JPH08314305A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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Publication number
JPH08314305A
JPH08314305A JP12270595A JP12270595A JPH08314305A JP H08314305 A JPH08314305 A JP H08314305A JP 12270595 A JP12270595 A JP 12270595A JP 12270595 A JP12270595 A JP 12270595A JP H08314305 A JPH08314305 A JP H08314305A
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JP
Japan
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heating roll
guide plate
sheet
roll
discharge guide
Prior art date
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Pending
Application number
JP12270595A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Kusumoto
保浩 楠本
Yoshio Kanazawa
祥雄 金澤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP12270595A priority Critical patent/JPH08314305A/ja
Publication of JPH08314305A publication Critical patent/JPH08314305A/ja
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  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱ロール1と、圧接体2と、シート排出ガ
イド板3とを備えた定着装置において、比較的小径の加
熱ロールを使用した場合であっても、装置の大型化や複
雑化やコストアップを招くことなく、先端カールの発生
を防止できるようにする。 【構成】 加熱ロール1の直径D(mm)を10〜20
mmとした場合、シート排出ガイド板3をその先端3a
とニップ部後端6aとのロール周面に沿う離間距離Y
(mm)がY≦0.8D−6の関係を満たす位置に配設
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の電子写真プロセスを利用した画像形
成機器に使用される定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを利用した複写機等に
おいては、記録シート上に形成された未定着トナー像を
定着して永久画像にする必要があり、その定着法とし
て、一般に加熱によってトナーを溶融させて記録シート
上に融着させる加熱定着法が広く採用されている。
【0003】この加熱定着法を採用した定着装置として
は、図7aに示すように円筒状の芯金100の内部にヒ
ータ101を備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層10
2を形成した加熱ロール103と、この加熱ロール10
3に対して圧接配置され、円筒状芯金104の外周面に
耐熱弾性体層105を形成した加圧ロール106とで構
成してなり、それら両ロール103、106間に未定着
トナー像107を有する記録シート108を挿通させて
定着を行う加熱ロール方式のものが知られている。この
種の定着装置は、他の加熱定着法である熱風定着方式や
オーブン定着方式と比べて加熱効率が高いため、低電力
で高速の定着が可能であり、しかも紙詰まりによる火炎
発生の危険性も少ないこと等から現在最も多く利用され
ている。
【0004】ところで、このような加熱ロール方式の定
着装置においては、上述のように加圧ロール103が必
要となるほか、その加圧ロール103の製造に当たって
はロール表面に耐熱弾性体層105を形成するためのシ
リコーンゴム、フッ素系ゴム等の高価な耐熱弾性材を必
要とするため、装置コストが割高となる問題があった。
また、所定の定着条件を確保するためには、加熱ロール
103と加圧ロール106との接触幅(ニップ部の幅)
を少なくとも3〜10mm程度設ける必要があるため、
例えば、ロール径を大きめに設定したり或いは高荷重を
かけるための荷重機構を設けなければならず、加熱ロー
ル及び加圧ロールの小型化が難しく、結果として装置全
体が大型化、複雑化してしまう問題があった。特に、加
熱ロールの小径化は直径で20mmまでが限界とされて
いた。さらに、加熱ロール103を室温から定着可能な
温度まで立ち上げる時間(ウォームアップタイム)は1
〜10分という長い時間を必要としていた。
【0005】そこで、かかる問題を解消するため従来に
おいては、例えば、図7bに示すように上記の加圧ロー
ル106に代えて回転する加熱ロール103に圧接して
ニップ部を形成する耐熱性弾性部材109を固定配置
し、そのニップ部に未定着トナー像107を有する記録
シート108を挿通させて定着を行うという定着装置が
考えられる。そして、この種の定着装置は、加圧ロール
が不要となり、低荷重で十分な加熱ロール103と弾性
部材109とのニップ幅が得られ、その結果、加熱ロー
ルの小径化が図れるとともに装置の小型化や簡略化が可
能となり、しかも、ウォームアップタイムの短縮化が可
能となるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなタイプの定着装置では下記のごとき致命的な問題点
があった。すなわち、低荷重で十分なニップ幅が得られ
る特性を活かして低熱量で急速な立ち上がり時間を達成
するために、加熱ロールの直径をより小さくつまり20
mm以下とした場合には、加熱ロールと弾性部材とのニ
ップ部から排出される記録シートの先端部に小さいがは
っきりとした加熱ロール側に反り曲がるカール(以下、
先端カールと称す)が発生するのである。
【0007】この先端カールは、一般に知られているニ
ップ部の加熱と圧力により排出後の記録シート全体に発
生するカール(以下、全体カールと称す)とは異なり、
ニップ部からの排出時において記録シートが加熱ロール
のロール周面に追従するような状態でしばらく排出され
るため、必要以上に加熱されることにより発生するもの
と推測される。また、この先端カールは、従来の全体カ
ールの補正のために使用されている既存のカール修正装
置(デカーラー)や、記録シート排出方向の適正化等に
よる対応策では修正又は回避できるものではない。
【0008】また、このようなタイプの定着装置では一
般に加熱ロールと弾性部材等のニップ部から排出される
記録シートを加熱ロールから剥離して装置内の排出部へ
確実に導く目的で、加熱ロールのニップ部後端側(排出
側)にシート排出ガイド板が配設されている。
【0009】ところが、このシート排出ガイド板は、一
般的に、加熱ロールに近接して配設することが製造上困
難であることから当該ロールとの間隙を1mm以上あけ
て設置されており、しかも、このような状態のままでニ
ップ部後端に接近した位置に配設された場合には排出直
後の記録シートがガイド板と加熱ロールとの間隙に突入
して加熱ロールに巻き付いたり紙詰まりを起こしやすい
という不具合があることからニップ部後端から約1cm
以上離れた加熱ロールの周囲となる位置に設置されてい
る(このような状態で設置することにより、排出後の記
録シート先端部がシート自体の剛性により自ら加熱ロー
ルから十分に離れた後にガイド板によって剥離されるよ
うにしている)が、このことが先端カールの発生の一要
因にもなっている。
【0010】すなわち、このタイプの定着装置において
は加熱ロールとして小径のものを使用するため、本来な
らば加熱ロールの曲率自体が小さくなることによって記
録シートの剛性によるロール周面からの剥離性能が向上
し、記録シートが加熱ロールに巻き付くことがなくガイ
ド板にスムーズに導かれて排出されるものと考えられ
る。しかし、実際には、記録シートの先端はわずかでは
あるがニップ部通過後も加熱ロールに巻き付く状態で排
出されるため、ニップ部後端から比較的遠く離れた位置
に配設されたシート排出ガイド板に到達する間に余分に
加熱され、このためシート先端が強くカールしてしま
う。なお、このような先端カールを発生する現象は、特
に小径でない従来通りの直径からなる加熱ロールを使用
する定着装置においても起こっているのであるが、加熱
ロールの曲率が大きいため発生する先端カールの曲率も
大きくなって視認されにくく、顕在化していなかっただ
けである。
【0011】ここで、上述したような先端カールを解消
するため、例えば、定着時における記録シートのしわ発
生防止の目的で定着装置のシート搬入側に設置する特開
昭60−107668号や特開昭60−107669号
公報に記載の吸引装置やバイアス電圧印加部をニップ部
の排出側に設置し、これにより、ニップ部から排出され
る記録シートの先端を強制的に加熱ロールから剥離する
対応策が考えられる。また、前記のシート排出ガイド板
を特開平5−162916号公報に記載の加熱ロールに
積極的に圧接させ、これによりニップ部から排出される
記録シート先端を確実に加熱ロールから剥離する対応策
も考えられる。
【0012】ところが、これらの対応策は、前者の場合
には装置が大型になったり複雑なものとなり大幅なコス
トアップを招き、後者の場合には加熱ロール表面の離型
部材を損傷させてロール寿命を短くするという種々の問
題がある。
【0013】従って、本発明の目的は、比較的小径の加
熱ロールを使用した場合に、装置の大型化や複雑化やコ
ストアップを招くことなく、先端カールの発生を防止す
ることができる定着装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の定着装置は、未
定着トナー像が担持された記録シートを回転する加熱ロ
ールとそのロールに圧接する圧接体とのニップ部に挿通
させ、加熱ロールのニップ部後端側のロール周囲に近接
配設されたシート排出ガイド板に沿って排出させて未定
着トナー像の定着を行う定着装置において、上記シート
排出ガイド板は、加熱ロールの直径D(mm)を10〜
20mmとした場合、そのガイド板先端と上記ニップ部
後端とのロール周面に沿う離間距離Y(mm)がY≦
0.8D−6の関係を満たす位置に配設されていること
を特徴とするものである。
【0015】この技術的手段において、加熱ロールはそ
の直径Dが10〜20mmという比較的小径のものであ
るが、この直径Dが10mm未満では長期使用に対する
信頼性に欠けるものとなるうえ、そのロールの製作自体
も困難となり、反対に20mmを越える場合には解決課
題の対象である先端カールが顕在化せず、発生していて
も実用上問題にならない程度のものである。従って、先
端カールは、後述もするように、直径Dが20mm以下
の加熱ロールを使用した場合に顕著に発生する傾向にあ
る。
【0016】本発明者等は、先端カールの発生を防止す
るため特にシート排出ガイド板の配設位置の条件に着目
し、その知見に基づいて直径Dが10〜20mmの範囲
内にある加熱ロールを用い、シート排出ガイド板とニッ
プ部後端とのロール周面に沿う離間距離Yを変化させて
先端カールの発生レベルについて種々の試験を行った結
果、シート排出ガイド板を離間距離Y(mm)がY≦
0.8D−6の関係を満たす位置に配設することにより
先端カールの発生を防止できることを見出し、本発明に
至ったものである。
【0017】上記の圧接体は、固定的に配設されて加熱
ロールと圧接する圧接部材であっても、或いは、回転し
ながら加熱ロールと圧接する加圧ロールであってもよ
い。シート排出ガイド板は、加熱ロールの軸方向の長さ
に相当する長さをもつ板状のものであり、その形状や寸
法、材質等については適宜設定される。
【0018】また、本発明は、上記の技術的手段におい
てシート排出ガイド板の先端と加熱ロールとの間隙を5
0〜800μmの範囲内に設定することが望ましい。特
に、この間隙が800μmを越える場合は、その間隙に
ニップ部から排出される記録シートが突入しやすくなり
好ましくない。この間隙は、シート排出ガイド板の上記
離間距離Yを小さくするに従って次第に小さな値にする
ことが望ましく、この間隙と離間距離Yとはほぼ比例関
係にある(図2参照)。
【0019】さらに、本発明は、上記の技術的手段にお
いてシート排出ガイド板の先端と加熱ロールとの間隙を
上記のような数値範囲に精度よく保持するためには、例
えば、シート排出ガイド板のシート非通過部となる両端
部に加熱ロールと接して回転する回転体を所定量だけ突
出させて設け、その回転体により上記の間隙を保持する
か、或いは、シート排出ガイド板のシート非通過部とな
る両端部に加熱ロールに摺接する所定の厚さからなる耐
熱性フィルムを設け、その回転体により上記の間隙を保
持するように構成することが望ましい。
【0020】
【作用】このような技術的手段によれば、直径が20m
m以下の比較的小径の加熱ロールを使用した場合であっ
ても、シート排出ガイド板が(加熱ロールの直径に応じ
て)ニップ部の後端側により接近した位置に配設されて
いるため、ニップ部から排出される記録シートの先端部
は加熱ロールに追随することなくガイド板によって速や
かに加熱ロールから剥離される結果、必要以上に加熱さ
れることがない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施例に係る定着装置
を示すもので、図中1は加熱ロール、2は加熱ロール1
の外周面の一部に圧接するように固定配置された耐熱性
を有する弾性圧接部材(圧接体)、3はシート排出ガイ
ド板、4は記録シート、5は未定着トナー像を示す。
【0023】加熱ロール1は、肉厚0.3mm、ロール
長さ225mmの鉄製円筒芯材10の外周面にシリコー
ンRTV(Room Temperature Vulc
anization)ゴムを厚さが30μmとなるよう
にディップコーティングして離型層11を形成したもの
である。そして、この加熱ロール1は、その直径D(m
m)が10〜20mmの範囲内に設定されている。ま
た、この加熱ロール1における芯材10の中空部内に
は、加熱源12として100V、300Wの赤外線ラン
プが配設されており、加熱ロール1と弾性圧接部材3の
ニップ部6における温度が常に150°Cに保たれるよ
うに不図示の温度センサにてニップ部付近の温度を実測
し、その計測データを温度コントローラにフィードバッ
クすることによって温度制御されるようになっている。
【0024】耐熱性を有する弾性圧接部材2は、上部が
開口された金属製支持体20と、この支持体20の開口
部に設置された厚さ150μmのばね鋼板からなる弾性
金属板21と、この弾性金属板21上に設置される厚さ
1.5mm、シート挿通方向の幅8mm、JIS K6
301に準拠して測定されたゴム硬度20°のLTV
(Low Temperature Vulcaniza
tion)シリコーンゴム板22と、支持体20の開口
部側全体を被覆するように設けられるフッ素系樹脂から
なる耐熱シート23とで構成されている。耐熱シート2
3は、定着時にニップ部を通過する記録シートとの摩擦
を軽減させるためのものであり、そのフッ素系樹脂とし
ては例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等
が使用される。なお、この実施例における支持体20の
内部には離型剤オイル等は入っていない。
【0025】この弾性圧接部材2は、その要部が厚さ
1.5mm、幅8mmのシリコーンゴム板22にて構成
されているだけであるにもかかわらず、3mmのニップ
幅を実現している。このときの総圧接荷重は2kgであ
り、また、この荷重による加熱ロールの変形はほとんど
無視できるものである。
【0026】シート排出ガイド板3は、その先端部が先
細り形状からなる板状物であり、水滴結露等の防止のた
めに熱容量が小さいポリカーボネート等の耐熱性材料に
て形成されている。そして、このシート排出ガイド板3
は、加熱ロール1の直径に応じて、その先端3aがニッ
プ部後端6aから所定の距離Y(mm)だけ離れた位置
に存在するように設置されている。また、シート排出ガ
イド板3は、その先端3aの加熱ロール1に対する間隙
Lが50〜800μmの範囲内になるように設定されて
いる。
【0027】このような定着装置による定着と記録シー
トの排出は、具体的には次のように行われる。
【0028】すなわち、この定着装置は、未定着トナー
像5を有する記録シート4がニップ部6を30mm/s
の速度で通過するように設定されており、記録シート4
上の未定着トナーはニップ部6を通過する過程で加熱ロ
ールにより加熱されると同時に圧接部材2により加圧さ
れることによって記録シート4に定着される。
【0029】そして、ニップ部6を通過した記録シート
4の先端部は、ニップ部後端6aから排出した直後は、
ニップ部6で受けた熱エネルギーと圧力により塑性変形
してニップ部での保持形状(加熱ロールの周面形状)に
ほぼ追従した形状となり、加熱ロール1の外周面をあた
かも這うような軌跡を描いてニップ部6から排出され
る。
【0030】仮に、記録シート全体がこの軌跡を通過す
るように排出されれば、既存のいわゆるデカーラーやカ
ール修正用通路形状をなすシート搬送路によりカールを
修正することが可能となるが、実際は上記のように記録
シートの先端部分が加熱ロール1に巻き付くかのような
状態で排出された後、シート自身の剛性により加熱ロー
ルから漸次的に離れはじめ、そしてシート排出ガイド板
3により一気に剥離される。一方、先端部以後の記録シ
ート部分は、加熱ロールに巻き付くような軌跡で排出さ
れることはなく、ニップ部6を通過すると速やかに加熱
ロール1から離れた後にガイド板3に導かれて排出され
る。
【0031】この結果、ニップ部6通過後の記録シート
4は、その先端部がそれ以後のシート部分に比べて加熱
ロール1により多く加熱されるため局部的に強く反り曲
がってしまうのである。そして、このような局部的に発
生する先端カールは、一様なカール修正を行うだけのデ
カーラー等の方法では修正できないことになる。
【0032】さて、表1は、シート排出ガイド板3のニ
ップ部後端からの離間距離Yを従来技術のレベルである
1cmに設定し、加熱ロール1の直径Dを変化させた場
合における記録シート4の先端カールの発生具合を調べ
たものである。このときの記録シート4としては富士ゼ
ロックス社製のL紙A4サイズの記録紙を使用した。先
端カールの発生具合については、シート先端部の状態を
観察し、○:実用上特に問題のないレベル、△:視認で
きるが実用上問題のないレベル、×:実用上問題になる
レベル、という基準で評価した。表1の結果から、加熱
ロール1の直径が20mm以下になるのを境にして先端
カールが発生するのがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】そこで、本実施例の定着装置において加熱
ロール1として直径Dがそれぞれ20、18、15、1
0(mm)の4種のものを用い、シート排出ガイド板3
のニップ部後端からの加熱ロール1の周面に沿う離間距
離Yを変化させた場合における記録シート4の先端カー
ルの発生具合を調べた。その結果を表2に示す。先端カ
ールの発生具合の評価は、◎:実用上まったく問題のな
いレベルという基準を加えた以外は表1と同じ基準で行
った。
【0035】
【表2】
【0036】この表2の結果によれば、加熱ロール1の
直径の大小にかかわらず、シート排出ガイド板3の設置
位置となる離間距離Yが小さくなるに従って先端カール
の発生が抑えられることがわかる。また、加熱ロール1
の直径が小さくなるに従って先端カールの発生を抑える
ことが可能な離間距離Yの条件が厳しく(小さく)なる
ことがわかる。つまり、先端カールは離間距離Yがある
値以下になると抑えられ、その抑えられる離間距離Yの
最大値(許容レベル)は加熱ロール1の直径によっても
変わることがわかる。
【0037】本発明者等は、この知見に基づいて更に研
究を重ねた結果、離間距離Yの最大値(YMAX)がYMAX
=0.8X−6となることを見出し、そして、直径Dが
10〜20mmの範囲内にある加熱ロール1を使用する
場合において先端カールの発生を抑えるには離間距離Y
がY≦0.8X−6の関係を満たす位置にシート排出ガ
イド板3を配設すればよいことを見出した。
【0038】また、この実施例の定着装置とは別に、圧
接部材2に代えて例えば図7aに図示のごとき加熱ロー
ルを適用した定着装置を用いて表2に係る試験と同じ試
験を行ったところ(加熱ロールとしては直径Dが15m
mのものを使用した)、表2の結果とほぼ同様の結果が
得られた。
【0039】次に、本実施例の定着装置を用い、シート
排出ガイド板3を先端カールの発生を抑えることができ
る離間距離Y内の位置に配設した場合、記録シート4が
シート排出ガイド板3により加熱ロール1から剥離され
るときのシート排出ガイド板3の加熱ロール1に対する
間隙Lの最大値を調べた。このときの記録シートとして
は剛性の弱い第2原図用紙(トレーシングペーパー)を
使用し、その先端4mmを余白としそれ以後のシート部
分を全面ベタ黒の未定着トナー像を形成して試験を行っ
た。また、加熱ロール1として直径Dが15mmのもの
を使用した。結果を図2に示す。
【0040】図2の結果から、シート排出ガイド板3の
加熱ロール1に対する間隙Lは、離間距離Yが少なくな
る言い換えればシート排出ガイド板3をよりニップ部6
側に接近して配設するに従い(ほぼ比例して)小さくす
る必要があることがわかる。特に、この直径Dが15m
mの加熱ロール1を使用する装置の場合においては、離
間距離Yが最大である6mmのときに間隙Lを少なくと
も800μm以下にする必要があり、さらに離間距離Y
が2mmのときには間隙Lを少なくとも50μm以下に
する必要がある。
【0041】ところで、シート排出ガイド板3を加熱ロ
ール1に対して上記間隙Lでもって離間配設するには高
精度な間隙保持手段を使用する必要がある。例えば、ガ
イド板3の一部を装置本体に単に固定して加熱ロール1
との間隙を保持する方法では十分に対応することができ
ず、必要な精度が得られる程度に構成しようとすれば必
然的にコスト高となってしまう。
【0042】そこで、この実施例では、図3に示すよう
なシート排出ガイド板3の間隙保持手段を採用した。こ
の間隙保持手段は、シート排出ガイド板3の先端部のう
ちシート非通過部3bとなる両端部を必要な間隙L分だ
けシート通過部3cよりも高くなるような形状にしたも
ので、この突出する両端部3bを加熱ロール1の両端部
に軽く圧接させるようにシート排出ガイド板3を設置す
ることにより所定の間隙Lを確保するようにしたもので
ある。この間隙保持手段の場合には、低コストでガイド
板3の間隙保持を実現することができる。図中において
符号Sは加熱ロール1の加熱領域を示す。
【0043】図4は、シート排出ガイド板3の間隙保持
手段の他の構成例を示すものであり、この間隙保持手段
は、シート排出ガイド板3の先端部のうちシート非通過
部3bとなる両端部に必要な間隙L分だけシート通過部
3cから突出した状態で回動する回転体(コロ)30を
回転可能に取り付けたもので、このコロ30を加熱ロー
ル1の両端部に回転可能に軽く圧接させるようにシート
排出ガイド板3を設置することにより所定の間隙Lを確
保するようにしたものである。
【0044】この間隙保持手段を適用し、離間距離Yが
3mm、間隙L(実際には回転体の突出部分の高さ)が
100μmとなるようにシート排出ガイド板3を配設し
た定着装置を用いて間隙保持性能について調べたとこ
ろ、定着枚数60,000枚の定着を行った後において
もシート排出ガイド板3と加熱ロール1との間隙量は初
期設定値とほとんど変化しなかった。ちなみに、この実
施例のような小型の定着装置では約50,000枚の耐
用性能があれば実用上十分である。従って、このような
間隙保持手段の場合には、間隙保持手段としての回転体
30が回転するものであるため摺擦による磨耗劣化等の
おそれがなく、長期安定性に優れた間隙保持を実現する
ことができる。
【0045】図5は、シート排出ガイド板3の間隙保持
手段の他の構成例を示すものであり、この間隙保持手段
は、シート排出ガイド板3の先端部のうちシート非通過
部3bとなる両端部に必要な間隙L分だけシート通過部
3cから突出した厚さの耐熱性フィルム31を取り付け
たもので、この耐熱性フィルム31を加熱ロール1の両
端部に対して摺接するようにシート排出ガイド板3を設
置することにより所定の間隙Lを確保するようにしたも
のである。耐熱性フィルム31としては耐熱性に優れ、
摩擦抵抗(摩擦係数)が非常に小さいプラスチックフィ
ルムが望ましく、例えば、PTFEからなるフィルムが
使用される。
【0046】この間隙保持手段を適用し、離間距離Yが
2mm、間隙L(実際にはPTFEフィルムの厚さ)が
50μmとなるようにシート排出ガイド板3を配設した
定着装置を用いて、実際のシート排出ガイド板3と加熱
ロール1との間隙の変化について調べた。結果を図6に
示す。この結果から明らかなように、定着枚数60,0
00枚の定着を行った後においても所要の間隙量が確保
されていた。つまり、PTFEフィルムの磨滅もほとん
どなく、しかも、定着後の記録シートがガイド板3と加
熱ロールとの間隙部に突入したり或いは詰まるような不
具合を誘発するような間隙の変化はなく、実用上まった
く問題のないレベルにあることが確認された。なお、こ
の際、PTFEフィルム31はガイド板先端の両端部に
貼付し、またシート排出ガイド板3は500g重の荷重
で加熱ロールに圧接させた。従って、この間隙保持手段
の場合には、長期安定性に優れた間隙保持を実現できる
ほか、ガイド板3の組み立てが煩雑になることはなく、
コストアップを招くこともない。
【0047】なお、図3〜図5に示す各間隙保持手段
を、前記実施例の圧接部材2に代えて加熱ロールを使用
した定着装置に適用して間隙保持性能について同様に調
べたところ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直径Dが20mm以下の比較的小径の加熱ロールを使用
した場合であっても、シート排出ガイド板をニップ部後
端からの離間距離YがY≦0.8D−6の関係を満たす
位置に配設するため、ニップ部から排出される記録シー
トの先端部がガイド板によって速やかに加熱ロールから
剥離されて必要以上に加熱されることがなく、先端カー
ルの発生が防止される。そして、既存のシート排出ガイ
ド板の設置位置を調整する程度で先端カールの発生防止
を図ることができるため、装置の大型化や複雑化やコス
トアップを招くことがない。
【0049】また、シート排出ガイド板の加熱ロールと
の間隙を50〜800μmの範囲内に設定した場合に
は、その間隙部分への記録シートの突入や詰まり等の不
具合を発生させることなく、ガイド板によりニップ部か
ら排出される記録シートの先端部をより確実に加熱ロー
ルから剥離することができ、先端カールの発生防止効果
がさらに高まる。
【0050】さらに、シート排出ガイド板の加熱ロール
との間隙を、そのガイド板のシート非通過部となる両端
部に加熱ロールと接して回転する回転体を設ける間隙保
持手段や、そのガイド板のシート非通過部となる両端部
に加熱ロールに摺接する耐熱性フィルムを設ける間隙保
持手段にて保持させた場合には、長期安定性に優れた間
隙保持効果、ひいては長期信頼性の高い先端カールの発
生防止効果が得られる。特に後者の間隙保持手段の場合
には、そのガイド板が簡易な組み立て作業により低コス
トで得られるため、安価な定着装置の提供が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す定着装置の概略断面
図である。
【図2】 シート排出ガイド板による記録シートの加熱
ロールからの剥離が可能なときの、シート排出ガイド板
に係る離間距離Yと間隙Lとの関係を示す相関図であ
る。
【図3】 シート排出ガイド板の間隙保持手段の構成例
を示す平面図である。
【図4】 シート排出ガイド板の間隙保持手段の他の構
成例を示す平面図である。
【図5】 シート排出ガイド板の間隙保持手段の他の構
成例を示す平面図である。
【図6】 図5の間隙保持手段を適用した場合における
定着枚数とシート排出ガイド板に係る間隙Lとの関係を
示す相関図である。
【図7】 従来の代表的な定着装置を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1…加熱ロール、2…圧接体、3…シート排出ガイド
板、4…記録シート、5…未定着シート、6…ニップ
部、30…回転体、31…耐熱性フィルム。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着トナー像が担持された記録シート
    を回転する加熱ロールとそのロールに圧接する圧接体と
    のニップ部に挿通させ、加熱ロールのニップ部後端側の
    ロール周囲に近接配設されたシート排出ガイド板に沿っ
    て排出させて未定着トナー像の定着を行う定着装置にお
    いて、 上記シート排出ガイド板は、加熱ロールの直径D(m
    m)を10〜20mmとした場合、そのガイド板先端と
    上記ニップ部後端とのロール周面に沿う離間距離Y(m
    m)がY≦0.8D−6の関係を満たす位置に配設され
    ていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、シート排
    出ガイド板先端と加熱ロールとの間隙を50〜800μ
    mの範囲内に設定していることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、シート排
    出ガイド板のシート非通過部となる両端部に加熱ロール
    と接して回転する回転体を突出させて設け、その回転体
    によりガイド板先端と加熱ロールとの間隙を保持してい
    ることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、シート排
    出ガイド板のシート非通過部となる両端部に加熱ロール
    に摺接する所定の厚さからなる耐熱性フィルムを設け、
    その耐熱性フィルムによりガイド板先端と加熱ロールと
    の間隙を保持していることを特徴とする定着装置。
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