JP2004021081A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト部材を用いる定着装置において、高速度での定着時の熱効率を良好とし、またベルト部材の耐久性を高耐久とする定着装置を提供すること。
【解決手段】張架ローラ部材を1本としてベルト部材の内周面の一方を張架すると共に、ベルト部材の内周面の他方を、ベルト部材を摺動する表層または表層近傍に面状発熱体を設けた加熱部材により張架することを特徴とする定着装置。
【選択図】 図2
【解決手段】張架ローラ部材を1本としてベルト部材の内周面の一方を張架すると共に、ベルト部材の内周面の他方を、ベルト部材を摺動する表層または表層近傍に面状発熱体を設けた加熱部材により張架することを特徴とする定着装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に用いられるベルト式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式を用いる高速のカラー画像形成装置に用いられる定着装置においては、熱ローラ定着方式の定着装置が多く用いられているが、該熱ローラ定着方式の定着装置を用いるとニップ部の幅を稼ぐために熱ローラの径が大きくなりすぎて、ウォームアップに時間がかかるようになり、省エネルギー化の障害となるという問題が生じる。また、装置が大型化されてしまうという問題も生じる。
【0003】
これらの問題を解決するため、無端状のベルト部材(定着ベルト)を用い、複数のローラ部材により定着ベルトを張架し、内部に定着ベルトを加熱する発熱体を有した、定着ベルトと対向する発熱ローラと、定着ベルトを挟んで発熱ローラと対向するローラ部材(加圧ローラ)とを設け、発熱ローラと加圧ローラとの間の定着ニップ部と、発熱ローラにより加熱された定着ベルトと加圧ローラとにより形成されるベルトニップ部とにて記録紙上のトナー画像(トナー像)を定着するベルト定着方式を用いた画像形成装置が、特開平10−319772号公報等により開示されている。上記特開平10−319772号公報等にて開示のベルト定着方式を用いた定着装置において、加熱部材(熱源)の主流はハロゲンランプだが、発熱効率は70%位である。
【0004】
また最近、定着ベルトの加熱部材として効率の良い電磁誘導加熱を用いたものが、例えば特開2001−109289公報等にて開示されているが、発熱効率は85%位である。
【0005】
また、瞬時加熱が可能なクイックスタート定着用の定着装置として、例えば特開平6−289739号公報や特開2001−109318公報等にて開示されているサーフ定着においては、ニップ部が加熱摺動部となるため、強い定着圧力(加圧圧力)を必要とするが、摺動部の耐久性が確保できず高速化が困難であるという問題が起こる。
【0006】
また加熱部材による熱供給幅もニップ部(定着ニップ部)の幅以下となるため、定着ベルト内の熱勾配が大きくなり、定着ベルト(ベルト部材)の寿命が低下するという問題がある。
【0007】
この点、例えば特開平10−161463号公報や特開2000−66539公報等にて開示の、加熱部材として面状発熱体を用いたベルト定着装置では発熱効率はほぼ100%で効率の点で非常に優れており、定着の高速化(高速度の定着)が可能となる。
【0008】
近来、係る面状発熱体を円筒状とし定着ベルト(ベルト部材)の内部に設けて定着ベルト(ベルト部材)を加熱するようなものが多々用いられてきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱部材として面状発熱体をローラ状とし、定着ベルト(ベルト部材)の内部に設けて定着ベルトを加熱するような定着装置においては、加熱部材として用いるローラ状の面状発熱体とベルト部材(定着ベルト)との接触部が回転してしまい電力供給が難しく使用電力も大きいため、加熱部材として用いるローラ状の面状発熱体に安定した電力を供給することが困難である。特に、高速度での定着時の熱効率を良好としたり、定着ベルトの耐久性を向上させることが困難であるという問題が起こる。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決し、ベルト部材を用いる定着装置において、高速度での定着時の熱効率を良好とし、またベルト部材の耐久性を高耐久とする定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的は下記の構成により達成される。
【0012】
(1)無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の内部に設けられる加熱部材と、前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、前記張架ローラ部材を1本として前記ベルト部材の内周面の一方を張架すると共に、前記ベルト部材の内周面の他方を、前記ベルト部材を摺動する表層または表層近傍に面状発熱体を設けた加熱部材により張架することを特徴とする定着装置(第1の発明)。
【0013】
(2)無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ベルト部材を摺動する加熱部材と、前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、前記張架ローラ部材と前記加圧ローラ部材との間に定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ニップ部の前記張架ローラ部材の回転方向上流側にベルトニップ部を形成するもので、前記ベルト部材の内面に潤滑油塗布部材を設けて前記ベルト部材に潤滑油を塗布することを特徴とする定着装置(第2の発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、本発明に係わる定着装置を示す概要断面構成図であり、図3は、図2の定着装置に潤滑油塗布部材を設けた例を示す図である。
【0016】
図1によれば、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像形成装置本体GHの上部に設けられる画像読取装置SCとから構成される。
【0017】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、中間転写体の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒色の各カラートナー像を形成する画像形成ユニットを配置し、各画像形成ユニットの像担持体上に形成したカラートナー像を中間転写体上に多重転写して重ね合わせた後、転写材上に一括転写するものである。
【0018】
図において、画像形成装置本体GHの上部に配設される画像読取装置SC上に載置された原稿画像が光学系により走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれ、ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込手段としての露光光学系3に画像データ信号を送る。
【0019】
また図において、中間転写体である中間転写ベルト6の周縁部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成用として4組のプロセスユニット100がカラートナー像の形成手段として、図の矢印で示す鉛直方向の中間転写ベルト6の回転方向に対して、中間転写ベルト6に沿って垂直方向に縦列配置され、Y、M、C、Kの順に配置されている。
【0020】
4組のプロセスユニット100は何れも共通した構造であり、それぞれ、像担持体である感光体ドラム1と、帯電手段としての帯電器2と、画像書込手段としての露光光学系3と、現像手段としての現像器4と像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190とからなっている。
【0021】
像担持体である感光体ドラム1は、例えば外径が40〜100mm程度のアルミニウム等の金属性の部材によって形成される円筒状の基体の外周に、感光体層厚として層厚(膜厚)20〜40μm程度の有機感光体層(OPC)の光導電層を形成したものである。感光体ドラム1は、図示しない駆動源からの動力により、導電層を接地された状態で矢印で示す方向に、例えば80〜280mm/sec程度の線速度で回転される。
【0022】
感光体ドラム1の周りには、帯電手段としての帯電器2、画像書込手段としての露光光学系3、現像手段としての現像器4を1組とした画像形成部が、図の矢印にて示す感光体ドラム1の回転方向に対して配置される。
【0023】
帯電手段としての帯電器2は、感光体ドラム1の移動方向に対して直交する方向(図において紙面垂直方向)に感光体ドラム1と対峙し近接して取り付けられる。帯電器2は、感光体ドラム1の有機感光体層に対し所定の電位を与えるコロナ放電電極としての放電ワイヤを備え、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム1に対し一様な電位を与える。
【0024】
画像書込手段である露光光学系3は、不図示の半導体レーザ(LD)光源から発光されるレーザ光を、回転多面鏡(符号なし)により主走査方向に回転走査し、fθレンズ(符号なし)、反射ミラー(符号なし)等を経て感光体ドラム1上を画像信号に対応する電気信号による露光(画像書込)を行い、感光体ドラム1の表面の感光体層に原稿画像に対応する静電潜像を形成する。
【0025】
現像手段としての現像器4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の各色の2成分現像剤をそれぞれ収容し、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像ローラ4aを備えている。現像ローラ4aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム1と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム1の回転方向と順方向に回転するようになっており、現像時、現像ローラ4aに対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1上の露光部に対して反転現像が行われる。
【0026】
中間転写体である中間転写ベルト6は、体積抵抗率が1E+7〜1E+9Ω・cm程度で、表面抵抗率が1E+10〜1E+12Ω/□程度の半導電性の無端状(シームレス)の樹脂ベルト部材が用いられ、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.05〜0.5mmの半導電性の樹脂フィルム基体である。中間転写ベルト6の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転写ベルト6はテンションローラ6aを含む複数のローラ部材により巻回され、鉛直方法に回動可能に支持されている。中間転写体としてはドラム状のものを用いることも可能である。
【0027】
各色毎の第1の転写手段としての1次転写ローラ7は、例えばシリコンやウレタン等の発泡ゴムを用いたローラ状の導電性部材からなり、中間転写ベルト6を挟んで各色毎の感光体ドラム1に対向して設けられ、中間転写ベルト6の背面を押圧して感光体ドラム1との間に転写域を形成する。1次転写ローラ7には定電流制御によりトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流定電流が印加され、転写域に形成される転写電界によって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。
【0028】
画像形成工程(画像形成プロセス)について以下に説明する。
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動によりYの感光体ドラム1が図の矢印で示す方向へ回転され、Yの帯電器2によってYの感光体ドラム1に電位が付与される。Yの感光体ドラム1は電位を付与された後、Yの露光光学系3によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器4により反転現像され、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)のトナーからなるトナー像が形成される。Yの感光体ドラム1上に形成されたYのトナー像は1次転写手段としての1次転写ローラ7により中間転写ベルト6上に転写される。
【0029】
次いで、Mの帯電器2によってMの感光体ドラム1に電位が付与される。Mの感光体ドラム1は電位を付与された後、Mの露光光学系3によって第1の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの感光体ドラム1上にマゼンタ(M)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はMの現像器4により反転現像され、Mの感光体ドラム1上にイエロー(M)のトナーからなるトナー像が形成される。Mの感光体ドラム1上に形成されたMのトナー像は、1次転写手段としての1次転写ローラ7によりYのトナー像の重ね合わせて中間転写ベルト6上に転写される。
【0030】
同様のプロセスにより、Cの感光体ドラム1上に形成されたシアン(C)のトナーからなるトナー像と、Kの感光体ドラム1上に形成された黒色(K)のトナーからなるトナー像が順次中間転写ベルト6上に重ね合わせて形成され、中間転写ベルト6の周面上に、Y、M、C及びKのトナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0031】
転写後のそれぞれの感光体ドラム1の周面上に残ったトナーは像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190によりクリーニングされる。
【0032】
一方、給紙カセット20内に収容された転写材としての記録紙Pは、給紙カセット20に設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される2次転写手段としての2次転写ローラ7Aに搬送され、2次転写ローラ7Aの転写域において、中間転写ベルト6上に形成された重ね合わせのカラートナー像(カラー画像)が記録紙P上に一括して転写される。
【0033】
カラー画像が転写された記録紙Pは、後段において詳述する定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0034】
また、2次転写手段としての2次転写ローラ7Aにより記録紙P上にカラー画像が転写された後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置190aにより残留トナーが除去される。
【0035】
一方、2次転写ローラ7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0036】
なお、上記画像形成装置の説明においては、カラー画像形成にて説明したが、モノクロ画像を形成する場合も本発明に含まれるものである。
【0037】
図2によれば、本発明の定着装置17は、無端状のベルト部材として定着ベルト27を用い、張架ローラ部材として張架ローラ17aを用い、加圧ローラ部材として加圧ローラ17bを用い、加熱部材として面状発熱体MHaを用いるもので、張架ローラ17aを1本として定着ベルト27の回転方向の下流側で定着ベルト27の内周面の一方において、張架ローラ17aにより定着ベルト27を張架し、また定着ベルト27の回転方向の上流側で定着ベルト27の内周面の他方において、面状発熱体MHaにより定着ベルト27を張架、摺動し、また、定着ベルト27を挟んで張架ローラ17aと対向、当接する加圧ローラ17bを備えたものである。
【0038】
定着ベルト27としては、基体として内径70〜120mm程度で厚さ20〜80μm程度の、例えばニッケル電鋳ベルトを用いた金属ベルトや、厚さ40〜150μm程度のポリイミドやポリアミド等を用いた耐熱性の樹脂ベルトの外側(外周面)に、厚さ100〜300μm程度の絶縁性のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面に厚さ30〜50μm程度のフッ素樹脂(PFA)コーティング加工を施したものを用いる。
【0039】
張架ローラ17aは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171aと、該金属パイプ171aの外周面に例えばシリコン材を用い、厚さが(肉厚)3〜10mm厚で、ゴム硬度が5〜30Hs(JIS、Aゴム硬度)程度のシリコンのゴム部材からなる弾性層172aと、弾性層172a表面の厚さ15〜30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを用いた離型層173aとからなり、外径40〜60mm程度の軟らかめソフトローラとして形成される。
【0040】
加圧ローラ17bとしては、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171bと、該金属パイプ171bの外周面に例えばシリコン材を用い、厚さ(肉厚)1〜5mm厚の薄肉で、ゴム硬度が40Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)のやや硬めのゴム層よりなるゴムローラ層172bと、該ゴムローラ層172bの表面に厚さ15〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを被覆した離型層173bとを形成した、外径40〜60mm程度のやや硬めのハードローラとして構成される。
【0041】
表層または表層近傍に設けられる加熱部材としての面状発熱体MHaは、ポリイミド樹脂とステンレス箔ヒータエレメントとを一体成型した、厚さが0.1〜1.0mm程度の薄層の部材として形成される。該面状発熱体MHaの外周面には、フッ素樹脂からなる離型層RLaが設けられ、定着ベルト27を摺動、張架する。係る面状発熱体MHaは、被加熱面に対する接触面積が大きく高い加熱効率を有し、またシーズヒータに比べて均一な温度分布を有し、また薄層により熱効率が小さく昇温温度の早いレスポンスを有する。
【0042】
定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に形成されるベルトニップ部Naと、ソフトローラである張架ローラ17aとハードローラである加圧ローラ17bとの間に形成させる定着ニップ部Nbとにより記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)が定着される。
【0043】
また、面状発熱体MHaに定着ベルト27を挟んで接触または非接触の温度センサTS1を設け、面状発熱体MHaおよび定着ベルト27の温度制御を行う。
【0044】
上記の如き構成のベルト部材を用いる定着装置により、2つのローラ部材の押圧力(加圧圧力)、即ち定着ベルト27を挟んで定着ニップ部Nbを形成する張架ローラ17aと加圧ローラ17bとによる定着ニップ部Nbでの押圧力(加圧圧力)が大きくとれ、例えばサーフ定着と異なり、定着ベルト27の走行が安定するので、温度分布が一様となり定着むらが生じない。またトナーが良好に溶融されて、記録紙Pに含浸され、記録紙Pに良好に固着され(トナーのアンカー効果が生じ)、定着性が良好となる。またモノクロ画像形成時よりトナーが多いカラー画像形成時の場合でもカラートナーが潰れて光沢の向上が図られる。さらに面状発熱体MHaの熱容量も小さく、高速度での定着時の熱効率を良好としてウォーミングアップ時間(WUT)を短縮し、また定着ベルト27の耐久性を向上させることが可能となる。
【0045】
さらに上記定着装置において以下の条件を設定することが好ましい。
先ず、図に示す、面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)をF1、加圧ローラ17bの加圧圧力をF2とするとき、
F1<1/2・F2
と設定することが好ましい。ベルトテンションF1が、加圧ローラ17bの加圧圧力F2の1/2より強いと、定着ベルト27に滑りが発生するようになり、光沢むらの原因となる。
【0046】
次に、張架ローラ17aと定着ベルト27との摩擦係数をμ1、面状発熱体MHaと定着ベルト27との摩擦係数をμ2とするとき、
μ1>μ2
と設定することが好ましい。張架ローラ17aと定着ベルト27との摩擦係数μ1を、面状発熱体MHaと定着ベルト27との摩擦係数μ2より大きくしないと、定着ベルト27が滑ることが生じ、光沢むらの原因となる。
【0047】
また図3に示す定着装置は、上記図2にて説明したと同様な構成の定着装置17を用いるもので、定着ベルト27の内周に、例えばシリコーンオイルを潤滑油として定着ベルト27に塗布する潤滑油塗布部材であるオイル塗布ローラTRaを設けて、定着ベルト27の内面に潤滑油、例えばシリコーンオイルを塗布するようにしたものである。オイル塗布ローラTRaとしては、例えばシリコンやウレタン等のゴム部材の発泡体にシリコーンオイルを含浸させたものを用いる。また定着ベルト27の内面に塗布する潤滑油(オイル)の粘度としては、定着装置17の使用温度、例えば140〜200℃において、粘度が2000〜6000mPa・s程度のものを用いることが好ましい。粘度のあるオイルを塗布することで、面状発熱体MHaの加熱部の摺動抵抗が上がり、ベルトニップ部Na周辺のみテンション(張架力)が上がりベルトニップ部Naでの定着ベルト27の加圧ローラ17bへの押圧力が上がる。これにより、ベルトニップ部Naでトナーの熱伝導が良好となり定着速度の高速化が可能となる。またベルトニップ部Na側のみテンションが上げられるので、定着ベルト27の耐久性をあまり下げることなくベルトニップ部Naでの押圧力を上げることが可能となる。加えてまた、定着装置17にオイル塗布ローラTRaを用いることにより、高速度での定着時の熱効率を良好とし、またベルト部材の耐久性を高耐久とすることが可能となる。
【0048】
潤滑油(オイル)の粘度が2000mPa・s未満で小さいと、上記効果が小さく、6000mPa・sを越えて大きいと、定着ベルト27と張架ローラ17aとの、或いは定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が上がり過ぎて定着ベルト27の駆動の負荷が大きくなり過ぎ、定着ベルト27や張架ローラ17aの耐久性にも影響が生じる。
【0049】
上記定着装置17の使用温度において、潤滑油(オイル)の粘度を2000mPa・sおよび6000mPa・sと設定し、図2の定着装置17に、上記オイル塗布ローラTRaを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、定着ベルト27の耐久性をあまり下げることなくベルトニップ部Naでの押圧力を上げることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらに潤滑油(オイル)の粘度が4000mPa・sのときにも更によい効果が見いだされた。ところが、潤滑油(オイル)の粘度が1900mPa・s或いは6100mPa・sのときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0050】
さらに上記オイル塗布ローラTRaを用いる定着装置において以下の条件を設定することが好ましい。
【0051】
先ず、図に示す、面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)をF3、加圧ローラ17bの加圧圧力をF4とするとき、
F3<1/3・F4
と設定することが好ましい。ベルトテンションF3が、加圧ローラ17bの加圧圧力F4の1/3より強いと、定着ベルト27に滑りが発生するようになり、光沢むらの原因となる。図2にて説明した面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)と、加圧ローラ17bの加圧圧力との条件の違いは、オイルを塗布することによるためである。
【0052】
次に、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2〜0.6μmRa(JIS、B0601)とし、他方の面の算術平均粗さを0〜1.6μmRa(JIS、B0601)と設定することが好ましい。オイル塗布時、定着ベルト27の内面と面状発熱体MHaの一方の面或いは他方の面の算術平均粗さが0.2或いは0μmRa未満で平滑過ぎると、油膜が薄くなって定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が大きくなり過ぎてしまう。また定着ベルト27の内面と面状発熱体MHaの一方の面或いは他方の面の算術平均粗さが0.6或いは1.6μmRaを越えて荒すぎると、熱伝導の効率が下がり定着ベルト27に面状発熱体MHaの熱が良好に伝わらない。
【0053】
上記定着装置17において、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定し、図3の定着装置17に、前記オイル塗布ローラTRaを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が良好とされて、熱伝導の効率が適正に保たれ、面状発熱体MHaの熱が良好に定着ベルト27に伝達されることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらに定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.6μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを1.6μmRaと設定したときにも更によい効果が見いだされた。ところが、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。また定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0054】
さらに図2にて述べたように、面状発熱体MHaの表面層をフッ素樹脂とすることにより、定着ベルト27や面状発熱体MHaの摩耗が防止され、オイル塗布時も微細に見ると、油膜が切れて擦れる部分も存在するが、フッ素樹脂を用いているので摩耗も防ぐことができる。
【0055】
【発明の効果】
上記の如く、本発明によれば、加熱部材のベルト部材との摺動幅を大きくして、ベルト部材への加熱部材の加熱部での熱勾配が緩くされ、また、張架ローラ部材と加圧ローラ部材とで形成される定着ニップ部では、張架ローラ部材と加圧ローラ部材とでベルト部材を挟むことにより、定着時の加圧圧力を大きくできる構造とされるので、高速度での定着時の熱効率が良好とされ、且つ、ベルト部材の耐久性が高耐久とされる定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】本発明に係わる定着装置を示す概要断面構成図である。
【図3】図2の定着装置に潤滑油塗布部材を設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 露光光学系
4 現像器
6 中間転写ベルト
7 1次転写ローラ
7A 2次転写ローラ
17 定着装置
17a 張架ローラ
17b 加圧ローラ
27 定着ベルト
100 プロセスユニット
MHa 面状発熱体
Na ベルトニップ部
Nb 定着ニップ部
RLa 離型層
TRa オイル塗布ローラ
P 記録紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に用いられるベルト式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式を用いる高速のカラー画像形成装置に用いられる定着装置においては、熱ローラ定着方式の定着装置が多く用いられているが、該熱ローラ定着方式の定着装置を用いるとニップ部の幅を稼ぐために熱ローラの径が大きくなりすぎて、ウォームアップに時間がかかるようになり、省エネルギー化の障害となるという問題が生じる。また、装置が大型化されてしまうという問題も生じる。
【0003】
これらの問題を解決するため、無端状のベルト部材(定着ベルト)を用い、複数のローラ部材により定着ベルトを張架し、内部に定着ベルトを加熱する発熱体を有した、定着ベルトと対向する発熱ローラと、定着ベルトを挟んで発熱ローラと対向するローラ部材(加圧ローラ)とを設け、発熱ローラと加圧ローラとの間の定着ニップ部と、発熱ローラにより加熱された定着ベルトと加圧ローラとにより形成されるベルトニップ部とにて記録紙上のトナー画像(トナー像)を定着するベルト定着方式を用いた画像形成装置が、特開平10−319772号公報等により開示されている。上記特開平10−319772号公報等にて開示のベルト定着方式を用いた定着装置において、加熱部材(熱源)の主流はハロゲンランプだが、発熱効率は70%位である。
【0004】
また最近、定着ベルトの加熱部材として効率の良い電磁誘導加熱を用いたものが、例えば特開2001−109289公報等にて開示されているが、発熱効率は85%位である。
【0005】
また、瞬時加熱が可能なクイックスタート定着用の定着装置として、例えば特開平6−289739号公報や特開2001−109318公報等にて開示されているサーフ定着においては、ニップ部が加熱摺動部となるため、強い定着圧力(加圧圧力)を必要とするが、摺動部の耐久性が確保できず高速化が困難であるという問題が起こる。
【0006】
また加熱部材による熱供給幅もニップ部(定着ニップ部)の幅以下となるため、定着ベルト内の熱勾配が大きくなり、定着ベルト(ベルト部材)の寿命が低下するという問題がある。
【0007】
この点、例えば特開平10−161463号公報や特開2000−66539公報等にて開示の、加熱部材として面状発熱体を用いたベルト定着装置では発熱効率はほぼ100%で効率の点で非常に優れており、定着の高速化(高速度の定着)が可能となる。
【0008】
近来、係る面状発熱体を円筒状とし定着ベルト(ベルト部材)の内部に設けて定着ベルト(ベルト部材)を加熱するようなものが多々用いられてきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱部材として面状発熱体をローラ状とし、定着ベルト(ベルト部材)の内部に設けて定着ベルトを加熱するような定着装置においては、加熱部材として用いるローラ状の面状発熱体とベルト部材(定着ベルト)との接触部が回転してしまい電力供給が難しく使用電力も大きいため、加熱部材として用いるローラ状の面状発熱体に安定した電力を供給することが困難である。特に、高速度での定着時の熱効率を良好としたり、定着ベルトの耐久性を向上させることが困難であるという問題が起こる。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決し、ベルト部材を用いる定着装置において、高速度での定着時の熱効率を良好とし、またベルト部材の耐久性を高耐久とする定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的は下記の構成により達成される。
【0012】
(1)無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の内部に設けられる加熱部材と、前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、前記張架ローラ部材を1本として前記ベルト部材の内周面の一方を張架すると共に、前記ベルト部材の内周面の他方を、前記ベルト部材を摺動する表層または表層近傍に面状発熱体を設けた加熱部材により張架することを特徴とする定着装置(第1の発明)。
【0013】
(2)無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ベルト部材を摺動する加熱部材と、前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、前記張架ローラ部材と前記加圧ローラ部材との間に定着ニップ部を形成すると共に、前記定着ニップ部の前記張架ローラ部材の回転方向上流側にベルトニップ部を形成するもので、前記ベルト部材の内面に潤滑油塗布部材を設けて前記ベルト部材に潤滑油を塗布することを特徴とする定着装置(第2の発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図3を用いて説明する。図1は、本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、本発明に係わる定着装置を示す概要断面構成図であり、図3は、図2の定着装置に潤滑油塗布部材を設けた例を示す図である。
【0016】
図1によれば、画像形成装置GSは、画像形成装置本体GHと画像形成装置本体GHの上部に設けられる画像読取装置SCとから構成される。
【0017】
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、中間転写体の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒色の各カラートナー像を形成する画像形成ユニットを配置し、各画像形成ユニットの像担持体上に形成したカラートナー像を中間転写体上に多重転写して重ね合わせた後、転写材上に一括転写するものである。
【0018】
図において、画像形成装置本体GHの上部に配設される画像読取装置SC上に載置された原稿画像が光学系により走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれ、ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込手段としての露光光学系3に画像データ信号を送る。
【0019】
また図において、中間転写体である中間転写ベルト6の周縁部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成用として4組のプロセスユニット100がカラートナー像の形成手段として、図の矢印で示す鉛直方向の中間転写ベルト6の回転方向に対して、中間転写ベルト6に沿って垂直方向に縦列配置され、Y、M、C、Kの順に配置されている。
【0020】
4組のプロセスユニット100は何れも共通した構造であり、それぞれ、像担持体である感光体ドラム1と、帯電手段としての帯電器2と、画像書込手段としての露光光学系3と、現像手段としての現像器4と像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190とからなっている。
【0021】
像担持体である感光体ドラム1は、例えば外径が40〜100mm程度のアルミニウム等の金属性の部材によって形成される円筒状の基体の外周に、感光体層厚として層厚(膜厚)20〜40μm程度の有機感光体層(OPC)の光導電層を形成したものである。感光体ドラム1は、図示しない駆動源からの動力により、導電層を接地された状態で矢印で示す方向に、例えば80〜280mm/sec程度の線速度で回転される。
【0022】
感光体ドラム1の周りには、帯電手段としての帯電器2、画像書込手段としての露光光学系3、現像手段としての現像器4を1組とした画像形成部が、図の矢印にて示す感光体ドラム1の回転方向に対して配置される。
【0023】
帯電手段としての帯電器2は、感光体ドラム1の移動方向に対して直交する方向(図において紙面垂直方向)に感光体ドラム1と対峙し近接して取り付けられる。帯電器2は、感光体ドラム1の有機感光体層に対し所定の電位を与えるコロナ放電電極としての放電ワイヤを備え、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム1に対し一様な電位を与える。
【0024】
画像書込手段である露光光学系3は、不図示の半導体レーザ(LD)光源から発光されるレーザ光を、回転多面鏡(符号なし)により主走査方向に回転走査し、fθレンズ(符号なし)、反射ミラー(符号なし)等を経て感光体ドラム1上を画像信号に対応する電気信号による露光(画像書込)を行い、感光体ドラム1の表面の感光体層に原稿画像に対応する静電潜像を形成する。
【0025】
現像手段としての現像器4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の各色の2成分現像剤をそれぞれ収容し、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像ローラ4aを備えている。現像ローラ4aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム1と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム1の回転方向と順方向に回転するようになっており、現像時、現像ローラ4aに対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1上の露光部に対して反転現像が行われる。
【0026】
中間転写体である中間転写ベルト6は、体積抵抗率が1E+7〜1E+9Ω・cm程度で、表面抵抗率が1E+10〜1E+12Ω/□程度の半導電性の無端状(シームレス)の樹脂ベルト部材が用いられ、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.05〜0.5mmの半導電性の樹脂フィルム基体である。中間転写ベルト6の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転写ベルト6はテンションローラ6aを含む複数のローラ部材により巻回され、鉛直方法に回動可能に支持されている。中間転写体としてはドラム状のものを用いることも可能である。
【0027】
各色毎の第1の転写手段としての1次転写ローラ7は、例えばシリコンやウレタン等の発泡ゴムを用いたローラ状の導電性部材からなり、中間転写ベルト6を挟んで各色毎の感光体ドラム1に対向して設けられ、中間転写ベルト6の背面を押圧して感光体ドラム1との間に転写域を形成する。1次転写ローラ7には定電流制御によりトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流定電流が印加され、転写域に形成される転写電界によって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。
【0028】
画像形成工程(画像形成プロセス)について以下に説明する。
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動によりYの感光体ドラム1が図の矢印で示す方向へ回転され、Yの帯電器2によってYの感光体ドラム1に電位が付与される。Yの感光体ドラム1は電位を付与された後、Yの露光光学系3によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器4により反転現像され、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)のトナーからなるトナー像が形成される。Yの感光体ドラム1上に形成されたYのトナー像は1次転写手段としての1次転写ローラ7により中間転写ベルト6上に転写される。
【0029】
次いで、Mの帯電器2によってMの感光体ドラム1に電位が付与される。Mの感光体ドラム1は電位を付与された後、Mの露光光学系3によって第1の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの感光体ドラム1上にマゼンタ(M)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はMの現像器4により反転現像され、Mの感光体ドラム1上にイエロー(M)のトナーからなるトナー像が形成される。Mの感光体ドラム1上に形成されたMのトナー像は、1次転写手段としての1次転写ローラ7によりYのトナー像の重ね合わせて中間転写ベルト6上に転写される。
【0030】
同様のプロセスにより、Cの感光体ドラム1上に形成されたシアン(C)のトナーからなるトナー像と、Kの感光体ドラム1上に形成された黒色(K)のトナーからなるトナー像が順次中間転写ベルト6上に重ね合わせて形成され、中間転写ベルト6の周面上に、Y、M、C及びKのトナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0031】
転写後のそれぞれの感光体ドラム1の周面上に残ったトナーは像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190によりクリーニングされる。
【0032】
一方、給紙カセット20内に収容された転写材としての記録紙Pは、給紙カセット20に設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される2次転写手段としての2次転写ローラ7Aに搬送され、2次転写ローラ7Aの転写域において、中間転写ベルト6上に形成された重ね合わせのカラートナー像(カラー画像)が記録紙P上に一括して転写される。
【0033】
カラー画像が転写された記録紙Pは、後段において詳述する定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0034】
また、2次転写手段としての2次転写ローラ7Aにより記録紙P上にカラー画像が転写された後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置190aにより残留トナーが除去される。
【0035】
一方、2次転写ローラ7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写体クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0036】
なお、上記画像形成装置の説明においては、カラー画像形成にて説明したが、モノクロ画像を形成する場合も本発明に含まれるものである。
【0037】
図2によれば、本発明の定着装置17は、無端状のベルト部材として定着ベルト27を用い、張架ローラ部材として張架ローラ17aを用い、加圧ローラ部材として加圧ローラ17bを用い、加熱部材として面状発熱体MHaを用いるもので、張架ローラ17aを1本として定着ベルト27の回転方向の下流側で定着ベルト27の内周面の一方において、張架ローラ17aにより定着ベルト27を張架し、また定着ベルト27の回転方向の上流側で定着ベルト27の内周面の他方において、面状発熱体MHaにより定着ベルト27を張架、摺動し、また、定着ベルト27を挟んで張架ローラ17aと対向、当接する加圧ローラ17bを備えたものである。
【0038】
定着ベルト27としては、基体として内径70〜120mm程度で厚さ20〜80μm程度の、例えばニッケル電鋳ベルトを用いた金属ベルトや、厚さ40〜150μm程度のポリイミドやポリアミド等を用いた耐熱性の樹脂ベルトの外側(外周面)に、厚さ100〜300μm程度の絶縁性のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面に厚さ30〜50μm程度のフッ素樹脂(PFA)コーティング加工を施したものを用いる。
【0039】
張架ローラ17aは、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171aと、該金属パイプ171aの外周面に例えばシリコン材を用い、厚さが(肉厚)3〜10mm厚で、ゴム硬度が5〜30Hs(JIS、Aゴム硬度)程度のシリコンのゴム部材からなる弾性層172aと、弾性層172a表面の厚さ15〜30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを用いた離型層173aとからなり、外径40〜60mm程度の軟らかめソフトローラとして形成される。
【0040】
加圧ローラ17bとしては、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼管)を用いた、肉厚2〜5mm程度の円筒状の金属パイプ171bと、該金属パイプ171bの外周面に例えばシリコン材を用い、厚さ(肉厚)1〜5mm厚の薄肉で、ゴム硬度が40Hs〜70Hs(JIS、Aゴム硬度)のやや硬めのゴム層よりなるゴムローラ層172bと、該ゴムローラ層172bの表面に厚さ15〜50μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)チューブを被覆した離型層173bとを形成した、外径40〜60mm程度のやや硬めのハードローラとして構成される。
【0041】
表層または表層近傍に設けられる加熱部材としての面状発熱体MHaは、ポリイミド樹脂とステンレス箔ヒータエレメントとを一体成型した、厚さが0.1〜1.0mm程度の薄層の部材として形成される。該面状発熱体MHaの外周面には、フッ素樹脂からなる離型層RLaが設けられ、定着ベルト27を摺動、張架する。係る面状発熱体MHaは、被加熱面に対する接触面積が大きく高い加熱効率を有し、またシーズヒータに比べて均一な温度分布を有し、また薄層により熱効率が小さく昇温温度の早いレスポンスを有する。
【0042】
定着ベルト27と加圧ローラ17bとの間に形成されるベルトニップ部Naと、ソフトローラである張架ローラ17aとハードローラである加圧ローラ17bとの間に形成させる定着ニップ部Nbとにより記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)が定着される。
【0043】
また、面状発熱体MHaに定着ベルト27を挟んで接触または非接触の温度センサTS1を設け、面状発熱体MHaおよび定着ベルト27の温度制御を行う。
【0044】
上記の如き構成のベルト部材を用いる定着装置により、2つのローラ部材の押圧力(加圧圧力)、即ち定着ベルト27を挟んで定着ニップ部Nbを形成する張架ローラ17aと加圧ローラ17bとによる定着ニップ部Nbでの押圧力(加圧圧力)が大きくとれ、例えばサーフ定着と異なり、定着ベルト27の走行が安定するので、温度分布が一様となり定着むらが生じない。またトナーが良好に溶融されて、記録紙Pに含浸され、記録紙Pに良好に固着され(トナーのアンカー効果が生じ)、定着性が良好となる。またモノクロ画像形成時よりトナーが多いカラー画像形成時の場合でもカラートナーが潰れて光沢の向上が図られる。さらに面状発熱体MHaの熱容量も小さく、高速度での定着時の熱効率を良好としてウォーミングアップ時間(WUT)を短縮し、また定着ベルト27の耐久性を向上させることが可能となる。
【0045】
さらに上記定着装置において以下の条件を設定することが好ましい。
先ず、図に示す、面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)をF1、加圧ローラ17bの加圧圧力をF2とするとき、
F1<1/2・F2
と設定することが好ましい。ベルトテンションF1が、加圧ローラ17bの加圧圧力F2の1/2より強いと、定着ベルト27に滑りが発生するようになり、光沢むらの原因となる。
【0046】
次に、張架ローラ17aと定着ベルト27との摩擦係数をμ1、面状発熱体MHaと定着ベルト27との摩擦係数をμ2とするとき、
μ1>μ2
と設定することが好ましい。張架ローラ17aと定着ベルト27との摩擦係数μ1を、面状発熱体MHaと定着ベルト27との摩擦係数μ2より大きくしないと、定着ベルト27が滑ることが生じ、光沢むらの原因となる。
【0047】
また図3に示す定着装置は、上記図2にて説明したと同様な構成の定着装置17を用いるもので、定着ベルト27の内周に、例えばシリコーンオイルを潤滑油として定着ベルト27に塗布する潤滑油塗布部材であるオイル塗布ローラTRaを設けて、定着ベルト27の内面に潤滑油、例えばシリコーンオイルを塗布するようにしたものである。オイル塗布ローラTRaとしては、例えばシリコンやウレタン等のゴム部材の発泡体にシリコーンオイルを含浸させたものを用いる。また定着ベルト27の内面に塗布する潤滑油(オイル)の粘度としては、定着装置17の使用温度、例えば140〜200℃において、粘度が2000〜6000mPa・s程度のものを用いることが好ましい。粘度のあるオイルを塗布することで、面状発熱体MHaの加熱部の摺動抵抗が上がり、ベルトニップ部Na周辺のみテンション(張架力)が上がりベルトニップ部Naでの定着ベルト27の加圧ローラ17bへの押圧力が上がる。これにより、ベルトニップ部Naでトナーの熱伝導が良好となり定着速度の高速化が可能となる。またベルトニップ部Na側のみテンションが上げられるので、定着ベルト27の耐久性をあまり下げることなくベルトニップ部Naでの押圧力を上げることが可能となる。加えてまた、定着装置17にオイル塗布ローラTRaを用いることにより、高速度での定着時の熱効率を良好とし、またベルト部材の耐久性を高耐久とすることが可能となる。
【0048】
潤滑油(オイル)の粘度が2000mPa・s未満で小さいと、上記効果が小さく、6000mPa・sを越えて大きいと、定着ベルト27と張架ローラ17aとの、或いは定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が上がり過ぎて定着ベルト27の駆動の負荷が大きくなり過ぎ、定着ベルト27や張架ローラ17aの耐久性にも影響が生じる。
【0049】
上記定着装置17の使用温度において、潤滑油(オイル)の粘度を2000mPa・sおよび6000mPa・sと設定し、図2の定着装置17に、上記オイル塗布ローラTRaを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、定着ベルト27の耐久性をあまり下げることなくベルトニップ部Naでの押圧力を上げることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらに潤滑油(オイル)の粘度が4000mPa・sのときにも更によい効果が見いだされた。ところが、潤滑油(オイル)の粘度が1900mPa・s或いは6100mPa・sのときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0050】
さらに上記オイル塗布ローラTRaを用いる定着装置において以下の条件を設定することが好ましい。
【0051】
先ず、図に示す、面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)をF3、加圧ローラ17bの加圧圧力をF4とするとき、
F3<1/3・F4
と設定することが好ましい。ベルトテンションF3が、加圧ローラ17bの加圧圧力F4の1/3より強いと、定着ベルト27に滑りが発生するようになり、光沢むらの原因となる。図2にて説明した面状発熱体MHaと張架ローラ17aとにより定着ベルト27を張架する力(ベルトテンション)と、加圧ローラ17bの加圧圧力との条件の違いは、オイルを塗布することによるためである。
【0052】
次に、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2〜0.6μmRa(JIS、B0601)とし、他方の面の算術平均粗さを0〜1.6μmRa(JIS、B0601)と設定することが好ましい。オイル塗布時、定着ベルト27の内面と面状発熱体MHaの一方の面或いは他方の面の算術平均粗さが0.2或いは0μmRa未満で平滑過ぎると、油膜が薄くなって定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が大きくなり過ぎてしまう。また定着ベルト27の内面と面状発熱体MHaの一方の面或いは他方の面の算術平均粗さが0.6或いは1.6μmRaを越えて荒すぎると、熱伝導の効率が下がり定着ベルト27に面状発熱体MHaの熱が良好に伝わらない。
【0053】
上記定着装置17において、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定し、図3の定着装置17に、前記オイル塗布ローラTRaを適用して5万コピーを行い評価を行ったところ、定着ベルト27と面状発熱体MHaとの摺動抵抗が良好とされて、熱伝導の効率が適正に保たれ、面状発熱体MHaの熱が良好に定着ベルト27に伝達されることが実証され、本発明の課題の効果を見いだすことができた。さらに定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.6μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを1.6μmRaと設定したときにも更によい効果が見いだされた。ところが、定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。また定着ベルト27の内面または面状発熱体MHaの定着ベルト27との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0μmRaと設定したときでは、本発明の課題を越え本発明の効果を見いだすことができなかった。
【0054】
さらに図2にて述べたように、面状発熱体MHaの表面層をフッ素樹脂とすることにより、定着ベルト27や面状発熱体MHaの摩耗が防止され、オイル塗布時も微細に見ると、油膜が切れて擦れる部分も存在するが、フッ素樹脂を用いているので摩耗も防ぐことができる。
【0055】
【発明の効果】
上記の如く、本発明によれば、加熱部材のベルト部材との摺動幅を大きくして、ベルト部材への加熱部材の加熱部での熱勾配が緩くされ、また、張架ローラ部材と加圧ローラ部材とで形成される定着ニップ部では、張架ローラ部材と加圧ローラ部材とでベルト部材を挟むことにより、定着時の加圧圧力を大きくできる構造とされるので、高速度での定着時の熱効率が良好とされ、且つ、ベルト部材の耐久性が高耐久とされる定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】本発明に係わる定着装置を示す概要断面構成図である。
【図3】図2の定着装置に潤滑油塗布部材を設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 露光光学系
4 現像器
6 中間転写ベルト
7 1次転写ローラ
7A 2次転写ローラ
17 定着装置
17a 張架ローラ
17b 加圧ローラ
27 定着ベルト
100 プロセスユニット
MHa 面状発熱体
Na ベルトニップ部
Nb 定着ニップ部
RLa 離型層
TRa オイル塗布ローラ
P 記録紙
Claims (8)
- 無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材の内部に設けられる加熱部材と、
前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、
前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、
前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、
前記張架ローラ部材を1本として前記ベルト部材の内周面の一方を張架すると共に、
前記ベルト部材の内周面の他方を、前記ベルト部材を摺動する表層または表層近傍に面状発熱体を設けた加熱部材により張架することを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材と前記張架ローラ部材とによりベルト部材を張架する力をF1、前記加圧ローラ部材の加圧圧力をF2とするとき、
F1<1/2・F2
とすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記張架ローラ部材と前記ベルト部材との摩擦係数をμ1、前記加熱部材と前記ベルト部材との摩擦係数をμ2とするとき、
μ1>μ2
とすることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。 - 無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材の内部に設けられ、前記ベルト部材を摺動する加熱部材と、
前記ベルト部材を張架する張架ローラ部材と、
前記張架ローラ部材と対向する加圧ローラ部材とを備え、
前記ベルト部材と前記加圧ローラ部材とで転写材を把持搬送し、転写材上のトナー像を加熱、加圧して定着する定着装置において、
前記張架ローラ部材と前記加圧ローラ部材との間に定着ニップ部を形成するもと共に、
前記定着ニップ部の前記張架ローラ部材の回転方向上流側にベルトニップ部を形成するもので、
前記ベルト部材の内面に潤滑油塗布部材を設けて前記ベルト部材に潤滑油を塗布することを特徴とする定着装置。 - 前記定着装置の使用温度において、前記ベルト部材の内面に塗布する潤滑油の粘度を2000〜6000mPa・sとすることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
- 前記加熱部材と前記張架ローラ部材とによりベルト部材を張架する力をF3、前記加圧ローラ部材の加圧圧力をF4とするとき、
F3<1/3・F4
とすることを特徴とする請求項4または5に記載の定着装置。 - 前記ベルト部材の内面または前記加熱部材のベルト部材との摺動面の、一方の面の算術平均粗さを0.2〜0.6μmRaとし、他方の面の算術平均粗さを0〜1.6μmRaとすることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の定着装置。
- 前記加熱部材の表面層はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の定着装置。
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