する。従って、ベルト部材11の線速が遅いと、図5(b)に示すように剥離部材16先端近傍においてベルト部材11のたるみが小さく、剥離部材16の先端とベルト部材11が接触しない。
【0049】
そこで、通紙時のベルト部材11の線速で剥離部材16の先端がベルト部材11と接触するように設定したとき、通紙時以外においてベルト部材11の線速を遅くすることで、剥離部材16の先端がベルト部材11と非接触にすることができる。このようにベルト部材11の線速を制御することにより、剥離部材16の先端とベルト部材11の接触時間が低減するので、ベルト部材11、及び剥離部材16の先端削れが低減され、耐久性を向上することができる。
【0050】
ところで、剥離部材16は圧力部材12との間隔を正確に保持することが好ましい。そこで、本実施形態では、図6及び図7に示すように、圧力部材12及び剥離部材16の長さをベルト部材11の幅より大きく取り、剥離部材16のベルト部材11からはみ出た両端部に圧力部材12に近づけてL字状に曲げられた張り出し部16aが形成されている。よって、上から見た剥離部材は図7から明らかなように、「コの字」形状に形成されている。このように形成された剥離部材16は、張り出し部16aを圧力部材12に当接させると、剥離部材16の先端と圧力部材12のギャップY(mm)を正確に保持できる。
【0051】
また、剥離部材16の両端は圧力部材12と接触させているので、圧力部材12から剥離部材16に熱が伝わり、剥離部材16が膨張したり、変形したりしてギャップY(mm)が変わってしまう。そこで、図8に示すように、剥離部材16と接触する圧力部材12端部に、断熱性部材12aを設けると、圧力部材12から剥離部材16に熱が伝わりにくくなり、剥離部材16が膨張したり、変形したりせず、ギャップY(mm)を保持することができる。
【0052】
また、圧力部材が本例のような芯金を有する圧力部材12の場合、図9に示すように、芯金に対して回転自在なコロ形状にすると、剥離部材16と圧力部材12の接触部が、圧力部材12の回転により磨耗することを防止できる。
【0053】
【実施例1】
次に、本発明を適用する定着装置100の形態について実施例として説明する。
図10は、本発明の適用された定着装置100の第1の実施例を示す概略構成図である。
【0054】
定着装置100は、圧力部材としての上位ローラ102と、テンションをかけるテンション部材としての加熱ローラ104と、矢印方向へ回転する下位ローラ103を備え、上位ローラ102と加熱ローラ104間に矢印方向に回転するエンドレスのベルト部材としての定着ベルト101が張設されている。もう一方の回転体である下位ローラ103は、定着ベルト101を挟んで上位ローラ102に圧接されている。表面にトナー像を担持した用紙は、定着ベルト101を介して上位ローラ102と下位ローラ103のニップ部で加熱・加圧され、トナー像を用紙に定着される。
【0055】
定着ベルト101の基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成されたエンドレスのベルト状基体を用いられている。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイド、ポリエーテルケトン(PEEK)等を使用し、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、鉄等を使用する。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト11表面は、用紙およびトナー像と加圧接触するため離型性が必要であり、また、耐熱性、耐久性に優れたものが好ましい。そのため、定着ベルト101表層は耐熱離型層(フッ素系樹脂、高離型シリコ−ンゴム等)が被覆された構成になっている。フッ素樹脂は、吹きつけ等により基体表面に塗装し、加熱融着させることにより表面離型層を形成する。また、定着ベルト101の別の構成として、ポリイミド等の耐熱性樹脂の基体にシリコ−ンゴム等の弾性体層を設け、さらにその弾性体層の上にフッ素樹脂、PFAチューブ等の離型層を設けると、OHP透明性、均一定着においてより良好な定着画像を得ることができる。
【0056】
本実施例では、定着ベルト101の基体に厚さ90μmのポリイミドを用い、その上に厚さ200μmのシリコーンゴムを形成し、さらにその上に厚さ30μmのPFAチューブを被覆した。
【0057】
そして、図示のように、ニップ出口下流に剥離部材としての剥離シート106を設置した。剥離シート106は、基材の厚さが0.2mmのSUS板で、基材の表面には厚さ20μmのフッ素系樹脂層を被覆した。剥離シート106は、図6及び図7で説明したように「コの字」形状になっており、定着ベルト101と当接する両端は「L字」に曲げられている。剥離シート106両端の張り出し部106aは、定着ベルト101の幅方向外側で上位ローラ102に当接し、図6で示した剥離シート16先端と上位ローラ12のギャップYを保持する。本実施例では、ギャップYが0.3(mm)となるように剥離シート106を設置した。
【0058】
上位ローラ102は、外径φ50mmで、厚さ5mmのソリッドのシリコーンゴム層を有し、その表層にフッ素樹脂材料を20μmコーティングした。上位ローラ12表面のAsker C硬度は44Hs であった。
【0059】
下位ローラ103は、外径φ50mmで、厚さ2mmのシリコーンゴム層を有し、その表層に厚さ50μmのPFAチューブを被覆した。下位ローラ13表面のAsker C硬度は78Hs であった。下位ローラ103内には、熱源としてハロゲンヒータ108を設置した。
【0060】
また、上位ローラ102に、定着ベルト101を重ねた状態で表面を測定したAsker C硬度は72Hsであった。本発明では、Asker C硬度測定時の荷重は1kgfで行った。
【0061】
加熱ローラ104は、外径φ30mmのアルミの中空円筒薄肉ローラとし、加熱ローラ104内に、熱源としてハロゲンヒータ105を備えた。加熱ローラ104には図示の向きに総圧2kgfのテンションを与えた。加熱ローラ104内にでなくローラ外部に熱源を設けても良い。また、熱源はハロゲンヒータでなく、誘導加熱等を用いても構わない。
【0062】
また、定着装置100には剥離シート106よりも定着ベルト101の走行方向下流側に、該定着ベルト101の搬送を妨げるブレーキローラ107を設置した。ブレーキローラ107は、定着ベルト101を介して上位ローラ102に当接し、定着ベルト101に連れ回りとした。ブレーキローラ107の表面はフエルトとし、定着ベルト101上にオフセットしたトナーをクリーニングする機能を備えた。
【0063】
本発明では、通紙時の定着ベルト101の搬送速度は280mm/s とし、下位ローラ103を駆動源とした。また、トナーは結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有したトナーを用いた。
【0064】
以上の条件で、本実施例の定着装置100を駆動したところ、図10のようにニップ出口下流で定着ベルト101がたるみ、定着ベルト101が上位ローラ102と非接触状態となって、剥離シート106と低圧接触した。そこで、トナー像を担持した記録シートSをニップに通過させたところ、記録シートS先端は剥離シート106により定着ベルト101から剥離され、良好な定着画像を得ることができた。
【0065】
また、通紙時以外は定着ベルト101の搬送速度が100mm/sとなるように、下位ローラ103の駆動を制御した。このとき、上述したように、通紙時以外は定着ベルト101が剥離シート106と接触せず、定着ベルト101と剥離シート106の接触時間が低減し、定着ベルト101と剥離シート106の耐久性を向上することができる。
【0066】
また、剥離シート106と接触する上位ローラ102の両端には、図9に示す上位ローラ12に対して回転自在なコロ12aと同様のコロ(図示せず)を設けた。それにより、剥離シート106と上位ローラ102の接触部が、上位ローラ102の回転により磨耗することを防止できる。
【0067】
また、コロの材質は断熱性樹脂とし、上位ローラ102から剥離シート106に熱が伝わらないようにした。それにより、剥離シート106が熱膨張したり、変形したりせず、図6に示すギャップY(mm)を正確に保持することができる。
【0068】
【実施例2】
図11は、本発明に係る定着装置110の第2の実施例を示す概略構成図である。
【0069】
本実施例では、下位ローラ113に対し、定着ベルト111を介して圧力部材としての定着パット112を配置しニップを形成している。定着パット112は、厚さ5mmのソリッドのシリコーンゴムで、定着ベルト111との摺動面にガラス繊維シート114を設けた。定着パット112は定着ベルト111を介して下位ローラ113に対して加圧し、定着パット112の表面のAsker C硬度は45Hs とした。
【0070】
下位ローラ113は外径φ50mmで、厚さ0.4mmのアルミニウム芯金の表層に、PFAをコーティングした。定着ベルト111の内側に、熱源としてハロゲンヒータ115を備えた。また、下位ローラ113の芯金を中空に構成し、下位ローラ113の内側にも熱源としてハロゲンヒータ118を備えている。熱源は、定着ベルト111内にでなくベルト外部に設けても良い。また、熱源はハロゲンヒータ38に限らず、誘導加熱等を用いても構わない。
【0071】
剥離シート116は、厚さが0.2mmのSUS板で、基材の表面には厚さ20μmのフッ素系樹脂層を被覆した。剥離シート116は、平板で、図11に示すように、先端を定着ベルト111に接触させ、位置固定とした。剥離シート116の先端と定着ベルト111の接触部の近傍は、定着ベルト111と定着パット112が非接触状態になっている。なお、定着ベルト111自体の構成は、実施例1と同様である。また、下位ローラ113が駆動源である。
【0072】
【実施例3】
図12は、本発明に係る定着装置120の第3の実施例を示す概略構成図である。
【0073】
図12において、ベルト部材としての加圧ベルト121は下位ローラ123とテンション部材としての加熱ローラ124に張設され、下位ローラ123は加圧ベルト121を介して、もう一方の回転体である上位ローラ122に加圧している。上位ローラ122は駆動源である。
【0074】
本実施例では、加圧側にベルト121を用いている。このように本実施例では、上位ローラ122側を記録シートの第1面、下位ローラ123側を記録シートの第2面としたが、下位ローラ123側を記録シートの第1面としても構わない。
【0075】
また、加熱ローラ124の加圧ベルト121を張架するテンションの方向は、図12に示すように、上位ローラ122の中心と、下位ローラの123中心を結んだ直線の延長線に対し、ニップ入口側に傾いている。前述したように、ニップ出口付近の加圧ベルト121に伝わるテンションが弱まるため、テンションをかける加熱ローラ124が、ニップ出口付近の加圧ベルト121を引っ張ることを防止し、剥離シート126の先端近傍において、加圧ベルト121と下位ローラ123を非接触状態に保つことができる。
【0076】
加圧ベルト121の構成は、実施例1の定着ベルト101と同様にした。実施例3に用いる定着装置のその他の構成は、実施例1の定着装置の構成と同様である。
【0077】
【実施例4】
次に、本発明における第4の定着装置130の実施形態について図13で説明する。
【0078】
本実施例では、上位ローラ132に対し、加圧ベルト131を介して加圧パット133を配置しニップを形成する。加圧パット133は、厚さ5mmのソリッドのシリコーンゴムで、加圧ベルト131との摺動面にガラス繊維シート134を設けた。加圧パット133は加圧ベルト131を介して上位ローラ132に対して加圧し、加圧パット133の表面のAskerC硬度は40Hsとした。
【0079】
加圧ベルト131の構成は、実施例1の定着ベルト101と同様にした。加圧ベルト131内側に、熱源としてハロゲンヒータ135を備えた。
上位ローラ132の構成は、実施例1の下位ローラ103と同様である。また上位ローラ132の芯金を中空に構成し、該ローラの内側にも熱源としてハロゲンヒータ138を備えることができる。熱源は、上位ローラ132の内側でなく、外部に設けても良い。また、熱源はハロゲンヒータでなく、誘導加熱等を用いても構わない。剥離シート136の形状と構成は、実施例2と同様である。
【0080】
このように構成された本実施例では、上位ローラ132側を記録シートSの第1面、加圧パット133側を記録シートSの第二面としたが、加圧パット133側を記録シートSの第1面としても構わない。
【0081】
【実施例5】
なお、上記説明では、帯電−露光−現像−転写−定着からなる電子写真プロセスで説明しているが、図14で示すように、トナーT を中間転写体Hから記録シートではなく、中間転写体H から定着ベルト141に転写する電子写真の変形例でも、本発明が適用できることは明らかである。
【0082】
二次転写部においては必要に応じて従来既知の所望の電位差(AC、パルスなどの重畳を含む)を設け、画像の移動方向を制御する。二次転写部材150に対し、中間転写体Hと定着ベルト141を介してローラ147を設けた。ここで、ローラ147に定着ベルト141に転写するためのバイアスを印加してもよい。それ以外の定着装置の構成は、実施例1の定着装置の構成と同様の上位ローラ142、下位ローラ143、加熱ローラ144、剥離シート146を備えている。なお、定着部においてもオフセットを防ぐ手段として電位差を設けても良い。
【0083】
電位差の発生手段は、バイアス印加、アース、除電など公知の方法があり、電流制御・電圧制御などが利用可能である。ツェナーダイオードなどを用いて、一定の電位差を保つ方法も有効である。
【0084】
本実施例の転写に関して二次転写は常に一定の相手部材、すなわち転写定着部材である定着ベルト141に行われるので、安定して高画質を得やすい。また、トナーTの一部は熱で軟化することも転写時の画像の散りを防ぐため、高画質となる。本実施例の定着及び熱に関して二次転写部の中間転写体Hへの熱移動はトナーを介して表層のみへ行われるため、中間転写体Hの温度上昇は最小限となる。従って、中間転写体Hの温度上昇による問題点も生じにくい。また、トナー加熱時間は十分設定可能であり、記録シートは従来と同程度の時間加熱できる。
さらに特筆すべきは、中間転写体Hの加熱時間は最小のまま、トナー加熱時間と記録媒体加熱時間を各々設定可能である点である。従って、光沢などの画質に重要なトナー加熱時間と記録媒体への密着性に重要な記録媒体加熱時間を自由に設定でき、無駄に記録媒体を加熱しないことによる省エネルギー化などの環境性能がはじめて達成される。
【0085】
4色カラータンデムの実施例しか記載していないが、中間転写体を用いるものであれば、一つの像担持体によるカラー、モノクロ、2色でも同様に適用できるのは明らかである。
【0086】
なお、本発明の定着装置において、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有したトナーを用いると、オイルレス定着装置においても、記録シートがベルト部材に巻付くことなくカラー画像を定着することができる。このような本発明の定着装置を用いることによって、オイルレス定着の画像形成装置を提供することができる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1の構成によれば、ベルト部材に先端が接触し、ニップを通過した記録シートを前記ベルト部材から剥離する剥離部材を設け、該剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材が圧力部材と非接触であるので、剥離部材とベルト部材を軽接触となり、ベルト部材、および剥離部材の削れ、また剥離部材へのトナー付着を防止して耐久性の向上を図ることができる。
【0088】
請求項2の構成によれば、ニップの形状が、圧力部材側が凹む形状であるので、ニップ形状により剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と非接触にすることができる。
【0089】
請求項3の構成によれば、圧力部材が組み付け状態での表面のAskerC硬度をH1(Hs)、該圧力部材に前記ベルト部材を介して対向する回転体表面のAskerC硬度をH2(Hs)としたとき、H2−H1≧ 13(Hs)であるので、回転体と圧力部材の硬度差を規定することにより、剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と非接触にすることができる。
【0090】
請求項4の構成によれば、圧力部材にベルト部材を重ねた状態での表面のAskerC硬度をH3(Hs)としたとき、H2−H3 ≧ −15(Hs)であるので、回転体と圧力部材にベルト部材を重ねた状態での硬度差を規定することにより、剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と非接触にすることができる。
【0091】
請求項5の構成によれば、ベルト部材が、ベルト基材と、該ベルト基材上に設けられた弾性層と有し、該弾性層の厚さは100μm以上であるので、ベルト部材の弾性層厚さを規定することにより、剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と非接触にすることができる。
【0092】
請求項6の構成によれば、ベルト部材が圧力部材と非接触となる非接触部よりベルト走行方向下流側に、該ベルト部材表面に接触する接触部材を設けたので、接触部材により剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と確実に非接触にすることができる。
【0093】
請求項7の構成によれば、接触部材が、ベルト部材に対しその走行を妨げる作用を与える回転体であるので、回転体により剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と確実に非接触にすることができる。
【0094】
請求項8の構成によれば、接触部材が、ベルト部材の表面を清掃するクリーニング機能を備えているので、接触部材により、剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材を圧力部材と非接触にするとともに、ベルト部材の汚れを除去することができる。
【0095】
請求項9の構成によれば、ベルト部材は、ベルト基材が耐熱性樹脂層からなり、該ベルト基材の厚さが70μm以下であるので、ベルト部材のベルト基材厚さを規定することにより、ベルト部材と前記圧力部材をより確実に非接触状態に保つことができる。
【0096】
請求項10の構成によれば、ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、その張架するテンションが2kgf以下であるので、ベルト部材を張架するテンションを規定することにより、ベルト部材と前記圧力部材を非接触状態に保持することができる。
【0097】
請求項11の構成によれば、ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、該テンション部材のテンション方向が圧力部材中心と、ベルト部材を介して該圧力部材に対向する回転体中心を結んだ直線の延長線に対し、ニップ入口側に傾いているので、ベルト部材を張架するテンション方向を規定することにより、ベルト部材と圧力部材を非接触状態にすることができる。
【0098】
請求項12の構成によれば、圧力部材の表層は、ソリッドのシリコーンゴムで形成されているので、圧力部材の表層をソリッドのシリコーンゴムで形成することにより、ベルト部材と前記圧力部材を非接触状態にすることができる。
【0099】
請求項13の構成によれば、圧力部材にベルト部材を介して対向する回転体を駆動するので、回転体を駆動することにより、ベルト部材と圧力部材を非接触状態にすることができる。
【0100】
請求項14の構成によれば、剥離部材の先端が、通紙時のみ前記ベルト部材に接触するので、剥離部材先端とベルト部材の接触時間を減らすことによるベルト部材、及び剥離部材の削れ低減により、剥離部材とベルト部材の耐久性を向上することができる。
【0101】
請求項15の構成によれば、剥離部材の先端は、通紙時以外でベルト部材の走行速度を遅くすることにより、ベルト部材と離間するので、剥離部材と圧力部材の接触部が圧力部材の回転により磨耗することを防止することができる。
【0102】
請求項16の構成によれば、剥離部材及び圧力部材が、ベルト部材の幅方向両側より張り出した幅を有するとともに、該張り出し部分で剥離部材と圧力部材とが当接させ、ベルト部材に対向する部分における剥離部材先端と該圧力部材のギャップを維持するので、剥離部材先端と圧力部材のギャップを安定して保持することができる。
【0103】
請求項17の構成によれば、圧力部材の剥離部材と接触する端部に断熱性部材が設けられているので、圧力部材から剥離部材に熱が伝わって、剥離部材が膨張したり、変形したりすることを防止することができる。
【0104】
請求項18の構成によれば、圧力部材が芯金を有する回転体であり、剥離部材と接触する該圧力部材の端部には、芯金に対して回転自在なコロ部材が設けられているので、剥離部材と圧力部材の接触部が、該圧力部材の回転により磨耗することを防止することができる。
【0105】
請求項19の構成によれば、請求項1〜18の何れか1つに記載のベルト定着装置を有するので、用紙のベルト部材への巻付きを防止したオイルレス定着に用いた画像形成装置を提供することができる。
【0106】
請求項20の構成によれば、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有したトナーを用いるので、ベルト部材への巻付きのないオイルレス定着の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略を示す構成図である。
【図2】本発明に係る定着装置の一実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る定着装置の他の実施形態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る定着装置のさらに他の実施形態を示す説明図である。
【図5】(a),(b)は本発明に係るさらに他の実施形態を示し、ローラの回転速度に違いによる態様を示す説明図である。
【図6】本発明の剥離部材の形態を示す説明図である。
【図7】図6の剥離部材を示す平面説明図である。
【図8】上位ローラの形態を示す説明図である。
【図9】上位ローラの変形例を示す説明図である。
【図10】本発明に係る定着装置の実施例1を示す説明図である。
【図11】本発明に係る定着装置の実施例2を示す説明図である。
【図12】本発明に係る定着装置の実施例3を示す説明図である。
【図13】本発明に係る定着装置の実施例4を示す説明図である。
【図14】本発明に係る定着装置の実施例4を示す説明図である。
【符号の説明】
10 定着装置
11 ベルト部材
12 上位ローラ
13 下位ローラ
16 剥離部材
Claims (20)
- 少なくとも一方がベルト部材である一対の回転体と、該ベルト部材の内側に設けられ、前記ベルト部材を介してもう一方の回転体に対向してニップを形成する圧力部材と、少なくとも一方の回転体内部或いは回転体の近傍に設けられた加熱手段とを有し、未定着トナー像を担持した記録シートを前記ニップに通過させることにより、未定着トナー像を加熱溶融して記録シートに定着させる定着装置において、
前記ベルト部材に先端が接触し、前記ニップを通過した記録シートを前記ベルト部材から剥離する剥離部材を設け、該剥離部材先端の接触部近傍のベルト部材が前記圧力部材と非接触であることを特徴とする定着装置。 - 前記ニップの形状が、前記圧力部材側が凹む形状であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記圧力部材が組み付け状態での表面のAskerC硬度をH1(Hs)、該圧力部材に前記ベルト部材を介して対向する回転体表面のAskerC硬度をH2(Hs)としたとき、H2−H1≧ 13(Hs)であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記圧力部材に前記ベルト部材を重ねた状態での表面のAskerC硬度をH3(Hs)としたとき、H2−H3 ≧ −15(Hs)であることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材が、ベルト基材と、該ベルト基材上に設けられた弾性層と有し、該弾性層の厚さは100μm以上であることを特徴とする請求項1、3、4の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材が前記圧力部材と非接触となる非接触部よりベルト走行方向下流側に、該ベルト部材表面に接触する接触部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記接触部材が、前記ベルト部材に対しその走行を妨げる作用を与える回転体であることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
- 前記接触部材が、前記ベルト部材の表面を清掃するクリーニング機能を備えていることを特徴とする請求項6または7に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材は、ベルト基材が耐熱性樹脂層からなり、該ベルト基材の厚さが70μm以下であることを特徴とする請求項6ないし8の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、その張架するテンションが2kgf以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材の内側に、該ベルト部材を張架するテンション部材を設け、該テンション部材のテンション方向が前記圧力部材中心と、前記ベルト部材を介して該圧力部材に対向する回転体中心を結んだ直線の延長線に対し、ニップ入口側に傾いていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記圧力部材の表層は、ソリッドのシリコーンゴムで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記圧力部材に前記ベルト部材を介して対向する前記回転体を駆動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記剥離部材の先端が、通紙時のみ前記ベルト部材に接触することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記剥離部材の先端は、通紙時以外で前記ベルト部材の走行速度を遅くすることにより、前記ベルト部材と離間することを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
- 前記剥離部材及び前記圧力部材が、前記ベルト部材の幅方向両側より張り出した幅を有するとともに、該張り出し部分で前記剥離部材と前記圧力部材とが当接させ、前記ベルト部材に対向する部分における前記剥離部材先端と該圧力部材のギャップを維持することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記圧力部材の前記剥離部材と接触する端部に断熱性部材が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
- 前記圧力部材が芯金を有する回転体であり、前記剥離部材と接触する該圧力部材の端部には、芯金に対して回転自在なコロ部材が設けられていることを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
- 請求項1〜18の何れか1つに記載のベルト定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項19に記載の画像形成装置において、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有したトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
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